JP3904532B2 - ブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法及びポリブチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はブチレンテレフタレートオリゴマー及びポリブチレンテレフタレートの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリブチレンテレフタレート(以下、「PBT」と称することがある)は、成形加工性に優れ、更に機械的特性や電気的特性等にも優れるため、従来からエンジニアリングプラスチックとして電気部品や自動車部品などの射出成形品分野において広く用いられており、近年は、PBTの有する保香性や耐薬品性等の特性により、フィルム分野においても注目されている。
【0003】
一般に、このような各種の用途に使用されるPBTの製造法の1つとして、テレフタル酸(以下、「TPA」と称することがある)と1,4−ブタンジオール(以下、「BG」と称することがある)とからブチレンテレフタレートオリゴマー(以下、単にオリゴマーと称することがある)を製造するエステル化工程と、生成したオリゴマーを高重合度化する重縮合工程とからなる直接重合法がある。
この直接重合法に使用されるBGは、種々の方法により製造されており、通常、種々の不純物が含まれている。その中で特に多く含まれているのが、2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン(以下「BGTF」と称することがある)である。通常、工業的に製造されるBG中のBGTFは、0.1〜0.2wt%程度の含有量である。
【0004】
また、ブタジエンを原料とする方法によって製造されたBGには、特に1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタン(以下「HAB」と称することがある)が多く含まれている。
更には、もう1つの原料であるTPAは、p−キシレンの空気酸化による方法で製造され、このTPA中には、製造工程で溶媒として使用される酢酸が精製後においても約0.003〜0.3重量%程度含まれている場合がある。酢酸を含有するTPAを用いてPBTを製造する場合には酢酸が容易にBGと反応してHABに転化することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、PBTの製造法において、経済的観点からエステル化工程で使用されるBGには、重縮合反応で留出するBGをそのまま回収再利用する方法があり、BGTFやHABを含有するBGを使用してPBTを製造する場合には、回収BG中にBGTFやHABが含まれることになる。
【0006】
BGTFやHABの沸点はBGの沸点に近接しているために分離することは困難であり、その結果として回収BG中にBGTFやHABが蓄積され、高濃度化されることになる。このようなBGTFやHABを含有するBGを原料の一部として使用すると、エステル化反応及びそれに続く重縮合反応が完結しないことがあり、PBT製造の経済性を大幅に損なう恐れがある。BGTFは、着色の増大の原因となることが示されており(例えば、特許文献2参照)この点についても工業生産上問題となる。HABは、エステル化反応及びそれに続く重縮合反応が遅延する原因となることが記載されている(例えば、特許文献3,4参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−48968
【特許文献2】
特開平10−265418号公報
【特許文献3】
特開昭61−233015号公報
【特許文献4】
特開昭61−233016号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン(BGTF)や
1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)を含有する1,4−ブタンジオール(BG)を使用してポリブチレンテレフタレート(PBT)を製造するに際して上記の反応阻害の影響を実質的に排除し、生産性良くPBTを製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、重合性や色調を悪化させる原因でありしかもその沸点が1,4−ブタンジオール(BG)の沸点に近いためBGから分離しにくい2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン(BGTF)を、より低沸点化
合物である2,3−ジヒドロフラン(以下「DHF」と称することがある)及びまたは2−ヒドロキシテトラヒドロフラン(以下「OTF」と称することがある)に変換した状態で反応系外に留出させることにより、
同様に1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)を、より低沸点化合物である酢酸に変換した状態で反応系外に留出させることにより、エステル化反応及びそれに続く重縮合反応を円滑に行う事が可能であることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
即ち、本発明の要旨は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとをエステル化反応させ、ブチレンテレフタレートオリゴマーを製造する方法において、エステル化反応の反応温度が210〜260℃、反応圧力が60〜90kPaであり、エステル化反応槽に蒸留塔が付設されており、当該蒸留塔の運転条件が圧力60〜90kPa、塔底温度150〜220℃であり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの一部又は全部がエステル化反応系中及び/又は蒸留塔中で2,3−ジヒドロフラン及びまたは2−ヒドロキシテトラヒドロフランに変換されるものであり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランのモル数に対してその50%以上のモル数の2,3−ジヒドロフラン及びまたは2−ヒドロキシテトラヒドロフランをエステル化反応槽に付設した蒸留塔を介して系外に除去する事を特徴とするブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法に存する。
