本発明の実施形態に係る照明器具10について、図1〜図15を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されない。したがって、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
なお、以下の説明では特に断りがない限り、図4に示す向きにおいて上下左右の各方向を規定し、さらに図4中の紙面に垂直な方向を前後方向(手前側が前側)と規定する。したがって、器具本体1の長手方向が前後方向、器具本体1の幅方向が左右方向、器具本体1の高さ方向が上下方向となる。ただし、これらの方向は照明器具10の取付方向を規定するものではない。
本実施形態の照明器具10は、図1〜図4に示すように、器具本体1と、常用光源ユニット2(第1光源ユニット)と、非常用照明装置とを備える。器具本体1は、吊りボルト200に固定され、天井材100(造営材)の下面(表面)に直付けされる。常用光源ユニット2は、器具本体1に対して着脱可能に取り付けられる。非常用照明装置は、非常用光源ユニット3(第2光源ユニット)と、制御装置4とを備える。
器具本体1は、板金に曲げ加工することにより長尺且つ上面(天井材100との対向面)が開口する扁平な箱形に形成される。また、器具本体1は、天井材100と反対側(下側)に、常用光源ユニット2及び非常用光源ユニット3を収容するための矩形の収容凹部11が長手方向(前後方向)の全長に亘って設けられている。また、器具本体1の左右方向(幅方向)における収容凹部11の両側には、収容凹部11の開口端縁から延出し且つ外側に向かって上方へ傾斜する傾斜部12がそれぞれ設けられている(図4参照)。
また、収容凹部11の底板111には、電線を通すための孔111Aが前後方向(長手方向)における略中央に設けられている。さらに、この底板111には、吊りボルト200を通すための孔111Bが前後方向における両端寄りの位置にそれぞれ設けられている(図3参照)。なお、底板111の下面には、天井裏に先行配線された電源線が接続される端子台が取り付けられるのが好ましい。
常用光源ユニット2は、図4に示すように、複数(例えば、2つ)のLEDモジュール22と、LEDモジュール22が取り付けられる取付部材21と、LEDモジュール22を覆うようにして取付部材21に取り付けられるカバー23と、電源装置24とを備える。
LEDモジュール22は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント配線板221を有する。プリント配線板221は、その下面に複数のLED(発光ダイオード)222が前後方向(長手方向)に沿って実装されている。また、一方のLEDモジュール22の前端部には、電源装置24との間を電気的に接続するためのコネクタが実装されている。このコネクタには電線が電気的に接続されており、この電線の端部を電源装置24に電気的に接続することでLEDモジュール22と電源装置24とが電気的に接続される。
また、各LEDモジュール22において隣接するLEDモジュール22と対向する端部には、電源供給用のコネクタがそれぞれ実装されている。そして、両LEDモジュール22のコネクタ同士を接続することで、一方のLEDモジュール22から他方のLEDモジュール22に点灯電力が中継される。
取付部材21は、板金に曲げ加工することによりU字状に形成される。取付部材21は、長尺且つ矩形板状に形成された底板211と、底板211の左右方向(幅方向)における両端から上下方向(底板211と直交する方向)に延出する一対の側板212とを有する。各側板212の先端(上端)には、図4に示すように、互いに離れる向き(外向き)に湾曲する引掛部212Aがそれぞれ全長に亘って設けられる。
また、取付部材21は、長手方向における両端寄りの位置において幅方向の一端側に延びる一対の引掛金具と、幅方向の他端側に配置される一対の引掛ばねとを有している。なお、上述したLEDモジュール22は、例えば、取付部材21の底板211の一部を切り起こすことで形成された爪により、取付部材21に固定される。
