(1)概要
以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記の構成に限定されることはなく、下記の構成以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の照明器具1は、例えば、集合住宅の開放廊下の天井や、屋外の駐輪場の軒下、倉庫のトラックヤードの軒下、湿気の多い食品工場の天井などに直付けされる直付け形の照明器具であることを想定する。つまり、照明器具1は、一例として、湿度の高い空間や雨水が掛かる屋外又は屋側に設置されることを想定し、防水機能を有している。しかし、この限りではなく、照明器具1は、執務室などの屋内の天井に直付けされる天井直付け形の照明器具であってもよい。つまり、照明器具1は、防水機能を有していなくてもよい。また、照明器具1は、埋込形の照明器具又は壁に取り付けられる照明器具であってもよい。
照明器具1は、非常用照明を行う非常用照明装置3と、非常用照明装置3を支持する器具本体10とを、少なくとも備えている。本実施形態では、照明器具1は、一例として、常用照明を行う常用照明装置2と、非常用照明装置3に給電する非常用電源ユニット9とを更に備えている。
ここで、非常用照明装置3は、図1に示すように、非常用光源ユニット4(図11参照)と制御装置6と操作部と筐体5とを備える。制御装置6は、非常用光源ユニット4を点灯するように構成される。また、制御装置6は、操作入力を受け付けるための押釦スイッチ(以下、「第1押釦スイッチ611」という)及び表示用の光を発する表示素子613を有する。筐体5は、非常用光源ユニット4、制御装置6及び操作部を収容する。操作部は、第1押釦スイッチ611を押操作するための部位である。なお、本実施形態のように非常用照明装置3が防水機能を有している場合、ここで言う「操作部」は、後述するシリコーンゴム製のシール部550と一体に形成されている「第1操作部551」に相当する。ただし、非常用照明装置3が防水機能を有していない場合、つまり、シール部550が設けられていない場合、「操作部」は、例えば合成樹脂製の部材であってもよい。
筐体5は、第1操作部551と対向する位置に第1孔(以下、「第1操作孔502」という)を有し、かつ、表示素子613と対向する位置に第2孔(以下、「表示孔503」という)を有している。第1操作孔502と表示孔503とは、互いに繋がっていて1つの窓孔15を形成している。
この構成によれば、人が指で第1操作部551を押す場合に、第1操作孔502だけでなく第1操作孔502と表示孔503の両方にわたって指先を挿入させることが可能になり、より確実に第1操作部551を奥まで押し込むことができる。つまり、第1操作部551を押す場合に、表示素子613から放射された光を筐体5外部に導出させるための表示孔503も利用することができる。したがって、第1操作孔502自体の寸法を大きくすることなく、指先が挿入可能な領域を増やすことができる。また、表示素子613から放射された光も、表示孔503だけでなく、第1操作孔502にまで及んで導出させることができる。その結果、第1操作部551の大型化を抑えながらも、第1操作部551の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる。
本実施形態では、制御装置6は、第1押釦スイッチ611以外に、例えば、第2押釦スイッチ612を更に有している。そのため、非常用照明装置3は、第1操作部551以外にも、第2押釦スイッチ612を押操作するための第2操作部552を備える。筐体5は、第2操作部552と対向する位置に、第3孔(以下、「第2操作孔504」という)を有している。しかし、第2押釦スイッチ612、第2操作部552及び第2操作孔504は、非常用照明装置3の必須の構成要素ではない。
(2)詳細
(2.1)全体構成
以下、本実施形態の照明器具1について、図面を参照して詳しく説明する。本実施形態の照明器具1は、「(1)概要」の欄で説明したように、常用照明を行う常用照明装置2と、非常用照明を行う非常用照明装置3と、常用照明装置2及び非常用照明装置3を収容する器具本体10とを備えている(図7〜図9参照)。さらに、照明器具1は、非常用照明装置3に給電する非常用電源ユニット9を備えている。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図7に示す向きにおいて、照明器具1の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
また、以下では「ユーザ」とは、例えば照明器具1が設置された場所で作業する者あるいは照明器具1の所有者であり、すなわち、点検作業を専門業務としていない者を意味する。一方、「点検作業者」とは、例えば、定期的な点検作業を専門業務としている作業者を意味する。
(2.2)器具本体
器具本体10は、長尺の矩形平板状の天板11と、天板11の長手方向(左右方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第1側板12とを有している。器具本体10は、さらに、天板11の短手方向(前後方向)に沿った2つの端縁のそれぞれから下向きに突出する一対の第2側板13と、各第1側板12の下端から斜め下向きに突出する一対の反射板14とを有している。すなわち、器具本体10は、天板11に対向する下面に開口部を有した矩形の箱状に形成されている。天板11は、その左右方向におけるほぼ中央に、電線を通すための孔を有している。また、天板11は、吊りボルトを通すための孔111を有している(図8参照)。なお、各第2側板13の下端には、天板11と平行して突出する取付片130がそれぞれ設けられている(図9参照)。各取付片130には、ねじ孔(雌ねじ)131が設けられている。
(2.3)常用照明装置
常用照明装置2は、図8及び図10に示すように、LEDモジュール20と、LEDモジュール20を支持する支持板21と、LEDモジュール20を支持した支持板21を内部に収容するケース22と、電源装置と、2つの固定具23と、2つの取付具24とを備える。
LEDモジュール20は、左右方向に長い矩形板状に形成された基板(プリント配線板)200と、基板200の下面に実装された複数個のLED(Light Emitting Diode)201とを有する。複数個のLED201は、基板200の長手方向に沿って、一定の間隔を空けて並ぶように実装されている(図10参照)。また、複数個のLED201は、基板200に形成される導体(銅はく)を介して電気的に直列接続される。なお、基板200に形成される導体は、基板200に実装されるコネクタと、コネクタに電気的に接続される電線とを介して、電源装置の出力端子と電気的に接続される。
支持板21は、板金に曲げ加工を施すことで箱状に形成される(図10参照)。すなわち、支持板21は、長尺かつ矩形板状に形成された底板210と、底板210の短手方向(前後方向)における両端から長手方向に沿って上向きに立ち上がる一対の側板とを有する。LEDモジュール20は、底板210の下面に取り付けられる(図10参照)。
電源装置は、常用電源(例えば、商用の交流電源)から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力をLEDモジュール20に供給することでLEDモジュール20を点灯するように構成されている。電源装置は、支持板21の底板210の上面に取り付けられる。LEDモジュール20と電源装置は、底板210に設けられた挿通孔に挿通される電線によって電気的に接続される。
ケース22は、ケース本体220と、2つのエンド部材221と、2つのガスケット(固定用シール)222とを有する(図8及び図10参照)。ケース本体220は、合成樹脂材料によって長手方向の両端が開口した長尺の筒状に形成され、その内部にLEDモジュール20及び支持板21を収容するように構成されている(図10参照)。なお、支持板21は、2つの固定具23によってケース本体220に固定される。
エンド部材221は、図8及び図10に示すように、第1底壁2210、第2底壁2211、外周壁2212、内周壁2213並びにカバー部2214を有する。第1底壁2210は、ケース本体220の前後方向及び上下方向に平行な断面の形状と同じ形状に形成されている。第2底壁2211は、おおよそ半円板形状に形成されている。外周壁2212は、第1底壁2210の周縁から全周に渡って突出する筒状に形成される。内周壁2213は、外周壁2212に対向して第1底壁2210から突出する筒状に形成される。カバー部2214は、第2底壁2211の周縁の弧状の部分から第2底壁2211の厚み方向に突出し、かつ、その表面を外周壁2212の表面と同一の曲面(略半円筒面)とする形状に形成されている(図8参照)。また、カバー部2214の下面中央には、円筒形の凹部2215が設けられている(図8参照)。さらに、凹部2215の底壁には、円形の孔2216が形成されている(図10参照)。
