以下では、一実施形態の非常用照明器具10について、図1〜図7を参照しながら説明する。
非常用照明器具10は、外部電源(図示せず)から給電されるように構成されている。外部電源は、例えば、商用電源である。また、非常用照明器具10は、天井材90(図2参照)に設置されるように構成されている。具体的に説明すると、非常用照明器具10は、天井材90に予め形成された孔91に、埋め込み配置されるように構成されている。
非常用照明器具10は、器具本体1と、光源3と、非常用電源5と、電源装置6と、端子台12とを備えている。
器具本体1は、例えば、有底筒状に形成されている。器具本体1は、ケース11と、ベース13とを備えている。
ケース11は、例えば、1枚の板材(以下、「第1板材」)により筒状に形成されている。第1板材は、例えば、不燃材料により構成されている。不燃材料としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。ケース11は、例えば、第1板材にロール加工等を施すことによって形成されている。
ベース13は、例えば、円柱状に形成されている。ベース13は、例えば、不燃材料により形成されている。不燃材料としては、例えば、SGCC(溶融亜鉛めっき鋼板)、アルミニウムなどが挙げられる。
光源3は、発光部2と、基板15と、放熱部材16と、保持部材18と、レンズ17とを備えている。光源3は、器具本体1の下端部に配置されている。言い換えれば、光源3は、ベース13に配置されている。なお、器具本体1の下端部とは、器具本体1において、この器具本体1の中心軸A1に沿った下側の端部を意味する。
発光部2は、例えば、白色光を得るように構成されている。発光部2は、複数のLED(図示せず)と、波長変換部19と、封止部20とを備えている。
複数のLEDの各々は、例えば、青色LEDチップである。複数のLEDの接続関係は、例えば、直列接続である。
波長変換部19は、複数のLEDすべてを覆うように構成されている。波長変換部19は、例えば、蛍光体粒子と透光性材料との混合体により構成されている。蛍光体粒子は、例えば、黄色蛍光体粒子である。黄色蛍光体粒子は、LEDから放射された青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する。透光性材料は、例えば、シリコーン樹脂である。なお、蛍光体粒子は、黄色蛍光体粒子に限らず、例えば、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子とを組み合わせた蛍光体粒子であってもよい。また、透光性材料は、シリコーン樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
封止部20は、波長変換部19を覆うように構成されている。また、封止部20は、透光性を有する封止材料により構成されている。封止材料は、例えば、シリコーン樹脂である。なお、封止材料は、シリコーン樹脂に限らず、例えば、エポキシ樹脂であってもよい。
発光部2は、青色LEDチップと黄色蛍光体粒子とで、白色光を得るように構成されているが、この構成に限らない。発光部2は、例えば、紫LEDチップと、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子とで、白色光を得るように構成されていてもよい。また、発光部2は、例えば、近紫外LEDチップと、赤色蛍光体粒子と緑色蛍光体粒子と青色蛍光体粒子とで、白色光を得るように構成されていてもよい。さらに、発光部2は、例えば、赤色LEDチップと緑色LEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて、白色光を得るように構成されていてもよい。
基板15は、例えば、プリント基板である。なお、基板15は、プリント基板に限らず、例えば、セラミック基板であってもよい。
基板15の第1面(図1では、下面)には、複数のLEDが実装されている。すなわち、基板15の第1面には、発光部2が配置されている。また、基板15の第1面には、一対の端子部(図示せず)が設けられている。以下では、説明の便宜上、一対の端子部を、「一対の第1端子部」と称する。実装とは、電気的な接続を意味する。
一対の第1端子部の各々は、基板15に予め形成された導体部(図示せず)の一部により構成されている。また、一対の第1端子部の各々は、発光部2と電気的に接続されている。言い換えれば、一対の第1端子部は、直列接続された複数のLEDと電気的に接続されている。具体的に説明すると、一対の第1端子部のうち一方の第1端子部は、直列接続された複数のLEDにおける一端側の端子(図示せず)と電気的に接続されている。また、一対の第1端子部のうち他方の第1端子部は、直列接続された複数のLEDにおける他端側の端子(図示せず)と電気的に接続されている。