電源装置24は、電源基板と、電源基板を収納する収納ケース242とを有する。電源基板は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント配線板である。そして、このプリント配線板には、少なくともLED222の点灯電力を生成するために必要な回路部品(例えばトランスやダイオード、コンデンサなど)241が実装されている。
収納ケース242は、一面(取付部材21の底板211との対向面)が開口し且つ前後方向に長い矩形の箱形に形成されている。この収納ケース242は、開口側が取付部材21の底板211と対向するようにして、例えば取付部材21の側板212にねじ固定される。
カバー23は、拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺の箱形に形成されている。また、カバー23は、左右方向(幅方向)において両端部から中央部に近づくほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の曲面部231を有している(図4参照)。
カバー23の左右方向における両端部には、図4に示すように、常用光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態で、上下方向において器具本体1の収容凹部11の開口端縁と重なる延出部232がそれぞれ設けられている。
さらに、カバー23の左右方向において各延出部232の内側には、上側(取付部材21側)に突出する突壁部233がそれぞれ全長に亘って設けられており、各突壁部233の先端には内向きに突出する突起部233Aがそれぞれ設けられている。また、各突壁部233の根元近くには、それぞれ内向きに突出する支持片233Bが設けられている。
非常用光源ユニット3は、図5〜図12に示すように、LEDモジュール30と、レンズ31と、カバー32と、支持部材33と、ベース36と、非常用電源5とを備える。さらに、非常用光源ユニット3は、スイッチブロック34と、表示部35と、ばね部材37と、ケーブルホルダ38とを備える。なお、以下の非常用光源ユニット3の説明においては、特に断りがない限り、図5において、上下、前後、左右の各方向を規定する。
LEDモジュール30は、実装基板300と、発光部301と、熱伝導シート302と、リード線303とを備える。実装基板300は、幅細の矩形平板状に形成されたプリント配線板である。
発光部301は、実装基板300の上面における中央部に実装される複数個のLEDチップと、これら複数個のLEDチップを封止する封止材とで構成される。なお、封止材は、透光性を有し且つ蛍光材料が混合された合成樹脂であるのが好ましい。
この場合、LEDチップから放射される光(例えば、青色光)の一部が蛍光材料で波長変換され、波長変換された光(例えば、黄色光)と波長変換されなかった光(青色光)が混ざることにより、発光部301から放射される光が全体として白色光となる。
熱伝導シート302は、電気絶縁性を有し且つ熱伝導度が相対的に高い材料で矩形平板状に形成され、片面(上面)に実装基板300が貼り付けられる。
レンズ31は、透光性を有し、且つガラス繊維が混入されることで耐熱性(難燃性)が向上された合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂など)により形成される。レンズ31は、非球面形状の入射面310及び出射面311を有し(図11参照)、いわゆるバットウイング状の配光特性を実現する広角配光レンズである。また、レンズ31は、下側で且つ左右両側の周縁から外向きに突出する一対のフランジ312を有する。
非常用電源5は、例えば、乾電池型の複数の蓄電池50と、これら複数の蓄電池50を収納する合成樹脂材料製の電池ケース51とで構成される(図11及び図12参照)。ただし、電池ケース51として熱収縮チューブが用いられても構わない。なお、非常用電源5は、各蓄電池50の正極及び負極に一端がそれぞれ電気的に接続され、他端がプラグコネクタと電気的に接続された接続線を有するのが好ましい。
カバー32は、カバー体320と、第1カバーエンド321と、第2カバーエンド322とを有する。カバー体320は、難燃性の材料(例えば、亜鉛鋼板などの金属板)により、曲面部323、一対の水平部325及び一対の突壁部324が一体に構成される。