ガスケット222は、シリコーン樹脂などの弾性を有する材料により、エンド部材221の外周壁2212及び内周壁2213に相似した形状(筒状)に形成されている。そして、ガスケット222は、エンド部材221の第1底壁2210と外周壁2212と内周壁2213に囲まれた空間に圧入される。さらに、ガスケット222は、外周壁2212及び内周壁2213の先端から露出する面に全周に渡る溝2220が設けられている。そして、この溝2220にケース本体220の長手方向における端部が圧入される(図10参照)。つまり、エンド部材221とケース本体220がガスケット222によって密封され、ケース本体220内への水(雨水など)の浸入が抑制される。
固定具23は、固定片230と、一対の取付片231と、一対の側壁232とを有する(図10参照)。ただし、2つの固定具23は全て同一の構造である。固定片230は、矩形平板状に形成されている。一対の取付片231は、矩形平板状であって、固定片230の前端及び後端から下向きに突出するように設けられる。一対の側壁232は、矩形平板状であって、固定片230の左端及び右端から下向きに突出するように設けられる。1つの固定具23は支持板21の上面における左端に取り付けられる。もう1つの固定具23は支持板21の上面における右端に取り付けられる。各固定具23は、ケース本体220内に収容された状態において、固定片230とケース本体220とがねじ止めされることで支持板21をケース本体220に固定している。
取付具24は、図10に示すように、第1固定部240と、第2固定部241と、第1固定部240と第2固定部241を連結する連結部242とを有している。第1固定部240、第2固定部241及び連結部242は、金属板が加工されることで一体に形成されている。ただし、2つの取付具24は全て同一の構造である。第2固定部241は、前後方向のほぼ中央に長孔状のねじ挿通孔243を有している(図10参照)。取付具24の第1固定部240は、ケース22の外から固定具23の固定片230にねじ止めされる。
(2.4)非常用電源ユニット
非常用電源ユニット9は、図8及び図9に示すように、乾電池型の複数本の蓄電池と、これら複数本の蓄電池を収容する電池ケース90と、電池ケース90から引き出される電気ケーブルと、電池ケース90を器具本体10に固定する固定金具91とを有する。電池ケース90は、軸方向に垂直な断面の形状が長円形である筒状に形成されている。各蓄電池は、たとえば、乾電池型のニッケル水素電池である。複数本の蓄電池は、その軸方向を電池ケース90の軸方向に揃えるようにして電池ケース90内に収容されている。また、各蓄電池は、複数の端子板によって電気的に直列接続される。電気ケーブルは、複数本の蓄電池の直列回路の一端(正極)に電気的に接続された第1電線と、複数本の蓄電池の直列回路の他端(負極)に電気的に接続された第2電線とを有する。また、電気ケーブルの先端には、コネクタが設けられている。固定金具91は、金属板によって箱状に形成されている。固定金具91は、電池ケース90を包み込むように保持した状態で器具本体10の天板11の下面に固定される(図8及び図9参照)。
(2.5)非常用照明装置
次に、本実施形態の非常用照明装置3について、図1〜図6及び図11〜図19を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に断りのない限り、図12に示す向きにおいて、非常用照明装置3の上下、左右及び前後の各方向を規定する。
非常用照明装置3は、図11及び図12に示すように、非常用光源ユニット4と、非常用光源ユニット4を支持する支持部材7と、非常用光源ユニット4を点灯する制御装置6と、非常用光源ユニット4、支持部材7及び制御装置6を収容する筐体5とを備えている。非常用照明装置3は、更に、操作用ガスケット55、第1ガスケット53、及び第2ガスケット54を備えている。
非常用光源ユニット4は、図13及び図14に示すように、LEDモジュール40と、ホルダ41と、一対の端子板42と、放熱シート43と、レンズ44とを有している。LEDモジュール40は、矩形平板状の実装基板400の中央に少なくとも1個のLEDチップが実装されて構成されている。LEDチップは、例えば、青色光を放射する青色発光ダイオードであることが好ましい。また、LEDチップを含む実装基板400の実装面(下面)は、LEDチップから放射される青色光を波長変換する蛍光物質が混入された封止樹脂401で封止されている(図14参照)。さらに、実装基板400は、その対角の位置にある一対の角部の下面にそれぞれ電極を有している。一方の電極は、LEDチップのカソードと電気的に接続され、他方の電極は、LEDチップのアノードと電気的に接続されている。さらに、これら2つの電極は、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と電気的に接続されている。
レンズ44は、例えば、ガラス製であって、レンズ本体440と、レンズ本体440の周縁から外向きに突出する環状の外鍔部441とを有している(図14参照)。レンズ44は、非球面形状の入射面442及び出射面443を有し(図13参照)、いわゆるバットウイング(batwing)状の配光特性を実現する広角配光レンズであることが好ましい。ただし、レンズ44は、ガラス繊維が混入されることで耐熱性(難燃性)が向上された合成樹脂材料(例えば、ポリカーボネート樹脂など)で形成されてもよい。
放熱シート43は、高熱伝導率、電気絶縁性及び難燃性を有するシリコーン樹脂製のシート材で構成されることが好ましい。放熱シート43は、LEDモジュール40の実装基板400の上面に接触している(図13参照)。
ホルダ41は、ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂材料により、上下方向から見て、おおよそ菱形に形成されることが好ましい(図14参照)。ホルダ41は、LEDモジュール40の発光面(下面)にレンズ44のレンズ本体440を重ねるようにして、LEDモジュール40とレンズ44を保持している。また、ホルダ41は、端子板保持部410を有している。端子板保持部410は、上向きに伸びた角筒状に形成され、一対の端子板42を内部に収容して保持している(図13及び図14参照)。
制御装置6は、図14に示すように、第1回路ブロック60、第2回路ブロック61及びケース62を備えている。第1回路ブロック60は、矩形板状の第1プリント配線板600、複数種類の電子部品601、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604を有している。複数種類の電子部品601のうちでリード付きの電子部品601が第1プリント配線板600の下面(部品面)に挿入実装されている。また、複数種類の電子部品601のうちで表面実装型の電子部品601が第1プリント配線板600の上面(はんだ面)に表面実装されている(図13参照)。ただし、第1プリント配線板600の部品面には、受け側コネクタ64、入力端子台603、出力コネクタ602及び第1コネクタ604も挿入実装されている。
出力コネクタ602は、一対のコンタクト6020を有している(図14参照)。出力コネクタ602の各コンタクト6020は、非常用光源ユニット4の一対の端子板42のうちの対応する端子板42と、中継用の電線を介して電気的に接続される。
受け側コネクタ64は、第1コンタクト受け641と、第2コンタクト受け642と、ベース640とを有している(図14参照)。ベース640は、電気絶縁性を有した合成樹脂材料によって矩形の板状に形成されている。第1コンタクト受け641及び第2コンタクト受け642は棒状に形成されて、ベース640を厚み方向に貫通した状態でベース640に支持されている。受け側コネクタ64は、中継用の電気ケーブルを介して、非常用電源ユニット9の電気ケーブルと電気的に接続される。
第1回路ブロック60は、第1プリント配線板600に形成されているプリント配線と、第1プリント配線板600の部品面及びはんだ面に実装されている複数種類の電子部品601とで構成されたプリント回路を有している(図13及び図14参照)。第1回路ブロック60のプリント回路は、例えば、直流電源回路、充電回路、点灯回路、停電検出回路、制御回路を含んでいる。直流電源回路は、例えば、リンギングチョークコンバータなどの自励型のスイッチング電源回路で構成され、常用電源から入力端子台603に入力される交流電圧を直流電圧に変換するように構成されている。すなわち、充電回路は、非常用電源ユニット9の蓄電池を充電するための回路である。充電回路は、常用電源から給電されているときに受け側コネクタ64を通して一定の充電電流を非常用電源ユニット9へ出力するように構成されている。点灯回路は、非常用電源ユニット9から受け側コネクタ64に入力される直流電流を定電流化し、定電流化した直流電流を出力コネクタ602より非常用光源ユニット4に供給するように構成されている。停電検出回路は、直流電源回路の出力電圧に基づいて常用電源の停電を検出して制御回路に通知するように構成されている。制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出していないときに充電回路を動作させ、かつ、点灯回路を停止させるように構成されている。また、制御回路は、停電検出回路が常用電源の停電を検出しているときに充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させるように構成されている。
