JP4725029B2 - ポリブチレンテレフタレート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレートに関し、詳しくは、色調、熱安定性、透明性、相溶性に優れ、しかも、成形時の発生ガスや異物が低減され、染色性、印刷性、反応性、メッキ性が改良された外観の良好なフィルム、シート、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートに関する。
熱可塑性ポリエステル樹脂の中で代表的なエンジニアリンブプラスチックであるポリブチレンテレフタレートは、成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、保香性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、自動車部品、電気・電子部品、精密機器部品などの射出成形品に広く使用されている。近年は、その優れた性質を活かし、フィルム、シート、モノフィラメント、各種ケーブルの被覆、ボトル、タンク、繊維などの分野でも広く使用される様になってきた。
一般に、ポリエステルは末端カルボキシル基濃度が高いほど耐加水分解性が悪化することが知られており(例えば非特許文献1)、ポリブチレンテレフタレートにおいても、末端カルボキシル基濃度が高いほど湿熱下での加水分解反応速度が大きく、加水分解による分子量低下、ひいては機械的物性などの低下を招くことが知られている。
ところが、耐加水分解性が要求されない用途では、末端カルボキシル基濃度をむやみに下げる必要はなく、例えば、自動車部品、フィルム、シート、モノフィラメント、繊維などの分野では、意匠性、耐候性、耐光性の向上を目的に着色、印刷、メッキ等を施すことがあり、斯かる観点からは、むしろ、極性基の多い、換言すれば末端カルボキシル基濃度の高いポリブチレンテレフタレートが求められている(例えば特許文献3)。
また、近年は、各種性能の向上を目指して、ポリブチレンテレフタレートと他の樹脂とを溶融混練し、ポリマーアロイとして使用されることも広く行われている。一般的に、ポリマーアロイは、混合する樹脂同士の分散が良いほど性能が向上するため、分散性の向上を目的に相溶化剤が使用されることも多いが、相溶化剤の多くは極性の官能基またはその誘導体を有する物質であり、その様な場合にはポリブチレンテレフタレートの末端カルボキシル基濃度が高いほど分散性が向上する傾向にある。
末端カルボキシル基濃度の高いポリブチレンテレフタレートは、これまでにも知られており(例えば非特許文献2、特許文献1又は2)、上記の様な分野で使用されてきたが、ポリブチレンテレフタレートの場合、末端カルボキシル基は重縮合後期の熱分解によって発生するものが主であり(非特許文献2)、末端カルボキシル基濃度の高いポリブチレンテレフタレートを得ようとすれば、重縮合後期の温度を上げたり、重合時間を長くしたりすることが必要である。ところが、この様な操作を行えば、色調が悪化し、商品価値に劣るポリブチレンテレフタレートしか得られないという問題がある(特許文献1)。
特開平9−316183号公報 特開2004−18558号公報 特開昭60−208477号公報 繊維学会誌(Vol43.No.7.370頁) 繊維学会誌(Vol43.No.5.251頁)
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、色調、熱安定性、透明性、相溶性に優れ、しかも、成形時の発生ガスや異物が低減され、染色性、印刷性、反応性、メッキ性が改良された外観の良好なフィルム、シート、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、チタン触媒および原料を特定の態様で供給してエステル化反応を行うならば、驚くべきことに、チタン触媒の利用効率が高められるためにチタン触媒の使用量を著しく低減でき、その結果、チタン原子の含有量が著しく少ない新規なポリブチレンテレフタレートが得られ、これにより、上記の課題を容易に解決し得ることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は、直接重合法で製造され、チタンを含有し且つその量がチタン原子として50ppm以下であり、固有粘度が0.65〜1.00dL/g、末端カルボキシル基濃度が30〜50μeq/g、末端メトキシカルボニル基濃度が0.5μeq/g以下、末端ビニル基濃度が0.5〜12μeq/g、不活性ガス雰囲気下に245℃で40分間、熱処理した際の加水分解反応を除く末端カルボキシル基濃度の上昇が0.1〜20μeq/gであることを特徴とするポリブチレンテレフタレートに存する。