曲面部323は、常用光源ユニット2のカバー23の曲面部231と略同一の曲面形状に形成され、レンズ31が挿通される挿通孔3230(開口部)を有している。なお、挿通孔3230は、図8に示すように、上下方向から見て八角形状に形成されるのが好ましい。
さらに、曲面部323の表面(上面)における挿通孔3230の左右両側には、挿通孔3230に向かって下向きに傾斜する傾斜面3231が形成されている。なお、挿通孔3230は、曲面部323の左右方向における中心から左向き(常用光源ユニット2に近付く向き)にずらして設けられるのが好ましい。
一対の水平部325の各々は、図9に示すように、矩形の平板状であって、曲面部323の前後方向(幅方向)における両端から互いに近づく向き(内向き)に延出する。一対の突壁部324の各々は、矩形の平板状であって、一対の水平部325の各々の先端から下向きに突出する。また、各突壁部324における右寄りの位置には、矩形の貫通孔からなる取付孔3240が設けられている(図5及び図6参照)。
第1カバーエンド321及び第2カバーエンド322は、カバー体320と同一の材料により半円板状に形成される。また、第1カバーエンド321は左向きに突出する接合片3210(図11参照)を有し、この接合片3210が曲面部323の下面に接合されることでカバー体320に接合される。また、第2カバーエンド322は右向きに突出する接合片3220(図11参照)を有し、この接合片3220が曲面部323の下面に接合されることでカバー体320に接合される。
また、第2カバーエンド322の下端には、左方向に突出するL字形の突台部3221が設けられている(図6参照)。さらに、突台部3221の下端における前端寄りの位置には、矩形の突出部3222が一体に形成されている。この突出部3222は、上下方向から見て、突台部3221よりも外側(左側)に突出するように形成されており、突出部3222の前端には円形の挿通孔3223が設けられている。
また、突台部3221の下端における前後方向の中央の位置には、矩形板状であって、厚み方向(左右方向)に沿って撓み可能な押さえ片3224が一体に形成されている。
ベース36は、アルミ板のような熱伝導率の高い金属製の板材により、平板部360(底壁部)と、一対の立壁部361,362とを有する角樋状に形成されている。平板部360は、左右方向に長い矩形の平板状に形成され、平板部360の左右方向における両端には、互いに大きさの異なる2つの切欠3600,3601が形成されている(図5参照)。なお、左端の切欠3600は寸法が小さく、右端の切欠3601は切欠3600よりも寸法が大きいのが好ましい。
また、平板部360は、左前方及び右後方の角部分に、それぞれねじ孔3602が設けられている。さらに、平板部360には、図5及び図11に示すように、複数(図示例では3つ)の突出部3603が設けられている。これらの突出部3603は、図11に示すように、支持片3604と押さえ片3605とを有している。
支持片3604は、一端(左端)で平板部360と繋がり、左から右に向かって斜め下向きに突出するように形成されている。押さえ片3605は、支持片3604の先端(下端)から、平板部360と平行且つ右向きに突出するように形成されている。
なお、押さえ片3605の先端(右端)は、上向きに曲げ起こされるのが好ましい。また、これらの突出部3603は、平板部360から切り起こして形成されるのが好ましい。さらに、これらの突出部3603は、上下方向(平板部360の厚み方向)において平板部360に取り付けられたLEDモジュール30と重ならない位置、つまり平板部360の前後方向における両端寄りの位置に設けられるのが好ましい。
一対の立壁部361,362は、上端部分が僅かに曲げ起こされ、この上端部分(以下、ガイド部3610,3620と呼ぶ。)で平板部360と連結されている。また、各立壁部361,362の下端には、前後方向に沿って外向きに突出する固定部363がそれぞれ設けられている。
