(1)照明器具の全体構成
本実施形態に係る照明器具について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態の照明器具1は、例えば、集合住宅の開放廊下の天井や、屋外の駐輪場の軒下、倉庫のトラックヤードの軒下、湿気の多い食品工場の天井などに直付けされる直付け形の照明器具であるが、埋込形の照明器具や壁に取り付けられる照明器具であってもよい。なお、以下の実施形態で説明する構成は本発明の一例にすぎない。本発明は、以下の実施形態に限定されず、本発明の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(2)照明器具の各構成要素
本実施形態の照明器具1は、図1〜図3に示すように、常用照明を行う常用照明装置2と、非常用照明を行う非常用照明装置3と、常用照明装置2及び非常用照明装置3を収容する器具本体10とを備えている。さらに、照明器具1は、非常用照明装置3に給電する非常用電源ユニット9を備えている。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図1に示す向きにおいて、照明器具1の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
(2.1)器具本体
器具本体10は、長尺状であり、常用照明装置2及び非常用照明装置3が取り付けられている。器具本体10は、長尺の矩形平板状の天板11と、天板11の長手方向(左右方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第1側板12とを有している。器具本体10は、さらに、天板11の短手方向(前後方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第2側板13と、各第1側板12の下端から斜め下向きに突出する一対の反射板14とを有している。すなわち、器具本体10は、天板11に対向する下面に開口部を有した矩形の箱状に形成されている。天板11は、その左右方向におけるほぼ中央に、電線を通すための孔を有している。また、天板11は、吊りボルトを通すための孔111を有している(図2参照)。なお、各第2側板13の下端には、天板11と平行して突出する取付片130がそれぞれ設けられている(図3参照)。各取付片130には、ねじ孔(雌ねじ)131が設けられている。
器具本体10は、図9〜図12に示すように、電池ユニット9Aの少なくとも一部が収容される凹部15を有する。より詳細には、器具本体10の天板11に凹部15が形成されている。
さらに、器具本体10の天板11は、基部112と、凹部15の底に設けられた底面部113と、凹部15の側面に設けられており基部112と底面部113とを接続する2つの接続部114とを有する。各接続部114は、基部112から底面部113に向けて傾斜して設けられている。より詳細には、各接続部114は、底面部113に近づくにつれて器具本体10の短手方向の中心に近づくように傾斜している。各接続部114は、電池ユニット9Aを器具本体10に固定するときに、電池ユニット9Aのうち凹部15に収容される部分をガイドする。
凹部15には、器具本体10の長手方向において、電池ケース90の突出部位が収容されており、器具本体10における凹部15の周囲には、電池ケース90のうち突出部位の周囲部分が接触する。同様に、器具本体10の短手方向において、凹部15には、電池ケース90の突出部位が収容されており、器具本体10における凹部15の周囲には、電池ケース90のうち突出部位の周囲部分が接触する。
なお、凹部15は、ブリッジ形状であってもよいし、ランス形状であってもよい。また、凹部15は、開口であってもよい。
(2.2)常用照明装置
常用照明装置2は、図2及び図4に示すように、LEDモジュール20(常用光源)と、LEDモジュール20を支持する支持板21と、LEDモジュール20を支持した支持板21を内部に収容するケース22と、電源装置と、2つの固定具23と、2つの取付具24とを備える。常用照明装置2は、器具本体10に支持されており、常用照明を行う。
LEDモジュール20は、左右方向に長い矩形板状に形成された基板(プリント配線板)200と、基板200の下面に実装された複数個のLED(Light Emitting Diode)201とを有する。複数個のLED201は、基板200の長手方向に沿って、一定の間隔を空けて並ぶように実装されている(図4参照)。また、複数個のLED201は、基板200に形成される導体(銅はく)を介して電気的に直列接続される。なお、基板200に形成される導体は、基板200に実装されるコネクタと、コネクタに電気的に接続される電線とを介して、電源装置の出力端子と電気的に接続される。
支持板21は、板金に曲げ加工を施すことで箱状に形成される(図4参照)。すなわち、支持板21は、長尺且つ矩形板状に形成された底板210と、底板210の短手方向(前後方向)における両端から長手方向に沿って上向きに立ち上がる一対の側板とを有する。LEDモジュール20は、底板210の下面に取り付けられる(図4参照)。
電源装置は、常用電源(例えば、商用の交流電源)から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をLEDモジュール20に供給することでLEDモジュール20を点灯するように構成されている。電源装置は、支持板21の底板210の上面に取り付けられる。LEDモジュール20と電源装置は、底板210に設けられた挿通孔に挿通される電線によって電気的に接続される。
ケース22は、ケース本体220と、2つのエンド部材221と、2つのガスケット(固定用シール)222とを有する(図2及び図4参照)。ケース本体220は、合成樹脂材料によって長手方向の両端が開口した長尺の筒状に形成されており、その内部にLEDモジュール20及び支持板21を収容するように構成されている(図4参照)。なお、支持板21は、2つの固定具23によってケース本体220に固定される。
エンド部材221は、図2及び図4に示すように、第1底壁2210、第2底壁2211、外周壁2212、内周壁2213並びにカバー部2214を有する。第1底壁2210は、ケース本体220の前後方向及び上下方向に平行な断面の形状と同じ形状に形成されている。第2底壁2211は、おおよそ半円板形状に形成されている。外周壁2212は、第1底壁2210の周縁から全周に渡って突出する筒状に形成される。内周壁2213は、外周壁2212に対向して第1底壁2210から突出する筒状に形成される。カバー部2214は、第2底壁2211の周縁の弧状の部分から第2底壁2211の厚み方向に突出し、かつ、その表面を外周壁2212の表面と同一の曲面(略半円筒面)とする形状に形成されている(図2参照)。また、カバー部2214の下面中央には、円筒形の凹部2215が設けられている(図2参照)。さらに、凹部2215の底壁には、円形の孔2216が形成されている(図4参照)。
