JP4925427B2 - ラミネート形非水二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ラミネート形非水二次電池に関し、更に詳しくは、携帯用電子機器、電気自動車、電動アシスト自転車、電動バイク、ロードレベリングなどの電源として使用するのに適したラミネート形非水二次電池に関するものである。
非水電解質電池の一種であるリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。また、環境問題への配慮から繰り返し充電できる二次電池の重要性が増大しており、携帯機器以外にも、自動車、電気椅子や家庭用、業務用の電力貯蔵システムへの適用が検討されている。
近年、環境問題などにより電池とガソリンを併用したハイブリッド自動車(HEV)、動力を電池で補助したアシスト自転車、全ての動力を電池で賄う電気自動車や電気バイクが普及している。携帯電話などの小型携帯機器の電源に比べ、これら中型、大型の電源には、容量が大きい高出力二次電池が必要とされている。
リチウムイオン二次電池の形状には、筒形電池とラミネート形電池がある。ラミネート形非水二次電池は、金属シートの片面側に熱融着性樹脂層(例えばポリエチレン層)、他面側に機械的強度に優れた樹脂層(例えばポリエチレンテレフタレート層)を積層してなるラミネートシートを用い、その熱融着性樹脂層側が内側となるように構成されたラミネートシート外装体内に、シート状の正極とシート状の負極とをセパレータを介して重ね合わせた積層電極体などの電極群を封入してなるものである(例えば、特許文献1)。ラミネートシート外装体の封止は、電極群の上側のラミネートシートの周縁部分と電極群の下側のラミネートシートの周縁部分において熱融着性樹脂層同士を互いに密着させ、当該部分を加圧/加熱して、熱融着性樹脂層同士を熱融着させることにより行われる。このようなラミネート形電池は、筒形電池よりも重量当たりのエネルギー密度が高く、また、サイズや厚みに自由度が大きいことから、様々な形状のものが製造されている。
屋外で使用する機器用の電源として用いられる電池、特に車載用、電動工具用、自転車用の電池は、幅広い温度範囲や環境下で長期間使用されるため、このような用途にラミネート形非水二次電池を適用する場合には、ラミネートシート外装体の封止が特に重要となる。ラミネートシート外装体の封止が不十分であると、非水電解質(非水電解液)が電池外に漏出し、使用機器の腐食や事故、電池特性の劣化を引き起こしてしまう。
平面視で方形のラミネートシート外装体を封止する際には、まず非水電解質注入用に1辺を残して他の辺部分を溶着し、内部に非水電解質を注入した後に残りの1辺を溶着する。よって、最後に溶着される1辺の端部は、最初に溶着される辺の端部として一度溶着されているために、二重に溶着されることになる。ラミネートシートの外装体内側に配置されている熱融着性樹脂のうち、溶着部の周辺部分では、溶着の熱の影響により一部溶融する可能性があるが、二重に溶着した箇所の周辺部分では、溶着の際の熱の影響を特に受け易い。
上記のような溶着時の熱の影響により、溶着部の周辺部分の熱融着性樹脂が溶融し、金属シートが剥き出しになると、非水電解質との長期間の接触により金属シートが腐食して、非水電解質の漏出が生じてしまう虞がある。
従来では、ラミネート形非水二次電池の使用期間との関係で、上記の熱の影響による漏液が問題となることはなかったが、最近のラミネート形非水二次電池の用途では、その使用期間が非常に長期化している。そのため、ラミネート形非水二次電池では、ラミネートシート外装体の溶着の工程で発生する熱の影響を緩和して漏液の発生を抑制し、長期にわたって良好な信頼性を保持し得るようにすることが求められる。
特開2000−268789号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温環境などの特殊環境下においても、長期にわたって良好な信頼性を保持し得るラミネート形非水二次電池を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明のラミネート形非水二次電池は、正極シートと負極シートとがセパレータを介して積層されてなる電極群が、方形のラミネートシート外装体に収容され、上記正極シートに接続された正極端子および上記負極シートに接続された負極端子が外部に突出している状態で、上記ラミネートシート外装体の3辺または4辺で溶着封止されてなる電池であって、上記電極群の上側のラミネートシートおよび/または上記電極群の下側のラミネートシートの電池内側の、溶着封止された辺同士が交差する角部における溶着部と非溶着部との境界部分の少なくとも一部に、耐熱材が配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、ラミネートシート外装体を溶着封止した際に、その熱の影響を特に受け易い二重に溶着される箇所、すなわち、溶着封止された辺同士が交差する角部において、ラミネートシートの電池内側の、溶着部と非溶着部との境界部分に耐熱材を配置することにより、上記角部における非溶着部での、熱融着性樹脂の溶融による金属シートの露出を防止し、金属シートと非水電解質との接触による腐食の発生を抑制している。
耐熱材による上記の作用によって、本発明では、ラミネート形非水二次電池が通常使用されるような環境下のみならず、高温環境などの特殊環境下においても、長期にわたって高い信頼性を保持し得るラミネート形非水二次電池の提供を可能としている。
本発明によれば、高温環境などの特殊環境下においても、長期にわたって良好な信頼性を保持し得るラミネート形非水二次電池を提供できる。
本発明のラミネート形非水二次電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介して積層した積層電極群を、平面視で方形のラミネートシート外装体内に封入してなるものである。ラミネートシート外装体としては、通気遮断性を有する金属シートの片面または両面に、絶縁熱融着性樹脂フィルムの層(熱融着性樹脂層)を少なくとも1層積層した構造のラミネートシートにより構成されたものが挙げられる。
