JP2017204368A - 電気化学素子用セパレータ、電気化学素子、樹脂粒子層形成用組成物および電気化学素子用セパレータの製造方法 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ、電気化学素子、樹脂粒子層形成用組成物および電気化学素子用セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 生産性に優れた電気化学素子用セパレータ、前記電気化学素子用セパレータの形成に用いることのできる樹脂粒子層形成用組成物、前記電気化学用セパレータの製造方法、および前記電気化学素子用セパレータを用いた電気化学素子を提供する。【解決手段】 本発明の電気化学素子用セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材の表面に積層され、熱可塑性樹脂粒子とバインダとを含有する微多孔性の樹脂粒子層とを有し、前記樹脂粒子層のバインダとして、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有していることを特徴とするものであり、本発明の電気化学素子は、本発明の電気化学素子用セパレータを有していることを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、生産性に優れた電気化学素子用セパレータ、前記電気化学素子用セパレータの形成に用いることのできる樹脂粒子層形成用組成物、前記電気化学素子用セパレータの製造方法、および前記電気化学素子用セパレータを用いた電気化学素子に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの電気化学素子は、携帯電話、ノートパソコン、電気自動車、電源用大型蓄電池などの種々の用途で利用されているが、電源供給時間の長時間化や出力増大の必要から、その高容量化、高エネルギー密度化、高電圧化などが要請されている。また、電気化学素子では、高エネルギー密度化などに伴って、異常発熱などの熱暴走の危険性が高まることから、安全対策も強く求められている。
例えば、電気化学素子では、主要部材として正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、セパレータは、絶縁性の多孔質膜からなり、正極と負極との間に配置され、これらを隔てることで電池の内部短絡を防止しつつ、その貫通孔を通じて非水電解液中のイオンを透過させるといった役割を担っている。
電気化学素子の熱暴走の殆どは、電池の内部短絡をトリガーとして発生していることから、セパレータへの機能付与が電気化学素子の安全対策において重要な位置を占めているといえる。電気化学素子の安全性を考慮したセパレータへの機能付与としては、これまで、電池が発熱した際に、セパレータが、その素材であるポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂の融点を超えると融解して貫通孔を閉じ、電流を遮断することにより、素子の更なる発熱を抑制するといったシャットダウン機能の付与が一般的であった。
セパレータがシャットダウン機能を発揮する温度は、シャットダウン温度と呼ばれる。電池の温度上昇によりシャットダウン温度に到達すると、シャットダウン機能により電流を遮断する。しかし、電気化学素子が安全に停止する場合であっても、シャットダウン温度到達後にすぐに温度低下に転じるわけではなく、シャットダウン温度をある程度越えてから、温度低下に入る。
リチウムイオン二次電池などの電気化学素子に用いられるセパレータは、通常、熱可塑性樹脂製の微多孔性の膜(微多孔膜)であり、多孔性と強度向上のために、一軸延伸や二軸延伸が施されている。この延伸のために微多孔膜にはひずみが生じており、これが原因となって、素子の温度上昇時の熱収縮によって破膜が起こることがある。この破膜は、シャットダウン温度よりは高いものの、非常に近い温度域で生じ得る。
前記のような微多孔膜のみを用いたセパレータは、素子の温度上昇によってシャットダウン温度に到達した後、シャットダウン機能を発揮して電流を遮断する。しかし、前記の事情により、素子の温度は、速度が小さくなりつつも上昇を続ける。そして、熱収縮によってセパレータが破膜する温度に到達すると、この破膜が生じてしまい、正極と負極の触による内部短絡を引き起こす虞がある。
こうしたことから、セパレータにより高い機能を持たせて、リチウムイオン二次電池などの電気化学素子の安全性を更に向上させる試みもなされている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂を主体とした微多孔質膜からなり、シャットダウン温度が135〜150℃である基材層(I)と、無機フィラーを主体として含むフィラー層(II)と、融点が100〜130℃の範囲にある樹脂粒子を主体として含む樹脂層(III)とを有し、基材層(I)の片面にフィラー層(II)を、他面に樹脂層(III)を積層しているセパレータを用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。
また、特許文献2には、熱可塑性樹脂を主体とし、所定の温度でシャットダウンを行う微多孔性の第1セパレータ層と、耐熱性を有する微多孔性の第2セパレータ層と、第1セパレータ層が含有する熱可塑性樹脂よりも低い温度で溶融する低融点材を含有し、第1セパレータ層のシャットダウン温度よりも低温でシャットダウンを行う微多孔性の第3セパレータ層とを有するセパレータを用いた電気化学素子が提案されている。
特許文献1、2に記載のセパレータにおいては、基材層(I)や第1セパレータ層でシャットダウン機能を確保でき、かつフィラー層(II)や第2セパレータ層によってセパレータの耐熱性を高め得ることに加えて、基材層(I)や第1セパレータ層よりも低温でシャットダウンを生じる樹脂層(III)や第3セパレータ層によって段階的なシャットダウン機能を確保することができるため、これらのセパレータを使用することで、リチウムイオン二次電池などの電気化学素子の安全性をより高めることが可能となる。
また、特許文献3には、特許文献1、2に記載されているセパレータに係る樹脂層(III)や第3セパレータ層が含有する樹脂粒子(低融点材)が、セパレータの透気抵抗度を増大させてしまう懸念があることに鑑み、複数の特定樹脂を含む複合粒子を使用することで、セパレータにおける透気抵抗度の増大を抑制しつつ、段階的なシャットダウン機能の確保を可能とした技術が提案されている。
特開2014−103124号公報 国際公開第2015/022862号 特開2015−179610号公報
ところで、特許文献1、2に記載されているセパレータのうち、より低温でのシャットダウン機能を確保するための樹脂層(III)や第3セパレータ層などのように、微多孔性の樹脂粒子層を形成する場合には、通常、これらの層の構成材料を溶媒に分散または溶解させた組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し、これを例えば基材層(I)や第1セパレータ層のような多孔質基材の表面に塗布し、乾燥して溶媒を除去する工程を経て形成される。
ところが、前記の組成物を調製してから、ある程度の時間が経過した後に層形成に使用すると、多孔質基材の表面を前記組成物でうまく濡らすことができなくなり、良好な性状の層が得られ難くなる。前記組成物を調製してから良好な性状の層が得られ難くなるまでの時間は比較的短いため、セパレータの製造の度に前記組成物を調製する必要があり、このことがセパレータの生産性向上を妨げていた。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、生産性に優れた電気化学素子用セパレータ、前記電気化学素子用セパレータの形成に用いることのできる樹脂粒子層形成用組成物、前記電気化学素子用セパレータの製造方法、および前記電気化学素子用セパレータを用いた電気化学素子を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電気化学素子用セパレータは、多孔質基材と、前記多孔質基材の表面に積層され、熱可塑性樹脂粒子とバインダとを含有する微多孔性の樹脂粒子層とを有し、前記樹脂粒子層のバインダとして、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有していることを特徴とするものである。
前記電気化学素子用セパレータに係る微多孔性の樹脂粒子層は、熱可塑性樹脂粒子、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のバインダ、および溶媒を含有している本発明の樹脂粒子層形成用組成物を用いて形成することができる。
すなわち、前記樹脂粒子層形成用組成物を多孔質基材の表面に塗布し、乾燥する工程を有する本発明の電気化学素子用セパレータの製造方法により、前記本発明の電気化学素子用セパレータを製造することができる。