色調、熱安定性、透明性、相溶性に優れ、しかも、成形時の発生ガスや異物が低減され、染色性、印刷性、反応性、メッキ性が改良された外観の良好なフィルム、シート、モノフィラメント、繊維、電気電子部品、自動車部品などに好適に使用することが出来るポリブチレンテレフタレートが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記する)とは、テレフタル酸単位および1,4−ブタンジオール単位がエステル結合した構造を有し、ジカルボン酸単位の50モル%以上がテレフタル酸単位から成り、ジオール成分の50モル%以上が1,4−ブタンジオール単位から成る高分子を言う。全ジカルボン酸単位中のテレフタル酸単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上であり、全ジオール単位中の1,4−ブタンジオール単位の割合は、好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上である。テレフタル酸単位または1,4−ブタンジオール単位が50モル%より少ない場合は、PBTの結晶化速度が低下し、成形性の悪化を招く。
本発明において、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分には特に制限はなく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることが出来る。これらのジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、または、ジカルボン酸エステル、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料として、ポリマー骨格に導入できる。
本発明において、1,4−ブタンジオール以外のジオール成分には特に制限はなく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等の芳香族ジオール等を挙げることが出来る。
本発明においては、更に、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール等の三官能以上の多官能成分などを共重合成分として使用することが出来る。
本発明のPBTは、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸(又はテレフタル酸ジアルキル)とのエステル化反応(又はエステル交換反応)の際にチタン触媒を使用して得られる。
チタン触媒としては通常チタン化合物が使用され、その具体例としては、酸化チタン、四塩化チタン等の無機チタン化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等が挙げられる。これらの中ではテトラアルキルチタネートが好ましく、その中ではテトラブチルチタネートが好ましい。
チタンの他に、スズを触媒として使用してもよい。スズは、通常、スズ化合物として使用され、その具体例としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などが挙げられる。
また、チタンの他に、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等のマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム等のカルシウム化合物の他、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸、それらのエステルや金属塩などの燐化合物、水酸化ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の反応助剤を使用してもよい。
本発明のPBTは、チタンを含有し且つその量がチタン原子として50ppm以下であることを特徴とする。上記の値はPBTに対する原子の重量比である。
本発明において、上記のチタン含有量の下限は、通常1ppm、好ましくは5ppm、更に好ましくは10ppm、特に好ましくは15ppm、一層好ましくは20ppmである。チタン含有量の上限は、好ましくは45ppm、更に好ましくは40ppm、特に好ましくは33ppmである。チタンの含有量が50ppmより多い場合は、色調、透明性、熱安定性などが悪化し、しかも、異物も増加する傾向にあり、1ppmより少ない場合は重合性が悪化することがある。
本発明においては、前述の通り、チタン触媒と共にスズ触媒を使用することが出来る。一般的に、スズ触媒は、チタン触媒に比べて触媒能が低いため、チタン触媒に比べ添加量を多くする必要がある。しかしながら、スズ触媒の使用量が多過ぎると色調の悪化を招き、しかも、スズは毒性もある。従って、スズ触媒の使用量は、通常100ppm以下、好ましくは50ppm以下、更に好ましくは20ppm以下であり、最も好ましい態様はスズ触媒を使用しないことである。チタン原子などの含有量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、ICP(Inductivery Coupled Plasma)等の方法を使用して測定することが出来る。
本発明のPBTの固有粘度は、通常0.65〜3.00dL/g、好ましくは0.70〜2.00dL/g、更に好ましくは0.75〜1.50dL/g、特に好ましくは0.80〜1.00dL/gである。固有粘度が低すぎる場合には、機械的強度が低下する傾向にあり、高すぎる場合には流動性が悪化し成形不良の原因となることがある。上記の固有粘度は、フェノール/テトラクロルエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒とし、30℃で測定した値である。
