JP2001068168A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP2001068168A
JP2001068168A JP24507199A JP24507199A JP2001068168A JP 2001068168 A JP2001068168 A JP 2001068168A JP 24507199 A JP24507199 A JP 24507199A JP 24507199 A JP24507199 A JP 24507199A JP 2001068168 A JP2001068168 A JP 2001068168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
voltage
secondary battery
active material
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24507199A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiko Honbo
享子 本棒
Akihiro Goto
明弘 後藤
Tadashi Muranaka
村中  廉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24507199A priority Critical patent/JP2001068168A/ja
Publication of JP2001068168A publication Critical patent/JP2001068168A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】リチウム二次電池は高出力、高電圧、高容量が
求められていると共に、高い電圧領域で充放電を行える
電池とそれに耐えうる材料の出現が望まれていた。 【解決手段】正極活物質として、Ge,Ti,Zr,
Y,Siから選ばれた1種以上を必須元素とし、リチウ
ムとコバルトを含むリチウムコバルト系複合酸化物を用
いることにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池及
びリチウム二次電池に用いる正極活物質に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、リチウム二次電池はパンコンや携
帯電池などの電源として、或いは電気自動車や電力貯蔵
用の電源として、なくてはならない重要な構成要素の一
つとなっている。
【0003】携帯型コンピュータ(ペンコンピュータと
呼ばれるものも含む)や携帯情報端末(Persona
l Digital Assistant、あるいはP
ersonal Intelligent Commu
nicator、あるいはハンドヘルド・コミュニケー
タ)といった移動体通信(モービル・コンピューティン
グ)が必要とされる要求として、小型化、軽量化が挙げ
られる。しかし、液晶表示パネルのバックライトや描画
制御によって消費される電力が高いことや、二次電池の
容量が現状ではまだ不十分であることなどの点から、シ
ステムのコンパクト化、軽量化が難しい状況にある。
【0004】更に、地球環境問題の高まりと共に、排ガ
スや騒音を出さない電気自動車が関心を集めている。し
かし、現状の電池ではエネルギ密度、出力密度が低いこ
とから、走行距離が短い、加速性が悪い、車内のスペー
スが狭い、車体の安定性が悪いなどの問題点が生じてい
る。
【0005】二次電池の中でも特に非水電解液を用いた
リチウム二次電池は、電圧が高く、かつ軽量で、高いエ
ネルギ密度が期待されることから注目されている。特に
特開昭55−136131号公報で開示されているLi
xCoO2等の二次電池正極は、Li金属を負極として用
いた場合4V以上の起電力を有することから、高エネル
ギー密度が期待できる。サイクル特性を改善するものと
して、LixMO2(MはCo,Ni,Fe,Mnのうち
から選択される1種又は2種以上の元素を表す)で示さ
れるリチウム含有複合酸化物(特開平2−306022
号公報)、或いは化学式LixyGezp(MはCo,
Ni,Mnのうちから選択される1種以上の遷移金属元
素、0.9≦x≦1.3,0.8≦y≦2.0,0.0
1≦z≦0.2,2.0≦p≦4.5)で示される複合
酸化物(特開平7−29603号公報)がある。
【0006】或いは化学式Axyz2(Aはアルカリ
金属から選ばれた少なくとも1種であり、Mは遷移金属
であり、NはAl,In,Snの群から選ばれた少なく
とも1種を表わし、0.05≦x≦1.10,0.85
≦y≦1.00,0.001≦z≦.10)で示される
複合酸化物(特開平7−176302号公報)、容量、
サイクル特性を改善するものとして、LiyNi(1-x)