固定部363は、右端寄りの部位が他の部位よりも幅広に形成され、この幅広の部位には、それぞれ円形の挿通孔3630が2つずつ形成されている(図5参照)。なお、この幅広の部位は、例えば、立壁部361,362の一部が切り起こされて形成されるのが好ましい。
さらに、各立壁部361,362の右側の下端には、それぞれ取付部364が一体に設けられている。各取付部364は、立壁部361,362の右側端縁に連結されたL字型の連結片3640と、連結片3640の下端から前後方向に沿って内向きに突出する取付片3641とを有している。また、各取付片3641の中央には、それぞれねじ孔3642が設けられている。なお、後方の取付部364の連結片3640には、円形の貫通孔3643が形成されるのが好ましい。
また、前方の立壁部361には、カバー32の突出部3222がねじ止めされるねじ止め部365が設けられている。このねじ止め部365は、立壁部361の左側の下端から左向きに突出する突片3612の上端から前向きに突出する矩形平板状に形成され、ねじ孔3650を有している。
ばね部材37は、矩形の固定片370と、固定片370の前後方向における両端から上向きに立ち上がる一対の立設片371と、各立設片371の上端からそれぞれ上向きに突出する一対の引掛部372と、押さえ片373とを有する。なお、ばね部材37は、ベース36を構成する金属材料よりも弾性係数(ヤング率)の高い金属材料、例えば、ステンレス鋼板などで構成されるのが好ましい。
固定片370は、前後方向における両端に丸孔3700がそれぞれ設けられている。なお、これら一対の丸孔3700は、ベース36の取付部364の一対のねじ孔3642の間隔に等しい間隔で設けられる。各立設片371には、左右方向における中央に、上下方向を長手方向とするスリット3710が形成されている。
各引掛部372は、矩形の板材が左右方向から見てL字形に折り曲げられた形状に形成されている。押さえ片373は、固定片370の左端における前後方向の中央部から上向きに立ち上がり、且つ左向きに倒れ込むように折り曲げられた形状に形成されている。
ばね部材37は、図10〜図12に示すように、一対の取付部364に固定片370が下から当てられ、各丸孔3700に挿通される2本のねじが各取付部364のねじ孔3642にねじ込まれることで取付部364に取り付けられる。なお、ばね部材37の各立設片371は、何れも取付部364の連結片3640の外側に配置される(図10参照)。また、後方の立設片371のスリット3710を通して、連結片3640の貫通孔3643にケーブルホルダ38が取り付けられる(図10参照)。
表示部35は、市販のパイロットランプで構成される。スイッチブロック34は、プリント配線板340と、点検スイッチ341と、操作部材342と、コネクタ343とを備える。
コネクタ343は、プラグコネクタが挿抜可能に接続されるレセプタクルコネクタである。点検スイッチ341は、市販されている常開型の押釦スイッチである。操作部材342は、合成樹脂材料によって半球状に形成され、上下方向に移動可能なように支持部材33に支持される。
プリント配線板340は、矩形平板状に形成され、点検スイッチ341とコネクタ343が上面に実装され、且つコネクタ343の2つのコンタクトと点検スイッチ341の一対の端子とを各別に電気的に接続するように構成されている。
スイッチブロック34は、コネクタ343に接続されるプラグコネクタを介して制御装置4から定電圧が供給され、操作部材342を介して点検スイッチ341が押操作されると、コネクタ343のコンタクト同士を導通させる。したがって、制御装置4は、プラグコネクタの2つのコンタクト間が短絡することにより、点検スイッチ341の操作入力を受け取ることができる。
支持部材33は、第1支持部330と、第2支持部331とを有する。なお、第1支持部330と第2支持部331とは、合成樹脂成形体として一体に形成されるのが好ましい(図5、図13及び図14参照)。
第1支持部330は、全体として薄型の平板状に形成され、LEDモジュール30を嵌め込んで支持する凹部332と、環状のリブ333と、2対(合計4つ)の引掛部334と、一対のボス335とを有する。