本発明のPBTの末端カルボキシル基濃度は、30μeq/g以上であることが必要で、好ましくは30〜80μeq/g、更に好ましくは30〜60μeq/g、特に好ましくは30〜50μeq/gである。末端カルボキシル基濃度が低すぎる場合には、着色性、印刷性、メッキ性が悪化したり、相溶化剤との反応や、コンパウンド時に反応性添加剤との反応性が低下したりする傾向にある。
また、PBTの末端カルボキシル基濃度が一定範囲にあっても、混練時や成形時の熱により上昇すると、品質の不安定性が増すだけでなく、テトラヒドロフラン(以下「THF」と略記する)等のガスの発生を招く。従って、本発明のPBTは、不活性ガス雰囲気下、245℃で40分間、熱処理した際の加水分解反応を除く末端カルボキシル基濃度の上昇は、通常0.1〜20μeq/g、好ましくは0.1〜15μeq/g、更に好ましくは0.1〜10μeq/g、特に好ましくは0.1〜8μeq/gである。
加水分解反応は、PBT中に含まれる水分を減少させる操作、具体的には乾燥を十分行えば防止することが可能であり、成形時などに問題となるTHF等の発生も伴わないが、加水分解以外の分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇は、乾燥操作で防ぐことは不可能である。一般的には、分子量が低い方が、また、PBT中のチタン濃度が高い方が、加水分解以外の熱分解による末端カルボキシル基濃度の上昇が大きい傾向がある。
上記の評価法において温度と時間を規定したのは、温度が低すぎたり時間が短すぎたりすると末端カルボキシル基濃度の上昇の速度が小さすぎ、逆の場合は大きすぎて評価が不正確になるためである。また、極端に高い温度で評価すると、末端カルボキシル基が生成する以外の副反応が併発し、評価が不正確になることも理由の一つである。当該熱処理条件では、PBTに含まれる水分が引き起こす加水分解反応以外の反応による数平均分子量の低下は無視することが可能であり、加水分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇分は、熱処理前後の末端グリコール基濃度の上昇分と略同じと見做すことが出来るため、混練時や成形時に問題となる加水分解反応以外の熱分解反応による末端カルボキシル基濃度の上昇分は以下の式(1)で求めることが出来る。
熱分解反応評価の信頼性の観点からは、加水分解反応が少ない方が好ましいため、熱処理に使用するPBTの含水量は通常300ppm以下が推奨される。熱処理前後の末端グリコール基濃度は、H−NMRによって定量することが出来る。
PBTの末端カルボキシル基濃度は、PBTを有機溶媒などに溶解し、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリ溶液を使用して滴定することにより求めることが出来る。
また、本発明のPBTの末端ビニル基濃度は、通常0.1〜15μeq/g、好ましくは0.5〜12μeq/g、更に好ましくは1〜10μeq/gである。末端ビニル基濃度が高すぎる場合は、色調悪化や固相重合性悪化の原因となる。末端カルボキシル基濃度の高いPBTを製造せんとした場合、一般的には重合温度を上げたり、反応時間を長くしたりすることが求められるため、末端ビニル基濃度は上昇する傾向にある。末端ビニル基濃度は、重クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=7/3(体積比)にPBTを溶解させ、H−NMRを測定することによって定量することが出来る。
PBTの末端には、水酸基、カルボキシル基、ビニル基の他に、原料由来のメトキシカルボニル基が残存していることがあり、特に、テレフタル酸ジメチルを原料とする場合には多く残存することがある。ところで、メトキシカルボニル末端は、固相重合、混練、成形などによる熱により、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸を発生し、特に、食品用途に使用される場合には、これらの毒性が問題になる。また、蟻酸は金属製の成形機器や真空関連機器などを痛める。そこで、本発明における末端メトキシカルボニル基濃度は、通常0.5μeq/g以下、好ましくは0.3μeq/g以下、更に好ましくは0.2μeq/g以下、特に好ましくは0.1μeq/g以下である。
上記の各末端基濃度は、重クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=7/3(体積比)の混合溶媒にPBTを溶解させ、H−NMRを測定することによって定量することが出来る。この際、溶媒シグナルとの重なりを防ぐため、重ピリジン等の塩基性成分などを極少量添加してもよい。
本発明のPBTの降温結晶化温度は、通常170〜200℃、好ましくは172〜190℃、更に好ましくは175〜185℃である。本発明における降温結晶化温度とは、示差走査熱量計を使用して樹脂が溶融した状態から降温速度20℃/minで冷却した際に現れる結晶化による発熱ピークの温度である。降温結晶化温度は、結晶化速度と対応し、降温結晶化温度が高いほど結晶化速度が速いため、成形に際して冷却時間を短縮し、生産性を高めることが出来る。降温結晶化温度が低い場合は、成形に際して結晶化に時間が掛かり、成形後の冷却時間を長くせざるを得なくなり、成形サイクルが伸びて生産性が低下する傾向にある。