ラミネートシートを構成する金属シートには、電池外の水分や酸素の電池内への侵入や電池内の非水電解質(非水電解液)の電池外への蒸散を防ぐことができるものであれば特に制限はなく、公知の金属材料からなるシートを使用することができる。具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銅などの金属材料で構成されたシートが挙げられる。
電池内外間での物質(電池外の水分や酸素および電池内の非水電解質)の移動をより良好に防止する観点からは、ラミネートシートに係る金属シートの厚みは、10μm以上、より好ましくは30μm以上であることが好ましい。ただし、金属シートが厚すぎると、ラミネートシート外装体の溶着封止の際に、熱融着性樹脂層に十分に熱を伝えることができずに、溶着封止後の気密信頼性が低下することがあり、また、ラミネートシート外装体自体が厚くなって、電池のエネルギー密度が低下する傾向にある。そのため、金属シートの厚みは、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
熱融着性樹脂層を形成するための絶縁熱融着性樹脂としては、熱融着(溶着)によりラミネートシート外装体を封止できるものであれば特に制限はなく、公知の絶縁熱融着性樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、熱融着性ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル;熱融着性ポリイミド;ポリメタクリル酸メチル;アイオノマー樹脂;などの樹脂や、これらの樹脂を形成するためのモノマーの2種以上からなる共重合体(エチレン−プロピレン共重合体など)が挙げられる。
ラミネートシートに係る熱融着性樹脂層の厚みは、溶着後の機械的強度をより高める観点から、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。ただし、熱融着性樹脂層が厚すぎると、溶着後において、電池外に露出する熱融着性樹脂の面積が大きくなり、気密信頼性が低下することがある。そのため、熱融着性樹脂層の厚みは、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。
上記のような構成のラミネートシート外装体は、金属シートにより良好なガスバリア性や光遮断性を有しており、また、熱融着性樹脂層により容易に溶着封止することができる。
また、ラミネートシート外装体を構成するラミネートシートは、金属シートの片面(電池内側となる面)に上記の熱融着性樹脂層を有し、他面(電池外側となる面)には、機械的強度に優れた樹脂で構成された層(外層)を有していることが好ましい。このような外層を有するラミネートシート外装体を用いることにより、電池の耐久性を高めることができる。この場合の外層を構成し得る樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン66などのナイロン、などが挙げられる。
外層の厚みは、これを設けることによる作用をより有効に発揮させる観点からは、20μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。ただし、外層が厚すぎると、電池のエネルギー密度が低下する傾向にあることから、その厚みは、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明のラミネート形非水二次電池では、平面視で方形のラミネートシート外装体を用いるが、この「方形」には、正方形および長方形が含まれる他、例えば、4隅の1つ以上を曲線とした形状のものや、4隅の1つ以上を切り落とした形状のものも含まれる。
図1に、正極シートと負極シートとがセパレータを介して積層されてなる積層電極群20を、ラミネートシート外装体10に収容する様子を模式的に示している。積層電極群20における30は正極端子、40は負極端子である。なお、図1では、積層電極群20について、一部が透明であるように示しており、積層電極群20における斜線で示している部分は耐熱テープを表している(詳しくは後記の図6の説明の箇所で述べる)が、断面を表したものではない。
図1に示すラミネートシート外装体10は、積層電極群20を挟むようにして折り返し、積層電極群20の上側のラミネートシート11と、積層電極群20の下側のラミネートシートとを、図中縦の2辺と端子30、40側の辺の3辺で溶着することで封止するタイプの外装体である。積層電極群20は、ラミネートシート外装体10の封止後に端子30、40が外装体10外に突出するように配置される。
そして、図1のラミネートシート外装体10では、積層電極群20の上側のラミネートシート11の電池内側となる面の、溶着封止される辺同士が交差する角部における溶着部と非溶着部との境界部分となることが予定される箇所(2箇所)に、耐熱材50、50が配置されている。
図1のように積層電極群20および耐熱材50、50を配置した後、ラミネートシート11とラミネートシート12とを重ね合わせて溶着する。図1に示すラミネートシート外装体10の場合は、その3辺で溶着するが、そのうち2辺(例えば、図中左側の縦の辺と、端子30、40側の辺)を先に溶着する。そして、未溶着の辺側から、ラミネートシート外装体内に所定量の非水電解質を注液し、その後減圧下で未溶着の辺部分を溶着し、図2に示すようなラミネート形非水二次電池とする。図2は、本発明のラミネート形非水二次電池の模式図であって、(a)平面図、(b)側面図であり、図2中、60はラミネートシート外装体10の溶着部である。なお、図2では、耐熱材50、50を図示しているが、これは耐熱材の配置の理解を容易にするためであって、耐熱材50、50は、電池内側(ラミネートシート外装体10の内側)に配されている。