凹部332は、図11及び図14に示すように、第1支持部330の下面中央に設けられている。また、凹部332の底には、矩形の窓孔3320が設けられている。そして、この窓孔3320内に発光部301が配置されることにより、第1支持部330の上面側に発光部301が露出する(図13参照)。環状のリブ333は、第1支持部330の上面に、窓孔3320を囲むように設けられている(図5参照)。
一方の対の引掛部334は、第1支持部330の上面におけるリブ333の左端部分から上向きに突出し、且つ左右方向に撓み可能に形成されている。他方の対の引掛部334は、第1支持部330の上面におけるリブ333の右端部分から上向きに突出し、且つ左右方向に撓み可能に形成されている。また、各引掛部334は、逆U字状に形成され、且つ上端部分に三角柱状の爪3340が一体に形成されている(図11及び図12参照)。
第2支持部331は、下面が開放された矩形の箱状に形成されている。第2支持部331は、スイッチブロック34及び表示部35を内部に収納して支持するように構成される。第2支持部331の天面には、第1周壁3310及び第2周壁3311が一体に設けられている。
第1周壁3310は、円筒形状に形成され、スイッチブロック34の操作部材342が挿入される。操作部材342は、円柱形状の押釦部3420と、複数の爪部3421と、軸部3422とを有する合成樹脂成形体からなる(図11参照)。
操作部材342は、第1周壁3310の内周面に設けられた段部3312に複数の爪部3421がそれぞれ引っ掛けられて抜け止めされる(図11参照)。軸部3422は、押釦部3420の下面中央から下向きに突出する円柱状に形成されている(図11参照)。つまり、操作部材342は、押釦部3420が押されて下向きに移動すると、軸部3422の先端(下端)で点検スイッチ341を押操作する。
また、第2周壁3311は、円筒状に形成され、表示部35の先端部分が挿通される(図8参照)。
スイッチブロック34は、図14に示すように、第2支持部331の内壁面から突出する複数(図示例では3つ)の爪3313にプリント配線板340の周縁部分が引っ掛けられ、第2支持部331に支持される。また、第2支持部331の天面における前方には、矩形の挿通孔3314が設けられており、この挿通孔3314を通して、コネクタ(レセプタクルコネクタ)343にプラグコネクタが差込接続される(図13参照)。
なお、上記プラグコネクタと電気的に接続される電線は、第2支持部331の前面に設けられる一対のケーブル保持片336に保持されるのが好ましい(図13参照)。
次に、非常用光源ユニット3の組立手順について具体的に説明する。
まず、作業者は、LEDモジュール30を第1支持部330の凹部332に下から嵌め込む(図14参照)。作業者は、LEDモジュール30の一方のリード線303を、第1支持部330に設けられた第1引掛部3300に引っ掛けた後、このリード線303と他方のリード線303を、第1支持部330に設けられた第2引掛部3301に引っ掛ける。さらに、作業者は、これら一対のリード線303を、第1支持部330の上面側に引き出した後、第1支持部330に設けられた第3引掛部3302に引っ掛けて支持させる(図13参照)。
さらに、作業者は、操作部材342を第1周壁3310内に挿入した後、スイッチブロック34のプリント配線板340を3つの爪3313に引っ掛けてスイッチブロック34を第2支持部331に取り付ける(図11〜図14参照)。また、作業者は、表示部35の外周面に突出する爪350(図5参照)を、第2周壁3311に設けられた孔に引っ掛けることで表示部35を第2支持部331に取り付ける。
続いて、作業者は、第1支持部330をベース36の平板部360の上に載せる。このとき、作業者は、第1支持部330の左前方から下向きに突出した突部337を、平板部360の左端の切欠3600に挿通することにより、平板部360に対して支持部材33を位置決めすることができる(図6参照)。そして、作業者は、各ボス335を貫通する孔3350にねじ345を挿通し、平板部360に設けられた一対のねじ孔3602にそれぞれねじ345を締め込む。このようにして、作業者は、ベース36に支持部材33を固定する(図6参照)。