放熱部材16は、発光部2と基板15とで発生する熱を放熱するように構成されている。放熱部材16は、例えば、放熱シートである。放熱シートは、熱伝導性を有する。この放熱シートは、電気絶縁性を有するのが好ましい。放熱部材16は、基板15の第2面(図1では、上面)に配置されている。
保持部材18は、基板15と放熱部材16とレンズ17とを保持するように構成されている。保持部材18は、例えば、一端部に上壁を有する円筒状に形成されている。保持部材18は、例えば、合成樹脂により形成されている。保持部材18の上壁の第1面(図1では、上面)には、基板15と放熱部材16とが配置されている。保持部材18の上壁の第2面(図1では、下面)には、レンズ17が配置されている。保持部材18の上壁には、発光部2を露出させる孔32が形成されている。
レンズ17は、発光部2から放射された白色光を配光制御するように構成されている。レンズ17は、例えば、ガラスにより形成されている。レンズ17は、発光部2を覆うように配置されている。なお、レンズ17は、ガラスにより形成されているが、これに限らず、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂により形成されていてもよい。
なお、複数のLEDの接続関係は、直列接続に限らず、例えば、並列接続であってもよい。また、複数のLEDの接続関係は、例えば、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。LEDの数は、複数であるが、1つであってもよい。
非常用電源5は、本体部21と、複数(例えば、2つ)の蓄電池4と、第1接続部22とを備えている。非常用電源5は、器具本体1内に収納されている。
本体部21は、複数の蓄電池4を収納するように構成されている。本体部21は、例えば、合成樹脂により中空柱状に形成されている。
本体部21の下端部は、器具本体1の下端部に配置されている。また、本体部21の下端部は、器具本体1の下端部において、光源3と隣同士並んで配置されている。本体部21の上端部は、器具本体1内に配置されている。
複数の蓄電池4は、本体部21内に収納されている。複数の蓄電池4は、例えば、本体部21内において、器具本体1の中心軸A1に沿った方向に並べて配置されている。複数の蓄電池4の電気的な接続関係は、例えば、直列接続である。なお、複数の蓄電池4は、本体部21内において、器具本体1の中心軸A1に沿った方向に並べて配置されているが、この配置を特に限定するものではない。
第1接続部22は、非常用電源5と電源装置6とを機械的に接続するように構成されている。第1接続部22は、本体部21の上端部に設けられている。第1接続部22は、例えば、合成樹脂により形成されている。また、第1接続部22は、本体部21と一体に形成されている。
第1接続部22は、一対の第1接続片(図示せず)を備えている。一対の第1接続片の各々は、例えば、金属により形成されている。一対の第1接続片の各々は、直列接続された複数の蓄電池4と電源装置6とを電気的に接続するように構成されている。
一対の第1接続片は、直列接続された複数の蓄電池4と電気的に接続されている。具体的に説明すると、一対の第1接続片のうち一方の第1接続片は、直列接続された複数の蓄電池4における一端側のプラス端子(図示せず)と電気的に接続されている。また、一対の第1接続片のうち他方の第1接続片は、直列接続された複数の蓄電池4における他端側のマイナス端子(図示せず)と電気的に接続されている。なお、以下では、説明の便宜上、直列接続された複数の蓄電池4を、単に「複数の蓄電池4」と称する。
電源装置6は、複数の蓄電池4を充電および放電可能に構成されている。電源装置6は、充電回路および放電回路を構成する複数の電子部品が実装された基板23と、基板23を収納するボックス50とを備えている。電源装置6は、器具本体1内において光源3の上側に配置されている。また、電源装置6は、非常用電源5と対向するように配置されている。
基板23は、例えば、プリント基板である。基板23は、例えば、矩形板状に形成されている。複数の電子部品は、例えば、基板23の実装面(図1では、右面)に配置されている。基板23は、器具本体1内において、基板23の実装面の法線が器具本体1の中心軸A1と交差するように配置されている。この基板23は、器具本体1内において、基板23の実装面の法線が器具本体1の中心軸A1と直交するように配置されていることが好ましい。
ボックス50は、例えば、合成樹脂により中空柱状に形成されている。合成樹脂としては、例えば、PP(polypropylene)などが挙げられる。
