JP2014205379A - 成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の窓板の少なくとも下側コーナー部に沿って配置されるピラーガーニッシュにおいて窓板の下側コーナー部に流れる雨水が車両の幅方向中央付近に滴下することを防止する。【解決手段】ピラーガーニッシュのうち、窓板13の下側コーナー部に沿って配置される部分15Bの内向部30の本体部28に相当する部分で且つ窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に、内向部30(本体部28)を窓板13の内外周方向に貫通する排水流路31を設け、この排水流路31の入口部31aが窓板13の内周側に向かって開口し、排水流路31の出口部31bが窓板13の端面よりも窓板13の外周側に配置され且つ窓板13の表面から離れている。これにより、窓板13の下側コーナー部に流れる雨水を排水流路31によって排水することができる共に、排水流路31の出口部31bから排出される雨水を窓板13から離れた位置に流すことができる。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の窓枠に組み付けられる窓板の少なくとも下側コーナー部に沿って配置される成形品に関する発明である。
自動車のフロントピラーに沿って(つまり窓板の側縁に沿って)配置されるフロントピラーガーニッシュにおいては、例えば、特許文献1(特開2005−206026号公報)に記載されているように、車体パネルと窓板との間を覆う装飾頭部と、この装飾頭部の内向き部分の裏面側から突出して雨水受溝を形成する溝壁部と、装飾頭部の外向き部分の裏面側から突出する装着脚部とを一体的に設け、ワイパーによって窓板の側部に運ばれた雨水がフロントピラーガーニッシュの雨水受溝に沿って流れるようにしたものがある。
特開2005−206026号公報
上記特許文献1の技術では、雨水がフロントピラーガーニッシュの雨水受溝に沿って流れるようになっているが、雨水受溝に沿って窓板の下側コーナー部に流れる雨水が更に窓板の下縁を伝って車両の幅方向の中央付近で滴下するおそれがある。雨水が車両の幅方向の中央付近で滴下すると、その付近に設置されたワイパーモータ等の電動部品が濡れてしまい、電動部品が故障するおそれがある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、窓板の下側コーナー部に流れる雨水が窓板の下縁を伝って車両の幅方向の中央付近で滴下することを防止できる成形品を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の窓枠に組み付けられる窓板の少なくとも下側コーナー部の一部に沿って配置される樹脂製又はゴム製の成形品であって、成形品が少なくとも下側コーナー部の一部に沿って配置されたときに窓板の内周側を向き且つ窓板の表面に当接する内向部と、この内向部のうちの下側コーナー部に沿って配置される部分に設けられて内向部を窓板の内外周方向に貫通する少なくとも一つの排水流路とを備え、この排水流路の入口部が窓板の内周側に向かって開口し、排水流路の出口部が窓板の端面よりも窓板の外周側に配置され且つ窓板の表面から離れている構成としたものである。
この構成では、窓板の表面や成形品の内向部に沿って窓板の下側コーナー部に流れる雨水を排水流路によって排水することができる。その際、排水流路の出口部が窓板の端面よりも窓板の外周側に配置され且つ窓板の表面から離れているため、排水流路の出口部から排出される雨水を窓板から離れた位置に流すことができる。これにより、窓板の下側コーナー部に流れる雨水が窓板の下縁を伝って排水流路の出口部よりも車両の幅方向の中央側で滴下することを防止できる。
また、請求項2のように、内向部から窓板の外周側に向けて突出する凸部を備え、排水流路は、内向部に設けられた孔部と凸部に設けられた水路とで形成されているようにしても良い。このようにすれば、窓板の端面から排水流路の出口部までの距離を長くすることができ、排水流路の出口部から排出される雨水を確実に窓板から離れた位置に流すことができる。
この場合、請求項3のように、水路は、凸部に形成された貫通孔としても良い。このようにすれば、排水流路を通過する雨水が水路(貫通孔)から零れることを防止することができる。
或は、請求項4のように、水路は、凸部に形成された溝としても良い。このようにすれば、水路(溝)を成形する部分の金型構造を簡略化することができる。
また、請求項5のように、排水流路は、貫通孔を有する排水流路形成部材を内向部に設けられた取付孔に取り付けることで形成されているようにしても良い。このようにすれば、排水流路形成部材を内向部に取り付けるという簡単な方法で排水流路を形成することができる。
本発明は、請求項6のように、窓板の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の少なくとも側縁に沿って配置されるフロントピラーガーニッシュに適用しても良い。このようにすれば、ワイパーによって窓板の側部に運ばれた雨水をフロントピラーガーニッシュの内向部によって窓板の下側コーナー部に流すことができ、更に、窓板の下側コーナー部に流れた雨水を排水流路によって排水することができる。
