JP5804712B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高温時における安全性に優れ、生産性も良好な非水電解質二次電池に関するものである。
非水電解質二次電池では、高容量であることが要求されるなどの理由から、例えば、正極、負極、およびこれらの間に介在させる2枚のセパレータを重ね、渦巻状に巻回した巻回電極体を、外装缶やラミネートフィルム外装体などの電池容器に収容した構造のものが一般的である。
非水電解質二次電池の巻回電極体に係る2枚のセパレータには、同様の構成のものを用いることが通常であるが、これらに、それぞれ異なる特性を有するものを使用して、非水電解質二次電池の各種特性の向上を図る技術も提案されている(特許文献1)。
特開2005−93078号公報
ところで、現行の非水電解質二次電池では、セパレータに、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の微多孔膜が使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
こうしたセパレータには、例えば、多孔化と強度向上のために湿式で二軸延伸したフィルムが用いられることが多い。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを前記延伸によって確保している。しかし、このような延伸フィルムでは結晶化度が増大しており、シャットダウン温度も、電池の熱暴走温度に近い温度にまで高まっている。そのため、シャットダウン前に熱暴走領域に達してセパレータの熱収縮が起こり、それにより正極と負極とが短絡する虞がある。
従来の非水電解質二次電池における高温時の安全性も、多くの用途においては実用上問題のないレベルではあるが、非水電解質二次電池の適用分野が広がるにつれて、従来を上回る安全性が必要となることもある。よって、例えば電池の生産性をあまり損なうことなく、こうした要請に応え得る技術の開発が求められる。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温時における安全性に優れ、生産性も良好な非水電解質二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、並びに前記正極と前記負極との間に介在させる2枚のセパレータAおよびBを重ねて巻回した電極巻回体と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池であって、前記2枚のセパレータのうち、セパレータAは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有する多層構造のセパレータであり、セパレータBは、ポリオレフィン製の微多孔膜であることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温時における安全性、および生産性が優れた非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池に係る電極巻回体の一例を模式的に表す斜視図である。 図1に示す電極巻回体の横断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の一例を模式的に示す図で、(a)はその平面図、(b)はその部分縦断面図である。 図3に示す非水電解質二次電池の斜視図である。
図1および図2に、本発明の非水電解質二次電池に係る電極巻回体の一例を模式的に示す。図1は電極巻回体の斜視図であり、図2は、その横断面図である。なお、図2では、電極巻回体の構造の理解を容易にする目的で、正極および負極について、集電体と電極合剤層(正極合剤層および負極合剤層)とを区別して示しておらず、また、巻回周毎にある程度の隙間を持たせて示しているが、通常の電池においては、構成要素間の隙間をできるだけ無くすように電極巻回体が形成される。
本発明の非水電解質二次電池に係る電極巻回体10は、正極20と、負極30と、これらの間に介在させる2枚のセパレータ[セパレータA(40)、およびセパレータB(50)]とを重ね、渦巻状に巻回することにより形成されている。21は、正極20と電池の外部端子とを接続するためのリード部であり、31は負極30と電池の外部端子とを接続するためのリード部である。
なお、図1および図2に示す電極巻回体は、図1中上下方向に押し潰した形状(横断面が扁平状)の扁平状電極巻回体であるが、本発明に係る電極巻回体は、このような形状のものに限定されず、例えば、横断面が円形のものであってもよく、使用する外装体の形状などに応じた形状とすることができる。
電極巻回体に係る2枚のセパレータには、いずれもポリオレフィン製の微多孔膜により構成されるセパレータが使用されることが一般的である。このようなセパレータは、通常、製造方向(MD方向)および製造方向に直交する方向(TD方向)の両方で延伸されているため、例えば高温下に置かれた場合に、MD方向、TD方向のいずれの方向においても大きく収縮する。
電極巻回体では、例えばその両端面(図1中上下の端面)での正極と負極との接触を防止するために、セパレータの巻回方向に直交する方向(図1中矢印で示した方向)の長さを、正極および負極よりも長くし、電極巻回体の両端面において、セパレータが正極および負極からはみ出すようにしている(図1では示していない)。しかし、非水電解質二次電池内が高温となった場合には、特にセパレータの巻回方向に直交する方向(通常TD方向に相当する)での収縮によって、例えば、電極巻回体の両端部の近傍で正極と負極とが直接接触し、これにより短絡が生じる虞がある。
そこで、本発明の非水電解質二次電池では、電極巻回体の有する2枚のセパレータのうち、一方を、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)41と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)42とを有する多層構造のセパレータA(40)とし、他方を、ポリオレフィン製の微多孔膜で構成されるセパレータB(50)とすることとした。
前記セパレータAは、基材となる多孔質層(I)とともに、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)を有しており、非水電解質二次電池内が、多孔質層(I)が熱収縮するような高温になっても、多孔質層(II)の作用によってセパレータ全体の収縮が抑制される。よって、セパレータAが配置された箇所では、電極巻回体の両端部の近傍において、正負極の接触が抑えられる。
一方、前記セパレータBは、セパレータAに比べて熱収縮率が比較的大きいが、非水電解質二次電池内が高温になった際には、電極巻回体の両端面近傍において、セパレータAとセパレータBとの正負極からはみ出した部分同士が融着するため、セパレータAによって、電極巻回体の巻回方向に直交する方向におけるセパレータBの収縮が抑制される。よって、本発明の電池に係る電極巻回体では、熱収縮し難いセパレータAを配置した箇所のみならず、熱収縮しやすいセパレータBを配置した箇所においても、正負極の接触を防止して短絡の発生を抑制することができる。
