以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
以下の実施の形態の図面においては、Y軸方向は、例えば上下方向(鉛直方向)であり、Y軸正方向側は、上側または天井側と記載される場合がある。また、Y軸負方向側は、下側または光出射側と記載される場合がある。また、X軸方向及びZ軸方向は、Y軸に垂直な平面(水平面)上において、互いに直交する方向である。また、以下の実施の形態において、平面視とは、Y軸方向から見ることを意味する。
(実施の形態)
まず、実施の形態に係る照明装置の構成について詳細に説明する。図1は、実施の形態に係る照明装置の下方から見た外観斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明装置の下方から見た分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明装置が備える取付け板に取り付けられる構成要素を取付け板から取り外した図である。図4は、実施の形態に係る照明装置の断面図である。図5は、取付け板が本体に取付けられる際の、取付け板の動きを示す図である。
図1〜図4に示されるように、照明装置10は、本体20と、第一発光部30と、取付け板40と、透光カバー50と、蓄電池60と、制御ユニット70と、端子台80と、を備える。
照明装置10は、例えば、マンションの共用部などの半屋外空間で使用される、防災用(非常用)の照明装置である。照明装置10は、具体的には、シーリングライトとして天井やブラケットライトとして壁面などの施工面に取り付けられる。本実施の形態においては、照明装置10の平面視形状は、円形である。
本体20は、天井又は壁面などの構造物の施工面に取り付けられる部材であり、言い換えれば、取付台である。本体20は、例えば、アルミダイカスト等によって形成されるが、その他の金属、又は樹脂によって形成されてもよい。本体20は、平面視形状が円形の平板状のベース部21と、ベース部21の周縁近傍の下側に立設した側壁部22とを含む。
ベース部21は、本体20を構造物に取り付けるための取付構造(開口)が設けられている。ベース部21は、平板状であり、後述する蓄電池60等の照明装置10の構成部材が載置される面とは反対側の面が、構造物の施工面に取り付けられる。なお、構造物の施工面と、上述した蓄電池60等の照明装置10の構成部材が載置される面とは、略平行となる。また、以下の実施の形態では、本体20(照明装置10)は、天井に取り付けられるものとして説明が行われる。ベース部21には、脚部23が2つ取り付けられる。
脚部23は、ベース部21の周縁近傍に配置され、一方の端部(下側の端部)は取付け板40が有する接続部41に接続され、他方の端部(上側の端部)は構造物の施工面に対して垂直な方向に立設された状態で接続される。言い換えれば、脚部23は、取付け板40を本体20に取り付けるための部材である。2つの脚部23は、ベース部21の周縁近傍に対向して配置される。このように、取付け板40が脚部23によってベース部21に接続される構造とすることで、第一発光部30が発する熱は、取付け板40、脚部23、ベース部21の順に伝わる。したがって、第一発光部30がベース部21に直接載置される構造よりも、第一発光部30が発する熱がベース部21に伝わりにくい効果が得られる。脚部23は、コの字状(U字状、ブラケット状)に折り曲げられた板材である。脚部23は、板ばね24と、支持板25とを備える。
板ばね24は、取付け板40を着脱可能に保持する、変形した際に元の形状に戻ろうとする復元力(ばね復元力)を有した弾性体である。具体的には、板ばね24に形成された凸状の突起である係合部24aが取付け板40の接続部41に形成された開口(貫通孔)である被係合部41aに係合することにより、取付け板40は板ばね24に保持される。板ばね24は、例えば、ステンレス鋼材等の金属材料によって形成される。
支持板25は、板ばね24を支持する板材であり、板ばね24よりも剛性が高い金属材料で形成される。例えば、支持板25は、板ばね24よりも弾性率が高い金属材料で形成されることにより、高い剛性を有する。一具体例としては、支持板25は、亜鉛めっきされた鋼板によって形成される。なお、支持板25は、板ばね24よりも剛性が高ければよく、板ばね24と同一の材料を用いてもよい。その場合、板ばね24及び/又は支持板25の、形状、サイズなどを適宜調整すればよい。
