JP2000058036A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP2000058036A
JP2000058036A JP10224033A JP22403398A JP2000058036A JP 2000058036 A JP2000058036 A JP 2000058036A JP 10224033 A JP10224033 A JP 10224033A JP 22403398 A JP22403398 A JP 22403398A JP 2000058036 A JP2000058036 A JP 2000058036A
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Japan
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positive electrode
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electrode active
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English (en)
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Michiko Igawa
享子 井川
Shigeo Tsuruoka
重雄 鶴岡
Tadashi Muranaka
村中  廉
Masahiro Kasai
昌弘 葛西
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来よりも過充電や圧壊,火中投棄などに対し
て安全性の高い電池を提供する。 【解決手段】正極活物質内、及びまたは、負極活物質
内、及びまたは、基体内、及びまたは、セパレータ内、
及びまたは、端子内に、稜面対称(R3c)のコランダ
ム構造を持ち、かつ100℃以上220℃以下の範囲で
伝導度の大きな低下を伴う相変態が存在するM23(M
はTi,Al,V,Fe,Crから選ばれた少なくとも
1種)の組成の金属酸化物を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆的に複数回の充
放電が可能な電池に係り、特に非水電解液を用いた二次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、二次電池はパソコンや携帯電話な
どの電源として、あるいは電気自動車や電力貯蔵用の電
源として、なくてはならない重要な構成要素の一つとな
っている。
【0003】携帯型コンピュータ(ペンコンピュータと
呼ばれるものも含む)や携帯情報端末(Personal Digita
l Assistant、あるいはPersonal Intelligent Communic
ator、あるいはハンドヘルド・コミュニケータ)といっ
た移動体通信(モービル・コンピューティング)が必要
とされる要求として、小型化,軽量化が挙げられる。し
かし、液晶表示パネルのバックライトや描画制御によっ
て消費される電力が高いことや、二次電池の容量が現状
ではまだ不十分であることなどの点から、システムのコ
ンパクト化,軽量化が難しい状況にある。
【0004】さらに、地球環境問題の高まりとともに、
排ガスや騒音を出さない電気自動車が関心を集めてい
る。しかし、現状の電池ではエネルギー密度,出力密度
が低いことから走行距離が短い,加速性が悪い,車内の
スペースが狭い,車体の安定性が悪いなどの問題点が生
じている。
【0005】二次電池の中でも特に非水電解液を用いた
リチウム二次電池は、電圧が高く、かつ軽量で、高いエ
ネルギー密度が期待されることから注目されている。こ
の二次電池の正極材料としては、ポリアニリン,ポリア
セン,ポリパラフェニレンなどの導電性高分子やLix
CoO2,LixNiO2,LixMn24,LixFe
2,V25,Cr25,MnO2 などの遷移金属の酸
化物,TiS2 ,MoS2 などのカルコゲナイト化合物
等が代表的である。特に特開昭55−136131号公報で開示
されているLixCoO2,LixNiO2等の二次電池正
極はLi金属を負極として用いた場合4V以上の起電力
を有することから高エネルギー密度が期待できる。
【0006】しかし、これら正極活物質が過充電時に発