また、本発明の電気化学素子は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、セパレータとして、本発明の電気化学素子用セパレータを有していることを特徴とするものである。
本発明によれば、生産性に優れた電気化学素子用セパレータ、前記電気化学素子用セパレータの形成に用いることのできる樹脂粒子層形成用組成物、前記電気化学素子用セパレータの製造方法、および前記電気化学素子用セパレータを用いた電気化学素子を提供することができる。
本発明の電気化学素子用セパレータの一例を模式的に表す断面図である。 本発明の電気化学素子用セパレータの他の例を模式的に表す断面図である。
<電気化学素子用セパレータ>
本発明の電気化学素子用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という場合がある)は、多孔質基材と、前記多孔質基材の表面に積層され、熱可塑性樹脂粒子とバインダとを含有する微多孔性の樹脂粒子層とを有する多層構造である。以下には、まず、本発明のセパレータの各層について説明し、続いて、セパレータの積層構成などについて説明する。
<多孔質基材>
多孔質基材は、微多孔性で、セパレータの基材となるものであり、主に多孔質基材によって、電気化学素子の有する正極と負極とが隔離される。
多孔質基材は、例えば、以下に説明する第1セパレータ層および第2セパレータ層のうちの少なくとも一方を含有する構成とすることができる。
(第1セパレータ層)
セパレータは、片面側と他面側とを連通するリチウムイオンが通過可能な複数の空孔を有している。第1セパレータ層は、熱可塑性樹脂を主体とするものであり、セパレータを用いた電気化学素子の内部温度が、第1セパレータ層を構成する熱可塑性樹脂の融点以上になった際には、熱可塑性樹脂が溶融して第1セパレータ層の微多孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャッ卜ダウンを生じる。第1セパレータ層は、不織布などを備える構成としてもよい。
第1セパレータ層を構成する熱可塑性樹脂としては、電気絶縁性を有し、電気化学素子内に保持される非水電解液に対して安定であり、更に電気化学素子の作動電圧範囲において酸化還元され難く、電気化学的に安定な材料が好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、変性ポリエチレン(変性PE)、ポリプロピレン(PP)、パラフィン、共重合ポリオレフィン、ポリオレフィン誘導体(塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂など)などのポリオレフィン;ポリビニルアルコール;ポリイミド;アラミド;などが挙げられる。また、共重合ポリオレフィンとしては、エチレン−ビニルモノマー共重合体(EVA)、より具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。第1セパレータ層には、前記例示の各熱可塑性樹脂のうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の各熱可塑性樹脂の中でも、融点が125℃以上170℃以下の樹脂を使用することが好ましい。この場合には、セパレータにおけるシャットダウンがより好ましい条件で発現するようになる。本明細書でいう各樹脂の融点は、JIS K 7121の規定に準じて示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度を意味している。
また、第1セパレータ層には、融点が125℃以上170℃以下の熱可塑性樹脂〔以下、「樹脂(A)」という〕と共に、これよりも融点が高い熱可塑性樹脂〔以下、「樹脂(B)」という〕を使用することが好ましい。樹脂(A)と樹脂(B)とを含有する第1セパレータ層の場合には、樹脂(A)の溶融によってシャットダウンが生じた後、樹脂(B)の融点に至るまでの間に、第1セパレータ層の形状(セパレータの形状)を保ち得るようになる。よって、シャッ卜ダウンの発現後に素子温度の上昇が継続していた場合でも、正極と負極とを隔離した状態を維持することができ、電気化学素子の安全性をより高めることができる。また、電気化学素子内の温度が樹脂(B)の融点を上回った場合には、樹脂(B)も溶融し、溶融後の樹脂(A)と樹脂(B)とで形成される厚い層が形成されることで、シャッ卜ダウン機能が増強される。
第1セパレータ層において、樹脂(A)と樹脂(B)とを併用する場合には、例えば、樹脂(A)で構成された層と樹脂(B)で構成された層との2層構造や、樹脂(A)で構成された層の両面に樹脂(B)で構成された層を有していたり、樹脂(B)で構成された層の両面に樹脂(A)で構成された層を有していたりする3層構造などの多層構造とすることが好ましい。この場合には、樹脂(A)と樹脂(B)とを併用することによる前記の効果を、より良好に確保することができる。また、第1セパレータ層を単層構造とした場合に比して、高温状態で、セパレータの形状がより安定するようになる。
樹脂(B)の融点は、樹脂(A)の融点よりも高ければよいが、例えば、樹脂(A)の融点よりも10℃以上高いことが好ましい。更に、樹脂(B)の具体的な融点は、130℃以上であることが好ましく、また、200℃以下であることが好ましい。
第1セパレータ層における熱可塑性樹脂の含有率〔前記の樹脂(A)と樹脂(B)とを使用する場合には、それらの合計含有率〕は、第1セパレータ層の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積)中、50体積%以上であり、70体積%以上であることが好ましく、100体積%、すなわち、第1セパレータ層が熱可塑性樹脂のみで構成されていてもよい。
第1セパレータ層には、通常のリチウムイオン二次電池などの電気化学素子でセパレータとして使用されている熱可塑性樹脂製の微多孔膜、例えば、ポリオレフィン製微多孔膜を用いることができる。こうした微多孔膜は、例えば延伸法によって形成することができる。すなわち、無機フィラーなどを混合した前記熱可塑性樹脂を用いて形成したフィルムやシートに一軸または二軸延伸を施して微細な空孔を形成した後、必要に応じて無機フィラーを除去することで製造することができる。また、溶媒による空孔形成法によっても微多孔膜を形成することができる。すなわち、前記例示の熱可塑性樹脂と、他の樹脂やパラフィンとを混合してフィルムやシートとし、その後、前記他の樹脂やパラフィンのみを溶解する溶媒中に、これらのフィルムやシートを浸漬して、他の樹脂やパラフィンのみを溶解させて空孔を形成して製造することもできる。更に、延伸法と空孔形成法とを組み合わせた方法によって製造された熱可塑性樹脂製の微多孔膜を、第1セパレータ層に用いることもできる。
このような熱可塑性樹脂製の微多孔膜のうち、樹脂(A)のみを用いたものの具体例としては、例えば、PEを含有する単層からなる微多孔膜やPPを含有する単層からなる微多孔膜が挙げられる。また、樹脂(A)と樹脂(B)とを使用したものの具体例としては、例えば、PEを含有する層の片面にPPを含有する層を有する2層構造の微多孔膜、PEを含有する層の両面にPPを含有する層を有する3層構造の微多孔膜などが挙げられる。
更に、第1セパレータ層に、2種の樹脂(A)と樹脂(B)とを使用する場合には、第1セパレータ層に用いる微多孔膜を3層構造とすることが好ましい。2層構造とすると、それぞれの樹脂の物性の違いによりセパレータ層が湾曲するなど、素子製造上の課題が生じる場合があるが、3層構造であれば取扱いが容易となるためである。また、2種の樹脂(A)と樹脂(B)とを併用する3層構造の微多孔膜の場合、外層を構成する樹脂の融点が、内層を構成する樹脂の融点よりも高いことが好ましいため、樹脂(A)で構成された層の両面に樹脂(B)で構成された層を備えるものが特に好ましい。
このような多層構造としては、HDPFを含有する層とPPを含有する層との組み合わせが例示され、HDPEであれば融点が125〜140℃であり、PPの融点が160〜170℃であることが好ましい。なお、第1セパレータ層を多層構造とする場合には、高温時の形状を維持する機能を付与するため、少なくとも1層に、融点が140℃以上の材料(PPなど)を採用することが好ましい。
第1セパレータ層には、第2セパレータ層に含有させ得るものとして後に記載する無機フィラーや有機バインダ、繊維状物を、必要に応じて含有させてもよい。
第1セパレータ層の多孔性の程度は気孔率として表すことができる。気孔率は、第1セパレータ層の厚み(t)×幅(w)×長さ(I)から求められる見かけ上の体積(V)に対して、実際の樹脂が占める実体積(v)を用いて、(V−v)/Vで表すことができる。樹脂の比重が既知の場合は、切り出した第1セパレータ層(第1セパレータ層に使用する微多孔膜)の重量を測定し、比重から実体積(v)が求められる。見かけ上の体積(V)を求める場合、第1セパレータ層の厚み(第1セパレータ層に使用する微多孔膜の厚み)については、例えば、ミットヨ製デジマチックインジケーター(547−401)を用いて測定することができる。また、第1セパレータ層(第1セパレータ層に使用する微多孔膜)の気孔率を実測で求める際は、ウルトラピクノメーターや水銀ポロシメーターを用いればよい。