また、支持板25の一方の端部は、照明装置10の内方に向かって直角に折れ曲がっている。支持板25の一方の端部が折れ曲がることにより略水平になった部分である規制部25bには、取付け板40が載置される。つまり、規制部25bは、照明装置10の脚部23(具体的には支持板25)の一方の端部が折れ曲がって形成された部分である。脚部23が規制部25bを有することにより、作業者は、脚部23に取付け板40を取り付ける際に、取付け板40を設置する位置を認識しやすい。また、照明装置10が構造物の壁又は天井に取り付けられた際にも、規制部25bによって取付け板40の動きが規制される。具体的には、規制部25bによって、取付け板40の、構造物の施工面に対して垂直な方向で、且つ取付け板40が本体20から遠ざかる方向の動きが規制される。そのため、取付け板40が本体20に取り付けられている状態においては、取付け板40は、規制部25bに支持される。本実施の形態においては、取付け板40が本体20に取り付けられている状態において、取付け板40は、規制部25bに載置されている。規制部25bに載置された取付け板40は、板ばね24によって本体20に保持される。また、支持板25の他方の端部は、照明装置10の内方に向かって直角に折れ曲がっており、ベース部21にネジ止めされる。
なお、支持板25は、本体20とは別体であるが、本体20と一体形成されてもよい。この場合、支持板25は、本体20の一部としてアルミダイカストによって形成される。
本体20のベース部21には、蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80が載置される。
蓄電池60は、第一発光部30に電力を供給する電源である。蓄電池60は、例えば、外部からの交流電力の供給が停止されたときに、非常用の電源として使用される。蓄電池60は、例えば、ニッケル水素電池である。蓄電池60は、充電及び放電が可能な電池であればよく、リチウムイオン電池又は鉛蓄電池等であってもよい。蓄電池60は、蓄電池カバー61によって下方から覆われる。蓄電池カバー61は、例えば、アルミダイカストによって形成されるが、樹脂によって形成されてもよい。
制御ユニット70は、照明装置10の外部から供給される交流電力を直流電力に変換して第一発光部30に供給する電源回路を備える電源回路ユニットである。制御ユニット70の詳細については、後述する。
端子台80は、外部交流電源と制御ユニット70とを電気的に接続させるために電線が差し込まれる1又は複数の端子が配設された端子ユニットである。交流電力は、端子台80に差し込まれた電線を介して外部交流電源から制御ユニット70へ供給される。
第一発光部30は、照明光を出射する照明装置10の照明用光源として機能する。第一発光部30は、具体的には、基板上に実装されたLEDチップが、蛍光体を含有する透光性樹脂によって封止されたCOB(Chip On Board)型の発光モジュール31を備える。第一発光部30は、円形の発光領域を有する。本実施の形態においては、第一発光部30は、さらに、配光を制御するためのレンズ33、及び、第一発光部30を取付け板40にネジ止めするためのホルダ32を備える。第一発光部30は、例えば、白色光を主とした照明光を下方に向けて発する。つまり、第一発光部30は、白色光を透光カバー50に向けて発する。
また、第一発光部30は、透光カバー50が備える光透過部材51と取付け板40との間に配置される。また、平面視した場合に、第一発光部30は取付け板40下面の略中央に位置する載置面42aに配置される。第一発光部30は、取付け板40の載置面42aに載置され、載置面42aにねじ止めされる。なお、図示されないが、第一発光部30は、蓄電池60及び制御ユニット70とリード線などによって電気的に接続される。
ところで、上述したように照明装置が備える光源の交換等のために、壁、天井等の構造物に固定される照明装置の本体と、照明装置が備える照明装置の構成部材とが着脱可能に取り付けられる場合がある。実施の形態に係る照明装置10においては、照明装置10は蓄電池60を備える。蓄電池が内蔵された例えば防災用(非常用)の照明装置は、定期的に蓄電池の状態を確認する必要がある。この際に、蓄電池が、蓄電池に要求される能力を満たしていないことが確認された場合、蓄電池は交換される必要がある。そのために、照明装置10においては、本体20に取り付けられている蓄電池60を交換しやすくするために、取付け板40及び透光カバー50は本体20と着脱可能に取り付けられている。
取付け板40は、第一発光部30を保持し、本体20に着脱可能に保持される取付け部材である。具体的には、取付け板40は、施工面に対して平行な方向にスライド挿入されることにより、脚部23の一方の端部に着脱可能に取り付けられる。また、取付け板40は、ベース部21に載置された蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80を覆うように本体20に取り付けられる。言い換えると、蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80は、取付け板40に覆われて本体20に載置される。また、取付け板40は、第一発光部30の光軸方向(Y軸方向)において、本体20(具体的にはベース部21)と透光カバー50(具体的には透光カバー50が備える光透過部材51)との間に配置される。図4に示されるように、取付け板40とベース部21との間、及び、取付け板40と光透過部材51との間のそれぞれには、空隙(空気層)が配置される。つまり、取付け板40は、本体20及び光透過部材51のいずれの部材とも直接接触しない。このように、第一発光部30が取付け板40の載置面42aに載置される構造によれば、第一発光部30がベース部21に載置される構造よりも、第一発光部30が発する熱がベース部21に伝わりにくい効果が得られる。
