JP2014166980A - テトラヒドロフランの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことによりテトラヒドロフランを得るにあたり、反応器液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
【選択図】なし
Description
テトラヒドロフランなどの環状エーテルの工業的な製法としては、様々な製法がある。中でもジヒドロキシ化合物の脱水環化反応を行うことにより環状エーテルを製造する方法が使用されることが多い。このジヒドロキシ化合物の脱水環化反応用の触媒は、一般的に転化率と選択性の高い酸触媒が使用される。例えば、特許文献1には、1,4−ブタンジオール(以下、「1,4BG」と略記することがある)などのアルカンジオールを、コバルトを含有する触媒、有機スルホン酸及び高沸点アミンの存在下で、脱水素及び脱水してジヒドロフランなどのα,β−環状不飽和エーテルを製造する方法が記載されている。また、特許文献2には、ヘテロポリ酸触媒上で1,4−ブタンジオールを含有する反応混合物の反応によってTHFを連続的に製造する方法が記載されている。これら触媒を用いて1,4BGの脱水環化反応を行うことによりTHFを製造する際の反応器形式には、固定床反応器を用いた液相反応器や生成物を気相部を介して反応器から留去する反応蒸留形式などがある。
上記特許文献2に記載の酸触媒による1,4BGの脱水環化反応は、水による反応阻害影響があり、反応により副生する水存在下では、テトラヒドロフラン生成速度が低下しやすい。
そこで酸触媒存在下で1,4BGの脱水環化反応を行う際には、反応器中の水分濃度をできるだけ低減して、連続的に1,4BGの脱水環化反応を行うが、その際に反応器内の液粘度の上昇と共に、固形副生物の析出が増加し、反応器内壁や配管に付着した固形副生物の存在によって、長時間連続的にTHFを製造できない問題が判明した。
このため、目的とするTHF生産量を維持し続けるには、THF生成速度を落とさないように、反応器中の水分濃度を可能な限り低減して連続的に1,4BGの脱水環化反応を行う必要があった。しかし、反応器中の水分濃度が低すぎる場合には、反応器内の液粘度の上昇と共に、固形副生物の析出が増加し、連続的にTHFを製造することが出来ず、又、上記反応後に得られたTHF中には2,3−ジヒドロフラン(以下、「2,3DHF」
と略記することがある)が多量に含まれていることが明らかとなった。
〔1〕
1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことによりテトラヒドロフランを得るにあたり、反応器内液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
〔2〕
2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランを含む1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことによりテトラヒドロフランを得るにあたり、下記一般式(1)のθ値が0.001以上0.5以下の範囲とするテ
トラヒドロフランの製造方法。
θ=B/(W・T) (1)
(上記式(1)中、Tは反応時間(hr)、Bは反応時間Tにおける2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフラン積算重量(g)、Wは反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)、を示す。)
〔3〕
1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことにより、テトラヒドロフランを得るにあたり、脱水環化反応を反応蒸留法で行い、かつ、反応器内液相中の2−ヒドロキシテトラヒドロフラン濃度を500重量ppm以下の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
前記1,4ブタンジオールが、2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランを0.001〜5.0重量%含んでいる上記〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔5〕
脱水環化反応を反応蒸留法で行う上記〔1〕又は〔2〕に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔6〕
前記酸触媒がpKa値4以下である上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔7〕
前記酸触媒が均一系酸触媒である上記〔1〕〜〔6〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
前記反応器液相中の酸触媒の濃度を0.01〜20重量%の範囲に制御する上記〔1〕〜〔7〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔9〕
前記反応器内の液相部の温度が80〜250℃の範囲である上記〔1〕〜〔8〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔10〕
前記酸触媒が有機スルホン酸である上記〔1〕〜〔9〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔11〕
前記pKa値が4以下の酸触媒を1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン又は水に溶解し、反応器に供給する工程を更に有する上記〔1〕〜〔10〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
前記反応器内の液相部溶液の25℃における粘度が50mPa・s以上1300mPa・s以下の範囲とする上記〔1〕〜〔11〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔13〕