充電回路は、複数の蓄電池4を充電するように構成されている。具体的に説明すると、充電回路は、外部電源の交流電圧を所定の直流電圧に変換するように構成されている。また、充電回路は、上記所定の直流電圧を、複数の蓄電池4に供給するように構成されている。これにより、充電回路は、複数の蓄電池4を充電することが可能となる。
放電回路は、複数の蓄電池4を放電するように構成されている。具体的に説明すると、放電回路は、複数の蓄電池4に予め充電された直流電圧を、光源3に供給するように構成されている。これにより、放電回路は、発光部2を発光させることが可能となる。
電源装置6は、外部電源からの給電時に、複数の蓄電池4を充電するように構成されている。電源装置6は、外部電源の停電時に、複数の蓄電池4を放電するように構成されている。また、電源装置6は、外部電源の停電時に、非常用電源5を電源として発光部2を発光させるように構成されている。要するに、電源装置6は、外部電源の停電時に、複数の蓄電池4を電源として光源3を点灯させるように構成されている。これにより、非常用照明器具10は、例えば、外部電源の停電時などの非常時に、光源3を点灯させることが可能となる。
基板23の実装面には、一対の第2端子部(図示せず)が設けられている。一対の第2端子部の各々は、基板23に予め形成された導体部(図示せず)の一部により構成されている。また、一対の第2端子部の各々は、放電回路と電気的に接続されている。一対の第2端子部は、例えば、一対の第1電源線(図示せず)を介して、上記一対の第1端子部と電気的にそれぞれ接続されている。
また、基板23の実装面には、コネクタ9が実装されている。コネクタ9は、例えば、一対の第2電源線(図示せず)を介して、端子台12と電気的に接続されている。
電源装置6は、複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。電源装置6は、点検装置と、操作部36と、ホルダ58(図3および図4参照)と、表示部37と、受信部59とを備えている。なお、図1では、ホルダ58の図示を省略している。また、複数の蓄電池4の充電状態とは、複数の蓄電池4の充電レベルを意味する。
点検装置は、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。点検装置は、例えば、点検回路(図示せず)と、点検スイッチ35と、点灯回路(図示せず)とを備えている。要するに、点検スイッチ35は、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。
点検回路および点灯回路の各々は、基板23に予め設けられている。なお、点検回路および点灯回路の詳細については、後述する。
点検スイッチ35は、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するために、点検回路および点灯回路を動作させるように構成されている。点検スイッチ35は、基板23の実装面に実装されている。なお、点検スイッチ35の詳細については、後述する。
操作部36は、点検スイッチ35を操作するように構成されている。操作部36は、例えば、合成樹脂により形成された操作釦である。なお、操作部36の詳細については、後述する。
ホルダ58は、操作部36を保持するように構成されている。ホルダ58は、例えば、合成樹脂により形成されている。ホルダ58は、基板23の実装面に取り付けられている。なお、ホルダ58の詳細については、後述する。
表示部37は、複数の蓄電池4の充電状態を表示するように構成されている。表示部37は、例えば、LEDである。表示部37は、基板23の実装面に実装されている。
受信部59は、例えば、赤外線あるいは電波を媒体とするリモートコントローラ(以下、「リモコン」)から送信された点検信号を受信可能に構成されている。受信部59は、基板23の実装面に実装されている。
電源装置6は、例えば、2種類の点検機能を有するように構成されている。具体的に説明すると、点検スイッチ35は、第1点検スイッチ61と、第2点検スイッチ62とを備えている。操作部36は、第1操作部41と、第2操作部42とを備えている。上述の点検回路は、第1点検回路(図示せず)と、第2点検回路(図示せず)とを備えている。第1点検回路および第2点検回路の各々は、基板23に予め設けられている。なお、点検機能とは、複数の蓄電池4の充電状態を点検する機能を意味する。
第1点検スイッチ61は、第1点検回路を動作させるように構成されている。第2点検スイッチ62は、第2点検回路を動作させるように構成されている。第1点検スイッチ61の高さは、第2点検スイッチ62の高さよりも高く設定されている(図4参照)。
第1操作部41は、第1点検スイッチ61を操作するように構成されている。第1操作部41は、例えば、合成樹脂により形成された操作釦である。第2操作部42は、第2点検スイッチ62を操作するように構成されている。第2操作部42は、例えば、合成樹脂により形成された操作釦である。