第2回路ブロック61は、矩形板状の第2プリント配線板610、第1押釦スイッチ611、第2押釦スイッチ612、表示素子613、受光素子614(受信部)並びに第2コネクタ615を有している(図14参照)。第2コネクタ615は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の一端(前端)に実装されている。第2押釦スイッチ612は、第2プリント配線板610の下面における第2コネクタ615の後方に実装されている。第1押釦スイッチ611は、第2プリント配線板610の下面における長手方向の他端(後端)に実装されている。
表示素子613は、例えば、緑色光を放射するLEDチップを有している。表示素子613は、第2プリント配線板610の下面における第1押釦スイッチ611の前方に実装されている。受光素子614は、例えば赤外線を通信媒体とする制御信号を外部から受信し、受信した制御信号から送信フレームを復調するように構成されている。この制御信号は、定期点検の作業を行う点検作業者に操作されるリモートコントローラから送信される。なお、ここで言う「制御信号」は、電磁波を媒体とした信号であれば、赤外線に限定されない。制御信号は、例えば赤外線以外に電波を媒体とした信号であってもよい。この場合、受光素子614の代わりに無線通信アンテナが設けられていてもよい。受光素子614は、第2プリント配線板610の下面における表示素子613と第2押釦スイッチ612の間に実装されている。要するに、第1及び第2押釦スイッチ611,612、表示素子613及び受光素子614は、前後方向に沿って、第1押釦スイッチ611、表示素子613、受光素子614、第2押釦スイッチ612の順に配置されている(図1参照)。
第2コネクタ615は、例えば、ケーブルによって第1回路ブロック60の第1コネクタ604と電気的に接続される。第1回路ブロック60の制御回路は、ケーブルを通して第1押釦スイッチ611及び第2押釦スイッチ612の各々の操作状態(オン及びオフ)を監視するように構成されている。また、制御回路は、受光素子614で復調される制御信号の送信フレームを、ケーブルを通して受け取るように構成されている。さらに、制御回路は、第1回路ブロック60の充電回路が動作している場合、ケーブルを通して表示素子613に電流を流すことで表示素子613を発光させるように構成されている。
制御回路は、前方の第2押釦スイッチ612がオンされた場合、又は受光素子614から送信フレームを受け取った場合に自己点検動作(第1の点検動作)を行うように構成されている。自己点検動作とは、充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を所定の時間(例えば30分又は60分)動作させた後、再度、点灯回路を停止させ、かつ、充電回路を動作させることである。点検作業者は、定期的な点検作業を行う場合、第2押釦スイッチ612又はリモートコントローラを通じて、この自己点検動作(第1の点検動作)を行わせる。
さらに、制御回路は、後方の第1押釦スイッチ611がオンされた場合、自己点検動作(第1の点検動作)とは異なる別の点検動作(第2の点検動作)を行うように構成されている。この第2の点検動作とは、第1押釦スイッチ611がオン状態の間、充電回路を停止させ、かつ、点灯回路を動作させる。第1押釦スイッチ611がオフ状態になると、点灯回路を停止させ、かつ、充電回路を動作させる。ただし、制御回路は、第2の点検動作を行うように指示する送信フレームを受光素子614から受け取った場合も第2の点検動作を行うように構成されることが好ましい。ユーザは、点検作業を行う場合、第1押釦スイッチ611を通じて、この点検動作(第2の点検動作)を行わせる。
ここで、表示素子613は、少なくとも第2の点検動作に関する状態を表示することが望ましい。例えば、表示素子613は、充電回路が動作中には緑色光を発し、第2の点検動作中、すなわち、充電回路が停止し、点灯回路が動作中には消灯すように構成されてもてよい。ただし、表示素子613は、第2の点検動作だけでなく、第1の点検動作に関しても、点灯回路が動作中には消灯するように構成されることが望ましい。
ケース62は、第1ケース620と第2ケース621を有している。第1ケース620は、底部6200と、側壁部6201とを有している。底部6200は、おおよそ矩形の箱形に形成されている。底部6200は、第1回路ブロック60の第1プリント配線板600のはんだ面を厚み方向(上下方向)から支持するように構成されている。側壁部6201は、板状に形成されている。側壁部6201は、ヒンジを介して底部6200に連結されている。ゆえに、側壁部6201は、ヒンジを軸にして底部6200に対して回転可能となるように構成されている。また、側壁部6201は、第2回路ブロック61の第2プリント配線板610の長手方向に沿った端部(左端部)を厚み方向から挟んで支持するように構成されている。
第2ケース621は、上面及び左側面が開放された箱状に形成されている。第2ケース621は、第1ケース620と結合される。第2ケース621の上面は、第1ケース620の底部6200によって閉じられる。また、第2ケース621の左側面は、第1ケース620の側壁部6201によって閉じられる(図13参照)。
第2ケース621は、下面の左端から下方へ突出する突台部6210を有している(図14参照)。突台部6210は、おおよそ角錐台状に形成されている。突台部6210は、2つの伝達部材(第1伝達部材6214及び第2伝達部材6215)を有している。第1伝達部材6214は、突台部6210の下面における後端に設けられている。また、第2伝達部材6215は、突台部6210の下面における前端に設けられている。第1伝達部材6214及び第2伝達部材6215は、突台部6210の下面に対して上下方向に移動可能となるように構成されている。つまり、第1伝達部材6214は、後述する操作用ガスケット55の第1操作部551から受けた上向きに作用する力を第1押釦スイッチ611に伝達するための部材である。第1伝達部材6214が第1押釦スイッチ611の押釦を押すことにより、第1押釦スイッチ611がオンする。また、第2伝達部材6215は、後述する操作用ガスケット55の第2操作部552から受けた上向きに作用する力を第2押釦スイッチ612に伝達するための部材である。第2伝達部材6215が第2押釦スイッチ612の押釦を押すことにより、第2押釦スイッチ612がオンする。さらに、突台部6210は、その下面における第1伝達部材6214と第2伝達部材6215の間に、2つの円形の窓6216、6217を有している。前方の窓6216は、上下方向において第2回路ブロック61の受光素子614と対向している。後方の窓6217は、上下方向において第2回路ブロック61の表示素子613と対向している。つまり、リモートコントローラから送信される制御信号は、前方の窓6216を通して受光素子614に到達する。また、表示素子613が発する光(緑色光)は、後方の窓6217を通してケース62の外に放射される。
また、第2ケース621は、右端に3つの開口部6211、6212、6213を有している。これら3つの開口部6211、6212、6213は、前後方向に沿って一列に並んでいる(図14参照)。前端の開口部6211は、第1回路ブロック60の受け側コネクタ64と対向している。後端の開口部6213は、入力端子台603が挿通される。中央の開口部6212は、出力コネクタ602と対向している(図14参照)。
支持部材7は、アルミニウム及びアルミニウム合金のように一般的に熱伝導率が高いとされる材料によって、おおよそ矩形平板状に形成されている(図14参照)。ただし、支持部材7は、アルミニウム及びアルミニウム合金以外の材料で形成されても構わない。支持部材7の左端に挿通孔70が貫通している。挿通孔70は、前後方向を長手方向とする長円形に形成されている。また、支持部材7の右端における前後方向の中央に、矩形の挿通溝71が設けられている。さらに、3つの嵌合溝72が、支持部材7の前端と支持部材7の後端に設けられている。支持部材7の後端の嵌合溝72は、支持部材7の左右方向のほぼ中央に設けられている。一方、支持部材7の前端の2つの嵌合溝72は、支持部材7の左右方向の中央に対して左右両側に離して設けられている。支持部材7の中央には、3つの嵌合孔73が貫通している。支持部材7の前端の中央付近と、支持部材7の右端の後端付近とに、それぞれねじ孔74が1つずつ設けられている。支持部材7の前後方向の中央における挿通孔70の右側の位置と、支持部材7の右端における前後両端の位置とに、それぞれねじ挿通孔75が1つずつ設けられている。