なお、セパレータBはポリオレフィン製の微多孔膜で構成されており、多孔質層(I)と多孔質層(II)とを有するセパレータAに比べると、多孔質層(II)の形成工程が不要であるため、製造コストが少なくて済む。よって、本発明の非水電解質二次電池は、電極巻回体の有する2枚のセパレータをいずれもセパレータAとする場合に比べて、製造コストを低減することができ、生産性の低下を可及的に抑制できる。
本発明では、前記の各作用によって、高温下での安全性に優れ、かつ生産性も良好な非水電解質二次電池の提供を可能としている。
本発明の電気化学素子に用いられるセパレータAは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質の多孔質層(II)とを有するものである。
なお、本明細書でいう「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
また、本明細書でいう多孔質層(I)における「熱可塑性樹脂を主体とする」とは、多孔質層(I)内の固形分比率で、熱可塑性樹脂が50体積%以上であることを意味している。更に、本明細書でいう多孔質層(II)における「耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む」とは、層内の固形分比率で、耐熱温度が150℃以上のフィラーが50体積%以上であることを意味している。
セパレータAの多孔質層(I)の主体となる熱可塑性樹脂は、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に後で詳述する非水電解質二次電池の有する非水電解質(非水電解液)や、セパレータ製造の際に使用する溶媒(詳しくは後述する)に安定な熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などが好ましい。
なお、セパレータAは、80℃以上150℃以下(より好ましくは100℃以上)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、多孔質層(I)は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80℃以上150℃(更に好ましくは100℃以上)の熱可塑性樹脂を、その構成成分とするものがより好ましく、PEを主成分とする単層の微多孔膜であるか、PEとPPとを2〜5層積層した積層微多孔膜などであることが好ましい。
PEのように融点が80℃以上150℃以下の熱可塑性樹脂と、PPなどのように、融点が150℃を超える熱可塑性樹脂とを併用して多孔質層(I)を構成する場合、例えば、PEと、PPなどのPEよりも高融点の樹脂とを混合して構成された微多孔膜を多孔質層(I)としたり、PE層と、PP層などのPEよりも高融点の樹脂で構成された層とを
積層して構成された積層微多孔膜を多孔質層(I)としたりする場合には、多孔質層(I)を構成する樹脂(A)中、融点が80℃以上150℃以下の樹脂(例えばPE)が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
前記のような微多孔膜としては、例えば、従来から知られているリチウム二次電池などの電気化学素子で使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された微多孔膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法(特に湿式二軸延伸法や乾式一軸延伸法)などにより作製されたイオン透過性の微多孔膜を用いることができる。
また、多孔質層(I)には、セパレータにシャットダウン機能を付与する作用を損なわない範囲で、その強度などを向上するためにフィラーなどを含有させることもできる。多孔質層(I)に使用可能なフィラーとしては、例えば、後述する多孔質層(II)に使用可能なフィラーと同じものが挙げられる。
フィラーの粒径は、平均粒子径で、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、本明細書でいうフィラーの平均粒子径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、フィラーを溶解しない媒体に、これら微粒子を分散させて測定した平均粒子径D50%である[後述する多孔質層(II)に係るフィラーについても同じである。]。
前記のような構成の多孔質層(I)を備えることで、セパレータにシャットダウン機能を付与することが容易となり、非水電解質二次電池の内部温度上昇時における安全性確保を容易に達成することが可能となる。
多孔質層(I)における熱可塑性樹脂の含有量は、シャットダウンの効果をより得やす
くするために、例えば、下記のようであることが好ましい。多孔質層(I)の全構成成分
中において主体となる熱可塑性樹脂の体積は、50体積%以上であり、70体積%以上であることがより好ましく、100体積%であってもよい。更に、後記の方法により求められる多孔質層(II)の空孔率が20〜60%であり、かつ熱可塑性樹脂の体積が、多孔質層(II)の空孔体積の50%以上であることが好ましい。
セパレータAに係る多孔質層(II)に含まれるフィラーとしては、耐熱温度が150℃以上であれば、その形状や素材については特に制限はなく、各種の無機粒子や有機粒子が挙げられる。
無機粒子の構成材料の具体例としては、例えば、酸化鉄、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。無機粒子としては、多孔質層(II)が正極に面するように電池を構成した場合に、その高温での貯蔵性や充放電サイクル特性を高め得ることから、前記の無機酸化物の粒子(微粒子)が好ましく、中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトが特に好ましく用いられる。
また、有機粒子(有機粉末)としては、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子粒子や、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミドなどの耐熱性高分子粒子などが例示できる。また、これらの有機粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
また、フィラーの形状については特に制限はないが、多孔質層(II)の機械的強度をより高め得る点で、板状であることが好ましい。
なお、板状のフィラーの形態としては、アスペクト比(板状フィラー中の最大長さと板状フィラーの厚みとの比)が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であって、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。ここでいう板状のフィラーにおけるアスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像(5,000〜10,000倍率)を撮影し、JISの1級に認定された金尺で、フィラー1個毎の最大長さと厚みを測定し、フィラー100個分の平均値(数平均値)として求められる。
