JP5241314B2 - ラミネート形非水二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、安全性および負荷特性が良好なラミネート形非水二次電池に関するものである。
非水二次電池などの電気化学素子は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。例えば、非水二次電池では、携帯機器の高性能化に伴って高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行の非水二次電池では、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の微孔性フィルムが使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
ところで、こうしたセパレータとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸あるいは二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを前記延伸によって確保している。しかし、このような延伸フィルムでは結晶化度が増大しており、シャットダウン温度も、電池の熱暴走温度に近い温度にまで高まっているため、電池の安全性確保のためのマージンが十分とは言い難い。
また、前記延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮温度は、融点、すなわちシャットダウン温度と非常に近いところに存在する。このため、ポリオレフィン系の微孔性フィルムセパレータを使用するときには、充電異常時などに電池の温度がシャットダウン温度に達すると、電流を直ちに減少させて電池の温度上昇を防止しなければならない。空孔が十分に閉塞せず電流を直ちに減少できなかった場合には、電池の温度は容易にセパレータの収縮温度にまで上昇するため、内部短絡の危険性があるからである。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の信頼性を高める技術として、例えば、シャットダウン機能を確保するための樹脂を主体として含む第1セパレータ層と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む第2セパレータ層とを有する多孔質のセパレータを用いて電気化学素子を構成することが提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の技術によれば、例えば、1Ah程度の容量を有する小型の非水二次電池とする場合には、十分な安全性を確保することができる。
ところで、自動車や電車などに適用される非水二次電池では、例えば回生エネルギーの有効利用などのために負荷特性の向上が、また、長時間の駆動を可能とするために、電池の大型化による高エネルギー密度化や高容量化が要求される。よって、このような用途に適用される非水二次電池では、前記のような特性の向上を図った上で、安全性を確保する必要がある。また、前記のような用途に適用される非水二次電池では、電池容器に、金属ラミネートフィルムで構成されるラミネート容器が適用されることが多いが、このような電池において、安全性を高度に確保するには、特許文献1に開示の技術においても、未だ改善の余地がある。
他方、特許文献2には、ラミネート容器を用いたラミネート形の非水二次電池において、安全性を高める技術として、ベンゼン環を有する芳香族化合物やホスファゼン誘導体を添加した非水電解質を用いることが提案されている。
しかしながら、特許文献2に開示の非水二次電池では、例えば、前記の自動車や電車などの用途に適用する際に要求されるだけの負荷特性を確保することが難しく、特許文献2に開示の技術は、このような点において未だ改善の余地を残している。
国際公開第2007/66768号 特開2006−261093号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性および負荷特性が良好なラミネート形非水二次電池を提供することにある。
前記課題を解決し得た本発明のラミネート形非水二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出できる活物質を含む負極と、活物質であるリチウム含有酸化物を含む正極合剤層を有する正極とが、セパレータを介して積層されており、かつ前記負極と前記正極の少なくとも一方を複数有する平板状の積層電極体、および非水電解質が、ラミネート容器に収容された電池であって、前記セパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする微孔性フィルム層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを少なくとも有しており、かつ正極と対向する層が微孔性フィルム層(I)であり、電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を、前記正極合剤層または前記非水電解質に含有していることを特徴とするものである。
本発明のラミネート形非水二次電池では、前記の微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを有するセパレータを使用することにより、電池が異常過熱した際に、シャットダウンを生じると共に、セパレータの収縮を抑制して正極と負極とが接触することによる短絡を防止することができる。
また、本発明のラミネート形非水二次電池では、正極合剤層または非水電解質に、高電圧に曝されたときに正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を含有しており、例えば電池が過充電状態となったときに前記添加剤から発生する気体が、正極表面とセパレータとの間に介在して、これらを隔離することにより、正負極間のイオン伝導を妨げ、電池の充放電反応を阻害する。ここで、多孔質層(II)に比べてより表面の平滑性が高い微孔性フィルム層(I)を正極と対向させることにより、より少ない量の気体の発生でも、正極表面とセパレータとを前記気体が隔離する効果が生じやすくなり、電池の安全性を高めることができる。しかも、本発明の電池では、外装体が金属ラミネートフィルムを用いたラミネート容器であるため、外装体が変形しやすく、従って電池内での気体の発生により積層電極体が容易に変形するため、前記気体による正極表面とセパレータとの隔離がより生じやすい。そのため、本発明の電池では、過充電状態などの電池が異常に高電圧となった場合における正極の熱暴走を良好に抑制することができる。
本発明の電池では、前記の各作用によって、その安全性を高めている。
更に、本発明の電池では、正極と負極とがセパレータを介して積層された平板状の積層電極体を有しているが、セパレータのうち熱融着が容易な微孔性フィルム層(I)が、正極に対向するように配置されている。そのため、1つの正極の両面に配置された2枚のセパレータに係る微孔性フィルム層(I)同士における正極の外周縁外側の箇所を融着し、正極を前記2枚のセパレータで包むようにする[すなわち、セパレータの有する微孔性フィルム層(I)によって正極を包むようにする]ことも可能である、これにより、前記正極と前記2枚のセパレータとを容易に固定することができ、使用時における正極とセパレータとの位置ずれによる短絡の発生を抑制して、その信頼性をより高めることができる。
そして、本発明の電池では、安全性の確保を、前記の通り、セパレータを厚くする以外の方法で達成できるため、セパレータを薄くすることが可能であり、これにより、電池の負荷特性を高めることもできる。
なお、後記の多孔質基体を除き、本明細書でいう「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
また、本明細書でいう微孔性フィルム層(I)における「熱可塑性樹脂を主体とする」とは、微孔性フィルム層(I)内の固形分比率で、熱可塑性樹脂である樹脂(A)が50体積%以上であることを意味している。更に、本明細書でいう多孔質層(II)における「耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む」とは、層内の固形分比率(ただし、後記の多孔質基体を有する場合においては、多孔質基体を除いた固形分比率)で、耐熱温度が150℃以上のフィラーが50体積%以上であることを意味している。
本発明によれば、安全性および負荷特性が良好なラミネート形非水二次電池を提供することができる。
本発明のラミネート形非水二次電池に係るセパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする微多孔膜からなる微孔性フィルム層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有するものである。
