JP3514994B2 - シート状電解質、リチウム2次電池およびシート状電解質の製造方法 - Google Patents

シート状電解質、リチウム2次電池およびシート状電解質の製造方法

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JP3514994B2 JP35542898A JP35542898A JP3514994B2 JP 3514994 B2 JP3514994 B2 JP 3514994B2 JP 35542898 A JP35542898 A JP 35542898A JP 35542898 A JP35542898 A JP 35542898A JP 3514994 B2 JP3514994 B2 JP 3514994B2
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状電解質
リチウム2次電池およびシート状電解質の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯型のパーソナルコンピュータ、ビデ
オカメラ等に用いられる2次電池には、高エネルギー密
度でしかも充放電サイクル寿命の長いことが求められ
る。2次電池としては、従来から鉛蓄電池、ニッケル−
カドミウム電池、ニッケル−水素電池などが利用されて
いるが、さらに高エネルギー密度の2次電池としてリチ
ウムイオン2次電池が実用化されている。
【0003】従来、このような2次電池の電解質には、
液体が用いられるのが一般的であったが、電解質を固体
状にできれば、液漏れの防止やシート構造化が可能とな
る。このため、固体電解質を利用する電池は、次世代タ
イプとして注目されている。特に、現在、携帯型のパー
ソナルコンピュータ等での利用が急速に広まっているリ
チウムイオン2次電池を、シート化、積層小型化するこ
とができれば、さらに応用範囲が広がるものとして期待
されている。
【0004】このような固体電解質としては、例えば、
高分子に電解質塩を相溶させた系が知られている。但
し、このような全く溶媒を含まない固体電解質(例えば
ポリエチレンオキシドにリチウム塩を相溶させたもの)
は導電率が低く(10-4S・cm-1以下)、実用化に至っ
ていない。これに対し高分子、電解質塩及び溶媒からな
るゲル状の高分子固体電解質が近年脚光を浴びている。
【0005】このようなゲル状の高分子固体電解質(以
下、「ゲル電解質」と呼ぶ)は、導電率が液体のそれに
近く10-3S・cm-1台の値を示すものもある。
【0006】例えば、米国特許第5296318号に
は、フッ化ビニリデン(VDF)と8〜25重量%の6
フッ化プロピレン(HFP)の共重合体〔P(VDF−
HFP)〕に、リチウム塩が溶解した溶液が20〜70
重量%含まれているゲル電解質が開示されている。この
ゲル電解質の導電率は10-3S・cm-1に達する。
【0007】しかしながら、このようなゲル電解質は、
機械的強度が不足で、電解質厚み50μm以下が困難で
あるという欠点を有している。
【0008】このような欠点を回避するため、「大沢他
電気関係学会関西支部連合大会予稿集 S1−5」、
特開平2−82457号公報等において、セパレータに
ゲル電解質を担持させた強固な固体電解質が提案されて
いる。
【0009】しかしながら、このような構造の固体電解
質は上記特開平2−82457号の実施例にも開示され
ているように、導電率がいずれも10-4S・cm-1台と低
くなってしまうという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、機
械的強度が大きく、しかも導電率が高いシート状固体電
解質およびこれを用いたリチウム2次電池を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、以下
の(1)〜(5)の構成により達成される。 (1) 多孔質のシート状基体およびこの基体に含浸さ
れた電解液の層を備え、前記基体に含浸された電解液
を包囲するゲル状の高分子固体電解質層を前記基体表
面に備えており、前記ゲル状の高分子固体電解質層はフ
ッ化ビニリデン系のポリマーを含有するシート状電解
質。 (2) 前記フッ化ビニリデン系のポリマーは〔P(V
DF−TFE−HFP)〕である上記(1)のシート状
電解質。 () 前記ゲル状の高分子固体電解質層の厚さが、前
記基体に含浸された電解液の層の厚さの2分の1から1
0分の1の範囲である上記(1)または(2)に記載の
シート状電解質。) 上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載
のシート状電解質をセパレータとして用いたリチウム2
次電池。(5) 多孔質のシート状基体およびこの基体に含浸さ
れた電解液の層を備え、前記基体に含浸された電解液を
包囲するゲル状の高分子固体電解質層を前記基体表面に
備えたシート状電解質の製造方法であって、微多孔膜に