熱分解し熱暴走を起こして、電池が発火,爆発したり、
圧壊や釘刺しなどで爆発する等、安全性の面で問題があ
った。従来、正極の過充電時の安全性を確保するため、
さまざまな添加剤が提案されている。例えば、正極に炭
酸リチウム(特開平4−328278号公報)や、蓚酸リチウム
(特開平4−329269号公報)を含有させたもの、あるいは
正極にMCO3 (MはCO,Mn,Ni)を添加させた
もの(特開平6−111848号公報)などが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】過充電時における電池
の発火や爆発を抑制するため、電池が発火する前に、電
池内の内圧を増加させ、圧力スイッチにより、圧力弁の
開放や、電流遮断を行う方法が知られている。炭酸リチ
ウムやCo,Mn,Niなどの炭酸塩、あるいは蓚酸リ
チウムなどは、過充電状態において分解し、ガス発生す
るため、電池内の内圧を上昇させることができ、そのた
め発火や爆発を抑制することができる。
【0008】しかし、これらの物質が分解してガスが発
生する電圧は、4.7〜5.0Vと高く、通常の充電上限
である4.2Vから4.6Vの低電圧においてはガス発生
は起こらない。そのため、圧力スイッチが作動せず発
火,爆発に至る電池が1割から2割程度発生する。ま
た、圧壊や釘刺しにおいては上記の物質の分解よりも正
極の分解による熱暴走反応の方が速いために、これらの
物質を添加することによる効果は得られ難い。このよう
に、過充電や圧壊,釘刺しなどに対して二次電池の安全
性向上を図るのに有効な方法はあまり見出されていな
い。
【0009】本発明の目的は、過充電や圧壊,釘刺しな
どに対して安全性を従来のものよりも向上させた、発
火,爆発のない二次電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電池は、正極活
物質内、及びまたは、負極活物質、及びまたは基体内、
及びまたはセパレータ内、及びまたは端子内に、稜面対
称(R3c)のコランダム構造を持ち、かつ100℃以
上220℃以下の範囲で伝導度の大きな低下を伴う相変
態が存在するM23(MはTi,Al,V,Fe,Cr
から選ばれた少なくとも2種以上)の組成の金属酸化物
を配置することを特徴とする。
【0011】正極活物質内とは、正極活物質の粒界でも
粒内でもよく、また、正極活物質粒子の表面でもよい。
負極活物質内についても同様である。基体内とは、基体
を構成している物質の粒界でも粒内でもよく、また、基
体表面でもよい。セパレータ内とは、セパレータを構成
する分子構造体の内部でも、また、材質の異なる層と層
との間でも、また、セパレータ表面でもよい。端子内と
は、端子を構成している物質の粒界でも粒内でもよく、
また、表面でもよい。端子内にあって電気的接続を断つ
ことのできる位置に配置することが好ましい。例えば、
端子と電極との溶接部分に該金属酸化物を配置し、温度
上昇したときに高抵抗となって電流を流しにくくできれ
ばよい。あるいは、端子の電流の流れる方向に対し直行
する位置に該金属酸化物を配置しても、温度上昇したと
きに高抵抗となって電流を流しにくくできる。
【0012】配置の方法としては、Ti,Al,V,F
e,Crから選ばれた少なくとも2種以上を含む金属単
体またはこれらの複数個の組み合わせにより得られる金
属間化合物、または酸化物のターゲットを用いて活物質
や、基体,端子などの表面にスパッタあるいは、フォト
レジスト等でこれらの層を被覆させた後に酸化雰囲気で
焼成するドライプロセスによる方法,金属を電解めっ
き、あるいは無電解めっきした後、酸化雰囲気で熱処理
することにより、表面に酸化物の膜を被覆させる方法,
正極活物質粒子の表面に微粒子の酸化物を混合させなが
ら機械的に融合させることにより粒子表面に酸化物を組
織内に注入させる方法などがある。形状としては、表面
を膜状に被覆しても、粒状に複数個の粒子が被覆しても
よい。
【0013】稜面対称(R3c)のコランダム構造を持
つ金属酸化物は、特定の温度範囲で伝導度の大きな低下
を伴う相変態が存在することで知られている。本発明で
は、特に100℃以上220℃以下の範囲で伝導度の大
きな低下を伴う相変態が存在する金属酸化物を用いる。
稜面対称(R3c)のコランダム構造を持つ金属酸化物
は、V23,Al23,Ti23,Cr23,Fe23
などがあるが、これらの金属の一部にほんの少量だけ他