本発明のPBTの溶液ヘイズは、特に制限されないが、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比3/2)20mLにPBT2.7gを溶解させて測定した際の溶液ヘイズとして、通常10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。溶液ヘイズが高い場合は、透明性が悪化し、異物も増加する傾向があるため、フィルム、モノフィラメント、繊維など、特に透明性が要求される用途においては、商品価値を著しく落とす。溶液ヘイズは、触媒含有量が多い場合や、触媒の失活が大きい場合に上昇する傾向がある。
次に、本発明のPBTの製造方法について説明する。PBTの製造方法は、原料面から、ジカルボン酸を主原料として使用するいわゆる直接重合法と、ジカルボン酸ジアルキルを主原料として使用するエステル交換法とに大別される。前者は初期のエステル化反応で水が生成し、後者は初期のエステル交換反応でアルコールが生成するという違いがある。
また、PBTの製造方法は、原料供給またはポリマーの払い出し形態から回分法と連続法に大別される。初期のエステル化反応またはエステル交換反応を連続操作で行って、それに続く重縮合を回分操作で行ったり、逆に、初期のエステル化反応またはエステル交換反応を回分操作で行って、それに続く重縮合を連続操作で行う方法もある。
本発明においては、原料の入手安定性、留出物の処理の容易さ、原料原単位の高さ、本発明による改良効果という観点から、直接重合法が好ましい。また、本発明においては、生産性や製品品質の安定性、本発明による改良効果の観点から、連続的に原料を供給し、連続的にエステル化反応またはエステル交換反応を行う方法を採用する。そして、本発明においては、エステル化反応またはエステル交換反応に続く重縮合反応も連続的に行ういわゆる連続法が好ましい。
本発明においては、エステル化反応槽にて、チタン触媒の存在下、少なくとも一部の1,4−ブタンジオールをテレフタル酸(又はテレフタル酸ジアルキル)とは独立にエステル化反応槽(又はエステル交換反応槽)に供給しながら、テレフタル酸(又はテレフタル酸ジアルキル)と1,4−ブタンジオールとを連続的にエステル化(又はエステル交換)する工程が好ましく採用される。
すなわち、本発明においては、触媒に由来するヘイズや異物を低減し、触媒活性を低下させないため、原料スラリー又は溶液として、テレフタル酸またはテレフタル酸ジアルキルエステルと共に供給される1,4−ブタンジオールとは別に、しかも、テレフタル酸またはテレフタル酸ジアルキルとは独立に1,4−ブタンジオールをエステル化反応槽またはエステル交換反応槽に供給する。以後、当該1,4−ブタンジオールを「別供給1,4−ブタンジオール」と称することがある。
上記の「別供給1,4−ブタンジオール」には、プロセスとは無関係の新鮮な1,4−ブタンジオールを当てることが出来る。また、「別供給1,4−ブタンジオール」は、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽から留出した1,4−ブタンジオールをコンデンサ等で捕集し、そのまま、または、一時タンク等へ保持して反応槽に還流させたり、不純物を分離、精製して純度を高めた1,4−ブタンジオールとして供給することも出来る。以後、コンデンサ等で捕集された1,4−ブタンジオールから構成される「別供給1,4−ブタンジオール」を「再循環1,4−ブタンジオール」と称することがある。資源の有効活用、設備の単純さの観点からは、「再循環1,4−ブタンジオール」を「別供給1,4−ブタンジオール」に当てることが好ましい。
また、通常、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽より留出した1,4−ブタンジオールは、1,4−ブタンジオール成分以外に、水、アルコール、THF、ジヒドロフラン等の成分を含んでいる。従って、上記の留出物した1,4−ブタンジオールは、コンデンサ等で捕集した後、または、捕集しながら、水、アルコール、THF等の成分と分離、精製し、反応槽に戻すことが好ましい。
そして、本発明においては、「別供給1,4−ブタンジオール」の内、10重量%以上を反応液液相部に直接戻すことが好ましい。ここで、反応液液相部とは、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽中の気液界面の液相側を示し、反応液液相部に直接戻すとは、配管などを使用して「別供給1,4−ブタンジオール」が気相部を経由せずに直接液相部分に供給されることを表す。反応液液相部に直接戻す割合は、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。反応液液相部に直接戻す「別供給1,4−ブタンジオール」が少ない場合は、異物が多くなる傾向にある。
また、反応器に戻す際の「別供給1,4−ブタンジオールの温度は、通常50〜220℃、好ましくは100〜200℃、更に好ましくは150〜190℃である。「別供給1,4−ブタンジオール」の温度が高過ぎる場合はTHFの副生量が多くなる傾向にあり、低過ぎると場合は熱負荷が増すためエネルギーロスを招く傾向がある。