【0011】
本発明の別の要旨は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとをエステル化反応させ、ブチレンテレフタレートオリゴマーを製造する方法において、エステル化反応の反応温度が210〜260℃、反応圧力が60〜90kPaであり、エステル化反応槽に蒸留塔が付設されており、当該蒸留塔の運転条件が圧力60〜90kPa、塔底温度150〜220℃であり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)の一部又は全部がエステル化反応系中及び/又は蒸留塔中で酢酸に変換されるものであり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)のモル数に対してその20%以上のモル数の酢酸及びまたは1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)をエステル化反応槽に付設した蒸留塔を介して系外に除去する事を特徴とするブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法に存する。
本発明の別の要旨は、上記の方法によりブチレンテレフタレートオリゴマーを製造し、引き続き重縮合反応を行うことを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明におけるポリブチレンテレフタレート(PBT)とは、TPA単位及びBG単位がエステル結合した構造を有する高分子であり、ジカルボン酸単位の50モル%以上がTPA単位からなり、ジオール成分の50モル%以上がBG単位から成るものを言う。中でも全ジカルボン酸単位の内、70モル%以上、さらには80モル%以上、特には95モル%以上をTPA単位が占めることが好ましく、ジオール単位の内、70モル%以上、さらには80モル%以上、特には95モル%以上をBG単位が占めることが好ましい。TPA単位またはBG単位が50モル%より少ないとポリブチレンテレフタレートの結晶化速度が低下し、成形性の悪化を招く。
また、本発明においてブチレンテレフタレートオリゴマーとは、TPA単位とBG単位のそれぞれ2〜5個によって構成されたオリゴマーである。
【0013】
本発明において、TPA以外のジカルボン酸成分に特に制限はなく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4′−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0014】
これらジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、またはジカルボン酸のアルキルエステル、好ましくはジアルキルエステルとして反応に供与することができ、ジカルボン酸とジカルボン酸アルキルエステルの混合物としてもよい。ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル基に特に制限はないが、アルキル基が長いとエステル交換反応時に生成するアルキルアルコールの沸点の上昇を招き反応液中から揮発せず、結果的に末端停止剤として働き重合を阻害するため、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、中でもメチル基が好適である。
【0015】
本発明において、BG以外のジオール成分に特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオールなどを挙げることができる。
【0016】
本発明においては、さらに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの三官能以上の多官能成分などを共重合成分として用いることができる。
【0017】
本発明において、PBTは上記ジオールと上記ジカルボン酸をエステル化してブチレンテレフタレートオリゴマーとし、次いで重縮合することにより製造される。本発明の製造法は回分法でも連続法でも行われるが連続法のほうが経済的観点から好ましい。
また、酸成分とジオール成分の比は、BGの分解によるテトラヒドロフランが副生するために、ジオール成分の酸成分に対するモル比(P)が1.1〜3.0であることが好ましく、さらには1.1〜2.0が好ましい。
【0018】
本発明におけるエステル化反応は、反応温度210〜260℃、好ましくは210〜245℃、特に好ましくは210〜235℃の温度、また、60〜90kPa(450〜677torr)の圧力で行う。エステル化反応後に得られるブチレンテレフタレートオリゴマーの反応率は90%以上である。
エステル化反応により生成するブチレンテレフタレートオリゴマーの数平均分子量は1000以下であることが好ましく、更に好ましくは500〜1000である。また、TPA単位及びBG単位は好ましくはそれぞれ2〜5個であり、更に好ましくは3〜4個である。
【0019】
本発明におけるエステル化反応は蒸留塔を付設した反応槽で蒸留塔上部より副生する水及びテトラヒドロフランを、下部より過剰のBGを留出させつつ行う。ここでエステル化反応槽及び蒸留塔内にはエステル化反応で生じた水と副反応である1,4−ブタンジオールの脱水反応により生じた水とテトラヒドロフランが存在する。このエステル化反応槽及び蒸留塔内を好ましい温度、圧力で操作することにより分子内にアセタール結合を有するBGTFと副生した水とが反応してOTFとBGが生成する。また、OTFが脱H2OしてDHFになる場合もある(これは可逆反応であり、DHFにH2Oが付加してOTFが生成する)。DHFやOTFの沸点はBGやBGTFに比べて低い。これを利用してDHF、OTFを反応系外へBGと分離して副生する水及びテトラヒドロフランと共に留出させる。この方法により回収BG中にBGTFが蓄積するのを回避することが出来る。