また、取付け板40は、上方(ベース部21側)に向かうほど縮径する略漏斗状である。言い換えると、取付け板40は、第一発光部30から離れるにつれて開口面積が広がる漏斗形状である。取付け板40は、例えば、アルミニウムによって形成されるが、その他の金属又は樹脂によって形成されてもよい。
図3に示されるように、取付け板40は、取付け板40の主面42(取付け板40下面側)には、載置面42a及び反射面42bが含まれる。
載置面42aは、取付け板40の略中心部に位置し、第一発光部30が載置される主面42の一部の平面である。載置面42aの平面視形状は、特に限定されるものではないが、本実施の形態においては円形である。第一発光部30は、載置面42aに載置されることにより、光透過部材51と取付け板40との間に位置する。
なお、第一発光部30と載置面42aとの間には、放熱シートなどの放熱部材が配置されてもよい。
また、取付け板40のうち載置面42aの反対側の面、つまり、載置面42aと背向する面には、ヒートシンクが配置されてもよい。ヒートシンクによれば、第一発光部30が発光中に発する熱を当該ヒートシンクに逃がすことができる。ヒートシンクは、例えば、アルミダイカストによって形成されるが、その他の金属によって形成されてもよい。
また、主面42には、第一発光部30が発する光を反射する反射面42bが含まれるとよい。本実施の形態においては、取付け板40は、第一発光部30が出射する光を反射する反射板である。反射面42bは、載置面42aの周囲を囲むように載置面42aと連続的に形成された面であり、第一発光部30が発する光の一部を光透過部材51に向けて反射する。反射面42bは、径方向において一部が湾曲したテーパ面である。
取付け板40の周縁部44には、一対の接続部41が対向して配置される。接続部41は、脚部23の端部に対応して本体20に向かって直角に折れ曲がっている。このように、接続部41が、脚部23の端部に対応して折れ曲がっていることにより、取付け板40の取り付け位置が脚部23の端部であることを照明装置10の設置作業者に認識させることができる。なお、取付け板40の周縁部44に配置される接続部41の数は特に限定されるものではない。接続部41には、被係合部41aが形成される。
被係合部41aは、板ばね24に形成された係合部24aが係合する孔である。なお、被係合部41aは、係合部24aが係合すればよく、貫通孔ではなく、凹形状が形成されてもよい。また、被係合部41aと係合部24aとが係合すればよく、接続部41に突起した形状の凸部が形成され、板ばね24に板ばね24を貫通する孔が形成されてもよい。
なお、取付け板40には、取付け板40が脚部23に取り付けられる際に、係合部24aと被係合部41aとが適切に係合されるために取付け板40の動きを制限する構造である係止部が設けられてもよい。具体的には、係止部は、脚部23に取付け板40が取り付けられる方向とは反対側(X軸負方向側)の接続部の端部が、脚部23側(照明装置10の外方)に折れ曲がって形成される。こうすることで、取付け板40が脚部23に取り付けられる際に、係止部が脚部23に引っかかるため、取付け板40は係合部24aと被係合部41aとが係合する適切な位置で取付け板40の動きは規制される。
図4に示されるように、取付け板40は、脚部23の他方の端部に形成された規制部25bに、取付け板40が折れ曲がって形成された角部が沿うように、脚部23に形成された規制部25bの上方から載置される。載置された取付け板40は、接続部41に形成された取付け板40を貫通する被係合部41aに、脚部23が有する板ばね24の一部が突出して形成された係合部24aが係合することによって保持される。
透光カバー50は、照明装置10の外郭筐体の一部を構成する、本体20と着脱可能なカバー部材である。透光カバー50は、光透過部材51と、筒体52とを備える。
光透過部材51は、下方に向かって突出した略円形ドーム状の光学部材(グローブ)である。光透過部材51は、例えば、白色又は乳白色であり、光拡散性(光散乱性)及び透光性を有する。
