JP4003699B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、耐加水分解性、重合性、色調に優れたポリエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルは、成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、保香性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、自動車部品、電気・電子部品、精密機器部品、さらにはフィルム、シート、モノフィラメント、繊維等に広く用いられている。
【0003】
ポリエステルは一般的には、原料がジカルボン酸の場合はエステル化反応、原料がジカルボン酸ジアルキルエステルの場合にはエステル交換反応を経て、続いて重縮合反応を行うことにより製造されるが、重縮合の後期になるほど反応点の数(末端基濃度)が減少し、重合速度が低下するため、通常後期になるほど高温、高真空が設定される。ところが、温度が高くなるほど副反応速度も上昇し、末端二重結合の増加や、色調の悪化、重合性の悪化、粘度の低下等の問題が生じる。
【0004】
これを解決するために例えば、回分法で高い温度で重縮合を行った後、内温を下げてポリエステルを抜き出し、抜き出し前半と後半で製品の重合度差を低減させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。ところが、該公報に記載されている回分法の重縮合では、抜き出し前半と後半の重合度差を完全には解消することができないという問題があり、それに伴って末端ビニル基が増加したり、色調が悪化する等の問題があった。また回分法で一旦反応温度を上げ、再び下げるには長い時間を要するため、実際には温度が下がるまでに末端カルボキシル基増加などの副反応が進行してしまうという欠点もあった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−43676号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、重縮合反応時の副反応を抑え、色調や耐加水分解性、重合性が改良され、品質の安定したポリエステルおよびその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。さらに具体的には色調悪化や重合性悪化、耐加水分解性悪化などの原因となる末端カルボキシル基、末端ビニル基の低減されたポリエステルおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の条件で重縮合反応を行うことにより、色調や耐加水分解性、重合性が改良され、品質の安定したポリエステルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った
【0008】
すなわち本発明の要旨は、(A)ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料として触媒の存在下エステル化反応またはエステル交換反応させエステル化率又はエステル交換率90%以上のオリゴマーを製造する工程、および(B)オリゴマーを、直列する3槽以上の反応槽を用いて溶融状態で連続的に重縮合反応させる重縮合工程、を有するポリエステルの製造方法において、触媒として有機チタン化合物を得られるポリエステル中のチタン金属濃度が1〜90ppmとなる量で用い、(B)重縮合工程における最も内温の高い槽の内温をTMAX℃、最終槽の内温をT(ω)℃とする時、TMAX>T(ω)であり且つT(ω)<245℃を満たし、しかも、反応槽内温度の最低温度TMIN、最終槽内温度をT(ω)とした時、TMAX>T(ω)≧TMINを満たすことを特徴とするポリエステルの製造方法、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸単位及びジオール単位がエステル結合した構造を有する高分子であり、この条件を満たす限りそのモノマー成分に制限はないが、例えばジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソホロンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができる。中でも、耐熱性や機械的物性の観点からは、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましく、特には芳香族ジカルボン酸が好ましい。また、結晶性や耐熱性の観点からは、全ジカルボン酸単位の内50モル%以上、さらには70モル%以上、特には90モル%以上、最適には95モル%以上をテレフタル酸単位が占めることが好ましい。
【0011】
これらジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、またはジカルボン酸のジアルキルエステルとして反応に供与することができる。ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル基に特に制限はないが、アルキル基が長いとエステル交換反応時に生成するアルキルアルコールの沸点の上昇を招き反応液中から揮発せず、結果的に末端停止剤として働き重合を阻害するため、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、中でもメチル基が好適である。