同様にエステル化反応槽及び蒸留塔内を好ましい温度、圧力で操作することによりHABが副生した水と反応して酢酸とBGが生成する。酢酸の沸点110℃は水と同程度であるので、これを利用して酢酸を反応系外へBGと分離して副生する水及びテトラヒドロフランと共に留出させる。条件によっては、一部のHABはそのまま留出する。この方法により回収BG中にHABが蓄積するのを回避することが出来る。
【0020】
本発明においてはエステル化反応槽に供給されるBG中に不純物として含有されるBGTFのモル数に対してその50%以上のDHF及び/またはOTFをエステル化反応槽に付設した蒸留塔の上部から留出させることが必要であり、DHF及び/またはOTFの留出量が50%未満の場合には、BGTFの蓄積が起こり反応に不都合を生じる。
連続法の場合には、エステル化反応槽に連続的に供給されるBG中のBGTF量と蒸留塔上部から留出するDHF及び/またはOTF量との関係が、下記式(I)を満たすようにDHF及び/またはOTFを留出させる。 であるようにDHF及び/またはOTFを蒸留塔の上部からと共に留出させて反応を行う。
A×0.5 ≦ B+C ≦ A (I)
(但し、Aはエステル化反応槽に供給される原料である1,4−ブタンジオール中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの供給量(mol/hr)を、Bは蒸留塔上部留出液中の2,3−ジヒドロフランの留出量(mol/hr)を、Cは蒸留塔上部留出液中の2−ヒドロキシテトラヒドロフラン の留出量(mol/hr)を示す)
【0021】
同様に本発明においてはエステル化反応槽に供給されるBG中に不純物として含有されるHABのモル数に対してその20%以上の酢酸及びまたはHABをエステル化反応槽に付設した蒸留塔の上部から留出させることが必要であり、酢酸及びまたはHABの留出量が20%未満の場合には、HABの蓄積が起こり反応に不都合を生じる。
連続法の場合には、エステル化反応槽に連続的に供給されるBG中のHAB量と蒸留塔上部から留出する酢酸及びまたはHAB量との関係が、下記式(II)を満たすように酢酸及びまたはHABを留出させる。 であるように酢酸及びまたはHABを蒸留塔の上部からと共に留出させて反応を行う。
D×0.20 ≦ E+F ≦ D (II)
(但し、Dはエステル化反応槽に供給される原料である1,4−ブタンジオール中の1−アセトキシー4−ヒドロキシブタンの供給量(mol/hr)を、Eは蒸留塔上部留出液中の酢酸の留出量(mol/hr)を、Fは蒸留塔上部留出液中の1−アセトキシー4−ヒドロキシブタンの留出量(mol/hr)を示す)
【0022】
蒸留塔上部より留出させた留分は水とテトラヒドロフランが主体であるのでPBT製造工程にて使用しないが、水とテトラヒドロフランを分離することによりそれぞれ別の用途に利用することができる。また、蒸留塔下部より留出した回収BGは精製せずに原料BGの一部として使用することができる。
エステル化反応槽に付設の蒸留塔の運転条件としては、圧力はエステル化反応槽と同じで、60〜90kPa(450〜677torr)である。
この圧力範囲において蒸留塔塔頂の温度は、80℃〜100℃が好ましく、蒸留塔塔底の温度は、150℃〜220℃、更に好ましくは170℃〜210℃、最も好ましくは180℃〜200℃である。なお、本発明において塔頂温度とは、蒸留塔の最上部に近接した気相部分の温度であり、工業的な規模の蒸留塔であれば、蒸留塔最上部からおよそ30〜200cm下の部分の温度である。また、塔底温度とは、蒸留塔の最下部に近接した液相部分の温度であり、工業的な規模の蒸留塔であれば、蒸留塔最下部からおよそ30〜100cm上の部分の温度である。
【0023】
エステル化反応においては、通常使用されている触媒、例えばテトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が代表的なものとして挙げられ、その使用量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂に対してチタン原子として、通常1〜250ppm、好ましくは5〜200ppm、さらに好ましくは5〜150ppm、特に好ましくは20〜100ppm、中でも30〜90ppmが好適である。又、エステル化反応触媒として、前記チタン化合物の他に、例えば、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物等を用いることができる。
【0024】
エステル化反応で得られたブチレンテレフタレートオリゴマーは重縮合反応工程に移され、通常のPBTの製造に用いられる重合条件をそのまま適用することができ、例えば反応温度としては210〜280℃、好ましくは220〜265℃である。圧力は27kPa(200torr)以下、好ましくは20kPa以下(150torr)、特に好ましくは13kPa以下(98torr)である。
【0025】
重縮合反応触媒としては、エステル化反応時に添加したエステル化反応触媒を引き続いて重縮合反応触媒として用いることとして新たな触媒の添加を行わなくてもよいが、エステル化反応時に添加したエステル化反応触媒と同じ前記触媒を更に添加してもよく、そのときの使用量は、エステル化反応触媒と重縮合触媒の総量がポリブチレンテレフタレート樹脂に対してチタン原子として、通常1〜250ppm、好ましくは5〜200ppm、さらに好ましくは5〜150ppm、特に好ましくは20〜100ppm、中でも30〜90ppmが好適である。又、エステル化反応時に添加したエステル化反応触媒とは異なる、例えば、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物等を新たに添加してもよい。