光透過部材51は、筒体52の下側の開口を塞ぐように筒体52に取り付けられる。光透過部材51は、具体的には、外側に向かって鍔状にせり出した光透過部材51の縁が、カバー保持具(不図示)の下面と筒体52の鍔状にせり出した部分の上面との間に挟み込まれることによって、筒体52に取り付けられる。
光透過部材51は、例えば、ガラスによって形成されるが、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、又は、ポリカーボネート樹脂によって形成されてもよい。また、光透過部材51は、表面にシルク印刷が行われることによって光拡散性を有してもよい。また、光透過部材51は、シリカ又は炭酸カルシウムなどの光拡散材(微粒子)を含有することにより光拡散性を有してもよい。また、光透過部材51の表面(内面又は外面)に光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜を形成することで、光透過部材51は光拡散性を有してもよい。また、光拡散材を用いるのではなくシボ加工処理等によって光透過部材51の表面に微小凹凸を形成したり、光透過部材51の表面にドットパターンを印刷したりすることで、光透過部材51は光拡散性を有してもよい。また、上述した光拡散性を持たせる材料、形状等を組み合わせることで、光透過部材51は光拡散性を有してもよい。
筒体52は、第一発光部30及び取付け板40などを側方から囲む筒状筐体である。筒体52は、円筒状である。筒体52は、本体20及び光透過部材51とともに、照明装置10の外郭筐体を構成する。筒体52は、外郭筐体の側壁部分に相当する。なお、図4に示されるように、筒体52は、脚部23には接触しない。筒体52と脚部23との間には空隙(空気層)が配置される。
筒体52は、上側の開口に本体20が配置された状態で回動されることにより、本体20に接続される。筒体52は、例えば、アルミダイカストによって形成されるが、その他の金属、又は、樹脂によって形成されてもよい。
また、本体20に透光カバー50が取り付けられた場合に、照明装置10は、第一発光部30が出射する光の光軸方向の長さに対して、当該光軸方向に対して垂直な方向の長さの方が大きい扁平形状である。なお、本実施の形態においては、照明装置10は、平面視において円形であるが、楕円形状又は多角形などでもよく、平面視形状は限定されない。照明装置10の平面視形状が円形ではない場合は、照明装置10は、第一発光部30が出射する光の光軸に平行な方向の長さに対して、照明装置10における最も長い垂直な方向の長さの方が大きい扁平形状であればよい。
なお、照明装置10が防災用の照明装置として採用される場合、照明装置10の外郭筐体を構成する本体20及び透光カバー50は、不燃性又は難燃性の材料で形成されるとよい。具体的には、上述したように、本体20及び筒体52はアルミダイカストによって形成され、光透過部材51はガラスによって形成されるとよい。こうすることにより、火災が発生した際などに、照明装置10が延焼によって発火することが抑制される。
図5に示されるように、取付け板40は、本体20の側方から取付け板40がスライド挿入されることで、本体20(具体的には脚部23)に取り付けられる。具体的には、取付け板40が本体20へスライド挿入される方向(取り付けられる方向)は、構造物の施工面に対して平行な方向である。本実施の形態においては、構造物の施工面はXZ平面である。図5においては、取付け板40はX軸正方向側へスライドされることで、脚部23に取付けられる。
なお、ベース部21に載置される蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80は、取付け板40が本体20にスライド挿入される際に取付け板40と接触しない位置に載置されるとよい。具体的には、上述したように取付け板40は略漏斗状であるため、載置面42aの上部ではなく、反射面42b又は取付け板40の周縁部44の上部に蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80が載置されるとよい。また、蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80は、取付け板40がスライド挿入される側である本体20のX軸負方向側ではなく、その反対側である本体20のX軸正方向側に配置されるとよい。こうすることで、取付け板40は、蓄電池60、制御ユニット70及び端子台80に接触することなく、脚部23に取付けられる。つまり、照明装置10は小型化される。
また、図5に示されるように、取付け板40は一対の接続部41を有する。また、本体20には、一対の脚部23が立設される。ここで、一対の接続部41と一対の脚部23とはそれぞれが対応した位置に配置される。具体的には、脚部23に取付け板40がスライド挿入される際には、図5の一点鎖線の矢印の方向に取付け板40はスライドされ、一方の接続部41が一方の脚部23に配置され、他方の接続部41が他方の脚部23に配置される。