x2(MはCu,Zn,Nb,Mo,Wの群から選ばれ
る少なくとも1種の元素、0<x<1,0.9≦y≦
1.3)で示される複合酸化物(特開平6−28317
4号公報)などが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】二次電池はこれまで以
上に高出力、高電圧、高容量が求められており、すでに
開示されているLixCoO2等や、これに種々の異種元
素を置換した正極を用いただけでは、先の要求に答える
ことができない。上記の要求に答えるためには、従来よ
りも高い電圧領域で充放電を行なえる電池とそれに耐え
うる材料が必要である。これまで、正極のLi基準電位
に対する充電終止電圧が4.5Vよりも大きい条件で、
充放電のサイクルを可逆的に繰り返すことのできる電池
はあまり見い出されていない。
【0008】また、正極のLi基準電位に対する放電終
止電圧が3.2V以上で体積エネルギー密度が430W
h/lよりも大きい電池で、充放電のサイクルを可逆的
に繰り返すことのできるものもあまり見い出されていな
い。このような高い電圧で充放電を行なうと、正極の結
晶構造が崩壊して寿命が短いことや、過充電や圧壊、釘
刺しなどで安全性が確保できないこと、高温での貯蔵性
が悪いことなどの問題点が生ずるためである。
【0009】このように、従来よりも高い電圧領域で結
晶構造の安定な正極活物質と高電圧でも可逆的な充放電
が可能な電池はあまり見出されていない。
【0010】本発明の目的は、高電圧に耐えうる正極活
物質及びリチウム二次電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池は、正
極のLi基準電位に対する充電終止電圧が4.5Vより
も大きく4.7Vよりも小さいことを特徴とし、正極の
Li基準電位に対する平均放電電圧が4.0Vよりも大
きく4.4Vよりも小さく、かつ正極のLi基準電位に
対する放電終止電圧が3.2V以上で体積エネルギー密
度が430Wh/lよりも大であることを特徴とする。
本発明の二次電池は、従来の二次電池よりも高い電圧で
充電を行なうことを特徴としている。
【0012】本発明の二次電池を充電終止電圧が4.5
V以下で充電した場合には、平均放電電圧が4.0V以
下となり、かつ終止放電電圧が3.2V以上では体積エ
ネルギー密度が430Wh/l以下の低い電力容量の電
池しか得られない。また充電終止電圧が4.7V以上で
充電した場合には、正極活物質の結晶構造が崩壊してサ
イクル可逆性が悪く、寿命が短いために二次電池として
使用できない。
【0013】本発明の二次電池は、従来の二次電池より
も高い電圧で充電を行なうことを特徴としているため、
これに耐えうる正極材料が必要である。本発明の二次電
池に必要な従来にない新規な正極材料を提案する。本発
明の正極活物質は、Ge,Ti,Zr,Y,Siから選
ばれた少なくとも1種以上を必須元素とし、リチウムと
コバルトを含むリチウムコバルト系複合酸化物を用いる
ことを特徴とする。
【0014】本発明の正極材料は副生成物として微量の
Li2MO3(M=Ge,Ti,Zr,Y,Si)を含ん
でいる。これは非常に微量であるため、粉末X線回折法
で確認できないことがある。この場合には、透過型電子
顕微鏡により確認することができる。更に、負極活物質
として黒鉛系炭素材料を主として含有することを特徴と
する。
【0015】本発明の二次電池は、正極のLi基準電位
に対する充電終止電圧が4.5Vよりも大きく4.7V
よりも小さいことを特徴とし、正極活物質として一般式
LiwvCox1-v-x2(但しMはGe,Ti,Z
r,Y,Siから選ばれた少なくとも1種以上であり、
QはNi,Feから選ばれた少なくとも1種以上であ
り、w,v,xはそれぞれ0≦w≦1.2,0.01≦
v≦0.2,0.7≦x≦0.95の範囲)で示される
複合酸化物を含むことを特徴とする。Li量を表わすw
の値は充電、放電により変動する。即ち充電によりLi
イオンのディインターカレーションが起こり、wの値は
小さくなり、放電によりLiイオンのインターカレーシ
ョンが起こり、wの値は大きくなる。
【0016】Li量が1.2よりも多いと焼成の過程で
生成する炭酸リチウムや酸化リチウム、水酸化リチウム
などの副生成物量が多くなりすぎるため、これらの物質
が電極を作製する際に使用する結着剤と反応して、うま
く電極を作製できない。電極をうまく作製するために
は、副生成物が少ないほど良く、wの値が1.2以下で
ある。
【0017】また、Mとして示すGe,Ti,Zr,
Y,Siから選ばれた少なくとも1種以上で、Coを置
換することが望ましい。M量を表わすvの値は充電、放
電により変動しないが、0.01≦v≦0.2の範囲で
ある。vの値が0.01未満の場合、Mの効果が充分発
揮されず、高い電圧での充電におけるサイクル性が悪
く、容量も低下し、好ましくない。また、vの値が0.