ガスケット222は、シリコーン樹脂などの弾性を有する材料により、エンド部材221の外周壁2212及び内周壁2213に相似した形状(筒状)に形成されている。そして、ガスケット222は、エンド部材221の第1底壁2210と外周壁2212と内周壁2213に囲まれた空間に圧入される。さらに、ガスケット222は、外周壁2212及び内周壁2213の先端から露出する面に全周に渡る溝2220が設けられている。そして、この溝2220にケース本体220の長手方向における端部が圧入される(図4参照)。つまり、エンド部材221とケース本体220がガスケット222によって密封され、ケース本体220内への水(雨水など)の浸入が抑制される。
固定具23は、固定片230と、一対の取付片231と、一対の側壁232とを有する(図4参照)。ただし、2つの固定具23は全て同一の構造である。固定片230は、矩形平板状に形成されている。一対の取付片231は、矩形平板状であって、固定片230の前端及び後端から下向きに突出するように設けられる。一対の側壁232は、矩形平板状であって、固定片230の左端及び右端から下向きに突出するように設けられる。1つの固定具23は支持板21の上面における左端に取り付けられる。もう1つの固定具23は支持板21の上面における右端に取り付けられる。各固定具23は、ケース本体220内に収容された状態において、固定片230とケース本体220とがねじ止めされることで支持板21をケース本体220に固定している。
取付具24は、図4に示すように、第1固定部240と、第2固定部241と、第1固定部240と第2固定部241を連結する連結部242とを有している。第1固定部240、第2固定部241及び連結部242は、金属板が加工されることで一体に形成されている。ただし、2つの取付具24は全て同一の構造である。第2固定部241は、前後方向のほぼ中央に長孔状のねじ挿通孔243を有している(図4参照)。取付具24の第1固定部240は、ケース22の外から固定具23の固定片230にねじ止めされる。
(2.3)非常用照明装置
次に、本実施形態の非常用照明装置3について、図5〜図8を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図6に示す向きにおいて、非常用照明装置3の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
非常用照明装置3は、図5及び図6に示すように、非常用光源ユニット4と、非常用光源ユニット4を支持する支持部材7と、非常用光源ユニット4を点灯する制御装置6と、非常用光源ユニット4、支持部材7及び制御装置6を収容する筐体5とを備えている。非常用照明装置3は、更に、第1ガスケット53、第2ガスケット54及び第3ガスケット55を備えている。非常用照明装置3は、器具本体10に支持されており、非常用照明を行う。
非常用光源ユニット4は、図7及び図8に示すように、LEDモジュール40(非常用光源)と、ホルダ41と、一対の端子板42と、放熱シート43と、レンズ44とを有している。LEDモジュール40は、矩形平板状の実装基板400の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装されて構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む実装基板400の実装面(下面)は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂401で封止されている(図8参照)。さらに、実装基板400は、その対角の位置にある一対の角部の下面にそれぞれ電極を有している。一方の電極は、LEDチップのカソードと電気的に接続され、他方の電極は、LEDチップのアノードと電気的に接続されている。さらに、これら2つの電極は、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と電気的に接続されている。
レンズ44は、例えば、ガラス製であって、レンズ本体440と、レンズ本体440の周縁から外向きに突出する環状の外鍔部441とを有している(図8参照)。レンズ44は、非球面形状の入射面442及び出射面443を有し(図7参照)、いわゆるバットウイング(batwing)状の配光特性を実現する広角配光レンズであることが好ましい。ただし、レンズ44は、ガラス繊維が混入されることで耐熱性(難燃性)が向上された合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂など)で形成されてもよい。
放熱シート43は、高熱伝導率、電気絶縁性及び難燃性を有するシリコーン樹脂製のシート材で構成されることが好ましい。放熱シート43は、LEDモジュール40の実装基板400の上面に接触している(図7参照)。
ホルダ41は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料により、上下方向から見て、おおよそ菱形に形成されることが好ましい(図8参照)。ホルダ41は、LEDモジュール40の発光面(下面)にレンズ44のレンズ本体440を重ねるようにして、LEDモジュール40とレンズ44を保持している。また、ホルダ41は、端子板保持部410を有している。端子板保持部410は、上向きに伸びた角筒状に形成されており、一対の端子板42を内部に収容して保持している(図7及び図8参照)。
制御装置6は、図8に示すように、第1回路ブロック60、第2回路ブロック61及びケース62を備えている。第1回路ブロック60は、矩形板状の第1プリント配線板600、複数種類の電子部品601、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604を有している。複数種類の電子部品601のうちでリード付きの電子部品601が第1プリント配線板600の下面(部品面)に挿入実装されている。また、複数種類の電子部品601のうちで表面実装型の電子部品601が第1プリント配線板600の上面(はんだ面)に表面実装されている(図7参照)。ただし、第1プリント配線板600の部品面には、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604も挿入実装されている。