次に、図6〜図9を用いて制御ユニット70の詳細について説明する。
図6は、実施の形態に係る照明装置10が備える透光カバー50を取り外したときの内部下面図である。図7は、実施の形態に係る照明装置10の透光カバー50及び取付け板40を取り外したときの内部下面図である。図8は、図6のVIII―VIII線に沿って切断された照明装置10の断面図である。図9は、図8の破線IXに囲まれた領域を示す部分拡大図である。なお、図8は、図6とは異なり、照明装置10が透光カバー50を備えた状態における、図6のVIII―VIII線に対応した位置に沿って切断された断面図である。
制御ユニット70は、照明装置10が備える光源などを制御する制御機構である。制御ユニット70は、例えば、ベース部21の下面に載置された状態でベース部21にネジ止めされる。図6〜図9に示されるように、制御ユニット70は、第二発光部71と、光学部72と、点検スイッチ73と、制御部74とを備える。
第二発光部71は、蓄電池60の状態に応じて点灯状態が切り替わる光源である。具体的には、第二発光部71は、点灯(連続点灯)又は点滅することにより蓄電池60が正常に機能しているかどうかを照明装置10の操作者へ提示するモニタランプである。第二発光部71は、例えば砲弾型LEDにより構成される。また、上述したように、照明装置10は、第二発光部71とは別に、照明装置10の照明用光源として機能する第一発光部30を備える。第一発光部30が点灯中においても、第二発光部71が光を発しているかどうかを確認しやすくするために、第一発光部30及び第二発光部71が発する光の色は異なるとよい。例えば、第一発光部30は白色光を発し、第二発光部71は緑色光を発してもよい。第二発光部71は、取付け板40の周縁近傍(周縁部44)に形成された貫通孔である開口部43が形成された位置に対応して取付け板40の主面42と反対側に配置される。
図8に示されるように、取付け板40の周縁部44は、テーパ面である反射面42bが形成される取付け板40の部分から連続的に折れ曲がって形成される。具体的には、周縁部44は、取付け板40の周縁近傍であり、第一発光部30が発する光の光軸(Y軸方向)に対して略垂直方向に屈曲して形成される。また、周縁部44には、取付け板40の主面42側から主面42と反対側の面までを貫通する貫通孔である開口部43が形成される。開口部43の上方には、制御ユニット70が有する第二発光部71が配置される。ここで、第二発光部71は、開口部43側へ向けて光を出射するように制御ユニット70に配置される。そのため、取付け板40を本体20から取り外すことなく、第二発光部71が発する光が、光透過部材51を通過して照明装置10の外側へ出射される。
光透過部材51は、上述したように光拡散性(光散乱性)を備える。ここで、光透過部材51は平面視した場合に、光透過部材51の周縁部は光透過部材51の中央部に対して光拡散度合いが少ないとよい。具体的には、図8に示されるように、光透過部材51の、第二発光部71が発する出射光Lが通過する光透過領域LAの光拡散度合いが、光透過領域LA以外における光透過部材51の中央側の領域での光拡散度合いよりも少ないとよい。
光透過部材51は、第一発光部30が出射する光を拡散(散乱)させるために光拡散性(光散乱性)を有するとよい。しかしながら、第二発光部71の出射光Lは、その点灯状態さえ確認されればよいため、拡散されない方がよい。そのために、光透過部材51は平面視した場合に、光透過部材51の端部は光透過部材51の中央部に対して光拡散度合いが少ないとよい。
例えば、光透過部材51が光拡散性を有するために、光透過部材の内面には、光拡散材等を含む乳白色の光拡散膜が形成される。この場合に、光透過部材51の周縁部に形成された光拡散膜の膜厚が、光透過部材51の中央部に対して薄いとよい。又は、光透過部材51の中央部にのみ光拡散膜が形成され、光透過部材51の周縁部には光拡散膜が形成されなくてもよい。
光学部72は、第二発光部71が発する出射光Lの配光を制御する機能を有する光学部材である。図9に示されるように、光学部72は、第二発光部71から出射される出射光Lの一部を、開口部43に向けて反射する。具体的には、光学部72は、第二発光部71が出射する出射光Lの広がりを抑制するように機能する。光学部72は、例えば樹脂材料によって第二発光部71の周囲を囲むように筒状に形成される。当該樹脂材料は、例えば酸化チタンなどの反射性(光反射性)の材料を添加したシリコーン樹脂などである。これにより、光学部72は、第二発光部71が出射する出射光Lを光透過部材51側へ反射するようにも機能する。
なお、光学部72は、出射光Lの広がりを抑制するために、例えばレンズ等でもよいし、レンズと上述した樹脂材料とを組み合わせてもよい。