また、本発明においては、触媒に由来するヘイズや異物を低減し、触媒活性を低下させないため、エステル化反応(又はエステル交換反応)に使用されるチタン触媒の内、10重量%以上をテレフタル酸(又はテレフタル酸ジアルキル)とは独立に反応液液相部に直接供給することが好ましい。ここで、反応液液相部とは、エステル化反応槽またはエステル交換反応槽中の気液界面の液相側を示し、反応液液相部に直接供給するとは、配管などを使用し、チタン触媒が反応器の気相部を経由せずに直接液相部分に供給されることを表す。反応液液相部に直接添加するチタン触媒の割合は、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。
上記のチタン触媒は、溶媒などに溶解させたり又は溶解させずに直接エステル化反応槽またはエステル交換反応槽の反応液液相部に供給することも出来るが、供給量を安定化させ、反応器の熱媒ジャケット等からの熱による変性などの悪影響を軽減するためには、1,4−ブタンジオール等の溶媒で希釈することが好ましい。この際の濃度は、溶液全体に対するチタン触媒の濃度として、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.08〜8重量%である。また、異物低減の観点から、溶液中の水分濃度は、通常0.05〜1.0重量%とする。溶液調製の際の温度は、失活や凝集を防ぐ観点から、通常20〜150℃、好ましくは30〜100℃、更に好ましくは40〜80℃とする。また、触媒溶液は、劣化防止、析出防止、異物抑制の点から、別供給1,4−ブタンジオールと配管などで混合してエステル化反応槽またはエステル交換反応槽に供給することが好ましい。
直接重合法を採用した連続法の一例は、次の通りである。すなわち、テレフタル酸を主成分とする前記ジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを原料混合槽で混合してスラリーとし、単数または複数のエステル化反応槽内で、チタン触媒の存在下に、通常180〜260℃、好ましくは200〜245℃、更に好ましくは210〜235℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、更に好ましくは60〜90kPaの圧力下で、通常0.5〜10時間、好ましくは1〜6時間で、連続的にエステル化反応させ、得られたエステル化反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、単数または複数の重縮合反応槽内で、重縮合触媒の存在下に、好ましくは連続的に、通常210〜280℃、好ましくは220〜265℃の温度、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下の減圧下で、攪拌下に、通常2〜10時間、好ましくは2〜5時間で重縮合反応させる。重縮合反応により得られたポリマーは、通常、重縮合反応槽の底部からポリマー抜き出しダイに移送されてストランド状に抜き出され、水冷されながら又は水冷後、カッターで切断され、ペレット状、チップ状などの粒状体とされる。
直接重合法の場合は、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとのモル比は、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
上記の「エステル化反応槽に外部から供給される1,4−ブタンジオール」とは、原料スラリー又は溶液として、テレフタル酸またはテレフタル酸ジアルキルエステルと共に供給される1,4−ブタンジオールの他、これらとは独立に供給する1,4−ブタンジオール、触媒の溶媒として使用される1,4−ブタンジオール等、反応槽外部から反応槽内に入る1,4−ブタンジオールの総和である。
上記のBM/TMの値が1.1より小さい場合は、転化率の低下や触媒失活を招き、4.5より大きい場合は、熱効率が低下するだけでなく、THF等の副生物が増大する傾向にある。BM/TMの値は、好ましくは1.5〜4.0、更に好ましくは2.0〜3.8、特に好ましくは2.5〜3.5である。
エステル交換法を採用した連続法の一例は、次の通りである。すなわち、単数または複数のエステル交換反応槽内で、チタン触媒の存在下に、通常110〜260℃、好ましくは140〜245℃、更に好ましくは180〜220℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜120kPa、更に好ましくは60〜101kPaの圧力下で、通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で、連続的にエステル交換反応させ、得られたエステル交換反応生成物としてのオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、単数または複数の重縮合反応槽内で、重縮合反応触媒の存在下に、好ましくは連続的に、通常210〜280℃、好ましくは220〜265℃の温度、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、更に好ましくは13kPa以下の減圧下で、攪拌下に、通常2〜12時間、好ましくは3〜10時間で重縮合反応させる。