【0012】
ジオール成分の具体例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオールなどを挙げることができる。中でも、機械的物性の観点からは、脂環式ジオール、脂肪族ジオールが好ましく、特には靱性や機械的物性の観点からは全ジオール単位の内50モル%以上、さらには70モル%以上、特には80モル%以上、最適には95モル%以上を脂肪族ジオール単位が占めることが好ましい。さらに成形性や機械的物性の観点からは、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールが好ましく、結晶性の観点からは1,4−ブタンジオールが好適である。また、ジカルボン酸成分、ジオール成分は異なった構造のものを複数用いて共重合体としてもよい。
【0013】
本発明においては、さらに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの三官能以上の多官能成分などを共重合成分として用いることができる。
【0014】
本発明のポリエステルの分子量に特に制限はないが、機械的物性、ペレット化の安定性、成形性の観点からは、好ましくは数平均分子量で5000〜60000の範囲、さらに好ましくは10000〜40000の範囲である。ポリエステルの数平均分子量は、末端基滴定、赤外スペクトル、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等の手法を用いて測定することができる。
【0015】
本発明における、ポリエステルの末端カルボキシル基濃度は、多すぎるとポリエステル樹脂の耐加水分解性を悪化させる傾向にあり、少なすぎると重合性を悪化させる傾向にあるため、1〜40μeq/gであることが好ましく、さらには2〜30μeq/g以下、中でも3〜25μeq/g、特には5〜20μeq/gであることが好ましい。
【0016】
ポリエステルの末端カルボキシル基濃度は、樹脂を有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
また本発明で得られるポリエステルの末端ビニル基濃度は、多すぎると色調の悪化や重合性の悪化を招く傾向にあるため、好ましくは15μeq/g以下、中でも10μeq/g以下、特には7μeq/g以下が好ましい。末端ビニル基濃度はポリエステルを溶媒に溶かしNMRを測定することによって求めることができる。
【0017】
本発明のポリエステルの製造方法は、慣用の製造方法に基づくが、これら公知の方法は大きく分けてジカルボン酸を主原料として用いるいわゆる直接重合法と、ジカルボン酸ジアルキルエステルを主原料として用いるエステル交換法がある。前者は初期のエステル化反応で水が生成し、後者は初期のエステル交換反応でアルコールが生成するという違いがあるが、原料の入手安定性、留出物の処理の容易さ、原料原単位の高さ、また本発明による改良効果という観点からは直接重合法が好ましい。
【0018】
直接重合法の一例としては、ジカルボン酸成分とジオール成分とを、単数若しくは複数段のエステル化反応槽内で、エステル化反応触媒の存在下に、通常180〜300℃、好ましくは200〜280℃、特に好ましくは210〜270℃の温度、また、通常10〜250kPa、好ましくは13〜133kPa、特に好ましくは60〜101kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で、連続的にエステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に連続的に、通常210〜300℃、好ましくは220〜290℃の温度、特に好ましくは230〜280℃の温度、中でも重縮合の最終段はポリマーの融点より、好ましくは5〜30℃、より好ましくは5〜20℃、特に好ましくは7〜15℃高い温度で、また通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、特に好ましくは13kPa以下、中でも重縮合の最終段は好ましくは2kPa以下の減圧下で、攪拌下に2〜12時間好ましくは3〜10時間で重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0019】
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いる場合には、通常180〜260℃、好ましくは200〜250℃、特に好ましくは210〜245℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、特に好ましくは60〜90kPa、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で、連続的にエステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に連続的に、通常210〜260℃、好ましくは220〜250℃、特に好ましくは220〜245℃の温度、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、特に好ましくは13kPa以下、中でも少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下の減圧下で、攪拌下に2〜12時間好ましくは2〜10時間で重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0020】