点検スイッチ73は、照明装置10を利用する操作者からの指示を取得するスイッチである。具体的には、点検スイッチ73が操作者からの指示を取得した場合に、制御部74は蓄電池60の状態を確認する処理を実行する。点検スイッチ73は、例えば操作者が直接押圧するボタンでもよいが、PD(Photo Diode)等の光センサであるとよい。つまり、点検スイッチ73は、操作者が操作するリモートコントローラから発せられる赤外線などの信号を受信する光センサであるとよい。なお、点検スイッチ73として、上述したボタン式のスイッチと、光センサとが照明装置10に備えられていてもよい。
制御部74は、第二発光部71の点灯状態を制御する処理部である。制御部74は、点検スイッチ73が操作者から指示を取得した場合に、蓄電池60が正常に機能しているかどうかの点検を行う。当該点検結果に応じて、制御部74は、第二発光部71を所定の点灯状態で発光させる。制御部74が実行する蓄電池の状態を確認する処理手順の詳細については、後述する。
制御部74は、例えば、制御プログラムが記憶されたメモリと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等によって実現される。なお、制御部74は、プロセッサがプログラムを実行することによってソフトウェア的に実現される必要はなく、ゲートアレイ等を用いた専用の電子回路によってハードウェア的に実現されてもよい。
また、制御部74は、上述したように、電源回路を備える。具体的には、制御部74は、基板に回路部品が実装されることにより形成された電源回路を備える。電源回路は、整流回路及びインバータ回路などを含む。
また、電源回路には、蓄電池60を充電する充電回路が含まれる。充電回路は、照明装置10の外部から供給される交流電力を蓄電池60の充電に適した直流電力に変換し、直流電力によって蓄電池60を充電する。本実施の形態では、照明装置10においては、停電時などの非常時においても照明装置10の使用が可能なように蓄電池60はトリクル充電される。
また、電源回路には、外部からの交流電力の供給の停止(停電)を検出する検出回路、及び、蓄電池60を放電する放電回路も含まれる。検出回路によって停電が検出されると、放電回路は、蓄電池60を放電させる。この結果、蓄電池60は、第一発光部30に直流電力を供給する。これにより、照明装置10は、停電時も発光を継続することができる。
次に、実施の形態に係る照明装置10が備える蓄電池60の状態を点検するための処理手順について説明する。図10は、実施の形態に係る照明装置10が備える蓄電池60の状態を点検する処理手順を示すフローチャートである。具体的には、図10は、点検スイッチ73が操作者から指示を取得した場合に、制御部74が、蓄電池60が正常に機能しているかどうかを点検し、当該点検結果に応じて第二発光部71を所定の態様で点灯する制御をするための処理手順を示すフローチャートである。
照明装置10を利用している操作者は、蓄電池60が正常に機能しているかどうかを点検する場合に、点検スイッチ73へ指示を出す。具体的には、点検スイッチ73が光センサである場合には、操作者は、所定のリモートコントローラを操作して、蓄電池60を点検する指示を点検スイッチへ送信する。点検スイッチ73は、当該指示を取得する(ステップS101)。
制御部74は、当該指示を点検スイッチ73が取得した場合に、蓄電池60の状態を点検する。制御部74は、まず蓄電池60と第一発光部30とが電気的に接続されているかを点検(判定)する(ステップS102)。具体的には、制御部74は、外部から供給されていた電力を第一発光部30へ供給することを中断し、蓄電池60に蓄えられていた電力を第一発光部30へ供給することで、第一発光部30へ電力が供給できるかどうかを確認する。言い換えると、点検スイッチ73が操作者から指示を取得した場合に、制御部74は、停電時と同様に、蓄電池60を放電させることにより第一発光部30を発光させる。ここで、制御部74が蓄電池60と第一発光部30とが電気的に接続されていないと判定した場合(ステップS102でNo)に、制御部74は、第二発光部71を点滅して発光させる制御をする(ステップS106)。
次に、制御部74は、蓄電池60と第一発光部30とが電気的に接続されていると判定した場合(ステップS102でYes)に、蓄電池60が充電されているかどうかを点検する(ステップS103)。照明装置10が、例えば非常用の照明装置として使用され、非常用電源として蓄電池60が使用される場合には、いつ停電が発生しても対応できるように、常に満充電に保っておく必要がある。このような場合においては、ステップS103において、蓄電池60が満充電であるかどうかの確認を行う。ここで、制御部74は、蓄電池60が充電されていないと判定した場合(ステップS103でNo)に、第二発光部71を点滅して発光させる制御をする(ステップS106)。