出力コネクタ602は、一対のコンタクト6020を有している(図8参照)。出力コネクタ602の各コンタクト6020は、非常用光源ユニット4の一対の端子板42のうちの対応する端子板42と、中継用の電線を介して電気的に接続される。
受け側コネクタ64は、第1コンタクト受け641と、第2コンタクト受け642と、ベース640とを有している(図8参照)。ベース640は、電気絶縁性を有した合成樹脂材料によって矩形の板状に形成されている。第1コンタクト受け641及び第2コンタクト受け642は棒状に形成されて、ベース640を厚み方向に貫通した状態でベース640に支持されている。受け側コネクタ64は、中継用の電気ケーブルを介して、非常用電源ユニット9の電気ケーブルと電気的に接続される。
第1回路ブロック60は、第1プリント配線板600に形成されているプリント配線と、第1プリント配線板600の部品面及びはんだ面に実装されている複数種類の電子部品601とで構成されたプリント回路を有している(図7及び図8参照)。第1回路ブロック60のプリント回路は、例えば、直流電源回路、充電回路、点灯回路、停電検出回路、制御回路を含んでいる。直流電源回路は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、常用電源から入力端子台603に入力される交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。充電回路は、常用電源から給電されているときに受け側コネクタ64を通して一定の充電電流を非常用電源ユニット9へ出力するように構成されている。点灯回路は、非常用電源ユニット9から受け側コネクタ64に入力される直流電流を定電流化し、定電流化した直流電流を出力コネクタ602より非常用光源ユニット4に供給するように構成されている。停電検出回路は、直流電源回路の出力電圧に基づいて常用電源の停電を検出して制御回路に通知するように構成されている。制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出していないときに充電回路を動作させ、かつ、点灯回路を停止させるように構成されている。また、制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出しているときに充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させるように構成されている。
第2回路ブロック61は、矩形板状の第2プリント配線板610、2つの押釦スイッチ611、612、表示素子613、受光素子614並びに第2コネクタ615を有している(図8参照)。第2コネクタ615は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の一端(前端)に実装されている。一方の押釦スイッチ612は、第2プリント配線板610の下面における第2コネクタ615の後方に実装されている。他方の押釦スイッチ611は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の他端(後端)に実装されている。表示素子613は、例えば、緑色光を放射するLEDチップを有している。表示素子613は、第2プリント配線板610の下面における押釦スイッチ611の前方に実装されている。受光素子614は、赤外線を通信媒体とする制御信号を受信し、受信した制御信号から送信フレームを復調するように構成されている。この制御信号は、定期点検の作業を行う作業者に操作されるリモートコントローラから送信される。受光素子614は、第2プリント配線板610の下面における表示素子613と押釦スイッチ612の間に実装されている。第2コネクタ615は、例えば、ケーブルによって第1回路ブロック60の第1コネクタ604と電気的に接続される。第1回路ブロック60の制御回路は、ケーブルを通して各押釦スイッチ611、612の操作状態(オン及びオフ)を監視するように構成されている。また、制御回路は、受光素子614で復調される制御信号の送信フレームをケーブルを通して受け取るように構成されている。さらに、制御回路は、第1回路ブロック60の充電回路が動作している場合、ケーブルを通して表示素子613に電流を流すことで表示素子613を発光させるように構成されている。
なお、制御回路は、後方の押釦スイッチ611がオンされた場合、及び受光素子614から送信フレームを受け取った場合に自己点検動作を行うように構成されている。自己点検動作を行う制御回路は、充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させる。さらに、制御回路は、前方の押釦スイッチ612がオンされた場合、確認動作を行うように構成されている。確認動作を行う制御回路は、充電回路を停止するとともに点灯回路を数秒間動作させた後、再度、点灯回路を停止させ、かつ、充電回路を動作させる。ただし、制御回路は、確認動作を行うように指示する送信フレームを受光素子614から受け取った場合も確認動作を行うように構成されることが好ましい。
ケース62は、第1ケース620と第2ケース621を有している。第1ケース620は、底部6200と、側壁部6201とを有している。底部6200は、おおよそ矩形の箱形に形成されている。底部6200は、第1回路ブロック60の第1プリント配線板600のはんだ面を厚み方向(上下方向)から支持するように構成されている。側壁部6201は、板状に形成されている。側壁部6201は、ヒンジを介して底部6200に連結されている。ゆえに、側壁部6201は、ヒンジを軸にして底部6200に対して回転可能となるように構成されている。また、側壁部6201は、第2回路ブロック61の第2プリント配線板610の長手方向に沿った端部(左端部)を厚み方向から挟んで支持するように構成されている。
第2ケース621は、上面及び左側面が開放された箱状に形成されている。第2ケース621は、第1ケース620と結合される。第2ケース621の上面は、第1ケース620の底部6200によって閉じられる。また、第2ケース621の左側面は、第1ケース620の側壁部6201によって閉じられる(図7参照)。