前記フィラーに板状のものを使用する場合、板状のフィラーのみを用いてもよく、板状のフィラーと、その他の形状(球状や楕円体状など)のフィラーとを併用してもよい。板状のフィラーと、その他の形状のフィラーとを併用する場合、板状のフィラーの使用による前記の効果をより良好に確保する観点から、多孔質層(II)が含有するフィラーの全量中、板状のフィラーが、80体積%以上であることが好ましく、90体積%以上であることがより好ましい。
フィラーの平均粒子径D50%は、例えば、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、また、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。尚、フィラーが板状粒子の場合は、粒径は最大板径を指す。
多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であり、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層(II)中のフィラーを前記のように高含有量とすることで、セパレータA全体の機械的強度をより良好に高めることができ、また、非水電解質二次電池が高温となった際の正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができる。
また、多孔質層(II)には、耐熱温度が150℃以上のフィラー同士を結着したり、必要に応じて多孔質層(I)と多孔質層(II)とを結着したりするために有機バインダを含有させることが好ましく、このような観点から、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラー量の好適上限値は、例えば、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、99.5体積%である。なお、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量を70体積%未満とすると、例えば、多孔質層(II)中の有機バインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には多孔質層(II)の空孔が有機バインダによって埋められやすく、セパレータとしての機能が低下する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、フィラー同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
多孔質層(II)には、セパレータAの形状安定性の確保や、多孔質層(II)と多孔質層(I)との一体化などのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「BM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記の有機バインダを多孔質層(II)に使用する場合には、後述する多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
セパレータAにおいては、多孔質層(II)の厚み[セパレータAが多孔質層(II)を複数有する場合は、その総厚み]は、多孔質層(II)による前記の各作用をより有効に発揮させる観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることが好ましい。ただし、多孔質層(II)が厚すぎると、電池のエネルギー密度の低下を引き起こす虞があることから、多孔質層(II)の厚みは、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。
また、多孔質層(I)の厚み[セパレータAが多孔質層(I)を複数有する場合は、その総厚み。以下同じ。]は、多孔質層(I)の使用による作用(特にシャットダウン作用)
をより有効に発揮させる観点から、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。ただし、多孔質層(I)が厚すぎると、電池のエネルギー密度の
低下を引き起こす虞があることに加えて、多孔質層(I)が熱収縮しようとする力が大き
くなり、例えば、セパレータA全体の熱収縮を抑える作用が小さくなる虞がある。そのため、多孔質層(I)の厚みは、25μm以下であることが好ましく、20μm以下である
ことがより好ましく、14μm以下であることが更に好ましい。
セパレータA全体の空孔率としては、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータAの強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータAの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、セパレータAの空孔率:P(%)は、セパレータAの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P={1−m/[(t−t)×(Σaρ)+(t×ρ)]}×100 (1)
ここで、前記式中、a:成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータAの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータAの厚み(cm)、t:多孔質層(II)の厚み(cm)、ρ:多孔質層(II)を構成する成分の密度(g/cm)である。
また、前記(1)式において、mを多孔質層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(I)の厚み(cm)とし、tm=0(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記(1)式において、mを多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
セパレータAは、例えば、耐熱温度が150℃以上のフィラーなどを含有する多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜の表面に塗布し、所定の温度に乾燥して多孔質層(II)を形成することにより製造することができる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラーの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラー、および有機バインダなどを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
また、多孔質層(II)形成用組成物をフィルムや金属箔などの基板上に塗布し、所定の温度で乾燥した後に、必要に応じて前記基板から剥離して多孔質層(II)となる多孔質膜を形成し、この多孔質膜と、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜とを貼り合わせて一体化することでセパレータを製造することもできる。この場合、多孔質層(I)を構成するための微多孔膜と多孔質層(II)となる多孔質膜とを一体化させるには、例えば、多孔質層(I)と多孔質層(II)とを重ね合わせ、ロールプレスなどにより両者を貼り合わせる方法などが採用できる。
