JP5592819B2 - 非水電解質電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性を有する外装材を備えた非水電解質電池モジュールに関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューター等の携帯機器の電源として広く用いられている。携帯機器の高性能化に伴ってリチウムイオン二次電池の高容量化が更に進む傾向にあり、エネルギー密度を更に向上させるため、可撓性を有するラミネート外装材を用いた扁平型非水電解質電池が多く使用されている。
一方、最近では非水電解質電池の高性能化に伴い、非水電解質電池が携帯機器の電源以外の電源としても用いられようとしている。例えば、据え置き型の非常用電源等に従来より大型の非水電解質電池が用いられ始めた。また、非水電解質電池を据え置き型の非常用電源等に用いる場合には、更なる高容量化のため非水電解質電池を複数組み合わせてモジュール化して用いられる。非水電解質電池をこのようにモジュール化して用いる場合には、モジュールを構成する各非水電解質電池の安全性と、モジュール全体の安全性とが要求される。
例えば、特許文献1には、一対の外装フィルムの周縁部を接合して上記外装フィルム内に発電要素を密閉した電池本体と、上記発電要素に接続されるとともに上記周縁部を接合した接合部から外部に引き出された電極タブよりなる電池を複数多段に積層して、積層方向に隣合う電池の電極タブ同士を接続することで、各電池を直列接続又は並列接続又は直並列接続してなるモジュール電池が記載されている。
また、特許文献2には、正極、負極及びリチウム塩を含む非水系電解質を備え、厚さ12mm未満の扁平形状の電池容器にて密閉され、エネルギー容量が30Wh以上且つ体積エネルギー密度が180Wh/L以上である単電池の複数枚を、並列配置し、電気的に接続した電池モジュールを収容するための電池モジュールケースが記載されている。
特許第3649213号公報 特許第4102957号公報
しかし、特許文献1〜2では、モジュールを構成する各電池の安全性及びモジュール全体の安全性については何ら考慮されていない。
本発明は上記問題を解決したもので、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供するものである。
本発明の非水電解質電池モジュールは、複数の非水電解質電池と、前記非水電解質電池を収納した外装体とを含む非水電解質電池モジュールであって、前記非水電解質電池は、電池要素と、前記電池要素を収納した可撓性を有する外装材とを含み、前記外装材は、封止部を有し、前記非水電解質電池と前記外装体との間には、モールド樹脂が充填されて樹脂固定部を形成し、前記樹脂固定部は、前記封止部に接する少なくとも一部に樹脂欠損部を有し、前記樹脂欠損部には、多孔性軟質部材が充填され、前記外装体は、前記樹脂欠損部と外部とを連通する排気孔を備え、前記外装体の外部には、前記排気孔を覆うカバーが配置され、前記排気孔と前記カバーとの間には、吸着剤が配置されていることを特徴とする。
本発明によると、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供できる。
図1Aは本発明で用いる電極体を説明するための斜視図であり、図1Bは電極体を外装材に収納している状態を示す斜視図であり、図1Cは電極体を外装材に収納した状態の斜視図である。 図2Aは本発明で用いる放熱部材としての放熱シートの斜視図であり、図2Bは図2Aの側面図である。 図3Aは本発明で用いる非水電解質電池に放熱部材を取り付けた状態の斜視図であり、図3Bは図3Aの底面図である。 本発明の非水電解質電池モジュールの断面図である。 図4のI−I線の断面図である。 本発明の非水電解質電池モジュールの外観斜視図である。 本発明の非水電解質電池モジュールの他の形態を示す断面図である。
本発明の非水電解質電池モジュールは、複数の非水電解質電池と、上記非水電解質電池を収納した外装体とを備えている。また、上記非水電解質電池は、電池要素と、上記電池要素を収納した可撓性を有する外装材とを含み、上記外装材は、封止部を有している。更に、上記非水電解質電池と上記外装体との間には、モールド樹脂が充填されて樹脂固定部を形成し、上記樹脂固定部は、上記封止部に接する少なくとも一部に樹脂欠損部を有している。また、上記外装体は、上記樹脂欠損部と外部とを連通する排気孔を備え、上記外装体の外部には、上記排気孔を覆うカバーが配置され、上記排気孔と上記カバーとの間には、吸着剤が配置されている。
本発明の非水電解質電池モジュールは、上記樹脂欠損部を有しているので、非水電解質電池に異常が発生して内圧が上昇しても、上記樹脂欠損部の近傍にある上記非水電解質電池の封止部が開放して、電池内部のガス等を放出できる。これにより、内圧上昇による電池の破裂等の発生を確実に防止でき、モジュールの安全性を向上できる。即ち、上記樹脂欠損部は、ガス放出ベントの機能を有する。
また、上記外装体は、上記樹脂欠損部と外部とを連通する排気孔を備えているので、放出されたガス等が多くなり、上記樹脂欠損部では吸収しきれなくなっても、ガス等を外装体の外部に排出できる。更に、上記外装体の外部には、上記排気孔を覆うカバーが配置され、上記排気孔と上記カバーとの間には、吸着剤が配置されているので、上記排気孔から排出されたガス等を上記吸着剤が吸収し、ガス等がモジュールの外部に排出されることを防止できる。また、煙成分を含むガスが多量に発生しても上記吸着剤が煙成分を吸着して外部に煙が放出されることを防止できる。