この場合、請求項7のように、内向部には、フロントピラーガーニッシュの長手方向に沿って凹部が形成されているようにしても良い。このようにすれば、ワイパーによって窓板の側部に運ばれた雨水をフロントピラーガーニッシュの内向部に形成された凹部によって窓板の下側コーナー部へ効率良く流すことができる。
更に、請求項8のように、内向部のうちの凹部の底に相当する部分に排水流路が設けられているようにしても良い。このようにすれば、排水流路が車外側から見え難くなり、排水流路により外観が損なわれることを防止することができる。
また、請求項9のように、フロントピラーガーニッシュは、上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されるようにしても良い。このようにすれば、窓板の下側コーナー部の側縁から下縁に連続して内向部が当接するため、雨水が窓板の下側コーナー部に配置された内向部から窓板の外周側に浸入することを防止することができる。
この場合、請求項10のように、内向部のうちの下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分と下縁に沿って配置される部分の少なくとも一方に排水流路が設けられているようにしても良い。このようにすれば、内向部に沿って窓板の下側コーナー部に流れる雨水を排水流路によって効率良く排水することができる。
本発明は、請求項11のように、下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されるコーナー部材に適用しても良い。このようにしても、窓板の下側コーナー部の側縁から下縁に連続して内向部が当接するため、雨水が下側コーナー部に配置された内向部から窓板の外周側に浸入することを防止することができる。
図1は本発明の実施例1におけるフロントピラーガーニッシュが装着された状態を示す車両のフロントウインドウ及びその周辺部の斜視図である。 図2は図1のA−A断面図である。 図3は実施例1のフロントピラーガーニッシュが装着された車両におけるフロントウインドウの下側コーナー部周辺の斜視図である。 図4は図3のB−B断面図である。 図5は図4のC−C断面図である。 図6は実施例2のフロントピラーガーニッシュを車両に装着した場合における図3のB−B断面図に相当する断面図である。 図7は図6のD−D断面図である。 図8は実施例3のフロントピラーガーニッシュが装着された車両におけるフロントウインドウの下側コーナー部周辺の斜視図である。 図9は図8のE−E断面図である。 図10は実施例4のフロントピラーガーニッシュの断面図である。 図11は排水流路形成部材の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
図1に示すように、自動車の車体パネル11に形成されたフロントウインドウ用の窓枠12には、窓板13(フロントガラス)が組み付けられ、窓枠12の両側部には、それぞれフロントピラー14が設けられている。このフロントピラー14に沿って(つまり窓板13の側縁に沿って)長尺なフロントピラーガーニッシュ15(成形品)が装着され、このフロントピラーガーニッシュ15によってフロントピラー14と窓板13との間を覆うようになっている。本実施例1では、フロントピラーガーニッシュ15が窓板13の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置され、カウルルーバー16が窓板13の下縁に沿って配置されている。
図2に示すように、フロントピラーガーニッシュ15のうちの窓板13の下側コーナー部以外の部分(窓板13の上側コーナー部から下側コーナー部の手前までの側縁)に沿って配置される部分(以下「ストレート部分」という)15Aは、本体部17と取付部18とシール部19とリップ部20とが一体的に設けられている。本体部17と取付部18は、例えばAES樹脂(アクリロニトリル・エチレンプロピレン・スチレン樹脂)等のポリマー材料で形成されている。また、シール部19とリップ部20は、例えばTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)等の本体部17よりも軟質なポリマー材料で形成されている。
本体部17は、フロントピラー14の内周壁21(窓開口部の周縁)と窓板13の側縁との間の隙間を覆うように形成され、この本体部17の内部には、中空部22(後述するガスアシスト射出成形で形成されるガスチャンネル)が形成されている。取付部18は、本体部17のうちのシール部19よりも窓板13の外周側の部位から突出するように形成され、この取付部18には、係合孔23が形成されている。
シール部19は、本体部17から窓板13の内周側に向かって突出して窓板13の表面に当接するように形成され、リップ部20は、本体部17から窓板13の外周側に向かって突出してフロントピラー14の内周壁21に当接するように形成されている。また、本体部17及びシール部19のうちの窓板13の内周側を向く部分を内向部24とする。
フロントピラー14の内周壁21には、クリップ25が両面テープ26等により固定され、このクリップ25の係合爪27が取付部18の係合孔23に係合することで、フロントピラーガーニッシュ15がフロントピラー14に沿って装着される。