次に、作業者は、2対の引掛部334の爪3340をレンズ31のフランジ312に引っ掛け、各引掛部334の爪3340と第1支持部330の上面との間でフランジ312を挟み込むことでレンズ31を第1支持部330に支持させる(図11及び図12参照)。その後、作業者は、各固定部363の2つの挿通孔3630にそれぞれねじを挿通し、収容凹部11の底板111に設けられているねじ孔に各ねじをねじ込むことでベース36を底板111に固定する。
このとき、作業者は、ねじ止め部365を内側(常用光源ユニット2に近い側)、すなわち、ばね部材37を外側(常用光源ユニット2から遠い側)とするようにベース36を収容凹部11内に収納する。また、ベース36が底板111に固定されることにより、ベース36と底板111に囲まれた空間(以下、電源収容部366と呼ぶ。)が形成される。
続いて、作業者は、収容凹部11内において、ねじ止め部365の側から電源収容部366内に非常用電源5を挿入する(図6参照)。このとき、非常用電源5は、突出部3603の支持片3604に案内されてスムーズに挿入される。次に、作業者は、図6に示すように、上方からカバー32をベース36に被せる。このとき、カバー32の一対の突壁部324が、ベース36の立壁部361のガイド部3610及び立壁部362のガイド部3620にガイドされる。
そして、ばね部材37の各引掛部372は、それぞれ突壁部324に押されて内側に撓み、やがて、各突壁部324の取付孔3240にそれぞれ挿入されて引っ掛かる(図7及び図10参照)。このとき、第1支持部330に支持されたレンズ31は、カバー32の挿通孔3230を通して外部に露出する。
また、操作部材342は、カバー32の曲面部323において、挿通孔3230の右隣に設けられた円形の第1貫通孔3232を通して外部に露出する。さらに、表示部35は、カバー32の曲面部323において、第1貫通孔3232の後方に設けられた円形の第2貫通孔3233を通して外部に露出する(図7及び図8参照)。
最後に、作業者は、突出部3222の挿通孔3223に挿通したねじを、ベース36のねじ止め部365のねじ孔3650にねじ込むことにより、突出部3222をねじ止め部365にねじ止めする(図7及び図8参照)。このようにして、非常用光源ユニット3が組み立てられる。ここに、本実施形態では、LEDモジュール30、レンズ31及び支持部材33により光源部が構成される。
なお、非常用電源5は、図11に示すように、ばね部材37の押さえ片373とカバー32の押さえ片3224とにより左右方向から押さえられ、さらに3つの突出部3603により下方から支持される。これにより、上下方向及び左右方向において非常用電源5のがたつきを抑えることができる。ただし、上述した組立手順は一例に過ぎず、別の組立手順で組み立てることも可能である。
制御装置4は、常用電源(外部電源)から供給される電力で非常用電源5を充電する充電回路と、常用電源の停電時に非常用電源5を電源としてLEDモジュール30を点灯させる非常用電源回路とを備える。また、制御装置4は、点検スイッチ341による操作入力を受け取って点検動作を行う制御回路を備える。なお、常用電源は、常用光源ユニット2の電源装置24に給電する電源(例えば、商用の交流電源)であるのが好ましい。
制御回路は、点検スイッチ341による操作入力を受け取ると、充電回路を停止して、非常用電源回路を動作させることで点検動作を行う。さらに、制御回路は、常用電源の通電状態や点検動作による点検結果などを表示部35に表示させる。なお、このような制御回路は、論理回路やマイクロコントローラなどで構成されるのが好ましい。
また、制御装置4は、充電回路、非常用電源回路及び制御回路を構成するための複数の回路素子が実装されるプリント配線板40と、プリント配線板40を内部に収納する金属製のケース41とを備える(図15参照)。ケース41は、金属製の板材により扁平な矩形箱状に形成されている。また、ケース41は、一端側が開放され、プリント配線板40の一端部に実装された2つのコネクタ400,401を露出させるように構成されている。
