JP3842442B2 - 高分子固体電解質およびこれを用いた電気化学デバイス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池、キャパシタ、ディスプレイ、センサー等の電気化学デバイスに好適に用いることができる高分子固体電解質、およびこの高分子固体電解質を用いた電気化学デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気化学デバイスにおいては、電解質として水溶液あるいは有機溶媒を用いた非水溶液(電解液)が多く用いられてきたが、密閉の必要性、安全性の確保等に問題があるため、柔軟性、弾性、軽量性、薄膜形成性、透明性等を持ち合わせたイオン伝導性高分子の必要性が増してきている。特に、エレクトロニクス製品の重要部品である電池等の電気化学デバイスにおいては、軽量化、コンパクト化、形状自由度、大面積化等の要請から、イオン伝導性高分子を電解質に用いる2次電池等の電気化学デバイスの開発が積極的に進められている。
【0003】
イオン伝導性高分子を用いた例としては、ポリエチレンオキシド(PEO)や、ポリプロピレンオキシド(PPO)等のポリエーテルおよびその誘導体などの高分子とLi等を含む電解質塩とから構成されるタイプ(均一型、ドライ型)、高分子に可塑剤を混合して、電気化学的特性を改善したタイプ(ハイブリッド型・ゲル型)、また、電解質の複合塩を高分子で保持したタイプ(PIS:Polymer in Salt )等がある。
【0004】
現在、高分子固体電解質(SPE)を用いたポリマーバッテリー等の開発においては、その高いイオン伝導度から、主にゲル型のSPEが研究の中心であり、PEO系、PAN(ポリアクリロニトリル)系、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)系等の高分子が実用性が高いとされている。この中で、PVDFは耐熱性、耐薬品性に優れ、十分な機械的強度を有していることから、古くからSPEとして研究されている。しかしながら、高分子の結晶部分は、イオン伝導に寄与しないとされていることから、高い結晶性を有しているPVDFは、現状のままではSPEとして不利であり、このため、6フッ化プロピレン(HFP)や、トリフルオロエチレン(TrFE)や、テトラフルオロエチレン(TFE)を用いた、P(VDF−HFP):米国特許第3985574号明細書、P(VDF−TFE),P(VDF−TrFE):特開昭58−75779号公報等の共重合体が提案されている。
【0005】
例えば、米国特許第5296318号明細書には、フッ化ビニリデン(VDF)と8〜25wt%の6フッ化プロピレン(HFP)の共重合体〔P(VDF−HFP)〕に、リチウム塩が溶解した溶液が20〜70wt%含まれているゲル電解質が開示されている。このゲル電解質の導電率は10-3S・cm-1に達する。元来、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)は結晶性高分子で比較的耐薬品性に優れた高分子である。すなわち、PVDFをよく溶解させる溶媒もあるが、かといってどのような溶媒にも溶解するわけではなく、フッ素樹脂のなかでは使いやすい樹脂のひとつであった。事実、PVDFはリチウムイオン2次電池の正負極活物質の結着剤として使用されている。上記特許に記載されているPVDFはVDFとHFPの共重合体であり、HFPがPVDFの結晶化度を低下させている。このようなVDF−HFP共重合体は、溶媒を多量に含むことが可能であり、また、リチウム塩の結晶析出も抑制され、さらに強度のあるゲル電解質を作製することができる。
【0006】
しかしながら、VDF−HFP共重合体はHFPがPVDFの結晶化度を低下しているため、上記のような高導電率を得ることが可能となった反面、このような高分子構造が本質的に内包している耐薬品性の低下、融点の低下という欠点を持つことになった。例えば、エルフ・アトケム社製PVDF(ホモポリマー、商品名KYNAR700番シリーズ)の融点は170℃に対し、同じくエルフ・アトケム社製VDF−HFP共重合体、例えばKYNAR2801の融点は145℃である。耐薬品性の低下は電池の電解液にも溶解しやすくなるということであるから、このようなVDF−HFP共重合体をリチウムイオン2次電池や電気2重層キャパシタ等の電気化学デバイスに使用した場合、電極・集電体等との密着性等に問題を生じる。例えば、前記VDF−HFP共重合体を電池に用いた場合、電池の保存特性が劣化する。電池を室温あるいは高温(40℃、60℃、80℃、100℃)で保存した場合、容量劣化が起き、極端な場合には内部ショートが発生する。また、融点の低下によって、高温での使用が制限されたり、上記のように高温保存特性が悪くなる。
【0007】