の金属で置換したものは特定の温度範囲で伝導度の大き
な低下を伴う相変態が存在する。例えば、 (Al1-xCrx)23(0.0001≦x≦0.2), (Ti1-xCrx)23(0.0001≦x≦0.2), (Fe1-xCrx)23(0.0001≦x≦0.2), (V1-xCrx)23(0.0001≦x≦0.2), (Al1-xTix)23(0.0001≦x≦0.2), (Cr1-xTix)23(0.0001≦x≦0.2), (Fe1-xTix)23(0.0001≦x≦0.2), (V1-xTix)23(0.0001≦x≦0.2), (Al1-xx)23(0.0001≦x≦0.2), (Ti1-xx)23(0.0001≦x≦0.2), (Cr1-xx)23(0.0001≦x≦0.2), (Fe1-xx)23(0.0001≦x≦0.2) などであるが、これらに限定されない。
【0014】正極活物質としてはリチウムを挿入,放出
できるものであれば良いが、好ましくはリチウム含有遷
移金属酸化物である。例えば、LixCoO2,Lix
iO2,LixFeO2,LixMaNi(1-a)2(MはC
o,V,Mn,Fe,B,Mg,Al,Cu,Crのう
ち選ばれた1つ以上の元素、a=0.01〜0.95),
LixMaNn(2-a)4 (MはCo,V,Ni,Fe,
B,Mg,Al,Cu,Crのうち選ばれた1つ以上の
元素、a=0.01〜0.95)である。また、正極活物
質の少なくとも一種に、一般式AwvNixyz
2(但しAはアルカリ金属から選ばれた少なくとも一種
であり、PはMg,B,P,Inから選ばれた少なくと
も1種であり、MはMn,Co,Alから選ばれた少な
くとも1種であり、NはSi,Al,Ca,Cu,S
n,Mo,Nb,Y,Biから選ばれた少なくとも1種
を表わし、w,v,x,y,zはそれぞれ0.05≦w
≦1.2,0.0001≦v≦0.2,0.5≦x≦0.9
5,0.005≦y≦0.5,0≦z≦0.2 の数を表わ
す)で示される複合酸化物を使用することにより、高容
量化,長寿命化,充放電時における過電圧の低下を達成
でき、かつ、過充電時において爆発,発火のない安全性
の高い電池が得られる。
【0015】負極として、グラファイト,熱分解グラフ
ァイト,炭素繊維,気相成長炭素質材料,ピッチ系炭素
質材料,コークス系炭素質材料,フェノール系炭素質材
料,レーヨン系炭素質材料,ポリアクリロニトリル系炭
素質材料,ニードルコークス,ポリアクリロニトリル系
炭素繊維,グラッシーカーボン,カーボンブラック,フ
ルフリルアルコール系炭素質材料,ポリパラフェニレン
等導電性材料からなる群より選ばれた低結晶性炭素,高
結晶性炭素のうちの少なくとも一つあるいはこれらを複
数個組合せた炭素材料からなる群より選ばれた少なくと
も一つ以上のカーボン材料、および/またはこれらカー
ボン材料に、周期表IIIb,IVb,Vb族原子を含む酸
化物またはカルコゲン化合物、これらの非晶質材料を担
持、またはメッキ、または融合した材料からなる群より
選ばれた少なくとも一つ以上の複合材料、および/また
は、ポリアセン,ポリパラフェニレン,ポリアニリン,
ポリアセチレン,ジスルフィド化合物からなる群より選
ばれた少なくとも一つ以上の導電性高分子材料、および
/または、LixFe23,LixFe34,Lix
2,周期表IIIb,IVb,Vb 族原子を含む酸化物,
カルコゲン化合物、これらの非晶質材料からなる群より
選ばれた少なくとも一つ以上の無機材料を用いることに
より、本発明の電池は良好な特性を示す。
【0016】電解液としては、例えばプロピレンカーボ
ネート,プロピレンカーボネート誘導体,エチレンカー
ボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネー
ト,ガンマーブチルラクトン,ジメチルカーボネート,
ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート、
1,2−ジメトキシエタン,2−メチルテトラヒドロフ
ラン,ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラ
ン,ホルムアミド,ジメチルホルムアミド,ジオキソラ
ン,アセトニトリル,ニトロメタン,ギサンメチル,酢
酸メチル,プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,