上記吸着剤は、ゼオライト、蛭石、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ及び活性ボーキサイトから選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。これらは、吸着力が大きく、化学的安定性が高いからである。
上記樹脂欠損部には、多孔性軟質部材が更に充填されていることが好ましい。これにより、排気孔から放出されたガス等をより確実に吸収することができる。
上記非水電解質電池の間には、放熱部材が更に配置されていることが好ましい。放熱部材を配置することにより、個々の非水電解質電池の放熱性、ひいてはモジュール全体の放熱性を向上できる。また、上記非水電解質に後述するホスファゼン誘導体を添加した場合、非水電解質の内部抵抗が上昇し、非水電解質電池の発熱性が増加するが、上記放熱部材を用いることにより、非水電解質電池の温度上昇を軽減できる。
本発明の非水電解質電池モジュールは、2〜40個の非水電解質電池を備え、上記非水電解質電池の1個の電気容量は、5〜20Ahであることが好ましい。
複数の非水電解質電池を組み合わせて一定の電気容量のモジュールを形成する場合、各電池の個数が多いほど1個の電池に異常が発生した場合のモジュール全体に与える安全性及び電気容量への影響は小さいが、電池要素以外の部材の割合が増加するため、モジュール全体の単位体積当たりの電気容量が低下するとともに、各電池の接続作業が増加して生産性が低下する。一方、各電池の個数が少ないほど単位体積当たりの電気容量が増加するとともに、各電池の接続作業が減少して生産性が向上するが、1個の電池に異常が発生した場合のモジュール全体に与える安全性及び電気容量への影響は大きくなる。そこで、本発明者らは、携帯機器の電源とし用いられる非水電解質電池よりも高容量である1個の電気容量が5〜20Ahの非水電解質電池を複数組み合わせてモジュールを形成する場合、モジュール全体の単位体積当たりの電気容量、安全性及び生産性を一定以上の水準に維持するとともに、電池に異常が発生した場合にモジュール全体に与える電気容量への影響を考慮して、2〜40個の非水電解質電池を組み合わせてモジュールを形成することが好ましいと考えた。
上記非水電解質電池の電池要素は、正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを備えている。
上記正極は、マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含んでいることが好ましい。これにより、正極活物質の熱的安定性が向上し、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
また、上記セパレータには、耐熱性多孔質基体と、熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとを備えた2層構造のセパレータを用いることが好ましい。耐熱性多孔質基体を用いることにより、電池の異常発熱時におけるセパレータの収縮を防止できる。また、熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムを用いることにより、電池の熱暴走(異常発熱)温度以下で微多孔フィルムの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる、所謂シャットダウンを生じさせることができる。これにより、セパレータの耐熱性が向上し、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
また、上記非水電解質は、ホスファゼン誘導体を含んでいることが好ましい。これにより、非水電解質の難燃性及び不燃性が向上し、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。但し、図1〜図7では、同一部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する場合がある。
先ず、本発明に用いる非水電解質電池の実施形態について扁平型リチウムイオン二次電池を例に説明する。図1Aは本実施形態で用いる電極体を説明するための斜視図であり、図1Bは電極体を外装材に収納している状態を示す斜視図であり、図1Cは電極体を外装材に収納した状態の斜視図である。
図1Aにおいて、電池要素に含まれる電極体10は、矩形状の正極11と矩形状の負極12とを、矩形状のセパレータ13を介して積層して作製される。正極11の一端には、正極リード端子11aが設けられ、負極12の一端には、負極リード端子12aが設けられている。
図1Bにおいて、可撓性を有する矩形状の外装材14は、谷折りされて第1外装面14aと第2外装面14bとから構成されている。第1外装面14aには、深絞り成形により電極収納部15が形成されている。また、各正極リード端子11a(図1A)及び各負極リード端子12a(図1A)は、それぞれ重ね合わされて溶接されて、それぞれ正極リード端子部16a及び負極リード端子部16bを形成している。
図1Cにおいて、電極体10は、電解液とともに谷折りされた第1外装面14aと第2外装面14bとが形成する電極収納部15に収納される。また、外装材14の外周辺のうち、谷折りされた一辺以外の三辺が所定の幅をもって接合されて封止部17a、17b、17cを形成している。正極リード端子部16a及び負極リード端子部16bは、外装材14の谷折りされた一辺と対向する封止部17cから外部に引き出されている。