一方のコネクタ400は、非常用電源5及びLEDモジュール30と電気的に接続され、他方のコネクタ401は、表示部35と電気的に接続される。また、プリント配線板40の他端部には、スイッチブロック34のコネクタ343と電気的に接続されるコネクタが実装されている。制御装置4は、ケース41の両端から突出する一対の固定片410が収容凹部11の底板111にねじ止めされることで器具本体1に取り付けられる(図15参照)。
ここで、非常用光源ユニット3と制御装置4とは、4対(合計8本)の電線で電気的に接続される。すなわち、4対のうちの一対の電線60は、非常用電源5と充電回路及び非常用電源回路とを電気的に接続し、また別の一対の電線61は、非常用電源回路とLEDモジュール30とを電気的に接続する。
さらに、別の一対の電線62は、制御回路と表示部35とを電気的に接続し、残り一対の電線63は、制御回路とスイッチブロック34とを電気的に接続する。なお、一対の電線60は、非常用電源5の交換を容易にするため、コネクタ64によって分断可能に構成されるのが好ましい(図15参照)。
これら4対の電線60〜63は、図15に示すように、シース65で被覆された1本のケーブルとして構成されるのが好ましい。なお、4対の電線60〜63は、図15に示すように、ベース36の立壁部362と収容凹部11の側板との間に形成される隙間に配置されるのが好ましい。
次に、本実施形態の照明器具10の施工手順について具体的に説明する。
まず最初に、施工作業を行う作業者は、天井裏に先行配線された電源線を器具本体1の孔111Aに通し、さらに室内側に露出する吊りボルト200を孔111Bに通した後、吊りボルト200にナット201をねじ込んで器具本体1を固定する。さらに、作業者は、電源線の端部を端子台に接続し、さらに端子台から引き出されている電線を電源装置24及び制御装置4と電気的に接続する。
続いて、作業者は、器具本体1の一方の側板112に設けられた一対の挿通孔にそれぞれ引掛金具の先端を引っ掛けた後、一対の引掛ばねを器具本体1の他方の側板112に設けられた引掛部に引っ掛ける。そして、作業者が、引掛金具を支点として常用光源ユニット2を持ち上げるように回転させると、引掛ばねが引掛部に引っ掛かったままで元の状態に戻ることにより、引掛ばねのばね力で常用光源ユニット2が器具本体1に保持される。以上のような手順に従って、照明器具10が天井に施工される(図1及び図4参照)。
ここで、本実施形態では、ベース36の平板部360の一部を切り起こすことにより突出部3603を形成しており、非常用電源5は、各突出部3603の押さえ片3605に下側から支持された状態で電源収容部366に収容される(図11及び図12参照)。
また、非常用電源5の電池ケース51の右側面を突出部3603の支持片3604に接触させた状態から非常用電源5を右向き(電源収容部366内)に押し込むことで、非常用電源5を電源収容部366の正規位置(図11に示す位置)に案内することができる。つまり、本実施形態では、支持片3604により案内部が構成されており、この案内部により組立作業性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、平板部360の後端寄りの位置において、2つの突出部3603が左右方向に並べて設けられている。この場合、LEDモジュール30より平板部360に伝えられた熱の一部が、2つの突出部3603の間の部位を通って立壁部362に伝えられ、立壁部362より外部に放熱される。すなわち、平板部360の後端寄りの位置において左右方向に沿った一続きの突出部を設けた場合に比べて、放熱性を向上させることができる。
また、本実施形態のように、ねじ345により支持部材33をベース36の平板部360に固定する構造の場合、突出部3603を設けることにより、電源収容部366への収容時に非常用電源5がねじ345に干渉しにくくなるという利点もある。
而して、本実施形態の照明器具10によれば、非常用電源5を電源収容部366に収容した状態では非常用電源5が突出部3603により支持されており、LEDモジュール30(光源部)が取り付けられた平板部360に接触していない。これにより、LEDモジュール30で発生した熱が非常用電源5に伝わりにくくなっており、LEDモジュール30の発熱による非常用電源5への影響を抑えることができる。