第1点検回路は、例えば、第1操作部41により第1点検スイッチ61が操作されている間だけ、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。
第2点検回路は、例えば、第2操作部42により第2点検スイッチ62が操作された後に予め設定された所定時間(例えば、30分)だけ、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。また、第2点検回路は、例えば、受信部59により点検信号が受信されたとき、外部電源の停電状態を疑似的に発生させ複数の蓄電池4の充電状態を点検するように構成されている。
点灯回路は、例えば、第1点検回路もしくは第2点検回路の点検結果に基づいて、表示部37を点灯および消灯可能に構成されている。一例を挙げて説明すると、点灯回路は、複数の蓄電池4に充電された電圧が規定電圧以上のとき、表示部37を点灯状態にする。また、点灯回路は、複数の蓄電池4に充電された電圧が規定電圧未満のとき、表示部37を消灯状態にする。
ところで、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62の各々は、基板23の実装面に実装されている。また、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62の各々は、基板23の実装面において、器具本体1の中心軸A1に沿った方向に並び、かつ、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62の操作方向を合わせるように実装されている。第1点検スイッチ61は、例えば、基板23の実装面において、器具本体1の上端部側に実装されている。第2点検スイッチ62は、例えば、基板23の実装面において、器具本体1の下端部側に実装されている。つまり、第2点検スイッチ62は、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62を操作する側から見て手前側(図1では、下側)に配置されている。なお、非常用照明器具10では、第2点検スイッチ62が、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62を操作する側から見て手前側に配置されているが、これに限らない。非常用照明器具10では、第1点検スイッチ61が、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62を操作する側から見て手前側に配置されていてもよい。この場合、第2点検スイッチ62の高さは、第1点検スイッチ61の高さよりも高く設定される。
第1操作部41および第2操作部42の各々は、図1に示すように、第2点検スイッチ62の周囲を囲むように構成され、かつ、器具本体1の中心軸A1に沿って各別に変位するようにホルダ58に保持されている。
第1操作部41は、例えば、図5に示すように、第2点検スイッチ62の周囲を囲む第1部材63と、この第1操作部41を器具本体1の中心軸A1に沿って変位させる第2部材64とを備えている。第1操作部41は、例えば、合成樹脂により形成されている。
第1部材63は、C字状に構成されている。第1部材63は、2つの脚片65a,65bと、2つの脚片65a,65bそれぞれの一端部に連結された連結片66とを備えている。
第2部材64は、細長い棒状(例えば、丸棒状)に構成されている。第2部材64は、第1部材63と一体に形成されている。具体的に説明すると、第2部材64の一端部は、2つの脚片65a,65bのうちの1つの脚片65aと連結されている。残りの1つの脚片65bは、第1点検スイッチ61を操作可能な位置に配置されている。
第2操作部42は、例えば、第2点検スイッチ62の周囲を囲む第3部材67と、この第2操作部42を器具本体1の中心軸A1に沿って変位させる第4部材68とを備えている。第2操作部42は、例えば、合成樹脂により形成されている。
第3部材67は、C字状に構成されている。第3部材67は、2つの脚片69a,69bと、2つの脚片69a,69bそれぞれの一端部に連結された連結片70とを備えている。
第4部材68は、細長い棒状(例えば、丸棒状)に構成されている。第4部材68は、第3部材67と一体に形成されている。具体的に説明すると、第4部材68の一端部は、2つの脚片69a,69bのうちの1つの脚片69aと連結されている。脚片69aは、第2点検スイッチ62を操作可能な位置に配置されている。
ホルダ58は、第1操作部41および第2操作部42の各々が器具本体1の中心軸A1に沿って各別に変位するように第1操作部41および第2操作部42を保持する。