また、ゲル電解質と溶液系に用いる電極とからセルを構成すると、内部抵抗が高く、全く充放電できない。従って、従来より行われているように、米国特許第5296318号明細書では、電極活物質とゲル電解質とからなる組成物を用いて整合性をとっている。しかし、この特許において示される組成では、塗布する集電体との密着性が小さく、塗布後電極合剤部分が剥離することがあった。これは、PVDFが結晶性樹脂のため塗布・乾燥するときの収縮率が大きいので、集電体から剥離すると考えられる。すなわち、導電率は高くなったが、集電体への密着性は十分ではなかった。また、電気2重層キャパシタでも、より良好なゲル電解質が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、イオン伝導と均一性、基材への接着性が良好な高分子固体電解質、およびこれを用いることで耐久性、保存性の優れた電気化学デバイスを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記のような問題点に鑑み、本発明者らは特願平8−274103号公報において、PVDF共重合体を主鎖/PVDFを側鎖とした高分子を用いたSPEを、また、特願平9−21992号公報において、VDFと塩化3フッ化エチレン(CTFE)の共重合体を用いたSPEを提案している。
【0010】
本発明者らは、さらに多くのフッ素系ポリマーについて検討を重ねた結果、フッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)二元共重合体のゴム状領域およびフッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)−4フッ化エチレン(TFE)三元共重合体のゴム状領域にもSPE用ポリマーとして好適な組成があることを見いだした。従来、ゴム状領域では電解液の保液性と組成の関係は明確ではなかったが、本発明者らによって、ゴム状領域でも電解液がよく保持される領域があることが明らかになった。
【0011】
すなわち、上記の目的は、以下の本発明により達成される。
【0012】
(1)フッ化ビニリデンと、6フッ化プロピレンとのゴム状共重合体であって、前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%である非晶質の高分子と、電解質塩と、有機溶媒と、無機あるいは有機の充填剤とを有する高分子固体電解質。
(2)フッ化ビニリデンと、6フッ化プロピレンと、4フッ化エチレンとのゴム状共重合体であって、前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%である非晶質の高分子と、電解質塩と、有機溶媒と、無機あるいは有機の充填剤とを有する高分子固体電解質。
(3)前記高分子の前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%であり、前記高分子の前記6フッ化プロピレンの含有量が10〜45モル%であり、前記高分子の前記4フッ化エチレンの含有量が0〜35モル%である上記(2)の高分子固体電解質。
(4)上記ゴム状共重合体のガラス転移点が25℃以下である、上記(1)〜(3)のいずれかの高分子固体電解質。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの高分子固体電解質を用いた電気化学デバイス。
(6)リチウム2次電池である上記(5)の電気化学デバイス。
(7)電気2重層キャパシタである上記(5)の電気化学デバイス。
【0013】
【作用】
本発明の高分子固体電解質(SPE)に用いるフッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)二元共重合体およびフッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)−4フッ化エチレン(TFE)三元共重合体のゴム状領域は、おおよそVDF−HFP二元共重合体でのVDFが55〜85モル%の組成に、さらにTFEを0〜35モル%加えた組成域である。この組成域では、ゴム状、つまり非晶質のポリマーであるため、高い膨潤性が得られ、かつ、従来のゴム状共重合体とは違い、高い電解液の保液性が得られる。そのため、高い導電率が得られる。また、本発明のSPEは耐熱性、耐寒性、耐溶剤性等も高い。
【0014】
ゴム状のVDF−HFP二元共重合体でも十分な特性が得られるが、さらにTFEを導入することにより、極めて強いC−F結合が増え、他のC−C結合、C−H結合も強化されるので、耐熱性が向上する。また、VDF−HFP−TFE三元共重合体は、VDFの含有量が同程度であれば、耐寒性もVDF−HFP二元共重合体と同等程度である。耐溶剤性は、フッ素原子の比較的大きい van der Waals 半径はC−C結合を化学薬品の攻撃から保護するので、VDF−HFP二元共重合体よりも優れている。
