JP4438137B2 - 電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外装体にフィルムを用いて発電要素を密封した電池の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
民生用機器の小型、軽量化に伴い、そこに搭載される電池にも小型、軽量化が求められている。中でも、リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を有することから、携帯用端末器用電源に多く用いられ、更なる高容量化、薄型化の開発が要求されている。
【0003】
前記リチウムイオン電池の構成としては、巻回した極群を円筒型のケースに収納した円筒型電池や平板状の極板を積層して平角形ケースに収納した角形電池がある。より安価で軽量な小型二次電池を提供する手段として、発電要素をアルミラミネートフィルムの袋に収納し、熱溶着により封口したものが実開昭60−162362号、特開昭61−206157号等に提案されている。
【0004】
このような、外装体にラミネートフィルムを用いた電池において、外装フィルムが剛性に乏しいため、突起物が押し当てられたりすると容易に開口し電解液が漏れるという危険性を回避するため、固体電解質を用いたり、電解液とゲル化するセパレータを用いたりすることが特開平10−21963号、特開平10−64503号等に提案されている。
【0005】
しかしながら、固体電解質はイオン伝導度が低く、特に高率充放電時や低温放電時は分極の増大による容量低下が大きいという問題があった。また、電解液とゲル化するセパレータを用いた場合は、上記問題は解消されるものの、一部のゲルについては、外装フィルムを熱融着によって封口する際の熱によりゲルが溶解し、電池の短絡を引き起こしたり、電池が外部短絡等で大電流が流れた際、ジュール熱による温度上昇によりゲルが溶解し、電池の内部短絡を引き起こすという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、外装体にフィルムを用いた電池の高エネルギー密度および低製造コストの利点を損なうことなく、電池の製造時の短絡を防止し、安全性を確保することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、少なくとも正極と、負極と、フッ化ビニリデン系ポリマーを含むセパレータとからなる発電要素をチューブ状に形成された外装フィルムに挿入し、沸点が90℃以上140℃以下である低沸点溶媒を含有する電解液を注液し、該セパレータの全部又は一部と電解液とをゲル形成させた後、熱溶着によって前記外装フィルムを封止することを特徴とする電池の製造方法である。また、前記外装フィルムは液溜部を具備し、前記発電要素を前記外装フィルムに挿入し、前記電解液を注液し、初期充放電をした後、発生した気体と過剰の電解液を絞り出して封口する電池の製造方法である。また、前記低沸点溶媒の含有量が、全電解液量の10重量部以上80重量部以下である電池の製造方法である。また、前記フッ化ビニリデン系ポリマーが、20重量部以下のヘキサフルオロプロピレン部を含む(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーである電池の製造方法である。
【0008】
すなわち、電解液に低沸点溶媒を含有させることで、電池製造時に外装フィルムを熱溶着する際の熱や、短絡等で生じる熱を低沸点溶媒の蒸発潜熱によって奪い、ゲルセパレータが溶解することを防ぐものである。
【0009】
この低沸点溶媒は、電池が通常使用される温度で蒸発するとセルの膨れを生じるので、沸点は90℃以上であることが好ましく、ゲルセパレータの溶解を未然に防ぐ目的から、沸点は140℃以下が好適である。また、ヒートシール時の熱が電極に伝わると、特に予備充電後の負極と電解液とが反応し、負極特性に悪い影響を与えることが知られている。この理由からも、沸点は140℃以下が好適である。
【0010】
低沸点溶媒の含有量は、全電解液の10重量部以上が好ましい。これより少ないと、蒸発潜熱量が不足し、前記熱を奪う効果が充分とならない。一方、低沸点溶媒は誘電率が小さいため、含有量が多すぎると、電解液としての性能が劣る。この理由から、全電解液の80重量部以下が好適である。
【0011】
前記セパレータの構成材料の全部又は一部に極性高分子であるフッ化ビニリデン系ポリマーを用いると、電解液の溶媒である極性有機溶媒に膨潤し、全部または一部がゲル化し、電解液の保持能力に富むので、外装フィルムを用いた電池には好適である。
【0012】
フッ化ビニリデン系ポリマーをヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーとすると、電解液との親和性が良くなり、電解液の液保持性がさらに増すので好適である。しかしながら、ヘキサフルオロプロピレン部が20重量部を超すと、電解液の膨潤が過度になり、セパレータの自己保持性が劣り、機械的強度に問題が生じるので、ヘキサフルオロプロピレン部は20重量部以下であることが好適である。
【0013】