正極11は、正極活物質、正極用導電助剤、正極用バインダ等を含む混合物に、溶剤を加えて十分に混練して得た正極合剤ペーストを、正極集電体の両面に塗布して乾燥した後に、その正極合剤層を所定の厚さ及び所定の電極密度に制御することにより形成できる。
上記正極活物質としては、マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の単体、又はマンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物と他の正極活物質との混合体を用いることができる。上記マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の含有量は、正極活物質全体の質量割合で、70〜100質量%であることが好ましい。上記含有量が、70質量%を下回ると正極活物質の熱的安定性が不十分となる傾向にあるからである。
上記マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物としては、例えば、一般式LiyMn24(0.98<y≦1.1)の組成を有するリチウム含有複合酸化物、又は上記Mnの一部がGe、Zr、Mg、Ni、Al及びCoより選ばれる少なくとも1種の元素で置換されたリチウム含有複合酸化物(例えば、LiCoMnO4、LiNi0.5Mn1.54等)等が挙げられる。上記マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の正極活物質としては、例えば、一般式LiCoO2に代表されるリチウムコバルト複合酸化物(構成元素の一部が、Ni、Al、Mg、Zr、Ti、B等の元素で置換された複合酸化物も含む。)、一般式LiNiO2、Li1+xNi0.7Co0.25Al0.052等に代表されるリチウムニッケル複合酸化物(構成元素の一部が、Co、Al、Mg、Zr、Ti、B等の元素で置換された複合酸化物も含む。)等の層状構造の複合酸化物;一般式Li4Ti512に代表されるリチウムチタン複合酸化物(構成元素の一部が、Ni、Co、Al、Mg、Zr、B等の元素で置換された複合酸化物も含む。)等のスピネル構造の複合酸化物;一般式LiMPO4に代表されるオリビン構造のリチウム複合酸化物(但し、MはNi、Co及びFeより選ばれる少なくとも1種)等が例示される。
上記正極用導電助剤は、正極合剤層の導電性向上等の目的で必要に応じて添加すればよく、導電助剤となる導電性粉末として、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、繊維状炭素、黒鉛等の炭素粉末や、ニッケル粉末等の金属粉末を利用することができる。
上記正極用バインダには、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記正極集電体としては、構成された電池において実質的に化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。正極集電体としては、例えば、厚さが10〜30μmのアルミニウム箔等が用いられる。
上記溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン等が使用できる。
正極11の厚さは特に限定されないが、通常は110〜230μmである。
負極12は、負極活物質、負極用導電助剤、負極用バインダ等を含む混合物に、溶剤を加えて十分に混練して得た負極合剤ペーストを、負極集電体の両面に塗布して乾燥した後に、その負極合剤層を所定の厚さ及び所定の電極密度に制御することにより形成できる。
上記負極活物質としては、例えば、天然黒鉛又は塊状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛等の人造黒鉛等の炭素材料が用いられるが、リチウムイオンを吸蔵・放出可能であればこれらに限定はされない。
上記負極集電体としては、構成された電池において実質的に化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。負極集電体としては、例えば、厚さが5〜20μmの銅箔等が用いられる。
上記負極用導電助剤、負極用バインダ、溶剤については、正極に用いたものと同様のものを使用できる。また、負極用バインダとしては、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)及びカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた水溶性バインダを用いることもできる。
負極12の厚さは特に限定されないが、通常は65〜220μmである。
セパレータ13としては、厚さが10〜50μmの耐熱性多孔質基体と、厚さが10〜30μmの熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとを備えた2層構造のセパレータを用いることができる。耐熱性多孔質基体としては、例えば、耐熱温度が150℃以上の繊維状物で形成してもよく、上記繊維状物は、セルロース及びその変成体、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアミドイミド及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種の材料で形成することができ、より具体的には上記材料からなる織布、不織布(紙を含む。)等のシート状物を耐熱性多孔質基体として用いることができる。