【0015】
なお、VDF−TFE二元共重合体は結晶性が高く、SPEとして不利である。
【0016】
VDF−HFP二元共重合体、VDF−HFP−TFE三元共重合体は、2成分または3成分の組成を変化させることでゴムの耐熱性、耐寒性、耐溶剤性等が変化する。
【0017】
VDF−HFP二元共重合体およびVDF−HFP−TFE三元共重合体においては、フッ素含有量を増加させる(相対的にVDFを減らす)ことによりガラス転移点が上昇し、耐寒性は低下する傾向があるが、耐溶剤性は良好となる。VDFを減らすと、電気化学デバイスに用いられる種々の電解液の保液性、膨潤性も低下する傾向がある。
【0018】
本発明の高分子はゴム状であるため、結晶成分を一切含まず、また、VDF−HFP二元共重合体およびVDF−HFP−TFE三元共重合体におけるVDFの比率を55モル%以上とすることで、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)等の一部の溶剤への溶解性を確保するとともに、高い電解液の保液性、膨潤性を得ている。これにより、SPEのイオン伝導度は安定に高い値を示す。
【0019】
また、本発明のSPEは、ベースポリマーがゴム質であるため、電池やキャパシタの電極との密着性が極めて良好で、電気化学的界面の形成が容易である。このSPEをリチウム2次電池に用いることにより、内部抵抗が小さく、低温から高温の広い温度範囲で使用可能な電池となる。また、電気2重層キャパシタに用いても同様な効果が得られる。
【0020】
なお、特公平8−4007号公報において、本発明と同じVDF−HFP−TFE三元共重合体が非水系電池用電極のバインダとして開示されている。しかし、高分子固体電解質に要求される特性とバインダに要求される特性とは本質的に異なっており、高分子固体電解質としての用途を示唆するものではない。
【0021】
また、前述した通り、米国特許第5296318号明細書では、本発明と同じくVDF−HFP二元共重合体を用いた高分子固体電解質が開示されている。しかし、その組成は、VDF92〜75wt%(約96.4〜87.5モル%)、HFP8〜25wt%(約3.6〜12.5モル%)であり、本発明とは違ってゴム状共重合体ではない。従って、電極等との密着性の点で本発明のものよりもSPEとして不利である。本発明で用いるVDF−HFP二元共重合体の組成は、VDF85〜50モル%(約70〜30wt%)、HFP15〜50モル%(約30〜70wt%)である。本発明では、ゴム状領域において、電解液がよく保持される領域があることを見いだし、その組成の高分子をSPEに用いることで、優れた特性を実現している。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の高分子固体電解質(SPE)は、フッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)のゴム状共重合体よりなる高分子またはフッ化ビニリデン(VDF)−6フッ化プロピレン(HFP)−4フッ化エチレン(TFE)のゴム状共重合体よりなる高分子、電解質塩および有機溶媒より構成されている。また、さらに種々の無機あるいは有機の充填剤(フィラー)を含有させることにより、SPEの物性・生産性等を制御することができる。
【0023】
<二元共重合体、三元共重合体>
本発明のゴム状共重合体領域とは、VDF−HFP二元共重合体およびVDF−HFP−TFE三元共重合体のうち、ゴム状態が得られる領域のことである。VDF−HFP二元共重合体およびVDF−HFP−TFE三元共重合体のゴム状領域の組成範囲は、前述したように、おおよそVDF−HFP二元共重合体でのVDFの比率が55〜85モル%の組成に、さらにTFEを0〜35モル%加えた組成域である。
【0024】
ゴム状共重合体とは、ガラス転移点(Tg)が常温(25℃程度)以下にあり、ゴム弾性を示す高分子である。ゴム状共重合体は明確な融点(Tm)が存在しないので、ゴム状であるかどうかは共重合体の熱的挙動、例えば、示差熱分析で明確なTmが存在しないことから調べることができる。
【0025】
本発明では、上記ゴム状領域のうち、VDF比率が55モル%以上、好ましくは58モル%以上のVDF−HFP二元共重合体またはVDF−HFP−TFE三元共重合体が用いられる。VDF比率が55モル%未満では電解液の保液性、膨潤性が不十分である。また、HFPは10〜45モル%、特に12〜42モル%が好ましい。TFEは0〜35モル%、特に0〜30モル%が好ましい。
【0026】