セパレータに係る微孔性フィルム層(I)は、主にシャットダウン機能を確保するためのものである。本発明のラミネート形非水二次電池の温度が微孔性フィルム層(I)の主体となる成分である熱可塑性樹脂[以下、樹脂(A)と称する]の融点以上に達したときには、微孔性フィルム層(I)に係る樹脂(A)が溶融してセパレータの空孔を塞ぎ、電気化学反応の進行を抑制するシャットダウンを生じる。
また、セパレータに係る多孔質層(II)は、電池の内部温度が上昇した際にも正極と負極との直接の接触による短絡を防止する機能を備えたものであり、耐熱温度が150℃以上のフィラーによって、その機能を確保している。すなわち、電池が高温となった場合には、喩え微孔性フィルム層(I)が収縮しても、収縮し難い多孔質層(II)によって、セパレータが熱収縮した場合に発生し得る正負極の直接の接触による短絡を防止することができる。また、後述するように微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)が一体化した構成の場合には、この耐熱性の多孔質層(II)が、セパレータの骨格として作用し、微孔性フィルム層(I)の熱収縮、すなわちセパレータ全体の熱収縮を抑制する。
微孔性フィルム層(I)に係る樹脂(A)は、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に後で詳述するラミネート形非水二次電池の有する非水電解質や、セパレータ製造の際に使用する溶媒(詳しくは後述する)に安定な熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などが好ましい。
なお、本発明のセパレータは、80℃以上140℃以下(より好ましくは100℃以上)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、微孔性フィルム層(I)は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80℃以上140℃(更に好ましくは100℃以上)の熱可塑性樹脂を、その構成成分とするものがより好ましく、PEを主成分とする単層の微多孔膜であるか、PEとPPとを2〜5層積層した積層微多孔膜などであることが好ましい。
PEのように融点が80℃以上140℃以下の熱可塑性樹脂と、PPなどのように、融点が140℃を超える熱可塑性樹脂とを併用して微孔性フィルム層(I)を構成する場合、例えば、PEと、PPなどのPEよりも高融点の樹脂とを混合して構成された微多孔フィルムを微孔性フィルム層(I)としたり、PE層と、PP層などのPEよりも高融点の樹脂で構成された層とを積層して構成された積層微多孔フィルムを微孔性フィルム層(I)としたりする場合には、微孔性フィルム層(I)を構成する樹脂(A)中、融点が80℃以上140℃以下の樹脂(例えばPE)が、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
前記のような微孔性フィルムとしては、例えば、従来公知の非水二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された微孔性フィルム、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の微孔性フィルムを用いることができる。
また、微孔性フィルム層(I)には、セパレータにシャットダウン機能を付与する作用を損なわない範囲で、その強度などを向上するためにフィラーなどを含有させることもできる。微孔性フィルム層(I)に使用可能なフィラーとしては、例えば、後述する多孔質層(II)に使用可能なフィラー(耐熱温度が150℃以上のフィラー)と同じものが挙げられる。
フィラーの粒径は、平均粒径で、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下である。なお、本明細書でいう平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、フィラーを溶解しない媒体に、これら微粒子を分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる[後述する多孔質層(II)に係るフィラーについても同じである。]。
前記のような構成の微孔性フィルム層(I)を備えることで、セパレータにシャットダウン機能を付与することが容易となり、ラミネート形非水二次電池の内部温度上昇時における安全性確保を容易に達成することが可能となる。
微孔性フィルム層(I)における樹脂(A)の含有量は、シャットダウンの効果をより得やすくするために、例えば、下記のようであることが好ましい。セパレータの全構成成分中における樹脂(A)の体積は、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましい。また、樹脂(A)の体積が、微孔性フィルム層(I)の全構成成分中、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、80体積%以上であることがより好ましい[樹脂(A)が100体積%であってもよい。]。更に、後記の方法により求められる多孔質層(II)の空孔率が20〜60%であり、かつ樹脂(A)の体積が、多孔質層(II)の空孔体積の50%以上であることが好ましい。
多孔質層(II)に係るフィラーは、耐熱温度が150℃以上で、ラミネート形非水二次電池の有する非水電解質に対して安定であり、更にラミネート形非水二次電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであれば、有機粒子でも無機粒子でもよいが、分散などの点から微粒子であることが好ましく、安定性などの点から無機微粒子がより好ましく用いられる。
無機粒子の構成材料の具体例としては、例えば、酸化鉄、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。無機粒子としては、前記の無機酸化物の粒子(微粒子)が好ましく、中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトが特に好ましく用いられる。
また、有機粒子(有機粉末)としては、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体架橋物、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物などの各種架橋高分子粒子や、ポリスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミドなどの耐熱性高分子粒子などが例示できる。また、これらの有機粒子を構成する有機樹脂(高分子)は、前記例示の材料の混合物、変性体、誘導体、共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、架橋体(前記の耐熱性高分子の場合)であってもよい。
耐熱温度が150℃以上のフィラーの形態としては、例えば、球状に近い形状を有していてもよく、板状の形状を有していてもよいが、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が板状粒子であることが好ましい。前記フィラーの全てが板状粒子でもよい。多孔質層(II)が板状粒子を含有することで、多孔質層(II)が微孔性フィルム層(I)と一体化した場合においても、板状粒子同士の衝突によって微孔性フィルム層(I)が収縮する力を抑制することが可能となる。また、板状粒子を用いることでセパレータにおける正極負極間の経路、すなわち所謂曲路率が大きくなる。そのため、デンドライトが生成した場合でも、該デンドライトが負極から正極に到達し難くなり、デンドライトショートに対する信頼性を高めることができる。
板状の前記フィラーとしては、各種市販品が挙げられ、例えば、旭硝子エスアイテック社製「サンラブリー(商品名)」(SiO)、石原産業社製「NST−B1(商品名)」の粉砕品(TiO)、堺化学工業社製の板状硫酸バリウム「Hシリーズ(商品名)」、「HLシリーズ(商品名)」、林化成社製「ミクロンホワイト(商品名)」(タルク)、林化成社製「ベンゲル(商品名)」(ベントナイト)、河合石灰社製「BMM(商品名)」や「BMT(商品名)」(ベーマイト)、河合石灰社製「セラシュールBMT−B(商品名)」[アルミナ(Al)]、キンセイマテック社製「セラフ(商品名)」(アルミナ)、斐川鉱業社製「斐川マイカ Z−20(商品名)」(セリサイト)などが入手可能である。この他、SiO、Al、ZrO、CeOについては、特開2003−206475号公報に開示の方法により作製することができる。