上記多孔質基体の「耐熱性」は、軟化等による実質的な寸法変化が生じないことを意味し、対象物の長さの変化、すなわち、多孔質基体においては、室温での長さに対する収縮の割合(収縮率)が5%以下を維持することのできる上限温度(耐熱温度)が、セパレータのシャットダウン温度よりも十分に高いか否かで耐熱性を評価する。シャットダウン後の非水電解質電池の安全性を高めるために、多孔質基体は、シャットダウン温度よりも20℃以上高い耐熱温度を有することが望ましく、より具体的には、多孔質基体の耐熱温度は、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとしては、一定温度以上(100〜140℃)で微孔を閉塞し、抵抗を上げるシャットダウン機能をセパレータに付与するために、例えば、融点が80〜140℃である熱可塑性樹脂からなる微多孔性フィルムを用いることができる。より具体的には、耐有機溶剤性及び疎水性を有するポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマーからなる微多孔シートを用いることができる。
また、セパレータの耐熱性をより向上させるために、上記耐熱性多孔質基体に無機フィラーを含ませてもよく、また、上記微多孔フィルムに厚さが3〜10μm程度の無機フィラー層を設けてもよい。上記無機フィラーとしては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム及びベーマイトよりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸化物の粒子を用いることができる。
セパレータ13の厚さは特に限定されないが、通常は25〜90μmである。
外装材14としては、アルミニウム等の金属層と熱可塑性樹脂層とが積層されたラミネートフィルム等を用いることができる。例えば、厚さが20〜100μmのアルミニウム層の外側に厚さが20〜50μmの熱可塑性樹脂層を設け、その内側に20〜100μmの接着層を設けたラミネートフィルムを用いることができる。これにより、封止部17a、17b、17cは、熱溶着により確実に接合できる。
外装材14の厚さは特に限定されないが、通常は60〜250μmである。
上記非水電解質としては、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液に、更にホスファゼン誘導体を添加した非水電解液を使用することが好ましい。
上記ホスファゼン誘導体としては、環状型と鎖状型のいずれも用いうるが、負荷特性等の電池の特性を考えた場合、特許第4367951号公報に記載の環状構造のものが好ましい。上記ホスファゼン誘導体の含有量は、上記非水電解質全体の質量割合で、5質量%以上20質量%未満であることが好ましい。5質量%以上で非水電解液の引火点がなくなり難燃性が認められ、10質量%以上で不燃性が認められる。一方、20質量%以上では非水電解液の内部抵抗が大きくなり、電池の負荷特性が低下する傾向があるため、20質量%未満が好ましい。
上記有機溶媒としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン等の有機溶媒を1種類又は2種類以上混合して用いることができる。また、上記リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3等から選ばれる少なくとも1種類のリチウム塩を用いることができる。非水電解液中のLiイオンの濃度は、0.5〜1.5mol/Lとすればよい。
上記非水電解質は、ゲル化剤を更に含んでいてもよい。ゲル化剤により上記非水電解液がゲル化することにより、異常時に電池の外装材が破断しても非水電解液の漏液を防止でき、個々の非水電解質電池の安全性、ひいてはモジュール全体の安全性を向上できる。
上記ゲル化剤としては、オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物を架橋してなる重合体が好ましい。この種の重合体は、高温耐久性が高いからである。
上記オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む架橋性高分子化合物は、オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーの重合体、又は、オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーと、他の重合性モノマーとの共重合体として合成することができる。
但し、上記オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーを単独で重合する場合は、オキセタン基等の架橋性官能基の濃度が高くなりすぎ、重合度が低くなって所望の分子量の大きな架橋性高分子化合物(プレポリマー)が得られないことがある。しかし、非架橋性で保液性の良い他の重合性モノマーと共重合することにより、上記問題を解決することができる。その場合のそれぞれの重合性モノマーの割合は、オキセタン基及び脂環式エポキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含む重合性モノマーのモル数をmモルとし、他の重合性モノマーのモル数をnモルとすると、モル比m/nの範囲が1/20〜2/1の範囲とするのが好ましく、より好ましくは1/10〜1/1の範囲である。上記モル比を1/20以上とすることにより、化学架橋点の割合を増加させて高温での流動化を効果的に抑制することができる。また、上記モル比を2/1以下とすることにより、非水電解質中の活性成分と、オキセタン基又は脂環式エポキシ基との反応を抑制して、イオン伝導性の低下を防ぐことができる。