第1セパレータ層の気孔率は、セパレータ中のリチウムイオンの透過性を高めて、電気化学素子の出力特性をより高める観点から、30%以上であることが好ましく、35%以上であることがより好ましい。また、第1セパレータ層の気孔率は、セパレータによる内部短絡の防止機能をより高める観点から、90%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。
(第2セパレータ層)
第2セパレータ層は、微多孔性で、耐熱性を有しており、セパレータの熱収縮を抑えることによって電気化学素子の内部短絡を抑制する作用を有している。第2セパレータ層は、耐熱性が高い無機フィラーなどの耐熱性材料を構成材料とすることで、耐熱性を確保することができる。また、後述するように、アラミドなどの耐熱性の高い樹脂により構成することも可能である。
第2セパレータ層は、例えば、耐熱性材料である無機フィラーのみで構成されていてもよく、また、無機フィラーと有機バインダとを含み、無機フィラー同士が有機バインダで結着された構造を有していてもよい。
耐熱性の高い無機フィラーを有する第2セパレータ層を含むセパレータは、電気化学素子内が、第1セパレータ層が収縮するような温度になっても、無機フィラーの作用によってセパレータの収縮や破膜を抑制することができる。このため、セパレータが、第1セパレータ層と共に第2セパレータ層を有する場合は、第1セパレータ層が破膜しても、無機フィラーを有する第2セパレータ層が正極と負極とを仕切るスペーサーとして作用することから、電気化学素子の内部短絡を抑制する効果が期待できる。また、無機フィラーは、セパレータの突き刺し強度を向上させることができ、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合も、セパレータの突き破れ、短絡の発生を防止できる。そのため、セパレータが無機フィラーを含有する第2セパレータ層を有する場合は、電気化学素子の安全性をより一層高めることができる。
第2セパレータ層に使用する無機フィラーとしては、耐熱温度が150℃以上のものが好ましい。本明細書でいう無機フィラーおよび後述する繊維状物における「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において形状変化が目視で確認されないことを意味している。
このような耐熱温度を有する無機フィラーの構成材料の具体例としては、例えば、酸化鉄、酸化マグネシウム、SiO(シリ力)、Al(アルミナ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;Al(OH)(水酸化アルミニウム)、水酸化マグネシウムなどの無機水酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリ口ナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物でなどであってもよい。また、金属;SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物;カーボンブラック、グラファイ卜などの炭素質材料;などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料、例えば、前記の無機酸化物などで被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。無機フィラーには、上で例示の材料で構成された微粒子のうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の無機フィラーの中でも、アルミナ、シリ力、水酸化アルミ二ウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよびベーマイトがより好ましく、その中でもベーマイトが更に好ましい。ベーマイトの中でも、粒径や形状を制御しやすく、電気化学素子の特性に悪影響を与えるイオン性の不純物を低減できる合成ベーマイトが特に好ましい。
無機フィラーの形状については特に制限はなく、略球状(真球状を含む)や楕円体状、板状など、いずれの形状であってもよい。
無機フィラーの粒径は、平均粒径で、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
本明細書でいう粒子〔無機フィラーおよび後述する樹脂粒子(低融点材を含有する複合粒子を含む)〕の平均粒径は、例えば、微粒子の水分散体を用意し、大塚電子社製の濃厚系粒径アナライザ-「FPAR−1000」を使用して、動的光散乱により測定されるD50(体積累積頻度が50%なる粒径)として規定することができる。後記の実施例で示す各微粒子の平均粒径は、この方法により測定した値である。
有機バインダの具体例としては、例えば、EVA(酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA)、ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBR、ブチルアクリレート−アクリル酸共重合体、PVP、CMC、PNVAなどの柔軟性の高いバインダがより好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR」、日本ゼオン社の「BM−400B(SBR)」などが挙げられる。
第2セパレータ層に有機バインダを含有させる場合には、後述する第2セパレータ層形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの状態で用いればよい。
第2セパレータ層には、セパレータの形状安定性や柔軟性を確保するために繊維状物を含有させてもよい。繊維状物は、耐熱温度が150℃以上であることが好ましい。
繊維状物としては、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、電気化学素子が有する非水電解液や、セパレータ製造の際に使用する溶媒に安定であり、好ましくは前記の耐熱温度を有していれば、特に材質に制限はない。
繊維状物の具体的な構成材料としては、例えば、セルロースおよびその変成体(CMC、HPCなど)、ポリオレフィン(PP、プロピレンの共重合体など)、ポリエステル〔ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など〕、ポリアクリロニトリル(PAN)、アラミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂;ガラス、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの無機酸化物;などを挙げることができ、これらの構成材料を2種以上使用して繊維状物を構成してもよい。また、繊維状物は、必要に応じて、各種添加剤、例えば、繊維状物が樹脂である場合には酸化防止剤などを含有していても構わない。
繊維状物の形状としては、例えば、平均径が0.01〜20μmであることが好ましく、平均長が0.1〜50000μmであることが好ましい。
第2セパレータ層に有機バインダが含有される場合には、有機バインダによる効果をより良好に確保する観点から、その含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積。第2セパレータ層に係る各成分の含有率について、以下同じ。)中、0.2体積%以上であることが好ましく、0.5体積%以上であることがより好ましい。ただし、第2セパレータ層における有機バインダの量が多すぎると、他の成分の量が少なくなりすぎて、それらによる効果が十分に確保し得ない虞があることから、第2セパレータ層における有機バインダの含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積中、20体積%以下であることが好ましく、10体積%以下であることがより好ましい。
第2セパレータ層に無機フィラーを含有させる場合には、無機フィラーによる前記の効果をより良好に確保する観点から、その含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積中、10体積%以上であることが好ましく、40体積%以上であることがより好ましい。ただし、第2セパレータ層における無機フィラーの量が多すぎると、他の成分の量が少なくなりすぎて、それらによる効果が十分に確保し得ない虞があることから、第2セパレータ層における無機フィラーの含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積中、99体積%以下であることが好ましく、98体積%以下であることがより好ましい。