上記のような手順でラミネートシート外装体を溶着する場合には、図1中、右側の縦の辺と端子30、40側の辺とが交差する角部における溶着部では二重に溶着されるため、特にかかる溶着部の周辺では、ラミネートシートに係る熱融着性樹脂の一部が溶融して金属シートが露出し易いが、図1に示すように、上記角部における溶着部と非溶着部との境界部分に耐熱材(図1中、右側の耐熱材50)を配置することで、熱融着性樹脂の溶融による上記の金属シートの露出を防止して、金属シートと非水電解質との接触を防ぎ、非水電解質の漏出を抑えることができる。
なお、耐熱材は、上記のように、ラミネートシート外装体における二重に溶着を受ける箇所の、溶着部と非溶着部との境界部分に配置していればよいが、図1に示すように、溶着封止される辺同士が交差する角部のうち、一度の溶着操作で溶着される箇所(図1中、左側の耐熱材50が配置されている角部)においても、その溶着部と非溶着部との境界部分に耐熱材を配置することが好ましく、この場合には、熱溶融性樹脂の溶融によって発生し得る金属シートの露出に基づく漏液の発生を、より良好に防止できる。
また、耐熱材は、図1に示すように、積層電極群の上側のラミネートシートの電池内側となる面に配置してもよく、積層電極群の下側のラミネートシートの電池内側となる面に配置してもよく、両方のラミネートシートの電池内側となる面に配置しても構わない。
耐熱材としては、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が200℃以上の材料で構成されたシートであることが好ましい。耐熱材を構成する材料の具体例としては、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられ、これらの1種単独で耐熱材を構成してもよく、2種以上を併用して耐熱材を構成してもよい。
耐熱材の形状(平面形状)は、例えば、図1に示すような長方形や、正方形といった方形、円形(真円形、楕円形)、三角形など、いずれの形状でも構わない。
耐熱材をラミネートシート上に配置する際に、シワなどを入り難くして作業性を高める観点から、耐熱材の厚みは、50μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましい。ただし、耐熱材が厚すぎると、耐熱材を配置した部分とそれ以外のラミネートシート部分との間に比較的大きな段差が生じて、ラミネートシート自体にシワなどが発生する虞があるため、耐熱材の厚みは、100μm以下であることが好ましく、80μm以下であることがより好ましい。よって、積層電極群の上側のラミネートシートと下側のラミネートシートの両方に耐熱材を配し、電池となった後に両耐熱材が重なり合うようにする場合には、両耐熱材の合計厚みが、上記の好適上限値を満足するようにすることが好ましい。
また、耐熱材は、その片面に粘着材層を有する態様のものが好ましい。このような態様の耐熱材は、粘着材層に係る粘着材によってラミネートシートに接着させることができる。粘着材層を形成するための粘着材としては、シリコーン系の粘着材、アクリル樹脂系の粘着材など、耐熱性に優れた粘着材が好ましい。粘着材層の厚みは、5〜20μmであることが好ましい。
なお、これまで本発明のラミネート形非水二次電池の構成を、図1および図2を用いて説明したが、本発明のラミネート形非水二次電池の構成・構造は、これら図1および図2に図示されたものに限定される訳ではない。例えば、ラミネートシート外装体として、正極端子および負極端子側の辺に対向する辺が、ラミネートシートの折り返し部ではなく、溶着封止するタイプのラミネートシート外装体(すなわち、4辺すべてを溶着封止するタイプのラミネートシート外装体)を用いて電池を構成してもよい。なお、4辺すべてを溶着封止するタイプのラミネートシート外装体を使用する場合でも、耐熱材は、ラミネートシート外装体における溶着封止される辺同士が交差する角部のうち、二重に溶着を受ける箇所の、溶着部と非溶着部との境界部分に配置していればよいが、熱溶融性樹脂の溶融によって発生し得る金属シートの露出に基づく漏液の発生を、より良好に防止する観点からは、溶着封止される辺同士が交差する角部のうち、一度の溶着操作で溶着される箇所においても、その溶着部と非溶着部との境界部分に耐熱材を配置することが好ましい。
また、図1では、最終的なラミネート形非水二次電池(図2)のサイズよりも、少し大きめのラミネートシート外装体を示しており、このようなラミネートシート外装体を用いる場合には、溶着封止をしてラミネート形非水二次電池とする際に、外装体を裁断するなどしてサイズを調整すればよい。他方、溶着封止するだけで裁断などのサイズ調整の必要のないラミネートシート外装体を用いてもよい。
更に、図1および図2では、あくまで本発明のラミネート形非水二次電池の構成の理解を容易にする目的で図示したものであって、各構成要素のサイズについては、必ずしも正確ではない。
本発明のラミネート形非水二次電池に係る正極(正極シート)は、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極活物質含有層が集電体上(集電体の片面または両面)に形成されてなるものである。正極活物質としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物、LiMnなどのリチウムマンガン酸化物、LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物で例示されるリチウム複合酸化物が好適に用いられる。これら活物質のCo、MnまたはNiは、それぞれ他の元素で置換されていてもよい。また、これらの活物質は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。
正極集電体としては、5〜60μm厚のアルミニウム箔が好適である。正極タブは、正極集電体の一部に正極活物質含有層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこを正極タブとしてもよく、正極集電体に、アルミニウム箔などを後から接続して設けてもよい。