上記オキセタン基を含む重合性モノマーとしては、式(1):
Figure 0005592819
(式中、R1は水素又は炭素数1〜3のアルキル基、R2は炭素数1〜6のアルキル基である。)
で示されるモノマーを用いることができる。
また、上記脂環式エポキシ基を含む重合性モノマーとしては、式(2):
Figure 0005592819
(式中、R3は水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示されるモノマーを用いることができる。
また、上記他の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、及びこれらの誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピロリドン、ビニレンカーボネート、N−ビニルアセトアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル等を使用できる。
上記ゲル化剤の含有量は、上記非水電解質全体の質量割合で、1.5〜5質量%であることが好ましい。この範囲内では、イオン伝導性に優れ、高温でも流動化しないゲル状電解質を作製できるからである。
図2Aは本実施形態の非水電解質電池に用いる放熱部材としての放熱シートの斜視図であり、図2Bは図2Aの側面図である。図2A、Bにおいて、放熱シート18は、シート状の金属部材としての金属シート18cと、金属シート18cの両主面に接合された樹脂部材としての樹脂シート18a、18bとから形成されている。これにより、放熱シート18と、前述の外装材14から外部に引き出された正極リード端子部16a及び負極リード端子部16bとが電気的に短絡することをより効果的に防止できる。但し、電極リード端子部の構造により短絡の可能性が低い場合には、放熱部材として金属シート18cのみを用いてもよい。
金属シート18cは、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼等の金属で形成されている。金属シート18cは、1種類の金属シートを用いてもよいし、2種類以上の金属シートを積層して用いてもよい。金属シート18cの厚さは、非水電解質電池の大きさや厚さにより変動するが、例えば、200〜500μmとすることができる。
樹脂シート18a、18bは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂から形成されている。樹脂シート18a、18bは、1種類の樹脂シートを用いてもよいし、2種類以上の樹脂シートを積層して用いてもよい。樹脂シート18a、18bの厚さは、非水電解質電池の大きさや厚さにより変動するが、例えば、5〜30μmとすることができる。
図3Aは本実施形態の非水電解質電池に上記放熱部材を取り付けた状態の斜視図であり、図3Bは図3Aの底面図である。図3A、Bにおいて、非水電解質電池20の外装材14の一方の主面には、図2A、Bで示した放熱シート18が接合されている。外装材14と放熱シート18とは、例えば、粘着剤による接合、接着剤による接合等により、一体化されている。
図3Bに示した矢印は、外装材14から放熱シート18を通って熱が伝導する放熱ルートを表したものである。電池内から外装材14に伝導した熱は、樹脂シート18aから金属シート18cに伝導し、最終的には、金属シート18cの端部から外部に放出される。
また、図3A、Bに示した非水電解質電池では、放熱シート18の金属シート18cの両主面の全面が、樹脂シート18a、18bで覆われているので、金属シート18cと、外装材14から外部に引き出された正極リード端子部16a及び負極リード端子部16bとが電気的に短絡することをより効果的に防止できる。
本実施形態の非水電解質電池20の電気容量は、5〜20Ahに設定することが好ましい。これは、前述のとおり、モジュール全体の単位体積当たりの電気容量、安全性及び生産性を一定以上の水準に維持するとともに、電池に異常が発生した場合にモジュール全体に与える電気容量への影響を考慮して、2〜40個の非水電解質電池を組み合わせてモジュールを形成する場合に、個々の非水電解質電池として最適な電気容量となるからである。
次に、本発明の非水電解質電池モジュールの実施形態について説明する。本実施形態の非水電解質電池モジュールは、上記非水電解質電池を上記放熱部材を介して複数積層したものである。
図4は、本実施形態の非水電解質電池モジュールの断面図である。図4において、非水電解質電池モジュール50の外装体40の内部には、非水電解質電池20が5個積層されて収納されている。また、各非水電解質電池20の放熱シート18の端部は、外装体40の内面に接している。これにより、放熱シート18に伝導した熱を外装体40から外部に放出できる。このため、外装体40は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ステンレス鋼等の熱伝導性が高い材料で形成することが好ましい。