図3及び図4に示すように、フロントピラーガーニッシュ15のうちの窓板13の下側コーナー部(下側コーナー部の側縁及び下縁)に沿って配置される部分(以下「コーナー部分」という)15Bは、本体部28とシール部29とが一体的に設けられている。本体部28とシール部29は、例えばTPO等のストレート部分15Aの本体部17よりも軟質なポリマー材料で形成されている。また、本体部28及びシール部29のうちの窓板13の内周側を向く部分を内向部30とする。
コーナー部分15Bの内向部30のうちの本体部28に相当する部分で且つ窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に、排水流路31が内向部30(本体部28)を窓板13の内外周方向に貫通するように設けられている。この排水流路31の入口部31aが窓板13の内周側に向かって開口し、排水流路31の出口部31bが窓板13の端面よりも窓板13の外周側に配置され且つ窓板13の表面から離れている。
本実施例1では、内向部30から窓板13の外周側に向けて突出する凸部32が設けられ、排水流路31は、内向部30(本体部28)に設けられた孔部33と凸部32に設けられた水路34とで形成されている。図4及び図5に示すように、凸部32は、略円柱状(例えば円柱状又は楕円柱状)に形成され、水路34は、この凸部34を貫通するように形成された貫通孔である。尚、凸部32の形状は、略円柱状に限定されず、他の形状(例えば、三角柱状や四角柱状等)であっても良い。
図3に示すように、フロントピラーガーニッシュ15(ストレート部分15A及びコーナー部分15B)は、窓板13の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されるため、雨水が溜まりやすい窓板13の下側コーナー部に沿う部分に継ぎ目(切れ目)がなく、コーナー部分15Bの内向部30が窓板13の下側コーナー部の側縁から下縁に連続して当接する。
また、フロントピラーガーニッシュ15を、窓板13の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁に沿って配置することで、ワイパー(図示せず)によって窓板13の側部に運ばれた雨水をフロントピラーガーニッシュ15の内向部24,30によって窓板13の下側コーナー部に流すことができ、更に、窓板13の下側コーナー部に流れた雨水を排水流路31によって排水することができる。
また、フロントピラーガーニッシュ15のコーナー部分15Bのうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に沿って配置される部分が、カウルルーバー16と窓板13の下縁の表面との間に挟まれた状態で固定されている。
尚、フロントピラーガーニッシュ15のコーナー部分15Bのうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に沿って配置される部分の一部をカウルルーバー16で覆うようにしても良いが、コーナー部分15Bのうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に沿って配置される部分の全てをカウルルーバー16で覆うようにしても良い。また、コーナー部分15Bのうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に沿って配置される部分を両面テープやクリップ等により車体パネル11に固定するようにしても良い。
フロントピラーガーニッシュ15(ストレート部分15A及びコーナー部分15B)を製造する場合には、例えば、次の(1)〜(3)の工程を実行する。
(1)ストレート部分15Aの本体部17及び取付部18を成形する工程
ストレート部分15Aの本体部17及び取付部18を成形するための射出成形型内にポリマー材料(例えばAES樹脂)を射出して充填すると共にガス(例えば窒素ガス)を注入するガスアシスト射出成形を行うことで、中空部22(ガスチャンネル)を有する本体部17と取付部18を成形する。
(2)ストレート部分15Aのシール部19及びリップ部20を成形する工程
ストレート部分15Aのシール部19及びリップ部20を成形するための射出成形型に(1)の工程で成形した仕掛品(本体部17及び取付部18)をセットして、射出成形型内にポリマー材料(例えばTPO)を射出して充填する射出成形を行うことで、シール部19及びリップ部20を成形すると共に(1)の工程で成形した仕掛品にシール部19及びリップ部20を溶着して一体化する。これにより、ストレート部分15Aの製造が完了する。
(3)コーナー部分15B(本体部28及びシール部29)を成形する工程
コーナー部分15B(本体部28及びシール部29)を成形するための射出成形型に(2)の工程で成形した仕掛品(ストレート部分15A)をセットして、射出成形型内にポリマー材料(例えばTPO)を射出して充填する射出成形を行うことで、コーナー部分15Bを成形すると共に、(2)の工程で成形した仕掛品にコーナー部分15Bを溶着して一体化する。これにより、フロントピラーガーニッシュ15の製造が完了する。
尚、上記の説明では、(1)の工程でガスアシスト射出成形を行うようにしたが、これに限定されず、通常の射出成形(ガスアシストをしない射出成形)や押出成形を行って本体部17及び取付部18を成形するようにしても良い。
