JP2004349156A - 二次電池及び積層型二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】高出力密度且つ高エネルギー密度の積層型二次電池を提供すること。
【解決手段】正極合材層22と、正極合材層形成部及び正極集電体露出部を一方の面にもつ正極集電体21とを備えた正極20と、負極合材層12と負極合材層形成部及び負極集電体露出部111を一方の面にもつ負極集電体11とを備えた負極10と、正負極10、20間に狭持されるセパレータ30と、正極集電体露出部及び負極集電体露出部111間を接合し、正極集電体21及び負極集電体11間を封着する封着部材40と、正極集電体21、負極集電体11間及び封着部材40で区画された空間に封入された電解液と、を有する二次電池を単セル1、2、3として積層することを特徴とする。つまり、電池ケースを省略することでエネルギー密度を向上できる。また、単セル間で短絡が発生せず電解質として通常の電解液が使用できるので通常の二次電池と遜色ない出力密度を発揮できる。
【選択図】 図1
【解決手段】正極合材層22と、正極合材層形成部及び正極集電体露出部を一方の面にもつ正極集電体21とを備えた正極20と、負極合材層12と負極合材層形成部及び負極集電体露出部111を一方の面にもつ負極集電体11とを備えた負極10と、正負極10、20間に狭持されるセパレータ30と、正極集電体露出部及び負極集電体露出部111間を接合し、正極集電体21及び負極集電体11間を封着する封着部材40と、正極集電体21、負極集電体11間及び封着部材40で区画された空間に封入された電解液と、を有する二次電池を単セル1、2、3として積層することを特徴とする。つまり、電池ケースを省略することでエネルギー密度を向上できる。また、単セル間で短絡が発生せず電解質として通常の電解液が使用できるので通常の二次電池と遜色ない出力密度を発揮できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高出力密度且つ高エネルギー密度である二次電池及び積層型二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、これらの情報関連機器、通信機器の分野に用いる電源として、リチウム二次電池などのエネルギー密度の高い二次電池が実用化され広く普及している。一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても種々の二次電池が検討されている。
【0003】
電気自動車等では必要な高い電圧を得るために二次電池からなる単セルを複数個、直列に接続して使用している。一般的な二次電池は、正負極等からなる電極体とその電極体等を内部に収納する電池ケースとを有する。エネルギー密度を向上するために、電池ケースを省略することが試みられた。
【0004】
電池ケースを省略すると全体の質量及び体積は減少し、二次電池のエネルギー密度は向上するものの、二次電池内部での短絡発生のおそれがあった。従来技術では電解液に代えてゲル電解質を用いる電池(特許文献1)を開示している。ゲル電解質は流動しないので短絡が発生しない。
【0005】
【特許文献1】特開平11−265693号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゲル電解質を用いる二次電池は電解質抵抗が高いので、内部抵抗が上昇し、充分な出力密度が得られない。
【0007】
上記課題に鑑み本発明では高出力密度且つ高エネルギー密度の二次電池及び積層型二次電池を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決する本発明の二次電池は、シート状の正極合材層と、該正極合材層が形成された正極合材層形成部及び該正極合材層形成部を取り囲む正極集電体露出部を一方の面にもつシート状の正極集電体と、を備えたシート状の正極と、
シート状の負極合材層と、該負極合材層が形成された負極合材層形成部及び該負極合材層形成部を取り囲む負極集電体露出部を一方の面にもつシート状の負極集電体と、を備え該負極合材層が該正極合材層に対向するように積層されるシート状の負極と、
該正負極間に狭持されるセパレータと、
該正極集電体露出部及び該負極集電体露出部間を接合し、該正極集電体及び該負極集電体間を封着する封着部材と、
該正極集電体、該負極集電体間及び封着部材で区画された空間に封入された電解液と、を有することを特徴とする(請求項1)。
【0009】
つまり、正負極の集電体を電池ケースとして用いることで二次電池のエネルギー密度を向上できる。また、電解質として通常の電解液が使用できるので通常の二次電池に対して遜色ない出力密度を発揮できる。更に、この二次電池は両面が正負極であるシート状の二次電池であり、この二次電池を単セルとして積層することでエネルギー密度が高い積層型二次電池を提供できる(請求項4)。単セル間で正負極、電解液等が接触しないので単セル間で短絡するおそれがない。
【0010】