2を越える場合には副生成物量が多く、特に反応しきれ
なくなったMが酸化物として残ってしまうため、容量が
低下して好ましくない。また、Qとして示すNi,Fe
から選ばれた少なくとも1種以上でCoを置換すること
が望ましい。
【0018】更に、Coの効果が充分発揮でき、かつ高
い容量が得られる最も望ましいxの値は0.7≦x≦
0.95の範囲である。xの値が0.7未満の場合、平
均電圧の低下が著しく、さらに過充電における安全性が
悪く、好ましくない。また、xの値が0.95を越える
場合には容量が低下して、好ましくない。
【0019】更に、本発明の二次電池は、正極のLi基
準電位に対する充電終止電圧が4.5Vよりも大きく
4.7Vよりも小さいことを特徴とし、正極活物質とし
て一般式LiwvCoxy1-v-x-y2(但しMはG
e,Ti,Zr,Y,Siから選ばれた少なくとも1種
以上であり、NはAl,Mnから選ばれた少なくとも1
種以上であり、QはNi,Feから選ばれた少なくとも
1種以上であり、w,v,x,yはそれぞれ0≦w≦
1.2,0.01≦v≦0.2,0.7≦x≦0.9
5,0.01≦y≦0.1の範囲)で示される複合酸化
物を含むことを特徴とする。
【0020】Li量を表わすwの値は充電、放電により
変動する。即ち、充電によりLiイオンのディインター
カレーションが起こり、wの値は小さくなり、放電によ
りLiイオンのインターカレーションが起こり、wの値
は大きくなる。Li量が1.2よりも多いと、焼成の過
程で生成する炭酸リチウムや酸化リチウム、水酸化リチ
ウムなどの副生成物量が多くなりすぎるため、これらの
物質が電極を作製する際に使用する結着剤と反応して、
うまく電極を作製できない。電極をうまく作製するため
には、副生成物量が少ないほど良く、wの値が1.2以
下である。
【0021】また、Mとして示すGe,Ti,Zr,
Y,Siから選ばれた少なくとも1種以上で、Coを置
換することが望ましい。M量を表わすvの値は充電、放
電により変動しないが、0.01≦v≦0.2の範囲で
ある。vの値が0.01未満の場合、Mの効果が充分発
揮されず、高い電圧での充電におけるサイクル性が悪
く、容量も低下し、好ましくない。また、vの値が0.
2を越える場合には、副生成物量が多く、特に反応しき
れなくなったMが酸化物として残ってしまうため、容量
が低下して好ましくない。
【0022】またNとして示すAl,Mnから選ばれた
少なくとも1種以上でCoを置換することが望ましい。
N量を表わすyの値は、充電、放電により変動しない
が、0.01≦y≦0.1の範囲である。yの値が0.
01未満の場合、Nの効果が発揮されず、高い電圧での
充電における安全性が悪く、釘刺しや圧破壊により発火
しやすく、好ましくない。またyの値が0.01を越え
る場合には、副生成物量が多く、特に反応しきれなくな
ったMが酸化物として残ってしまうため、容量が低下し
て好ましくない。
【0023】また、Qとして示すNi,Feから選ばれ
た少なくとも1種以上で、Coを置換することが望まし
い。更に、Coの効果が充分発揮でき、かつ高い容量が
得られる最も望ましいxの値は0.7≦x≦0.95の
範囲である。xの値が0.7未満の場合、平均電圧の低
下が著しく、さらに過充電における安全性が悪く、好ま
しくない。また、xの値が0.95を越える場合には容
量が低下して、好ましくない。
【0024】本発明の可逆的に充放電が可能な電池の用
途は、特に限定されないが、例えばノートパソコン、ペ
ン入力パソコン、ポケットパソコン、ノート型ワープ
ロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤ、携帯電
話、コードレスフォン子機、ページャ、ハンディターミ
ナル、携帯コピー、電子手帳、電卓、液晶テレビ、電気
シェーバ、電動工具、電子翻訳機、自動車電話、トラン
シーバ、音声入力機器、メモリカード、バックアップ電
源、テープレコーダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、携
帯プリンタ、ハンディクリーナ、ポータブルCD、ビデ
オムービ、ナビゲーションシステムなどの機器用の電源
や、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、オ
ーブン電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、ゲー
ム機器、照明機器、玩具、ロードコンディショナ、医療
機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カー
ト、電力貯蔵システムなどの電源として使用することが
できる。また、民生用の他、軍需用、宇宙用としても用
いることができる。
【0025】即ち、従来の二次電池では4.5Vよりも
大きい電圧で充電を行なうと、正極の結晶構造が崩壊し
て容量低下を引き起こし、二次電池として使用すること
が困難であった。また、従来の二次電池では、平均放電
電圧が4.0Vよりも低いため、充電終止電圧を上げる
必要はなかった。
【0026】本発明の正極材料を使用すれば、これらの
問題点は解決できる。即ち、4.5Vよりも大きい電圧
で充電を行なっても、正極の結晶構造が崩壊せずに容量
低下がほとんどなく、二次電池として使用できる。ま
た、本発明の正極材料を使用すれば、平均放電電圧が
4.0Vよりも大きく、放電終止電圧が3.2V以上で
は体積エネルギー密度が430Wh/lより大きい従来
にない高電力容量の二次電池が得られる。
【0027】従来の正極材料では、平均電圧が低いた
め、正極のLi基準電位に対する充電終止電圧が4.5
