JP4406946B2 - 固体電解質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムイオン電池等に用いられる固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯型のパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ等に用いられる2次電池には、高エネルギー密度でしかも充放電サイクル寿命の長いことが求められる。2次電池としては、従来から鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池などが利用されているが、さらに高エネルギー密度の2次電池としてリチウムイオン2次電池が実用化されている。
【0003】
従来、このような2次電池の電解質には、液体が用いられるのが一般的であったが、電解質を固体状にできれば、液漏れの防止やシート構造化が可能となる。このため、固体状電解質を利用する電池は、次世代タイプとして注目されている。特に、現在、携帯型のパーソナルコンピュータ等での利用が急速に広まっているリチウムイオン2次電池を、シート化、積層小型化することができれば、さらに応用範囲が広がるものとして期待されている。
【0004】
こうした固体状電解質としては、セラミックス材料、高分子材料あるいはそれらを複合化した材料を用いるものが提案されている。中でも、電解質溶液を用いて高分子物質を可塑化することにより得られるゲル電解質は、液体系の高導電率と高分子系の可塑性とを兼ね備えているため、固体電解質開発の上で有望視されている。
【0005】
ところで、ゲル電解質を電池に利用した例は、すでに米国特許第3,985,574号明細書に開示されている。その中で、過塩素酸アンモニウム等の支持電解質と、プロピレン・カーボネート等の溶媒とを取り込んでゲル化したポリアセタールを、セパレータや正極に用いる例が示されており、負極にはリチウムを用いて電池を構成している。
【0006】
また、米国特許第5,296,318号明細書では、リチウム・インターカレーション電池の正極・負極およびセパレータの高分子マトリクスに、フッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとの共重合体を用いている。
【0007】
しかし、これらのゲル電解質については、以下に挙げる点が問題となっている。
1)通常の液体系電解質に比べ、熱的に不安定であるため、使用温度範囲が限られること、
2)機械的強度が低いこと、
3)結晶化の抑制が困難であること等から、保持できる電解液濃度に限界がある。
【0008】
ゲル電解質においては、すでに開示されてきたように、電解液と可塑剤を用いて高分子をゲル化した後、冷却し膜化する作製工程を採用しているため、当然のことながら高温における耐溶剤性あるいは室温における相分離は避けられない問題であり、上記上2点の問題点は、それらに起因する本質的な問題であると推定される。例えば、上記米国特許第5,296,318号に開示されたPVDF系コポリマーを用いた電解質の内容からすれば、60℃以上でゲル電解質は安定に使用できない。すなわち、米国特許第5,296,318号に開示された内容からすれば、ゲル電解質はリチウムイオン電池に利用される電解液に完全に溶解されてしまうものと考えられる。
【0009】
こうした問題点を回避する方策として、SiO2 、Al2 O3 、LiAlO2 等をフィラーとして添加する方法が提案されている。この方法では、ゲル電解質の機械的強度は増加するが、伝導度が急激に低下してしまう。また、これらのフィラーは、電解液と静電的に結合するため、本質的に高分子材料とは分離している。その結果、高分子系固体電解質の本質的改良とはなっていない。その結果、使用できる温度範囲は無添加のものと変わらず、未解決となっていた。また、上記のフィラーは一般に気相成長により合成された微粒子であり、実用上凝集しやすく膜化にあたり障害となっていた。
【0010】
また、PVDFホモポリマー等を用いた場合には、結晶化しやすく、均一膜化が困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のものに比べ、使用温度範囲が広く、また機械的強度もあり、なお伝導度は実用に供するレベルを維持することのできる固体電解質を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)の構成により達成される。
(1)リチウム電池あるいはリチウムイオン電池に利用されるフッ素系高分子を用いた固体電解質において、上記フッ素系高分子及びリチウム塩電解液以外の第三成分として、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体が添加されており、フッ素系高分子及び第三成分の共重合体の比が、重量比で、70〜95:30〜5であり、リチウム塩電解液と、フッ素系高分子及び第三成分の共重合体から構成される高分子成分と、の重量比が、20〜80:80〜20である、ことを特徴とする固体電解質。