第2セパレータ層に繊維状物を含有させる場合には、繊維状物による前記の効果をより良好に確保する観点から、その含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積中、5体積%以上であることが好ましく、10体積%以上であることがより好ましい。ただし、第2セパレータ層における繊維状物の量が多すぎると、他の成分の量が少なくなりすぎて、それらによる効果が十分に確保し得ない虞があることから、第2セパレータ層における繊維状物の含有率は、第2セパレータ層の構成成分の全体積中、90体積%以下であることが好ましく、60体積%以下であることがより好ましい。
また、第2セパレータ層は、耐熱性の高い樹脂、例えば、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定される融解温度が180℃以上である樹脂や、熱硬化性樹脂、熱分解温度が200℃以上の樹脂などで構成することも可能である。具体的には、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、セルロース、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアセタールなどが挙げられ、ポリイミド、ポリアミドイミド、全芳香族ポリアミド(アラミド)、セルロースが好ましく用いられる。
前記耐熱性の高い樹脂により第2セパレータ層を形成する場合には、前記樹脂を溶媒に溶解させた塗液を、第1セパレータ層の表面に塗布し乾燥させる方法;前記樹脂を溶媒に溶解させた塗液を第1セパレータ層の表面に塗布し、貧溶媒により相分離させる方法;などを採用することができる。また、剥離可能な基板上に前記樹脂を溶媒に溶解させた塗液を塗布し、前記樹脂の塗膜を形成した後、前記基板を剥離させ、耐熱性の高い樹脂で構成された多孔質膜を得る方法を用いることもできる。
なお、空孔率や空孔径を調整するために、アルミナ、シリカ、チタニアなど、前述した無機フィラーを、前記樹脂を含む塗液に混合してもよい。
<樹脂粒子層>
樹脂粒子層は、微多孔性で、熱可塑性樹脂の粒子とその粒子同士を結着するバインダとを含有し、前記多孔質基材の表面に積層され、この層単独で、あるいは第1セパレータ層と共に、本発明のセパレータにシャットダウンの機能を生じさせるものである。
前記熱可塑性樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂は、第1セパレータ層を構成する融点が125℃以上170℃以下の熱可塑性樹脂と同じ樹脂を用いてもよく、また、それよりも融点が低い樹脂を用いてもよいが、多孔質基材が第1セパレータ層を含有する構成である場合は、樹脂粒子層を、以下に説明する低融点材を含有する第3セパレータ層の構成とすることが望ましい。
なお、前記熱可塑性樹脂粒子を、より融点の高い樹脂で構成する場合でも、樹脂以外の構成は、以下に記載する第3セパレータ層の構成と同様の構成とすればよい。
(第3セパレータ層)
第3セパレータ層を構成する熱可塑性樹脂の粒子は、第1セパレータ層を構成する熱可塑性樹脂として記載した、樹脂(A)および樹脂(B)よりも低い温度に融点を有する低融点材を含有しており、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含むバインダにより、微多孔性の層として形成される。
第3セパレータ層の樹脂粒子を構成する低融点材は、第1セパレータ層に係る熱可塑性樹脂〔樹脂(A)および樹脂(B)〕よりも低い温度で溶融するため、本発明のセパレータにおける多孔質基材が、第1セパレータ層を含有する場合には、電気化学素子の内部温度が上昇すると、まず前記低融点材が溶融してセパレータの空孔を塞ぐシャットダウンが生じて電気化学素子の更なる温度上昇を抑制する。そして、前記低融点材のシャットダウンによる電気化学素子の温度上昇の抑制が十分でない場合には、第1セパレータ層に係る熱可塑性樹脂が溶融してシャットダウンが生じることで、電気化学素子の更なる温度上昇を抑制する。
このように、第1セパレータ層と第3セパレータ層とを含有する実施態様としたセパレータを用いた電気化学素子では、シャットダウンが複数の段階で生じ、その温度上昇を複数の段階で抑制できるため、第1セパレータ層の熱可塑性樹脂の溶融によるシャットダウンが十分に進む前に電気化学素子の内部温度が上昇しすぎてセパレータ全体が熱収縮・破膜することによる正極と負極との接触を防止することができる。
また、セパレータによるシャットダウン機能を、例えば低融点材のみで確保しようとすると、電気化学素子内での温度上昇によって低融点材が溶融してシャットダウンが生じても、素子内の温度上昇が更に継続してしまうと、セパレータの空孔内を塞いだ低融点材の、空孔からの流出が生じてシャットダウン状態を良好に継続し得ないことがある。しかしながら、前記の実施態様であれば、第3セパレータ層が含有する低融点材の溶融によるシャットダウンの発現後に、素子内の温度上昇が継続しても、第1セパレータ層が含有する熱可塑性樹脂の溶融によって再度シャットダウンが起こる。
そして、セパレータが更に第2セパレータ層を備えている場合には、第1セパレータ層が含有する熱可塑性樹脂の溶融が生じても、耐熱性に優れた第2セパレータ層によって、正極と負極とがより確実に隔離される。
よって、多孔質基材として第1セパレータ層と第2セパレータ層とを有し、樹脂粒子層として第3セパレータ層を有するセパレータの構成とすれば、安全性が非常に優れた電気化学素子を構成することができるので望ましい。
第3セパレータ層を構成する低融点材は、電気絶縁性を有し、電気化学素子内に保持される非水電解液に対して安定であり、更に電気化学素子の作動電圧範囲において酸化還元され難く、電気化学的に安定な材料が好ましい。
第1セパレータ層に係る樹脂(A)に、融点が125℃以上170℃以下の熱可塑性樹脂を使用する場合、第3セパレータ層に係る低融点材の融点としては、80℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、また、140℃以下であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましく、120℃以下であることが更に好ましい。そして、第1セパレータ層に係る樹脂(A)と、第3セパレータ層に係る低融点材との融点差は、30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましく、また、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることがより好ましい。このような構成とすることで、第3セパレータ層を設けることによる素子の安全性向上効果が、より良好に確保できるようになる。
第3セパレータ層に係る低融点材の具体例としては、LDPE、低分子量PE、変性PE〔(無水)マレンイン酸変性PEなど〕、ナイロン、アイオノマー樹脂などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよく、また、これらの樹脂を形成し得るモノマー同士の共重合体や、これらの樹脂を形成し得るモノマーと他のモノマーとの共重合体を用いてもよい。
低融点材は、140℃での溶融粘度が、5mPa・s以上であることが好ましく、8mPa・s以上であることがより好ましい。このように、低融点材として溶融粘度がある程度高いものを使用することで、シャットダウンが生じた際に低融点材がセパレータの空孔外に流れ出すことを抑制して、低融点材によるシャットダウン作用をより良好に引き出すことが可能となる。ただし、低融点材の溶融粘度が高すぎると、低融点材の溶融時の流動性が低いために、シャットダウンが生じた際に、低融点材がセパレータの空孔を塞ぐ作用が小さくなる虞がある。よって、低融点材の140℃の溶融粘度は、100000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましく、1000mPa・s未満であることが更に好ましい。
なお、低融点材の140℃での溶融粘度は、第1セパレータ層を構成する樹脂(A)の140℃での溶融粘度よりも低いことが好ましい。
また、低融点材の体積は、第1セパレータ層の空孔部分の体積の、3〜200体積%であることが好ましく、5〜150体積%であることがより好ましい。このようにすることで、第1セパレータ層の空孔体積に対する、低融点材が高温で溶融したときの体積(溶融体積)の割合(溶融充填率)が一定の範囲となり、シャットダウン効果をより良好に確保することができる。
また、第3セパレータ層に係る低融点材は、他の樹脂〔以下、「樹脂(C)」という〕と共に複合した複合粒子の形態で、第3セパレータ層内に存在していることが好ましい。低融点材を複合粒子とせずにそのままの形態で第3セパレータ層に含有させると、第3セパレータ層の透気抵抗度が増大してセパレータのリチウムイオン透過性が低下しやすいため、これを用いた素子の出力特性を高く維持できない虞がある。しかしながら、低融点材を樹脂(C)と複合化した複合粒子として第3セパレータ層に含有させた場合には、第3セパレータ層の透気抵抗度の増大抑制が可能となるため、これを用いた素子の出力特性を高く維持することができる。