なお、セパレータAにおいて、多孔質層(I)と多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、多孔質層(II)の両面に多孔質層(I)を配置した構成としたり、多孔質層(I)の両面に多孔質層(II)を配置した構成としてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータAの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、セパレータA中の多孔質層(I)と多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池に係る電極巻回体で使用する2枚のセパレータのうち、セパレータBは、ポリオレフィン製の微多孔膜により構成されるものであり、具体的には、例えば、PE、PP、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィンで構成されたものが挙げられる。
なお、セパレータBは、前記例示のポリオレフィンにより構成された単層構造のものでもよく、また、多層構造であってもよい。多層構造のセパレータとしては、例えば、PE層とPP層とを有する2層構造のセパレータ;PE層/PP層/PE層が順次積層されて構成されたセパレータや、PP層/PE層/PP層が順次積層されて構成された3層構造のセパレータ;などが挙げられる。
また、セパレータBは、セパレータのシャットダウン機能を良好に確保する観点からは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80℃以上150℃(更に好ましくは100℃以上)のポリオレフィンを含有していることが好ましく、より具体的には、PEを含有していることが望ましい。
なお、PEのように融点が80℃以上150℃以下のポリオレフィンと、PPなどのように、融点が150℃を超えるポリオレフィンとを併用してセパレータAやセパレータBを構成する場合、例えば、PEと、PPなどのPEよりも高融点の樹脂とを混合してセパレータAやセパレータBを構成する場合や、PE層と、PP層などのPEよりも高融点の樹脂で構成された層とを積層して多層構造のセパレータBを構成する場合には、セパレータBを構成するポリオレフィン中、融点が80℃以上150℃以下のポリオレフィン(例えばPE)が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
セパレータBには、セパレータAに係る多孔質層(I)と同様の方法により製造されたものを用いることができる。
セパレータBの厚みは、正極と負極とをより良好に隔離する観点から、セパレータBの厚みは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。他方、セパレータBが厚すぎると、電池のエネルギー密度が低下してしまう虞があることから、その厚みは、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
本発明の電池に係る正極には、従来から知られている非水電解質二次電池に用いられている正極、例えば、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する正極を使用することができる。例えば、活物質として、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mnなど)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMnなどのリチウムマンガン酸化物;LiMnのMnの一部を他元素で置換したLiMn(1−x);オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5;Li(1+a)MnNiCo(1−x−y)(−0.1<a<0
.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などを適用することが可能であり、これらの正極活物質に公知の導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤などを適宜添加した正極合剤を、集電体を芯材として成形体(すなわち、正極合剤層)に仕上げたものなどを用いることができる。
正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
本発明の電池に係る負極には、従来から知られている非水電解質二次電池に用いられている負極、例えば、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極を使用することができる。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたものや、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独で用いたり、前記合金やリチウム金属の層を集電体に形成したものなどの負極剤層を有するものが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが望ましい。
負極側のリード部も、正極側のリード部と同様に、通常、負極作製時に、集電体の一部に負極剤層(負極活物質を有する層、負極合剤層を含む)を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、この負極側のリード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体に銅製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
なお、本発明の電池に係る電極巻回体においては、図2に示すように、セパレータA(40)およびセパレータB(50)のうち、より熱収縮し難いセパレータA(40)を、より外周側に配置することが好ましい。非水電解質二次電池が高温に曝された際には、電極巻回体のより外側で温度が高くなってセパレータの収縮が生じやすい。よって、より熱収縮し難いセパレータAを、電極巻回体のより外周側のセパレータとすることで、電極巻回体の外側でのセパレータの熱収縮をより良好に抑制して、より安全性の高い電池とすることが可能となる。
また、本発明の電池に係る電極巻回体においては、セパレータAおよびセパレータBの、電極巻回体における巻回方向に直交する方向の長さを、正極および負極のうち、電極巻回体における巻回方向に直交する方向の長さがより長い方(通常は負極)の長さよりも、0.5mm以上長くすることが好ましく、1.0mm以上長くすることがより好ましい。このようにすることで、電池内が高温になった際に、電極巻回体の両端面近傍において、セパレータAとセパレータBとを良好に融着させて、セパレータBの収縮をより良好に抑制することができる。ただし、セパレータAおよびセパレータBの、電極巻回体における巻回方向に直交する方向の長さは、あまり長くしすぎない方が好ましく、具体的には、正極および負極のうち、電極巻回体における巻回方向に直交する方向の長さがより長い方の長さとの差を、3.0mm以下とすることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池は、前記の電極巻回体を使用していればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水電解質二次電池と同様の構成および構造を採用することができる。