【0013】
【作用および効果】
本発明の固体電解質においては、上記のように、リチウム塩電解液以外の第三成分として、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体を添加したことにより次のような作用・効果を奏する。
【0014】
1)モーフォロジーの変化
従来の固体電解質すなわちゲル電解質の作製方法によれば、ゲル化する高分子材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)あるいはこれらと関連するフッ素系樹脂、フッ素系ゴムさらにはポリアクリルニトリル系の材料が使用されている。この高分子とリチウム塩を含む可塑剤さらにリチウム電池等で用いられる非水系の電解液を種々の条件下で溶解させる。これらの溶液は、室温下であるいは冷却下で膜化させられる。系により、あるいは溶媒により溶解条件は異なるが、当然のことながら、電解液濃度を増加するにつれて溶解度に限界があるため、相分離する。また、仮にある条件下において、溶解したとしても固化する過程において相分離する。したがって、これらの膜は、伝導度としては、ゲル系の標準的な伝導度を示すが、モーフォロジーを観察すると、図1の写真から分かるように典型的な相分離状態を示している。
【0015】
しかしながら、本発明の固体電解質においては、上記のETFEを添加したことにより、伝導度は上記の従来のものと同レベルでありながら、モーフォロジーは、図2の写真から分かるように、ETFE以外は相分離を示す形態ではなく、高分子膜と同等な均一な膜となっている。したがって、本発明の固体電解質の膜は、自立性があり、機械的強度が大きい。また、この膜は、60℃以上となっても高分子物質と電解液が相分離することがなく、熱的にも安定である。
【0016】
2)伝導度
従来、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、ポリフッ化ビニリデンは結晶化の進行が早いため、電解液の保持性が劣り、10-3S/cmレベルの伝導度を確保することができなかった。これに対し、本発明においては、上記のようにETFEを添加したことにより、ポリフッ化ビニリデンの結晶化を抑制し、これにより十分な電解液濃度とすることができ、10-3S/cmレベルの伝導度を達成することができる。
【0017】
なお、ETFEをPVDF中に添加する技術は、米国特許5451919号明細書に開示されているが、この技術は、ポリマーPTC用途であり、本発明とは、その技術分野が全く異なる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、リチウム電池あるいはリチウムイオン電池に利用されるフッ素系高分子を用いた固体電解質において、リチウム塩電解液以外の第三成分として、上記ETFEが添加されている。ここで、ETFEとは、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体をいう。
【0019】
ETFE
ETFEは、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体であり、その共重合比は、エチレン:テトラフルオロエチレン=40〜60:60〜40(モル%)程度のものが採用され、その重量平均分子量は1×105〜1×107、特に5×105〜1.2×106程度である。このETFEは、主にその結晶性を改良するため、その組成中に、例えば下記のような成分を含有していてもよい。
【0020】
1)フッ素化ビニルモノマー
R−CF=CF2,ROCF=CF2 R:アルキル基
2)フッ素化ビニルエーテル
XCF2(CF2)nOCF=CF2
X:F,H,Cl n:1〜7
代表例 パーフルオロエチルビニルエーテル
3)ハイドロフルオロカーボンモノマー
4)炭化フッ素化ビニルエーテルモノマー
n−ブチルトリフルオロビニルエーテル
5)ビニルエステル
酢酸ビニル
6)RfCH2CX=CH2,RfOCH2CX=CH2
Rf:1〜7個の炭素原子のパーフルオロアルキル基
X:HまたはCH2
で表されるアリル化合物,メタクリル化合物
7)フルオロオレフィン
CH2=CHCnF2n+1(n=2〜10)
例 (パーフルオロブチル)エチレン
【0021】
ETFEの具体例としては、例えば、アフロンCOP(旭硝子)、ネオフロン(ダイキン)、テフゼル(デュポン)が挙げられる。
【0022】
フッ素系高分子物質
本発明では、ETFEを添加しているので、単独で自立膜化が可能な高分子物質に限らず、自立膜化が不可能なために従来はゲル電解質材料として使用できなかったフッ素系高分子物質も、用いることができる。
【0023】