前記反応器内の液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とする上記〔3〕〜〔12〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔14〕
前記反応器内の気相部に存在するテトラヒドロフラン及び水を含むガスを反応器外へ抜き出す上記〔1〕〜〔13〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔15〕
前記反応器内の気相部に存在するテトラヒドロフラン、水及び2−ヒドロキシテトラヒドロフランを含むガスを反応器外へ抜き出す上記〔1〕〜〔14〕のいずれか一に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
前記2−ヒドロキシテトラヒドロフランを反応器外へ抜き出すにあたり、液相中に含まれる2−ヒドロキシテトラヒドロフランの重量濃度に対する、気相中に含まれる2−ヒドロキシテトラヒドロフランの重量濃度の割合が、10%〜70%の範囲である上記〔15〕に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
〔17〕
前記2−ヒドロキシテトラヒドロフランを反応器外に抜き出すにあたり、反応蒸留形式の反応器を用いて、その蒸留塔の還流比を0.01〜4.0の範囲とする上記〔15〕又は〔16〕に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
また、本発明によるTHFの製造方法を用いることで、反応器内の固形副生物の析出を抑制しながら、2,3DHFの生成量を低減することができる。よって、長期間連続的に運転が可能となり、更にTHFの精製負荷が減少することから、従来より効率よくTHFを製造することができる。
ここで、本明細書において“質量%”と“重量%”、“質量ppm”と“重量ppm”、及び“質量部”と“重量部”とは、それぞれ同義である。また、単に“ppm”と記載した場合は、“重量ppm”のことを示す。
また、BGTFは1,4BGが酸化することで生成されることから、一般的に上述の製法で得られる1,4BGや市販の1,4BGにもBGTFが含まれる。そのため、通常、THFの製造原料として使用する場合、これらの1,4BGは水素添加蒸留等公知の方法によって精製され、BGTFなどの各種不純物の含有量が低減されたものを用いる。
本発明においては、原料の1,4BG中にBGTFが0.001〜5.0重量%含まれ
ていてもよい。本発明における原料1,4BG中に含まれるBGTF濃度は、好ましくは0.001〜1.0重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.8重量%、更に好ましくは0.02%〜0.5重量%である。
原料1,4BG中のBGTFの濃度が低すぎると、精製に多大なコストが必要となり工業的に好ましくない傾向がある。一方、原料1,4BG中のBGTFの濃度が高すぎると、固形物の析出が起こり、反応器に付着して連続運転が阻害される場合がある。
θ=B/(W・T) (1)
(上記式(1)中、Tは反応時間(hr)、Bは反応時間TにおけるBGTF積算重量(g)、Wは反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)、を示す。)
反応時間(T)とは、原料と触媒が反応器内に導入されて、反応器内温度が設定温度に達した時点を反応開始時間とした際の経過時間である。
反応時間TにおけるBGTF積算重量(g)(B)とは、反応時間(T)における原料1,4BGの導入重量と原料1,4BG中のBGTF濃度の積である。反応器内に別途原料を用意しておく場合は、反応器内に用意しておいた原料中のBGTF重量と導入した原料中のBGTF重量の和とする。
反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)(W)とは、反応器内の液相に含まれる水分重量であり、反応器内の液相部分の全体重量と、反応時間(T)における該液相部分に対してカールフィッシャー法を用いて測定した水分濃度の積である。また、反応器内の液相部と気相部に水分が存在する場合には、反応器内の液相の水分重量を意味する。
反応器内では原料1,4BGの脱水環化反応によりTHFが生成するが、その他の副生物として、副反応である1,4BG分子間脱水による1,4BGの二量体や三量体、分子量100〜10000程度の分子間脱水ポリマー(1,4BGオリゴマー)も存在する。これら副生物は、1,4BGの脱水環化反応を長期間行うことにより、反応器内に高濃度に蓄積される。アセタールポリマーと1,4BGオリゴマー及び原料1,4BGは何れも親水性が高く、反応器液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とすること、及び/又は上記式(1)のθの値を0.001以上0.5以下の範囲とすることで、反応器液相中に溶解させておくことができ、長期間安定的に運転を継続することが出来る。
一方、反応器液相中の水分濃度が10重量%を超えると、水による脱水環化反応阻害の
影響があり、THFの生成速度が顕著に低下するため、反応器液相中の水分濃度の上限は10重量%、好ましくは8重量%であり、更に好ましくは7重量%である。
上記式(1)に示されるθの値としては、0.001以上0.5以下の範囲であるが、好ましくは0.002以上0.4以下、更に好ましくは0.005以上0.35以下である。この値が大きくなるほど、短時間の運転でアセタールポリマーの脱水反応が進行し、反応器内で固形物が析出しやすくなり、この値が小さくなるほど、水による反応阻害の影響によって、THFの生成速度が低下する。
中でも、反応部に触媒を存在させ1,4BGを反応部に供給し、脱水環化反応により生成されたTHFと水およびOTFを含む副生物を反応器の気相部から抜き出し、残りの水や副生物、未反応の原料が液相部に含まれる状態を維持する反応蒸留法を用いることが温度設定や各種条件の設定によって反応器内の水分量を制御しやすいことから好ましく用いられる。