正極を作製するにあたっては、上記の正極活物質と、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電助剤と、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのバインダなどを含む正極合剤を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶剤を用いて均一に分散させたペースト状やスラリー状の組成物を調製し(バインダは、溶剤に溶解していてもよい)、この組成物を正極集電体上に塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理により正極活物質含有層の厚みや密度を調整する方法が採用できる。ただし、本発明に係る正極の作製方法は上記の方法に限られず、他の方法を採用しても構わない。
正極における正極活物質含有層の厚みは、片面あたり、30〜300μmとすることが好ましい。また、正極活物質含有層における各構成成分の含有量は、正極活物質:85〜95質量%、導電助剤:1〜5質量%、バインダ:2〜5質量%とすることが好ましい。
本発明のラミネート形非水二次電池に係る負極(負極シート)は、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤などを含有する負極活物質含有層が集電体上(集電体の片面または両面)に形成されてなるものである。負極活物質としては、特に限定はされないが、リチウムイオンをドープ、脱ドープ可能な黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類などの炭素材を使用するのが好ましい。
負極集電体には、5〜60μm厚の銅箔を用いるのが好適である。負極タブは、負極集電体の一部に負極活物質含有層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこを負極タブとしてもよく、負極集電体に、銅箔などを後から接続して設けてもよい。
負極を作製するにあたっては、上記の負極活物質と、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどのバインダと、必要に応じて黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラックなどの導電助剤などを含む負極合剤を、NMPなどの溶剤を用いて均一に分散させたペースト状やスラリー状の組成物を調製し(バインダは、溶剤に溶解していてもよい)、この組成物を負極集電体上に塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理により負極活物質含有層の厚みや密度を調整する方法が採用できる。ただし、本発明に係る負極の作製方法は上記の方法に限られず、他の方法を採用しても構わない。
負極における負極活物質含有層の厚みは、片面あたり、30〜300μmとすることが好ましい。また、負極活物質含有層における各構成成分の含有量は、負極活物質:85〜95質量%、バインダ:2〜5質量%とすることが好ましく、導電助剤を使用する場合には、負極活物質含有層における導電助剤の含有量を、1〜5質量%とすることが好ましい。
本発明のラミネート形非水二次電池に用いる非水電解質としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの有機溶媒に、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFSOなどの溶質を溶解したものを用いることができる。
また、上記の非水電解質は、樹脂、架橋剤などを混合して、ゲル状化または固形化させて用いることもできる。電解液をゲル状化することによって、電池を過充電した際に電解液の成分が分解してガスが発生するが、このガスにより、セパレータの層間で剥離したり(例えば、後記の不織布と多孔質フィルムとから構成されたセパレータの場合)、セパレータと負極との間に隙間が生じるなどするため、電池の安全性をより高めることができる。
更に、非水電解質には、ベンゼン環を有する芳香族化合物およびホスファゼン誘導体より選択される少なくとも1種の添加剤を添加してもよい。ベンゼン環を有する芳香族化合物としては、4.2〜4.7V付近で分解してガスを発生し、かつ正極表面にポリマー重合して被膜を形成するものであれば特に限定はされず、トルエン、キシレン、シクロへキシルベンゼンなどを代表とするアルキルベンゼン、芳香族ハロゲン、芳香族アミン、芳香族カルボン酸、ビフェニルなどを例示することができる。上記の芳香族化合物の中でも、被膜形成能の点から、ビフェニル、シクロへキシルベンゼンまたはこれらの誘導体(フッ素置換体など)が好ましく用いられる。ベンゼン環を有する芳香族化合物は、上記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解質に添加し得るホスファゼン誘導体としては、環状型のものと鎖状型のもののいずれも用い得るが、負荷特性などの電池特性を考慮した場合、特に、下記一般式(1)で表される環状の構造のものが好ましく用いられる。
Figure 0004925427
なお、上記一般式(1)において、側鎖R〜Rは、
(1)−CH、−CHCHなどの炭素数1〜10のアルキル基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(2)−OCH、−OCHCH、−OC、−OCHOCHCHなどの炭素数1〜10のアルコキシ基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(3)−COOCH、−COOCHCH、−COOCなどの炭素数1〜10のカルボキシル基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(4)−COCH、−COCHCH、−COCなどの炭素数1〜10のカルボニル基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(5)−C、−CCH、−C(CHなどの炭素数1〜12のアリール基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(6)−CH=CH、−CH=CH、−CH=CHなどの炭素数1〜10のビニル基(ただし、水素の一部または全部がフッ素などのハロゲン元素で置換されていてもよい);