次に、制御部74は、蓄電池60が充電されていると判定した場合(ステップS103でYes)に、蓄電池60の放電によって第一発光部30を所定時間正常に点灯させ続けられるかどうかを点検する(ステップS104)。具体的には、制御部74は、RTC(Real Time Clock)等の計時部(時計)を備え、当該計時部で蓄電池60の放電による第一発光部30の点灯時間を計測する。所定時間は特に限定されないが、例えば10分間でもよいし、30分間でもよいし、1時間でもよい。ここで、制御部74は、蓄電池60の放電によって第一発光部30を所定時間正常に点灯させ続けられなかった場合(ステップS104でNo)に、第二発光部71を点滅して発光させる制御をする(ステップS106)。また、制御部74は、蓄電池60の放電によって第一発光部30を所定時間正常に点灯させ続けられた場合(ステップS104でYes)に、第二発光部71を点灯させる制御をする(ステップS105)。ここで、点灯とは、第二発光部71が連続的に発光されている状態を示す。
上述したように、第二発光部71は、蓄電池60の状態に応じて点灯状態が切り替わる。具体的には、制御部74は、蓄電池60の状態に応じて第二発光部71の点灯状態を切り替える。これにより、照明装置10の操作者は、第二発光部71の点灯状態を確認することで、蓄電池60が正常な状態であるか否かを確認できる。
なお、図10に示す処理手順はあくまで一例であり、処理手順の順序などは変更されてもよい。また、ステップS102、ステップS103及びステップS104において、制御部74がNoと判定した場合に、ステップS106において第二発光部71を点滅させる制御をするが、各処理手順で同様の点滅状態とする必要はない。具体的には、ステップS102からステップS106へ移行した処理手順と、ステップS102からステップS106へ移行した処理手順と、ステップS102からステップS106へ移行した処理手順とで、第二発光部71の点滅状態は異なってもよい。ここで、異なる点滅状態とは、例えば、第二発光部71が点滅している状態における、点灯と消灯との周期、点灯時間の長さ、消灯時間の長さ等が異なる状態である。
また、制御部74は、ステップS101において点検スイッチ73が操作者から指示を取得した場合に、第二発光部71を点灯する制御をしてもよい。こうすることにより、照明装置10が操作者からの指示を取得した旨を操作者に提示することができる。この場合、ステップS102、ステップS103及びステップS104において制御部74がNoと判定した場合、第二発光部71を点灯状態から点滅状態へ発光状態を切り替える制御をしてもよい。
また、ステップS106において、制御部74は第二発光部71を点滅させる制御をするとしたが、操作者へ蓄電池60に異常がある旨を提示できればよい。例えば、第二発光部71は複数の色の光を発することができ、蓄電池60が正常だと判定された場合と異常だと判定された場合とで発光色が変更されてもよい。
また、制御部74は、操作者からの指示を点検スイッチ73が取得した場合に、蓄電池60の状態を点検するとしたが、当該点検を開始する条件は限定されない。例えば、制御部74は計時部とメモリとを備え、当該メモリに定期的に図10に示すステップを実行させる制御プログラムを予め記憶させておき、当該制御プログラムが制御部74によって定期的に実行されてもよい。
(効果等)
以上説明したように、照明装置10は、第一発光部30と、第一発光部30が取り付けられる主面42を有し、周縁近傍に開口部43を有する取付け板40と、を備える。また、照明装置10は、開口部43が形成された位置に対応して主面42と反対側に配置され、開口部43に向けて光を発する第二発光部71と、第一発光部30に電力を供給する蓄電池60と、を備える。第二発光部71は、蓄電池60の状態に応じて点灯状態が切り替わる。
これにより、照明装置10の操作者は、照明装置10が備える蓄電池60が、例えば非常時においても正常に機能するかどうかを、照明装置10が備える透光カバー50等を取り外すことなく、第二発光部71の点灯状態によって確認することができる。そのため、照明装置10によれば、操作者は蓄電池60の状態を確認しやすい。
また、照明装置10は、操作者から指示を取得する点検スイッチ73と、点検スイッチ73が当該指示を取得した場合に、蓄電池60の状態を点検し、蓄電池60の状態に応じて第二発光部71の点灯状態を切り替える制御部74と、をさらに備えてもよい。
これにより、照明装置10の操作者からの指示に応じて、蓄電池60の状態が確認される。そのため、操作者は、所望のタイミングで照明装置10が備える蓄電池60の状態を確認できる。
また、点検スイッチ73は、光センサでもよい。