また、上記の説明では、(2)の工程と(3)の工程を別々に行うようにしたが、これに限定されず、(2)の工程と(3)の工程を同時に行うようにしても良い。
また、上記の説明では、(2)の工程でシール部19及びリップ部20の成形と溶着を同時に行うようにしたが、これに限定されず、まず、シール部19及びリップ部20を射出成形や押出成形で成形し、その後、シール部19及びリップ部20を(1)の工程で成形した仕掛品に接着剤等で接着したり、溶着するようにしても良い。また、本体部17及び取付部18を押出成形する場合には、本体部17及び取付部18とシール部19及びリップ部20とを共押出成形するようにしても良い。
また、上記の説明では、(3)の工程でコーナー部分15Bの成形と溶着を同時に行うようにしたが、これに限定されず、まず、コーナー部分15Bを射出成形や押出成形で成形し、その後、コーナー部分15Bを(2)の工程で成形した仕掛品に接着剤等で接着したり、溶着するようにしても良い。
また、上記の説明では、(3)の工程でコーナー部分15Bを成形するようにしたが、これに限定されず、コーナー部分15Bのうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に配置される部分だけを(3)の工程で成形し、残りの部分(窓板13の下側コーナー部の側縁に配置される部分)を(1)及び(2)の工程で成形するようにしても良い。
また、上記の説明では、(1)の工程でストレート部分15Aの本体部17及び取付部18を成形するポリマー材料として、AES樹脂を用いるようにしたが、これに限定されず、例えば、PP樹脂(ポリプロピレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)、PVC樹脂(ポリ塩化ビニル樹脂)等の樹脂を用いるようにしたり、或は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)等のゴムを用いるようにしても良い。
また、上記の説明では、(2)及び(3)の工程でストレート部分15Aのシール部19及びリップ部20とコーナー部分15Bを成形するポリマー材料として、TPOを用いるようにしたが、これに限定されず、例えば、SBC(スチレン系熱可塑性エラストマー)、PVC樹脂等を用いるようにしても良い。また、(1)の工程でEPDM等のゴムを用いる場合には、(2)及び(3)の工程でもEPDM等のゴムを用いることが好ましい。いずれの場合も、(2)及び(3)の工程で用いるポリマー材料は、(1)の工程で用いるポリマー材料よりも軟質な材料を用いることが好ましい。
以上説明した本実施例1では、フロントピラーガーニッシュ15のコーナー部分15Bの内向部30のうちの本体部28に相当する部分で且つ窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に排水流路31を設けるようにしたので、窓板13の表面やフロントピラーガーニッシュ15の内向部24,30に沿って窓板13の下側コーナー部に流れる雨水を排水流路31によって排水することができる。しかも、排水流路31の出口部31bが窓板13の端面よりも窓板13の外周側に配置され且つ窓板13の表面から離れているため、図4に点線矢印で示すように、排水流路31の出口部31bから排出される雨水を窓板13から離れた位置に流すことができる。これにより、窓板13の下側コーナー部に流れる雨水が窓板13の下縁を伝って排水流路31の出口部31bよりも車両の幅方向の中央側で滴下することを防止できるため、車両の幅方向の中央付近に設置されたワイパーモータ等の電動部品が雨水で濡れて故障することを防止することができる。
また、本実施例1では、内向部30から窓板13の外周側に向けて突出する凸部32を設け、排水流路31を、内向部30(本体部28)に設けられた孔部33と凸部32に設けられた水路34とで形成するようにしたので、窓板13の端面から排水流路31の出口部31bまでの距離を長くすることができ、排水流路31の出口部31bから排出される雨水を確実に窓板13から離れた位置に流すことができる。
更に、本実施例1では、排水流路31の水路34を、凸部32に形成された貫通孔としたので、排水流路31を通過する雨水が水路34(貫通孔)から零れることを防止することができる。
また、本実施例1では、フロントピラーガーニッシュ15を、窓板13の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置して、コーナー部分15Bの内向部30が窓板13の下側コーナー部の側縁から下縁に連続して当接するようにしたので、雨水が窓板13の下側コーナー部に配置された内向部30から窓板13の外周側に浸入することを防止することができる。
更に、本実施例1では、コーナー部分15Bの内向部30のうちの窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に排水流路31を設けるようにしたので、内向部24,30に沿って窓板13の下側コーナー部に流れる雨水を排水流路31によって効率良く排水することができる。