(7)水素またはフッ素、塩素などのハロゲン元素;
のいずれかであって、互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記の添加剤を用いる場合、非水電解質中の添加量は、芳香族化合物では、非水電解質全量中3〜15質量%とするのがよく、ホスファゼン誘導体では、非水電解質全量中1〜15質量%とするのがよい。上記の添加剤は、それぞれ1種単独で用いてもよく、異なる2種以上のものを併用しても構わない。
本発明の電池に係るセパレータには、公知のセパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンとの融合体などのポリオレフィンなどにより構成された多孔質フィルムや不織布からなるセパレータを用いることができる。
また、本発明の電池では、セパレータが、融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有しており、正極シートの両面にセパレータにおける方形の不織布が配置されており、正極シートの下側の不織布と上側の不織布とが少なくとも3辺で固定されており、正極シートの両面に配置されている方形の不織布の少なくとも一方に、セパレータにおける方形の多孔質フィルムが、その1辺で固定されていることが好ましい。
融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有するセパレータを上記のように配置して用いた場合には、例えば、150℃程度の高温環境下となっても、セパレータのうち、正極シートを包み込むように存在している不織布は、融点の高い材料で構成されており、熱収縮しない。そのため、上記のような高温環境下においても、正極がむき出しになって負極と接触することによる短絡の発生が抑えられて、電池の熱暴走が抑制される。また、上記のような高温環境下では、セパレータを構成する多孔質フィルムが溶融して、多孔質フィルムの空孔や不織布の空隙を埋め、セパレータ内のリチウムイオンの移動を遮断する、所謂シャットダウン機能が発揮される。しかも、多孔質フィルムは、不織布とその1辺のみで固定されているため、溶融前に多孔質フィルムに収縮が生じても、正極と接する不織布は多孔質フィルムの収縮に追随して収縮したり変形したりすることがなく、その形状が保たれる。よって、上記のセパレータを用いた電池では、これらの作用によって、その安全性をより高めることができる。
しかも、上記のセパレータでは、正極の下側の不織布と上側の不織布が、少なくとも3辺で固定されており、かつこれらの不織布の少なくとも一方と多孔質フィルムが固定されている。そのため、電池の製造時において、正極、負極、およびセパレータを積層して積層電極群とする際に、正極がセパレータ中で位置ずれすることが無いため、歩留まりよく電池を製造することが可能であり、電池の生産性を高めることもできる。
融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有するセパレータにおいて、上記不織布は、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が200℃以上の材料で構成されるものであり、正極シートの上下面に配される。不織布を構成する材料としては、具体的には、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好ましく、これらのうちの1種のみで不織布を構成してもよく、2種以上を併用して不織布を構成してもよい。
不織布の厚みは、短絡の発生をより有効に防止する観点から、5μm以上であることが好ましい。他方、不織布が厚すぎると、電池が厚くなって、体積あたりのエネルギー密度が低下したり、高率放電特性の低下を招くことがあるため、不織布の厚みは、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
また、不織布の透気度は、JIS P 8117に規定の方法により測定されるガーレー値で、300s/100ml以下であることが好ましく、250s/100ml以下であることがより好ましい。不織布の透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなることがある。他方、透気度が小さすぎると、不織布の強度が小さくなることから、不織布の透気度は、100s/100ml以上であることが好ましい。なお、不織布の透気度は、不織布の厚みと空孔率とを調整することで、制御できる。
更に、不織布の空孔率は、良好なイオン透過性を確保する観点から、30%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましい。他方、空孔率が大きすぎると、不織布の強度が不足することがあるため、不織布の空孔率は、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう不織布の空孔率、および後記の多孔質フィルムの空孔率は、一定面積の試料を切り出してその重量と厚みを測定し、これらの測定値から算出することで求められる値である。
融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有するセパレータにおいて、上記多孔質フィルムは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が140℃以上の材料で構成されるものであり、正極の上下面に配置される不織布の少なくとも一方の上に配され、固定される。なお、多孔質フィルムの構成材料の融点は、あまり低すぎると、電池の使用温度領域においてシャットダウン現象が発現する虞があることから、例えば100℃以上であることが好ましい。