上述のように、セパレータの液保持性と機械的強度とは相反する関係にあるので、セパレータの一部に非膨潤性の材料を用い、支持体の役割を担わせることで、高い液保持性を保ちつつ高い機械的強度を伴ったセパレータを提供することができる。非膨潤性の材料としては、従来のリチウムイオン電池用セパレータとして用いられているポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂からなる多孔膜や不織布等を用いることができる。しかし、前記多孔膜は空隙率が小さいため、これを支持体とするとイオン伝導度が約一桁低下してしまう。この観点から、支持体にはポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂製不織布を用いることが好適である。
フッ化ビニリデン系ポリマーは、無孔性フィルムの状態でも電解液とゲル化し、イオン伝導体となるが、ゲル化の程度に限度がある。そこで、フッ化ビニリデン系ポリマーを多孔体に形成することで、浸透圧により空隙部分に電解液が吸い上げられるため、ゲル化の程度が促進される。この結果、イオン伝導度を上げることができ、電池の高率充放電特性を向上させることができる。
【0014】
発電要素の形態としては、正極、負極及びセパレータからなる電極対を複数積層する方法や、長尺の電極対を巻回する方法等を用いることができる。しかしながら積層式の極群を用いた場合には、外装フィルムを用いた電池では緊圧がかかりにくく、極群が固定され難い。これに対し、巻回式の極群を用いた場合には、極群自身によって緊圧を掛けることができ、極群も固定され易いので、巻回式極群を用いることが好適である。
【0015】
巻回式極群の巻き込み方法としては、正極電極を外側にして巻回する方法、負極電極を外側にして巻回する方法等を選ぶことができる。ここで、外装フィルムの内面に貼り合わされている樹脂層が、何らかの理由で破損した場合には、外装フィルムに用いられているアルミニウム金属層が露出し、巻回式極群の最外周電極と接触することが考えられる。このとき、巻回式極群の最外周が負極電極であった場合には、負極内のリチウムが前記アルミニウム金属層と反応し、脆弱なリチウムアルミニウム合金に変化する。その結果、外装フィルムの水分バリヤー性が劣り、電池内に水分が侵入しやすくなるので、電池性能の劣化を導く。一方、巻回式電極の最外周が正極電極であった場合には、このような現象は生じない。かかる理由から、巻回式電極の最外周は正極電極であることが好適である。ここで、最外周面においては、正極活物質があっても作用しないため、前記部分は正極活物質が塗工されておらず、正極集電体が露出していることがエネルギー密度の点からも好適である。
【0016】
発電要素を外装フィルムで密閉する方法については、外装フィルム周囲のうち一部を除いて封口し、電解液を注液し、化成処理後に残りの部分を封口するという手順を用いる。一部を除いて封口する方法については、(1)長方形の2枚の外装フィルムの間に発電要素を入れ、三辺を熱溶着後、残りの一辺から注液する方法、(2)1枚のラミネートシートを二つ折りにし、発電要素を挟み、二方を熱溶着後、残りの一辺から注液する方法、(3)予め外装フィルムを三片が封鎖されたチューブ状に形成し、発電要素を挿入し、残りの一辺から注液する方法等を用いることができる。ここで、上記(1)および(2)の方法を用いた場合には、注液する前の発電要素に熱が加わり易く、熱によってセパレータが溶解し、短絡する危険性がある。従って、(3)の方法を用いることが好ましい。(3)の方法を用いた場合には、残り一辺の封口は電解液の注液後に行われるため、前述の低沸点溶媒が熱を奪う効果を働かせることができる。さらに、極群から端子を取り出す辺を前記残り一辺に選択すると、熱溶着時の加熱部は端子の存在により、極群からの距離がさらに離れるので、セパレータが溶解する危険性はさらに低減される。
【0017】
チューブ状の外装フィルムの作成方法としては、(ア)二枚の外装フィルムを重ね合わせ、三片を封口する方法、(イ)円筒状に形成した外装フィルムの一辺を封口する方法等を用いることができる。外装フィルムを円筒状に形成する方法としては、(イ―1)一枚の外装フィルムを円筒状に巻き、継ぎ目部分は外装体の同一面が貼り合わされるように接着する方法、(イ―2)表裏に熱融着性樹脂を配した一枚の外装フィルムを円筒状に巻き、継ぎ目部分は外装体の表裏が貼り合わされるように接着する方法等を用いることができる。ここで、(イ―2)の方法を用いた場合には、外装体に無駄な部分が生じにくく、電池の体積および重量エネルギー密度の点で有利である。ここで、外装フィルムの形状については長方形に限定されるものではなく、楕円形、その他の変形形状等を用いてもよい。注液する残りの一辺についても、上記の記述に限定されるものではなく、前記一辺の一部を注液前に封口しておく方法等を用いてもよい。
【0018】
正極にリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムを吸蔵放出可能な炭素材料を用いた電池系では、出荷前に予備充放電による化成を行うことが一般的に行われている。予備充放電による化成時には、気体の発生や電解液の部分的な枯渇が起こる事がある。特に、外装フィルムを用いた電池において気体の発生が起こると、電池が膨張するという不都合を生じる。上記の問題を解決するため、液溜を具備した外装フィルムを用い、過剰量の電解液を注液し、予備充放電による化成を行った後、発生した気体と過剰の電解液を絞り出し最終封口することが好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例に基づき、さらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0020】