また、従来の非常用照明器具のように、光源と蓄電池とを別々の空間に配置する場合に比べて器具本体1の大型化を抑えることができ、これにより天井材100からの突出量を小さくすることができる。さらに、本実施形態のように、平板部360の一部を切り起こすことにより突出部3603を設けた場合には、突出部3603が別体である場合に比べて、組付作業を省くことができるとともに材料費を削減することができる。
また、本実施形態のように、平板部360の厚み方向においてLEDモジュール30と重ならない位置に突出部3603を設けた場合には、平板部360による放熱性が低下するのを抑えることができる。
なお、本実施形態では、天井材100に直付けされる照明器具10を例示したが、天井材100以外の造営材、例えば、壁材などに取り付けられる照明器具であってもよい。また、本実施形態の突出部3603の形状は一例であって、例えば平板部360の一部を切り起こしてブリッジ状に形成してもよい。
以上説明したように、本実施形態の照明器具10は、器具本体1と、常用光源ユニット2(第1光源ユニット)と、非常用光源ユニット3(第2光源ユニット)とを備える。器具本体1は、長尺に形成され、天井材100(造営材)の下面(表面)に取り付けられる。常用光源ユニット2は、器具本体1に取り付けられ、外部電源が正常に供給されている状態において点灯可能である。非常用光源ユニット3は、器具本体1に取り付けられ、上記外部電源の停電時に点灯する。非常用光源ユニット3は、光源部(LEDモジュール30、レンズ31及び支持部材33)と、ベース36と、カバー32と、非常用電源5とを具備する。ベース36は、上記光源部が取り付けられる。カバー32は、挿通孔3230(開口部)を有し、挿通孔3230から上記光源部の一部を露出させた状態でベース36に取り付けられる。非常用電源5は、上記外部電源の停電時に上記光源部に給電する。ベース36は、平板部360(底壁部)と、一対の立壁部361,362と、電源収容部366と、突出部3603とを有する。平板部360は、矩形板状であって、長手方向が器具本体1の長手方向となるように配置され、上記光源部が取り付けられる。一対の立壁部361,362は、平板部360の幅方向における両端から上記光源部と反対側に突出する。電源収容部366は、平板部360及び一対の立壁部361,362で囲まれる空間からなる。突出部3603は、平板部360から電源収容部366内に突出し、電源収容部366に収容された非常用電源5を支持するように構成される。
上記構成によれば、非常用電源5を電源収容部366に収容した状態では非常用電源5が突出部3603により支持されており、上記光源部が取り付けられた平板部360に接触していない。これにより、上記光源部で発生した熱が非常用電源5に伝わりにくくなっており、上記光源部の発熱による非常用電源5への影響を抑えることができる。また、従来の非常用照明器具のように、光源と蓄電池とを別々の空間に配置する場合に比べて器具本体1の大型化を抑えることができ、これにより天井材100からの突出量を小さくすることができる。
また、本実施形態の照明器具10のように、突出部3603は、平板部360の一部を切り起こすことにより形成されるのが好ましい。
上記構成によれば、突出部3603が別体である場合に比べて、組付作業を省くことができるとともに材料費を削減することができる。
また、本実施形態の照明器具10のように、上記光源部はLEDモジュール30を有するのが好ましい。この場合、突出部3603は、平板部360の厚み方向において平板部360に取り付けられたLEDモジュール30と重ならない位置に設けられるのが好ましい。
上記構成によれば、平板部360の厚み方向においてLEDモジュール30と重ならない位置に突出部3603を設けることで、平板部360による放熱性が低下するのを抑えることができる。
また、本実施形態の照明器具10のように、非常用電源5を電源収容部366の所定位置に案内する支持片3604(案内部)が平板部360に設けられているのが好ましい。
上記構成によれば、支持片3604に接触させた状態から非常用電源5を電源収容部366内に押し込むだけで非常用電源5を電源収容部366の所定位置に案内することができ、これにより組立作業性を向上させることができる。