ホルダ58には、図6に示すように、第1操作部41が器具本体1の中心軸A1に沿って変位するように形成された第1溝71が設けられている。また、ホルダ58には、第2操作部42が器具本体1の中心軸A1に沿って変位するように形成された第2溝72が設けられている。
第1溝71および第2溝72の各々は、例えば、基板23の実装面の法線方向に並んで形成されている。第2溝72は、例えば、第1溝71よりも基板23側に配置されている。
第1溝71には、第1操作部41の第1部材63の脚片65aを保持する第1保持部73が設けられている。第2溝72には、第2操作部42の第3部材67の脚片69aを保持する第2保持部74が設けられている。
また、第1溝71には、第1操作部41が、基板23の実装面の法線方向と器具本体1の中心軸A1に沿った方向とが直交する方向(図6の紙面において前後方向)に変位するのを規制する第1規制部75が設けられている。第2溝72には、第2操作部42が、基板23の実装面の法線方向と器具本体1の中心軸A1に沿った方向とが直交する方向に変位するのを規制する第2規制部76が設けられている。これにより、非常用照明器具10では、第1操作部41および第2操作部42の各々が、ホルダ58から抜け落ちるのを、より抑制することが可能となる。
さらに、第1溝71には、第1操作部41の変位量を規制する第3規制部77が設けられている。第2溝72には、第2操作部42の変位量を規制する第4規制部78が設けられている。すなわち、ホルダ58には、第1操作部41および第2操作部42の変位量を規制するストッパ79が設けられている。
第1操作部41および第2操作部42の各々は、ホルダ58と接触する部位がホルダ58に向かって凸となる曲面に形成されている。具体的に説明すると、第1操作部41の第1部材63の連結片66においてホルダ58の第1溝71と接触する部位80(図5参照)は、ホルダ58に向かって凸となる曲面に形成されている。第2操作部42の第3部材67の連結片70においてホルダ58の第2溝72と接触する部位81(図5参照)は、ホルダ58に向かって凸となる曲面に形成されている。
電源装置6におけるボックス50には、第1操作部41および第2操作部42を通す第1孔(図示せず)が設けられている。また、ボックス50には、表示部37から出射された光および受信部59への点検信号を通す第2孔(図示せず)が設けられている。
端子台12は、図1に示すように、器具本体1の上端部に配置されている。端子台12は、上記一対の第2電源線を電気的および機械的に接続するように構成されている。また、端子台12は、一対の第3電源線(図示せず)を電気的および機械的に接続するように構成されている。一対の第3電源線は、外部電源と電気的に接続されている。また、一対の第3電源線は、例えば、天井材90の上面に予め配線されている。なお、器具本体1の上端部とは、器具本体1において、この器具本体1の中心軸A1に沿った上側の端部を意味する。
ベース13の下端部には、凹部24が形成されている。凹部24は、光源3を配置するように構成されている。凹部24の上壁49には、第3孔25(図7参照)が形成されている。第3孔25は、例えば、上記一対の第1電源線それぞれを通すように形成されている。
ベース13には、第4孔26が形成されている。第4孔26は、非常用電源5をベース13の下端部からベース13の上端部へ通すように形成されている。すなわち、第4孔26は、非常用電源5をベース13から器具本体1内に収納するように形成されている。
また、ベース13の凹部24の上壁49には、第5孔38と、第6孔39と、第7孔40とが形成されている。第5孔38は、第1操作部41および第2操作部42を通すように形成されている。第6孔39は、表示部37から出射された光が通過するように形成されている。第7孔40は、リモコンから送信された点検信号を器具本体1内の受信部59へ通すように形成されている。
ベース13の外周壁における下側の部位には、側方へ向かって突出する鍔部27が全周に亘って設けられている。鍔部27の外周形状は、例えば、円形状である。なお、鍔部27の外周形状は、円形状であるが、この形状を特に限定するものではない。
また、ベース13は、ケース11に着脱可能に構成されている。具体的に説明すると、ベース13の外周壁には、第1引掛部28が複数箇所(例えば、4箇所)に設けられている。
4つの第1引掛部28は、ベース13の外周壁に、このベース13の周方向に沿って等間隔で配置されている。なお、図7では、4つの第1引掛部28のうち2つの第1引掛部28が見えている。また、図1および図2では、4つの第1引掛部28のうち1つの第1引掛部28が見えている。