エステル交換法の場合、テレフタル酸ジアルキルと1,4−ブタンジオールとのモル比は、次の式(3)を満たすことが好ましい。
上記のBM/DMの値が1.1より小さい場合は、転化率の低下や触媒活性の低下を招き、2.5より大きい場合は、熱効率が低下するだけでなく、THF等の副生物が増大する傾向にある。BM/DMの値は、好ましくは1.1〜1.8、更に好ましくは1.2〜1.5である。
本発明において、エステル化反応またはエステル交換反応は、反応時間短縮のため、1,4−ブタンジオールの沸点以上の温度で行うことが好ましい。1,4−ブタンジオールの沸点は反応の圧力に依存するが、101.1kPa(大気圧)では230℃、50kPaでは205℃である。
エステル化反応槽またはエステル交換反応槽としては、公知のものが使用でき、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽などの何れの型式であってもよく、また、単数槽としても、同種もしくは異種の槽を直列させた複数槽としてもよい。中でも、攪拌装置を有する反応槽が好ましく、攪拌装置としては、動力部、軸受、軸、攪拌翼から成る通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転するタイプも使用することが出来る。
攪拌の形態は、特に制限されず、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部などから直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサー等で攪拌し、反応液を循環させる方法も採ることが出来る。
攪拌翼の種類は、公知のものが選択でき、具体的には、プロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼などが挙げられる。
PBTの製造においては、通常、複数の反応槽を使用し、好ましくは2〜5の反応槽を使用し、順次に分子量を上昇させていく。通常、初期のエステル化反応またはエステル交換反応に引き続き、重縮合反応が行われる。
PBTの重縮合反応工程は、単数の反応槽を使用しても、複数の反応槽を使用してもよいが、好ましくは複数の反応槽を使用し、複数段で行う。反応槽の形態は、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽などの何れの型式であってもよく、また、これらを組み合わせることも出来る。中でも、攪拌装置を有する反応槽が好ましく、攪拌装置としては、動力部、軸受、軸、攪拌翼から成る通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転するタイプも使用することが出来る。
攪拌の形態は、特に制限されず、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部などから直接攪拌する通常の攪拌方法の他、配管などで反応液の一部を反応器の外部に持ち出してラインミキサー等で攪拌し、反応液を循環させる方法も採ることが出来る。中でも、少なくとも重縮合反応槽の1つは、水平方向に回転軸を有する表面更新とセルフクリーニング性に優れた横型の反応器を使用することが推奨される。
また、着色を抑え、ビニル基などの末端の増加を抑制しながら末端カルボキシル基濃度の上昇を図るには、少なくとも1つの反応槽において、通常225〜255℃、好ましくは230〜250℃、更に好ましくは233〜245℃の温度で重縮合を行うのがよい。
更に、PBTの重縮合反応工程は、一旦、溶融重縮合で比較的分子量の小さい、例えば、固有粘度0.1〜1.0dL/g程度のPBTを製造した後、引き続き、PBTの融点以下の温度で固相重縮合(固相重合)させることも出来るが、フィッシュアイ等、外観を重要視するフィルム等の用途では固相重合は行わない方がよい。
本発明のPBTは、触媒由来の異物が飛躍的に低減されているため、当該異物を除去しなくてもよいが、ポリマー前駆体やポリマーの流路にフィルターを設置することにより、更に品質の優れたポリマーが得られる。本発明においては、上述の理由により、従来のPBTの製造設備で使用されているものと同じ目開きのフィルターを使用した場合は、その交換までの寿命を長くすることが可能である。また、交換までの寿命を同じに設定するならば、更に目開きの小さいフィルターを設置することが可能になる。
フィルターの設置位置が製造プロセスの余りにも上流側の場合は、下流側で発生する異物の除去が行えず、下流側の粘度が高い所ではフィルターの圧力損失が大きくなり、流量を維持するためには、フィルターの目開きを大きくしたり、フィルターの濾過面積や配管などの設備を過大にする必要があったり、また、流体通過時に高剪断を受けるため、剪断発熱によるPBTの劣化が不可避となる。従って、フィルターの設置位置は、PBT又はその前駆体の固有粘度が通常0.1〜1.2dL/g、好ましくは0.2〜1.0dL/g、更に好ましくは0.5〜0.9dL/gの位置が選択される。