リン酸トリエステル,トリメトキシメタン,ジオキソラ
ン誘導体,ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルト
ン,スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、
テトラヒドロフラン,テトラヒドロフラン誘導体,ジオ
キソラン、1,2−ジエトキシエタン、また、これらの
ハロゲン化物などからなる群より選ばれた少なくとも一
つ以上の非水溶媒とリチウム塩、例えばLiClO4
LiBF4 ,LiPF6 ,LiCF3SO3,LiCF3
CO2,LiAsF6,LiSbF6,LiB10Cl10
LiAlCl4,LiCl,LiBr,Lil,低級脂
肪族カルボン酸リチウム,クロロボランリチウム,四フ
ェニルホウ酸リチウムなどからなる群より選ばれた少な
くとも一つ以上の塩との混合溶液、または、これらの混
合溶液とポリマー、例えばポリアクリロニトリル,ポリ
エチレンオキサイド,ポリフッ化ビニリデン,ポリメタ
クリル酸メチル,ヘキサフロロプロピレンからなる群よ
り選ばれた少なくとも一つ以上とを混合したゲル状電解
液を用いることにより、本発明の電池は良好な特性を示
す。
【0017】本発明の可逆的に充放電が可能な電池の用
途は、特限定されないが、例えばノートパソコン,ペン
入力パソコン,ポケットパソコン,ノート型ワープロ,
ポケットワープロ,電子ブックプレーヤー,携帯電話,
コードレスフォン子機,ページャー,ハンディーターミ
ナル,携帯コピー,電子手帳,電卓,液晶テレビ,電気
シェーバー,電動工具,電子翻訳機,自動車電話,トラ
ンシーバー,音声入力機器,メモリーカード,バックア
ップ電源,テープレコーダー,ラジオ,ヘッドホンステ
レオ,携帯プリンター,ハンディークリーナー,ポータ
ブルCD,ビデオムービー,ナビゲーションシステムな
どの機器用の電源や、冷蔵庫,エアコン,テレビ,ステ
レオ,温水器,オーブン電子レンジ,食器洗い器,洗濯
機,乾燥器,ゲーム機器,照明機器,玩具,ロードコン
ディショナー,医療機器,自動車,電気自動車,ゴルフ
カート,電動カート,電力貯蔵システムなどの電源とし
て使用することができる。また、民生用の他、軍需用,
宇宙用としても用いることができる。
【0018】即ち、本発明の電池を用いることにより、
過充電や圧壊,釘刺しなどに対して安全性を従来のもの
よりも向上させることができる。
【0019】具体的には本発明の作用を述べる。正極活
物質内や、負極活物質内,基体内,セパレータ内,端子
内に稜面対称(R3c)のコランダム構造を持ち、かつ1
00℃以上220℃以下の範囲で伝導度の大きな低下を
伴う相変態が存在するM23(MはTi,Al,V,F
e,Crから選ばれた少なくとも2種以上)の組成の金
属酸化物を配置することにより、特に安全性を保つこと
が難しいとされている低温での過充電試験や、低速での
釘刺し試験においても、電池の発火を抑制できる。本発
明の電池はガス発生物質を内蔵して、発火する前に所定
の電圧、あるいは所定の温度でガスを発生させることに
より、電池内圧を増加させ、圧力弁の開放や、電流遮断
を行うものとは全く異なる。すなわち、本発明の電池で
は、内圧上昇を引き起こす手段を講じたものではない。
【0020】我々は電池の発火の原因を解析した結果、
以下の結論に達した。正極活物質は過充電状態になると
非常に不安定となり、酸素を放出して自己分解しやすく
なる。この分解反応は有機電解液が共存する状態では極
めて大きな発熱を伴って220℃程度の低温で容易に分解
する。この時発生した酸素ガスが電解液の分解によって
生成した水素や炭化水素、あるいはこれらを含むラジカ
ル種と反応し、発火,爆発を引き起こす。また、負極活
物質は過充電状態になるとLiを析出しやすい。有機電
解液が共存する状態ではこの析出したLiと有機電解液
とが100℃程度の低温で発熱を伴って容易に反応す
る。この時発生した水素ガスと正極の分解によって生成
した酸素ガスとが反応、さらに電解液の分解によって生
成した水素や炭化水素、あるいはこれらを含むラジカル
種と反応し、発火,爆発を引き起こす。
【0021】本発明の電池では、発火,爆発の原因であ
る220℃付近の正極の自己分解反応と、100℃付近
の負極に析出したLiと有機電解液との反応とを抑制さ
せることにより、発火,爆発を抑制できるものである。
本発明ではこれらの反応を抑制させるために、過充電