その理由の詳細は定かではないが、低融点材のみの粒子を用いて第3セパレータ層を形成した場合、これらの粒子の強度が低いため、一部の粒子が潰れて密着することで第3セパレータ層の空孔が狭くなり、セパレータに部分的に透気抵抗度が高い箇所が生じてしまうのに対し、前記の複合粒子を用いて第3セパレータ層を形成した場合には、これらの粒子の強度が前記低融点材のみの粒子よりも高くなるため、粒子の形状が保たれて、第3セパレータ層の全体にわたって高い均質性で空孔を形成することが可能となるからではないかと考えている。
低融点材と複合粒子を形成するための樹脂(C)には、融点が100℃以上170℃以下であって、共に複合粒子を形成する低融点材よりも融点が高いものを使用することが好ましい。
樹脂(C)の具体例としては、第1セパレータ層に係る熱可塑性樹脂〔樹脂(A)および樹脂(B)〕として例示した各種の樹脂のうち、低融点材よりも融点が高いもの;変性PP〔(無水)マレイン酸変性PPなど〕;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
低融点材と樹脂(C)との複合粒子は、低融点材と樹脂(C)とを含有していれば、その形態については特に制限はなく、例えば、低融点材と樹脂(C)とを均一または不均一に分子レベルで相溶した状態で粒子を形成している構造;低融点材および樹脂(C)のうちのいずれか一方がマトリックスとなり、その内部に他方が分散している構造;低融点材および樹脂(C)のうちのいずれか一方がコアを形成し、他方がシェルを形成しているコアシェル構造;などの形態を取ることができる。
前記複合粒子を構成する低融点材と樹脂(C)の組み合わせとしては、低融点材にPEまたは変性PEを使用し、樹脂(C)にPPまたは変性PPを使用することがより好ましい。
前記複合粒子の形状については特に制限はなく、略球状(真球状を含む)や楕円体状、板状など、いずれの形状であってもよい。また、前記複合粒子の平均粒子径は、セパレータの透気抵抗度の増大をより良好に抑制する観点から、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。ただし、前記複合粒子の粒径が大き過ぎると、第3セパレータ層を形成させた場合、セパレータが厚くなり、電気化学素子を作製した場合にセパレータの占有部分が大きくなり、体積エネルギー密度が低下する。よって、前記複合粒子の平均粒子径は、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
前記複合粒子においては、低融点材の含有量が、1質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが最も好ましく、また、99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましい。そして、前記複合粒子においては、樹脂(C)の含有量が、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、また、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが最も好ましい。低融点材および樹脂(C)を前記の量で含有させて構成した複合粒子であれば、セパレータの透気抵抗度の増大を抑制する作用と、電気化学素子の安全性を高める作用がより向上する。
また、第3セパレータ層には、低融点材の粒子(低融点材のみからなる粒子、または低融点材を含有する前記複合粒子)同士や、第3セパレータ層と多孔質基材とを結着させるためにバインダを含有させる。このバインダには、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を使用する。
第3セパレータ層は、低融点材やバインダなどを溶媒に分散または溶解させて調製した第3セパレータ層形成用組成物(スラリー、ペーストなど)を、例えば多孔質基材となる第1セパレータ層(第1セパレータ層を構成する微多孔膜)の表面に塗布し、乾燥して溶媒を除去する工程を経て形成される。ところが、この第3セパレータ層形成用組成物は、保存安定性が低く、調製から半日程度経過した後に基材表面に塗布すると、多孔質基材の表面を前記組成物でうまく濡らすことができなくなり良好な性状の第3セパレータ層を形成し難くなる。そのため、第3セパレータ層形成用組成物は、調製してから直ぐに第3セパレータ層の形成に使用する必要があり、長時間貯蔵しておくことができないため、このことがセパレータの生産性向上を阻害していた。
しかしながら、理由は定かではないが、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を、第3セパレータ層用のバインダとして含有する組成物の場合には、調製から長時間の経過後においても、調製直後とさほど変わらずに良好な性状の第3セパレータ層を形成できる。そのため、第3セパレータ層のバインダとして、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する本発明のセパレータであれば、その生産性、ひいては、それを用いた電気化学素子の生産性を高めることができる。
また、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を第3セパレータ層のバインダとして使用した場合には、第3セパレータ層と多孔質基材との間の剥離強度を高めたり、第3セパレータ層内での低融点材粒子(前記複合粒子を含む)同士の結着力を高めたりすることもできる。よって、例えば第3セパレータ層からの低融点材粒子の脱落を良好に抑制できることから、より良好な品質の電気化学素子を構成することが可能となる。
第3セパレータ層のバインダには、メチルセルロースの他、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのメチルセルロースの誘導体を使用することもできる。第3セパレータ層は、これらのバインダのうちの1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していても構わない。
第3セパレータ層は、メチルセルロースまたはその誘導体とともに、これら以外のバインダを含有していてもよい。特に、N−ビニルアセトアミドの重合体〔ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA)、またはN−ビニルアセトアミドの共重合体(N−ビニルアセトアミド−アクリル酸共重合体など)〕、または、ポリビニルピロリドン(PVP)を、メチルセルロースまたはその誘導体と共に第3セパレータ層のバインダに使用した場合には、第3セパレータ層形成用組成物中での低融点材粒子(または前記複合粒子)の凝集を、より良好に抑制できることから、セパレータの生産性、更にはこのセパレータを用いた電気化学素子の特性および生産性を、更に高めることが可能となる。
第3セパレータ層における低融点材の含有率は、第3セパレータ層の構成成分の全体積(空孔部分を除く全体積。第3セパレータ層中の各構成成分の含有率について、以下同じ。)中、70体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることが好ましい。ただし、第3セパレータ層中の低融点材の量が多すぎると、例えば、バインダの量が少なくなりすぎて、その使用による効果が十分に確保できなくなる虞がある。よって、第3セパレータ層における低融点材の含有率は、第3セパレータ層の構成成分の全体積中、99.8体積%以下であることが好ましく、98.5体積%以下であることがより好ましい。
なお、低融点材と樹脂(C)とを含有する前記複合粒子を使用する場合には、前記複合粒子中に含まれる低融点材の、第3セパレータ層中の含有率が前記好適値を満たすようにすればよい。
また、第3セパレータ層におけるメチルセルロースおよびその誘導体の含有率(第3セパレータ層がメチルセルロースおよびその誘導体のうちの1種のみを含有している場合は、その含有率であり、複数種を含有している場合は、それらの合計含有率。以下、同じ。)は、低融点材粒子(または前記複合粒子)同士や第3セパレータ層と他の層とをより良好に結着できるようにする観点から、第3セパレータ層の構成成分の全体積中、0.2体積%以上であることが好ましく、1体積%以上であることがより好ましい。ただし、第3セパレータ層中のメチルセルロースおよびその誘導体の量が多すぎると、第3セパレータ層中のリチウムイオン透過性が低下する虞がある。よって、第3セパレータ層におけるメチルセルロースおよびその誘導体の含有率は、第3セパレータ層の構成成分の全体積中、30体積%以下であることが好ましく、10体積%以下であることがより好ましい。