VDF−HFP二元共重合体、VDF−HFP−TFE三元共重合体は、通常、ランダム共重合体を用いるが、ブロック共重合体であってもよい。
【0027】
分子量は、材料の強度の点で、重量平均分子量Mwが30,000程度以上、好ましくは50,000程度以上あることが必要である。Mwの上限は、通常、5,000,000程度である。
【0028】
高分子固体電解質として用いる場合、いわゆる生ゴム状態でも本発明の用途に好適であるが、ポリアミン、ポリオール、パーオキサイドなどの加硫剤を用いて加硫を行ってもよい。この際、電解液の膨潤性は加硫の程度により変化し、加硫度が増えると、膨潤性は低下する。
【0029】
このような高分子固体電解質をリチウム2次電池、電気2重層キャパシタ等の電気化学デバイスに用いることにより、良好な耐久性、耐熱性、保存性、充放電特性等を得ることができる。
【0030】
VDF−HFP二元共重合体、VDF−HFP−TFE三元共重合体は吸水率が0.1wt%以下と低いので、使用に際して必ずしも乾燥処理を行う必要はないが、100℃以下で常圧あるいは真空乾燥を行ってもよい。
【0031】
VDF−HFP二元共重合体を合成するには、公知の方法に従い、過硫酸塩を開始剤としてフッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンとを共重合させればよい。VDF−HFP−TFE三元共重合体を合成するには、公知の方法に従い、過硫酸塩を開始剤としてフッ化ビニリデンと6フッ化プロピレンと4フッ化エチレンとを共重合させればよい。
【0032】
前記共重合体は、常温ではエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の電解液に溶解することもなく、このような共重合体による高分子固体電解質をリチウム2次電池、電気2重層キャパシタ等の電気化学デバイスに用いた場合、保存特性が良好となる。
【0033】
<電解質塩>
電解質としては、リチウム電池への応用を考えると電解質塩にはLiが含まれる必要があり、具体的には、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiSO3 CF3 、LiClO4 、LiN(SO2 CF3 )2 等のリチウム塩が適用できる。また、電気2重層キャパシタに用いる場合は、上記のLi塩を含むアルカリ金属塩以外に、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、ホウフッ化テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩等が適用できる。その他、応用する電気化学デバイスに応じて、後述の溶媒と相溶する電解質塩を適宜選択すればよい。このような電解質塩は単独で用いてもよいし、複数の塩を所定の比率で混合して用いてもよい。
【0034】
<溶媒>
電解液の溶媒としては、前述の共重合体、電解質塩との相溶性が良好なものであれば特に制限はされないが、リチウム電池等では高い動作電圧でも分解の起こらない極性有機溶媒、例えば、エチレンカーボネート(略称EC)、プロピレンカーボネート(略称PC)等のカーボネート類、テトラヒドロフラン(略称THF)等の環式エーテル、スルホラン、ラクトン等が好適に用いられる。また、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、2−メチルテトラヒドロフラン、1、3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、γ−ブチロラクトン、3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、エチルジグライム等を用いてもよい。その他、応用するデバイスに応じて適宜選択すればよい。
【0035】
溶媒と電解質塩とで電解液を構成すると考えた場合の電解質塩の濃度は、好ましくは0.3〜5mol/lである。通常、1mol/l辺りで最も高いイオン伝導性を示す。また、SPEの組成を共重合体/電解液で示した場合、膜の強度、イオン伝導度の点から、電解液の比率は重量比で3/2〜1/9が好ましい。
【0036】
高分子の膨潤度は1.6以上、特に1.8以上が好ましい。ここで、膨潤度とは、高分子に電解液を含浸、膨潤させた前後の重量比とする。つまり、膨潤度が2とは、電解液の含浸により高分子の重量が2倍になったことを示し、高分子の膨潤により保持された電解液の総量がSPE全体の1/2を占めていることを示す。膨潤度は、強度との兼ね合いもあるが、一般に5程度以下であることが好ましい。
【0037】
<SPEの調製>
次に、高分子固体電解質の具体的な作製方法を述べる。製造は水分の少ないドライルームあるいはグローブボックス中で行う。
【0038】