(本発明)
正極は、次の手順で作成した。正極活物質として87重量部のLiCoO2 、導電助剤として8.5重量部の人造鱗片状黒鉛および同じく導電助剤として1.5重量部のアセチレンブラックを混合した混合粉体に、ポリフッ化ビニリデンの12%N−メチル−2−ピロリドン溶液を25重量部加えて練り、さらにN−メチル−2−ピロリドンを29重量部加えてペースト状にした。これを集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔上に、約260μmの厚さで塗布した。これを乾燥した後、電極形状に打抜き、プレスしたものを正極として用いた。プレス後の集電体を含むトータル厚さは約100μmであった。
【0021】
なお、正極活物質としては、上記以外のリチウム含有遷移金属酸化物、例えばスピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2 O4 )、ニッケル酸リチウム等を用いてもよい。
【0022】
負極は、次の手順で作成した。負極活物質として層間距離d002 が3.37Å、結晶子サイズLcが360Åである94重量部の繊維状人造黒鉛にポリフッ化ビニリデンの12%N−メチル−2−ピロリドン溶液を50重量部加えて練り、さらにN−メチル−2−ピロリドンを24重量部加えてペースト状にした。これを集電体となる厚さ12μmの電解銅箔上に約210μmの厚さで塗布した。これを乾燥した後、電極形状に打抜き、プレスしたものを負極として用いた。プレス後の集電体を含むトータル厚さは約105μmであった。
【0023】
なお、負極活物質としては、上記以外の材料、例えばメソフェーズピッチマイクロビーズ、コークス、ハードカーボン等の炭素材を用いてもよい。
【0024】
なお、バインダーとしては、上記以外の材料、例えばポリテトラフルオロエチレン、ゴム系高分子、あるいはこれらとセルロース系高分子との混合物又はポリフッ化ビニリデンを主体とするコポリマー等を用いてもよい。
【0025】
電解液には、エチレンカーボネート(EC)、低沸点溶媒として沸点が90℃であるジメチルカーボネート(DMC)及び沸点が108℃であるエチルメチルカーボネート(EMC)をそれぞれEC/DMC/EMC=1/1/1の比率で混合した溶媒に、支持塩として六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの濃度で溶解させたものを用いた。
【0026】
なお、電解液としても、上記に限定されるものではなく、溶媒としてプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、スルホラン、γ−ブチロラクトン等を用いてもよく、低沸点溶媒として沸点が127℃であるジエチルカーボネート等を用いてもよく、支持塩としてLiBF4 、LiClO4 、リチウムペルフルオロアルキルスルホン酸イミド塩等を用いてもよい。
【0027】
セパレータには、ゲル形成部分として、フッ化ビニリデンホモポリマー、ヘキサフルオロプロピレン部を5重量部含有するフッ化ビニリデンコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン部を12重量含有するフッ化ビニリデンコポリマーの三種類を用い、不織布として、ポリエチレンテレフタレート不織布、ポリプロピレン不織布の二種類を用いた。不織布の厚さはいずれも30μmである。
【0028】
セパレータについても、とくに限定されず、ゲル形成部分にポリアクリロニトリル等を用いてもよく、不織布にポリエチレン不織布等を用いてもよい。
【0029】
帯状の、前記正極、負極およびセパレータを積層し、扁平渦状に巻回し、巻回式極群を作成した。巻回式極群の外観図を図1に示す。1は変性ポリプロピレンシート、2は負極端子、3は正極端子である。巻回式極群4の最外周は正極集電体5となっている。巻回の終端をイミド樹脂テープ6で止めてある。巻回式極群4を図2に示すチューブ状の外装フィルム7に挿入し、図4に示すように過剰の電解液を注液した。極群の上部に、過剰の電解液を保持する液溜部9を設けるように、外装体上部を図5に示すように熱融着によって密閉した。
【0030】
外装フィルムの封口方法も、これに限定されるものではなく、例えば、極群を挿入した後、注液前に、図3に示すように極群の上部を注液孔として一部を残して熱融着した仮シール部8を設けておいてもよい。この方法によれば、初期充放電による化成時に極群を固定しておくことができ、また最終封口時に熱融着する部分を縮小することができるので、熱融着時の熱によるセパレータ溶解の危険性をさらに減少させることができる。
【0031】
図5の液溜付き電池を1サイクル充放電した後、加圧により過剰の電解液と発生した気体を絞り出し、極群の上部を封口した。完成電池の外観図を図6に示す。
【0032】