前記フィラーが板状粒子の場合の形態としては、アスペクト比(板状粒子中の最大長さと板状粒子の厚みとの比)が、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であって、好ましくは100以下、より好ましくは50以下である。板状粒子におけるアスペクト比は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。
また、多孔質層(II)に含まれる前記フィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有する微粒子であることが好ましい。前記フィラーの全部が、前記二次粒子構造を有する微粒子であってもよい。多孔質層(II)が前記二次粒子構造のフィラーを含有することで、前述した板状粒子を用いた場合と同様の熱収縮抑制効果や、デンドライトショートの抑制効果を得ることができる。前記二次粒子構造のフィラーの例としては、大明化学社製「ベーマイト C06(商品名)」、「ベーマイト C20(商品名)」(ベーマイト)、米庄石灰工業社製「ED−1(商品名)」(CaCO)、J.M.Huber社製「Zeolex 94HP(商品名)」(クレイ)などが挙げられる。
多孔質層(II)に係る前記フィラーの平均粒径(二次粒子構造のフィラーについても、前記の測定法により求められる平均粒径)は、例えば、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上であって、好ましくは15μm以下、より好ましくは5μm以下である。
多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量は、多孔質層(II)の構成成分の全体積中[ただし、後記の多孔質基体を使用する場合には、多孔質基体を除く構成成分の全体積中。多孔質層(II)の各構成成分の含有量について、以下同じ。]、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層(II)中のフィラーを前記のように高含有量とすることで、電池が高温となった際の正極と負極との直接の接触による短絡の発生をより良好に抑制することができ、また、特に微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを一体化した構成のセパレータの場合には、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができる。
また、多孔質層(II)には、耐熱温度が150℃以上のフィラー同士を結着したり、必要に応じて微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを結着したりするために有機バインダを含有させることが好ましく、このような観点から、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラー量は、例えば、多孔質層(II)の構成成分の全体積中、99.5体積%以下であることが好ましく、99体積%以下であることがより好ましい。なお、多孔質層(II)における耐熱温度が150℃以上のフィラーの量を70体積%未満とすると、例えば、多孔質層(II)中の有機バインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には多孔質層(II)の空孔が有機バインダによって埋められやすく、セパレータとしての機能が低下する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、前記フィラー同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
耐熱温度が150℃以上のフィラーとして板状粒子を用いる場合、多孔質層(II)中での板状粒子の存在形態は、平板面がセパレータの面に対して略平行であることが好ましく、より具体的には、セパレータの表面近傍における板状粒子について、その平板面とセパレータ面との平均角度が30°以下であることが好ましい[最も好ましくは、当該平均角度が0°、すなわち、セパレータの表面近傍における板状の平板面が、セパレータの面に対して平行である]。ここでいう「表面近傍」とは、セパレータの表面から全体厚みに対しておよそ10%の範囲を指す。板状粒子の存在形態が前記のような状態となるように板状粒子の配向性を高めることで、前記の多孔質層(II)の熱収縮抑制作用をより強く発揮させることが可能になり、また、電極表面に析出するリチウムデンドライトや電極表面の活物質の突起により生じ得る内部短絡をより効果的に防ぐことができる。なお、多孔質層(II)中における板状粒子の存在形態は、セパレータの断面をSEMにより観察することにより把握することができる。
多孔質層(II)には、セパレータの形状安定性の確保や、多孔質層(II)と微孔性フィルム層(I)との一体化などのために、有機バインダを含有させることが好ましい。有機バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。有機バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示の有機バインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高い有機バインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「EM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記の有機バインダを多孔質層(II)に使用する場合には、後述する多孔質層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
また、セパレータの形状安定性や柔軟性を確保するために、多孔質層(II)において、繊維状物などを前記フィラーと混在させてもよい。繊維状物としては、耐熱温度が150℃以上であって、電気絶縁性を有しており、電気化学的に安定で、更に下記に詳述する非水電解質や、セパレータ製造の際に使用する溶媒に安定であれば、特に材質に制限はない。なお、本明細書でいう「繊維状物」とは、アスペクト比[長尺方向の長さ/長尺方向に直交する方向の幅(直径)]が4以上のものを意味しており、アスペクト比は10以上であることが好ましい。
繊維状物の具体的な構成材料としては、例えば、セルロースおよびその変成体[カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)など]、ポリオレフィン[ポリプロピレン(PP)、プロピレンの共重合体など]、ポリエステル[ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など]、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアラミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどの樹脂;ガラス、アルミナ、ジルコニア、シリカなどの無機酸化物;などを挙げることができ、これらの構成材料を2種以上併用して繊維状物を構成してもよい。また、繊維状物は、必要に応じて、公知の各種添加剤(例えば、樹脂である場合には酸化防止剤など)を含有していても構わない。
また、本発明の電池に用いるセパレータは、特に微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)を一体化せずに多孔質層(II)を独立膜として用いた場合において、その取り扱い性を高めるなどのために、多孔質層(II)に多孔質基体を用いることができる。多孔質基体は、前記の繊維状物が織布、不織布(紙を含む)などのシート状物を形成してなる耐熱温度が150℃以上のものであり、市販の不織布などを基体として用いることができる。この態様のセパレータでは、多孔質基体の空隙内に耐熱温度が150℃以上の前記フィラーを含有させることが好ましいが、多孔質基体と前記フィラーとを結着させるために、前記の有機バインダを用いることもできる。
なお、多孔質基体の「耐熱性」は、軟化などによる実質的な寸法変化が生じないことを意味し、対象物の長さの変化、すなわち、多孔質基体においては、室温での長さに対する収縮の割合(収縮率)が5%以下を維持することのできる上限温度(耐熱温度)が、セパレータのシャットダウン温度よりも十分に高いか否かで耐熱性を評価する。シャットダウン後の電池の安全性を高めるために、多孔質基体は、シャットダウン温度よりも20℃以上高い耐熱温度を有することが望ましく、より具体的には、多孔質基体の耐熱温度は、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。