非常用光源ユニット4は、支持部材7に設けられている2つのねじ孔74に対して、2本の取付ねじ45でホルダ41がねじ止めされることによって支持部材7の下面に取り付けられている(図11及び図14参照)。ホルダ41の端子板保持部410は、支持部材7の挿通溝71に挿通されて支持部材7の上面側に突出する(図12参照)。そして、一対の端子板42のうちの対応する端子板42と、出力コネクタ602の一対のコンタクト6020のうちの対応するコンタクト6020とが中継用の電線を介して電気的に接続される。さらに、LEDモジュール40は、放熱シート43を介して支持部材7と熱的に結合される。
筐体5は、図12に示すように、第1筐体51と第2筐体52を有している。第1筐体51及び第2筐体52は、それぞれアルミダイカストで形成されている。
第1筐体51は、半円筒面形状の外周壁510と、半円形状の第1外壁511と、半円形状の第2外壁512とを有する半円筒形状に形成されている(図11及び図12参照)。また、第1筐体51は、一対の第1内壁513と、一対の第2内壁514とを有している(図12参照)。一対の第2内壁514のうちの左側の第2内壁514は、第1外壁511と対向して、外周壁510の内側面(上面)から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第2内壁514のうちの右側の第2内壁514は、第2外壁512の上面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513は、前後方向に対向して、外周壁510の内側面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の第1内壁513のうちで前方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の前端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。また、一対の第1内壁513のうちで後方に位置する第1内壁513は、一対の第2内壁514の後端及び第2外壁512の内側面とそれぞれ繋がっている。
外周壁510の下面における前後方向の中央かつ右寄りの位置に、凹部500が形成されている。凹部500は、下から見て、長軸方向を外周壁510の軸方向(左右方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図11参照)。そのため、凹部500の長軸方向(左右方向)の両端が、その短軸方向(前後方向)の両端よりも下に位置している。さらに、凹部500の中央(底)に、レンズ44のレンズ本体440が挿通される窓501が貫通している。窓501は、下から見て、長軸方向を凹部500の短軸方向(前後方向)に一致させた楕円形状に形成されている(図11参照)。なお、外周壁510の下面における窓501の周囲に、4つの円柱状の突起505が設けられている(図12では1つのみ図示)。
ここで、本実施形態の外周壁510は、図2及び図3に示すように、凹部500の左隣の位置に、2つの孔を有している。これら2つの孔は、前後方向に並ぶように貫通している。後方の孔は、丸孔の第1操作孔502と、第1操作孔502に繋がった長孔の表示孔503とを有し、全体として1つの鍵穴形状の窓孔15である。前方の孔は、第1操作孔502よりも径の小さい丸孔の第2操作孔504である。なお、窓孔15については、次の「(2.6)筐体の窓孔」の欄で詳しく説明する。
また、第1筐体51は、窓501を囲むように外周壁510の上面から突出する3つの第1ボス515を有している(図12では2つのみ図示)。これら3つの第1ボス515は、それぞれ円錐台形状に形成され、上端が開放されたねじ穴(めねじ)を有している。さらに、第1筐体51は、第1操作孔502、表示孔503及び第2操作孔504を囲むように外周壁510の上面から突出する筒状の突壁518を有している(図12参照)。操作用ガスケット55は、突壁518で囲まれた空間内に嵌め込まれることで、第1筐体51に取り付けられる。
また、第1筐体51は、4つのリブ517、1つの第2ボス516及び一対の突起519を有している。4つのリブ517は、各第1内壁513に沿って外周壁510の内側面から上向きに立ち上がる、矩形の板状に形成されている(図12及び図15参照)。第2ボス516は、上端が開放されたねじ穴(めねじ)を有する円錐台形状に形成されている。また、第2ボス516は、第1外壁511と左側の第2内壁514の間における外周壁510の内側面から上向きに立ち上がるように形成されている。一対の突起519は、第2外壁512の内側(左側)における前後両端において、上向きに突出する円錐台形状に形成されている(図12参照)。
第2筐体52は、図11及び図12に示すようにおおよそ矩形の箱状に形成されている。第2筐体52は、底壁520、一対の第1側壁521及び一対の第2側壁522を有している。底壁520は、矩形平板状に形成されている。一対の第1側壁521は、底壁520の長手方向に沿った両端(前端及び後端)から下向きに突出している。一対の第2側壁522は、底壁520の短手方向に沿った両端(左端及び右端)から下向きに突出している。
底壁520の下面における中央から、円筒形状の突部5200が下向きに突出している(図10及び図11参照)。突部5200の内部には円筒形状の孔5201が設けられている。この孔5201は、筐体5の内部と筐体5の外部とを繋ぐように、底壁520及び突部5200を上下方向に貫通している(図10参照)。ただし、この孔5201は、たとえば、一般に穴付きゴム栓と呼ばれる部材(以下、ゴム栓57という)で閉塞される(図10参照)。ゴム栓57は、シリコーンゴムのような弾性材料によって円柱状に形成されている。また、ゴム栓57は、その途中に少なくとも1つの壁を有する3つの穴570を備えている(図12参照)。つまり、ゴム栓57の各穴570は、針などで壁が突き破られることによって、筐体5の内部と筐体5の外部とを繋ぐように構成されている。
また、底壁520は、3つのボス5202と、4つのリブ5204とを有している。3つのボス5202は、底壁520の内側面(下面)から下向きに突出する円柱形状に形成されている(図11参照)。各ボス5202は、底壁520の上面に開口するねじ孔5203を有している(図10及び図12参照)。4つのリブ5204のうちの2つのリブ5204は、底壁520の下面から前側の第1側壁521に沿って下向きに突出する角柱状に形成されている(図11参照)。4つのリブ5204のうちの残り2つのリブ5204は、底壁520の下面から後側の第1側壁521に沿って下向きに突出する角柱状に形成されている。
一対の第2側壁522のうちの左側の第2側壁522は、その外側面(左側面)における前後方向中央の下端から左向きに突出する突部5220を有している(図10及び図11参照)。突部5220は、上下方向に貫通する穴5221を有している(図10参照)。
また、第2筐体52は、固定部523と突台部524を有している。固定部523は、一対の第2側壁522のうちの右側の第2側壁522の下端から右向きに突出する矩形の板状に形成されている(図11参照)。固定部523の前後方向の中央に、円筒形の穴5230が上下方向に貫通している(図10及び図11参照)。また、固定部523の下面における穴5230の前後両側に、おおよそ波形の凹み5231がそれぞれ設けられている。突台部524は、固定部523の先端(右端)から右向きに突出する矩形の箱状に形成されている(図11参照)。突台部524の先端(右端)における前後方向の両端に、それぞれ円筒形のボス5240が設けられている。各ボス5240は、上面が開口したねじ孔5241を有している(図12参照)。
第1ガスケット53は、図11及び図12に示すように、シリコーンゴムなどの弾性材料により、全体として矩形の枠状に形成されている。第1ガスケット53は、図16及び図17に示すように、枠部530、固定部531、一対の電線保持部532及び支持部533を有している。枠部530は、4つの角が面取りされた矩形の枠状に形成されている。枠部530の下面に、その全周に渡って上向きに凹んだ凹所5300が設けられている。固定部531は、枠部530の長手方向の一端(右端)における内側面から内向き(左向き)に突出する矩形の板状に形成されている。固定部531の長手方向(前後方向)の中央から内向き(左向き)に、半円形状の突部5310が突出している。そして、突部5310を含む固定部531の長手方向の中央部分に、円筒形のねじ挿通孔5311が上下方向に貫通している。さらに、固定部531の下面におけるねじ挿通孔5311の前後両側に、円筒形の嵌合孔5312がそれぞれ設けられている(図16参照)。支持部533は、枠部530の右端の部分(上下方向から見て固定部531と重なる部分)を除いて、枠部530の下面における凹所5300の内側の縁から下向きに突出している。一対の電線保持部532は、固定部531の上面におけるねじ挿通孔5311の前後両側から上向きに突出している。各電線保持部532は、底面の形状がおおよそ波形である柱状に形成されている。また、各電線保持部532は、軸方向(左右方向)に貫通する一対の穴5320と、各電線保持部532の周面から突出する3本のリブ5321とを有している(図17参照)。