次に、図6及び図7を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、図6に示すように、コーナー部分15Bの内向部30のうちの本体部28及びシール部29に相当する部分で且つ窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に、排水流路35が内向部30(本体部28及びシール部29)を窓板13の内外周方向に貫通するように設けられている。この排水流路35の入口部35aが窓板13の内周側に向かって開口すると共に窓板13の表面上に配置されている。また、排水流路35の出口部35bが窓板13の端面よりも窓板13の外周側に配置され且つ窓板13の表面から離れていると共に窓板13よりも車内側に配置されている。
本実施例2では、内向部30から窓板13の外周側に向けて突出する凸部36が車内側に向けて湾曲又は屈曲するように設けられ、排水流路35は、内向部30(本体部28及びシール部29)に設けられた孔部37と凸部36に設けられた水路38とで形成されている。図6及び図7に示すように、水路38は、凸部36に形成された断面U字形状の溝である。尚、水路38は、断面U字形状の溝に限定されず、他の形状の溝(例えば、断面V字形状の溝や断面コ字形状の溝等)であっても良い。
以上説明した本実施例2では、排水流路35の水路38を、凸部36に形成された溝としたので、排水流路35の水路38(溝)を成形する部分の金型構造を簡略化することができる。
尚、上記実施例2では、コーナー部分15Bの内向部30のうちの本体部28及びシール部29に相当する部分に排水流路35を設けるようにしたが、これに限定されず、コーナー部分15Bの内向部30のうちのシール部29に相当する部分に排水流路を設けるようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、コーナー部分15Bの内向部30のうちの窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に排水流路を設けるようにしたが、これに限定されず、コーナー部分15Bの内向部30のうちの窓板13の下側コーナー部の下縁に沿って配置される部分に排水流路を設けるようにしたり、或は、コーナー部分15Bの内向部30のうちの窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分と下縁に沿って配置される部分の両方に、それぞれ排水流路を設けるようにしても良い。
次に、図8及び図9を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例3では、図8に示すように、フロントピラーガーニッシュ39(成形品)は、窓板13の上側コーナー部の側縁から下側コーナー部の側縁に沿って配置され、カウルルーバー16が窓板13の下縁に沿って配置されている。
図9に示すように、フロントピラーガーニッシュ39は、本体部17と取付部18とシール部19とリップ部20とが一体的に設けられ、本体部17及びシール部19のうちの窓板13の内周側を向く部分を内向部40とする。この内向部40には、フロントピラーガーニッシュ39の長手方向に沿って凹部41が形成されている。
また、内向部40のうちの凹部41の底に相当する部分で且つ窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に、排水流路42が内向部40(本体部17)を窓板13の内外周方向に貫通するように設けられている。この排水流路42は、内向部40(本体部17)に設けられた孔部で形成されている。
以上説明した本実施例3では、排水流路42を、内向部40に設けられた孔部で形成するようにしたので、排水流路42を容易に形成することができる。
また、本実施例3では、内向部40に、フロントピラーガーニッシュ39の長手方向に沿って凹部41を形成するようにしたので、ワイパーによって窓板13の側部に運ばれた雨水をフロントピラーガーニッシュ39の内向部40に形成された凹部41によって窓板13の下側コーナー部へ効率良く流すことができる。
更に、本実施例3では、内向部40のうちの凹部41の底に相当する部分に排水流路42を設けるようにしたので、排水流路42が車外側から見え難くなり、排水流路42により外観が損なわれることを防止することができる。
次に、図10及び図11を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例4では、図10に示すように、フロントピラーガーニッシュ44(成形品)は、本体部17と取付部18とシール部19とリップ部20とが一体的に設けられ、本体部17及びシール部19のうちの窓板13の内周側を向く部分を内向部45とする。この内向部45のうちの窓板13の下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分に、取付孔46が形成され、この取付孔46に樹脂製又はゴム製の排水流路形成部材47を取り付けることで、排水流路48が形成されている。この場合、排水流路形成部材47に形成された貫通孔が排水流路48の役割を果たす。
図11に示すように、排水流路形成部材47の一方の端部には、円盤状の大径頭部49が設けられ、排水流路形成部材47の外周面のうちの大径頭部49から所定寸法だけ離れた位置の複数箇所(例えば2箇所)に、くさび形状の嵌合爪50が設けられている。