本発明で用いることが可能なフッ素系高分子物質の具体例としては、公知のゲル型フッ素系高分子が挙げられる。このようなフッ素系高分子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体〔P(VDF−CTFE)〕、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム〔P(VDF−TFE−HFP)〕、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルフッ素ゴム等が好ましい。フッ化ビニリデン系ポリマーとしては、フッ化ビニリデンが50重量%以上、特に70重量%以上(上限値は97重量%程度である)であるものが好ましく、特に、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、フッ化ビニリデンと塩化3フッ化エチレンとの共重合体〔P(VDF−CTFE)〕が好ましい。共重合体とすることにより、結晶性が低くなり、電解液を含浸しやすくなり、またこれを保持しやすくなる。
【0024】
VDF−CTFE共重合体は、例えばセントラル硝子(株)から商品名「セフラルソフト(G150,G180)」として、日本ソルベイ(株)から商品名「ソレフ31508」等として販売されている。また、VDF−HFP共重合体は、エルフアトケム社から商品名「KynarFlex2750(VDF:HFP=85:15wt%) 」、「KynarFlex2801(VDF:HFP=90:10wt%) 」等として、日本ソルベイ(株)から商品名「ソレフ11008」、「ソレフ11010」、「ソレフ21508」、「ソレフ21510」等として販売されている。
【0025】
なお、上記高分子物質のうち、例えば〔P(VDF−TFE−HFP)〕は、従来、電解質溶液によるゲル化は可能であったが、自立膜とすることは困難であった。しかし、本発明では、ETFEを添加することにより、自立膜を形成することが可能である。
【0026】
電解質溶液
電解質は、適用される電池の種類に応じて適宜選択すればよい。例えばリチウム2次電池に適用する場合には、LiPF6 、LiClO4 、LiBF4 、LiAsF6 、LiSO3 CF3 、(CF3 SO2 )2 NLi等から1種または2種以上を選択して用いればよい。
【0027】
電解質溶液の溶媒としては、リチウム2次電池等への応用を考えると、高い電圧をかけた場合にも分解の起こらないものが好ましく、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、エチルジグライム等の非水溶媒が好ましい。このような非水溶媒系の電解質塩の濃度は、0.5〜3モル/リットルである。
【0028】
ゲル電解質の製造方法
まず、上記高分子物質と上記第三成分の共重合体と電解液(例えばLiClO4を塩としてPCを溶媒としたもの)を混合し適当な溶媒に分散・溶解させる。これを高分子溶液と称する。このときの溶媒は、上記高分子物質と上記第三成分の共重合体が溶解可能な各種溶媒から適宜選択すればよく、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル等を用いることが好ましい。溶媒に対する上記高分子物質と上記第三成分の共重合体および電解液の合計の濃度は10〜70重量%が好ましく、また上記高分子物質と上記第三成分の共重合体の比は、重量比で、70〜95:30〜5であることが好ましい。電解液とゲル化するときの高分子成分(上記高分子物質と上記第三成分の共重合体)との重量比は、20〜80:80〜20であることが好ましい。
【0029】
次いで、上記ゲル電解質溶液を、平坦基板上に塗布する。この基板は、平滑なものならどのようなものでも用いることができ、例えば、ポリエステルフィルム、ガラス、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等を用いることができる。ゲル電解質溶液を基体に基板に塗布するための手段は特に限定されず、基板の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用される。その後、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行なう。
【0030】
塗布後に、高分子を溶解したときの溶媒を蒸発させれば、ゲル電解質のシートあるいはフィルムが出来上がる。溶媒を蒸発させるときの温度は室温でも良いが、加熱しても良い。出来上がったゲル電解質は半透明で弾力性があるものとなり、現在のところ厚さ10〜200μm程度のものが得られている。
【0031】
電池および電気2重層キャパシタ
本発明のゲル電解質が適用される電池は特に限定されないが、シート型や円筒型等の各種リチウム2次電池が特に好ましい。上記の多孔質膜に担持されたゲル電解質は、セパレータとしても用いることができる。
【0032】
また、ゲル電解質と組み合わせる電極は、好ましくは電極活物質、前記ゲル電解質、必要により導電助剤との組成物を用いる。
【0033】