また、前記封着部材としては、前記正極合材層、前記負極合材層及び前記セパレータの厚みを加えた厚みをもつことが好ましい(請求項2)。そして、前記正極集電体は、前記負極集電体と概ね同形状であることが好ましい(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の二次電池及び積層型二次電池について実施形態に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明ではリチウム二次電池に基づいて説明を行うが、本発明の二次電池及び積層型二次電池はリチウム二次電池のみならず、ニッケル水素二次電池等の他の二次電池や、キャパシタにも適用可能である。
【0012】
(二次電池)
本実施形態の二次電池は正極、負極、セパレータ、電解液、封着部材を有する。本二次電池はシート状であって、両面に正負極をもつ。
【0013】
正極は正極合材層と正極集電体とをもつ。正極合材層及び正極集電体はシート状である。正極集電体は、一面に、正極合材形成部とその周囲を取り囲む正極集電体露出部とをもつ。正極合材形成部には正極合材層が形成されている。
【0014】
正極合材層はリチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着材を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、正極集電体の正極合材形成部表面に塗布、乾燥し、その後プレス等によって活物質密度を高めることによって形成する。正極集電体はアルミニウム等の金属箔を用いることができる。正極集電体露出部には正極合材層が形成されず、正極集電体がそのまま露出する。正極集電体の正極合材形成部及び正極集電体露出部が形成されない他方の面は正極集電体がそのまま露出する。
【0015】
正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物等の公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、その電気抵抗が低く、リチウムイオンの拡散性能に優れ、高い充放電効率と良好な充放電サイクル特性とが得られるため、本正極活物質に好ましい材料である。たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
【0016】
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0017】
負極は負極合材層と負極集電体とをもつ。負極合材層及び負極集電体はシート状である。負極集電体は、一面に、負極合材形成部とその周囲を取り囲む負極集電体露出部とをもつ。負極合材形成部には負極合材層が形成されている。
【0018】
負極合材層はリチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に必要に応じて結着材等や、適当な溶媒を加えて、ペースト状の負極合材としたものを、負極集電体の負極合材形成部表面に塗布、乾燥し、その後プレス等によって活物質密度を高めることによって形成する。負極集電体は銅等の金属箔を用いることができる。負極集電体露出部には負極合材層が形成されず、負極集電体がそのまま露出する。負極集電体の負極合材形成部及び負極集電体露出部が形成されない他方の面は負極集電体がそのまま露出する。
【0019】
一般的にリチウム二次電池では負極におけるデンドライト生成を抑制する目的で、電池容量を正極規制とし、更に負極(合材層)に相対する正極(合材層)の面積を負極より小さくしている。本実施形態の二次電池でも正極合材層の面積は負極合材層の面積よりも小さくすることが望ましい。但し、正負極それぞれの集電体の面積・形状はほぼ同じとすることが望ましい。正負極それぞれの集電体は後述するように相対するそれぞれの集電体の集電体露出部間を封着部材で接合するので両者の形状はほぼ同じであることが好ましいからである。
【0020】
負極活物質は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出できれば、その材料構成を特に限定するものではなく、公知の材料構成のものが使用できる。例えば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素材料等が使用できる。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などからなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上できる。
【0021】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて正極で説明したような結着材等を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0022】