【0026】
又、前記エステル化反応、又は/及び、重縮合反応において、前記触媒の他に、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、及びそれらのエステルや金属塩等の燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物等の反応助剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3′,5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物等の抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸及びそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤等の他の添加剤を存在させてもよい。
【0027】
本発明においては、重縮合工程から留出するBGの一部もしくは全部を精製せずに原料BGとして再利用することができる。
又、PBTの重合度を一層高めるために、上記の重縮合反応から得られたPBTをペレット化後固相重合することができる。本発明の固相重合方法には、特別の制限はなく、PBTの融点以下の反応温度であれば、不活性ガス気流下でも真空下でも、また連続式でも回分式でもよく、製造形式は充填塔式、横型クリンカー式、タンブラー式などを用いることができる。
【0028】
本発明の製造方法によって得られたPBTは、フェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて30℃で測定した固有粘度が0.5〜1.5dL/gであることが好ましく、0.6〜1.4dL/gであることがより好ましく、0.7〜1.3dL/gであることがさらに好ましい。固有粘度が0.5dL/g未満であると、成形品の機械的強度が不十分となるおそれがある。固有粘度が1.5dL/gを超えると、溶融粘度が高くなり、流動性が悪化して、成形性が不良となるおそれがある。
【0029】
【実施例】
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
実施例比較例における種々の測定方法は、次の通りである。
1) 留出液中のテトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオール(BG)、2,3−ジヒドロフラン(DHF)、2−ヒドロキシテトラヒドロフラン(OTF)、2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン(BGTF)、1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン(HAB)、酢酸の濃度(重量%):ガスクロマトグラフ法で求めた。
2)留出液中の水分濃度(重量%):
留出液を精評し、カールフィッシャー水分計にて水分μg量を測定し、留出液に対する留出液中の水分の重量の割合を求めた値とした。
【0030】
3)エステル化反応率:
反応率(%)=((ケン化価−酸価)/ケン化価)×100
なお、ここで、酸価はオリゴマーをジメチルホルムアミドに溶解しアルカリ滴定した値であり、ケン化価はオリゴマーをアルカリ加水分解し酸で逆滴定して得た値である。
4)末端カルボキシル基濃度:
ポリブチレンテレフタレート樹脂またはオリゴマー0.5gをベンジルアルコール25mLに溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を用いて滴定した。ポリブチレンテレフタレート樹脂における末端カルボキシル基濃度が小さいほど、耐加水分解性が良好なことを示す。
【0031】
5)末端ビニル基濃度:
ポリブチレンテレフタレート樹脂またはオリゴマーをヘキサフルオロイソプロパノール/重クロロホルム=3/7(v/v)に溶解させ、共鳴周波数400MHzの1H−NMRを測定し求めた。ビニル基濃度が低い方が、ポリブチレンテレフタレート樹脂製造中の副反応が少なかったことを示すと同時に固相重合性に優れることを表す。
6)末端グリコール基濃度:
ポリブチレンテレフタレート樹脂またはオリゴマーをヘキサフルオロイソプロパノール/重クロロホルム=3/7(v/v)に溶解させ、共鳴周波数400MHzの1H−NMRを測定し求めた。
【0032】
7)オリゴマーの数平均分子量:
数平均分子量=2000000/(総末端基濃度 eq/t) から求めた。(但し、総末端基濃度=末端カルボキシル濃度+末端グリコール濃度+末端ビニル濃度とした。eq/t:1トン当たりの当量)
【0033】
8)固有粘度:
実施例及び比較例により得られたプレポリマー、ポリマーをフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒として、ウベローデ型粘度計を用いて30℃で測定することにより求めた。
9)色調b値:
実施例及び比較例により得られたポリマーを日本電色工業(株)製「測色色差計」にて測定した。
【0034】
[実施例1]
以下の実施例について図1を用いて説明する。
TPA1モルに対してBGTFを1重量%含有するBGを1.8モルの割合で両原料を原料供給口1a、1bからスラリー調製槽1に供給し、攪拌装置で混合して調製したスラリー2236重量部/Hr(TPA6.81モル部/Hr、BG12.26モル部/Hr)を温度230℃、圧力78.7kPa(590mmHg)に調整したエステル化反応槽2に連続的に供給すると共に、触媒供給口2iからテトラ−n−ブチルチタネート1.06重量部/Hrを連続的に供給し、攪拌装置による攪拌下に滞留時間3時間としてエステル化反応させて、エステル化反応率97.5%のオリゴマーを得た。こうして得られたブチレンテレフタレートオリゴマーの数平均分子量は約750であった。