まず、高分子を溶媒に分散・溶解させる。このときの溶媒は高分子が溶解可能な各種溶媒から適宜選択すればよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N、N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどを用いることが好ましい。溶媒に対する高分子の濃度は好ましくは5〜30wt%である。分散・溶解方法は、単に室温でマグネチックスターラー等を用いて撹拌するだけで溶解する。また、短時間で高分子を溶解するために溶媒の沸点以下で加熱してもよい。
【0039】
次に、この高分子溶液を基材上に塗布、流延してシート状にする。この基材は平滑なものなら何でもよい。例えば、ポリエステルフィルム、ガラス、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等である。高分子溶液を基材に塗布するための手段は特に限定されず、基材の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。また、必要に応じて、加硫剤を加えてシートを成形する。
【0040】
このようにして得たシートを、放置あるいは熱処理して高分子を溶解したときの溶媒を蒸発させる。そして、このシートに電解液を含浸させればSPEが得られる。電解液としては、リチウム電池、電気2重層キャパシタ等に使用され、前記共重合体と相溶性が良好なものであれば、いずれであってもよい。本発明の二元共重合体、三元共重合体は、電解液の保液性、膨潤性が高いので、このようにしてSPEが得られる。得られたSPEは透明で弾力性がある。
【0041】
また、あらかじめ高分子溶液に電解液を混合し、その混合溶液(「ゲル電解質溶液」と呼ぶことにする)を基材上に塗布した後、溶媒を乾燥させても、SPEが得られる。ただし、この方法は加硫ゴムには適用できない。
【0042】
本発明のSPEの厚さは、通常、10〜500μmとする。
【0043】
このようにして得られる本発明の高分子固体電解質の導電率は、室温で、0.5〜10S・cm-1で、従来のゲル電解質と同等であり、液体のそれに近い。
【0044】
<充填剤>
上記の生ゴムSPEの強度、剛性、耐圧性、粘着性等に不都合がある場合は、SPEにシリカ、アルミナ等の無機または有機の充填剤(フィラー)を添加することでそれらを改善することができる。加える充填剤の材質、粒度、形状、充填量に特に制限はないが、SPEのイオン伝導度は本質的に充填量とともに低下する。充填量は30wt%以下にすることが好ましい。
【0045】
また、SPEの自立性に不都合のある場合は、SPEの支持体として不織布等をSPE中に包含させてもよい。
【0046】
<電気化学デバイス>
本発明のSPEは、電池、キャパシタ、ECディスプレイ、センサ等の電気化学デバイスに用いることができ、特にリチウム2次電池、電気2重層キャパシタに好適に用いることができる。
【0047】
<リチウム2次電池>
本発明の高分子固体電解質を使用したリチウム2次電池の構造は特に限定されないが、通常、正極および負極と、SPEとから構成され、積層型電池や円筒型電池等に適用される。
【0048】
SPEと組み合わせる電極は、リチウムイオン2次電池の電極として公知のものの中から適宜選択して使用すればよく、電極活物質とSPEとの組成物を用いることも可能である。
【0049】
負極は、炭素、リチウム金属、リチウム合金あるいは酸化物材料のような負極活物質からなり、正極は、リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物または炭素のような正極活物質からなる。このような電極を用いることにより、良好な特性のリチウム2次電池を得ることができる。
【0050】
活物質として用いる炭素は、例えば、天然あるいは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、炭素繊維などから適宜選択すればよい。これらは粉末で用いられる。これらのうち好ましいものは、黒鉛であり、その平均粒子径は1〜30μm 、特に5〜25μm であることが好ましい。平均粒子径が小さすぎると、充放電サイクル寿命が短くなり、また、容量のばらつき(個体差)が大きくなる傾向にある。平均粒子径が大きすぎると、容量のばらつきが著しく大きくなり、平均容量が小さくなってしまう。平均粒子径が大きい場合に容量のばらつきが生じるのは、黒鉛と集電体との接触や黒鉛同士の接触にばらつきが生じるためと考えられる。
【0051】
リチウムイオンがインターカレート・デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを含む複合酸化物が好ましく、例えば、LiCoO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiV2O4などが挙げられる。これらの酸化物の粉末の平均粒子径は1〜40μm 程度であることが好ましい。