多孔質基体を用いて多孔質層(II)を構成する場合には、耐熱温度が150℃以上のフィラーの全部または一部が、多孔質基体の空隙内に存在する形態とすることが好ましい。このような形態とすることで、前記フィラーの作用をより有効に発揮させることができる。
繊維状物(多孔質基体を構成する繊維状物、その他の繊維状物を含む)の直径は、多孔質層(II)の厚み以下であればよいが、例えば、0.01〜5μmであることが好ましい。繊維状物の径が大きすぎると、繊維状物同士の絡み合いが不足するため、例えばシート状物を形成して多孔質基体を構成する場合に、その強度が小さくなって取り扱いが困難となることがある。また、繊維状物の径が小さすぎると、セパレータの空孔が小さくなりすぎてイオン透過性が低下する傾向にあり、電池の負荷特性を低下させてしまうことがある。
多孔質層(II)に繊維状物を使用する場合(多孔質基体として繊維状物を使用する場合を含む)には、その含有量は、例えば、多孔質層(II)の全構成成分中、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上であって、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下である。多孔質層(II)中での繊維状物の存在状態は、例えば、長軸(長尺方向の軸)の、セパレータ面に対する角度が平均で30°以下であることが好ましく、20°以下であることがより好ましい。
本発明に係るセパレータの厚みは、正極と負極とをより確実に隔離する観点から、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。他方、セパレータの厚みが大きすぎると、電池の負荷特性やエネルギー密度が低下してしまうことがあるため、その厚みは、40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。
また、セパレータを構成する微孔性フィルム層(I)の厚みをA(μm)、多孔質層(II)の厚みをB(μm)としたとき、AとBとの比率A/Bは、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、また、1/8以上であることが好ましく、1/5以上であることがより好ましい。本発明に係るセパレータでは、微孔性フィルム層(I)の厚み比率を大きくし多孔質層(II)を薄くしても、良好なシャットダウン機能を確保しつつ、セパレータの熱収縮による短絡の発生を高度に抑制することができる。なお、セパレータにおいて、微孔性フィルム層(I)が複数存在する場合には、厚みAはその総厚みであり、多孔質層(II)が複数存在する場合には、厚みBはその総厚みである。
なお、具体的な値で表現すると、微孔性フィルム層(I)の厚み[セパレータが微孔性フィルム層(I)を複数有する場合には、その総厚み]は、5μm以上であることが好ましく、また、30μm以下であることが好ましい。そして、多孔質層(II)の厚み[セパレータが多孔質層(II)を複数有する場合には、その総厚み]は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、4μm以上であることが更に好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがより好ましい。微孔性フィルム層(I)が薄すぎると、シャットダウン機能が弱くなる虞があり、厚すぎると、電池の負荷特性やエネルギー密度の低下を引き起こす虞があることに加えて、熱収縮しようとする力が大きくなり、例えば、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)が一体化した構成では、セパレータ全体の熱収縮を抑える作用が小さくなる虞がある。また、多孔質層(II)が薄すぎると、セパレータの熱収縮に起因する短絡の発生を抑制する効果が小さくなる虞があり、厚すぎると、セパレータ全体の厚みの増大を引き起こしてしまう。
セパレータ全体の空孔率としては、非水電解質の保持量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、30%以上であることが好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましい。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(1)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P = 100−(Σa/ρ)×(m/t) (1)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記(1)式において、mを微孔性フィルム層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを微孔性フィルム層(I)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて微孔性フィルム層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる微孔性フィルム層(I)の空孔率は、30〜70%であることが好ましい。
更に、前記(1)式において、mを多孔質層(II)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tを多孔質層(II)の厚み(cm)とすることで、前記(1)式を用いて多孔質層(II)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められる多孔質層(II)の空孔率は、20〜60%であることが好ましい。
また、本発明に係るセパレータは、JIS P 8117に準拠した方法で測定され、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜300secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。さらに、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。前記の構成を採用することにより、前記の透気度や突き刺し強度を有するセパレータとすることができる。
前記の構成を有するセパレータを有する本発明のラミネート形非水二次電池のシャットダウン特性は、例えば、電池の内部抵抗の温度変化により求めることができる。具体的には、電池を恒温槽中に設置し、温度を室温から毎分1℃の割合で上昇させ、電池の内部抵抗が上昇する温度を求めることで測定することが可能である。この場合、150℃における電池の内部抵抗は、室温の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることがより好ましく、前記構成のセパレータを使用することで、このような特性を確保することができる。
また、本発明のラミネート形非水二次電池に係るセパレータは、150℃での熱収縮率を5%以下とすることが好ましい。このような特性のセパレータであれば、電池内部が150℃程度になっても、セパレータの収縮が殆ど生じないため、正負極の接触による短絡をより確実に防止することができ、高温での電池の安全性をより高めることができる。前記の構成を採用することで、前記のような熱収縮率を有するセパレータとすることができる。
ここでいう熱収縮率は、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)が一体化している場合は、その一体化したセパレータ全体の収縮率を指し、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)が独立している場合には、それぞれの収縮率の小さい方の値を指す。また、後述するように、微孔性フィルム層(I)および/または多孔質層(II)は、電極と一体化する構成とすることもできるが、その場合は、電極と一体化した状態で測定した熱収縮率を指す。
なお、前記の「150℃の熱収縮率」とは、セパレータまたは微孔性フィルム層(I)および多孔質層(II)(電極と一体化した場合には電極と一体化した状態で)を恒温槽に入れ、温度を150℃まで上昇させて3時間放置した後に取り出して、恒温槽に入れる前のセパレータまたは微孔性フィルム層(I)および多孔質層(II)の寸法と比較することで求められる寸法の減少割合を百分率で表したものである。