【0035】
エステル化反応で副生する成分は、エステル化反応槽2に付設したラシヒリングを充填した蒸留塔2gに連続的にガスとして配管2aから導入され、配管2bを通って冷却コンデンサ2cで冷却され液体となり1部は、配管2eから液として還流した。蒸留塔の塔底温度が195℃,塔頂温度が95℃になるように還流をコントロールした。この際、蒸留塔の圧力は、エステル化反応槽2と同じ78.7kPa(590mmHg)で操作した。還流液は配管2eを通り蒸留塔へ還流され、還留液以外の液は配管2dをとおりタンク5に貯蔵した。配管2dを通った液は反応系外に除去されたものである。
【0036】
蒸留塔の塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は99.1重量%であった。
配管2dから留出された留出液は350重量部/hrであった。この留出液中のTHF濃度は34.0重量%、H2O濃度は64.0重量%、そしてOTF濃度は1.22重量%であった。これは供給原料BG中のBGTF供給速度は、0.069モル部/hrであり、留出したOTFは0.049モル部/hrであったことになり留出比率は0.705であった。
【0037】
エステル化反応により得られたオリゴマーを温度250℃、圧力2.66kPa(20mmHg)に調整した第1重縮合反応槽3に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間2時間で重縮合反応させ、固有粘度0.250dl/gのプレポリマーを得た。そのプレポリマーは温度250℃、圧力0.133kPa(1mmHg)に調整した第2重縮合反応槽4に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間3時間で重縮合反応を更に進めて、固有粘度0.872dl/gのポリマーを得、そのポリマーをポリマー抜き出しダイに移送し、ストランド状に抜き出して、ペレタイザー7でカッティングしてペレット状として、PBT樹脂ペレットを製造した。得られたペレットの色調b値は1.8であった。
なお、反応条件、BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性等は第1表にまとめて示す。
【0038】
[実施例2]
実施例1において、BGTF含量が0.5重量%のBGを使用としたこと以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は351重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は34.7重量%、H2Oの濃度は63.9重量%、そしてOTF濃度は0.62重量%であった。BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す。
【0039】
[実施例3]
実施例1において、BGTF含量が0.1重量%のBGを使用したこと以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は352重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は35.0重量%、H2Oの濃度は64.1重量%、そしてOTF濃度は0.12重量%であった。
BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す。
【0040】
[実施例4]
実施例1の蒸留塔塔底留出液2hと第1重縮合反応槽3からの留出液3bと第2重縮合反応槽4からの留出液4bを全量BGとして再利用し、不足分BGは実施例1で使用したBGを使用して実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
この時エステル化反応槽に供給されるBG中のBGTF濃度は0.98重量%であった。
エステル化反応で留出した留出液量は351重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は34.1重量%、H2Oの濃度は64.1重量%、そしてOTF濃度は1.19重量%であった。
BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す。
【0041】
[比較例1]
実施例1において、蒸留塔の塔底温度が98℃,塔頂温度が95℃とした。塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は84.8重量%であった。
上記以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は352重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は35.2重量%、H2Oの濃度は64.2重量%、そしてOTF濃度は0.00重量%(検出されず)であった。
BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す。
【0042】
[比較例2]
実施例1において、蒸留塔の塔底温度が98℃,塔頂温度が95℃とした。塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は85.0重量%であった。
上記以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は353重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は35.2重量%、H2Oの濃度は64.1重量%、そしてOTF濃度は0.00重量%(検出されず)であった。
BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す。
【0043】
[比較例3]