Vよりも大きい条件下で、充放電サイクル試験を繰り返
すと、正極がほぼ理論値に近い大容量のLiイオンを出
し入れする。これは、従来電池を過充電条件でサイクル
試験をすることと同じである。このような苛酷な条件で
は、従来の正極材料を用いると結晶構造を維持すること
が出来ず、針刺しや圧壊等の安全試験で発火したり、サ
イクル寿命が短いなどの不都合が生じていた。これに対
し、本発明の正極材料を用いればこのような不都合は解
消できる。
【0028】本発明の正極活物質はLiイオンの放出量
を最適値に制御しているため、正極のLi基準電位に対
する充電終止電圧が4.5Vよりも大きく4.7Vより
も小さい条件で充電しても、結晶構造の崩壊がなく、安
全性も高い。また、従来の材料にはない高い平均電圧を
実現している。
【0029】具体的に本発明の作用を説明する。本発明
の正極活物質はGe,Ti,Zr,Y,SiでCoを置
換することによって得られる。Ge,Ti,Zr,Y,
Siは見掛け上、Coサイトを置換しているように思わ
れるが、実際には微細なLiMO2(M=Ge,Ti,
Zr,Y,Si)を含んでいる。この微細なLi2MO3
の存在により、Liの出入りにおける抵抗が生じて、エ
ネルギー準位即ち電位を押し上げる。これが平均電圧の
上昇をもたらす理由である。例えばLiCoO2で抵抗
を2.3オーム、Li2MO3で抵抗を2.3R、電流を
1Aと仮定すると、電圧は4.6Vになる。
【0030】更に、Al,Mnは酸素放出能が低く、酸
化物として安定に存在するため、安全性を一層改善でき
る。またNi,Feは放電容量を増加させる働きがあ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の正極材料は
原料として、LiOH・H2OとCo34を料として、
LiOH・H2OとCo34を3対1のモル比で混合
し、これにM原料として、GeO2,TiO2,Zr
2,Y23,SiO2をCoに対して10原子%置換さ
せる量だけ加え、ボールミルを使用して室温で15h混
合した。これを酸素雰囲気中で150℃で1h保持し、
更に470℃で5h保持した後、630℃で20h保持
し、最ナ後に850℃で20h保持して焼成した。
【0032】得られた正極活物質の組成はLiCo0.9
0.12であるが、微小部X線回折より微量のLi2
3を確認した。これに、導電剤として黒鉛を結着剤と
してポリフッ化ビニリデンを重量比で88:7:5とな
るように秤量、らいかい機で30分混煉後、厚さ10μ
のアルミ箔の両面に塗布した。但し、Li量を表すwの
値は充放電によって変化し、その範囲は0以上1.2以
下の範囲であることを確認した。また、1.2を越えた
場合には結着剤を添加した段階でゲル状にスラリーが変
化し、アルミ箔状に塗布することが困難であった。wの
値が1.02以下の場合には、塗布時の湿度が70%以
上の高湿度化においても全くゲル化しなかった。
【0033】負極材料として人造黒鉛を93重量%、結
着剤としてポリフッ化ビニリデンを7重量%調製した合
剤を用い、厚さ10μの銅箔の両面に塗布した。正負両
極はプレス機で圧延成型し、端子をスポット溶接した後
150℃で5時間真空乾燥した。図1に本発明による電
池構造の一例を示す。
【0034】微多孔性ポリプロピレン製セパレータ1を
介して正極2と負極3を積層し、これを渦巻状に捲回
し、SUS製の電池缶4に挿入した。負極端子6は電池
缶4に、正極端子7は電池内蓋5に溶接した。8は正極
2及び負極3を支持する絶縁支持板である。電解液の非
水溶媒として、エチレンカーボネートとエチルメチルカ
ーボネートを混合し、1molのLiPF6を溶解して
電池缶4内に注液した。電池蓋を電池缶に取り付けて、
直径14mm、高さ50mmの円筒型電池を作製した。
電池は1CmAで正極のLi基準電位に対する電圧で
4.51V〜4.69Vまで定電流で充電後、4.51
V〜4.69Vで3時間定電圧充電し、1CmAで正極
のLi基準電位に対する電圧で3.2Vまで放電する定
電流放電を行い、平均放電電圧と体積エネルギー密度、
及びサイクル寿命を評価した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】図2に体積エネルギー密度とサイクル寿命
を、表1,表2に正極のLi基準電位に対する平均放電
電圧を示す。いずれも平均放電電圧が4.0Vよりも大
きく、4.4Vよりも小さく、かつ放電終止電圧が3.
2V以上で体積エネルギー密度が430Wh/lよりも
大である。さらにサイクル寿命も長い。
【0038】(比較例1)実施例1の電池を用いて正極
のLi基準電位に対する充電終止電圧を4.5V以下と
4.7V以上に設定し充放電試験を行なった。図2より
正極のLi基準電位に対する放電終止電圧が3.2V以
上で体積エネルギー密度が430Wh/l以下である
か、或いはサイクル寿命が短い。
【0039】(比較例2)正極材料は原料として、Li
2CO3とCo34を3対2のモル比で混合し、ボールミ
ルを使用して室温で15h混合した。これを空気雰囲気
中で800℃で10h保持して焼成した。得られた正極
活物質の組成はLiCoO2である。実施例1と同様に
して電池を試作し、サイクル寿命を評価したところ、サ
イクル寿命は30サイクルと短く、釘刺し試験、及び過
充電試験において激しく発火した。
【0040】(比較例3)正極材料は原料として、Li
2CO3とCo34を3対2のモル比で混合し、これにM
原料として、GeO2,TiO2,ZrO2,Y23,S
iO2を℃oに対して10原子%置換させる量だけ加
え、ボールミルを使用して室温で15h混合した。これ
を空気雰囲気中で800で10h保持して焼成した。得