多孔質フィルムを構成する材料の具体例としては、ポリエチレン、共重合ポリプロピレン(エチレン−プロピレン共重合体など)などのポリオレフィンなどが挙げられ、多孔質フィルムは、これらの材料の1種のみで構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。
多孔質フィルムの厚みは、短絡の発生をより有効に防止する観点から、5μm以上であることが好ましい。他方、多孔質が厚すぎると、電池が厚くなって、体積あたりのエネルギー密度が低下したり、高率放電特性の低下を招くことがあるため、多孔質の厚みは、50μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
また、不織布の透気度は、JIS P 8117に規定の方法により測定されるガーレー値で、600s/100ml以下であることが好ましく、500s/100ml以下であることがより好ましい。多孔質フィルムの透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなることがある。他方、透気度が小さすぎると、多孔質フィルムの強度が小さくなることから、多孔質フィルムの透気度は、300s/100ml以上であることが好ましい。なお、多孔質フィルムの透気度は、多孔質フィルムの厚みと空孔率とを調整することで、制御できる。
更に、多孔質フィルムの空孔率は、良好なイオン透過性を確保する観点から、30%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましい。他方、空孔率が大きすぎると、多孔質フィルムの強度が不足することがあるため、多孔質フィルムの空孔率は、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。
多孔質フィルムは、1枚のみを不織布上に固定してもよいが、多孔質フィルムを2枚以上積層して、不織布上に固定してもよい。多孔質フィルムを複数枚積層する場合には、その作業性を良好にする観点から、5枚以下とすることが好ましい。また、セパレータ中の全積層枚数(セパレータを構成する不織布と多孔質フィルムの全枚数)は、2〜5枚であることが好ましい。
次に、本発明のラミネート形非水二次電池の製造方法を、融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有するセパレータを用いた場合を例にとって、図面を用いつつ説明する。図3は、セパレータに正極シートを収容した状況を示す平面模式図である。70はセパレータに係る方形の不織布で、正極シートの上面側に配置されており、正極シートの下面側に配置されている方形の不織布(図示しない)と、固定部90において固定されている。そして、不織布70の上に方形の多孔質フィルム80が配置されており、多孔質フィルム80と不織布70とは、正極タブ31側の辺と対向する辺における固定部91で固定されている。なお、図3では、各構成要素の理解を容易にするために、多孔質フィルム80を透明であるように表している。100は、不織布70を正極シートに固定するための耐熱テープ(例えば、ポリイミドテープ)である。
固定部90は、方形の不織布70の2辺(図中縦の2辺)に設けられており、ここでは、間欠溶着により正極シートの上側の不織布70と下側の不織布とが固定されている。正極シートの上側の不織布と下側の不織布との固定は、図3に示すように間欠溶着により行ってもよく、例えば、辺の一端から他端にわたって溶着する全面溶着により行ってもよい。なお、図3では、上記の通り、不織布70と多孔質フィルム80とが、正極タブ31側の辺に対向する辺において、溶着により固定されているが、これと同時に、不織布70と正極シートの下側の不織布についても、当該箇所で溶着されている。すなわち、図3に示す構成は、正極シートの上側の不織布70と下側の不織布とを3辺で固定した例に該当する。正極シートの上側の不織布70と下側の不織布との固定は、4辺で行ってもよい。
また、正極シートの上側の不織布と下側の不織布とを1枚の不織布とし、固定部90のうちの1辺を、上記1枚の不織布を折り返した部分としてもよい。すなわち、正極シートの2倍以上の面積を有する不織布を用い、この上に正極シートを配置した後、正極シートを包み込むように不織布を折り返し、その後に固定されていない3辺のうち2辺以上を溶着するなどして固定しても構わない。
不織布70と多孔質フィルム80との固定は、例えば、図3に示すように、間欠溶着により行ってもよく、辺の一端から他端にわたって溶着する全面溶着により行ってもよい。
なお、溶着代(溶着部の幅)は、0.5〜2mmとすることが好ましい。溶着代を小さくしすぎると、作業性や信頼性が低下することがある。他方、溶着代を大きくしすぎると、積層電極群のサイズが大きくなり、電池の体積あたりのエネルギー密度が低下する傾向にある。また、正極シートの上側の不織布70と下側の不織布とを間欠溶着により固定する場合や、不織布70と多孔質フィルム80とを間欠溶着により固定する場合では、溶着の間隔を、2〜5mmとすることが好ましい。
上記セパレータを構成する不織布および多孔質フィルムは方形であり、長方形(矩形)および正方形が含まれ、これらの中から、正極シートおよび負極シートの形状に合わせて好適な形状を選択すればよい。なお、本明細書でいう不織布および多孔質フィルムの「方形」には、例えば、4隅の1つ以上を曲線とした形状や、4隅の1つ以上を切り落とした形状のものも含まれる。
図3に示すように、正極シートの上側の不織布70と下側の不織布とを少なくとも3辺で固定し、更に、上側の不織布70または下側の不織布と多孔質フィルム80とを1辺で固定した後には、図4に示すように、多孔質フィルム80の自由端を、耐熱テープ(ポリイミドテープなど)100などで正極(正極タブ31)に固定することが好ましい。
このようにして得られた正極シートとセパレータの一体化物と負極シートとを交互に積層して、図5に示すように積層電極群20とする。なお、図5では、各構成要素の配置の理解を容易にするために、一部の構成要素について、透明であるように示している。図5中、41は負極タブである。なお、積層した正極シートとセパレータの一体化物と負極シートとは、その各辺の1〜3箇所を、耐熱テープ(ポリイミドテープなど)100で固定する。耐熱テープ100での固定箇所を1辺あたり4箇所以上とすると、電極中への非水電解質の浸透性が低下して、非水電解質の注液時間が増加し、作業性が低下することがある。他方、耐熱テープ100での固定を行わないと、積層した電極にずれが生じ易くなり、短絡の発生する確率が増大することがある。