実施例1において、BGTF含量が0.1重量%のBGを使用して、蒸留塔塔底留出液2hと第1重縮合反応槽3からの留出液3bと第2重縮合反応槽4からの留出液4bを全量BGとして連続的に再利用し、不足分BGはBGTF含量が0.1重量%のBGを使用して蒸留塔の塔底温度が110℃、塔頂温度が95℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。連続的に100時間実施し、エステル化反応、重縮合反応を行った。
連続100時間後にエステル化反応槽に供給されるBG中のBGTF濃度は0.35重量%であった。
エステル化反応で留出した留出液量は355重量部/Hr、留出液中のTHFの濃度は35.3重量%、水の濃度は64.1重量%、そしてOTF濃度は0.06重量%であった。
BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第1表に示す
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
[実施例5]
TPA1モルに対してBGTFを1重量%及びHABを1重量%含有するBGを1.933モルの割合で両原料を原料供給口1a、1bからスラリー調製槽1に供給し、攪拌装置で混合して調製したスラリー8233重量部/Hr(TPA24.22モル部/Hr、BG46.74モル部/Hr)を温度230℃、圧力78.7kPa(590mmHg)に調整したエステル化反応槽2に連続的に供給すると共に、触媒供給口2iからテトラ−n−ブチルチタネート3.77重量部/Hrを連続的に供給し、攪拌装置による攪拌下に滞留時間3時間としてエステル化反応させて、エステル化反応率97.5%のオリゴマーを得た。こうして得られたブチレンテレフタレートオリゴマーの数平均分子量は約750であった。
【0047】
エステル化反応で副生する成分は、エステル化反応槽2に付設したラシヒリングを充填した蒸留塔2gに連続的にガスとして配管2aから導入され、配管2bを通って冷却コンデンサ2cで冷却され液体となり1部は、配管2eから液として還流した。蒸留塔の塔底温度が185℃,塔頂温度が85℃になるように還流をコントロールした。この際、蒸留塔の圧力は、エステル化反応槽2と同じ78.7kPa(590mmHg)で操作した。還流液は配管2eを通り蒸留塔へ還流され、還流液以外の液は配管2dをとおりタンク5に貯蔵した。配管2dを通った液は反応系外に除去されたものである。
【0048】
蒸留塔の塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は99.1重量%であった。
配管2dから留出された留出液は1810重量部/hrであった。この留出液中のTHF濃度は40.1重量%、H2O濃度は57.9重量%、そしてDHF濃度は0.14重量%、OTF濃度は0.57重量%であった。BGTF供給速度は、0.263モル部/hrであり、留出したDHF、OTFの合計は0.154モル部/hrであったことになり留出比率は0.584であった。同様に酢酸濃度は0.53重量%、HAB濃度は0.27重量%であった。HAB供給速度は、0.319モル部/hrであり、留出した酢酸、HABの合計は0.198モル部/hrであったことになり留出比率は0.621であった。
【0049】
エステル化反応により得られたオリゴマーを温度250℃、圧力2.66kPa(20mmHg)に調整した第1重縮合反応槽3に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間2時間で重縮合反応させ、固有粘度0.250dl/gのプレポリマーを得た。そのプレポリマーは温度250℃、圧力0.133kPa(1mmHg)に調整した第2重縮合反応槽4に連続的に供給し、攪拌装置の攪拌下に滞留時間3時間で重縮合反応を更に進めて、固有粘度0.820dl/gのポリマーを得、そのポリマーをポリマー抜き出しダイに移送し、ストランド状に抜き出して、ペレタイザー7でカッティングしてペレット状として、PBT樹脂ペレットを製造した。得られたペレットの色調b値は3.4であった。
なお、反応条件、BGTF供給速度、OTF留出速度及びその比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性等は第2表にまとめて示す。
【0050】
[実施例6]
実施例1において、BGTF含量が0.5重量%及びHABを0.5重量%含有するBGをのBGを使用としたこと以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は1811重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.4重量%、H2Oの濃度は58.5重量%、そしてDHF濃度は0.08重量%、OTF濃度は0.30重量%であった。同様に酢酸濃度は0.18重量%、HAB濃度は0.09重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0051】
[実施例7]
実施例1において、BGTF含量が0.1重量%及びHABを0.1重量%含有するBGをのBGを使用したこと以外は、実施例1と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は1811重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.6重量%、H2Oの濃度は58.8重量%、DHF濃度は0.02重量%、OTF濃度は0.06重量%であった。同様に酢酸濃度は0.03重量%、HAB濃度は0.01重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0052】
[実施例8]