本発明のTHFの製造における反応形式として、流通反応形式や回分反応形式、反応蒸留形式等の公知の反応形式を使用することができる。温度設定や各種条件の設定によって反応器内の水分量を制御しやすい反応蒸留形式が好ましい。
また、本発明の反応器には、脱水環化反応を均一に効率よく行うため攪拌機が備えられていることが好ましい。更に、反応性を損なわない範囲で攪拌機に準ずる混合方法であってもよい。攪拌機は特に限定されるものではなく、通常、電動モーター、軸、攪拌機から構成されるがその攪拌翼も形状を問わない。攪拌機に準ずる混合方法としても特に限定されるものではなく、反応に対して不活性なガスを液相部に供給する方法、反応液液相部の一部を系外に抜き出して再度反応器に戻す方法、反応器内部での対流による混合方法などが挙げられる。
この蒸留塔や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、酸触媒による腐食は反応器と比べて軽減されるため、SUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられる。
水濃度は、通常、1〜50重量%であり、好ましくは、5〜30重量%であり、特に好ましくは、15〜25重量%の範囲である。
初めに、本発明の推定メカニズムを示す。
1,4BG中のBGTFは酸性条件下では容易に分解し、OTF、4−ヒドロキシブチルアルデヒドを経由して容易に2,3DHFとなる。
この時生じた2,3DHFが重合してなるアセタールポリマーは官能基として水酸基を多く含み、特定の条件下では一種の多官能ポリオールとなる。
上記アセタールポリマーは特に反応器液相中の水分濃度が低すぎる場合は、反応器内で脱水反応が容易に進行し、炭素−炭素共役二重結合が生成する。更に脱水反応が進行するとアセタールポリマーから親水性官能基が失われ疎水性のポリマーとなり、反応器内で固形物が析出する。
上記の理由から、アセタールポリマーの生成量を低減するためには、2,3DHFの生成量を低減する必要があった。本発明では、2,3DHFの前駆体となる反応器液相中のOTF濃度を特定の範囲とすることで、反応器液相中の固形物の生成および2,3DHFの生成量を低減することができ、長期間安定的に運転を継続することが出来ると共に、2,3DHFの除去に要するTHFの精製負荷を下げることが可能となった。
原料1,4BG中のBGTFの濃度が低すぎると、原料1,4BGの精製に多大なコストが必要となり工業的に好ましくない傾向にある。一方、原料1,4BG中のBGTFの濃度が高すぎると、固形物の析出が起こり、反応器に付着して連続運転が阻害される恐れがある。
本発明のTHFの製造方法は、1,4BGを原料に用い、反応器液相中のOTF濃度を特定の濃度範囲に制御することを必要とする。
。
反応蒸留形式では、反応温度や各種条件を制御することで、反応器液相中での1,4BG脱水環化反応による水の生成速度や、反応器内液相部と気相部の水の気液平衡による分配率が変わり、反応器内の水分量を特定の範囲内で制御することが可能である。また、反応で生成するTHF及び水を含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮する液の還流比を制御することで、反応器外へ抜き出すTHFと水の流量比が変わり、THFより揮発性の低い水を反応器内に保持し、特定の範囲内に制御することも可能である。更には、系外から水を連続的又は断続的に供給し、特定の範囲内に制御することも可能である。
上記割合が高すぎる場合には、OTFだけでなく未反応原料や他の不純物も気層部に含まれやすいことから、工業的に好ましくない傾向があり、低すぎる場合には、反応器内液相中のOTF濃度を制御することが困難になる傾向にある。
が好ましく用いられる。酸触媒としては、通常、陽イオン交換樹脂、硫酸化ジルコニア、フルオロスルホン酸含有樹脂(例えばNafion(DuPont社 登録商標))等の不均一系触媒、硫酸、硝酸、リン酸、ヘテロポリ酸(リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸)、スルホン酸化合物等の均一系触媒が挙げられ、中でも均一系触媒が好ましく用いられる。均一系触媒の中でも、触媒活性や使用温度範囲が広く、取り扱いが簡便であるという観点から、スルホン酸化合物がより好ましく、有機スルホン酸が更に好ましい。有機スルホン酸の具体例として、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、オルトトルエンスルホン酸、メタトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸誘導体、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸などの鎖状の炭化水素スルホン酸誘導体が挙げられる。これらは一種または複数で用いてもよく、また炭素骨格内にスルホン酸以外の官能基を有していてもよい。これらの具体例の中でも、特に好ましくはパラトルエンスルホン酸である。
また、本発明の反応器には、脱水環化反応を均一に効率よく行うため攪拌機が備えられていることが好ましい。更に、反応性を損なわない範囲で攪拌機に準ずる混合方法であってもよい。攪拌機は特に限定されるものではなく、通常、電動モーター、軸、攪拌機から構成されるがその攪拌翼も形状を問わない。攪拌機に準ずる混合方法としても特に限定されるものではなく、反応に対して不活性なガスを液相部に供給する方法、液相部の一部を系外に抜き出して再度反応器に戻す方法、反応器内部での対流による混合方法などが挙げられる。
る。理論段が多すぎると塔が大きくなりすぎ、設備建設のための経済性が悪化する傾向がある。
この蒸留塔や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、酸触媒による腐食は反応器と比べて軽減されるため、SUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられる。
る1波長以上が好ましい。特定波長の吸光度が上昇することは即ち共役二重結合を多く含む長鎖化合物が生成していることであり、反応器内のアセタールポリマー濃度が増加し、アセタールポリマーの脱水反応が進行してできる固形物が析出しやすくなることを示す。