フィルターを構成する濾材としては、金属ワインド、積層金属メッシュ、金属不織布、多孔質金属板などの何れでもよいが、濾過精度の観点から、積層金属メッシュ又は金属不織布が好ましく、特に、その目開きが焼結処理により固定されているものが好ましい。フィルターの形状としては、バスケットタイプ、ディスクタイプ、リーフディスクタイプ、チューブタイプ、フラット型円筒タイプ、プリーツ型円筒タイプ等の何れの型式であってもよい。また、プラントの運転に影響を与えない様にするため、複数のフィルターを設置して切り替えて使用したり、オートスクリーンチェンジャー等を設置することが好ましい。
フィルターの絶対濾過精度は、特に制限されないが、通常0.5〜200μm、好ましくは1〜100μm、更に好ましくは5〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。絶対濾過精度が大きすぎる場合は製品中の異物低減効果がなくなり、小さすぎる場合は生産性の低下やフィルター交換頻度の増大を招く。
以下、添付図面に基づき、PBTの製造方法の好ましい実施態様を説明する。図1は、本発明で採用するエステル化反応工程またはエステル交換化反応工程の一例の説明図、図2は、本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図である。
図1において、原料のテレフタル酸は、通常、原料混合槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールと混合され、原料供給ライン(1)からスラリーの形態で反応槽(A)に供給される。一方、原料がテレフタル酸ジアルキルの場合は通常溶融した液体として1,4−ブタンジオールと独立に反応槽(A)に供給される。また、チタン触媒は、好ましくは触媒調整槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールの溶液とした後、触媒供給ライン(3)から供給される。図1では再循環1,4−ブタンジオールの再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)を連結し、両者を混合した後、反応槽(A)の液相部に供給する態様を示した。
反応槽(A)から留出するガスは、留出ライン(5)を経て精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離される。通常、高沸成分の主成分は1,4−ブタンジオールであり、低沸成分の主成分は、直接重合法の場合は水およびTHFである。
精留塔(C)で分離された高沸成分は抜出ライン(6)から抜き出され、ポンプ(D)を経て、一部は再循環ライン(2)から反応槽(A)に循環され、一部は循環ライン(7)から精留塔(C)に戻される。また、余剰分は抜出ライン(8)から外部に抜き出される。一方、精留塔(C)で分離された軽沸成分はガス抜出ライン(9)から抜き出され、コンデンサ(G)で凝縮され、凝縮液ライン(10)を経てタンク(F)に一時溜められる。タンク(F)に集められた軽沸成分の一部は、抜出ライン(11)、ポンプ(E)及び循環ライン(12)を経て精留塔(C)に戻され、残部は、抜出ライン(13)を経て外部に抜き出される。コンデンサ(G)はベントライン(14)を経て排気装置(図示せず)に接続されている。反応槽(A)内で生成したオリゴマーは、抜出ポンプ(B)及び抜出ライン(4)を経て抜き出される。
図1に示す工程においては、再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)が連結されているが、両者は独立していてもよい。また、原料供給ライン(1)は反応槽(A)の液相部に接続されていてもよい。
図2において、前述の図1に示す抜出ライン(4)から供給されたオリゴマーは、第1重縮合反応槽(a)で減圧下に重縮合されてプレポリマーとなった後、抜出用ギヤポンプ(c)及び抜出ライン(L1)を経て第2重縮合反応槽(d)に供給される。第2重縮合反応槽(d)では、通常、第1重縮合反応槽(a)よりも低い圧力で更に重縮合が進みポリマーとなる。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)及び抜出ライン(L3)を経て、第3重縮合槽(k)に供給される。第3重縮合反応槽(k)は、複数個の攪拌翼ブロックで構成され、2軸のセルフクリーニングタイプの攪拌翼を具備した横型の反応槽である。抜出ライン(L3)を通じて第2重縮合反応槽(d)から第3重縮合反応槽(k)に導入されたポリマーは、ここで更に重縮合が進められた後、抜出用ギヤポンプ(m)及び抜出ライン(L5)を経てダイスヘッド(g)から溶融したストランドの形態で抜き出され、水などで冷却された後、回転式カッター(h)で切断されてペレットとなる。符号(L6)は第3重縮合反応槽(k)のベントラインである。
本発明のPBTには、2,6−ジ−t−ブチル−4−オクチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3’,5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のフェノール化合物、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−ラウリルチオジプロピオネート)等のチオエーテル化合物、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等の燐化合物などの抗酸化剤、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタン酸やモンタン酸エステルに代表される長鎖脂肪酸およびそのエステル、シリコーンオイル等の離型剤などを添加してもよい。