や、圧壊,釘刺しなどで内部短絡して発熱し、これらの
温度に達すると、電極内部、あるいは集電体、あるいは
正極と負極の対向面での抵抗が著しく増大して電流を流
さないようにする。すなわち、通常の温度(60℃以
下)では伝導性を維持して電池特性に悪影響を及ぼさな
いが、発火,爆発の原因である分解反応が進行する温度
に達すると伝導度の大きな変化を生じて、高抵抗となる
物質を電池内に内蔵するのである。
【0022】100℃以上220℃以下の範囲で伝導度
の大きな低下を伴う相変態が存在する材料として種々検
討した結果、稜面対称(R3c)のコランダム構造を持
ったM23がよいことがわかった。特に、MがTi,A
l,V,Fe,CrであるV23,Al23,Ti
23,Cr25,Fe23であり、かつ、これらの金属
の一部にほんの少量だけ他の金属、特にTi,V,Cr
で置換したものは100℃以上220℃以下の範囲で伝
導度の大きな低下を伴う相変態が存在することがわかっ
た。
【0023】これらの物質は正極活物質,負極活物質の
周りに付着させることによって効果が得られる他、集電
体の表面では、セパレータの表面でも効果が得られるこ
とが判った。
【0024】このように本発明では、発火,爆発の要因
となる100℃以上220℃以下の範囲の分解反応を抑
制させることで安全性を確保できるため、従来難しいと
されてきた安全性試験の中でも特に、1.5℃ 付近の低
レートで発火する過充電や、低温での過充電,圧壊,釘
刺しなどで効果を発揮できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下具体例をあげ、本発明をさら
に詳しく説明するが、発明の主旨を超えない限り、本発
明は実施例に限定されるものではない。
【0026】(実施例1)
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】表1に示す正極材料と、これに添加する添
加材料として表2に示す材料を用い、それぞれ重量比で
95:5となるように秤量した。いずれも稜面対称(R
3c)のコランダム構造を持つことをX線回折により確
認した。また、伝導度を測定したところ100℃以上2
20℃以下の範囲で伝導度の大きな低下が認められた。
これを充分に混合し、この粉末を90重量%,結着剤と
してポリフッ化ビニリデンを4重量%,導電剤として黒
鉛を6重量%調製した合剤を用い、らいかい機で30分
混練後、厚さ20ミクロンのアルミ箔の両面に塗布し
た、負極には黒鉛粉末を使用し、これを87重量%,導
電剤としてアセチレンブラックを6重量%,結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンを7重量%調製した合剤を用
い、らいかい機で30分混練後、厚さ10ミクロンの銅
箔の両面に塗布した。正負両極はプレス機で圧延成型
し、端子をスポット溶接した後150℃で5時間真空乾
燥した。
【0031】微多孔性ポリプロピレン製セパレータを介
して正極と負極を積層し、これを渦巻状に捲回し、su
s製の電池缶に挿入した。負極端子は電池缶に、正極端
子は電池蓋に溶接した。電解液には1mol のLiPF6
を1リットルのエチレンカーボネートとジエチルカーボ
ネートの混合溶液に溶解したものを使用し、電池缶内に
注液した。電池蓋をかしめて1400mAh容量の円筒
型電池を作製した。電池は280mAで4.2V まで充
電後、(1)釘刺し試験,(2)圧壊試験,(3)−1
0℃,1.5℃ 過充電試験を実施した。10本の電池の
うち発火,爆発した電池の個数を表3に示す。発火,爆
発する電池の個数が少なく、安全性が向上した。
【0032】(実施例2)表1に示す正極材料と、これ
に被覆する被覆材料として表2に示す材料を用い、それ
ぞれ重量比で95:5となるように秤量した。これを遊
星ボールミルを用いて回転数250rpm ,Ar雰囲気中
で15時間回転させ、被覆材料を正極表面に被覆させ
た。この粉末を90重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量%
調製した合剤を用い、らいかい機で30分混練後、厚さ
20ミクロンのアルミ箔の両面に塗布した、実施例1と
同様にして電池を作製し、安全試験を行った。10本の
電池のうち発火,爆発した電池の個数を表3に示す。発
火,爆発する電池の個数が少なく、安全性が向上した。
【0033】(実施例3)