電解液を注入し、ゲル化成分の存在する表面付近のみゲ
ル化させることにより前記ゲル状の高分子固体電解質層
を形成する工程を有するシート状電解質の製造方法。
【0012】
【作用】本発明のシート状電解質は、液体電解質を固体
電解質で封入した形態を採っているので、例えば導電率
が高い等の液体電解質の利点と、液漏れがなく、機械的
強度が大きい等の固体電解質の利点を合わせもつ。ま
た、本発明のシート状電解質においては、上記の電解質
が多孔質のシート状基体に担持されているので、機械的
強度が特に高い。
【0013】なお、本発明に用いられる多孔質のシート
状基体は、電解液貯蔵をその主機能としているため、従
来セパレータに一般に用いられている微多孔質膜である
必要はない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のシート状電解質は、多孔
質のシート状基体、この基体に含浸された電解液、およ
びこの基体に含浸された電解液を包囲するゲル状の高分
子固体電解質層を備える。多孔質のシート状基体として
は、通常の多孔質膜の他、不織布も含む。ゲル電解質
は、電解質溶液を保持可能な高分子物質に、電解質溶液
を保持させてゲル化させたものである。
【0015】本発明のシート状電解質は、その厚さが2
0〜200μmであることが好ましい。厚さが50〜1
00μmのものは、従来のゲル電解質のみのものでも存
在していたが、厚さが50μm未満のものは、本発明の
構成とすることにより初めて達成された。以下、本発明
について、詳細に説明する。
【0016】電解質溶液を保持可能な高分子物質 本発明では、上記したように固体電解質を多孔質膜に担
持させる場合もあるので、単独で自立膜化が可能な高分
子物質に限らず、自立膜化が不可能なために従来はゲル
電解質材料として使用できなかった高分子物質も用いる
ことができる。
【0017】本発明で用いることが可能な高分子物質の
具体例としては、公知のゲル型SPE用高分子として、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデ
ン−塩化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体〔P
(VDF−CTFE)〕、フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素
ゴム〔P(VDF−TFE−HFP)〕、フッ化ビニリ
デン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテルフッ素ゴム等のフッ素系高分子、とりわ
け、ポリフッ化ビニリデン系の樹脂であるフッ化ビニリ
デン系ポリマーとしては、フッ化ビニリデンが50重量
%以上、特に70重量%以上であるものが好ましく、特
に、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)との共重合体、フッ化ビ
ニリデンと塩化3フッ化エチレンとの共重合体〔P(V
DF−CTFE)〕が好ましい。VDF−CTFE共重
合体は、例えばセントラル硝子(株)から商品名「セフ
ラルソフト(G150,G180)」として、日本ソル
ベイ(株)から商品名「ソレフ31508」等として販
売されている。また、VDF−HFP共重合体は、エル
フアトケム社から商品名「KynarFlex2750(VDF:HFP=85:1
5wt%) 」、「KynarFlex2801(VDF:HFP=90:10wt%) 」等と
して、日本ソルベイ(株)から商品名「ソレフ1100
8」、「ソレフ11010」、「ソレフ21508」、
「ソレフ21510」等として販売されている。
【0018】なお、上記高分子物質のうち、例えば〔P
(VDF−TFE−HFP)〕は、従来、電解質溶液に
よるゲル化は可能であったが、自立膜とすることは困難
であった。しかし、本発明では、電解質溶液でゲル化し
た〔P(VDF−TFE−HFP)〕を多孔質膜に保持
させることにより、自立膜化することが可能になった。
【0019】電解質溶液 電解質は、適用される電池の種類に応じて適宜選択すれ
ばよい。例えばリチウム2次電池に適用する場合には、
LiPF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiAs
6 、LiSO3 CF3 、(CF3 SO2 2 NLi等
から1種または2種以上を選択して用いればよい。
【0020】電解質溶液の溶媒としては、リチウム2次
電池等への応用を考えると、高い電圧をかけた場合にも
分解の起こらないものが好ましく、例えば、エチレンカ
ーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(P
C)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカー
ボネート等のカーボネート類、テトラヒドロフラン(T