以下の実施例において、水分の分析はカールフィッシャー法を用いて行った。有機成分の分析はガスクロマトグラフィー(装置:島津製作所製、型番GC−2014、カラムDB−1)により行い、面積百分率により算出した。尚、100重量%から水分濃度を差し引いた値を算出し、その値から残る成分の割合(重量%)をガスクロマトグラフィーの各成分の面積百分率により計算した。尚、310nmの吸光度は島津製作所製の「UV−2400」により測定した(光路長1mm、光路幅10mmの合成石英製密閉セルを使用)。このブランク測定には純水を用いた。
液粘度は東機産業製EH型粘度計ViScometerTV−22型を用いて、3゜×14mmRコーンプレートを使用して100rpmで液温度25℃における粘度を測定した。
<反応器内液相中の溶液の調製方法>
ガラス製の300ml反応器を用いて、且つ槽上部に理論段として4段の不規則充填物を充填した塔を有し、その塔頂部に熱交換器であるコンデンサで生成するガスを冷却する冷却管を使用した。冷却用の冷媒にはナイブライン(MORESCO社 登録商標)を使用し、
反応器の加熱はオイルバスを用いて行った。原料として、BGTFを0.037〜0.248重量%の範囲で含む1,4BGを用いた。それぞれの原料1,4BGを70g、パラトルエンスルホン酸0.28g(0.4重量%)を仕込み、オイルバスを使用して反応器内の液相部の内温度を150℃まで加熱し、内液温度が150℃に安定した後、反応で生成するTHFと水を含むガスをコンデンサで凝縮し得られる凝縮液は生成液として反応器外にある貯槽に抜き出した。冷却器部位の内温度は90℃であった。以上の反応条件で1,4BGの脱水環化反応を連続的に行い、THFを生成させた。反応器の気相部から生成ガスとして排出され、冷却器で凝縮されたTHFと水を含む凝縮液を40g/hrで得て、反応器外の貯槽に抜き出した。また、液相量を70gとなるよう調整し、その後、液相
量を一定に保持するために原料1,4BGを40g/hrで連続的に反応器に供給した。反応器の液相部からの抜き出し量は0.0g/hrとして排出しなかった。液相部容量に対する原料1,4BGの流量比は3.5倍であった(滞留時間として考えると3.5hr)。その際、パラトルエンスルホン酸を0.8mg/hrの量となるように原料1,4BGに溶解し、あわせて連続的に添加した。反応開始から90時間を経過した時点で原料1,4BGの供給を停止した。この時点での反応器内液相中の溶液の310nmの吸光度を測定した。
上記実験により調整した反応器内液相中の溶液をガラス製の時計皿に20g入れて、ホットプレートを用いて加熱した。壁温150℃で約2時間加熱し、250℃で約1時間加熱した後の残渣量から固形物収量を求めた。
上記方法により得た反応器内液相中の溶液のUVスペクトル値と乾固処理により得た固形物収量を表1に示すと共に、これらの結果から得られた一次直線の近似式を図1に示す。
1,4BGを50重量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量2000、三菱化学社製)50重量%の混合液を反応液内液のモデル液とし、このモデル液に対する固形物の溶解度を測定した。固形物としてそれぞれ3.0重量%、5.3重量%、7.1重量%、9.6重量%、12.6重量%となるようモデル液と固形物を混ぜ合わせ、180℃以上まで加熱した後に温度を徐々に下げ、目視で固形物が析出する温度を飽和温度とした。
飽和温度と固形物濃度から一次直線の近似式を導き出し、特定温度での溶解度を求めた。本発明における固形物の溶解度は145℃で10.47wt%であった。
固形物換算濃度と反応時間より1時間あたりの固形物濃度の変化量を求めた後、1時間あたりの固形物濃度の変化量から、固形物の溶解度を超えるまでに必要な反応時間を析出開始時間とした。
本発明においては、固形物の溶解度は145℃における溶解度(10.47wt%)を用いた。
反応器内ガスを留出させるためのガラス製冷却管と、原料導入管を備えたガラス製の200ccフラスコ反応器に、あらかじめBGTFを0.394重量%含む1,4BGを70g、パラトルエンスルホン酸(pKa値−2.8)を0.28g(フラスコ内の1,4BG液に対して0.4重量%)を仕込み、オイルバスを使用してフラスコ反応器内温度(設定温度)を140℃まで加熱して脱水環化反応を開始した。尚、反応圧力は大気圧であった。フラスコ反応器内の液温度が140℃に安定した後、フラスコ内気相部から生成物であるTHFと水を含むガスを冷却管から87℃にして排出し、更に冷却器で凝縮してTHFを含む凝縮液を7.5g/hrで抜き出した。同時にフラスコ内の液相量を一定に保持するために、反応器内に導入していた原料と同じ組成の原料1,4BGとパラトルエンスルホン酸の混合液を原料導入管から、抜き出し速度と同じ導入速度で連続的にフラスコに供給した。上記混合液は、原料1,4BG中に連続追加分のパラトルエンスルホン酸を20重量ppmとなるように溶解して供給した。
反応条件は、フラスコ内の液容量に対する原料1,4BGのフラスコ内の平均滞留時間は9.3hrとし、得られた凝縮液の組成は、THF78重量%、水22重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。
この間、フラスコ内の液相部からの液抜き出しは実施せず、フラスコ内に全量溜め込んで反応を行なった。反応器内の液に含まれるパラトルエンスルホン酸の濃度は0.40重量%で開始され、停止までに0.43重量%まで増加した。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.53g、反応器内液の水分濃度は6.5重量%(Wは4.4g)であり、前記式(1)に示すθの値は0.009であった。
反応器内の液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.34であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は薄黄色く着色していた。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.5wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は286時間であった。