一方、エステル交換法の一例としては、ジカルボン酸ジアルキルエステル成分とジオール成分とを、単数若しくは複数段のエステル化反応槽内で、エステル化交換触媒の存在下に、通常110〜300℃、好ましくは140〜280℃、特に好ましくは180〜260℃の温度、また、通常10〜250kPa、好ましくは13〜133kPa、特に好ましくは60〜101kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で連続的にエステル交換反応させ、得られたエステル交換反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に連続的に、通常210〜300℃、好ましくは220〜290℃の温度、特に好ましくは230〜280℃の温度、中でも重縮合の最終段はポリマーの融点より、好ましくは5〜30℃、より好ましくは5〜20℃、特に好ましくは7〜15℃高い温度で、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、特に好ましくは13kPa以下、中でも少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下の減圧下で、攪拌下に2〜12時間好ましくは3〜10時間で重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0021】
中でも、ジカルボン酸ジアルキルエステル成分としてテレフタル酸ジメチル、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いる場合には、通常110〜260℃、好ましくは140〜245℃、特に好ましくは180〜220℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、特に好ましくは60〜90kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で、連続的にエステル交換反応させ、得られたエステル交換反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、複数段の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に連続的に、通常210〜260℃、好ましくは220〜250℃、特に好ましくは220〜245℃の温度、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、特に好ましくは13kPa以下の減圧下、中でも少なくとも1つの重縮合反応槽においては好ましくは2kPa以下の減圧下で、攪拌下に2〜12時間好ましくは2〜10時間で重縮合反応させる方法が挙げられる。
【0022】
また、ポリエステルの重縮合反応時の副反応を抑え、色調や重合性を改良するという本発明の目的を達成するためには、触媒の存在下エステル化またはエステル交換反応させたエステル化率またはエステル交換率90%以上のオリゴマーを、直列する3槽以上の反応槽を用いて溶融状態で連続的に重縮合反応させる工程において、最も内温の高い槽の内温をTMAX℃、最終槽の内温をT(ω)℃とする時、TMAX>T(ω)を満たすことが必要である。
【0023】
さらに、反応速度を上げかつ製品品質を向上、安定化させるためには
MAX−T(ω)≧2℃であることが好ましく、中でも
MAX−T(ω)≧4℃特には、
MAX−T(ω)≧5℃であることが好ましい。
【0024】
本発明における内温とは、完全混合槽においては内液の温度、ピストンフロー性を有する横型反応器等の反応槽で複数の温度が設定できる場合には内液の温度の内、最も高い温度を示すが、最終槽におけるT(ω)は反応槽出口近傍の温度とする。
また、ポリマーの抜出口が複数ある場合、最終槽の内温T(ω)は複数存在するが、少なくともその1つが上記関係を満足すればよい。
【0025】
本発明でいう(3槽)以上の重縮合反応槽とは、一般的には形状や攪拌条件の異なる複数の反応槽が配管等で連結された構造を指し、それぞれの反応槽の圧力が独立に設定できるものを指す。
【0026】
また、本発明でいうエステル化率とは、ジカルボン酸成分の全カルボキシル基の内、エステル化されたカルボキシル基の比率を表す数値であり、またエステル交換率とは、原料のジカルボン酸ジアルキルの内、原料ジオール成分で置き換わった比率を指す数値であって、以下のように定義する。
エステル化率=[(ケン化価−酸価)/ケン化価]×100
エステル交換率=[(ジカルボン酸ユニットのモル濃度×2−アルキルエステルの当量)/(ジカルボン酸ユニットのモル濃度×2)]×100(但し式中アルキルエステルのアルキルとは原料のジカルボン酸ジアルキルエステル由来のアルキル基を示す)
【0027】
酸価はオリゴマーを溶媒に溶解しアルカリ滴定して求めることができ、ケン化価はオリゴマーをアルカリ加水分解し、酸で逆滴定して求めることができる。また、ジカルボン酸ユニットのモル濃度、アルキルエステルの当量は、例えばオリゴマーを適当な溶媒に溶解させ、1H−NMRを測定し、それぞれのシグナル強度比から求めることができる。
【0028】