セパレータは正負極間に狭持され、正負極間を電気的に絶縁するとともに、正負極間に電解液を保持しリチウムイオンの伝導を担保する部材である。セパレータは正負極間を完全に絶縁するために充分な大きさをもつ。セパレータの構成としては特に限定されずポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子製の多孔質膜等が例示できる。
【0023】
電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。
【0024】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の非水電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではない。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン等及びそれらの混合溶媒が適当である。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率の主溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性の副溶媒との混合有機溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びブチルラクトンなどを用いてもよい。
【0025】
電解質は、その種類が特に限定されるものではない。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6等の無機塩、その無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)等の有機塩、並びにその有機塩の誘導体のようなリチウム塩の1種であることが好ましい。
【0026】
これらの電解質の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適正に選択できる。
【0027】
封着部材は正負極それぞれの集電体の集電体露出部間を封着・接合する部材である。封着部材により正負集電体間を封着することで、封着部材及び正負の集電体により区画された空間内に正負合材層、セパレータ及び電解液を密閉封入する。
【0028】
封着部材の形状は、正負極合材層を取り囲むように、正負極合材層の形状に合わせて決定することが好ましい。封着部材及び正負極合材層の間隙は小さいことがエネルギー密度向上のためには好ましい。特に正極合材層より面積が大きい負極合材層との間の隙間は小さいことが好ましい。封着部材の大きさは、同一電池内の正負極集電体間が短絡しないように正負極それぞれの集電体より僅かに大きいことが望ましい。
封着部材の厚みは、前述の正極合材層、セパレータ及び負極合材層を加えた厚みと同程度であることが好ましい。正負極それぞれの集電体が平行となり、本二次電池を複数個積層したときに電池間の隙間がなくなり安定性が高くなる。
【0029】
封着部材を正負集電体に接合する方法は特に限定しないが、電解液に対して安定な方法で接合する必要がある。例えば、熱溶着、熱接着、熱帖着等と呼ばれるような、熱により封着部材の一部を溶融させて正負集電体に接合する方法である。
【0030】
封着部材はポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等の電池内における雰囲気に対して、化学的にも物理的にも安定な素材で構成する。そして、封着部材の集電体露出部に接合する部分には集電体を構成する金属と親和性の高い粗材を用いることが好ましい。特に熱溶着等により封着部材を正負極の集電体の集電体露出部に接合する場合には集電体を構成する金属と親和性の高い粗材を用いる。例えば、金属への親和性向上を目的とした変性ポリオレフィン(ポリプロピレン)等を表面にもたせることで、金属との親和性を向上できる。封着部材を熱溶着等により正負極集電体に接合する場合に表面の変性ポリオレフィンが溶融接着して電解液を封止する。
【0031】
(積層型二次電池)
本実施形態の積層型二次電池は前述の本実施形態の二次電池を単セルとして複数個直列に積層した二次電池である。前述の二次電池は厚み方向の両面が正負極となったシート状の二次電池であり単純に隣り合う単セルの正負極間を電気的に接続することで単セルを直列につないだ積層型二次電池が得られる。
【0032】
直列に積層した積層型二次電池は単セルがむき出しのまま、使用しても良いが、何らかのケース中に封止することが好ましい。例えば、プラスチックフィルム、アルミラミネートフィルム等により包装することができる。積層型二次電池は直列に接合した単セルの両端から電力を取り出すほか、各単セルの状態を検査するための検査用電極端子を必要に応じた単セルに設けることができる。
【0033】
単セル間の電気的な接続は単純に接触させるだけでも良いが、信頼性向上のためには溶接等の何らかの機械的接合を行うことが好ましい。溶接としては抵抗溶接、超音波溶接等の通常の溶接が例示できる。正負集電体に封着部材を接合していない部分を一部設け、単セルを積層後、封着部材を接合していない部分を溶接することで接合する。