【0034】
【表4】
【0035】表4に示す負極材料と、これに被覆する被
覆材料として表2に示す材料を用い、それぞれ重量比で
95:5となるように秤量した。これを遊星ボールミル
を用いて回転数250rpm ,Ar雰囲気中で15時間回
転させ、被覆材料を負極表面に被覆させた。これを87
重量%,導電剤としてアセチレンブラックを6重量%,
結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7重量%調製した
合剤を用い、らいかい機で30分混練後、厚さ10ミク
ロンの銅箔の両面に塗布した、正極材料としてLiNi
0.8Co0.22 を90重量%,結着剤としてポリフッ化
ビニリデンを4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量
%調製した合剤を用い、らいかい機で30分混練後、厚
さ20ミクロンのアルミ箔の両面に塗布した。実施例1
と同様にして電池を作製し、安全性試験を行った。10
本の電池のうち発火,爆発した電池の個数を表3に示
す。発火,爆発する電池の個数が少なく、安全性が向上
した。
【0036】(比較例1)正極材料としてLiNi0.8
Co0.22 を90重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量%
調製した合剤を用い、実施例1と同様にして電池を作製
した。実施例1と同様の安全性試験結果を表3に示す。
実施例1と比較して発火した電池の個数が多い。
【0037】(実施例4)正極材料としてLiNi0.8
Co0.22 を90重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量%
調製した合剤を用い、らいかい機で30分混練後、厚さ
20ミクロンのアルミ箔の両面に塗布した。負極には黒
鉛粉末を使用し、これを87重量%,導電剤としてアセ
チレンブラックを6重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを7重量%調製した合剤を用い、らいかい機で
30分混練後、厚さ10ミクロンの銅箔の両面に塗布し
た。正負両極はプレス機で圧延成型し、端子をスポット
溶接した後150℃で5時間真空乾燥した。微多孔性ポ
リプロピレン製セパレータの片側に粒径が5ミクロン以
下の(V0.995Cr0.005)23 とポリフッ化ビニリデン
とを重量比で90:10となるように調製し、揮発性の
有機溶剤で自釈した溶液をスプレーで噴霧し、乾燥し
た。実施例1と同様にして電池を作製し安全性試験を行
った。結果を表3に示す。発火,爆発する電池の個数が
少なく安全性が向上した。
【0038】(実施例5)正極基体と負極基体の両面に
粒径が5ミクロン以下の(V0.995Cr0.005)23とポリ
フッ化ビニリデンとを重量比で90:10となるように
調製し、揮発性の有機溶剤で希釈した溶液をスプレーで
噴霧し、乾燥した。正極材料としてLiNi0.8Co0.2
2 を90重量%,結着剤としてポリフッ化ビニリデン
を4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量%調製した
合剤を用い、らいかい機で30分混練後、(V0.995
0.005)23 で処理された正極基体の両面に塗布し
た。負極には黒鉛粉末を使用し、これを87重量%,導
電剤としてアセチレンブラックを6重量%,結着剤とし
てポリフッ化ビニリデンを7重量%調製した合剤を用
い、らいかい機で30分混練後、(V0.995Cr0.005)2
3 で処理された負極基体の両面に塗布した。正負両極
はプレス機で圧延成型し、端子をスポット溶接した後1
50℃で5時間真空乾燥した。実施例1と同様にして電
池を作製し安全性試験を行った。結果を表3に示す。発
火,爆発する電池の個数が少なく、安全性が向上した。
【0039】(実施例6)正極材料としてLiNi0.8
Co0.22 を90重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを4重量%,導電剤として黒鉛粉末を6重量%
調製した合剤を用い、らいかい機で30分混練後、厚さ
20ミクロンのアルミ箔の両面に塗布した。負極には黒
鉛粉末を使用し、これを87重量%,導電剤としてアセ
チレンブラックを6重量%,結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデンを7重量%調製した合剤を用い、らいかい機で