本発明において、重縮合工程(B)が直列する3槽以上の反応槽を用いて溶融状態で連続的に重縮合反応させる工程であって反応槽内温の最高温度をTMAX、反応槽内温の最低温度TMIN、最終槽内温をT(ω)とした時、TMAX>T(ω)≧TMINを満たす必要がある。
【0029】
本発明において、重縮合工程(B)が直列する3槽以上の反応槽を用いて溶融状態で連続的に重縮合反応させる工程であって、最終槽を含まない連続する2つの反応槽において上流側の内温が下流側の内温より低くない連続槽を有することが好ましい。
さらに上記下流側の内温が最終槽内温より高いことが好ましい。
また、重縮合工程(B)における上流から1槽目の内温をT(1)℃、最終槽の内温をT(ω)℃とする時、
T(1)≧T(ω)であることが好ましい。
【0030】
またTMAXは、通常280℃未満、中でも260℃未満、更には250℃未満、特には245℃以下未満であることが好ましい。一方、T(ω)は、245℃未満であるが、中でも240℃未満、更には239℃未満、特には238℃未満であることが好ましい。上記した槽内温度条件を満たさないときには末端カルボキシル基、末端ビニル基が多く、色調が悪化する傾向となる。
【0031】
重縮合反応により得られた樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜出ダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら若しくは水冷後、カッターで切断されてペレット状、チップ状の粒状体とされる。
【0032】
本発明におけるエステル化またはエステル交換反応触媒としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等、のチタン化合物等を挙げることができるが、中でもテトラブチルチタネートが好ましい。
【0033】
触媒の使用量は、多すぎると異物の原因となるばかりでなくポリマーの熱滞留時の劣化反応や、ガス発生の原因となり、少なすぎると、主反応速度が低下し副反応が起こりやすくなるため、ポリマー中の金属濃度として、1〜90ppm、好ましくは5〜90ppm、さらに好ましくは5〜90ppm、特に好ましくは20〜90ppm、中でも30〜90ppmが好適である。
【0034】
また、重縮合反応触媒としては、エステル化またはエステル交換反応時に添加した触媒を引き続いて重縮合反応触媒として用いることとして新たな触媒の添加を行わなくてもよい。
【0035】
また、異物抑制の観点から、最終的にはポリマー中のチタン金属濃度は、中でも50ppm以下、特には33ppm以下が好ましい。これらの金属濃度は、湿式灰化等の方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、Induced Coupled Plasma(ICP)等を用いて測定することができる。
【0036】
また、前記エステル化反応、エステル交換反応、重縮合反応において、前記触媒の他に、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、およびそれらのエステルや金属塩等の燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物等の反応助剤、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物等の抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸およびそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤等の他の添加剤を存在させてもよい。
【0037】
重縮合反応槽としては、縦型攪拌重合槽、横型攪拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽等公知のものを挙げることができるが、反応液の粘度が上昇する重縮合の後期は、反応速度よりも物質移動が分子量増大の支配因子になる傾向があるため、副反応を抑制しつつ主反応を押し進めるには、可能な限り温度を下げ、表面更新性を上げた方が本発明の目的を達成するためには有利であり、表面更新性とプラグフロー性、セルフクリーニング性に優れた薄膜蒸発機能を有した単数または複数の横型攪拌重合機を選定することが好ましい。
また、本発明の製造法で得られたポリエステルは、引き続き公知の方法で固相重合させて分子量を上げることもできる。
【0038】
図1、図2に実施態様の例を示した。
図1において、2は完全混合型のエステル化反応槽、P1は原料供給配管、2aはエステル化反応槽2の上部に設けられたベント用口、2bはエステル化反応槽2の上部に設けられた触媒供給口である。
反応槽2においてオリゴマーを製造する工程(A)が行われる。また、本実施態様例では、重縮合工程(B)は、反応槽3〜5の3槽で行われる。3は完全混合型の第1重縮合反応槽、3aは第1重縮合反応槽3の上部に設けられたベント用口、4は完全混合型の第2重縮合反応槽、4aは第2重縮合反応槽4の上部に設けられたベント用口、5は水平方向に2本の攪拌軸およびセルフクリーニング性を有する翼を持つ横型の第3重縮合反応槽、5aは第3重縮合反応槽5の上部に設けられたベント用口、P2、P3、P4はそれぞれの反応槽を繋ぐ配管、P5はポリマーの抜出配管である。この場合の第3重縮合反応槽5は2本の回転軸を有するため同方向、異方向の回転方向を選ぶことができるが、表面更新性を向上させるためには、異方向回転が好ましい。