本発明の電池に係るセパレータの製造方法としては、例えば、下記の(a)または(b)の方法を採用できる。製造方法(a)は、多孔質基体に、耐熱温度が150℃以上のフィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を塗布した後、所定の温度で乾燥して多孔質層(II)を形成し、これを、前記の方法で作製された微孔性フィルム層(I)を構成するための微孔性フィルムと重ね合わせて、1つのセパレータとする方法である。この場合、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とは一体化されていてもよいし、それぞれ独立した膜であって、電池の組み立てにより、電池内で重ね合わされた状態で一体のセパレータとして機能するものであってもよい。
微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)を一体化するには、例えば、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを重ね合わせ、ロールプレスなどにより両者を貼り合わせる方法などが採用できる。
前記の場合の多孔質基体としては、具体的には、前記例示の各材料を構成成分に含む繊維状物の少なくとも1種で構成される織布や、これら繊維状物同士が絡み合った構造を有する不織布などの多孔質シートなどが挙げられる。より具体的には、紙、PP不織布、ポリエステル不織布(PET不織布、PEN不織布、PBT不織布など)、PAN不織布などの不織布が例示できる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラーの他、必要に応じて有機バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、有機バインダについては溶媒に溶解させることもできる。多孔質層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、前記フィラーなどを均一に分散でき、また、有機バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般的な有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、有機バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
多孔質層(II)形成用組成物は、耐熱温度が150℃以上のフィラー、および有機バインダを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
前記多孔質基体の空孔の開口径が比較的大きい場合、例えば、5μm以上の場合には、これが電池の短絡の要因となりやすい。よって、この場合には、前記の通り、耐熱温度が150℃以上のフィラーなどの全部または一部が、多孔質基体の空隙内に存在する構造とすることが好ましい。多孔質基体の空隙内に前記フィラーなどを存在させるには、例えば、これらを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布した後に一定のギャップを通し、余分の組成物を除去した後、乾燥するなどの工程を用いればよい。
また、多孔質層(II)において、前記のように、板状の前記フィラーの配向性を高めるには、板状の前記フィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布し含浸させた後、前記組成物にシェアや磁場をかけるといった方法を用いればよい。例えば、前記のように、板状の前記フィラーを含有する多孔質層(II)形成用組成物を多孔質基体に塗布した後、一定のギャップを通すことで、前記組成物にシェアをかけることができる。
また、前記フィラーや多孔質層(II)を構成するその他の成分の持つ作用をより有効に発揮させるために、これらの成分を偏在させて、セパレータの面と平行または略平行に、前記成分が層状に集まった形態としてもよい。
セパレータの製造方法(b)は、多孔質層(II)形成用組成物に、更に必要に応じて繊維状物を含有させ、これをフィルムや金属箔などの基板上に塗布し、所定の温度で乾燥した後に、必要に応じて前記基板から剥離する方法である。これにより多孔質層(II)となる多孔質膜を形成することができる。
製造方法(b)でも、製造方法(a)と同様に、樹脂(A)を主体とする微多孔膜からなる微孔性フィルム層(I)と、フィラーを主体として含む多孔質層(II)とは、それぞれ独立した構成としてもよいし、一体化した構成としてもよい。微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)を一体化するには、個別に形成した多孔質層(II)と微孔性フィルム層(I)とをロールプレスなどにより貼り合わせる方法の他、前記の基板を使用する代わりに、微孔性フィルム層(I)の表面に多孔質層(II)形成用組成物を塗布し、乾燥して、微孔性フィルム層(I)の表面に直接多孔質層(II)を形成する方法を採用することもできる。
また、製造方法(b)によって、電池を構成する電極の表面に多孔質層(II)を形成して、セパレータと電極とが一体化した構造としてもよい。
(a)、(b)いずれの製造方法を採用する場合においても、微孔性フィルム層(I)を正極および負極の少なくとも一方の電極と一体化してもよい。微孔性フィルム層(I)を電極と一体化するには、例えば、微孔性フィルム層(I)となる微孔性フィルムと電極とを重ねてロールプレスする方法などが採用できる。更に、製造方法(b)により、負極の表面に多孔質層(II)を形成し、正極の表面に微孔性フィルム層(I)となる微孔性フィルムを貼り付けて一体化してもよいし、製造方法(a)または(b)により製造した微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを一体化したセパレータを、正極および負極のいずれか一方の表面に貼り付けて、一体化してもよい。微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とが一体化したセパレータを電極の表面に貼り付けて一体化するには、例えば、セパレータと電極とを重ねてロールプレスする方法などが採用できる。
なお、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とは、それぞれ1層ずつである必要はなく、複数の層がセパレータ中にあってもよい。例えば、多孔質層(II)の両面に微孔性フィルム層(I)を配置した構成としてもよい。ただし、層数を増やすことで、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので、層数を多くしすぎるのは好ましくなく、セパレータ中の微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)との合計層数は5層以下であることが好ましい。
また、前記の通り、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とは、一体化して独立膜としてセパレータを構成する以外に、それぞれ独立した構成要素とし、電池が組み立てられた段階で、電池内で重ね合わされた状態となり、正極と負極の間に介在するセパレータとして機能するようにすることもできる。更に、セパレータには、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)の他に、セパレータとして機能する別の層が含まれていてもよく、例えば、多孔質基体を構成する繊維状物の層などが、微孔性フィルム層(I)または多孔質層(II)と積層されていてもよく、微孔性フィルム層(I)および多孔質層(II)の間に別の層を介在させることもできる。
本発明のラミネート形非水二次電池は、正極に係る正極合剤層または非水電解質が、高電圧に曝されたときに正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を含有している。前記添加剤は、前記の通り、電池が高電圧状態、具体的には4.3V以上になったときに気体を発生し、正極とセパレータとを隔離して、正極の熱暴走を抑制するためのものである。前記添加剤は、正極のみが含有していてもよく、非水電解質のみが含有していてもよく、また、正極と非水電解質の両者が含有していてもよい。前記添加剤の含有形態は、前記添加剤の非水電解質に対する溶解度と添加量との関係から適宜選択すればよく、例えば非水電解質に対する溶解度が低い化合物の場合には、正極に含有させればよい。
本発明に係る正極は、活物質であるリチウム含有酸化物を含む正極合剤層を有するものであり、正極が前記添加剤を含む場合には、正極合剤層に含有される。
正極が含有し得る前記添加剤としては、例えば、炭酸リチウムおよび蓚酸リチウムが挙げられる。正極(正極合剤層)は、前記例示の添加剤のうち1種のみを含有していてもよく、両者を含有していてもよい。前記例示の添加剤の中でも、電池が高電圧となった際の正極の熱暴走抑制作用が特に優れていることから、炭酸リチウムがより好ましい。