30分混練後、厚さ10ミクロンの銅箔の両面に塗布し
た。端子の溶接部に粒径が5ミクロン以下の(V0.995
Cr0.005)23 とポリフッ化ビニリデンとを重量比で
90:10となるように調製し、揮発性の有機溶剤で希
釈した溶液をスプレーで噴霧し、乾燥した。正負両極は
プレス機で圧延成型し、(V0.995Cr0.005)23 で処
理された端子部にスポット溶接した後150℃で5時間
真空乾燥した。実施例1と同様にして電池を作製し安全
性試験を行った。結果を表3に示す。発火,爆発する電
池の個数が少なく安全性が向上した。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発火や
爆発がなく、電池の高い安全化を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村中 廉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 葛西 昌弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA10 BB04 BC05 BD01 5H022 AA09 BB22 CC11 CC16 EE03 EE04 KK01 5H029 AJ12 AK03 AL06 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 DJ04 DJ05 DJ07 EJ05 HJ14 HJ20 5H030 AA06 AA07 AS08 AS11 AS12 AS13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極,正極,リチウム塩を含む非水電解質
    からなる可逆的に複数回の充放電が可能な電池に関し、
    正極活物質内、及びまたは負極活物質内、及びまたは基
    体内、及びまたはセパレータ内、及びまたは端子内に稜
    面対称(R3c)のコランダム構造を持ち、かつ100
    ℃以上220℃以下の範囲で伝導度の大きな低下を伴う
    相変態が存在するM23(MはTi,Al,V,Fe,
    Crから選ばれた少なくとも2種以上)の組成の金属酸
    化物を配置することを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】ノートパソコン,ペン入力パソコン,ポケ
    ットパソコン,ノート型ワープロ,ポケットワープロ,
    電子ブックプレーヤー,携帯電話,コードレスフォン子
    機,ページャー,ハンディーターミナル,携帯コピー,
    電子手帳,電卓,液晶テレビ,電気シェーバー,電動工
    具,電子翻訳機,自動車電話,トランシーバー,音声入
    力機器,メモリーカード,バックアップ電源,テープレ
    コーダー,ラジオ,ヘッドホンステレオ,携帯プリンタ
    ー,ハンディークリーナー,ポータブルCD,ビデオム
    ービー,ナビゲーションシステム,冷蔵庫,エアコン,
    テレビ,ステレオ,温水器,オーブン電子レンジ,食器
    洗い器,洗濯機,乾燥器,ゲーム機器,照明機器,玩
    具,ロードコンディショナー,医療機器,自動車,電気
    自動車,ゴルフカート,電動カート,電力貯蔵システム
    に請求項1に記載の電池を使用することを特徴とする請
    求項1に記載の二次電池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005327552A (ja) * 2004-05-13 2005-11-24 Toyota Motor Corp リチウム二次電池用正極材料及びリチウム二次電池
JP2008243708A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法
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WO2013002608A3 (ko) * 2011-06-30 2013-04-04 주식회사 엘지화학 이차전지용 전극조립체 및 이를 포함한 리튬 이차전지

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