【0039】
図2は図1における完全混合型の第2重縮合反応槽を、水平方向に回転軸を有し薄膜蒸留能を有する横型の反応槽に換えた態様であり、滞留の生じやすい回転軸中心部には軸を持たない構造となっている。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、ポリエステルの評価は下記の方法により行った。
(1)末端カルボキシル基濃度
ポリエステル0.5gをベンジルアルコール25mLに溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を用いて滴定した。末端カルボキシル基濃度が小さいほど、耐加水分解性が良好なことを示す。
【0041】
(2)末端ビニル基濃度ポリエステルをヘキサフルオロイソプロパノール/重クロロホルム=3/7(v/v)に溶解させ、共鳴周波数400MHzの1H−NMRを測定し求めた。ビニル基濃度が低い方が、製造中の副反応が少なかったことを示すと同時に重合性に優れることを表す。
(3)末端グリコール基濃度および末端アルキル濃度ポリエステルをヘキサフルオロイソプロパノール/重クロロホルム=3/7(v/v)に溶解させ、共鳴周波数400MHzの1H−NMRを測定し求めた。
【0042】
(4)ポリエステル数平均分子量
数平均分子量=2/(総末端基濃度) から求めた。但し、総末端基濃度=末端カルボキシル濃度+末端グリコール濃度+末端ビニル濃度とした。
(5)ポリエステルの色調
日本電色(株)製色差計(Z−300A型)を用い、イエローインデックスb値を算出し評価した。値が小さいほど黄ばみが少なく色調が良好であることを示す。
(6)オリゴマーのエステル化率
以下のようにして求めた酸価とケン化価を用いて算出した。
[酸価] オリゴマーをジメチルホルムアミドに溶解させ0.1NのKOH/メタノール溶液を用いて滴定し求めた。
[ケン化価] 0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
エステル化率=[(ケン価化−酸価)/ケン化価]×100
(7)オリゴマーのエステル交換率
共鳴周波数400MHzの1H−NMRを用いて測定した残存メチルエステルの当量と、ケン化価で求めたジカルボン酸のユニットのモル濃度とを用いて下記の計算式により算出した。
エステル交換率=[(ジカルボン酸ユニットのモル濃度×2−メチルエステルの当量)/(ジカルボン酸ユニットのモル濃度×2)]×100
【0043】
[比較例1]
図3に本比較例のフローチャートを示す。図3において、1はスラリー調製槽、1aおよび1bはそれぞれ、スラリー調製槽1の上部に設けられたジカルボン酸成分およびジオール成分の各原料供給口、2はエステル化反応槽(オリゴマーを製造する工程が行われる)、2aはエステル化反応槽2の上部に設けられたベント用口、2bはエステル化反応槽2の上部に設けられた触媒供給口、2cはエステル化反応槽のサンプリング口、3は第1重縮合反応槽3、4、5にて重縮合工程が行われる)、3aは第1重縮合反応槽3の上部に設けられたベント用口、3Cはサンプリング口、4は第2重縮合反応槽、4aは第2重縮合反応槽4の上部に設けられたベント用口、4Cはサンプリング口、5は水平方向に攪拌軸を有する横型の第3重縮合反応槽、5aは第3重縮合反応槽5の上部に設けられたベント用口、6はポリマー抜き出しダイ、7は回転式カッター、M1、M2、M3、M4、M5は攪拌装置、G1、G2、G3、G4、G5はギヤポンプ、P1、P2、P3、P4、P5は配管である。
【0044】
エステル化反応槽2にあらかじめエステル化率93%のポリブチレンテレフタレートオリゴマーを充填しておき、テレフタル酸1.0モルに対して、1,4−ブタンジオール1.8モルの割合で調製したスラリーをスラリー調製槽1から、ギヤポンプG1により配管P1内を通過せられてスクリュー型攪拌機を有するエステル化反応槽2に、50L/hとなるように連続的に供給すると同時に触媒供給口2bからテトラブチルチタネートをチタン濃度として理論収量ポリマー当たり100ppmとなるように連続的に供給した。エステル化反応槽2は、垂直回転軸を有する翼径160mmのスクリュー型攪拌翼を取り付けた攪拌装置M2を備えた縦型反応槽であり、エステル化反応槽2の内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン、および未反応の1,4−ブタンジオールは、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口2aから抜き出し、精留塔(図示せず)を経て、未反応の1,4−ブタンジオールの一部は第一エステル化反応槽2に還流させ、残りの1,4−ブタンジオールと水、テトラヒドロフランは系外に抜き出しながらエステル化反応を行った。この時エステル化槽2の実液が100Lとなるように液面制御をかけながら反応液を抜き出し、第1重縮合反応槽3に連続的に供給した。系が安定した12時間後、サンプリング口2cから採取したオリゴマーのエステル化率は98%であった。
【0045】