第2ケース621は、下面の左端から下方へ突出する突台部6210を有している(図8参照)。突台部6210は、おおよそ角錐台状に形成されている。突台部6210は、2つの操作部材(第1操作部材6214及び第2操作部材6215)を有している。第1操作部材6214は、突台部6210の下面における後端に設けられている。また、第2操作部材6215は、突台部6210の下面における前端に設けられている。第1操作部材6214及び第2操作部材6215は、突台部6210の下面に対して上下方向に移動可能となるように構成されている。つまり、上向きに押された第1操作部材6214が押釦スイッチ611の押釦を押すことにより、押釦スイッチ611がオンする。また、上向きに押された第2操作部材6215が押釦スイッチ612の押釦を押すことにより、押釦スイッチ612がオンする。さらに、突台部6210は、その下面における第1操作部材6214と第2操作部材6215の間に、2つの円形の窓6216、6217を有している。前方の窓6216は、上下方向において第2回路ブロック61の受光素子614と対向している。後方の窓6217は、上下方向において第2回路ブロック61の表示素子613と対向している。つまり、リモートコントローラから送信される制御信号は、前方の窓6216を通して受光素子614に到達する。また、表示素子613が発する光(緑色光)は、後方の窓6217を通してケース62の外に放射される。
また、第2ケース621は、右端に3つの開口部6211、6212、6213を有している。これら3つの開口部6211、6212、6213は、前後方向に沿って一列に並んでいる(図8参照)。前端の開口部6211は、第1回路ブロック60の受け側コネクタ64と対向している。後端の開口部6213は、入力端子台603が挿通される。中央の開口部6212は、出力コネクタ602と対向している(図8参照)。
支持部材7は、アルミニウム及びアルミニウム合金のように一般的に熱伝導率が高いとされる材料によって、おおよそ矩形平板状に形成されている(図8参照)。ただし、支持部材7は、アルミニウム及びアルミニウム合金以外の材料で形成されても構わない。支持部材7の左端に挿通孔70が貫通している。挿通孔70は、前後方向を長手方向とする長円形に形成されている。また、支持部材7の右端における前後方向の中央に、矩形の挿通溝71が設けられている。さらに、3つの嵌合溝72が、支持部材7の前端と支持部材7の後端に設けられている。支持部材7の後端の嵌合溝72は、支持部材7の左右方向のほぼ中央に設けられている。一方、支持部材7の前端の2つの嵌合溝72は、支持部材7の左右方向の中央に対して左右両側に離して設けられている。支持部材7の中央には、3つの嵌合孔73が貫通している。支持部材7の前端の中央付近と、支持部材7の右端の後端付近とに、それぞれねじ孔74が1つずつ設けられている。支持部材7の前後方向の中央における挿通孔70の右側の位置と、支持部材7の右端における前後両端の位置とに、それぞれねじ挿通孔75が1つずつ設けられている。
非常用光源ユニット4は、支持部材7に設けられている2つのねじ孔74に対して、2本の取付ねじ45でホルダ41がねじ止めされることによって支持部材7の下面に取り付けられている(図5及び図8参照)。ホルダ41の端子板保持部410は、支持部材7の挿通溝71に挿通されて支持部材7の上面側に突出する(図6参照)。そして、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と、出力コネクタ602の一対のコンタクト6020のうちの対応するコンタクト6020とが中継用の電線を介して電気的に接続される。さらに、LEDモジュール40は、放熱シート43を介して支持部材7と熱的に結合される。
筐体5は、図6に示すように、第1筐体51と第2筐体52を有している。第1筐体51及び第2筐体52は、それぞれアルミダイカストで形成されている。
第1筐体51は、半円筒面形状の外周壁510と、半円形状の第1外壁511と、半円形状の第2外壁512とを有する半円筒形状に形成されている(図5及び図6参照)。また、第1筐体51は、一対の第1内壁513と、一対の第2内壁514とを有している(図6参照)。一対の第2内壁514のうちの左側の第2内壁514は、第1外壁511と対向して、外周壁510の内側面(上面)から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第2内壁514のうちの右側の第2内壁514は、第2外壁512の上面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513は、前後方向に対向して、外周壁510の内側面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513のうちで前方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の前端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。また、一対の第1内壁513のうちで後方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の後端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。
外周壁510の下面における前後方向の中央かつ右寄りの位置に、凹部500が形成されている。凹部500は、下から見て、長軸方向を外周壁510の軸方向(左右方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図5参照)。そのため、凹部500の長軸方向(左右方向)の両端が、その短軸方向(前後方向)の両端よりも下に位置している。さらに、凹部500の中央(底)に、レンズ44のレンズ本体440が挿通される窓501が貫通している。窓501は、下から見て、長軸方向を凹部500の短軸方向(前後方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図5参照)。なお、外周壁510の下面における窓501の周囲に、4つの円柱状の突起505が設けられている(図6では1つのみ図示)。また、外周壁510における凹部500の左隣の位置に、2つの孔が前後方向に並ぶように貫通している。後方の孔は、丸孔の第1操作孔502と、第1操作孔502に繋がった長孔の表示孔503とを有している。前方の孔(以下、第2操作孔504と呼ぶ)は、第1操作孔502よりも径の小さい丸孔である。また、第1筐体51は、窓501を囲むように外周壁510の上面から突出する3つの第1ボス515を有している(図6では2つのみ図示)。これら3つの第1ボス515は、それぞれ円錐台形状に形成されており、上端が開放されたねじ穴(めねじ)を有している。さらに、第1筐体51は、第1操作孔502、表示孔503及び第2操作孔504を囲むように外周壁510の上面から突出する筒状の突壁518を有している(図6参照)。