正極に係る活物質であるリチウム含有酸化物としては、例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mgなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMnやその元素の一部を他元素で置換したスピネル構造のリチウムマンガン酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを例示することができる。
正極は、前記のリチウム含有酸化物や、必要に応じて用いられる前記添加剤の他に、導電助剤やバインダなどを含む正極合剤からなる正極合剤層が、集電体の片面または両面に形成された構成のものが使用できる。導電助剤としては、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどの炭素材料などが、バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが、それぞれ挙げられる。
正極の集電体としては、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極は、例えば、前記の正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤に分散(バインダは溶解していてもよい)させて調製したスラリー状やペースト状の正極合剤含有組成物を、集電体の表面に塗布し、乾燥した後に、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造される。なお、本発明に係る正極は、前記の製法により製造されたものに限定される訳ではなく、前記以外の製法により製造されたものであってもよい。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を正極に含有させる場合、正極合剤層における前記添加剤の含有量(配合量)は、その使用による効果を良好に確保する観点から、1.5質量%以上であることが好ましく、2.5質量%以上であることがより好ましい。ただし、前記添加剤の量が多すぎると、電池の負荷特性などが低下する傾向にあることから、正極合剤層における前記添加剤の含有量(配合量)は、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。なお、本発明の電池では、後述するように外装体にラミネート容器を使用していることから、前記添加剤により発生した気体によって、外装体自体も変形しやすく、前記気体による正極とセパレータとを隔離する作用を外装体が阻害し難いため、前記添加剤の使用量を、前記のように少なくしても、その作用が良好に発揮される。
また、正極合剤層において、リチウム含有酸化物の含有量(配合量)は、95〜98質量%であることが好ましく、導電助剤の含有量(配合量)は、0.5〜3質量%であることが好ましく、バインダの含有量(配合量)は、0.5〜3質量%であることが好ましい。更に、正極合剤層の厚み(集電体片面あたりの厚み)は、30〜60μmであることが好ましい。
電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を非水電解質が含有する場合、前記添加剤としては、ビフェニルおよびその誘導体(フッ素置換体など)、シクロヘキシルベンゼンやt−ブチルベンゼンなどのアルキルベンゼンおよびその誘導体(フッ素置換体など)、フルオロベンゼン、ジフェニルジスルフィドなどの、4.3Vから4.7V付近で分解して気体を発生する、ベンゼン環を有する芳香族化合物が挙げられ、非水電解質は、前記例示の添加剤のうちの1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。前記例示の添加剤の中でも、正極活物質との反応時に重合して正極の表面に良好な被膜を形成でき、電池が高電圧となった際の正極の熱暴走抑制作用が特に優れているビフェニルまたはシクロヘキシルベンゼンがより好ましい。
なお、本発明に係る非水電解質には、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液を、ゲル化剤でゲル状としたゲル状の非水電解質が好ましく用いられる。ゲル状の非水電解質を用いることで、例えば過充電時における電池の温度上昇を、より抑えることができる。
ゲル状の非水電解質を用いることにより、過充電時の電池温度の上昇をより抑制できる理由としては、非水電解質がゲル状であるために抵抗が高くなり、反応性が低下することも一因と考えられるが、その他に、非水電解質の流動性が低いため、前記添加剤が高電圧に曝されることで発生する気体が、正極とセパレータとの間に留まりやすく、前記添加剤による効果が生じやすいためと推測される。
非水電解質に用いるリチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
非水電解質に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの高誘電率の溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。
非水電解質に用い得るゲル化剤としては、例えば、3次元架橋構造を形成するゲル化剤[3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートとメチルメタクリレートとを含む組成物であって、一部が共重合体を形成している混合体などの、脂環式エポキシ基を有する化合物の組成物;オキセタン(メタ)アクリレートとメチルメタクリレートとを含む組成物であって、一部が共重合体を形成している混合体などの、オキセタン構造を有する化合物の組成物;など]、PVDF、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどが挙げられ、これらの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、PVDFなどのような2次元構造のゲル化剤の場合には、非水電解質の溶媒による膨潤や溶解によって粘着性を有するようになり、前記添加剤から発生する気体による正極とセパレータとの剥離を阻害する虞があることから、前記の3次元架橋構造を形成するゲル化剤がより好ましい。
また、これらの非水電解質には、安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンスルトンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する前記添加剤を非水電解質が含有する場合、非水電解質における前記添加剤の含有量(配合量)は、その使用による効果を良好に確保する観点から、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。ただし、前記添加剤の量が多すぎると、電池の負荷特性など低下する傾向にあることから、非水電解質における前記添加剤の含有量(配合量)は、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。なお、正極合剤層に含有させる添加剤において既に説明した通り、本発明の電池では、外装体にラミネート容器を使用していることから、前記添加剤により発生した気体によって、外装体自体も変形しやすく、前記気体による正極とセパレータとを隔離する作用を外装体が阻害し難いため、前記添加剤の使用量を、前記のように少なくしても、その作用が良好に発揮される。
また、非水電解質におけるリチウム塩の濃度(配合量)は、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。更に、非水電解質におけるゲル化剤の濃度(配合量)は、電解液を良好に保持する観点から、1.5質量%以上であることが好ましい。ただしゲル化剤が多すぎると、ゲル状となった非水電解質の強度が大きくなって、セパレータに吸収された非水電解質を固定し、負荷特性が低下する虞があることから、非水電解質におけるゲル化剤の濃度(配合量)は、3質量%以下であることが好ましい。
本発明に係る負極には、リチウムイオンを吸蔵・放出できる活物質を含有するものが使用される。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物(LiTi12など)、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(正極に係る導電助剤として例示した炭素材料など)やバインダ(PVDF、SBR、CMCなど)などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体表面に積層したものなどが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