本発明の非水電解質二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の電池に係る非水電解質としては、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液(非水電解液)が用いられる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に制限はない。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF 、Li
SbF などの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCFCO、Li
(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などの有機リチウム塩;などを用いることができる。
非水電解液に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンといった環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルといったニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても構わない。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、無水酸、硫黄化エステル、ビニルエチレンカーボネート(VEC)などの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の有機電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、前記の有機溶媒の代わりに、エチル−メチルイミダゾリウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、へプチル−トリメチルアンモニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、ピリジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミド、グアジニウムトリフルオロメチルスルホニウムイミドといった常温溶融塩を用いることもできる。
更に、前記の非水電解液を含有してゲル化するような高分子材料を添加して、非水電解液をゲル状にして電池に用いてもよい。非水電解液をゲル状とするための高分子材料としては、PVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、主鎖または側鎖にエチレンオキシド鎖を有する架橋ポリマー、架橋したポリ(メタ)アクリル酸エステルなど、公知のゲル状電解質形成可能なホストポリマーが挙げられる。
本発明の非水電解質二次電池は、従来から知られている非水電解質二次電池が使用されている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、塗布長が表面320mm、裏面250mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、長さ340mm、幅43mmの正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<負極の作製>
また、負極活物質である黒鉛:95質量部と、バインダであるPVDF:5質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚み10μmの集電体の両面に間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して負極を作製した。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
<セパレータAの作製>
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):150gと、水:6000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に耐熱温度が150℃以上のフィラーであるベーマイト粉末(板状、平均粒径1μm、アスペクト比10):2000gを3回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー[多孔質層(II)形成用スラリー、固形分比率49.9質量%]を調製した。湿式二軸延伸法で作製されたPE製微多孔膜[多孔質層(I):厚み12μm、空孔率40%、突き刺し強度400gf、PEの融点135℃]を引き取りつつ、その表面に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布し、乾燥して、厚みが4.0μmの多孔質層(II)を形成することでセパレータAを作製した。
得られたセパレータAにおける多孔質層(II)は、単位面積あたりの質量が5.2g/mであった。また、このセパレータの多孔質層(II)における板状ベーマイトの体積含有率は88体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は55%であった。
<電極巻回体の作製>
セパレータBとして、湿式二軸延伸法で作製されたPE製微多孔膜(厚み16μm、空孔率40%)を用意した。
前記の正極、前記の負極、並びに前記のセパレータAおよびセパレータBを、図2に示す順序で(すなわち、セパレータAが、セパレータBよりも外周側となる順序で)重ねて巻回し、扁平状に押し潰して電極巻回体を作製した。
<電池の組み立て>
前記の電極巻回体を厚み6mm、高さ50mm、幅34mmのアルミニウム製外装缶に入れ、非水電解液(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを1:2の体積比で混合した溶媒に、LiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液)を注入した後に封止を行って、図3に示す構造で図4に示す外観の非水電解質二次電池を得た。
ここで図3および図4に示す電池について説明すると、図3の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図3(b)に示すように、正極101と負極102は前記のようにセパレータ103を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の電極巻回体106として、角筒形の外装缶104に非水電解液と共に収容されている。ただし、図3では、煩雑化を避けるため、正極101や負極102の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や非水電解液などは図示していない。また、セパレータの各層も区別して示していない。