また、第1筐体51は、4つのリブ517、1つの第2ボス516及び一対の突起519を有している。4つのリブ517は、各第1内壁513に沿って外周壁510の内側面から上向きに立ち上がる、矩形の板状に形成されている(図6参照)。第2ボス516は、上端が開放されたねじ穴(めねじ)を有する円錐台形状に形成されている。また、第2ボス516は、第1外壁511と左側の第2内壁514の間における外周壁510の内側面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の突起519は、第2外壁512の内側(左側)における前後両端において、上向きに突出する円錐台形状に形成されている(図6参照)。
第2筐体52は、図5及び図6に示すようにおおよそ矩形の箱状に形成されている。第2筐体52は、底壁520、一対の第1側壁521及び一対の第2側壁522を有している。底壁520は、矩形平板状に形成されている。一対の第1側壁521は、底壁520の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から下向きに突出している。一対の第2側壁522は、底壁520の短手方向に沿った両端(左端及び右端)から下向きに突出している。
底壁520の下面における中央から、円筒形状の突部5200が下向きに突出している(図4及び図5参照)。突部5200の内部には円筒形状の孔5201が設けられている。この孔5201は、筐体5の内部と筐体5の外部とを繋ぐように、底壁520及び突部5200を上下方向に貫通している(図4参照)。ただし、この孔5201は、例えば、一般に穴付きゴム栓と呼ばれる部材(以下、ゴム栓57という)で閉塞される(図4参照)。ゴム栓57は、シリコーンゴムのような弾性材料によって円柱状に形成されている。また、ゴム栓57は、その途中に少なくとも1つの壁を有する3つの穴570を備えている(図6参照)。つまり、ゴム栓57の各穴570は、針などで壁が突き破られることによって、筐体5の内部と筐体5の外部とを繋ぐように構成されている。
また、底壁520は、3つのボス5202と、4つのリブ5204とを有している。3つのボス5202は、底壁520の内側面(下面)から下向きに突出する円柱形状に形成されている(図5参照)。各ボス5202は、底壁520の上面に開口するねじ孔5203を有している(図4及び図6参照)。4つのリブ5204のうちの2つのリブ5204は、底壁520の下面から前側の第1側壁521に沿って下向きに突出する角柱状に形成されている(図5参照)。4つのリブ5204のうちの残り2つのリブ5204は、底壁520の下面から後側の第1側壁521に沿って下向きに突出する角柱状に形成されている。
一対の第2側壁522のうちの左側の第2側壁522は、その外側面(左側面)における前後方向中央の下端から左向きに突出する突部5220を有している(図4及び図5参照)。突部5220は、上下方向に貫通する穴5221を有している(図4参照)。
また、第2筐体52は、固定部523と突台部524を有している。固定部523は、一対の第2側壁522のうちの右側の第2側壁522の下端から右向きに突出する矩形の板状に形成されている(図5参照)。固定部523の前後方向の中央に、円筒形の穴5230が上下方向に貫通している(図4及び図5参照)。また、固定部523の下面における穴5230の前後両側に、おおよそ波形の凹み5231がそれぞれ設けられている。突台部524は、固定部523の先端(右端)から右向きに突出する矩形の箱状に形成されている(図5参照)。突台部524の先端(右端)における前後方向の両端に、それぞれ円筒形のボス5240が設けられている。各ボス5240は、上面が開口したねじ孔5241を有している(図6参照)。
第1ガスケット53は、図5及び図6に示すように、シリコーンゴムなどの弾性材料により、全体として矩形の枠状に形成されている。第1ガスケット53は、枠部530、固定部531、一対の電線保持部532及び支持部533を有している。枠部530は、4つの角が面取りされた矩形の枠状に形成されている。枠部530の下面に、その全周に渡って上向きに凹んだ凹所5300が設けられている。固定部531は、枠部530の長手方向の一端(右端)における内側面から内向き(左向き)に突出する矩形の板状に形成されている。固定部531の長手方向(前後方向)の中央から内向き(左向き)に、半円形状の突部5310が突出している。そして、突部5310を含む固定部531の長手方向の中央部分に、円筒形のねじ挿通孔5311が上下方向に貫通している。さらに、固定部531の下面におけるねじ挿通孔5311の前後両側に、円筒形の嵌合孔5312がそれぞれ設けられている。支持部533は、枠部530の右端の部分(上下方向から見て固定部531と重なる部分)を除いて、枠部530の下面における凹所5300の内側の縁から下向きに突出している。一対の電線保持部532は、固定部531の上面におけるねじ挿通孔5311の前後両側から上向きに突出している。各電線保持部532は、底面の形状がおおよそ波形である柱状に形成されている。
第2ガスケット54は、シリコーンゴムなどの弾性材料により、中央に楕円形状の開口部540を有する枠状に形成されている(図5参照)。ただし、第2ガスケット54は、光を透過しないように黒色に着色されることが好ましい。また、第2ガスケット54の上面における開口部540の縁から、環状の周壁541が全周に渡って上向きに突出している(図6参照)。さらに、周壁541の上面には、上下方向に平行な断面の形状が三角形状である2つのリブが、径方向に沿って並ぶにように突出している。また、第2ガスケット54は、4つの嵌合孔542と、2つの引掛片543とを有している。4つの嵌合孔542は、開口部540を囲むように配置されて第2ガスケット54を厚み方向(上下方向)に貫通している。また、2つの引掛片543は、鉤形に形成されており、かつ、第2ガスケット54の右後端及び左前端から上向きに突出している。
第3ガスケット55は、シリコーンゴムのように光を透過する弾性材料で形成されている。
非常用照明装置3は、更に、固定部材56を備えている(図5及び図6参照)。固定部材56は、ステンレス鋼板のように錆びにくい金属板で形成されている。固定部材56は、前後方向を長手方向とする5角形状の固定片560と、固定片560の長手方向の両端の各辺から上向きに突出する一対の脚片561と、各脚片561の上端から固定片560と対向するように突出する一対の取付片562とを有している。固定片560のほぼ中央に、ナットを保持するための固定孔563が設けられている。各取付片562の一端(右端)に、それぞれねじ挿通孔564が貫通している(図6参照)。
(2.4)非常用電源ユニット
非常用電源ユニット9は、非常用照明装置3に給電するように構成されている。非常用電源ユニット9は、図2及び図3に示すように、非常用照明装置3に給電する電池ユニット9A(図13参照)と、電池ユニット9Aを器具本体10に固定する固定金具91と、電池ユニット9Aから引き出される電気ケーブル92(図14参照)とを備える。