HF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオ
キソラン、4−メチルジオキソラン、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメトキシエ
タン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、エ
チルジグライム等の非水溶媒が好ましい。
【0021】以上のような溶媒中に電解質が溶解されて
電解質溶液とされる。上記のような非水溶媒系の電解質
塩の濃度は、好ましくは0.5〜3モル/リットルであ
る。
【0022】ゲル電解質層 ゲル電解質層の具体的な作成方法について述べる。前述
した高分子材料を適当な溶媒を用いて溶解させる。例え
ばアセトン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル等が利用
できる。溶媒に対する高分子材料の濃度は5〜40重量
%である。さらに電解質とゲル化させるためにはリチウ
ム塩を含む電解液溶液を添加し、その後冷却させ膜化す
る。ゲル電解質を作成するとき、電解液と高分子との重
量比は、好ましくは20〜80:80〜20とする。も
しくは公知技術の一つである微多孔膜作成手段を用いて
PCあるいはDBPを添加して塗布膜化しその後PCあ
るいはDBPを抽出して、微多孔膜化させこれに電解液
を含浸させゲル化膜とすることもできる。あるいは、膨
潤性のあるフィルムを用い、電解液に含浸させゲル化膜
としてもよい。いずれの場合も表面付近のみがゲル化膜
となっている。
【0023】多孔質のシート状基体 上記多孔質のシート状基体は、厚さが10〜100μm
程度の多孔質膜が好ましい。多孔質膜は、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の材質のもので、空孔の平均径が
0.01〜1μm程度で、空孔率が30〜60%程度の
ものが好ましい。この多孔質膜としては、不織布の形態
のものも用いることができる。不織布としては、ポリプ
ロピレン系の材料で、目付量が5g/m2〜30g/m2程度厚
さが10〜100μm 程度のものが好ましい。従って、
この多孔質膜は、従来溶液系で用いられているセパレー
タとはその材質、空孔の平均径、空孔率等が異なってい
てもよい。
【0024】多孔質膜としては、予め上記高分子物質を
担持した状態のものであってもよい。この場合には、高
分子物質を担持した多孔質膜を電解質溶液(必要に応じ
て加温してもよい)中に浸漬する等して含浸させ、ゲル
化してもよい。多孔質膜に高分子物質を担持させる方法
は、高分子物質をバインダーとともに多孔質膜に吹き付
けて担持させる方法や、高分子物質と樹脂を混合し、シ
ート状化し、これを延伸することにより多孔質膜に高分
子物質を担持させた状態とする方法等がある。
【0025】電解質溶液を保持可能な高分子物質と混合
される樹脂は、延伸による膜状化が可能で、かつ、延伸
による多孔質化が可能であれば特に限定されず、結晶性
を有する各種樹脂、例えばポリオレフィン、ポリアミ
ド、ハロゲン含有ビニル系ポリマー、ポリエステル等か
ら適宜選択すればよいが、好ましくはポリオレフィンを
用いる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレンが好ましく、特にポリエチレンが好ましい。
【0026】ゲル電解質層の形成 上記のようなゲル電解質溶液を、多孔質のシート状基体
に含浸させ、あるいは高分子物質を担持した多孔質のシ
ート状基体に電解液を含浸させたのち、表面部分のゲル
電解質溶液をゲル化して、ゲル電解質層を形成する。
【0027】ゲル化方法はゲル電解液を多孔質のシート
に塗布した後表面付近をゲル化させればよい。これによ
り表面付近のみゲル化層が形成される。もしくはゲル化
膜が微多孔膜化していれば、電解液を注入することによ
りゲル化成分の存在する表面付近のみゲル化膜となる。
さらに電解液に浸すことにより膨潤ゲル化する高分子材
料の場合は多孔質のシート上に塗布し電解液に含浸させ
た後、表面付近を加熱することにより連続的な電解液に
よりゲル化した膜となる。
【0028】このようにして形成されるゲル電解質層の
厚さは、電解質溶液(ゲル化させない部分)の層の厚さ
の2分の1から10分の1程度で、5〜30μm程度と
することが好ましい。
【0029】ゲル電解質層の厚さを以上のようにするこ
とにより、上記した電解液の利点とゲル電解質の利点を
ともに保有することができる。
【0030】電池 本発明のゲル電解質が適用される電池は特に限定されな
いが、シート型や円筒型等の各種リチウム2次電池が特
に好ましい。上記の多孔質膜に担持されたゲル電解質
は、セパレータとしても用いることができる。
【0031】また、本発明のシート状電解質と組み合わ
せる電極は、好ましくは電極活物質、前記ゲル電解質、
必要により導電助剤との組成物を用いる。
【0032】負極には、炭素材料、リチウム金属、リチ
ウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用
い、正極は、リチウムイオンがインターカレート・デイ
ンターカレート可能な酸化物または炭素のような正極活
物質を用いることが好ましい。このような電極を用いる
ことにより良好な特性のリチウム2次電池を得ることが
できる。
【0033】電極活物質として用いる炭素材料は、例え
ば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あ
るいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラッ
ク、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉
末として用いられる。
【0034】リチウムイオンがインターカレート・デイ
ンターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む
複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiM
24、LiNiO2、LiV24などが挙げられる。
この酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm 程度であ
ることが好ましい。
【0035】必要により添加される導電助剤としては、
好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケ
ル、アルミ、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛が好
ましい。
【0036】電極組成は、正極では活物質:導電助剤:
ゲル電解質=30〜90:3〜10:10〜70重量%
の範囲が好ましく、負極では活物質:導電助剤:ゲル電
解質=30〜90:0〜10:10〜70重量%の範囲
が好ましい。
【0037】本発明では、上記負極活物質および/また
は正極活物質、好ましくは両活物質を、上述したゲル電
解質溶液中に混合して集電体表面に接着させる。
【0038】その作製方法は例えば、ゲル電解質溶液に
活物質、必要に応じて炭素材料、金属などの導電助剤等
を混合した電極塗布溶液を銅箔、アルミ箔などの集電体
上に塗布し、溶媒を蒸発させて作製する。なお、集電体
は金属箔、金属メッシュなどが通常使用される。金属箔
よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくな
るが、本発明のゲル電解質の場合は金属箔でも十分接触
抵抗が小さくなる。
【0039】このように、電極にもゲル電解質と同一の
高分子材料を用いることにより、ゲル電解質との接着性
が向上し、内部抵抗が減少する。なお、負極活物質にリ
チウム金属、リチウム合金を用いる場合には、負極活物
質とゲル電解質との組成物を用いなくても良い。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 実施例1 ゲル電解質溶液 高分子物質 PVDF Kynar 2801(エルフ・アトケム社製) (ポリフッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンの共重合体) 電解液 1M LiClO4 /PC系溶媒(EC+PC エチレン カーボネート:プロピレンカーボネート=1:1(体積比)の混合溶媒) (ELと略す) 溶媒 アセトン (Acと略す) 上記各成分を重量比でPVDF:EL:Ac=3:7:
5を室温で混合し、溶解してゲル電解質溶液を調整し
た。
【0041】このゲル電解質溶液成分を基体となる不織
布(ポリプロピレン製、目付量25g/m2、厚さ90μ
m、直径25mmの円形)表面に均一に塗布し、厚さ5
μm程度のゲル電解質層を形成し、これをLiClO4
/PC系溶媒(EC:PC=1:1(体積比)の混合溶
媒)電解液に含浸させ実施例1のシート状電解質を形成
した。この場合表面付近のみゲル化した電解液層が形成
される。これに対し、内部に液状部分を残さず全体を完
全にゲル化させたものを比較例1のシート状電解質とし
た。
【0042】表面付近のみの場合と異なり、粘度を上げ
ることにより多孔質シートの内部まで侵入する。
【0043】これらの実施例1と比較例1のシート状電
解質の25℃における導電率を測定した。導電率の測定
は、交流インピーダンス測定法を用いた。測定は、上記
それぞれのシート状電解質を直径20mmの円形のSU
S304製の電極で挟んで測定した。その結果、比較例
の導電率は、1.3×10-3S/cmであり、実施例の
導電率は、3×10-3S/cmであった。このように、
本発明の実施例のシート状電解質の導電率は比較例のも
のに比べて高かった。
【0044】上記ゲル電解質溶液に対して、正極活物質
としてLiCoO2 を、導電助剤として、カーボンブラ
ックを用いた。これらを、重量比で2:7.5:1.2