このようにして得られた積層電極群に、図6に示すように端子を溶接する。正極端子30としては、例えばアルミニウム製の端子を用いることが好ましく、また、負極端子40としては、例えばニッケルメッキした銅製の端子を用いることが好ましい。正極端子30は正極タブに、負極端子40は負極タブに、それぞれ超音波溶接などにより溶接することができる。また、正極端子30の溶接箇所(その両面)、および負極端子40の溶接箇所(その両面)は、耐熱テープ(ポリイミドテープなど)100で保護する。なお、図6では、耐熱テープ100に斜線を付した上で透明であるように表しているが、これは、図1に示した積層電極群20と同様に、耐熱テープ100の存在と、その下部の構造の理解を容易にするためであり、耐熱テープ100の断面を示したものではない。
正極端子および負極端子を溶接した積層電極群を、例えば図1に示すようにラミネートシート外装体内に収容して、非水電解質を注入するための1辺を残してラミネートシート外装体を溶着し、非水電解質をラミネート外装体内に注入した後に、残りの辺を減圧下で溶着してラミネート形非水二次電池とする。
本発明の電池のように、ラミネートシート外装材を用いるラミネート形電池の場合には、通常の筒形電池などで採用されている安全弁、遮断ベント、開裂ベントなどの安全装置を、電池の収容容器に設けることが困難である。しかし、融点が200℃以上の材料で構成された方形の不織布と、融点が140℃以下の材料で構成された方形の多孔質フィルムとを有するセパレータを上記のように配置して用いたラミネート形非水二次電池であれば、電池の収容容器に安全装置を設けなくても、電池の熱暴走を抑制して、その安全性を確保することができる。
なお、図3〜図6に示すラミネート形非水二次電池は、本発明の好適な一例を示したものに過ぎず、例えば、上述したように、本発明のラミネート形非水二次電池は、従来公知のセパレータを用いて構成することもできる。また、図3〜図6は、あくまでラミネート形非水二次電池の構成の理解を容易にする目的で図示したものであって、各構成要素のサイズについては、必ずしも正確ではない。
本発明のラミネート形非水二次電池は、従来のラミネート形非水二次電池が使用されるような通常の環境下のみならず、高温環境などの特殊環境下においても、長期にわたって良好な信頼性を保持し得ることから、この特性を生かして、ハイブリッド自動車、電動アシスト自転車、電気自動車、電気バイク、電気椅子、家庭用や業務用の電力貯蔵システム、ロードレベリングなどの大容量の電池が要求される装置の電源用途を始めとして、携帯電話、ノート型パーソナルコンピューターなどの携帯用電子機器の電源など、非水二次電池が用いられている各種用途に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
<正極シートの作製>
正極活物質であるLiCoO:92質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:4質量部、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン:4質量部を、NMPに均一に分散させて正極合剤含有ペーストを調製した。正極集電体となる厚みが20μmのアルミニウム箔の両面に、正極タブとなる部分を残して正極合剤含有ペーストを塗布し、乾燥させた後、厚みが120μmとなるようにプレスして、正極シートを作製した。
<負極シートの作製>
負極活物質であるメソカーボンマイクロビーズ:94質量部、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン:6質量部を、NMPに均一に分散させて負極合剤含有ペーストを調製した。負極集電体となる厚みが10μmの銅箔の両面に、負極タブとなる部分を残して負極合剤含有ペーストを塗布し、乾燥させた後、厚みが110μmとなるようにプレスして、負極シートを作製した。
<電池の組み立て>
透気度が7s/100mlで、厚みが25μm、空孔率が70%のポリアリレート(融点:250℃)製の方形の不織布を、正極シートの上下に配して、図3に示すように、図中縦の2辺を2mm間隔で間欠溶着した。その際の溶着代は1mmとした。その後、不織布70と正極タブ31部分とをポリイミドテープ100で固定した。上記不織布70の上に、透気度が500s/100mlで、厚みが25μm、空孔率が54%の方形の共重合ポリプロピレン(融点:140℃)製多孔質フィルムを配し、図3に示すように、この多孔質フィルム80と不織布70とを、正極タブ31側の辺と対向する辺において、溶着代を1mmとして、2mm間隔で間欠溶着した。この際、多孔質フィルム80と不織布70との溶着と同時に、不織布70と正極シート下側の不織布も溶着した。すなわち、正極シートの上側の不織布70と下側の不織布とを、3辺で溶着したことになる。その後、図4に示すように、多孔質フィルム80の自由端を、ポリイミドテープ100(2mm×3mm)を用いて正極タブ31部分に固定した。このようにして得られた正極シートとセパレータの一体化物において、図3および図4中、a:3mm、b:1mmである。
上記の正極シートとセパレータの一体化物を14枚用意し、15枚の負極シートと交互に重ねて、図5に示すように積層電極群を作製した。積層電極群を構成する正極シートとセパレータの一体化物および負極シートの固定には、10mm×10mmのポリイミドテープ100を用い、図5に示すように、図中縦の辺では各3箇所、図中横の辺では各1箇所固定した。なお、得られた積層電極群では、図3中のo:10mm、p:5mm、q:30mm、r:30mm、s:67mm、t:60±2mm、u:121mm、である。