【0052】
電極には、必要により導電助剤が添加される。導電助剤としては、好ましくは黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維、ニッケル、アルミニウム、銅、銀等の金属が挙げられ、特に黒鉛、カーボンブラックが好ましい。
【0053】
電極組成は、バインダとしてゲル電解質を加える場合、正極では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=10〜50:0〜20:30〜90の範囲が好ましく、負極では、重量比で、活物質:導電助剤:ゲル電解質=10〜50:0〜20:30〜90の範囲が好ましい。ゲル電解質を含まない電極も好適に用いられる。この場合、バインダとしてはフッ素樹脂、フッ素ゴム等を用いることができ、バインダの量は3〜30wt%程度とする。
【0054】
本発明では、上記負極活物質および/または正極活物質、好ましくは両活物質を、好ましくは上述したバインダ溶液中に混合して集電体表面に接着させる。バインダとしてゲル電解質を用いる場合、本発明のSPEと同じ組成のものを用いても、それ以外の組成のものを用いてもよい。
【0055】
電極の製造は、まず、活物質と必要に応じて導電助剤を、バインダ溶液に分散し、塗布液を調製する。
【0056】
そして、この電極塗布液を集電体に塗布する。塗布する手段は特に限定されず、集電体の材質や形状などに応じて適宜決定すればよい。一般に、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等が使用されている。その後、必要に応じて、平板プレス、カレンダーロール等により圧延処理を行う。
【0057】
集電体は、電池の使用するデバイスの形状やケース内への集電体の配置方法などに応じて、適宜通常の集電体から選択すればよい。一般に、正極にはアルミニウム等が、負極には銅、ニッケル等が使用される。なお、集電体は、通常、金属箔、金属メッシュなどが使用される。金属箔よりも金属メッシュの方が電極との接触抵抗が小さくなるが、金属箔でも十分小さい接触抵抗が得られる。
【0058】
そして、溶媒を蒸発させ、電極を作製する。塗布厚は、50〜1,000μm 程度とすることが好ましい。
【0059】
<電気2重層キャパシタ>
本発明の高分子固体電解質が使用される電気2重層キャパシタの構造は特に限定されないが、通常、一対の分極性電極がSPEを介して配置されており、分極性電極およびSPEの周辺部には絶縁性ガスケットが配置されている。このような電気2重層キャパシタはコイン型、ペーパー型、積層型等と称されるいずれのものであってもよい。
【0060】
分極性電極としては、活性炭、活性炭素繊維等を導電性活物質とし、これにバインダとしてフッ素樹脂、フッ素ゴム等を加える。バインダの組成は、本発明のSPEで用いる高分子の組成と同じでも違っていてもよい。そして、この混合物をシート状電極に形成したものを用いることが好ましい。バインダの量は5〜15wt%程度とする。また、バインダとしてゲル電解質を用いてもよく、その場合、ゲル電解質は、本発明のSPEと同じ組成のものを用いても、それ以外の組成のものを用いてもよい。
【0061】
分極性電極に用いられる集電体は、白金、導電性ブチルゴム等の導電性ゴムなどであってよく、またアルミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成してもよく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設してもよい。
【0062】
電気2重層キャパシタには、上記のような分極性電極と、上記SPEとを組み合わせる。
【0063】
電解質塩としては、(C2H5)4 NBF4 、(C2H5)3 CH3 NBF4 、(C2H5)4 PBF4 等が挙げられる。
【0064】
電解液に用いる非水溶媒は、公知の種々のものであってよく、電気化学的に安定な非水溶媒であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、スルホラン単独または混合溶媒が好ましい。
【0065】
このような非水溶媒系の電解質溶液における電解質の濃度は、0.1〜3mol/lとすればよい。
【0066】
絶縁性ガスケットとしては、ポリプロピレン、ブチルゴム等の絶縁体を用いればよい。
【0067】
【実施例】
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
【0068】
[実施例1]