(2.5)電池ユニット
電池ユニット9Aは、図13〜図15、図16A及び図16Bに示すように、乾電池型の複数本の蓄電池9B(蓄電池ブロック)と、複数本の蓄電池9Bを収容する電池ケース90とを有する。
電池ケース90は、軸方向に垂直な断面の形状が長円形である筒状に形成されている。電池ケース90は、複数本の蓄電池9Bを収容する本体部93と、本体部93と嵌合する蓋部94と、防水パッキン95と、パッキン96と、フィルタ部材97と、複数(図14では4個)の端子板98とを備える。
本体部93は、合成樹脂材料により直方体状に形成されており、図18A〜図18Cに示すように、板状の底面部931と、底面部931の周囲に設けられた筒状の側面部932とを一体に有する。本体部93は、開口部93Aを有しており、複数の蓄電池9B(図14参照)を収容する。底面部931は、楕円状に形成されている。底面部931は、環状の凹部93Bと、凹部93Bの内側に形成された円状の凹部93Cとを有する。凹部93Cの底面には、本体部93の内側と外側とを貫通させる貫通孔93Dが形成されている。本体部93の長手方向における凹部93Bは、本体部93の長手方向における凹部93Cよりも深い。
本体部93の内部には、複数本の蓄電池9Bが本体部93内で移動しないように、本体部93の長手方向に沿って複数(図18Cの例では4個)のリブ933が設けられている。さらに、本体部93の内部には、蓄電池9Bが収容されない位置に蓄電池9Bが移動しないように複数(図18Cの例では2個)のリブ934が設けられている。また、本体部93の内部には、電源ケーブルの通路を確保するために上記通路と蓄電池9Bの配置場所とを区切るための複数(図18Cの例では2個)のリブ935が設けられている。
本体部93の側面部932には、開口部93Aの近くに設けられた一対の第1突起936と、開口部93Aの近くに設けられた一対の第2突起937とが設けられている。一対の第1突起936は、本体部93の側面部932における互いに対向する一対の平面部分から突出して設けられている。一対の第1突起936は、蓋部94(図13参照)と嵌合する。一対の第2突起937は、側面部932における一対の平面部分のうちの一方から突出して設けられている。一対の第2突起937は、本体部93の短手方向において、第1突起936を挟んで配置されている。つまり、一対の第2突起937は、第1突起936の両隣に設けられている。第2突起937は、器具本体10の凹部15(図11参照)に収容されており、電池ケース90と固定金具91との相対移動を規制する。
蓋部94は、合成樹脂材料により形成されており、図19A〜図19Cに示すように、楕円状の前面部941と、前面部941の外周に設けられた筒状の側面部942と、側面部942のうちの互いに対向する部分に設けられた一対の延設部943とを一体に有する。また、蓋部94は、前面部941の裏面から突出して設けられた環状の突出部944を更に有する。突出部944は、突出部944と側面部942との間の間隔が略一定になるように形成されている。また、前後方向における突出部944の高さは、全周にわたって側面部942の高さよりも高い。さらに、前面部941は、表面と裏面とを貫通する貫通孔945を有する。一対の延設部943の各々は、楕円状の孔946を有する。蓋部94は、本体部93の開口部93A(図18A参照)を塞ぐように本体部93に嵌合する。
蓋部94が本体部93と嵌合した場合、蓋部94の一部は、本体部93の一対の第1突起936及び一対の第2突起937とともに、本体部93の側面部932よりも突出する。すなわち、電池ケース90は、電池ケース90において、周囲よりも突出する突出部位を有する。
防水パッキン95は、図20A〜図20Dに示すように、弾性材料により形成されている。防水パッキン95は、例えばシリコーン樹脂により形成されており、ガス透過性及び防水性を有する。言い換えると、防水パッキン95は、水素分子を通すが、水分子を通さない。防水パッキン95は、左方から見たときに長円状に形成されており、長円状の中央部951と、中央部951の周囲に設けられた環状の周部952と、中央部951と周部952との間に設けられた接続部953とを一体に有する。接続部953は、中央部951と周部952との間に凹部が形成されるように、中央部951と周部952とを接続する。
また、防水パッキン95は、中央部951の左面の後側から左向きに突出する錐台状の突出部954を更に有する。突出部954は、長円状の底面を有する錐台である。突出部954は、電気ケーブル92を通す2つの貫通孔955を有する。
さらに、防水パッキン95は、周部952の外周面から外側に突出する2つの突条部956を更に有する。また、防水パッキン95は、周部952のうち上下方向に対向する一対の平面部分から右向きに延びて設けられた一対の矩形片957を更に有する。
防水パッキン95は、本体部93(図14参照)の第1端側に設けられている。防水パッキン95は、蓋部94が本体部93と嵌合しているときに本体部93と蓋部94とに挟持されている。また、防水パッキン95は、本体部93と蓋部94とに挟持されているときに、本体部93に収容されている蓄電池9B側に凹部958を有する。この凹部958は、貫通孔955を通る電気ケーブル92の配線スペースとなる。
パッキン96は、弾性材料により形成されており、図21A〜図21Cに示すように、本体部93に収容されている複数本の蓄電池9Bと防水パッキン95との間に設けられている。パッキン96は、板状の基部961と、基部961の周囲に設けられた2つの側面部962とを一体に有する。パッキン96は、基部961の厚み方向が本体部93と蓋部94との嵌合方向となるように設けられている。基部961は、長円状に形成されている。基部961の長軸方向の両端には、長軸方向に沿って窪んでいる2つの凹部963が形成されている。このような形状のパッキン96は、本体部93と蓋部94とが嵌合した状態において、蓄電池9Bの移動を規制する。
フィルタ部材97は、図16Bに示すように、フィルタ971と、フィルタ971を押さえるための押さえ部材972とを有する。
フィルタ971は、本体部93の右端(第2端)側に設けられている。フィルタ971は、円板状に形成されている。より詳細には、フィルタ971は、凹部93Cと同程度の大きさに形成されている。
フィルタ971は、ガス透過性及び防水性を有する。言い換えると、フィルタ971は、水素分子を通すが、水分子を通さない。例えば、フィルタ971として、ポリテトラフルオロエチレン樹脂の多孔質膜が用いられる。つまり、フィルタ971として、防水透湿性素材が用いられる。