負極には、炭素材料、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質を用い、正極は、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物または炭素のような正極活物質を用いることが好ましい。このような電極を用いることにより良好な特性のリチウム2次電池を得ることができる。
【0034】
電極活物質として用いる炭素材料は、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラック、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉末として用いられる。
【0035】
リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV2O4などが挙げられる。この酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm 程度であることが好ましい。
【0036】
必要により添加される導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケル、アルミ、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛が好ましい。
【0037】
電極組成は、正極では活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:3〜10:10〜70重量%の範囲が好ましく、負極では活物質:導電助剤:ゲル電解質=30〜90:0〜10:10〜70重量%の範囲が好ましい。
【0038】
本発明では、上記負極活物質および/または正極活物質、好ましくは両活物質を、上述したゲル電解質溶液中に混合して集電体表面に接着させる。
【0039】
その作製方法は例えば、ゲル電解質溶液に活物質、必要に応じて炭素材料、金属などの導電助剤等を混合した電極塗布溶液を銅箔、アルミ箔などの集電体上に塗布し、溶媒を蒸発させて作製する。なお、集電体は金属箔、金属メッシュなどが通常使用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくなるが、本発明のゲル電解質の場合は金属箔でも十分接触抵抗が小さくなる。
【0040】
このように、電極にもゲル電解質と同一の高分子材料を用いることにより、ゲル電解質との接着性が向上し、内部抵抗が減少する。なお、負極活物質にリチウム金属、リチウム合金を用いる場合には、負極活物質とゲル電解質との組成物を用いなくても良い。
【0041】
さらに、本発明の高分子固体電解質、電極はまた、電気2重層キャパシタに有効である。
【0042】
分極性電極に用いられる集電体は、導電性ブチルゴム等の導電性ゴムなどであってよく、またアルミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成してもよく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設してもよい。
【0043】
電気2重層キャパシタには、このような分極性電極と、上記ゲル電解質とを組み合わせる。
【0044】
電解質塩としては、(C2H5)4NBF4、(C2H5)3MeNBF4、(C2H5)4PBF4等が挙げられる。
【0045】
電解液に用いる非水溶媒は、公知の種々のものであってよく、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン単独または混合物が好ましい。
【0046】
このような非水溶媒系の電解質溶液における電解質の濃度は、0.5〜3モル/リットルとすればよい。
【0047】
絶縁性ガスケットとしては、ポリプロピレン、ブチルゴム等の絶縁体を用いればよい。
【0048】
本発明のゲル電解質が使用される電気2重層キャパシタの構造は特に限定されない。コイン型、ペーパー型、積層型等と称されるいずれのものであってもよい。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
固体電解質を作製するために、以下の条件で電解質原料を合成した。
【0050】
実施例1
ゲル電解質
高分子物質 PVDF Kynar 2801(エルフ・アトケム社製)
(ポリフッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンの共重合体)
電解液 1M LiClO4 /PC(プロピレンカーボネート)(ELと略す)
溶媒 アセトン (Acと略す)
ETFE アフロンCOP(旭硝子)
【0051】
上記各成分を重量比でPVDF:EL:Ac:ETFE=1:3:10:0.1となるように秤量した後、これらをホモジナイザーを用いて室温下で混合、溶解して、スラリー状のゲル電解質溶液を得た。
【0052】