第2ガスケット54は、シリコーンゴムなどの弾性材料により、中央に楕円形状の開口部540を有する枠状に形成されている(図11参照)。ただし、第2ガスケット54は、光を透過しないように黒色に着色されることが好ましい。また、第2ガスケット54の上面における開口部540の縁から、環状の周壁541が全周に渡って上向きに突出している(図12参照)。さらに、周壁541の上面には、上下方向に平行な断面の形状が三角形状である2つのリブが、径方向に沿って並ぶにように突出している。また、第2ガスケット54は、4つの嵌合孔542と、2つの引掛片543とを有している。4つの嵌合孔542は、開口部540を囲むように配置されて第2ガスケット54を厚み方向(上下方向)に貫通している。また、2つの引掛片543は、鉤形に形成され、かつ、第2ガスケット54の右後端及び左前端から上向きに突出している。
非常用照明装置3は、更に、固定部材56を備えている(図11及び図12参照)。固定部材56は、ステンレス鋼板のように錆びにくい金属板で形成されている。固定部材56は、前後方向を長手方向とする5角形状の固定片560と、固定片560の長手方向の両端の各辺から上向きに突出する一対の脚片561と、各脚片561の上端から固定片560と対向するように突出する一対の取付片562とを有している。固定片560のほぼ中央に、ナットを保持するための固定孔563が設けられている。各取付片562の一端(右端)に、それぞれねじ挿通孔564が貫通している(図12参照)。
操作用ガスケット55は、第1操作孔502及び表示孔503から構成された鍵穴形状の窓孔15と、第2操作孔504と、を塞ぐように第1筐体51に取り付けられる。操作用ガスケット55は、シリコーンゴムのように光を透過する弾性材料で形成されている。操作用ガスケット55は、図4A及び図4Bに示すように、シール部550、第1操作部551、第2操作部552及び透過部553を有している。シール部550、第1操作部551、第2操作部552及び透過部553は、全て一体となって形成されている。本実施形態では、操作用ガスケット55は、一例として、無着色のシリコーンゴム製の単一の成形品である。
シール部550は、第1操作孔502、表示孔503及び第2操作孔504から筐体5内への浸水を防止する。シール部550は、おおよそ楕円筒形状に形成されている。シール部550は、第1筐体51の外周壁510の内面と対向する第1端面550A(一表面、すなわち下面)と、制御装置6と対向する第2端面550B(上面)とを有している。シール部550の第1端面550Aは、第1筐体51の外周壁510の表面(下面)と曲率半径の等しい曲面に形成されている。また、シール部550の外周面には、上下方向に平行な断面の形状が三角形状である3つのリブ559が、上下方向に沿って等間隔に並ぶにように突出している。さらに、シール部550は、第1貫通孔554、第2貫通孔555及び表示溝556を有している。第1貫通孔554は、シール部550の長手方向の一端においてシール部550を上下方向に貫通する円筒形状に形成されている。第2貫通孔555は、シール部550の長手方向の他端においてシール部550を上下方向に貫通する円筒形状に形成されている。表示溝556は、シール部550の第1貫通孔554と第2貫通孔555との間において下面が開放された角筒状に形成されている。ただし、表示溝556の上下方向における下側の部分が第1貫通孔554と繋がっている(図4B参照)。
シール部550は、上下方向に沿って見たときに、前後方向において非対称な形状に形成されている。すなわち、第1操作部551周辺の前後方向における幅寸法が、第2操作部552周辺の前後方向における幅寸法よりも大きくなるように寸法関係が規定されている。そのため、操作用ガスケット55を第1筐体51へ取り付ける際に、シール部550が誤って前後逆向きに突壁518内に嵌め込まれることを防止できる。
透過部553は、図1に示すように、窓6217を通じて表示素子613と対向するように配置され、表示素子613から放射された光を透過させるように構成されている。透過部553は、シール部550における表示溝556の底壁(上壁)で構成されている(図4A及び図4C参照)。言い換えると、表示溝556が設けられていることにより、透過部553は、表示素子613と透過部553とが並ぶ並び方向(上下方向)における厚み寸法を、シール部550の厚み寸法に比べて十分に薄くしている。具体的には、透過部553の上下方向における厚み寸法は、シール部550の第1端面550Aから第2端面550Bまでの寸法に比べて十分に薄くしている。要するに、透過部553は、表示溝556の深さに依存して、操作用ガスケット55の第1端面550Aから所定の距離を空けて奥まった位置に配されている。表示溝556の深さ寸法を大きく設定するほど、透過部553の厚み寸法が小さくなるため、表示素子613から放射された光が透過部553で減衰することを抑制できる。ただし、透過部553の厚みが過剰に薄くなると、透過部553が破損して防水機能を失う可能性が高くなるため、表示溝556の深さ寸法は、透過部553が破損しない程度に設定されることが望ましい。
また、透過部553は、窓6216を通じて受光素子614とも対向して配置されている。したがって、リモートコントローラから送信される制御信号が減衰することも抑制できる。
第1操作部551は、円柱状に形成されている。第1操作部551は、その軸方向を上下方向に揃えるようにしてシール部550の第1貫通孔554内に収容されている。第1操作部551は、第1伝達部材6214と第1筐体51の第1操作孔502との間に配置されている。第1操作部551は、第1操作孔502に向かって突出する。
第2操作部552は、第1操作部551よりも短い円柱状に形成されている。第2操作部552は、その軸方向を上下方向に揃えるようにしてシール部550の第2貫通孔555内に収容されている。第2操作部552は、第2伝達部材6215と第1筐体51の第2操作孔504との間に配置されている。第2操作部552は、第2操作孔504に向かって突出する。
また、操作用ガスケット55は、第1貫通孔554をシールする第1シール部557と、第2貫通孔555をシールする第2シール部558とを有している(図4C参照)。第1シール部557及び第2シール部558は、それぞれ2つの底面が開口した中空の円錐台状に形成されている。第1シール部557の大径の底面の周縁がシール部550の第1貫通孔554の内周面と結合されている。第1シール部557の小径の底面の周縁が第1操作部551の周面と結合されている。第2シール部558の大径の底面の周縁がシール部550の第2貫通孔555の内周面と結合されている。第2シール部558の小径の底面の周縁が第2操作部552の周面と結合されている。第1操作部551の先端(下端)は第1貫通孔554からシール部550の第1端面550Aよりも下に突出している(図4B参照)。一方、第2操作部552の先端(下端)は第2貫通孔555内に収まってシール部550の第1端面550Aから下に突出していない(図4B参照)。ここで、第1シール部557及び第2シール部558は、弾性材料(シリコーンゴム)で形成されているために弾性変形可能である。そのため、第1操作部551及び第2操作部552は、上向きの力が加えられると上向きに移動し、その後、上向きの力が加えられなくなると第1シール部557及び第2シール部558の弾性力によって下向きに移動して初期の状態(図4Cに示す状態)に戻る。
(2.6)筐体の窓孔
本実施形態の窓孔15は、図1〜図3に示すように、第1操作孔502と表示孔503とが互いに繋がることによって形成されている。窓孔15は、一例として鍵穴形状である。第1操作孔502は、丸孔であり、図1に示すように第1操作部551と対向する位置に設けられている。表示孔503は、長孔であり、図1に示すように表示素子613と対向する位置に設けられている。