セパレータのゲル形成部分がフッ化ビニリデンホモポリマー、ヘキサフルオロプロピレン部を5重量部含んだフッ化ビニリデンコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン部を12重量部含んだフッ化ビニリデンコポリマーの多孔体で構成される上記電池をそれぞれ本発明電池1、本発明電池2、本発明電池3とし、ポリプロピレン不織布を基材としてセパレータの一部に用いたことを除いては本発明電池1〜3と同様に作成した上記電池をそれぞれ本発明電池4、本発明電池5、本発明電池6とした。
【0033】
(比較例)
電解液にエチレンカーボネート(EC)及びγ―ブチロラクトン(GBL)をEC/GBL=1/1の比率で混合した溶媒に、支持塩として六フッ化リン酸リチウムを1モル/リットルの濃度で溶解させたものを用い、低沸点溶媒を添加しなかったことを除いては、本発明と同様に作成した電池を、本発明電池1〜6で用いたセパレータの種類に対応して、比較電池1、比較電池2、比較電池3、比較電池4、比較電池5、比較電池6とした。また、電池の最終封口をせずに電池の両面から約20キログラム重の力で板に挟んだことを除いては比較電池6と同様に作成した電池を比較電池7とした。
【0034】
本発明電池1〜6および比較電池1〜7をそれぞれ20個作製し、作製中に短絡を生じた割合を調べた。結果を図7に示す。次に、完成した電池を1Cの電流密度で放電試験を行った。このうち、実施例6、比較電池6および比較電池7の結果について図9に示す。この結果から、低沸点溶媒を含有させることにより、製造時の短絡の発生が防止されることがわかる。また、比較電池4、比較電池5、比較電池6の結果より、この短絡はセパレータの支持体として不織布を用いる事によっても防止可能であることが明らかであるが、不織布を用いた場合でも低沸点溶媒を用いなかった比較電池の場合には、シール時の昇温により不織布の孔の一部が融解し閉じられてしまうため高率充放電性能が低下してしまう。このことは、比較電池7と比較電池8との放電性能の差として図8に現れている。
【0035】
次に、外部短絡試験を行い、電池の温度上昇を調べた。上記電池の外装体表面に温度センサーを取り付け、正・負極端子間を抵抗0.02オームの銅線で短絡した。各電池の最高到達温度を図9に示す。
【0036】
高沸点溶媒のみの電解液を用いた比較電池では、電池の発熱の暴走開始点である負極炭素と電解液の反応開始温度の150℃以上に温度が上昇したが、低沸点溶媒を含有する電解液を用いると低沸点溶媒が気化し、その蒸発潜熱により昇温を抑制するため反応開始温度までは到達しなかった。これより、低沸点溶媒を添加した電池は安全性において優れ、特に外装体にフィルムを用いた電池に適用した場合、その気化がほとんど等圧下で行われるため、さらに有効である。
【0037】
以上、非水系リチウム電池を例に挙げて説明したが、本発明は他の電池系、例えば水系リチウム電池、鉛電池、マンガン乾電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等にも用いることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、外装体にフィルムを用いた電池の高エネルギー密度および低製造コストの利点を損なうことなく、外装体にフィルムを用いた電池の製造時の短絡を防止し、安全性を確保させたので、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の端子部及び巻回式極群を示した外観図である
【図2】チューブ状外装フィルムの外観図である
【図3】電池留め部を付与したチューブ状外装フィルムの外観図である
【図4】注液直後の本発明電池の外観図である
【図5】液溜を具備した状態の本発明電池の外観図である
【図6】完成した本発明電池の平面図である
【図7】電池製造時の短絡発生率を示したグラフである
【図8】本発明電池と比較電池の放電性能を示すグラフである
【図9】外部短絡時試験を行った時の温度上昇を示したグラフである
【符号の説明】
4 巻回式極板群
5 正極集電体
7 外装フィルム
9 液溜部
Claims (4)
- 少なくとも正極と、負極と、フッ化ビニリデン系ポリマーを含むセパレータとからなる発電要素をチューブ状に形成された外装フィルムに挿入し、沸点が90℃以上140℃以下である低沸点溶媒を含有する電解液を注液し、該セパレータの全部又は一部と電解液とをゲル形成させた後、熱溶着によって前記外装フィルムを封止することを特徴とする電池の製造方法。
- 前記外装フィルムは液溜部を具備し、前記発電要素を前記外装フィルムに挿入し、前記電解液を注液し、初期充放電をした後、発生した気体と過剰の電解液を絞り出して封口する請求項1記載の電池の製造方法。
- 前記低沸点溶媒の含有量が、全電解液量の10重量部以上80重量部以下である請求項1乃至2記載の電池の製造方法。
- 前記フッ化ビニリデン系ポリマーが、20重量部以下のヘキサフルオロプロピレン部を含む(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーである請求項1乃至3記載の電池の製造方法。
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