このゲル電解質溶液を、石英ガラス基板上にドクターブレード法により塗布し、乾燥し、石英ガラス基板上から剥離して、Acを蒸発させ、PVDF/1M LiClO4 /ETFE/PCからなる実施例1の透明なゲル電解質フィルム(シート)を得た。このフィルムの膜厚は100μmであった。
【0053】
一方、ETFEを添加しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、PVDF/1M LiClO4 /PCからなる比較例1の透明なゲル電解質フィルム(シート)を得た。このフィルムの膜厚は100μmであった。
【0054】
以上の実施例1および比較例1の25℃における導電率E25、および150℃で5分間保持した後の導電率E150を測定した。導電率の測定は、交流インピーダンス測定法を用いた。測定は、それぞれのゲル電解質を直径10mmの円形に切り抜き、直径20mmの円形のSUS304製の電極で挟んで測定した。
【0055】
比較例1のE25は3×10-3S/cmで、実施例1のE25は2×10-3S/cmであった。すなわち、E25においては、実施例1では、わずかに比較例1に劣ったが10-3S/cm台の伝導率が得られた。
【0056】
一方、比較例のE150は測定不可能であったが、これに対し、実施例1のE150は0.9×10-3S/cmであり、値は減少しているものの使用温度における効果が見られた。
【0057】
実施例2
高分子物質として、実施例1および比較例1のKynar 2801の代わりに、PVDFホモポリマー系材料(具体的には、kynar 741)を用いたこと以外は、実施例1および比較例1と同様にして実施例2および比較例2のゲル電解質を作製した。
【0058】
比較例2においては、PVDFホモポリマー系材料の結晶化が進み、自立膜を形成することができなかった。
【0059】
これに対し、本実施例2においては、PVDFホモポリマー系材料にほとんど結晶化が生ぜず、良好な自立膜が得られた。実施例2のゲル電解質につき、実施例1と同様にしてE25およびE150を測定したところ、それぞれ、2×10-3S/cm、0.8×10-3S/cmであった。
【0060】
実施例3
この実施例では、高分子物質として熱可塑性フッ素樹脂を用いた他は実施例1と同様にして実施例2のリチウム2次電池を作製した。上記熱可塑性フッ素樹脂としては、具体的には、商品名 セフラルソフト(セントラルガラス社製:主鎖がフッ化ビニリデンと塩化フッ化エチレンの共重合体からなり、側鎖がポリフッ化ビニリデンからなる構造のもの)を用いた。
【0061】
実施例4
高分子物質として、実施例1のKynar 2801の代わりに、PMMA(具体的には、ポリメチルメタクリレート:アクリペットVH(三菱レーヨン))を用いたこと以外は、実施例1および比較例1と同様にして実施例3のゲル電解質を作製した。実施例3のゲル電解質につき、実施例1と同様にしてE25を測定したところ、1.5×10-3S/cmと高かった。
【0062】
実施例5
正極活物質として、LiCoO2 を、導電助剤として、カーボンブラックを、バインダとしてPVDFを用意し、活物質:導電助剤:バインダ=92:4:4(重量比)となるように秤量し、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を用いてペースト化した。得られたペーストをドクターブレード法により塗膜化して乾燥し、正極とした。
【0063】
また、負極活物質としてフェノール樹脂を高温で炭化した樹脂系炭素材料を、バインダとしてPVDFを用い、負極活物質:バインダ=92:8となるように秤量し、以降は正極の場合と同様にして負極を作製した。
【0064】
上記実施例1のゲル電解質を挟んで上記正極と負極とを積層してセルを作製し、充放電特性を測定した。測定に際しては、定電流定電圧で充放電を行い、電流密度は20mA/dm2 とした。測定の結果、正極活物質1gあたりの放電容量は、110mAh/gであった。
【0065】
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面代用写真であって、従来の固体電解質のモーフォロジーを示す顕微鏡面写真である。
【図2】図面代用写真であって、本発明の固体電解質のモーフォロジーを示す顕微鏡面写真である。
Claims (1)
- リチウム電池あるいはリチウムイオン電池に利用されるフッ素系高分子を用いた固体電解質において、前記フッ素系高分子及びリチウム塩電解液以外の第三成分として、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体が添加されており、
前記フッ素系高分子及び前記第三成分の共重合体の比が、重量比で、70〜95:30〜5であり、
前記リチウム塩電解液と、前記フッ素系高分子及び前記第三成分の共重合体から構成される高分子成分と、の重量比が、20〜80:80〜20である、ことを特徴とする固体電解質。
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