第1重縮合反応槽3は、垂直回転軸を有する攪拌装置M3を備えた縦型反応槽であり、該反応槽3の内温は245℃、圧力2.7kPaとし、実液が100Lになるように液面制御をかけ、生成する水とテトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを減圧機(図示せず)に接続されたベント用口3aから抜き出しながら、初期重縮合反応を行い、抜き出した反応液は第2重縮合反応槽4に連続的に供給した。この時ギヤポンプG3出口のサンプリング口(図示せず)からプレポリマーを抜き出し、数平均分子量を測定したところ4050であった。
【0046】
第2重縮合反応槽4は、垂直回転軸を有する攪拌装置M4を備えた縦型反応槽であり、該反応槽3の内温は240℃、圧力200Paとし、実液が100Lになるように液面制御をかけ、生成する水とテトラヒドロフラン、および1,4−ブタンジオールを、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口4aから抜き出しながら、さらに重縮合反応を進め、抜き出した反応液は第3重縮合反応槽5に連続的に供給した。この時ギヤポンプG4出口のサンプリング口(図示せず)からプレポリマーを抜き出し、数平均分子量を測定したところ9700であった。
【0047】
第3重縮合反応槽5は、2本のセルフクリーニング性を有する水平回転軸を具備した攪拌装置M5を持つ横型反応槽であり、該反応槽5の内温は235℃、圧力200Paとし、実液が40Lになるように液面制御をかけ、生成する水とテトラヒドロフラン、および1,4−ブタンジオールを、減圧機(図示せず)に接続されたベント用口5aから抜き出しながら、重縮合反応を進めた。得られたポリマーはギヤポンプG5により配管P5内を経由しポリマー抜き出しダイ6からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター7でカッティングした。得られたポリマーの数平均分子量は20000、末端カルボキシル基濃度は12μeq/g、末端ビニル基濃度は4μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が少なく、色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
【0048】
[比較例2]
第1重縮合反応槽3の内温を240℃、第2重縮合反応槽4の内温を245℃、第3重縮合反応槽5の内温を235℃とした他は比較例1と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は3200、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は8500、得られたポリマーの数平均分子量は19500、末端カルボキシル基濃度は14μeq/g、末端ビニル基濃度は6μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が少なく、色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
【0049】
[比較例3]
第1重縮合反応槽3の内温を235℃、第2重縮合反応槽4の内温を245℃、第3重縮合反応槽5の内温を240℃とした他は比較例1と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は2800、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は8400、得られたポリマーの数平均分子量は19700、末端カルボキシル基濃度は17μeq/g、末端ビニル基濃度は8μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が少なく、色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
【0050】
[実施例]
テトラブチルチタネートをチタン量として理論収量ポリマー当たり75ppmとなるようにした他は比較例1と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は4050、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は9000、得られたポリマーの数平均分子量は19500、末端カルボキシル基濃度は9μeq/g、末端ビニル基濃度は4μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が少なく、特に色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
【0051】
[比較例4]
比較例1の反応槽2にあらかじめエステル交換率93%のポリブチレンテレフタレートオリゴマーを充填しておき、テレフタル酸ジメチル1.0モルに対して1,4−ブタンジオール1.5モルの割合でエステル交換反応槽2に供給し、反応槽2の内温を200℃、圧力を101kPaとした他は比較例1と同様の方法で反応を行った。系が安定した12時間後、サンプリング口2cから採取したオリゴマーのエステル交換率は96%であった。第1重縮合反応槽3の出口のプレポリマーの数平均分子量は3900、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は9500、得られたポリマーの数平均分子量は20000、末端カルボキシル基濃度は18μeq/g、末端ビニル基濃度は4μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が少なく、色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