結果を表2に示す。
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を160℃に変更し、平均滞留時間を3.5hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF81重量%、水19重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。18.5時間反応を継続した(反応時間T=18.5)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.55g、反応器内液の水分濃度は4.8重量%(反応器内水分重量(W)は3.2g)であり、前記式(1)のθの値は0.026であり、反応器内の液の310nmの吸光度は0.49であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は黄色く着色していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は2.2wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は88時間であった。
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を180℃に変更し、平均滞留時間を0.9hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF80重量%、水20重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。4.3時間反応を継続した(反応時
間T=4.3)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.72g、反応器内液の水分濃度は1.9重量%(反応器内水分重量(W)は1.3g)であり、前記式(1)のθの値は0.308であり、反応器内の液の310nmの吸光度は0.83であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られなかったが、液はこげ茶色に着色し、透明度も低下していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は3.8wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は12時間であった。
SUS316L製の500L反応器を有し、且つ槽上部に理論段として4段の不規則充填物を充填した塔を有し、その塔頂部に熱交換器であるコンデンサで生成するガスを冷却する設備を使用した。冷却用の冷媒には水を使用し、反応器の加熱はジャケット式、熱媒(オイル)を用いて行った。原料のBGTFを0.2重量%含む1,4BGを400L、パラトルエンスルホン酸800g(0.2重量%)を仕込み、熱媒を使用して反応器内の液相部の内温度(設定温度)を145℃まで加熱し、内液温度が145℃に安定した後、反応で生成するTHFと水を含むガスをコンデンサで凝縮し得られる凝縮液は生成液として反応器外にある貯槽に抜き出すとともに、その一部を反応器の上部の冷却器下に液として再導入して還流を行った。冷却器部位の内温度は87℃であった。
反応開始から40時間を経過した時点で原料1,4BGの供給を停止した。この時点でのBGTF積算重量(B)は5655g、反応器内液の水分重量(W)は7888gであり、前記式(1)のθに示す値は0.018であり、反応器内の液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.40であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は黄色く着色していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.8wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は238時間であった。
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を110℃となるように変更し、1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造したが、平均滞留時間が613hrとなり、実質的にTHFを製造できなかった。
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を210℃に変更し、平均滞留時間を0.27hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応
を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF81重量%、水19重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。1.5時間反応を継続した(反応時間T=1.5)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.81g、反応器内液の水分濃度は1.3重量%(反応器内水分重量(W)は1.0g)であり、前記式(1)のθの値は1.207であり、反応器内の液の310nmの吸光度は1.013であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られなかったが、液はこげ茶色に着色し、透明度も低下していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は4.7wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は3時間であった。