次に、図6に示すように、積層電極群20の正極タブに、幅15mm、厚み0.2mmのアルミニウム製の正極端子30を、負極タブに、幅15mm、厚み0.2mmのニッケルメッキした銅製の負極端子40を、それぞれ超音波溶接により溶接し、それぞれの溶接箇所に15mm×25mmのポリイミドテープ100を貼り付けて保護した。正極端子30および負極端子40を取り付けた後の積層電極群では、図6中のv:143±0.5mmである。
ナイロン/アルミニウム/ポリプロピレンの3層構造のラミネートシート外装体を用意し、図1に示すように積層電極群20の上側になるラミネートシート11内側(ポリプロピレン層側)の、溶着封止される辺同士が交差する角部における溶着部と非溶着部との境界部分になることが予定される箇所(2箇所)に、耐熱材50として、5mm×10mmの長方形で、厚みが50μmのポリイミドテープを貼り付けた。
その後、図1に示すようにラミネートシート外装体10上に積層電極群20を配置し、該積層電極群20を挟むようにしてラミネートシート外装体10を折り返し、ラミネートシート外装体10の図1中左側の縦の辺(正極端子30側の辺)と、端子30、40側の辺の2辺を、ヒートシーラを用いて210℃、4秒の条件で、溶着代を10mmとして溶着した(なお、図1に示す積層電極群20と、実施例1で作製した積層電極群20とは、耐熱テープの固定箇所が異なる)。次に、溶着していない辺(図1中、負極端子40側の縦の辺)側から、ラミネートシート外装体10内に非水電解質を注入し、その後この溶着していない辺を、ヒートシーラを用いて210℃、4秒の条件で、溶着代を10mmとして溶着し、外装体の不要な部分を裁断することでサイズを調整して、図2に示す構成のラミネート形非水二次電池を得た。図2中、d:90±1mm、e:15mm、f:25mm、g:10mm、h:143±1mm、i:158mm、j:10mm、k:5±0.1mm、である。また、非水電解質には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを50:50の割合(質量比)で混合した混合溶媒に、LiPFを1mol/lの濃度で溶解し、芳香族化合物であるビフェニルを2質量%、ビニレンカーボネートを0.5質量%、ホスファゼン系化合物であるホスライトを5質量%添加し、更に、ゲル化剤である脂環エポキシアクリルを2質量%添加したものを用いた。
上記のラミネート形非水二次電池について、70℃で15時間保存し、ゲル化剤をポリマー化して電解液をゲル状とした。その後、室温まで冷却し、0.8A(0.2C)の定電流および4.2Vの定電圧にて満充電にした後、0.8Aの定電流により3Vまで放電することで化成検査を行った。得られたラミネート形非水二次電池の容量は4Ahである。
比較例1
積層電極群20の上側のラミネートシート11の内側に、耐熱材50、50を配置しなかった以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
実施例1および比較例1の電池について、下記の高温多湿試験およびヒートショックサイクル試験を行った。結果を表1に示す。
<高温多湿試験>
実施例1および比較例1の電池各5個を、0.8A(0.2C)の定電流および4.2Vの定電圧にて満充電にした後、温度60℃、相対湿度90%の環境下で30日間保存し、その後環境を室温に戻して、電池の漏液の有無を観察した。
<ヒートショックサイクル試験>
実施例1および比較例1の電池各5個(高温多湿試験に供したものとは別の電池)を、0.8A(0.2C)の定電流および4.2Vの定電圧にて満充電にした。次に、これらの電池について、温度60℃で1時間保持し、1分で−10℃にし、−10℃で1時間保持し、更に1分で60℃に戻す一連の操作を240サイクル(20日)行った。その後、各電池を室温に戻して、漏液の有無を観察した。
Figure 0004925427
表1から明らかなように、所定箇所に耐熱材を配置した実施例1のラミネート形ヒス二次電池は、耐熱材を配置していない比較例1の電池とは異なり、高温多湿試験およびヒートショックサイクル試験において漏液が全くなく、特殊環境下においても、長期にわたって優れた信頼性を保持し得ることが分かる。
本発明のラミネート形非水二次電池に係る積層電極群をラミネートシート外装体に収容する様子を示す模式図である。 本発明のラミネート形非水二次電池の一例を示す模式図である。 本発明のラミネート形非水二次電池の好適例における正極シートをセパレータに収容した状況を示す平面模式図である。 本発明のラミネート形非水二次電池の好適例における正極シートをセパレータに収容した状況を示す平面模式図である。 本発明のラミネート形非水二次電池の好適例における積層電極群の構成を示す平面模式図である。 本発明のラミネート形非水二次電池の好適例における積層電極群の構成を示す平面模式図である。
符号の説明
10 ラミネートシート外装体
20 積層電極群
30 正極端子
40 負極端子
50 耐熱材

Claims (4)

  1. 正極シートと負極シートとがセパレータを介して積層されてなる電極群が、方形のラミネートシート外装体に収容され、上記正極シートに接続された正極端子および上記負極シートに接続された負極端子が外部に突出している状態で、上記ラミネートシート外装体の3辺または4辺で溶着封止されてなるラミネート形非水二次電池であって、
    上記電極群の上側のラミネートシートおよび/または上記電極群の下側のラミネートシートの電池内側の、溶着封止された辺同士が交差する角部の少なくとも一部における溶着部と非溶着部との境界部分に、耐熱材が配置されていることを特徴とするラミネート形非水二次電池。
  2. 耐熱材は、融点が200℃以上の材料で構成された、厚みが50〜100μmのシートである請求項1に記載のラミネート形非水二次電池。
  3. 耐熱材の構成材料が、ポリイミドおよび/またはポリフェニレンサルファイドである請求項2に記載のラミネート形非水二次電池。
  4. 耐熱材は、その片面に粘着材層を有している請求項2または3に記載のラミネート形非水二次電池。
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