られた正極活物質の組成はLiCo0.90.12である
が、微小部X線回折より微量のLi2MO3を確認するこ
とができなかった。透過型電子顕微鏡を用いて分析した
が同じく確認できなかった。実施例1と同様にして電池
を試作し、平均放電電圧と体積エネルギー密度、及びサ
イクル寿命を評価した。これを表1に示す。いずれも平
均放電電圧が4.0V以下であり、かつ放電終止電圧が
3.2V以上で体積エネルギー密度が430h/l以下
である。更にサイクル寿命も短い。
【0041】(実施例2)表1に示す組成の正極活物質
を実施例1と同様にして合成し、使用した。得られた正
極活物質は、微少部X線回析か、透過型電子顕微鏡によ
り微量のLi2MO3を確認することができた。実施例1
と同様にして平均放電電圧と体積エネルギー密度、及び
サイクル寿命を評価した。更に安全性試験のうち釘刺し
試験と過充電試験を表1に示す。いずれも平均放電電圧
が4.0Vよりも大きく、4.4Vよりも小さく、かつ
放電終止電圧が3.2V以上で体積エネルギー密度が4
30Wh/lよりも大である。更にサイクル寿命も長
く、安全性も高い。特に、AlとMnを加えたもので
は、発火が抑えられる他に、発煙のなく極めて安全であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高電力
容量の正極材料と二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例として示したリチウム二次電池
の部分側断面図。
【図2】本発明の実施例として示したリチウム二次電池
の特性図。
【符号の説明】
1…セパレータ、2…正極、3…負極、4…電池缶、5
…電池内蓋、6…負極端子、7…正極端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 明弘 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 村中 廉 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA00 BB04 BB05 BD00 BD03 5H029 AJ01 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 HJ02 HJ18 HJ19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負極、正極、リチウム塩を含む非水電解
    質からなる可逆的に複数回の充放電が可能な電池におい
    て、充電終止電圧が4.5Vよりも大きく、4.7Vよ
    りも小さいことを特徴とし、正極のLi基準電位に対す
    る平均放電電圧が4.0Vよりも大きく4.4Vよりも
    小さく、かつ正極のLi基準電位に対する放電終止電圧
    が3.2V以上で体積エネルギーが430Wh/lより
    も大であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 負極、正極、リチウム塩を含む非水電解
    質からなる可逆的に複数回の充放電が可能な電池におい
    て、負極活物質として黒鉛系炭素材料を主として含有
    し、かつ正極活物質としてGe,Ti,Zr,Y,Si
    から選ばれた少なくとも1種以上を必須元素とし、リチ
    ウムとコバルトを含むリチウムコバルト系複合酸化物を
    用いることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電
    池。
  3. 【請求項3】 負極、正極、リチウム塩を含む非水電解
    質からなる可逆的に複数回の充放電が可能な電池におい
    て、正極のLi基準電位に対する充電終止電圧が4.5
    Vよりも大きく、4.7Vよりも小さいことを特徴と
    し、正極活物質として一般式LiwvCox1-v-x2
    (但しMはGe,Ti,Zr,Y,Siから選ばれた少
    なくとも1種以上であり、QはNi,Feから選ばれた
    少なくとも1種以上であり、w,v,xはそれぞれ0≦
    w≦1.2,0.01≦v≦0.2,0.7≦x≦0.
    95の範囲)で示される複合酸化物を含むことを特徴と
    するリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 負極、正極、リチウム塩を含む非水電解
    質からなる可逆的に複数回の充放電が可能な電池におい
    て、正極のLi基準電位に対する充電終止電圧が4.5
    Vよりも大きく4.7Vよりも小さいことを特徴とし、
    正極活物質として一般式LiwvCoxy1-v-x-y2
    (但しMはGe,Ti,Zr,Y,Siから選ばれた少
    なくとも1種以上であり、NはAl,Mnから選ばれた
    少なくとも1種以上であり、QはNi,Feから選ばれ
    た少なくとも1種以上であり、w,v,x,yはそれぞ
    れ0≦w≦1.2,0.01≦v≦0.2,0.7≦x
    ≦0.95,0.01≦y≦0.1の範囲)で示される
    複合酸化物を含むことを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれか1項に記載さ
    れた正極活物質は、副生成物として微細なLi2MeO3
    (MeはGe,Ti,Zr,Y,Siから選ばれた少な
    くとも1種以上)の結晶を含有することを特徴とするリ
    チウム二次電池。
  6. 【請求項6】 ノートパソコン、ペン入力パソコン、ポ
    ケットパソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープ
    ロ、電子ブックプレーヤ、携帯電話、コードレスフォン
    子機、ページャ、ハンディターミナル、携帯コピー、電
    子手帳、電卓、液晶テレビ、電気シェーバ、電動工具、
    電子翻訳機、自動車電話、トランシーバ、音声入力機
    器、メモリカード、バックアップ電源、テープレコー
    ダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、携帯プリンタ、ハン
    ディクリーナ、ポータブルCD、ビデオムービ、ナビゲ
    ーションシステム、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレ
    オ、温水器、オーブン電子レンジ、食器洗い器、洗濯
    機、乾燥器、ゲーム機器、照明機器、玩具、ロードコン
    ディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカ
    ート、電動カート、電力貯蔵システムに使用することを
    特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリチ
    ウム二次電池。
JP24507199A 1999-08-31 1999-08-31 リチウム二次電池 Pending JP2001068168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24507199A JP2001068168A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 リチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24507199A JP2001068168A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 リチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001068168A true JP2001068168A (ja) 2001-03-16

Family

ID=17128172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24507199A Pending JP2001068168A (ja) 1999-08-31 1999-08-31 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001068168A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002087054A1 (fr) * 2001-04-17 2002-10-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif electronique a batterie et appareil de communication mobile
JP2002358963A (ja) * 2001-06-01 2002-12-13 Nippon Chem Ind Co Ltd リチウムコバルト系複合酸化物、リチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池
JP2003045426A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Toshiba Corp 正極活物質,その製造方法および非水電解液二次電池
JP2003047238A (ja) * 2001-04-17 2003-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電池駆動式電子装置および移動体通信機器
KR100501104B1 (ko) * 2001-06-01 2005-07-18 니폰 가가쿠 고교 가부시키가이샤 리튬 코발트계 복합산화물, 그 제조방법, 리튬 2차 전지의양극활물질 및 리튬 2차 전지
JP2007048560A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Sony Corp 電池
US7674556B2 (en) 2002-05-30 2010-03-09 Panasonic Corporation Non-aqueous electrolyte secondary battery and method for charging the same
JP2011181222A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Hitachi Ltd リチウムイオン電池
JP2015133333A (ja) * 2015-04-20 2015-07-23 ソニー株式会社 二次電池
US9985262B2 (en) 2005-04-04 2018-05-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. Battery
JPWO2017110063A1 (ja) * 2015-12-25 2018-10-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質、及び非水電解質二次電池