つまり、照明装置10の操作者は、所定のリモートコントローラを操作することにより、照明装置10へ蓄電池60の状態を点検させるように指示することができる。そのため、照明装置10によれば、操作者は蓄電池60の状態を確認しやすい。
また、第一発光部30及び第二発光部71が発する光の色は異なってもよい。
これにより、第一発光部30を点灯させたままの状態においても、第二発光部71が点灯しているかどうかを操作者は確認しやすい。
また、照明装置10は、主面42側を覆い、第一発光部30及び第二発光部71からの光を透過する、光拡散性を有する光透過部材51をさらに備えてもよい。また、平面視した場合に、光透過部材51の周縁部は、光透過部材51の中央部に対して光拡散度合いが少なくてもよい。
これにより、第二発光部71が発する出射光Lは光透過部材51で拡散(散乱)されにくくなる。つまり、照明装置10の操作者は、出射光Lの光量が少なくても、第二発光部71が点灯しているかどうかを確認しやすい。
また、照明装置10は、第二発光部71が発する光の配光を制御する光学部72をさらに備えてもよい。
具体的には、光学部72は、第二発光部71が出射する出射光Lの広がりを抑制するように機能する。これにより、照明装置10の操作者は、第二発光部71が点灯しているかどうかを確認しやすい。
また、光学部72としては、第二発光部71の出射光Lを反射する樹脂材料が採用されてもよい。さらに、当該樹脂材料は、第二発光部71を囲むように筒状に形成されてもよい。
これにより、光学部72は、出射光Lを光透過部材51側へ導き易くなる。そのため、照明装置10の内部での出射光Lの損失は、抑制される。
また、平面視した場合に、第一発光部30は取付け板40の略中央に配置されてもよい。また、取付け板40は、第一発光部30から離れるにつれて開口面積が広がる漏斗形状でもよい。
これにより、反射面42bで反射される第一発光部30から出射される光は、照明装置10の外部へ効率よく導かれる。
また、取付け板40の周縁近傍(周縁部44)は、第一発光部30が発する光の光軸に対して略垂直方向に屈曲して形成されてもよい。
これにより、第一発光部30が発する光は、周縁部44へ直接到達しにくくなる。つまり、周縁部44は第一発光部30が発する光を反射しないために、周縁部44近傍の光透過部材51、つまり光透過部材51の外周側において第一発光部30が発する光の光量は少なくなる。そのため、照明装置10の操作者は、光透過部材51の外周側に出射される出射光Lを確認しやすい。
また、取付け板40の主面42は、第一発光部30が載置される載置面42aと、第一発光部30が発する光を反射する、載置面42aの周囲に配置された反射面42bとを含んでもよい。
これにより、第一発光部30から出射される光は、効果よく照明装置10の内部から照明装置10の外部へ導かれる。そのため、照明装置10の光利用効率は向上される。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る照明装置について説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態で説明された照明装置の形状は、一例である。例えば、上記実施の形態では、照明装置の平面視形状は、円形であったが、照明装置の平面視形状は、矩形などの多角形であってもよい。
また、上記実施の形態では、第一発光部として、COB型の発光モジュールが用いられたが、第一発光部の態様は特に限定されるものではない。例えば、SMD型の発光モジュールが第一発光部として用いられてもよい。また、第一発光部には、LEDチップを用いた発光モジュールに代えて、蛍光管、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、または、ネオン管等が用いられてもよい。また、第一発光部には、無機エレクトロルミネッセンス、有機エレクトロルミネッセンス、ケミルミネッセンス(化学発光)、または、半導体レーザー等が用いられてもよい。なお、第二発光部においても、その態様は特に限定されるものではない。第一発光部と同様に、上述した各種光源が用いられてよい。
また、上記実施の形態では、点検スイッチとしてボタン又は光センサを例示したが、照明装置10の操作者からの指示を取得できればよい。例えば、点検スイッチは、無線通信装置でもよく、当該無線通信装置によって操作者からの指示を取得してもよい。照明装置10の操作者は、無線通信により、照明装置10へ指示を送信する。無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)又はZigBee(登録商標)などの所定の無線通信規格に基づいて行われればよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る照明装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。