また、第3セパレータ層のバインダとして、メチルセルロースまたはその誘導体と、N−ビニルアセトアミドの重合体またはPVPとを使用する場合には、第3セパレータ層におけるN−ビニルアセトアミドの重合体およびPVPの含有率(いずれか一方を含有している場合は、その含有率であり、両方を含有している場合は、合計含有率。以下、同じ。)は、N−ビニルアセトアミドの重合体やPVPを使用することによる前記の効果をより良好に確保する観点から、第3セパレータ層の構成成分の全体積中、0.2体積%以上であることが好ましく、0.5体積%以上であることがより好ましい。
なお、第3セパレータ層中の全バインダの合計含有率は、第3セパレータ層の構成成分の全体積中、30体積%以下であることが好ましく、10体積%以下であることがより好ましい。よって、第3セパレータ層のバインダとして、メチルセルロースまたはその誘導体とともに他のバインダを使用する場合には、全バインダの合計含有率が前記好適値を満たす範囲内で使用することが好ましい。
次に、セパレータの積層構成、厚み、特性および製造方法について説明する。
<セパレータの積層構成>
図1に、本発明のセパレータの一例を模式的に表す断面図を示す。図1に示すセパレータ1は、第1セパレータ層10の片面に第2セパレータ層20を有し、これら2層が一体化されて多孔質基体を構成しており、前記多孔質基体の第1セパレータ層10の表面側に、樹脂粒子層となる第3セパレータ層30を有している。
本発明のセパレータにおいては、多孔質基体は、第1セパレータ層のみで構成されていてもよく、また第2セパレータ層のみで構成されていてもよいが、第1セパレータ層と第2セパレータ層の両者を有する積層構成とすることが望ましい。また、樹脂粒子層は、多孔質基体の一方の面のみに形成されていてもよく、両方の面に形成されていてもよい。
セパレータが、第1セパレータ層と第2セパレータ層の両者を有する構成の場合、図1に示すように、第1セパレータ層の片面に第2セパレータ層を配置し、他面に第3セパレータ層を配置する積層構成とすることができるほか、例えば、第1セパレータ層と第3セパレータ層との間に第2セパレータ層を配置する積層構成とすることも可能であるが、図1に示すような積層構成とすることが好ましい。この場合には、第2セパレータ層によるセパレータ全体の熱収縮抑制作用と、第3セパレータ層による、より低温度でシャットダウンが生じる作用とが、より良好に発現し、電気化学素子の安全性をより高めることが可能となる。
また、図2に、本発明のセパレータの他の例を模式的に表す断面図を示す。図1に示すセパレータは、単一の層で構成された第1セパレータ層10を有する例であるのに対し、図2に示すセパレータは、多層構造(3層構造)の第1セパレータ層10を有する例である。すなわち、図2に示すセパレータ1の第1セパレータ層10は、樹脂(A)で構成されたA層(例えば、HDPE層)11の両面に、樹脂(B)で構成されたB層(例えばPP層)12、12を有している。
<セパレータの厚み>
電気化学素子における短絡防止効果をより高め、セパレータの強度を確保して取り扱い性を良好にする観点から、本発明のセパレータの厚みは、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。他方、電気化学素子のエネルギー密度をより高める観点からは、本発明のセパレータの厚みは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
第1セパレータ層の厚みは、2μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、また、25μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。第2セパレータ層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、また、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。第3セパレータ層の厚みは、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることが特に好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
<セパレータの透気抵抗度>
本発明のセパレータの透気抵抗度は、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、100mLの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値で、10〜500secであることが望ましい。透気抵抗度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。これまで説明してきた構成のセパレータとすることで、このような透気度を確保することができる。
<セパレータの強度>
セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。本発明のセパレータにおいて、第2セパレータ層が無機フィラーを含有している場合には、このような強度を確保することができる。
<セパレータの製造方法>
本発明のセパレータは、例えば、多孔質基体の表面に、第3セパレータ層形成用組成物(スラリー、ペーストなど)を塗布した後、所定の温度で乾燥して第3セパレータ層を形成することなどにより製造することができる。具体的には、多孔質基体を構成する第1セパレータ層あるいは第2セパレータ層の上に、第3セパレータ層形成用組成物を塗布した後、所定の温度で乾燥して第3セパレータ層を形成することなどにより製造することができる。
なお、この場合、第2セパレータ層形成用組成物や第3セパレータ層形成用組成物の塗布前に、第1セパレータ層や第2セパレータ層(その表面に第3セパレータ層を形成する場合)に表面処理(コロナ処理、オゾン処理、電子線処理、プライマー処理など)を施してもよい。
第2セパレータ層形成用組成物は、無機フィラーや必要に応じて有機バインダ、繊維状物などを溶媒に分散させて調製することができる(ただし、有機バインダは溶媒に溶解していてもよい)。
第2セパレータ層形成用組成物に用いられる溶媒は、前記複合材料や必要に応じて使用される繊維状物などを均一に分散でき、かつ有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般に有機溶媒が好適に用いられる。これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
また、第2セパレータ層形成用組成物には、必要に応じて界面活性剤を添加してもよい。
なお、前述した耐熱性の高い樹脂により第2セパレータ層を形成する場合には、前記樹脂を溶媒に溶解させて第2セパレータ層形成用組成物を調製することができる。
第3セパレータ層形成用組成物(本発明の樹脂粒子層形成用組成物)は、低融点材粒子や前記複合粒子などの熱可塑性樹脂粒子、バインダ、更には必要に応じて使用される繊維状物などを溶媒に分散させて調製することができる(ただし、バインダは溶媒に溶解していてもよい)。
なお、第3セパレータ層形成用組成物中に分散している低融点材粒子や前記複合粒子などの熱可塑性樹脂粒子は、その形状について特に制限はなく、略球状(真球状を含む)や楕円体状、板状など、いずれの形状であってもよい。また、第3セパレータ層形成用組成物中の低融点材粒子や前記複合粒子などの熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径は、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
なお、例えば、低融点材および樹脂(C)などに溶媒(水、有機溶媒、これらの混合溶媒など)を加え、樹脂(C)の融点以上の温度で一定時間撹拌してから冷却することで、あるいは低融点材および樹脂(C)などを樹脂(C)の融点以上の温度で撹拌しながら溶媒を加えていった後冷却することで、前記複合粒子を含有する分散液(エマルション)を調製することができる。よって、第3セパレータ層形成用組成物の調製に際しては、前記複合粒子を含有する前記の分散液を用いてもよい。
ここで、低融点材粒子または前記複合粒子を含有する分散液を調製するための撹拌は、耐熱耐圧容器中で行ってもよく、また、その際には、系内に相溶化剤や界面活性剤などを加えてもよい。
第3セパレータ層形成用組成物に使用する溶媒には、第2セパレータ層形成用組成物に使用し得るものとして先に例示した各種溶媒と同じものを用いることができる。また同様に界面活性剤を添加してもよい。
第2セパレータ層形成用組成物および第3セパレータ層形成用組成物における固形分含量(溶媒を除く全成分の合計含量)は、例えば、5〜40質量%とすることが好ましい。
<電気化学素子>