【0052】
[比較例]
第1重縮合反応槽3の内温を235℃、第2重縮合反応槽4の内温を240℃、第3重縮合反応槽5の内温を245℃とした他は比較例1と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は2800、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は8300、得られたポリマーの数平均分子量は20000、末端カルボキシル基濃度は23μeq/g、末端ビニル基濃度は14μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が増加し色調が悪化した。
【0053】
[比較例]
第1重縮合反応槽3の内温を240℃、第2重縮合反応槽4の内温を235℃、第3重縮合反応槽5の内温を245℃とした他は比較例1と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は3200、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は8200、得られたポリマーの数平均分子量は19600、末端カルボキシル基濃度は22μeq/g、末端ビニル基濃度は13μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が増加し色調が悪化した。
【0054】
[比較例]
第1重縮合反応槽3の内温を235℃、第2重縮合反応槽4の内温を240℃、第3重縮合反応槽5の内温を245℃とした他は比較例4と同様に行った。第1重縮合反応槽3の、出口のプレポリマーの数平均分子量は2700、第2重縮合反応槽4の出口のプレポリマーの数平均分子量は8200、得られたポリマーの数平均分子量は20000、末端カルボキシル基濃度は28μeq/g、末端ビニル基濃度は14μeq/gであった。ポリマーの分析値をまとめて表1に示した。末端ビニル基が増加し色調が悪化した。
【0055】
[実施例]
図4に示すエステル化工程と図5に示す重縮合工程を通し、次の要領でPBTの製造を行った。先ず、テレフタル酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.80モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽から原料供給ライン(L1)を通じ、あらかじめ、エステル化率99%のPBTオリゴマーを充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化のための反応槽(D)に、28.5kg/hとなる様に連続的に供給した。同時に、再循環ライン(L2)から185℃の精留塔(E)の塔底成分を12.0kg/hで供給し、触媒供給ライン(L3)から触媒として65℃のテトラブチルチタネートの6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を69g/hで供給した(理論ポリマー収量に対しチタン金属濃度30ppm)。この溶液中の水分は0.20重量%であった。
【0056】
反応槽(D)の内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とテトラヒドロフランおよび余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(L5)から留出させ、精留塔(E)で高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(E)の液面が一定になる様に、抜出ライン(L8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(H)で凝縮させ、タンク(J)の液面が一定になる様に、抜出ライン(L13)より外部に抜き出した。
【0057】
反応槽(D)で生成したオリゴマーの一定量は、ギヤポンプ(G6)を使用し、抜出ライン(L4)から抜き出し、反応槽(D)内液の平均滞留時間が3.3hrになる様に液面を制御した。抜出ラインL4から抜き出したオリゴマーは、第1重縮合反応槽(Q)に連続的に供給した。系が安定した後、反応槽(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は97.3%であった。
【0058】
第1重縮合反応槽(Q)の内温は241.0℃、圧力2.1kPaとし、滞留時間が150分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L16)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応槽(R)に連続的に供給した。
【0059】
第2重縮合反応槽(R)の内温は244.3℃、圧力160Paとし、滞留時間が120分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L18)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、さらに重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(G8)により抜出ライン(L17)を経由し、第3重縮合反応槽(S)に連続的に供給した。