ガラス製の1200ccフラスコ反応器に、BGTFを0.28重量%含む1,4BGを1000g、パラトルエンスルホン酸(pKa値−2.8)を2g(フラスコ内の1,4BGに対して0.2重量%)を仕込み、塔径35mm、理論段が5段のオルダーショウ型蒸留塔を使用して、塔頂の圧力を常圧、液相部の温度(設定温度)を145℃でバッチ反応蒸留による脱水環化反応を実施した。この時、還流比を0.1とした。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(17重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.03g(37重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は100gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(120重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は14.2%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.17であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は薄い黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.01wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は31時間であった。
原料をBGTF濃度が0.59重量%である1,4BGに変更した以外は実施例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(25重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.04g(50重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.06g(260重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は9.6%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.16であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は薄い黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は0.96wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は33時間であった。
原料をBGTF濃度が1.13重量%である1,4BGに変更した以外は実施例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.04g(55重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.07g(100重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.08g(336重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は16.4%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.54であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は2.80wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は11時間であった。
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更し、理論段が1段のオルダーショウ型蒸留塔を使用した以外は実施例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.12g(161重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.14g(190重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.11g(507重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は31.8%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は2.16であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は10.64wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は3時間であった。
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更した以外は実施例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフラン
が0.05g(131重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.17g(227重量ppm)含まれていた。また、反応釜に残った濃縮液は230gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.24g(625重量ppm)含まれていた。この時のOTF比率は21.0%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は2.57であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は12.64wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は2時間であった。