押さえ部材972は、合成樹脂材料により形成されており、筒部973と、筒部973の一端から内側に突出する鍔部974とを一体に有する。フィルタ部材97は、フィルタ971が本体部93の貫通孔93Dを塞ぐように、凹部93B及び凹部93Cに取り付けられている。このとき、押さえ部材972の筒部973が本体部93の凹部93Bに挿入されており、押さえ部材972の鍔部974と本体部93の貫通孔93Dの周囲部分とがフィルタ971を挟む。これにより、フィルタ971が本体部93に固定される。
複数の端子板98の各々は、図14及び図15に示すように、2本の蓄電池9Bを電気的に接続するための部材である。各端子板98は、矩形板状の導電部材を折り曲げることによって、断面の形状がU字状となるように形成されている。各端子板98は、本体部93内において、2本の蓄電池9Bの電極に接触するように配置されている。
上記のような構造の電池ユニット9Aでは、蓋部94の一部及び本体部93の第1突起936が電池ユニット9Aの周囲よりも突出している。すなわち、蓋部94の一部及び本体部93の第1突起936が、電池ユニット9Aの周囲よりも突出する突出部位を有する。器具本体10の凹部15には、図11及び図12に示すように、電池ユニット9Aの突出部位が収容されている。器具本体10の長手方向において、器具本体10における凹部15の周囲には、電池ユニット9Aの突出部位の周囲が接触する。同様に、器具本体10の短手方向においても、器具本体10の凹部15の周囲には、電池ユニット9Aの突出部位の周囲が接触する。
各蓄電池9Bは、例えば、乾電池型のニッケル水素電池である。複数本の蓄電池9Bは、図14及び図15に示すように、その軸方向を電池ケース90の軸方向に揃えるようにして電池ケース90内に収容されている。また、複数の蓄電池9Bは、複数の端子板98によって電気的に直列接続される。なお、蓄電池9Bの数は5本に限らず、2本〜4本であってもよいし、6本以上であってもよい。また、蓄電池9Bの数は1本であってもよい。要するに、電池ユニット9Aは、少なくとも1本の蓄電池9Bを備えていればよい。
(2.6)電気ケーブル
電気ケーブル92は、複数本の蓄電池9Bの直列回路の一端(正極)に電気的に接続された第1電線921と、複数本の蓄電池9Bの直列回路の他端(負極)に電気的に接続された第2電線922とを有する。また、電気ケーブル92の先端には、コネクタが設けられている。
(2.7)固定金具
固定金具91は、図17に示すように、金属板によって箱状に形成されている。固定金具91は、基部911と、第1取付部912と、第2取付部913と、一対の側面部914とを有する。固定金具91は、電池ケース90を包み込むように保持した状態で器具本体10の天板11の下面に固定される(図2及び図3参照)。つまり、固定金具91は、器具本体10との間に電池ユニット9Aが配置された状態で、器具本体10に取り付けられる。
基部911は、矩形板状に形成されており、固定金具91が器具本体10に取り付けられたときに、器具本体10の天板11と対向し、器具本体10との間に電池ユニット9Aが介在する。基部911には、長手方向の一端部に、開口部915が形成されている。より詳細には、開口部915は、下から見たときに凸状に形成されており、矩形状の第1開口915Aと、第1開口915Aよりも長手方向及び短手方向の長さが短い矩形状の第2開口915Bとを一体に有する。開口部915は、固定金具91が電池ケース90を保持する際に、蓋部94の一部及び本体部93の一部が収容されるように形成されている。すなわち、開口部915には、固定金具91が電池ユニット9Aを保持する際に、電池ユニット9Aの一部が収容される。
第1取付部912は、側面部916と、引掛部917とを一体に有する。
側面部916は、基部911と引掛部917との間に設けられている。側面部916は、基部911の長手方向の第1端(左端)から上向き(長手方向と直交する向き)に延びて設けられている。側面部916は、電池ケース90の防水パッキン95の突出部954を固定金具91の外側に露出させるための開口部916Aを有する。また、側面部916は、箱状に形成された固定金具91の内側に突出する2つの突起916Bを有する。開口部916Aは、側面部916のうち基部911の短手方向の前側に形成されており、2つの突起916Bは、開口部916Aよりも後ろ側に形成されている。2つの突起916Bは、前後方向に並んで形成されている。
引掛部917は、側面部916の先端(後端)から左向き(基部911の長手方向における外向き)に沿って延びて設けられている。引掛部917は、器具本体10の天板11に形成された開口部16(図11参照)に挿入ことによって、器具本体10の天板11に引っ掛けられる。第1取付部912は、一対の側面部914の端部には固定されていないので、基部911の長手方向(第1方向、左右方向)に撓み可能である。また、引掛部917は、基部911の短手方向(第2方向)において、側面部916よりも短く、かつ、器具本体10の中央部分とは異なる領域において器具本体10に引っ掛けられている(図12参照)。
上記より、第1取付部912は、器具本体10に固定金具91が固定されているときに、基部911の長手方向(第1方向)における左端(一端)において、長手方向と直交する短手方向(第2方向)における前端に設けられている。そして、第1取付部912は、器具本体10と固定金具91との間に電池ユニット9Aを挟んだ状態で器具本体10に取り付けられている。
第2取付部913は、基部911の長手方向(左右方向、第1方向)において、第1取付部912が設けられている左端(第1端)とは反対側の右端(第2端)に設けられている。第2取付部913は、側面部918と、ねじ止め部919とを一体に有する。側面部918は、基部911の長手方向の右端(第2端)から上向き(長手方向と直交する向き)に延びて設けられている。側面部918は、矩形板状に形成されており、固定金具91の長手方向において、側面部916と対向している。ねじ止め部919は、側面部918の先端から右向き(基部911の長手方向における外向き)に沿って延びて設けられている。ねじ止め部919は、ねじが挿入される挿入孔919Aを有する。ねじ止め部919は、挿入孔919Aにねじが挿入され、挿入孔919Aに挿入されているねじが、器具本体10の天板11に形成された孔17(図9参照)に挿入され、取付面にねじ止めされる。ねじ止め部919は、引掛部917と、基部911における対角の位置に設けられている。第2取付部913は、一対の側面部914の端部には固定されていないので、左右方向に撓み可能である。