図1および図2に、本発明のラミネート形非水二次電池の一例を模式的に示している。図1は、ラミネート形非水二次電池の平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。なお、図2では、図面が複雑になることを避けるため、セパレータの各層の区別や、ラミネート容器を構成する金属ラミネートフィルムの各層の区別をしていない。また、正極や負極に用いた集電体についても示していない。
本発明のラミネート形非水二次電池1は、複数の正極5と複数の負極6とを、セパレータ6を介して積層することで構成した平板状の積層電極体(非巻回状の積層電極体)と、非水電解質(図示しない)とを、金属ラミネートフィルムで構成されたラミネート容器2内に有している。3は正極端子であり、そのラミネート容器2内に存在する部分には、各正極5のリード体が、溶接などにより接続されている。また、4は負極端子であり、そのラミネート容器2内に存在する部分には、各負極6のリード体が、溶接などにより接続されている。
なお、積層電極体においては、電極とセパレータとの位置ずれによる微小短絡の発生を抑制するなどして電池特性の低下を抑え、電池の信頼性を高める観点から、図2に示すように、正極5の両面に配置する2枚のセパレータ7、7を、正極5の外周縁(正極合剤層の外周縁)の外側の箇所で融着して、正極5を前記2枚のセパレータで包むように[すなわち、セパレータの有する微孔性フィルム層(I)で包むように]、正極5と前記2枚のセパレータとを固定することもできる。
なお、本発明に係るセパレータは、微孔性フィルム層(I)と多孔質層(II)とを有しているが、多孔質層(II)は耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含むことから、熱融着性が低い。よって、セパレータのうち、正極と対向する層を、熱融着性がより良好な微孔性フィルム層(I)とすれば、前記の正極とセパレータとの固定時における作業性を向上させることができる。
本発明の電池に係るラミネート容器を構成する金属ラミネートフィルムとしては、例えば、外装樹脂層/金属層/熱溶着性樹脂層からなる3層構造の金属ラミネートフィルムが挙げられる。金属ラミネートフィルムにおける外装樹脂層としては、ナイロンフィルム(ナイロン66フィルムなど)、ポリエステルフィルム(PETフィルムなど)などが、金属層としてはアルミニウムフィルム、ステンレス鋼フィルムなどが、熱溶着性樹脂層としては変性ポリオレフィンフィルム(変性ポリオレフィンアイオノマーフィルムなど)などが挙げられる。
前記の積層電極体について、各正極のリード体を正極端子に、各負極のリード体を負極端子に、それぞれ溶接などにより接続した後に、前記のような金属ラミネートフィルムで構成されたラミネート容器に、積層電極体を、正極端子および負極端子が容器外に突出するように装填し、非水電解質を注入した後にラミネート容器を溶着封止するなどして、本発明のラミネート形非水二次電池を得ることができる。なお、非水電解質に係るゲル化剤が、電池作製後に加熱することで非水電解質をゲル状とするタイプのものの場合には、前記の溶着封止後に、電池を加熱するなどして、非水電解質をゲル状とする。
正極端子には、アルミニウムやアルミニウム合金で構成されたものが、また、負極端子には、銅、銅合金、銅または銅合金にニッケルメッキを施したものなどで構成されたものが、それぞれ使用できる。
本発明のラミネート形非水二次電池は、高容量で優れた負荷特性が要求される自動車や電車用の二次電池用途を始めとして、各種電子機器などの電源用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1
<セパレータの作製>
有機バインダであるSBRのエマルジョン(固形分比率40質量%):100gと水:4000gとを容器に入れ、均一に分散するまで室温で攪拌した。この分散液に、耐熱温度が150℃以上のフィラーであるベーマイト粉末(板状、平均粒径1μm、アスペクト比10):4000gを4回に分けて加え、ディスパーにより2800rpmで5時間攪拌して均一なスラリー[多孔質層(II)形成用スラリー]を調製した。ポリエチレン製微孔性フィルム[微孔性フィルム層(I):厚み16μm、空孔率40%、平均孔径0.02μm、融点135℃]上に、前記のスラリーをマイクログラビアコーターによって塗布し、乾燥して多孔質層(II)を形成することで、厚みが22μmのセパレータを得た。得られたセパレータを裁断して、110mm×210mmのサイズのセパレータを複数用意した。
なお、前記のセパレータは、多孔質層(II)における前記フィラーの体積比率が91体積%、多孔質層(II)の空孔率が48%であった。
<正極の作製>
LiCoO:96質量部、アセチレンブラック:2質量部、およびPVDF:2質量部を混合し、更に、炭酸リチウムを3質量%となる量で添加して正極合剤を調製し、更にこの正極合剤をNMPに分散させて、正極合剤含有ペーストを調製した。得られた正極合剤含有ペーストを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して正極合剤層を形成し、正極を得た。得られた正極の正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり50μmであった。その後、得られた正極を、正極合剤層の形成部分が幅105mm、長さ200mmとなり、更にリード体となる正極集電体の露出部も含む形状に裁断した。
<負極の作製>
黒鉛:98質量%に、SBR:1.5質量%およびCMC:0.5質量%を加えて混合し、更に水を加えて負極合剤含有ペーストを調製した。得られた負極合剤含有ペーストを、厚みが10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス処理を施して負極合剤層を形成し、負極を得た。得られた負極の負極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり52μmであった。その後、得られた負極を、負極合剤層の形成部分が幅110mm、長さ205mmとなり、更にリード体となる負極集電体の露出部も含む形状に裁断した。
<電池の組み立て>
前記の正極7枚と、前記の負極8枚とを、前記のセパレータを介して積層し、積層電極体とした。なお、セパレータは、その微孔性フィルム層(I)が正極と対向するように配置し、各正極の両面に配置したセパレータ同士を、その正極合剤層の外周縁の外側の箇所で熱融着し、各正極を、その両面に配置された2枚のセパレータによって包むようにした。次に、前記の積層電極体に係る各正極の正極リード体をアルミニウム製の正極端子に超音波溶接し、更に各負極の負極リード体を銅製の負極端子に超音波溶接した。
ポリエステルフィルム/アルミニウムフィルム/変性ポリオレフィンフィルムからなる厚み150μmの三層構造の金属ラミネートフィルム(サイズ235mm×142mm)を2枚用意した。そして、一方の金属ラミネートフィルムにおける変性ポリオレフィンフィルム層上に前記の積層電極体を、正極端子および負極端子の一部が図1に示すように金属ラミネートフィルムから突出するように置き、その上にもう一方の金属ラミネートフィルムを重ねて、3辺を熱融着して封止し、70℃で15時間真空乾燥した後に、封止していないラミネート容器の1辺から、液状の非水電解質を注入し、減圧状態で前記の1辺を熱融着して封止して、ラミネート形非水二次電池の前駆体を得た。なお、液状の非水電解質には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1対2に混合した溶媒にLiPFを濃度1.2mol/lで溶解し、更にオキセタン系のゲル化剤[オキセタンアクリレートとメチルメタクリレートとを含む組成物であって、一部が共重合体を形成している混合体(ただし、モノマー成分の割合は25質量%)]を2質量%の濃度で添加したものを用いた。
前記前駆体について、12時間のエージングを行った後、70℃、12時間の条件で非水電解質中のゲル化剤を反応させて非水電解質をゲル状とし、ラミネート形非水二次電池を得た。
なお、得られたラミネート形非水二次電池は、図1に示す電池と同様の外観を有し、また、積層電極体における正極、負極およびセパレータの積層数が異なる以外は、図2に示す電池と同様の構造を有している。
実施例2
炭酸リチウムを添加しない以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。また、シクロヘキシルベンゼンを3質量%の濃度となるように添加した以外は、実施例1と同様にして液状の非水電解質を調製した。
前記の正極と非水電解質とを用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
実施例3