【0034】
【実施例】
〔二次電池及び積層型二次電池の製造〕
〈実施例〉
(封着部材の製造)
膜厚60μmのポリプロピレン製フィルムの両面に膜厚20μmの変性ポリプロピレン製フィルムを接着剤を用いて接着して膜厚100μm、3層構造の封着部材を製造した。封着部材は大きさが55mm×75mmで中央付近に35mm×55mmの開口部が形成された。
【0035】
(正負極の製造)
正極:ニッケル酸リチウム(正極活物質)/カーボンブラック(導電材)/ポリフッ化ビニリデン(PVdF;結着材)=85/10/5(質量比)に調製した正極合材を膜厚15μmのアルミニウム製正極集電体21(50mm×70mm)の片面に目付6mg/cm2となるように塗布・プレスを行い正極合材層22を形成した(図1(a)及び図2(a)に準ずる)。正極集電体21の四方の端部から各10mmずつの正極合材層22を掻き取り正極集電体露出部211を形成した(図1(b)及び図2(b)に準ずる)。集電体の一面側のうち、正極集電体露出部211に取り囲まれた正極合材層22(30mm×50mm)が形成された部分が正極合材層形成部である。
【0036】
負極:天然黒鉛(負極活物質)/PVdF(結着材)=90/10(質量比)に調製した負極合材を膜厚15μmの銅製負極集電体11(50mm×70mm)の片面に目付6mg/cm2となるように塗布・プレスを行い負極合材層12を形成した(図1(a)及び図2(a))。負極集電体11の四方の端部から各9mmずつの負極合材層12を掻き取り負極集電体露出部111を形成した(図1(b)及び図2(b))。集電体11の一面側のうち、負極集電体露出部111に取り囲まれた負極合材層12が形成された部分が負極合材層形成部(32mm×52mm)であり、正極合材層形成部より大きくした。
【0037】
(二次電池(単セル)及び積層型二次電池の組み立て)
負極10の負極集電体露出部111の周囲を覆うように封着部材40を積層した(図1(c)及び図2(c))。封着部材40の中央の開口部に35mm×55mmの大きさをもつセパレータ30(ポリエチレン製多孔質膜、膜厚25μm)を積層し(図1(d))、更に正極20を正極集電体21が負極集電体11と重なるように積層した(図1(e)及び図2(d))。正極合材層22は対向する負極合材層12の内側に位置した。
【0038】
封着部材40の開口部から幅5mmの部分を熱溶着した。まず、封着部材40の四方のうち三方について熱溶着した。その後、熱溶着していない一辺から電解液(1mol/L LiPF6に調製したエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7溶液)をマイクロシリンジで電池内部に注入した。その後、減圧して電池内部の気体を除き、熱溶着していない一辺も熱溶着し、完全に電池を密封した。熱溶着の条件としては100℃で3秒間で行った。
【0039】
同一条件にて計3個の単セル1、2、3を組み立てた。3個のうちの1つの単セル2は正極集電体の大きさを50mm×100mmに、もう1つの単セル3は負極集電体の大きさを50mm×100mmにしてあり、それぞれの正負極は端部から30mmずつ集電体が突出するように形成した。
【0040】
正極集電体の大きさが大きい単セル2の負極側に、通常の集電体の大きさの単セル1、負極側の集電体の大きさの大きい単セル3の順に積層し、それぞれの集電体間を超音波溶接により接合した(φ2mmの大きさで溶接した)。その後、両端の集電体(大きさが50mm×100mmのもの)の一部がはみ出るようにアルミラミネートフィルムにて真空密封して積層型二次電池9を製造した。はみ出た正負極の集電体をそれぞれ本実施例の積層型二次電池9の正負極端子とした。
【0041】
〈比較例〉
電解液に代えてゲル電解質を用いた以外は実施例の二次電池及び積層二次電池と同様に製造した。ゲル電解質は実施例の電解液とP(VdF−HFP、85:15)とを質量比で7:1の割合で加熱溶解したものを実施例のセパレータに浸漬させて用いた。
【0042】
〔出力密度の測定及び結果〕
実施例の積層型二次電池と比較例の積層型二次電池とについて、DOD60%に調整後、25℃にてI−V法により出力を測定し、電池全体の質量あたりの出力密度を求めた。実施例の積層型二次電池は5100W/kg、比較例の積層型二次電池は3300W/kgであった。本実施例の積層型二次電池は、電池内部での短絡もなく安全性に優れるとともに、出力密度に優れた積層型二次電池であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の二次電池及び積層型二次電池の製造過程を示した断面図である。
【図2】実施例の二次電池の製造過程を示した概略図である。
【符号の説明】
1、2、3…二次電池(単セル)
10…負極 11…負極集電体(111…負極集電体露出部) 12…負極合材層
20…正極 21…正極集電体(211…正極集電体露出部) 22…正極合材層
30…セパレータ
40…封着部材