高分子にVDF:HFP:TFE=60:15:25(モル%)、重量平均分子量Mw700,000のフッ素ゴム成形体を用いてSPEを作製した。このフッ素ゴム成形体はガラス転移温度が−17℃であり、明確な融点が存在しなかった。
【0069】
まず、フッ素ゴム成形体をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して10wt%溶液を得た。さらに、この溶液にゴムの重量の1/4のシリカ充填剤(CABOT社製CAB−O−SIL;TS−530)を加え、十分に分散させた。
【0070】
得られた溶液を厚さ80μm のPETフィルム上にアプリケータを用いて流延し、溶媒を揮発させて半透明・均一なフッ素ゴム膜(膜厚:約200μm )を得た。この膜の小片を1mol/l−(C2H5)4 NBF4 /プロピレンカーボネート(略称PC)電解液に室温で2時間浸漬して電解液を膨潤させ、SPE膜(サンプル1)を得た。そして、その重量変化率(膨潤度)Swを求め、イオン伝導度σを下記の方法で測定した。
【0071】
なお、以上の操作は、アルゴンガスを充填したグローブボックス内において行った。
【0072】
<イオン伝導度測定法>
得られた高分子固体電解質膜から2cm2 の試験片を切り出し、SUS電極を用いた導電率測定セルを用いて、グローブボックス内で電極間の交流インピーダンスを測定した(周波数1〜106 Hz)。イオン伝導度は複素インピーダンス解析により求めた。測定装置はソーラトロン社製SI1255型インピーダンスアナライザを用いた。
【0073】
測定したサンプルの膨潤度Swおよびイオン伝導度σを表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
[実施例2]
電解液に1mol/l−LiPF6 /PC電解液を用いた他は、実施例1と同様にしてSPE膜(サンプル2)を作製し、評価した。その結果を表1に示す。
【0076】
[比較例1]
高分子にVDF:HFP:TFE=52:21:27(モル%)、重量平均分子量Mw60,000のフッ素ゴム成形体を用いた他は、実施例1と同様にしてSPE膜(サンプル3)を作製し、評価した。その結果を表1に示す。用いた高分子のガラス転移温度は−12℃であり、明確な融点が存在しなかった。
【0077】
[比較例2]
高分子にVDF:HFP=52:48(モル%)、重量平均分子量Mw200,000のフッ素ゴム成形体を用いた他は、実施例1と同様にしてSPE膜(サンプル3)を作製し、評価した。その結果を表1に示す。用いた高分子のガラス転移温度は−2℃であり、明確な融点が存在しなかった。
【0078】
本発明のSPE膜は、2つの比較例のものよりも高い膨潤度およびイオン伝導度を示した。
【0079】
[実施例3]
実施例2のSPE膜(サンプル2)を用いたリチウムイオン2次電池を以下のようにして作製した。
【0080】
ホモジナイザーの容器に所定量のN、N−ジメチルホルムアミド(DMF)とセントラル硝子社製セフラルソフトG180(フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体を主鎖、側鎖にポリフッ化ビニリデンにより構成されている)とを入れ、これを加温しながら3500rpmから7000rpmで分散溶解させた。この溶液にさらにDMFを添加し、2500rpmから7000rpmで分散溶解させた。セフラルソフト溶液の濃度は10wt%とした。
【0081】
上記セフラルソフト溶液40gをホモジナイザーの容器に入れ、正極活物質としてコバルト酸リチウム(セイミケミカル社製、粒径2〜3μm )43gおよびアセチレンブラック(電気化学工業社製商品名HS−100)3gを添加し、12000rpmで5分間室温で分散・混合して正極用塗布液とした。
【0082】
この塗布液をアルミ箔(縦30mm、横30mm、厚み30μm )にメタルマスク印刷機で直径15mmの円形状に印刷し、24時間放置してDMFを蒸発させ、正極とした。この電極の膜厚は0.15mmであった。
【0083】
上記セフラルソフト溶液40gをホモジナイザーの容器に入れ、負極活物質として黒鉛(ロンザ社製、商品名SFG25、90%累積粒径25μm )9gを添加し、12000rpmで5分間室温で分散・混合して負極用塗布液とした。
【0084】
この塗布液を銅箔(縦30mm、横30mm、厚み30μm )にメタルマスク印刷機で直径15mmの円形状に印刷し、24時間放置してDMFを蒸発させ、負極とした。この電極の膜厚は0.15mmであった。
【0085】
この両金属箔を直径15mmの円形に切り出し、両塗布膜の間に実施例2で作製した直径17mmのSPE膜(サンプル2)を挟み、周囲をポリオレフィン系のホットメルト接着剤でシールしてコイン型リチウムイオン2次電池を作製した。
【0086】