また、非水電解質電池20と外装体40との間には、モールド樹脂が充填されて樹脂固定部30が形成されている。樹脂固定部30により、非水電解質電池20を外装体40の内部で強固に固定できる。これにより、耐振動性が向上し、モジュール全体の安全性を向上できる。樹脂固定部30の形成に用いるモールド樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂等の樹脂が使用できる。
但し、図4では、図面の理解を容易にするため、非水電解質電池20及び放熱シート18については、断面を示すハッチングを省略している。
図5は、図4のI−I線の断面図である。図5において、樹脂固定部30は、非水電解質電池20の封止部17a、17b、17c(図1)の主要部を覆って固定している。また、樹脂固定部30には、樹脂欠損部31を備え、樹脂欠損部31にはモールド樹脂は充填されておらず、代わりに多孔性軟質部材が充填されている。多孔性軟質部材としては、後述する放出ガス等を吸収又は透過可能な部材であれば特に限定されないが、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン発泡ゴム、発泡ウレタン樹脂、発泡ユリア樹脂、発泡ポリスチレン等を使用できる。
樹脂固定部30と樹脂欠損部31は、先ず、樹脂欠損部31となる部分に多孔性軟質部材を予め配置した後にモールド樹脂を流し込み、その後にモールド樹脂を硬化させることにより形成できる。但し、樹脂欠損部31に多孔性軟質部材を充填しない形態とすることもできる。その場合は、樹脂欠損部31となる部分にパテ等を予め配置した後にモールド樹脂を流し込み、モールド樹脂が硬化した後にパテ等を取り除いて樹脂欠損部31を形成すればよい。
本実施形態では樹脂欠損部31は、非水電解質電池20の外装材14の外周辺のうち、谷折された一辺側に配置されているが、他の位置にあってもよい。樹脂欠損部31の大きさは、特に限定されないが、樹脂欠損部31の占める割合が大きすぎると樹脂固定部30の固定機能が低下するので、図5の平面視で、非水電解質電池20の封止部17a、17b、17c(図1)の幅を一辺とする正方形又はそれに近い形状を形成する大きさとすればよい。また、上記多孔性軟質部材の量的な観点からは、上記モールド樹脂の全質量と上記多孔性軟質部材の全質量との質量比は、1000:1〜1000:50とすればよい。
また、外装体40は、樹脂欠損部31と外部とを連通する排気孔41を備えている。排気孔41の大きさも特に限定されず、孔径を1〜2mm程度の大きさとすればよい。
更に、外装体40の底部には、排気孔31を覆うカバー45が配置され、排気孔41とカバー45との間には、吸着剤35が配置されている。カバー45は、外装体40と同様の材料で形成してもよいし、樹脂等で形成してもよい。吸着剤35は、排気孔41に侵入しないように、ガス透過性シート36で包含されて配置されている。吸着剤35としては、例えば、ゼオライト、蛭石、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性ボーキサイト等を使用できる。また、ガス透過性シート36としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等からなる抄紙、不織布、メッシュ状シート等を使用できる。
本発明の非水電解質電池モジュール50では、樹脂固定部30が非水電解質電池20の封止部17a、17b、17c(図1)の主要部を覆って固定し、更に樹脂欠損部31を有し、樹脂欠損部31には多孔性軟質部材が充填されているので、非水電解質電池20に過充電や内部短絡等の異常が発生して内圧が上昇しても、樹脂欠損部31の近傍にある非水電解質電池20の封止部のみが開放して、電池内部のガス等を放出させることができる。放出されたガス等は、一旦上記多孔性軟質部材に吸収されるが、外装体40は、樹脂欠損部31と外部とを連通する排気孔41を備えているので、上記多孔性軟質部材に吸収しきれなかったガス等は、外装体40の外部に排出される。これにより、内圧上昇による非水電解質電池20の破裂等の発生を確実に防止でき、非水電解質電池モジュール50の安全性を向上できる。更に、外装体40の外部には、排気孔41を覆うカバー45が配置され、排気孔41とカバー45との間には、吸着剤35が配置されているので、排気孔41から排出されたガス等を吸着剤35が吸収し、ガス等が非水電解質電池モジュール50の外部に排出されることを防止できる。
外装体40は、開口部42を備え、開口部42には、封止樹脂32が充填されている。封止樹脂32としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂等を使用できる。
図5において、各非水電解質電池20の正極リード端子16a及び負極リード端子16bは、例えば直列にそれぞれ接続されて正極外部端子19a及び負極外部端子19bとして外部に引き出されている。
図6は、本実施形態の非水電解質電池モジュールの外観斜視図である。本実施形態の非水電解質電池モジュール50を作製するには、外装体40の内部に非水電解質電池20と、放熱シート18と、多孔性軟質部材とを配置した後に、モールド樹脂及び封止樹脂を充填して硬化させ、その後に吸着剤とカバー45とを配置すればよい。