9…積層型二次電池
【発明の属する技術分野】
本発明は、高出力密度且つ高エネルギー密度である二次電池及び積層型二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
パソコン、ビデオカメラ、携帯電話等の小型化に伴い、これらの情報関連機器、通信機器の分野に用いる電源として、リチウム二次電池などのエネルギー密度の高い二次電池が実用化され広く普及している。一方で、自動車の分野においても、環境問題、資源問題から電気自動車の開発が急がれており、この電気自動車用の電源としても種々の二次電池が検討されている。
【0003】
電気自動車等では必要な高い電圧を得るために二次電池からなる単セルを複数個、直列に接続して使用している。一般的な二次電池は、正負極等からなる電極体とその電極体等を内部に収納する電池ケースとを有する。エネルギー密度を向上するために、電池ケースを省略することが試みられた。
【0004】
電池ケースを省略すると全体の質量及び体積は減少し、二次電池のエネルギー密度は向上するものの、二次電池内部での短絡発生のおそれがあった。従来技術では電解液に代えてゲル電解質を用いる電池(特許文献1)を開示している。ゲル電解質は流動しないので短絡が発生しない。
【0005】
【特許文献1】特開平11−265693号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゲル電解質を用いる二次電池は電解質抵抗が高いので、内部抵抗が上昇し、充分な出力密度が得られない。
【0007】
上記課題に鑑み本発明では高出力密度且つ高エネルギー密度の二次電池及び積層型二次電池を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決する本発明の二次電池は、シート状の正極合材層と、該正極合材層が形成された正極合材層形成部及び該正極合材層形成部を取り囲む正極集電体露出部を一方の面にもつシート状の正極集電体と、を備えたシート状の正極と、
シート状の負極合材層と、該負極合材層が形成された負極合材層形成部及び該負極合材層形成部を取り囲む負極集電体露出部を一方の面にもつシート状の負極集電体と、を備え該負極合材層が該正極合材層に対向するように積層されるシート状の負極と、
該正負極間に狭持されるセパレータと、
該正極集電体露出部及び該負極集電体露出部間を接合し、該正極集電体及び該負極集電体間を封着する封着部材と、
該正極集電体、該負極集電体間及び封着部材で区画された空間に封入された電解液と、を有することを特徴とする(請求項1)。
【0009】
つまり、正負極の集電体を電池ケースとして用いることで二次電池のエネルギー密度を向上できる。また、電解質として通常の電解液が使用できるので通常の二次電池に対して遜色ない出力密度を発揮できる。更に、この二次電池は両面が正負極であるシート状の二次電池であり、この二次電池を単セルとして積層することでエネルギー密度が高い積層型二次電池を提供できる(請求項4)。単セル間で正負極、電解液等が接触しないので単セル間で短絡するおそれがない。
【0010】
また、前記封着部材としては、前記正極合材層、前記負極合材層及び前記セパレータの厚みを加えた厚みをもつことが好ましい(請求項2)。そして、前記正極集電体は、前記負極集電体と概ね同形状であることが好ましい(請求項3)。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の二次電池及び積層型二次電池について実施形態に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明ではリチウム二次電池に基づいて説明を行うが、本発明の二次電池及び積層型二次電池はリチウム二次電池のみならず、ニッケル水素二次電池等の他の二次電池や、キャパシタにも適用可能である。
【0012】
(二次電池)
本実施形態の二次電池は正極、負極、セパレータ、電解液、封着部材を有する。本二次電池はシート状であって、両面に正負極をもつ。
【0013】
正極は正極合材層と正極集電体とをもつ。正極合材層及び正極集電体はシート状である。正極集電体は、一面に、正極合材形成部とその周囲を取り囲む正極集電体露出部とをもつ。正極合材形成部には正極合材層が形成されている。
【0014】
正極合材層はリチウムイオンを吸蔵・脱離できる正極活物質に導電材および結着材を混合し、必要に応じ適当な溶媒を加えて、ペースト状の正極合材としたものを、正極集電体の正極合材形成部表面に塗布、乾燥し、その後プレス等によって活物質密度を高めることによって形成する。正極集電体はアルミニウム等の金属箔を用いることができる。正極集電体露出部には正極合材層が形成されず、正極集電体がそのまま露出する。正極集電体の正極合材形成部及び正極集電体露出部が形成されない他方の面は正極集電体がそのまま露出する。
【0015】