表示孔503は、表示素子613とだけでなく、受光素子614とも対向している。表示孔503の長手方向は、第2プリント配線板610の下面に実装されている表示素子613と受光素子614とが並ぶ並び方向とおおむね一致している。表示孔503を上下方向に沿って見たときに(図2参照)、表示孔503の後ろ半分が表示素子613と対向する第1領域503Aに相当し、前半分が受光素子614と対向する第2領域503Bに相当する。要するに、表示孔503を通じて、表示素子613から放射された光の導出と制御信号の受信の両方が達成され得る。特に、表示素子613から放射された光は、表示孔503の、受光素子614と対向する第2領域503Bからも導出可能であるため、表示素子613の光の視認性が高められている。
また、表示孔503の長手方向は、照明器具1の前後方向に相当する。したがって、照明器具1が天井又は壁に取り付けられている場合、点検時に下方から照明器具1を見上げるユーザ又は点検作業者にとっては、長孔の表示孔503が左右方向に沿って延びている場合に比べて、表示素子613の光の視認性が高められている。
本実施形態では、窓孔15の貫通する貫通方向に沿って窓孔15を見たときに、第1操作孔502と表示孔503とが並ぶ並び方向に直交する方向において、表示孔503の寸法D1は、第1操作孔502の寸法D2(径寸法)よりも小さい(図2参照)。ここで言う窓孔15の貫通方向は、上下方向に相当し、第1操作孔502と表示孔503との並び方向は、前後方向に相当する。このような寸法関係が規定されていることにより、窓孔15の周縁と第1操作部551との隙間を抑えることができる。特に、表示孔503が長孔であるため、たとえ表示孔503の寸法D1が第1操作孔502の寸法D2よりも小さくても、表示素子613の光の視認性が確保される。
本実施形態の筐体5が窓孔15を有していることで、ユーザ又は点検作業者は、指で第1操作部551を押す場合に、第1操作孔502だけでなく第1操作孔502と表示孔503の両方にわたって指先を挿入させることが可能になる。よって、より確実に第1操作部551を奥まで押し込むことができる。言い換えれば、第1操作部551を押す場合に、表示素子613から放射された光を筐体5外部に導出させるための表示孔503も利用することができる。したがって、第1操作孔502自体の寸法を大きくすることなく、指先が挿入可能な領域を増やすことができる。また、表示素子613から放射された光も、表示孔503だけでなく、第1操作孔502にまで及んで導出させることができる。その結果、第1操作部551の大型化を抑えながらも、第1操作部551の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる。
ところで、制御装置6は、第1押釦スイッチ611以外にも第2押釦スイッチ612を更に有しているため、非常用照明装置3は、第1操作部551以外に第2操作部552を備えている。筐体5は、第2操作部552と対向する位置に、第2操作孔504を有している。本実施形態の第2操作孔504は、図2に示すように、窓孔15と繋がっていない独立した丸孔である。したがって、例えば窓孔15が第2操作孔504とも繋がっている場合に比べて、ユーザ又は点検作業者は、第1操作部551と第2操作部552との認識が容易となる。なお、本実施形態の第2操作孔504の径寸法は、一例として表示孔503の寸法D1と略同じである。
特に、第1操作孔502に対する第1操作部551の突出量は、第2操作孔504に対する第2操作部552の突出量と異なる。本実施形態では、第1操作部551は、その突出する先端(下端)が第1操作孔502よりも第1筐体51の外側に位置する。第2操作部552は、その突出する先端(下端)が第2操作孔504よりも第1筐体51の内側に位置する。さらに、第2操作孔504は、試験指の挿通を禁止する径寸法を有している。ここでは、試験指は、例えば、日本の電気用品安全法の別表第四1(2)ハに規定された擬似指としている。第2操作孔504の径寸法がこのように規定されているため、第2操作部552は、人の指による押操作を受け付けない。つまり、本実施形態では、第2操作部552は、例えば点検業務用の工具の先端による押操作を前提として設けられている。一方、第1操作孔502の径寸法は、図1に示すように、第1操作部551の下端が部分的に第1筐体51の外側にはみ出る程度の大きさに規定されている。つまり、本実施形態では、第1操作部551は、人の指による押操作を前提として設けられている。
このような構成により、ユーザは、指による押操作を前提として設けられた第1操作部551を容易に認識して、第2の点検動作を実行させることができる。また、第2操作孔504が試験指の挿通を禁止する径寸法を有しているため、ユーザが誤って第1の点検動作(自己点検動作)に対応した第2操作部552を指で押すといった状況を減らすことができる。また、点検作業者も、点検業務用の工具による押操作を前提として設けられた第2操作部552を容易に認識して、第1の点検動作(自己点検動作)を実行させることができる。
また、長孔の表示孔503は、第1筐体51を上下方向に沿って見たときに、第1操作孔502と第2操作孔504との間に設けられている。特に、表示孔503において、少なくとも第2の点検動作に関する状態を表示する表示素子613と対向した後ろ半分の第1領域503A(図2参照)は、第1操作部551と隣り合っている。これは、表示素子613と第2の点検動作に対応した第1押釦スイッチ611とを隣り合わせていることに起因する。このような隣接配置により、第2の点検動作と表示素子613との関係性を高めることができる。したがって、第2の点検動作の実行時におけるユーザの利便性が向上されている。また、このような隣接配置により、非常用照明装置3全体としての小型化も図ることができる。
一方、表示孔503において、受光素子614と対向した前半分の第2領域503B(図2参照)は、第2操作部552と隣り合っている。これは、受光素子614と第2押釦スイッチ612とを隣り合わせていることに起因する。受光素子614及び第2押釦スイッチ612は、いずれも第1の点検動作(自己点検動作)の実行を受け付ける部位である。そのため、このような隣接配置により、受光素子614と第2押釦スイッチ612との関係性を高めることができる。したがって、第1の点検動作(自己点検動作)の実行時における点検作業者の利便性が向上されている。また、このような隣接配置により、非常用照明装置3全体としての小型化も図ることができる。なお、受光素子614と対向する表示孔503は、リモートコントローラから送信される制御信号に対する受信感度を高めるためにも、図示例のように、第1筐体51の前後方向における中央付近に配置されていることが望ましい。
(3)非常用照明装置の組立手順
次に、非常用照明装置3の組立手順を説明する。ただし、非常用光源ユニット4及び制御装置6の組立作業並びに非常用光源ユニット4を支持部材7に取り付ける作業についての説明は省略する。また、以下に説明する組立手順(A)〜(H)は一例に過ぎず、いくつかの組立作業の順番が入れ替わっても構わない。
(A)第1筐体51への第2ガスケット54の取付
まず、組立作業を行う作業者は、第2ガスケット54を第1筐体51に取り付ける。具体的には、作業者は、第2ガスケット54の4つの嵌合孔542に、第1筐体51の外周壁510の下面に設けられている4つの突起505を1つずつ嵌合させる。
(B)第1筐体51への操作用ガスケット55の取付
作業者は、突壁518の内側に操作用ガスケット55を押し込むようにして第1筐体51に操作用ガスケット55を取り付ける(図13参照)。突壁518の内側において、シール部550に設けられている3つのリブ559が突壁518に押し潰されるようにして変形する。その結果、突壁518の内側が操作用ガスケット55によってシールされるので、外周壁510に設けられている第1操作孔502、第2操作孔504及び表示孔503から第1筐体51内への浸水が抑制される。なお、操作用ガスケット55の第1操作部551の先端(下端)は、第1筐体51の第1操作孔502を通して外周壁510の表面(下面)から突出する(図1及び図3参照)。
(C)第1筐体51への非常用光源ユニット4の取付
作業者は、非常用光源ユニット4のレンズ本体440を第2ガスケット54の開口部540から第1筐体51の窓501に挿入し、かつ、第1筐体51の複数のリブ517を支持部材7の複数の嵌合溝72のうちの対応する嵌合溝72に嵌合させる(図15参照)。そして、作業者は、支持部材7の3つのねじ挿通孔75のそれぞれにねじを挿入し、各ねじを第1筐体51の3つの第1ボス515のねじ穴のうちの対応するねじ穴にねじ込むことにより、支持部材7を第1筐体51にねじ止めする。このとき、第2ガスケット54の周壁541の上面に設けられている2つのリブが、レンズ44の外鍔部441と外周壁510における窓501の周縁部分とに押し潰されるようにして変形する。その結果、第1筐体51の窓501とレンズ44の外鍔部441とが第2ガスケット54によってシールされるので、ホルダ41と第1筐体51の窓501の隙間が塞がれて窓501から第1筐体51内への浸水が抑制される。なお、操作用ガスケット55の第1操作部551、第2操作部552及び透過部553は、支持部材7の挿通孔70に対向している(図15参照)。