となるように秤量し、室温下でゲル電解質溶液に正極活
物質と導電助剤を分散・混合して正極用スラリとした。
得られたスラリをドクターブレード法により塗膜化して
乾燥し、正極とした。
【0045】また、上記ゲル電解質溶液に対し、負極活
物質として黒鉛用いた。これらを、重量比で2:1とな
るように秤量し、室温下でゲル電解質溶液に負極活物質
を分散・混合して負極用スラリとした。得られたスラリ
をドクターブレード法により塗膜化して乾燥し、負極と
した。
【0046】このようにして得られた実施例および比較
例のシート状電解質、正極および負極を用いて実施例1
および比較例1の電池を作製し、充放電特性を測定し
た。測定に際しては、定電流定電圧で充放電を行い、電
流密度は20mA/dm2 とした。測定の結果、本発明
の実施例1の電池においては、正極活物質1gあたりの
放電容量は、115mAh/gであった。一方、比較例
1の電池においては、正極活物質1gあたりの放電容量
は、108mAh/gと低かった。
【0047】実施例2 この実施例では、高分子物質として熱可塑性フッ素樹脂
を用いた他は実施例1、比較例1と同様にして実施例
2、比較例2のシート状電解質、およびこれらのシート
状電解質を用いた実施例2および比較例2ののリチウム
2次電池を作製した。上記熱可塑性フッ素樹脂として
は、具体的には、商品名 セフラルソフト(セントラル
ガラス社製:主鎖がフッ化ビニリデンと塩化フッ化エチ
レンの共重合体からなり、側鎖がポリフッ化ビニリデン
からなる構造のもの)を用いた。
【0048】これらについても、実施例1、比較例1と
同様にして、シート状電解質については導電率を、電池
については、正極活物質1gあたりの放電容量を測定し
たところ、比較例の導電率は1.6×10-3S/cmで
あり、実施例の導電率は3×10-3S/cmであった。
また、比較例の放電容量は125mAh/gであり、実
施例の放電容量は108mAh/gであった。
【0049】実施例3 実施例1において、電解質の液体部分の層の厚さと、固
体部分の層(ゲル電解質層)の厚さの比を表1のように
変化させて、サンプルNo.3−1〜3−7のシート状
電解質を得た。これらの抵抗を測定した。その結果を表
1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】ゲル化膜を薄くすると電池作成時に不均一
性に基づく短絡を生じやすくなる。一方厚くすれば全体
が高抵抗になり、望ましくない。
【0052】この結果から、電解質の液体部分の層の厚
さと、固体部分の層(ゲル電解質層)の厚さの比は、1
/2〜1/10が好ましいことが確認できた。
【0053】以上の実施例により、本発明の効果が明ら
かである。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 長 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 宮越 俊伸 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−96788(JP,A) 特開 平10−162802(JP,A) 特開 平10−269847(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 6/18 H01M 6/22

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質のシート状基体およびこの基体に
    含浸された電解液の層を備え、前記基体に含浸された電
    解液の層を包囲するゲル状の高分子固体電解質層を前記
    基体表面に備えており、 前記ゲル状の高分子固体電解質層はフッ化ビニリデン系
    のポリマーを含有するシート状電解質。
  2. 【請求項2】 前記フッ化ビニリデン系のポリマーは
    〔P(VDF−TFE−HFP)〕である請求項1のシ
    ート状電解質。
  3. 【請求項3】 前記ゲル状の高分子固体電解質層の厚さ
    が、前記基体に含浸された電解液の層の厚さの2分の1
    から10分の1の範囲である請求項1または2に記載の
    シート状電解質。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のシート状電解質をセパレータとして用いたリチウム2
    次電池。
  5. 【請求項5】 多孔質のシート状基体およびこの基体に
    含浸された電解液の層を備え、前記基体に含浸された電
    解液を包囲するゲル状の高分子固体電解質層を前記基体
    表面に備えたシート状電解質の製造方法であって、 微多孔膜に電解液を注入し、ゲル化成分の存在する表面
    付近のみゲル化させることにより前記ゲル状の高分子固
    体電解質層を形成する工程を有するシート状電解質の製
    造方法。
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