正極活物質にはリチウム遷移金属複合酸化物等の公知の正極活物質を用いることができる。リチウム遷移金属複合酸化物は、その電気抵抗が低く、リチウムイオンの拡散性能に優れ、高い充放電効率と良好な充放電サイクル特性とが得られるため、本正極活物質に好ましい材料である。たとえばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物や、各々にLi、Al、そしてCr等の遷移金属を添加または置換した材料等である。なお、これらのリチウム−金属複合酸化物を正極活物質として用いる場合には単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。
【0016】
導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものでポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いることができる。これら活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。
【0017】
負極は負極合材層と負極集電体とをもつ。負極合材層及び負極集電体はシート状である。負極集電体は、一面に、負極合材形成部とその周囲を取り囲む負極集電体露出部とをもつ。負極合材形成部には負極合材層が形成されている。
【0018】
負極合材層はリチウムイオンを吸蔵・脱離できる負極活物質に必要に応じて結着材等や、適当な溶媒を加えて、ペースト状の負極合材としたものを、負極集電体の負極合材形成部表面に塗布、乾燥し、その後プレス等によって活物質密度を高めることによって形成する。負極集電体は銅等の金属箔を用いることができる。負極集電体露出部には負極合材層が形成されず、負極集電体がそのまま露出する。負極集電体の負極合材形成部及び負極集電体露出部が形成されない他方の面は負極集電体がそのまま露出する。
【0019】
一般的にリチウム二次電池では負極におけるデンドライト生成を抑制する目的で、電池容量を正極規制とし、更に負極(合材層)に相対する正極(合材層)の面積を負極より小さくしている。本実施形態の二次電池でも正極合材層の面積は負極合材層の面積よりも小さくすることが望ましい。但し、正負極それぞれの集電体の面積・形状はほぼ同じとすることが望ましい。正負極それぞれの集電体は後述するように相対するそれぞれの集電体の集電体露出部間を封着部材で接合するので両者の形状はほぼ同じであることが好ましいからである。
【0020】
負極活物質は、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出できれば、その材料構成を特に限定するものではなく、公知の材料構成のものが使用できる。例えば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素材料等が使用できる。そのなかでも特に炭素材料を用いることが好ましい。比表面積が比較的大きくでき、リチウムの吸蔵、放出速度が速いため大電流での充放電特性、出力・回生密度に対して良好となる。特に、出力・回生密度のバランスを考慮すると、充放電に伴ない電圧変化の比較的大きい炭素材料を使用することが好ましい。中でも結晶性の高い天然黒鉛や人造黒鉛などからなるものを用いることが好ましい。このような結晶性の高い炭素材を用いることにより、負極のリチウムイオンの受け渡し効率を向上できる。
【0021】
このように負極活物質として炭素材料を用いた場合には、これに必要に応じて正極で説明したような結着材等を混合して得られた負極合材が集電体に塗布されてなるものを用いることが好ましい。
【0022】
セパレータは正負極間に狭持され、正負極間を電気的に絶縁するとともに、正負極間に電解液を保持しリチウムイオンの伝導を担保する部材である。セパレータは正負極間を完全に絶縁するために充分な大きさをもつ。セパレータの構成としては特に限定されずポリエチレン、ポリプロピレン等の高分子製の多孔質膜等が例示できる。
【0023】
電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させたものである。
【0024】
有機溶媒は、通常リチウム二次電池の非水電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではない。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。特に、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、テトラヒドロフラン等及びそれらの混合溶媒が適当である。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの高誘電率の主溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの低粘性の副溶媒との混合有機溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン及びブチルラクトンなどを用いてもよい。
【0025】