(D)第1筐体51への第1ガスケット53の取付
作業者は、第1ガスケット53の枠部530の凹所5300に、第1筐体51の一対の第1内壁513及び一対の第2内壁514のそれぞれの上端部分を圧入する。さらに、作業者は、第1ガスケット53の固定部531のねじ挿通孔5311に第1筐体51の第2ボス516の先端部分を圧入し、かつ、固定部531の各嵌合孔5312に第1筐体51の各突起519を嵌合する。このようにして第1ガスケット53が第1筐体51に取り付けられる(図15参照)。
(E)制御装置への結線
作業者は、常用電源用の一対の電源線80を、第1ガスケット53の2つの電線保持部532のうちの後方の電線保持部532の穴5320に圧入して保持させる(図18及び図19参照)。また、作業者は、非常用電源用の一対の電線81を、第1ガスケット53の2つの電線保持部532のうちの前方の電線保持部532の穴5320に圧入して保持させる(図18参照)。作業者は、一対の電源線80の一端を制御装置6の入力端子台603に結線する。さらに、作業者は、一対の電線81の一端を制御装置6の受け側コネクタ64に電気的に接続する。ここで、制御装置6は、筐体5の長手方向の一方の端(左端)に寄せられて筐体5内に収容されている。そのため、非常用照明装置3は、筐体5と制御装置6との間に、電源線80及び電線81の配線用のスペースを確保することができる(図19参照)。この配線用のスペースにより、非常用照明装置3は、制御装置6への結線作業の作業性の向上を図ることができる。
(F)第2筐体52への制御装置6の組み込み
作業者は、第2筐体52の内側に制御装置6を収容する。このとき、制御装置6は、第2筐体52の複数のリブ5204によって支えられる(図13参照)。
(G)筐体5の組立
作業者は、第1筐体51の第1ボス515の先端(上端)を第2筐体52の固定部523の穴5230に挿入し、かつ、第1筐体51の第2ボス516の先端(上端)を第2筐体52の突部5220の穴5221に挿入する(図13参照)。このとき、第1ガスケット53の2つの電線保持部532は、第2筐体52の固定部523の2つの凹み5231のうちの対応する凹み5231に嵌め込まれる。そして、作業者は、第2筐体52の上面側から固定部531の穴5230にねじを挿入し、そのねじを第1ボス515のねじ穴にねじ込む。さらに、作業者は、第2筐体52の上面側から突部5220の穴5221にねじを挿入し、そのねじを第2ボス516のねじ穴にねじ込む。つまり、第1筐体51と第2筐体52は、2本のねじによってねじ止めされて筐体5を構成する。ここで、第1筐体51の一対の第1内壁513及び一対の第2内壁514と、第2筐体52の一対の第1側壁521、一対の第2側壁522及び固定部523とは、第1ガスケット53の枠部530によってシールされる。また、第1ガスケット53の一対の電線保持部532が有する3本のリブ5321が、第2筐体52の固定部523の凹み5231に押し潰されるように変形することで第2筐体52の一対の凹み5231をシールしている。したがって、第1筐体51と第2筐体52の境界面からの浸水が第1ガスケット53によって抑制される。
(H)固定部材56の筐体5への取付
作業者は、固定部材56の一対の取付片562を第2筐体52の突台部524の上に被せ、各取付片562のねじ挿通孔564に挿通したねじを突台部524の2つのボス5240のうちの対応するボス5240のねじ孔5241にねじ込む。固定部材56は、固定片560を第2筐体52の突台部524に対向させるようにして筐体5に取り付けられる(図2〜図3及び図5〜図6参照)。
以上のような手順で非常用照明装置3の組立が完了する。
ここで、操作用ガスケット55の第1操作部551は、制御装置6の第1伝達部材6214と対向し、操作用ガスケット55の第2操作部552は、制御装置6の第2伝達部材6215と対向している(図1参照)。したがって、上向きに移動する第1操作部551が第1伝達部材6214を上向きに押すことにより、第1押釦スイッチ611の押釦が第1伝達部材6214に押されて第1押釦スイッチ611がオンする。また、上向きに移動する第2操作部552が第2伝達部材6215を上向きに押すことにより、第2押釦スイッチ612の押釦が第2伝達部材6215に押されて第2押釦スイッチ612がオンする。つまり、操作用ガスケット55は、制御装置6の第1伝達部材6214及び第2伝達部材6215を押操作可能としつつ、突壁518の内側をシールしている。さらに、操作用ガスケット55の透過部553は、支持部材7の挿通孔70及び制御装置6のケース62に設けられている2つの窓6216、6217を通して、表示素子613及び受光素子614に対向している(図1参照)。したがって、表示素子613が発する光(緑色光)は、窓6217を通してケース62の外に放射された後、操作用ガスケット55の透過部553を透過して筐体5の外に放射される。また、リモートコントローラから送信される制御信号は、操作用ガスケット55の透過部553を透過した後、ケース62の窓6216を通して受光素子614に到達する。なお、透過部553が操作用ガスケット55のシール部550よりも十分に薄く形成されているので、表示素子613の発する光やリモートコントローラから送信される制御信号が透過部553を透過する際の減衰を抑制することができる。
非常用照明装置3の筐体5は、上述のように第1ガスケット53によって第1筐体51と第2筐体52がシールされることで防水機能を有するように構成されている。さらに、非常用照明装置3は、非常用光源ユニット4から放射される光を取り出すための窓501が第1筐体51に設けられ、その窓501をシールする第2ガスケット54を有している。そのため、非常用照明装置3は、防水機能を有する筐体5から非常用光源ユニット4のLEDモジュール40が放射する光を取り出すための構造を容易に設けることが可能である。
また、支持部材7は、第1筐体51と支持部材7が並ぶ方向(上下方向)に沿った操作用ガスケット55の変位を規制している。つまり、操作用ガスケット55は、支持部材7によって変位が規制されるため、第1筐体51の突壁518からの脱落が防止される。
さらに、第2ガスケット54は、第1筐体51の窓501と非常用光源ユニット4のレンズ44をシールすることで窓501とホルダ41の隙間を塞いでいる。したがって、非常用照明装置3は、窓501とホルダ41の隙間からの浸水を抑制することができる。
ここで、第1ガスケット53の支持部533は、筐体5内において第1筐体51の各第1内壁513と制御装置6のケース62の間に配置されて制御装置6を支持している(図1参照)。したがって、第1ガスケット53の支持部533が制御装置6を支持することにより、筐体5内における制御装置6のがたつきを抑えることができる。
次に、照明器具1の組立手順を説明する。ただし、器具本体10に非常用電源ユニット9を取り付ける作業についての説明は省略する。また、以下に説明する組立手順(I)〜(K)は一例に過ぎず、いくつかの組立作業の順番が入れ替わっても構わない。
(I)器具本体10への非常用照明装置3の取付
作業者は、常用照明装置2を取り付ける前に非常用照明装置3を器具本体10に取り付ける。まず、作業者は、非常用照明装置3の筐体5のうちの第2筐体52を器具本体10内に収容する。続いて、作業者は、天板11に設けられている3つのねじ挿通孔110(図9参照)のそれぞれに、器具本体10の天板11の上面側からねじを挿通し、それぞれのねじを第2筐体52の底壁520に設けられている3つのボス5202のねじ孔5203にねじ込む。つまり、非常用照明装置3は、3本のねじによって器具本体10の天板11にねじ止めされる。
(J)制御装置6の結線
作業者は、第1ガスケット53の前方の電線保持部532に保持されている2本の電線81と、非常用電源ユニット9の電気ケーブルに設けられたコネクタとを結線する(図18参照)。ただし、第1ガスケット53の後方の電線保持部532に保持されている2本の電源線80(図18及び図19参照)は、照明器具1の施工時に常用電源の電源線と電気的に接続される。
(K)器具本体10への常用照明装置2の取付
作業者は、常用照明装置2の上部(2つの取付具24の第2固定部241よりも上側の部分)を器具本体10内に挿入する。そして、作業者は、右側のエンド部材221のカバー部2214の凹部2215にドライバの軸を挿入し、凹部2215の底壁に設けられている孔2216を通して、第2固定部241のねじ挿通孔243に挿通されている取付ねじを締め込む。作業者がドライバを使って取付ねじを締め込めば、取付ねじが、器具本体10の右側の取付片130のねじ孔131にねじ込まれる。その結果、右側の取付具24の第2固定部241が器具本体10の右側の取付片130にねじ止めされる。続いて、作業者は、左側のエンド部材221のカバー部2214の凹部2215にドライバの軸を挿入し、凹部2215の底壁に設けられている孔2216を通して、第2固定部241のねじ挿通孔243に挿通されている取付ねじを締め込む。作業者がドライバを使って取付ねじを締め込めば、取付ねじが、固定部材56の固定孔563に保持されているナットにねじ込まれる。その結果、左側の取付具24の第2固定部241が固定部材56の固定片560にねじ止めされる。最後に、作業者は、カバー部2214の表面に露出している凹部2215の口をテープなどで塞いで目隠しする。このようにして、常用照明装置2が器具本体10に取り付けられることで照明器具の組立が完了する(図7参照)。