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003047238A (ja) * 2001-04-17 2003-02-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電池駆動式電子装置および移動体通信機器
US6882130B2 (en) 2001-04-17 2005-04-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Battery-driven electronic device and mobile communication apparatus
WO2002087054A1 (fr) * 2001-04-17 2002-10-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif electronique a batterie et appareil de communication mobile
CN1333508C (zh) * 2001-04-17 2007-08-22 松下电器产业株式会社 电池驱动式电子装置和移动通信机
JP2002358963A (ja) * 2001-06-01 2002-12-13 Nippon Chem Ind Co Ltd リチウムコバルト系複合酸化物、リチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池
KR100501104B1 (ko) * 2001-06-01 2005-07-18 니폰 가가쿠 고교 가부시키가이샤 리튬 코발트계 복합산화물, 그 제조방법, 리튬 2차 전지의양극활물질 및 리튬 2차 전지
JP2003045426A (ja) * 2001-07-27 2003-02-14 Toshiba Corp 正極活物質,その製造方法および非水電解液二次電池
US7674556B2 (en) 2002-05-30 2010-03-09 Panasonic Corporation Non-aqueous electrolyte secondary battery and method for charging the same
US9985262B2 (en) 2005-04-04 2018-05-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. Battery
JP2007048560A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Sony Corp 電池
JP2011181222A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Hitachi Ltd リチウムイオン電池
JP2015133333A (ja) * 2015-04-20 2015-07-23 ソニー株式会社 二次電池
JPWO2017110063A1 (ja) * 2015-12-25 2018-10-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 非水電解質二次電池用正極活物質、及び非水電解質二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3928231B2 (ja) リチウム2次電池
JP3624663B2 (ja) 電池
JP3913941B2 (ja) リチウム二次電池用正極活物質およびリチウム二次電池
JP2997741B2 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP3885764B2 (ja) 非水電解液二次電池用正極活物質
JPH1116566A (ja) 電 池
JP4016453B2 (ja) 電極及びこれを用いた電池
JP2004227790A (ja) 非水電解液二次電池用正極活物質
JPH10208744A (ja) 電 池
JP2001068168A (ja) リチウム二次電池
JPH1140153A (ja) 電 池
JP3856015B2 (ja) 非水電解液二次電池用正極副活物質、非水電解液二次電池用正極活物質および非水電解液二次電池
JP2001052704A (ja) リチウム二次電池
JP3079344B2 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP3835419B2 (ja) 非水電解液二次電池用正極活物質
JP4246342B2 (ja) リチウム二次電池とリチウム二次電池用正極活物質
JPH1116571A (ja) 電池およびそれを用いた電気装置
JP2005158612A (ja) 非水電解質二次電池用正極副活物質、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法
JP3498345B2 (ja) 非水二次電池
JPH10208742A (ja) 電 池
JP3311597B2 (ja) 二次電池及びその正極
JP2011181222A (ja) リチウムイオン電池
JP3992007B2 (ja) リチウム2次電池
JPH10208743A (ja) 可逆的に複数回の充放電が可能な電池
JP2001118569A (ja) リチウム二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080625

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081125

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090421