本発明の電気化学素子は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、セパレータが本発明の電気化学素子用セパレータであればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子で採用されている各種構成および構造を適用することができる。
本発明の電気化学素子には、リチウムイオン一次電池、リチウムイオン二次電池、スーパーキャパシタなどの、非水電解液を有する電気化学素子が包含されるが、以下には、本発明の電気化学素子の代表的な態様であるリチウムイオン二次電池について詳述する。
正極には、例えば、正極活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物、バインダおよび導電助剤などを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
正極活物質としては、従来のリチウムイオン二次電池に用いられている活物質、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質であれば特に制限はない。具体的には、例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などを用いることが可能である。上記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などのほか、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを例示することができる。
正極のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂などが、また、正極の導電助剤としては、例えば、カーボンブラックなどの炭素材料などが使用される。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダを含む正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散させて正極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し、これを集電体に塗布し乾燥し、更に必要に応じてカレンダー処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。ただし、正極の製造方法は、前記の方法に限定される訳ではなく、他の方法で製造してもよい。
正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
負極には、従来のリチウムイオン二次電池に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、負極活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、またはリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または上記各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に積層したものなどが負極として用いられる。
負極合剤層を有する負極の場合、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤などを含む負極合剤を、NMPや水などの溶剤に分散させて負極合剤含有組成物(スラリー、ペーストなど)を調製し、これを集電体に塗布し乾燥し、更に必要に応じてカレンダー処理などのプレス処理を施す工程を経て製造することができる。ただし、負極合剤層を有する負極の製造方法は、前記の方法に限定される訳ではなく、他の方法で製造してもよい。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
正極と負極は、本発明のセパレータを介して積層した積層体や、更にこれを巻回した巻回体などの電極体の形態で用いることができる。なお、前記電極体においては、セパレータの樹脂粒子層(第3セパレータ層を有する実施態様の場合には、第3セパレータ層)が負極と対向するようにセパレータを配置することが好ましい。この場合、樹脂粒子層によってシャットダウンが生じる時間がより短くなり、リチウムイオン二次電池(電気化学素子)の安全性がより向上する。また、本発明のセパレータが第2セパレータ層を有する実施態様では、前記電極体において、第2セパレータ層が正極と対向するようにセパレータを配置することがより好ましく、この場合にはセパレータの酸化劣化を抑制することができる。
電極体においては、セパレータは、正極および負極のうちの少なくとも一方と一体化されていてもよい。このようにすることで、セパレータと正極や負極との位置ずれを防止でき、正極と負極との接触を抑制する作用がより良好となる。セパレータを正極と一体化するには、例えば、正極合剤含有組成物を集電体に塗布して塗膜を形成し、乾燥する前のこの塗膜上にセパレータを重ねる方法などが採用できる。また、セパレータを負極と一体化する場合にも、例えば、負極合剤含有組成物を集電体に塗布して塗膜を形成し、乾燥する前のこの塗膜上にセパレータを重ねる方法などが採用できる。
非水電解液としては、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbFなどの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(2≦n≦5)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。
また、これらの非水電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンスルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
リチウム塩の非水電解液中での濃度としては、0.5〜1.5mol/Lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/Lとすることがより好ましい。
また、非水電解液には、公知のポリマーなどのゲル化剤を用いてゲル状としたもの(ゲル状電解質)を用いることもできる。
リチウムイオン二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の電気化学素子は、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの電気化学素子と同様の用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<低融点材を含有する複合粒子の作製>
LDPE(低融点材、融点:113℃、140℃での溶融粘度:20mPa・s):28質量部、無水マレイン酸変性PP〔樹脂(C)、融点:135℃〕:12質量部、および水:60質量部を混合し、アルカリ条件として、密閉容器中で150℃で加熱撹拌後、冷却して、変性PPの含有量が30質量%の複合粒子を固形分濃度40%で含有する分散液を得た。前記複合粒子の切片を四酸化オスミウム染色したサンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、染色度合いが大きく色が濃い粒子の周囲部分に染色度合いが小さく色が薄い部分が多く存在するコアシェル様の構造を有していた。前記の観察結果から、前記複合粒子は、LDPEがコアを構成し、変性PPがシェルを構成していると推測される。
<セパレータの作製>
ベーマイト微粒子:97質量部、および有機バインダであるアクリレート共重合体(モノマー成分としてブチルアクリレートを主成分とする市販のアクリレート共重合体):3質量部に、溶媒である水を加えて分散させて、固形分含量が22質量%の第2セパレータ層形成用スラリーを調製した。
PP層/HDPE層/PP層が順次積層された3層構造の微多孔膜(第1セパレータ層、厚み:16μm、気孔率:49%、PP層に係るPPの融点約165℃、HDPE層に係るHDPEの融点約135℃)の両面にコロナ放電処理を施し、その片面に、前記の第3セパレータ層形成用スラリーを塗布し、乾燥して、第1セパレータ層の片面に厚みが4μmの第2セパレータ層を有する積層体を得た。
前記複合粒子の分散液と、バインダであるメチルセルロース〔信越化学社製「SM−4000(商品名)」〕およびPNVAと、溶媒である水とを混合して、固形分含量が10質量%の第3セパレータ層形成用スラリーを調製した。この第3セパレータ層形成用スラリーにおいては、複合粒子の量100質量部に対して、全バインダが合計で3質量部となるようにし、メチルセルロースとPNVAとの比率(質量比)を35:65とした。
この第3セパレータ層形成用スラリーを、第1セパレータ層と第2セパレータ層との前記積層体の第1セパレータ層の表面に塗布し、乾燥して、厚みが2μmの第3セパレータ層を形成して、図2に示すように、3層構造の第1セパレータ層の片面に第2セパレータ層を有し、他面に第3セパレータ層を有するセパレータを得た。