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更し、還流比を5.0に変更した以外は実施例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を739g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.05g(67重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.24g(327重量ppm)含まれていた。また、反応釜に残った濃縮液は231gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.19g(855重量ppm)含まれていた。この時のOTF比率は7.8%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は3.65であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は17.87wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は2時間であった。
Claims (17)
- 1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことによりテトラヒドロフランを得るにあたり、反応器内液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
- 2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランを含む1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことによりテトラヒドロフランを得るにあたり、下記一般式(1)のθ値が0.001以上0.5以下の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
θ=B/(W・T) (1)
(上記式(1)中、Tは反応時間(hr)、Bは反応時間Tにおける2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフラン積算重量(g)、Wは反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)、を示す。) - 1,4−ブタンジオールを反応器に供給し、酸触媒の存在下で脱水環化反応を行なうことにより、テトラヒドロフランを得るにあたり、脱水環化反応を反応蒸留法で行い、かつ、反応器内液相中の2−ヒドロキシテトラヒドロフラン濃度を500重量ppm以下の範囲とするテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記1,4ブタンジオールが、2−(4−ヒドロキシブトキシ)−テトラヒドロフランを0.001〜5.0重量%含んでいる請求項1〜3のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 脱水環化反応を反応蒸留法で行う請求項1又は2に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記酸触媒がpKa値4以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記酸触媒が均一系酸触媒である請求項1〜6のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器液相中の酸触媒の濃度を0.01〜20重量%の範囲に制御する請求項1〜7のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器内の液相部の温度が80〜250℃の範囲である請求項1〜8のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記酸触媒が有機スルホン酸である請求項1〜9のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記pKa値が4以下の酸触媒を1,4−ブタンジオール、テトラヒドロフラン又は水に溶解し、反応器に供給する工程を更に有する請求項1〜10のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器内の液相部溶液の25℃における粘度を50mPa・s以上1300mPa・s以下の範囲とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器内の液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とする請求項2〜12のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器内の気相部に存在するテトラヒドロフラン及び水を含むガスを反応器外へ抜き出す請求項1〜13のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記反応器内の気相部に存在するテトラヒドロフラン、水及び2−ヒドロキシテトラヒドロフランを含むガスを反応器外へ抜き出す請求項1〜14のいずれか一項に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記2−ヒドロキシテトラヒドロフランを反応器外へ抜き出すにあたり、液相中に含まれる2−ヒドロキシテトラヒドロフランの重量濃度に対する、気相中に含まれる2−ヒドロキシテトラヒドロフランの重量濃度の割合が、10%〜70%の範囲である請求項15に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
- 前記2−ヒドロキシテトラヒドロフランを反応器外に抜き出すにあたり、反応蒸留形式の反応器を用いて、その蒸留塔の還流比を0.01〜4.0の範囲とする請求項15又は16に記載のテトラヒドロフランの製造方法。
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