実施例5において、BGTF含量が0.5重量%及びHABを0.5重量%含有するBGを使用して、蒸留塔塔底留出液2hと第1重縮合反応槽3からの留出液3bと第2重縮合反応槽4からの留出液4bを全量BGとして連続的に再利用し、不足分BGはBGTF含量が0.5重量%のBGを使用して蒸留塔の塔底温度が185℃,塔頂温度が85℃としたこと以外は実施例1と同様に行った。連続的に200時間実施し、エステル化反応、重縮合反応を行った。
連続200時間後にエステル化反応槽に供給されるBG中のBGTF濃度は0.833重量%、同様にHAB濃度は、0.740重量%であった。
エステル化反応で留出した留出液量は1810重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.2重量%、H2Oの濃度は58.2重量%、DHF濃度は0.12重量%、OTF濃度は0.48重量%であった。同様に酢酸濃度は0.33重量%、HAB濃度は0.17重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0053】
[比較例4]
実施例6において、蒸留塔の塔底温度が98℃,塔頂温度が85℃とした。塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は84.8重量%であった。
上記以外は、実施例5と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は1812重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.6重量%、H2Oの濃度は58.8重量%、DHF濃度は0.04重量%、OTF濃度は0.00重量%であった。同様に酢酸濃度は0.01重量%、HAB濃度は0.00重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0054】
[比較例5]
実施例5において、蒸留塔の塔底温度が110℃,塔頂温度が85℃とした。塔底部からは、BGを主成分とする液を配管2fからエステル化反応槽2に一部戻すと共に、配管2hからタンク6に連続的に抜き出すように操作した。配管2hから留出された留出液中のBG濃度は94.1重量%であった。
上記以外は、実施例5と同様にエステル化反応、重縮合反応を行った。
エステル化反応で留出した留出液量は1813重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.5重量%、H2Oの濃度は58.8重量%、DHF濃度は0.04重量%、OTF濃度は0.12重量%であった。同様に酢酸濃度は0.04重量%、HAB濃度は0.00重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0055】
[比較例6]
実施例6において、BGTF含量が0.5重量%及びHABを0.5重量%含有するBGを使用して、蒸留塔塔底留出液2hと第1重縮合反応槽3からの留出液3bと第2重縮合反応槽4からの留出液4bを全量BGとして連続的に再利用し、不足分BGはBGTF含量が0.5重量%のBGを使用して蒸留塔の塔底温度が98℃,塔頂温度が85℃としたこと以外は実施例6と同様に行った。連続的に200時間実施し、エステル化反応、重縮合反応を行った。
連続200時間後にエステル化反応槽に供給されるBG中のBGTF濃度は1.61重量%、同様にHAB濃度は、1.31重量%であった。
エステル化反応で留出した留出液量は1813重量部/hr、留出液中のTHFの濃度は40.6重量%、H2Oの濃度は58.8重量%、DHF濃度は0.06重量%、OTF濃度は0.00重量%であった。同様に酢酸濃度は0.05重量%、HAB濃度は0.00重量%であった。
BGTF供給速度、DHF、OTF留出速度及びHAB供給速度、酢酸、HAB留出速度その比率、第1重縮合反応槽出口のプレポリマー物性、第2重縮合反応槽出口のポリマー(PBT)の物性は第2表に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】
【発明の効果】
本発明によりBGTF及びHABを含有するBGを使用してPBTを製造するに際してBGTF及びHAB起因の反応阻害、色調悪化の影響を実質的に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられるブチレンテレフタレートオリゴマー製造プロセス及びポリブチレンテレフタレート製造プロセスの一実施態様を示したフロー図である。
【符号の説明】
1 スラリー調整槽
1a、1b 原料供給口
2 エステル化反応槽
2a エステル化反応槽から蒸留塔への配管
2b 蒸留塔上部からコンデンサへの配管
2c コンデンサ
2d 系外へ排出するための配管
2e コンデンサから蒸留塔への環流配管
2f 蒸留塔下部からエステル化反応器への配管
2g 蒸留塔
2h 蒸留塔下部からリサイクルタンクへの配管
2i 触媒供給口
3 第1重縮合反応槽
3a 第1重縮合反応槽からコンデンサへの配管
3b リサイクルタンクへの配管
3c コンデンサ
4 第2重合反応槽
4a 第2縮重合反応槽からコンデンサへの配管
4b リサイクルタンクへの配管
4c コンデンサ
5 タンク
6 リサイクルタンク
6a リサイクルタンクからスラリー調整槽への配管
7 ペレタイザ
Claims (13)
- テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとをエステル化反応させ、ブチレンテレフタレートオリゴマーを製造する方法において、エステル化反応の反応温度が210〜260℃、反応圧力が60〜90kPaであり、エステル化反応槽に蒸留塔が付設されており、当該蒸留塔の運転条件が圧力60〜90kPa、塔底温度150〜220℃であり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの一部又は全部がエステル化反応系中及び/又は蒸留塔中で2,3−ジヒドロフラン及び/又は2−ヒドロキシテトラヒドロフランに変換されるものであり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランのモル数に対してその50%以上のモル数の2,3−ジヒドロフラン及び/又は2−ヒドロキシテトラヒドロフランをエステル化反応槽に付設した蒸留塔を介して系外に除去する事を特徴とするブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- エステル化反応槽に連続的に供給される1,4−ブタンジオール中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン含有量が0.05〜1.0重量%であり、下記式(I)を満たす量の2,3−ジヒドロフラン及び/又は2−ヒドロキシテトラヒドロフランを蒸留塔の上部から系外に除去することを特徴とする請求項1に記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
A×0.5 ≦ B+C ≦ A (I)
(但し、Aはエステル化反応槽に供給される原料である1,4−ブタンジオール中の2−(4′−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフランの供給量(mol/hr)を、Bは蒸留塔上部留出液中の2,3−ジヒドロフランの留出量(mol/hr)を、Cは蒸留塔上部留出液中の2−ヒドロキシテトラヒドロフランの留出量(mol/hr)を示す) - テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとをエステル化反応させ、ブチレンテレフタレートオリゴマーを製造する方法において、エステル化反応の反応温度が210〜260℃、反応圧力が60〜90kPaであり、エステル化反応槽に蒸留塔が付設されており、当該蒸留塔の運転条件が圧力60〜90kPa、塔底温度150〜220℃であり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタンの一部又は全部がエステル化反応系中及び/又は蒸留塔中で酢酸に変換されるものであり、エステル化反応槽に供給される1,4−ブタンジオール中に含有される1−アセトキシー4−ヒドロキシブタンのモル数に対してその20%以上のモル数の酢酸及び1−アセトキシー4−ヒドロキシブタンをエステル化反応槽に付設した蒸留塔を介して系外に除去する事を特徴とするブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- エステル化反応槽に連続的に供給される1,4−ブタンジオール中の1−アセトキシー4−ヒドロキシブタン含有量が0.05〜1.0重量%であり、下記式(II)を満たす量の酢酸及び1−アセトキシー4−ヒドロキシブタンを蒸留塔の上部から系外に除去することを特徴とする請求項3に記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
D×0.20 ≦ E+F ≦ D (II)
(但し、Dはエステル化反応槽に供給される原料である1,4−ブタンジオール中の1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタンの供給量(mol/hr)を、Eは蒸留塔上部留出液中の酢酸の留出量(mol/hr)を、Fは蒸留塔上部留出液中の1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタンの留出量(mol/hr)を示す) - 1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を蒸留塔の下部から留出させるものである請求項1乃至4のいずれかに記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- ジカルボン酸に対して過剰量のジオールを用いてエステル化反応を行う請求項1乃至5のいずれかに記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- 予めスラリー調整槽にてジカルボン酸とジオール成分とを混合して原料スラリーとし、該原料スラリーを連続的にエステル化反応槽へ供給することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- エステル化反応槽に付設した蒸留塔の下部から留出させた1,4−ブタンジオールの一部又は全部をエステル化反応原料として再利用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- エステル化反応槽に付設した蒸留塔の下部から留出させた1,4−ブタンジオールの一部又は全部をスラリー調整槽に供給することを特徴とする請求項8に記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- ブチレンテレフタレートオリゴマーの数平均分子量が1000以下である請求項1乃至9のいずれかに記載のブチレンテレフタレートオリゴマーの製造方法。
- 請求項1乃至10のいずれかに記載の方法によりブチレンフタレートオリゴマーを製造し、引き続き重縮合反応を行うことを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 重縮合反応槽から排出された1,4−ブタンジオールの一部又は全部をエステル化反応原料として再利用することを特徴とする請求項11に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
- 重縮合反応槽から排出された1,4−ブタンジオールの一部又は全部をスラリー調整槽に供給することを特徴とする請求項12に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
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