比較例1
第3セパレータ層のバインダのメチルセルロースをCMCに変更した以外は、実施例1と同様にして第3セパレータ層形成用組成物を調製し、この組成物を用いた以外は実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
比較例2
第3セパレータ層のバインダのメチルセルロースを、第2セパレータ層のバインダとして用いたものと同じアクリレート共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にして第3セパレータ層形成用組成物を調製し、この組成物を用いた以外は実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
実施例1、比較例1および2のセパレータ、並びにこれらのセパレータの作製に使用した第3セパレータ層形成用組成物について、以下の各評価・測定を行った。
<第3セパレータ層形成用組成物の保存安定性評価>
実施例1、比較例1および2のセパレータの作製に使用した各第3セパレータ層形成用組成物を、室温下で24時間保管し、その後に、実施例1と同様にして第1セパレータ層の表面に第3セパレータ層を形成した場合に、第3セパレータ層を良好に形成できるか否かを確認することで、各第3セパレータ層形成用組成物の保存安定性を評価した。
<第1セパレータ層と第3セパレータ層との間の剥離強度測定>
実施例1、比較例1および2の各セパレータ(調製直後の第3セパレータ層形成用組成物を用いて作製したセパレータ)を、それぞれ長さ50mm×幅25mmのサイズに切り出して試験片とした。これらの試験片の長尺方向の中央に幅14.5mmのセロハンテープを貼り付け、片端でセロハンテープを長尺方向に10mmだけ剥離させ、両者の角度が180°になるように折り曲げた。その後、引張試験機(島津製作所製「AUTOGRAPH AGS−J100N」)を用い、試験片の180°に開いたセロハンテープの片端側と試験片の片端側とを把持して、引張速度120mm/分の速度で引っ張り、 セロハンテープと試験片とが剥離したときの強度を測定した。この測定においては、いずれも第1セパレータ層と第3セパレータ層との間で剥離しており、前記測定で得られた剥離強度はこれらの層の間の剥離強度に相当するといえる。
これらの結果を、第3セパレータ層に使用したバインダの種類と共に表1に示す。なお、表1では、第3セパレータ層の形成性の良否について、第3セパレータ層形成用組成物の調製直後の場合と、調製から24時間保管した場合(前記の第3セパレータ層形成用組成物の保存安定性評価において、第3セパレータ層の形成を行った場合)とを示し、いずれの場合も、第3セパレータ層を良好に形成できた場合を「○」で示し、第3セパレータ層形成用組成物を第1セパレータ層の表面に塗布した際に、第1セパレータ層の表面を前記組成物でうまく濡らすことができず、均質な第3セパレータ層を形成できなかった場合を「×」で示す。また、表1における第3セパレータ層の「剥離強度」は、前記の測定によって求めた第1セパレータ層との間の剥離強度を意味している。
Figure 2017204368
表1に示す通り、実施例1のセパレータに係る第3セパレータ層(樹脂粒子層)の形成に使用した第3セパレータ層形成用組成物(樹脂粒子層形成用組成物)は、第3セパレータ層用のバインダとしてメチルセルロースを含有しており、その調製後だけでなく24時間保管後においても、第3セパレータ層が良好に形成できており、第3セパレータ層形成用組成物の保存安定性が良好であった。よって、実施例1に係る第3セパレータ層形成用組成物の使用によって、セパレータおよびこのセパレータを用いたリチウムイオン二次電池などの電気化学素子の生産性を高めることができる。また、実施例1のセパレータでは、第1セパレータ層と第3セパレータ層との間の剥離強度が大きかった。
これに対し、第3セパレータ層用のバインダとしてCMCを用いた比較例1に係る第3セパレータ層形成用組成物、および第3セパレータ層用のバインダとしてアクリレート共重合体を用いた比較例2に係る第3セパレータ層形成用組成物では、調製直後には第3セパレータ層を形成することが可能であったが、24時間保存後には、第1セパレータ層の表面への塗布時に前記組成物でうまく濡らすことができず、均質な第3セパレータ層が形成できず、保存安定性が劣っていた。また、調製直後の第3セパレータ層形成用組成物を用いて作製した比較例1、2のセパレータであっても、第1セパレータ層と第3セパレータ層との間の剥離強度が、実施例1のセパレータに比べて非常に小さかった。
1 電気化学素子用セパレータ
10 第1セパレータ層
11 第1セパレータ層のA層
12 第1セパレータ層のB層
20 第2セパレータ層
30 第3セパレータ層

Claims (14)

  1. 多孔質基材と、
    前記多孔質基材の表面に積層され、熱可塑性樹脂粒子とバインダとを含有する微多孔性の樹脂粒子層とを有し、
    前記樹脂粒子層のバインダとして、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種を含有していることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
  2. 前記樹脂粒子層は、前記バインダとして、N−ビニルアセトアミドの重合体またはポリビニルピロリドンを更に含有している請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 前記多孔質基材は、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔性フィルムよりなる第1セパレータ層を含有し、
    前記樹脂粒子層の熱可塑性樹脂粒子は、前記第1セパレータ層が含有する前記熱可塑性樹脂よりも低い温度で溶融する請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。
  4. 前記第1セパレータ層が含有する前記熱可塑性樹脂の融点が、125〜170℃であり、
    前記樹脂粒子層が含有する前記熱可塑性樹脂粒子の融点が、80〜140℃である請求項3に記載の電気化学素子用セパレータ。
  5. 前記第1セパレータ層は、2層以上で構成された多層構造であり、かつ前記第1セパレータ層に含まれる各層のうちの少なくとも2層は、互いに融点が異なる熱可塑性樹脂を主体としている請求項3または4に記載の電気化学素子用セパレータ。
  6. 前記多孔質基材は、耐熱性を有しかつ微多孔性の第2セパレータ層を更に含有する請求項3〜5のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータ。
  7. 前記第1セパレータ層の片面に前記第2セパレータ層が積層され、他面に前記樹脂粒子層が積層されている請求項5に記載の電気化学素子用セパレータ。
  8. 前記第2セパレータ層は、無機フィラーを含有している請求項6または7に記載の電気化学素子用セパレータ。
  9. 前記第2セパレータ層は、前記無機フィラーとして、水酸化アルミニウム、ベーマイト、アルミナ、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムおよびシリカよりなる群から選択される少なくとも1種を含有している請求項8に記載の電気化学素子用セパレータ。
  10. 正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、
    前記セパレータとして、請求項1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータを有していることを特徴とする電気化学素子。
  11. 前記セパレータにおける前記樹脂粒子層が、負極と対向している請求項10に記載の電気化学素子。
  12. 多孔質基材の表面に積層される、微多孔性の樹脂粒子層を形成するための組成物であって、
    熱可塑性樹脂粒子、メチルセルロースおよびその誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種のバインダ、および溶媒を含有していることを特徴とする樹脂粒子層形成用組成物。
  13. 前記バインダとして、N−ビニルアセトアミドの重合体またはポリビニルピロリドンを更に含有している請求項12に記載の樹脂粒子層形成用組成物。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の電気化学素子用セパレータの製造方法であって、
    請求項12または13に記載の樹脂粒子層形成用組成物を多孔質基材の表面に塗布し、乾燥する工程を有することを特徴とする電気化学素子用セパレータの製造方法。
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