正極合剤層における炭酸リチウムの量を2質量%とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。また、シクロヘキシルベンゼンを1.5質量%の濃度となるように添加した以外は、実施例1と同様にして液状の非水電解質を調製した。
前記の正極と非水電解質とを用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
比較例1
実施例2で作製したものと同じ正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。すなわち、比較例1のラミネート形非水二次電池は、正極合剤層、非水電解質のいずれにも、電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を含有していない。
比較例2
積層電極体におけるセパレータの配置を、微孔性フィルム層(I)が負極と対向するようにした以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
比較例3
PE製微孔性フィルム[微孔性フィルム層(I)]の厚みを40μmとし、多孔質層(II)に代えて、厚みが50μmのPP製不織布を用い、微孔性フィルム層(I)を負極側に配置した以外は、実施例3と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
実施例1〜3および比較例1〜3のラミネート形非水二次電池について、下記の各評価を行った。これらの結果を表1に示す。
<電池組み立て時の作業性評価>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池について、前記の「電池の組み立て」の工程でかかった時間(組み立て時間)を調べ、その作業性を評価した。
<放電容量測定>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池について、2A(1C)の定電流値で4.2Vまで充電を行い、次いで4.2Vの定電圧で充電を行う定電流−定電圧充電を3時間行い、0.4A(0.2C)の電流値で3Vまで放電させて、放電容量を求めた。
<負荷特性評価>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池について、放電容量測定時と同じ条件で充電した後、4A(2C)の電流値で3Vまで放電させて、放電容量(B)を求めた。そして、前記の放電容量測定により求めた放電容量[放電容量(A)]と、放電容量(B)とを用いて、下記式により各電池の負荷特性を評価した。
負荷特性=100×(B)/(A)
<シャットダウン温度測定>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池(放電状態のもの)を恒温槽に入れ、30℃から150℃まで毎分5℃の割合で温度上昇させて加熱し、電池の内部抵抗の温度変化を求めた。そして、抵抗値が30℃での値の5倍以上に上昇したときの温度を、シャットダウン温度とした。
<過充電時の到達温度測定>
実施例1〜3および比較例1〜3の電池に12Vの電圧を3時間加えることにより過充電を行い、充電中の電池表面での温度を測定して、最高温度を過充電時の到達温度とした。
Figure 0005241314
表1から明らかなように、実施例1〜3のラミネート形非水二次電池は、組み立て時間が短く作業性が良好である。そして、過充電時の電池の温度上昇が抑えられていて安全性が良好であり、また、負荷特性も優れている。
これに対し、前記添加剤を含有していない比較例1の電池は、放電容量や負荷特性は、実施例1〜2の電池と同等であるものの、過充電時に電池の温度上昇が認められる。また、セパレータの微孔性フィルム層(I)が負極と対向している積層電極体を有する比較例2の電池は、比較例1の電池と同様に放電容量や負荷特性は実施例1〜3の電池と同等であるものの、組み立て時間が長く作業性が劣っており、過充電時の電池の温度が、実施例の電池よりも高い。更に、微孔性フィルムと不織布とからなるセパレータを用い、微孔性フィルムを負極側に配置した比較例3の電池は、放電容量や過充電時の電池温度については実施例1〜3の電池と同等であるものの、組み立て時間が長く作業性が劣っており、負荷特性も低い。
本発明のラミネート形非水二次電池の一例を示す平面模式図である。 図1のA−A線断面の模式図である。
符号の説明
1 ラミネート形非水二次電池
2 ラミネート容器
3 正極端子
4 負極端子
5 正極
6 負極
7 セパレータ

Claims (15)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出できる活物質を含む負極と、活物質であるリチウム含有酸化物を含む正極合剤層を有する正極とが、セパレータを介して積層されており、かつ前記負極と前記正極の少なくとも一方を複数有する平板状の積層電極体、および非水電解質が、ラミネート容器に収容されたラミネート形非水二次電池であって、
    前記セパレータは、熱可塑性樹脂を主体とする微孔性フィルム層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを少なくとも有しており、かつ正極と対向する層が微孔性フィルム層(I)であり、
    電池の電圧が4.3V以上となった場合に正極活物質と反応して気体を発生する添加剤を、前記正極合剤層または前記非水電解質に含有しており、
    前記非水電解質が、3次元架橋構造を形成するゲル化剤によりゲル状となっていることを特徴とするラミネート形非水二次電池。
  2. 正極が、セパレータの微孔性フィルム層(I)で包まれている請求項1に記載のラミネート形非水二次電池。
  3. 正極合剤層の含有する前記添加剤が、炭酸リチウムまたは蓚酸リチウムである請求項1または2に記載のラミネート形非水二次電池。
  4. 正極合剤層における前記添加剤の含有量が、1.5〜5質量%である請求項3に記載のラミネート形非水二次電池。
  5. 非水電解質の含有する前記添加剤が、ベンゼン環を有する芳香族化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  6. 非水電解質の含有する前記添加剤が、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼン、またはこれらの誘導体である請求項5に記載のラミネート形非水二次電池。
  7. 非水電解質における前記添加剤の含有量が、1〜5質量%である請求項5または6に記載のラミネート形非水二次電池。
  8. セパレータの厚みが、6〜40μmである請求項1〜7のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  9. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が板状粒子である請求項1〜8のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  10. 多孔質層(II)に含まれるフィラーの少なくとも一部が、一次粒子が凝集した二次粒子構造を有する微粒子である請求項1〜9のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  11. 多孔質層(II)に含まれるフィラーが、アルミナ、シリカおよびベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種の粒子である請求項1〜10のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  12. 多孔質層(II)が、耐熱温度が150℃以上の多孔質基体を有している請求項1〜11のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  13. ゲル化剤が、脂環エポキシ基を有する化合物、またはオキセタン構造を有する化合物である請求項1〜12のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  14. 非水電解質におけるゲル化剤の濃度が、1.5〜3質量%である請求項1〜13のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
  15. ラミネート容器が、アルミニウムまたはステンレス鋼製で、厚みが20〜100μmの金属箔と、前記金属箔の電池内側に配置された熱融着性樹脂層とを有する金属ラミネートフィルムにより構成されたものである請求項1〜1のいずれかに記載のラミネート形非水二次電池。
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