(4)変形例
以下に、いくつかの変形例について列記する。以下では上述した実施形態を「基本例」と呼ぶ。以下に説明する変形例も、上述した基本例と適宜組み合わせて適用可能である。
基本例では、第2押釦スイッチ612がオンされた場合に第1の点検動作(自己点検動作)が行われ、第1押釦スイッチ611がオンされた場合に第2の点検動作が行われる。しかし、第2押釦スイッチ612がオンされた場合に第2の点検動作が行われ、第1押釦スイッチ611がオンされた場合に第1の点検動作(自己点検動作)が行われてもよい。
基本例では、第1操作部551の下端は、第1操作孔502よりも第1筐体51の外側に位置していたが、第1操作孔502よりも第1筐体51の内側に位置していてもよい。また、第2操作部552の下端は、第2操作孔504よりも第1筐体51の内側に位置していたが、第2操作孔504よりも第1筐体51の外側に位置していてもよい。
基本例では、窓孔15は、一例として鍵穴形状である。つまり、基本例では、第1操作孔502は丸孔であり、表示孔503は長孔であり、表示孔503の寸法D1は、第1操作孔502の寸法D2よりも小さい。しかし、この限りではなく、例えば、表示孔503の寸法D1は、第1操作孔502の寸法D2と略同じであってもよい。つまり、窓孔15は、全体として一つの長孔であってもよい。
基本例では、第1押釦スイッチ611以外に第2押釦スイッチ612が設けられている。しかし、「(1)概要」の欄で説明したように、第2押釦スイッチ612は、非常用照明装置3の必須の構成要素ではない。つまり、第2押釦スイッチ612は、設けられていなくてもよい。この場合、例えば、第1の点検動作と第2の点検動作のうちいずれか一方のみが第1押釦スイッチ611への押操作により実行されてもよい。また、第1押釦スイッチ611及び第2押釦スイッチ612に加えて、第3押釦スイッチ、第4押釦スイッチ等が更に設けられていてもよい。ただし、この場合においても、第1押釦スイッチ611以外の押釦スイッチに対応する操作孔は、窓孔15と繋がっていない独立した孔であることが望ましい。
基本例では、第2操作孔504の径寸法は、一例として表示孔503の寸法D1と略同じである。しかし、この限りではなく、第2操作孔504の径寸法は、例えば、表示孔503の寸法D1よりも小さくてもよい。
(5)利点
以上説明したように、第1の態様に係る非常用照明装置3は、非常用光源ユニット4と制御装置6と操作部(第1操作部551)と筐体5とを備える。制御装置6は、非常用光源ユニット4を点灯するように構成される。また、制御装置6は、操作入力を受け付けるための押釦スイッチ(第1押釦スイッチ611)及び表示用の光を発する表示素子613を有する。筐体5は、非常用光源ユニット4、制御装置6及び操作部を収容する。操作部は、押釦スイッチを押操作するための部位である。筐体5は、操作部と対向する位置に第1孔(第1操作孔502)を有し、かつ、表示素子613と対向する位置に第2孔(表示孔503)を有する。第1孔と第2孔とは、互いに繋がっていて1つの窓孔15を形成している。
第1の態様によれば、人が指で操作部を押す場合に、第1孔だけでなく第1孔と第2孔の両方にわたって指先を挿入させることが可能になり、より確実に操作部を奥まで押し込むことができる。つまり、操作部を押す場合に、表示素子613から放射された光を筐体5外部に導出させるための第2孔も利用することができる。したがって、第1孔自体の寸法を大きくすることなく、指先が挿入可能な領域を増やすことができる。また、表示素子613から放射された光も、第2孔だけでなく、第1孔にまで及んで導出させることができる。その結果、操作部の大型化を抑えながらも、操作部の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる。
第2の態様に係る非常用照明装置3に関して、第1の態様において、窓孔15の貫通する貫通方向に沿って窓孔15を見たときに、第1孔と第2孔とが並ぶ並び方向に直交する方向において、第2孔の寸法D1は第1孔の寸法D2よりも小さいことが好ましい。第2の態様によれば、窓孔15の周縁と操作部との隙間を抑えることができる。そのため、埃等が上記隙間から入り込むことが抑えられ、また筐体5全体としての見栄えも良くすることができる。
第3の態様に係る非常用照明装置3は、第1又は第2の態様において、窓孔15から筐体5内への浸水を防止するシール部550を、更に備えることが好ましい。第3の態様によれば、湿度の高い空間や雨水が掛かる屋外又は屋側に取り付けることができる非常用照明装置3を提供することができる。つまり、防水機能を有しつつ、操作部の大型化を抑え、操作部の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる。
第4の態様に係る非常用照明装置3に関して、第1又は第2の態様において、制御装置6は、上記押釦スイッチとして、操作入力を受け付けるための第1押釦スイッチ611と、操作入力を受け付けるための第2押釦スイッチ612とを有することが好ましい。また、当該非常用照明装置3は、上記操作部として、第1押釦スイッチ611を押操作するための第1操作部551と、第2押釦スイッチ612を押操作するための第2操作部552とを備えることが好ましい。筐体5は、第2操作部552と対向する位置に、第3孔(第2操作孔504)を更に有することが好ましい。第3孔は、窓孔15と繋がっていない独立した孔であることが好ましい。第4の態様によれば、第1操作部551と第2操作部552とを容易に認識することが可能であるため、利便性が向上される。例えば、制御装置6が、第1押釦スイッチ611への操作入力と第2押釦スイッチ612への操作入力とに応じて互いに異なる動作(例えば点検動作)を実行する場合、意図しない動作に対応した操作部が誤って押操作されるといった状況を減らすことができる。
第5の態様に係る非常用照明装置3に関して、第4の態様において、第1操作部551及び第2操作部552は、第1孔及び第3孔に向かってそれぞれ突出することが好ましい。第1操作部551は、その突出する先端が第1孔よりも筐体5の外側に位置し、第2操作部552は、その突出する先端が第3孔よりも筐体5の内側に位置することが好ましい。第5の態様によれば、第1操作部551と第2操作部552とをより容易に認識することが可能となり、利便性がより向上される。
第6の態様に係る非常用照明装置3は、第4又は第5の態様において、窓孔15及び第3孔から筐体5内への浸水を防止するシール部550を、更に備えることが好ましい。第6の態様によれば、湿度の高い空間や雨水が掛かる屋外又は屋側に取り付けることができる非常用照明装置3を提供することができる。つまり、防水機能を有しつつ、操作部の大型化を抑え、操作部の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる。
第7の態様に係る非常用照明装置3に関して、第1〜第6の態様のいずれか1つにおいて、制御装置6は、電磁波を媒体とした制御信号を受信する受信部(受光素子614)を更に有することが好ましい。受信部は、第2孔と対向することが好ましい。第7の態様によれば、制御装置6は、制御信号の受信に応じて動作(例えば点検動作)を実行することができる。また、表示素子613の光と制御信号の両方が共通の第2孔を通る構造であるため、非常用照明装置3全体としての小型化にも寄与する。
第8の態様に係る照明器具1は、第1〜第7の態様のいずれか1つの非常用照明装置3と、非常用照明装置3を支持する器具本体10とを備える。第8の態様によれば、操作部の大型化を抑えながらも、操作部の操作性と表示素子613の光の視認性の両方を向上することができる非常用照明装置3を備えた照明器具1を提供することができる。
第9の態様に係る照明器具1は、第8の態様において、器具本体10に支持されて常用照明を行う常用照明装置2を更に備えることが好ましい。第9の態様によれば、常用照明と非常用照明を兼用する照明器具を提供することができる。
第10の態様に係る照明器具1は、第8又は第9の態様において、器具本体10に支持されて非常用照明装置3に給電する非常用電源(非常用電源ユニット9)を更に備えることが好ましい。第10の態様によれば、非常用電源設備を有しない建物や施設などに容易に設置可能となる。