ケース11の周壁8における下側の部位には、4つの第8孔30が形成されている。なお、図1および図2では、4つの第8孔30のうち1つの第8孔30が見えている。
4つの第8孔30は、4つの第1引掛部28をそれぞれ引掛けるように形成されている。これにより、非常用照明器具10では、ベース13をケース11に取り付けることが可能となる。
また、非常用照明器具10は、カバー14と、複数(例えば、2つ)の固定部材7,7とを備えている。
カバー14は、ベース13の下端部を覆うように構成されている。カバー14は、本体部31と、第2引掛部43(図7参照)とを備えている。カバー14は、例えば、合成樹脂により形成されている。合成樹脂としては、例えば、PC(polycarbonate)などが挙げられる。
本体部31は、例えば、円板状に形成されている。なお、本体部31の外周形状は、円形状であるが、この形状を特に限定するものではない。
本体部31には、第9孔33が形成されている。第9孔33は、光源3のレンズ17の光出射面34を露出させるように形成されている。
また、本体部31には、第10孔44と、第11孔45とが形成されている。
第10孔44は、第1操作部41の操作面(図2では、下面)と、第2操作部42の操作面(図2では、下面)とが露出するように形成されている。
ところで、光源3の保持部材18は、第1操作部41の第2部材64と、第2操作部42の第4部材68とを各別に通す挿通部材60を備えている。非常用照明器具10では、ホルダ58において、第3規制部77と第1保持部73との間の第1距離が、第4規制部78と第2保持部74との間の第2距離よりも長く設定されている。これにより、非常用照明器具10では、第1操作部41の操作面と第2操作部42の操作面とを突出させる量が異なる(図2参照)。よって、非常用照明器具10では、第1操作部41および第2操作部42が間違って操作されるのを抑制することが可能となる。
第11孔45は、表示部37から第6孔39を通って出射された光が通過するように形成されている。また、第11孔45は、リモコンから送信された点検信号を器具本体1内の受信部59へ通すように形成されている。
第2引掛部43は、例えば、C字状に構成されている。第2引掛部43は、2つの脚片53,53と、2つの脚片53,53それぞれの一端部に連結された連結片54とを備えている。第2引掛部43は、本体部31の第1面(図7では、上面)に取り付けられている。
2つの脚片53,53それぞれの他端部には、自身をベース13に引掛けるための引掛爪46が設けられている。
ベース13の第4孔26の内周壁47には、2つの第1突出部48,48(図7参照)が形成されている。なお、図7では、2つの第1突出部48,48のうち1つの第1突出部48が見えている。また、図1では、2つの第1突出部48,48の図示を省略している。
2つの第1突出部48,48は、2つの引掛爪46,46をそれぞれ引掛けるように形成されている。これにより、非常用照明器具10では、カバー14をベース13に取り付けることが可能となる。
2つの固定部材7,7の各々は、ベース13に取り付けられるように構成されている。ベース13の外周壁には、固定部材7を取り付ける取付部29(図2参照)が設けられている。
また、2つの固定部材7,7の各々は、器具本体1を天井材90に固定するように構成されている。具体的に説明すると、2つの固定部材7,7の各々は、ベース13の鍔部27とで天井材90を挟持するように構成されている。
2つの固定部材7,7の各々は、例えば、第2板材により形成されている。第2板材は、例えば、不燃材料により構成されている。不燃材料としては、例えば、SUS(ステンレス鋼)、アルミニウムなどが挙げられる。
また、2つの固定部材7,7の各々は、ばね性を有するように構成されている。すなわち、2つの固定部材7,7の各々は、板ばねである。
電源装置6のボックス50には、端子台12を支持する支持部材(図示せず)と、第2接続部52(図1参照)とが設けられている。
支持部材は、例えば、合成樹脂により形成されている。支持部材は、ボックス50と一体に形成されている。
第2接続部52は、第1接続部22を着脱自在に接続するように構成されている。具体的に説明すると、第2接続部52には、第1接続部22を挿抜可能な開口部(図示せず)が設けられている。すなわち、第2接続部52は、非常用電源5と電源装置6とを機械的に接続するように構成されている。第2接続部52は、例えば、合成樹脂により形成されている。また、第2接続部52は、ボックス50と一体に形成されている。
第2接続部52は、一対の第2接続片(図示せず)を備えている。一対の第2接続片の各々は、例えば、金属により形成されている。一対の第2接続片の各々は、非常用電源5と基板23とを電気的に接続するように構成されている。要するに、第2接続部52は、非常用電源5と電源装置6とを電気的に接続するようにも構成されている。