電解質は、その種類が特に限定されるものではない。例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6等の無機塩、その無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)等の有機塩、並びにその有機塩の誘導体のようなリチウム塩の1種であることが好ましい。
【0026】
これらの電解質の使用により、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質および有機溶媒の種類を考慮して適正に選択できる。
【0027】
封着部材は正負極それぞれの集電体の集電体露出部間を封着・接合する部材である。封着部材により正負集電体間を封着することで、封着部材及び正負の集電体により区画された空間内に正負合材層、セパレータ及び電解液を密閉封入する。
【0028】
封着部材の形状は、正負極合材層を取り囲むように、正負極合材層の形状に合わせて決定することが好ましい。封着部材及び正負極合材層の間隙は小さいことがエネルギー密度向上のためには好ましい。特に正極合材層より面積が大きい負極合材層との間の隙間は小さいことが好ましい。封着部材の大きさは、同一電池内の正負極集電体間が短絡しないように正負極それぞれの集電体より僅かに大きいことが望ましい。
封着部材の厚みは、前述の正極合材層、セパレータ及び負極合材層を加えた厚みと同程度であることが好ましい。正負極それぞれの集電体が平行となり、本二次電池を複数個積層したときに電池間の隙間がなくなり安定性が高くなる。
【0029】
封着部材を正負集電体に接合する方法は特に限定しないが、電解液に対して安定な方法で接合する必要がある。例えば、熱溶着、熱接着、熱帖着等と呼ばれるような、熱により封着部材の一部を溶融させて正負集電体に接合する方法である。
【0030】
封着部材はポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等の電池内における雰囲気に対して、化学的にも物理的にも安定な素材で構成する。そして、封着部材の集電体露出部に接合する部分には集電体を構成する金属と親和性の高い粗材を用いることが好ましい。特に熱溶着等により封着部材を正負極の集電体の集電体露出部に接合する場合には集電体を構成する金属と親和性の高い粗材を用いる。例えば、金属への親和性向上を目的とした変性ポリオレフィン(ポリプロピレン)等を表面にもたせることで、金属との親和性を向上できる。封着部材を熱溶着等により正負極集電体に接合する場合に表面の変性ポリオレフィンが溶融接着して電解液を封止する。
【0031】
(積層型二次電池)
本実施形態の積層型二次電池は前述の本実施形態の二次電池を単セルとして複数個直列に積層した二次電池である。前述の二次電池は厚み方向の両面が正負極となったシート状の二次電池であり単純に隣り合う単セルの正負極間を電気的に接続することで単セルを直列につないだ積層型二次電池が得られる。
【0032】
直列に積層した積層型二次電池は単セルがむき出しのまま、使用しても良いが、何らかのケース中に封止することが好ましい。例えば、プラスチックフィルム、アルミラミネートフィルム等により包装することができる。積層型二次電池は直列に接合した単セルの両端から電力を取り出すほか、各単セルの状態を検査するための検査用電極端子を必要に応じた単セルに設けることができる。
【0033】
単セル間の電気的な接続は単純に接触させるだけでも良いが、信頼性向上のためには溶接等の何らかの機械的接合を行うことが好ましい。溶接としては抵抗溶接、超音波溶接等の通常の溶接が例示できる。正負集電体に封着部材を接合していない部分を一部設け、単セルを積層後、封着部材を接合していない部分を溶接することで接合する。
【0034】
【実施例】
〔二次電池及び積層型二次電池の製造〕
〈実施例〉
(封着部材の製造)
膜厚60μmのポリプロピレン製フィルムの両面に膜厚20μmの変性ポリプロピレン製フィルムを接着剤を用いて接着して膜厚100μm、3層構造の封着部材を製造した。封着部材は大きさが55mm×75mmで中央付近に35mm×55mmの開口部が形成された。
【0035】
(正負極の製造)
正極:ニッケル酸リチウム(正極活物質)/カーボンブラック(導電材)/ポリフッ化ビニリデン(PVdF;結着材)=85/10/5(質量比)に調製した正極合材を膜厚15μmのアルミニウム製正極集電体21(50mm×70mm)の片面に目付6mg/cm2となるように塗布・プレスを行い正極合材層22を形成した(図1(a)及び図2(a)に準ずる)。正極集電体21の四方の端部から各10mmずつの正極合材層22を掻き取り正極集電体露出部211を形成した(図1(b)及び図2(b)に準ずる)。集電体の一面側のうち、正極集電体露出部211に取り囲まれた正極合材層22(30mm×50mm)が形成された部分が正極合材層形成部である。
【0036】