図7は、本発明の非水電解質電池モジュールの他の形態を示す上記実施形態の図5に対応する図である。図7の形態では、樹脂欠損部31、排気孔41、カバー45及び吸着剤35が、外装体40のほぼ中央に配置されている以外は、図5に示した実施形態と同様である。図7の形態の非水電解質電池モジュール50を作製するには、外装体40の内部に非水電解質電池20と、放熱シート18とを配置した後、外装体40のほぼ半分までモールド樹脂を充填し、その後、多孔性軟質部材を所定の位置に配置した後に、更にモールド樹脂及び封止樹脂を充填して硬化させ、その後に吸着剤35とカバー45とを配置すればよい。
本発明の非水電解質電池モジュールは、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池を2〜40個の範囲内の任意の数だけ簡便に積層できるので、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供できる。
次に、本発明を実施例に基づき説明する。
(実施例1)
先ず、以下のようにして非水電解質電池を作製した。
正極活物質としてLiMn24を94質量部、導電助剤としてアセチレンブラック3質量部、及びバインダとしてポリフッ化ビニリデン3質量部を、N−メチル−2−ピロリドンを溶剤として均一になるように混合し、正極合剤含有ペーストを調製した。そのペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成し、ローラーで正極合剤層の密度が2.85mg/cm3になるまで加圧成形した後、電極塗布面が幅140mm及び長さ220mmになるように切断して正極を作製した。また、正極合剤層が形成されていない正極の一端部には正極リード端子を形成した。
負極活物質としてBET比表面積が2.2m2/gで平均粒径が18μmの黒鉛粉末、及びバインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)とスチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を用い、溶媒としての水とともに、黒鉛粉末、CMC及びSBRを、それぞれ質量比で、96:2:2の割合で混合し、スラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。
得られた負極合剤含有ぺーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体の両面に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成し、ローラーで負極合剤層の密度が1.55g/cm3になるまで加圧成形した後、電極塗布面が幅146mm及び長さ226mmになるように切断して負極を作製した。また、負極合剤層が形成されていない負極の一端部には負極リード端子を形成した。
セパレータとして、厚さ16μmのポリエチレン製の微多孔フィルムに厚さ5μmのベーマイト粒子層を形成したセパレータと、厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート製の不織布とを積層した多孔性積層フィルムを準備した。上記多孔性積層フィルム(セパレータ)の総厚みは約20μm、開口率は50%であった。
次に、上記正極15枚及び上記負極16枚を用い、正極と負極との間に、不織布側が正極に当接するように上記セパレータを配置して各正極及び各負極を積層し、各正極リード端子を溶接して正極リード端子部を形成し、各負極リード端子を溶接して負極リード端子部を形成した後、ラミネートフィルム製の外装材内に挿入した。
非水電解液に、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:2で混合した溶媒中に、LiPF6を1.2mol/Lの割合で溶解し、更に、ホスファゼン誘導体としてブリジストン社製の組成式C25ON335で表される“ホスライト”(商品名)を10質量%添加した溶液を用い、これを上記外装材内に注入した後、封止して、端子部の寸法を除いた大きさとして、幅150mm、長さ250mm、高さ4mmで、電池容量10Ahの非水電解質電池を作製した。
次に、放熱部材としてアルミニウム板の両面をPET樹脂でコートした幅150mm、長さ250mm、厚さ0.5mmの放熱シートを準備した。続いて、図4に示すように放熱シート18を介して上記非水電解質電池20を5個積層して、厚み1mmのアルミニウム製の外装体40に挿入して、各非水電解質電池20の正極リード端子部16a及び負極リード端子部16bをそれぞれ直列に接続し、図5に示すように、外部正極端子19aと外部負極端子19bとを形成した。
次に、図5に示すように、外装体40の内側底部の2箇所に多孔性軟質部材として日東電工社製のエチレン−プロピレン−ジエン発泡ゴム“エプトシーラー”(商品名)をそれぞれ0.5gずつ配置した。その後、図5に示すように、非水電解質電池20と外装体40との間にモールド樹脂としてサンユレック社製のウレタン樹脂を95g充填して硬化させ樹脂固定部30及び樹脂欠損部31を形成した。更に、樹脂固定部30の上に封止樹脂30としてウレタン樹脂を流し込んだ。
続いて、図5に示すように、ガス透過性シート36で包んだ吸着剤35を外装体40の外側底部に配置し、更に、カバー45で覆い、図6に示すような本実施例の非水電解質電池モジュール50を作製した。吸着剤35としてはゼオライト系吸着剤“モレキュラーシーブ”100gを用い、ガス透過性シート36としてはポリエチレンテレフタレート製シートを用い、カバー45としてはアルミニウム製カバーを用いた。