図10に示すように、内向部45の取付孔46に排水流路形成部材47を挿入して、排水流路形成部材47の大径頭部49と嵌合爪50との間に内向部45(取付孔46の外周縁部)を挟み込むことで、内向部45の取付孔46に排水流路形成部材47が取付固定されている。尚、内向部45の取付孔46に排水流路形成部材47を接着剤等で接着したり、溶着するようにしても良い。
以上説明した本実施例4では、内向部45の取付孔46に排水流路形成部材47を取り付けることで排水流路48を形成するようにしたので、排水流路48が比較的長い場合でも、内向部45を成形する部分の金型構造を複雑化することなく、内向部45に排水流路形成部材47を取り付けるという簡単な方法で排水流路48を形成することができる。
尚、上記実施例4では、本体部17及び取付部18をガスアシスト射出成形により成形する際に取付孔46を成形するようにしたが、これに限定されず、本体部17及び取付部18を成形した後に取付孔46を成形するようにしても良い。
また、上記各実施例1〜4では、本発明をフロントピラーに沿って配置されるフロントピラーガーニッシュに適用したが、これに限定されず、例えば、センターピラーやリアピラー等の他のピラーに沿って配置されるピラーガーニッシュ(少なくとも窓板の下側コーナー部の一部に沿って配置されるピラーガーニッシュ)に本発明を適用しても良い。
更に、本発明は、ピラーガーニッシュに限定されず、窓板の下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されるコーナー部材に適用しても良い。このようにしても、窓板の下側コーナー部の側縁から下縁に連続して内向部が当接するため、雨水が下側コーナー部から窓板の車内側に浸入することを防止することができる。
11…車体パネル、12…窓枠、13…窓板、14…フロントピラー、15…フロントピラーガーニッシュ(成形品)、24…内向部、30…内向部、31…排水流路、32…凸部、33…孔部、34…水路、35…排水流路、36…凸部、37…孔部、38…水路、39…フロントピラーガーニッシュ(成形品)、40…内向部、41…凹部、42…排水流路、44…フロントピラーガーニッシュ(成形品)、45…内向部、46…取付孔、47…排水流路形成部材、48…排水流路

Claims (11)

  1. 車両の窓枠に組み付けられる窓板の少なくとも下側コーナー部の一部に沿って配置される樹脂製又はゴム製の成形品であって、
    前記成形品が少なくとも前記下側コーナー部の一部に沿って配置されたときに前記窓板の内周側を向き且つ前記窓板の表面に当接する内向部と、
    前記内向部のうちの前記下側コーナー部に沿って配置される部分に設けられて前記内向部を前記窓板の内外周方向に貫通する少なくとも一つの排水流路とを備え、
    前記排水流路の入口部が前記窓板の内周側に向かって開口し、前記排水流路の出口部が前記窓板の端面よりも前記窓板の外周側に配置され且つ前記窓板の表面から離れていることを特徴とする成形品。
  2. 前記内向部から前記窓板の外周側に向けて突出する凸部を備え、
    前記排水流路は、前記内向部に設けられた孔部と前記凸部に設けられた水路とで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形品。
  3. 前記水路は、前記凸部に形成された貫通孔であることを特徴とする請求項2に記載の成形品。
  4. 前記水路は、前記凸部に形成された溝であることを特徴とする請求項2に記載の成形品。
  5. 前記排水流路は、貫通孔を有する排水流路形成部材を前記内向部に設けられた取付孔に取り付けることで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成形品。
  6. 前記窓板の上側コーナー部の側縁から前記下側コーナー部の少なくとも側縁に沿って配置されるフロントピラーガーニッシュとして用いられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成形品。
  7. 前記内向部には、前記フロントピラーガーニッシュの長手方向に沿って凹部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の成形品。
  8. 前記内向部のうちの前記凹部の底に相当する部分に前記排水流路が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の成形品。
  9. 前記フロントピラーガーニッシュは、前記上側コーナー部の側縁から前記下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の成形品。
  10. 前記内向部のうちの前記下側コーナー部の側縁に沿って配置される部分と下縁に沿って配置される部分の少なくとも一方に前記排水流路が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の成形品。
  11. 前記下側コーナー部の側縁及び下縁に沿って連続して配置されるコーナー部材として用いられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成形品。
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