負極:天然黒鉛(負極活物質)/PVdF(結着材)=90/10(質量比)に調製した負極合材を膜厚15μmの銅製負極集電体11(50mm×70mm)の片面に目付6mg/cm2となるように塗布・プレスを行い負極合材層12を形成した(図1(a)及び図2(a))。負極集電体11の四方の端部から各9mmずつの負極合材層12を掻き取り負極集電体露出部111を形成した(図1(b)及び図2(b))。集電体11の一面側のうち、負極集電体露出部111に取り囲まれた負極合材層12が形成された部分が負極合材層形成部(32mm×52mm)であり、正極合材層形成部より大きくした。
【0037】
(二次電池(単セル)及び積層型二次電池の組み立て)
負極10の負極集電体露出部111の周囲を覆うように封着部材40を積層した(図1(c)及び図2(c))。封着部材40の中央の開口部に35mm×55mmの大きさをもつセパレータ30(ポリエチレン製多孔質膜、膜厚25μm)を積層し(図1(d))、更に正極20を正極集電体21が負極集電体11と重なるように積層した(図1(e)及び図2(d))。正極合材層22は対向する負極合材層12の内側に位置した。
【0038】
封着部材40の開口部から幅5mmの部分を熱溶着した。まず、封着部材40の四方のうち三方について熱溶着した。その後、熱溶着していない一辺から電解液(1mol/L LiPF6に調製したエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7溶液)をマイクロシリンジで電池内部に注入した。その後、減圧して電池内部の気体を除き、熱溶着していない一辺も熱溶着し、完全に電池を密封した。熱溶着の条件としては100℃で3秒間で行った。
【0039】
同一条件にて計3個の単セル1、2、3を組み立てた。3個のうちの1つの単セル2は正極集電体の大きさを50mm×100mmに、もう1つの単セル3は負極集電体の大きさを50mm×100mmにしてあり、それぞれの正負極は端部から30mmずつ集電体が突出するように形成した。
【0040】
正極集電体の大きさが大きい単セル2の負極側に、通常の集電体の大きさの単セル1、負極側の集電体の大きさの大きい単セル3の順に積層し、それぞれの集電体間を超音波溶接により接合した(φ2mmの大きさで溶接した)。その後、両端の集電体(大きさが50mm×100mmのもの)の一部がはみ出るようにアルミラミネートフィルムにて真空密封して積層型二次電池9を製造した。はみ出た正負極の集電体をそれぞれ本実施例の積層型二次電池9の正負極端子とした。
【0041】
〈比較例〉
電解液に代えてゲル電解質を用いた以外は実施例の二次電池及び積層二次電池と同様に製造した。ゲル電解質は実施例の電解液とP(VdF−HFP、85:15)とを質量比で7:1の割合で加熱溶解したものを実施例のセパレータに浸漬させて用いた。
【0042】
〔出力密度の測定及び結果〕
実施例の積層型二次電池と比較例の積層型二次電池とについて、DOD60%に調整後、25℃にてI−V法により出力を測定し、電池全体の質量あたりの出力密度を求めた。実施例の積層型二次電池は5100W/kg、比較例の積層型二次電池は3300W/kgであった。本実施例の積層型二次電池は、電池内部での短絡もなく安全性に優れるとともに、出力密度に優れた積層型二次電池であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の二次電池及び積層型二次電池の製造過程を示した断面図である。
【図2】実施例の二次電池の製造過程を示した概略図である。
【符号の説明】
1、2、3…二次電池(単セル)
10…負極 11…負極集電体(111…負極集電体露出部) 12…負極合材層
20…正極 21…正極集電体(211…正極集電体露出部) 22…正極合材層
30…セパレータ
40…封着部材
9…積層型二次電池
Claims (4)
- シート状の正極合材層と、該正極合材層が形成された正極合材層形成部及び該正極合材層形成部を取り囲む正極集電体露出部を一方の面にもつシート状の正極集電体と、を備えるシート状の正極と、
シート状の負極合材層と、該負極合材層が形成された負極合材層形成部及び該負極合材層形成部を取り囲む負極集電体露出部を一方の面にもつシート状の負極集電体と、を備え該負極合材層が該正極合材層に対向するように積層されるシート状の負極と、
該正負極間に狭持されるセパレータと、
該正極集電体露出部及び該負極集電体露出部間を接合し、該正極集電体及び該負極集電体間を封着する封着部材と、
該正極集電体、該負極集電体間及び封着部材で区画された空間に封入された電解液と、を有することを特徴とする二次電池。 - 前記封着部材は、前記正極合材層、前記負極合材層及び前記セパレータの厚みを加えた厚みをもつ請求項1に記載の二次電池。
- 前記正極集電体は、前記負極集電体と概ね同形状である請求項1又は2に記載の二次電池。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池からなる単セルを複数積層したことを特徴とする積層型二次電池。
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