このリチウムイオン電池は0.1mA/cm2の電流密度で2−4V 間での充放電が可能で、電池として正常に駆動していることが確認でき、SPEと両電極との密着性に問題のないことがわかった。
【0087】
[実施例4]
実施例1のSPE膜(サンプル1)を用いた電気2重層キャパシタを以下のようにして作製した。
【0088】
実施例3で作製したセフラルソフト溶液40gに、電極活物質として粉末状のヤシガラ活性炭(平均粒径10μm )20gおよびアセチレンブラック1gを加えて混合した。そして、このペーストをステンレス箔上に塗布し、DMFを乾燥除去して分極性電極を得た。
【0089】
この分極性電極を直径15mmの円形状に2枚切り抜き、直径20mmに切り抜いたSPE膜(サンプル1)をこの一対の電極で挟み、これをアルミラミネート袋に挿入し、リード取り出し部をヒートシールして電気2重層キャパシタを作製した。
【0090】
このキャパシタは、1mA/cm2の電流密度で1−2V間で充放電が確認でき、SPEと両電極との密着性に問題のないことがわかった。また、3日後も特性の劣化は見られなかった。
【0091】
[実施例5]
高分子にVDF:HFP=85:15(モル%)、重量平均分子量Mw120,000のフッ素ゴム成形体を用いた他は、実施例1と同様にしてSPE膜(サンプル4)を作製し、評価した。用いたフッ素ゴム成形体はガラス転移温度が−30℃であり、明確な融点が存在しなかった。
【0092】
このSPE膜は、実施例1のSPE膜(サンプル1)と同等の膨潤度およびイオン伝導度が得られた。
【0093】
[実施例6]
高分子に実施例5と同じVDF:HFP=85:15(モル%)、重量平均分子量Mw120,000のフッ素ゴム成形体を用いた他は、実施例2と同様にしてSPE膜(サンプル5)を作製し、実施例1と同様にして評価した。
【0094】
このSPE膜は、実施例2のSPE膜(サンプル2)と同等の膨潤度およびイオン伝導度が得られた。
【0095】
[実施例7]
実施例6のSPE膜(サンプル5)を用いて、実施例3と同様にしてリチウムイオン2次電池を作製し、評価した。
【0096】
このリチウムイオン2次電池は、実施例3のものと同様、0.1mA/cm2の電流密度で2−4V 間での充放電が可能で、電池として正常に駆動していることが確認できた。
【0097】
[実施例8]
実施例5のSPE膜(サンプル4)を用いて、実施例4と同様にして電気2重層キャパシタを作製し、評価した。
【0098】
このキャパシタは、実施例4のものと同様、1mA/cm2の電流密度で1−2V間で充放電が確認でき、SPEと両電極との密着性に問題のないことがわかった。また、3日後も特性の劣化は見られなかった。
【0099】
本発明のフッ素系二元共重合体、三元共重合体は、電気化学デバイスに用いられる他の電解液に対しても高い膨潤度、SPEとしての高いイオン伝導度を示すので、種々の電気化学デバイスへの応用が可能である。
【0100】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、十分な強度・イオン伝導度を有した均一な高分子固体電解質を得ることができ、さらに、電極との良好な電気化学的界面の形成が可能である。そして、このような高分子固体電解質を、電気2重層キャパシタ、リチウムイオン2次電池等の電気化学デバイスに用いた場合、良好な特性を得ることができる。
Claims (7)
- フッ化ビニリデンと、6フッ化プロピレンとのゴム状共重合体であって、前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%である非晶質の高分子と、電解質塩と、有機溶媒と、無機あるいは有機の充填剤とを有する高分子固体電解質。
- フッ化ビニリデンと、6フッ化プロピレンと、4フッ化エチレンとのゴム状共重合体であって、前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%である非晶質の高分子と、電解質塩と、有機溶媒と、無機あるいは有機の充填剤とを有する高分子固体電解質。
- 前記高分子の前記フッ化ビニリデンの含有量が55モル%〜85モル%であり、前記高分子の前記6フッ化プロピレンの含有量が10〜45モル%であり、前記高分子の前記4フッ化エチレンの含有量が0〜35モル%である請求項2の高分子固体電解質。
- 前記ゴム状共重合体のガラス転移点が25℃以下である、請求項1〜3のいずれかの高分子固体電解質。
- 請求項1〜4のいずれかの高分子固体電解質を用いた電気化学デバイス。
- リチウム2次電池である請求項5の電気化学デバイス。
- 電気2重層キャパシタである請求項5の電気化学デバイス。
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