一対の側面部914は、基部911の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から上向き(長手方向と直交する向き)に延びて設けられている。一対の側面部914は、矩形板状に形成されており、固定金具91の短手方向(前後方向)において、互いに対向している。各側面部914の基部911からの高さは、側面部916及び側面部918の基部911からの高さよりも低くなるように形成されている。これにより、固定金具91のがたつきを低減させることができる。
このような構造の固定金具91は、図17に示すように、電池ユニット9Aを収容したときに、蓋部94の一部と、本体部93の第1突起936及び一対の第2突起937とを開口部915に収容している。また、図11及び図12に示すように、固定金具91の引掛部917が器具本体10の開口部16に挿入されて器具本体10に引っ掛けられており、器具本体10の凹部15には、蓋部94の一部と本体部93の第1突起936とが収容されている。図示していないが、固定金具91の第2取付部913のねじ止め部919は、ねじにより器具本体10にねじ止めされる。これにより、固定金具91は、電池ユニット9Aを収容した状態で、器具本体10に固定される。このとき、防水パッキン95の突出部954は、固定金具91の開口部916Aから露出している。
また、図10及び図12に示すように、器具本体10の短手方向の一方(前方)に、電池ユニット9Aが寄せて配置されるように、固定金具91は、器具本体10と固定金具91との間に電池ユニット9Aが配置された状態で器具本体10に固定されている。これにより、器具本体10の短手方向において、電池ユニット9Aが配置されている位置とは異なる位置(後方)に電源線の通路を確保することができる。
(3)照明器具の組立手順
次に、照明器具1の組立手順を説明する。ただし、器具本体10に非常用電源ユニット9に取り付ける作業についての説明は省略する。また、以下に説明する組立手順(3.1)〜(3.3)は一例に過ぎず、いくつかの組立作業の順番が入れ替わっても構わない。
(3.1)器具本体への非常用照明装置の取付
作業者は、常用照明装置2を取り付ける前に非常用照明装置3を器具本体10に取り付ける。まず、作業者は、非常用照明装置3の筐体5のうちの第2筐体52を器具本体10内に収容する。続いて、作業者は、天板11に設けられている3つのねじ挿通孔110(図3参照)のそれぞれに、器具本体10の天板11の上面側からねじを挿通し、それぞれのねじを第2筐体52の底壁520に設けられている3つのボス5202のねじ孔5203にねじ込む。つまり、非常用照明装置3は、3本のねじによって器具本体10の天板11にねじ止めされる。
(3.2)制御装置の結線
作業者は、第1ガスケット53の前方の電線保持部532に保持されている2本の電線と、非常用電源ユニット9の電気ケーブルに設けられたコネクタとを結線する。ただし、第1ガスケット53の後方の電線保持部532に保持されている2本の電源線は、照明器具1の施工時に常用電源の電源線と電気的に接続される。
(3.3)器具本体への常用照明装置の取付
作業者は、常用照明装置2の上部(2つの取付具24の第2固定部241よりも上側の部分)を器具本体10内に挿入する。そして、作業者は、右側のエンド部材221のカバー部2214の凹部2215にドライバの軸を挿入し、凹部2215の底壁に設けられている孔2216を通して、第2固定部241のねじ挿通孔243に挿通されている取付ねじを締め込む。作業者がドライバを使って取付ねじを締め込めば、取付ねじが、器具本体10の右側の取付片130のねじ孔131にねじ込まれる。その結果、右側の取付具24の第2固定部241が器具本体10の右側の取付片130にねじ止めされる。続いて、作業者は、左側のエンド部材221のカバー部2214の凹部2215にドライバの軸を挿入し、凹部2215の底壁に設けられている孔2216を通して、第2固定部241のねじ挿通孔243に挿通されている取付ねじを締め込む。作業者がドライバを使って取付ねじを締め込めば、取付ねじが、固定部材56の固定孔563に保持されているナットにねじ込まれる。その結果、左側の取付具24の第2固定部241が固定部材56の固定片560にねじ止めされる。最後に、作業者は、カバー部2214の表面に露出している凹部2215の口をテープなどで塞いで目隠しする。このようにして、常用照明装置2が器具本体10に取り付けられることで照明器具の組立が完了する(図1参照)。
(4)電池ユニットの交換手順
次に、電池ユニット9Aの交換手順を説明する。まず、固定金具91のねじ止め部919からねじを外して、固定金具91の引掛部917を器具本体10から外す。次に、電池ユニット9Aを取り出して、新しい電池ユニット9Aに交換する。新しい電池ユニット9Aを固定金具91の内部に入れた状態で、固定金具91の引掛部917を器具本体10に引っ掛ける。そして、ねじ止め部919にねじを挿入して、固定金具91をねじ止めする。
(5)まとめ
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の態様に係る電池ユニット9Aは、蓄電池9Bと、本体部93と、蓋部94と、防水パッキン95と、フィルタ971とを備える。本体部93は、開口部93Aを有し、蓄電池9Bを収容する。蓋部94は、開口部93Aを覆うように本体部93と嵌合する。防水パッキン95は、本体部93の一の方向における第1端側に設けられており、本体部93と蓋部94とに挟持されており、ガス透過性を有する。フィルタ971は、本体部93の一の方向における第2端側に設けられており、ガス透過性を有する。
第1の態様に係る電池ユニット9Aでは、蓄電池9Bを収容する本体部93の第1端側にガス透過性の防水パッキン95が設けられており、本体部93の第2端側にガス透過性のフィルタ971が設けられている。これにより、本体部93内のガス圧が高くなったとしても、外側から本体部93内に水は入らずに、ガス抜きを行うことができる。
本発明の第2の態様に係る電池ユニット9Aでは、第1の態様において、押さえ部材972を更に備える。押さえ部材972は、フィルタ971を本体部93に取り付けるための部材である。
第2の態様に係る電池ユニット9Aでは、フィルタ971を取り付けるための押さえ部材972が設けられている。これにより、フィルタ971を本体部93にしっかりと取り付けることができる。
本発明の第3の態様に係る照明器具1は、第1又は第2の態様において、電池ユニット9Aと、非常用照明装置3とを備える。非常用照明装置3は、電池ユニット9Aから給電される。
本発明の第4の態様に係る照明器具1は、第3の態様において、器具本体10と、固定金具91とを更に備える。器具本体10には、非常用照明装置3が取り付けられる。固定金具91は、器具本体10との間に電池ユニット9Aが配置された状態で器具本体10に取り付けられて電池ユニット9Aを器具本体10に固定する。