【0060】
第3重縮合反応槽(S)の反応器出口での温度は238.6℃、圧力180Paとし、滞留時間が150分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L20)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、さらに重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(G9)により抜出ライン(L19)を経由し、ダイスヘッド(6)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(7)でカッティングした。得られたポリマーの数平均分子量は28900、末端カルボキシル基濃度は24μeq/g、末端ビニル基濃度は11μeq/g、b値は−0.6であった。末端カルボキシル基、末端ビニル基が少なく、色調に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂が得られた。
ポリマーの分析値をまとめて表2に示した。
【0061】
[比較例]
第3重縮合反応槽(S)の反応器出口での温度を246.5℃、圧力260Paとした以外は、実施例と同様に行った。末端カルボキシル基、末端ビニル基が増加し、色調も悪化した。ポリマーの分析値をまとめて表2に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
本発明のポリエステルの製造法によると、重縮合反応時の副反応を抑え、色調や重合性が改良されたポリエステルが得られるため産業上の利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい一実施態様であるポリエステルの製造装置の概略図である。
【図2】 本発明の好ましい一実施態様であるポリエステルの製造装置の概略図である。
【図3】 比較例1で使用したポリエステルの製造装置の概略図である。
【図4】 実施例で使用したエステル化工程の概略図である。
【図5】 実施例で使用した重縮合工程の概略図である。

Claims (11)

  1. (A)ジカルボン酸またはジカルボン酸ジアルキルエステルとジオールとを主原料として触媒の存在下エステル化反応またはエステル交換反応させエステル化率又はエステル交換率90%以上のオリゴマーを製造する工程、および(B)オリゴマーを、直列する3槽以上の反応槽を用いて溶融状態で連続的に重縮合反応させる重縮合工程、を有するポリエステルの製造方法において、触媒として有機チタン化合物を得られるポリエステル中のチタン金属濃度が1〜90ppmとなる量で用い、(B)重縮合工程における最も内温の高い槽の内温をTMAX℃、最終槽の内温をT(ω)℃とする時、TMAX>T(ω)であり且つT(ω)<245℃を満たし、しかも、反応槽内温度の最低温度TMIN、最終槽内温度をT(ω)とした時、TMAX>T(ω)≧TMINを満たすことを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 終槽を含まない連続する2つの反応槽において上流側の内温が下流側の内温より低くないことを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 上記下流側の内温が最終槽内温度より高いことを特徴とする請求項に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 重縮合工程(B)における上流から1槽目の内温をT(1)℃、最終槽の内温をT(ω)℃とする時、T(1)≧T(ω)を満たすことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  5. ジカルボン酸としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いることを特徴とする請求項1乃至いずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  6. ジカルボン酸ジアルキルエステルとしてテレフタル酸ジメチル、ジオール成分として1,4−ブタンジオールを用いることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  7. 重縮合工程(B)における重縮合反応槽の少なくとも1つが、攪拌軸を水平方向に取り付けた構造を有する反応槽であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  8. TMAXが280℃未満である請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  9. TMAXが245℃未満である請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  10. T(ω)が240℃未満である請求項1乃至のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
  11. ポリエステル中のチタン原子の濃度が1〜50ppmである請求項1乃至10のいずれに記載のポリエステルの製造方法。
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