(比較例1)
吸着剤35及びカバー45を配置しなかった以外は、実施例1と同様にして本比較例の非水電解質電池モジュールを作製した。
次に、実施例1及び比較例1の非水電解質電池モジュールについて、下記のように外部短絡試験及び過充電試験を行った。
<外部短絡試験>
21Vの終止電圧で、満充電した電池モジュールの正極外部端子19aと負極外部端子19bとを、10mΩの抵抗を介して、雰囲気温度25℃で短絡させた。
<過充電試験>
雰囲気温度25℃で、25V、10Aの電流で連続5時間充電した。
本発明の実施例1の非水電解質電池モジュールでは、外部短絡試験及び過充電試験のいずれにおいても、電池モジュールから外部への煙成分を伴うガス放出は一切認められず、外装体40の膨張も認められず、良好な結果が得られた。上記試験後の実施例1の非水電解質電池モジュールを解体したところ、上記多孔性軟質部材を配置した部分のみ非水電解質電池の封止部の破断が認められた。また、上記多孔性軟質部材には、上記モールド樹脂の流入は観測されなかった。
一方、上記試験後の比較例1の非水電解質電池モジュールでは、外装体40の排気孔41から煙成分を伴うガス放出が認められた。
以上説明したように、本発明は、高容量で且つ安全性が高い非水電解質電池モジュールを提供できる。従って、本発明の非水電解質電池モジュールは、高容量で且つ高い安全性が要求される据え置き型の非常用電源等として広く利用できる。
10 電極体
11 正極
11a 正極リード端子
12 負極
12a 負極リード端子
13 セパレータ
14 外装材
14a 第1外装面
14b 第2外装面
15 電極収納部
16a 正極リード端子部
16b 負極リード端子部
17a、17b、17c 封止部
18 放熱シート
18a、18b 樹脂シート
18c 金属シート
19a 正極外部端子
19b 負極外部端子
20 非水電解質電池
30 樹脂固定部
31 樹脂欠損部
32 封止樹脂
35 吸着剤
36 ガス透過性シート
40 外装体
41 排気孔
42 開口部
45 カバー
50 非水電解質電池モジュール

Claims (11)

  1. 複数の非水電解質電池と、前記非水電解質電池を収納した外装体とを含む非水電解質電池モジュールであって、
    前記非水電解質電池は、電池要素と、前記電池要素を収納した可撓性を有する外装材とを含み、
    前記外装材は、封止部を有し、
    前記非水電解質電池と前記外装体との間には、モールド樹脂が充填されて樹脂固定部を形成し、
    前記樹脂固定部は、前記封止部に接する少なくとも一部に樹脂欠損部を有し、
    前記樹脂欠損部には、多孔性軟質部材が充填され、
    前記外装体は、前記樹脂欠損部と外部とを連通する排気孔を備え、
    前記外装体の外部には、前記排気孔を覆うカバーが配置され、
    前記排気孔と前記カバーとの間には、吸着剤が配置されていることを特徴とする非水電解質電池モジュール。
  2. 前記吸着剤が、ゼオライト、蛭石、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ及び活性ボーキサイトから選ばれる少なくとも一つを含む請求項1に記載の非水電解質電池モジュール。
  3. 前記外装材は谷折されて矩形状に形成され、前記外装材の外周辺のうち、谷折りされた一辺以外の三辺が所定の幅をもって接合されて前記封止部を形成し、前記谷折りされた一辺と対向する辺に形成された前記封止部から電極リード端子部が引き出されている請求項1又は2に記載の非水電解質電池モジュール。
  4. 前記樹脂欠損部は、前記外装材の外周辺のうち、谷折りされた一辺側に配置されている請求項に記載の非水電解質電池モジュール。
  5. 前記非水電解質電池の間には、放熱部材が更に配置されている請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
  6. 2〜40個の前記非水電解質電池を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
  7. 前記非水電解質電池の1個の電気容量は、5〜20Ahである請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
  8. 前記電池要素は、正極と、負極と、セパレータと、非水電解質とを含み、
    前記正極は、マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含み、
    前記セパレータは、耐熱性多孔質基体と、熱可塑性樹脂からなる微多孔フィルムとを含み、
    前記非水電解質は、ホスファゼン誘導体を含む請求項1〜のいずれか1項に記載の非水電解質電池モジュール。
  9. 前記マンガンを含むスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の含有量が、前記正極活物質全体の質量割合で、70〜100質量%である請求項に記載の非水電解質電池モジュール。
  10. 前記ホスファゼン誘導体の含有量が、前記非水電解質全体の質量割合で、5質量%以上20質量%未満である請求項に記載の非水電解質電池モジュール。
  11. 前記非水電解質は、ゲル化剤を更に含む請求項に記載の非水電解質電池モジュール。
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