一対の第2接続片は、例えば、一対の第4電源線(図示せず)を介して、基板23と電気的に接続されている。また、一対の第2接続片は、一対の第4電源線を介して、充電回路および放電回路の両方と電気的に接続されている。
一対の第2接続片は、上述の一対の第1接続片を着脱自在に接続するように構成されている。なお、非常用照明器具10では、一対の第2接続片が、一対の第1接続片を着脱自在に接続するように構成されているが、この構成に限らない。一対の第1接続片は、一対の第2接続片を着脱自在に接続するように構成されていてもよい。
非常用照明器具10は、非常時に光源3を点灯させる、いわゆる、専用形の非常用照明器具であるが、これに限らない。非常用照明器具10は、例えば、通常時および非常時に光源3を点灯させる、いわゆる、併用形の非常用照明器具であってもよい。なお、通常時とは、非常時以外のときを意味する。
複数の蓄電池4の電気的な接続関係は、直列接続であるが、この接続に限らない。複数の蓄電池4の電気的な接続関係は、例えば、並列接続であってもよい。また、複数の蓄電池4の電気的な接続関係は、例えば、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。蓄電池4の数は、複数であるが、1つであってもよい。
以上説明した非常用照明器具10は、筒状に形成された器具本体1と、光源3と、蓄電池4と、蓄電池4を充電および放電可能な電源装置6とを備えている。電源装置6は、外部電源の停電時に、蓄電池4を電源として光源3を点灯させるように構成されている。電源装置6は、充電回路および放電回路を構成する複数の電子部品が実装された基板23と、前記外部電源の停電状態を疑似的に発生させ蓄電池4の充電状態を点検する点検スイッチ35と、点検スイッチ35を操作する操作部36とを備えている。基板23は、器具本体1内において、基板23の実装面の法線が器具本体1の中心軸A1と交差するように配置されている。点検スイッチ35は、第1点検スイッチ61と、第2点検スイッチ62とを備えている。第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62の各々は、基板23の実装面において、器具本体1の中心軸A1に沿った方向に並び、かつ、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62の操作方向を合わせるように実装されている。操作部36は、第1点検スイッチ61を操作する第1操作部41と、第2点検スイッチ62を操作する第2操作部42とを備えている。第1操作部41および第2操作部42の各々は、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62を操作する側から見て手前側に配置された第1点検スイッチ61もしくは第2点検スイッチ62の周囲を囲むように構成され、かつ、器具本体1の中心軸A1に沿って各別に変位するように構成されている。これにより、非常用照明器具10では、点検機能を追加するとき、基板23の平面サイズが大きくなるのを抑制することが可能となる。よって、非常用照明器具10では、従来例の非常用照明器具に比べて、点検機能を追加するとき、器具本体1が大型化するのを抑制することが可能となる。すなわち、非常用照明器具10では、点検機能を追加しながらも、器具本体1の大型化を抑制することが可能となる。
基板23の実装面には、上述の様に、ホルダ58が実装されていることが好ましい。ホルダ58は、上述の様に、第1操作部41および第2操作部42の各々が器具本体1の中心軸A1に沿って各別に変位するように第1操作部41および第2操作部42を保持することが好ましい。これにより、非常用照明器具10では、第1操作部41および第2操作部42の各々が、ホルダ58から抜け落ちるのを抑制することが可能となる。
ホルダ58には、上述の様に、第1操作部41および第2操作部42の変位量を規制するストッパ79が設けられていることが好ましい。これにより、非常用照明器具10では、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62に過度なストレスが加わるのを抑制することが可能となる。よって、非常用照明器具10では、例えば、第1点検スイッチ61および第2点検スイッチ62と基板23との電気的な接続部材(例えば、はんだ)にクラックが発生するのを抑制することが可能となる。
第1操作部41および第2操作部42の各々は、上述の様に、ホルダ58と接触する部位が、ホルダ58に向かって凸となる曲面に形成されていることが好ましい。これにより、非常用照明器具10では、操作部36とホルダ58との摩擦を低減することが可能となる。