外装缶104はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この外装缶104は正極端子を兼ねている。そして、外装缶104の底部にはPEシートからなる絶縁体5が配置され、正極101、負極102およびセパレータ103(セパレータAおよびセパレータB)からなる扁平状電極巻回体106からは、正極101および負極102のそれぞれ一端に接続された正極リード体107と負極リード体108が引き出されている。また、外装缶104の開口部を封口するアルミニウム合金製の封口用蓋板109にはPP製の絶縁パッキング110を介してステンレス鋼製の端子111が取り付けられ、この端子111には絶縁体112を介してステンレス鋼製のリード板113が取り付けられている。
そして、この蓋板109は外装缶104の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、外装缶104の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図3の電池では、蓋板109に非水電解液注入口114が設けられており、この非水電解液注入口114には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図3および図4の電池では、実際には、非水電解液注入口114は、非水電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、非水電解液注入口114として示している)。更に、蓋板109には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント115が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体107を蓋板109に直接溶接することによって外装缶104と蓋板109とが正極端子として機能し、負極リード体108をリード板113に溶接し、そのリード板113を介して負極リード体108と端子111とを導通させることによって端子111が負極端子として機能するようになっているが、外装缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図4は前記図3に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図4は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図3では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図3においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
セパレータBがセパレータAよりも外周側となるようにした以外は、実施例1と同様にして電極巻回体を作製し、この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例3
乾式一軸延伸法で作製されたPE製微多孔膜[多孔質層(I):厚み12μm、空孔率40%、突き刺し強度250gf、PEの融点135℃]を用いた以外はすべて実施例1と同様にしてセパレータAを作製した。以下、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例4
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):150gと、水:6000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に耐熱温度が150℃以上のフィラーであるアルミナ粉末(粒状、平均粒径2μm):2600gを3回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー[多孔質層(II)形成用スラリー、固形分比率56.3質量%]を調製した。以下、実施例1と同様にしてセパレータAを作製した。
得られたセパレータAにおける多孔質層(II)は、単位面積あたりの質量が6.8g/mであった。また、このセパレータの多孔質層(II)における板状ベーマイトの体積含有率は88体積%であり、多孔質層(II)の空孔率は55%であった。このセパレータAを用いた以外はすべて実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例1
2枚のセパレータを、いずれも実施例1で使用したものと同じセパレータBとした以外は、実施例1と同様にして電極巻回体を作製し、この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例1〜4および比較例1の非水電解質二次電池を恒温槽に入れ、25℃から150℃まで5℃/minの速度で昇温し、その後150℃で3時間保持する加熱試験を行い、その際の、各電池の表面の最高到達温度を測定した。これらの結果を、電池に係る電極巻回体におけるセパレータの構成と併せて表1に示す。
Figure 0005804712
表1から明らかなように、セパレータAとセパレータBとを併用した電極巻回体を有する実施例1〜4の非水電解質二次電池は、電極巻回体に係る2枚のセパレータをいずれもセパレータBとした比較例1の電池に比べて、加熱試験における電池表面の最高到達温度が低く、高い安全性を有している。また、より高耐熱性のセパレータAを電極巻回体のより外周側に配置した実施例1、3、4の電池の方が、このセパレータAを電極巻回体のより内周側に配置した実施例2の電池よりも、加熱試験における電池表面の最高到達温度が低くなっており、より優れた安全性を有している。
10、106 電極巻回体
20、101 正極
30、102 負極
40 セパレータA
50 セパレータB
51 多孔質層(I)
52 多孔質層(II)

Claims (4)

  1. 正極、負極、並びに前記正極と前記負極との間に介在させる2枚のセパレータAおよびBを重ねて巻回した電極巻回体と、非水電解質とを含む非水電解質二次電池であって、
    前記2枚のセパレータのうち、前記セパレータAは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる多孔質層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有する多層構造のセパレータであり、前記セパレータBは、ポリオレフィン製の微多孔膜であり、
    前記電極巻回体において、前記正極又は負極は、前記セパレータAと前記セパレータBに隣接し、
    前記電極巻回体の両端面において、前記セパレータAと前記セパレータBとが巻回方向に直交する方向に正負極からはみ出していることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記セパレータAが、前記セパレータBよりも前記電極巻回体のより外周側に配置されている請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記多孔質層(I)および前記セパレータBの融点が80℃から150℃の範囲である請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記多孔質層(II)が前記正極に隣接することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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