本発明のPBTには、強化充填材を配合することが出来る。強化充填材としては、特に制限されないが、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ素繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素チタン酸カリウム繊維、金属繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維などの有機繊維などが挙げられる。これらの強化充填材は、2種以上を組み合わせて使用することが出来る。上記の強化充填材の中では、無機充填材、特にガラス繊維が好適に使用される。
強化充填材が無機繊維または有機繊維である場合、その平均繊維径は、特に制限されないが、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μm、更に好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmである。また、平均繊維長は、特に制限されないが、通常0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmである。
強化充填材は、PBTとの界面密着性を向上させるため、収束剤または表面処理剤で表面処理して使用することが好ましい。収束剤または表面処理剤としては、例えば、エポキシ系化合物、アクリル系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物が挙げられる。強化充填材は、収束剤または表面処理剤により予め表面処理しておくことが出来、または、PBT組成物の調製の際に、収束剤または表面処理剤を添加して表面処理することも出来る。強化充填材の添加量は、PBT樹脂100重量部に対し、通常150重量部以下、好ましくは5〜100重量部である。
本発明のPBTには、強化充填材と共に他の充填材を配合することが出来る。配合する他の充填材としては、例えば、板状無機充填材、セラミックビーズ、アスベスト、ワラストナイト、タルク、クレー、マイカ、ゼオライト、カオリン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。板状無機充填材を配合することにより、成形品の異方性およびソリを低減することが出来る。板状無機充填材としては、例えば、ガラスフレーク、雲母、金属箔どを挙げることが出来る。これらの中ではガラスフレークが好適に使用される。
本発明のPBTには、難燃性を付与するために難燃剤を配合することが出来る。難燃剤としては、特に制限されず、例えば、有機ハロゲン化合物、アンチモン化合物、リン化合物、その他の有機難燃剤、無機難燃剤などが挙げられる。有機ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等が挙げられる。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ等が挙げられる。リン化合物としては、例えば、リン酸エステル、ポリリン酸、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等が挙げられる。その他の有機難燃剤としては、例えば、メラミン、シアヌール酸などの窒素化合物などが挙げられる。その他の無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ素化合物、ホウ素化合物などが挙げられる。
本発明のPBTには、必要に応じ、慣用の添加剤などを配合することが出来る。斯かる添加剤としては、特に制限されず、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤などの安定剤の他、滑剤、離型剤、触媒失活剤、結晶核剤、結晶化促進剤などが挙げられる。これらの添加剤は、重合途中または重合後に添加することが出来る。更に、PBTに、所望の性能を付与するため、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの安定剤、染顔料などの着色剤、帯電防止剤、発泡剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤などを配合することが出来る。
本発明のPBTには、必要に応じて、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸エステル、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を配合することが出来る。これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
前記の種々の添加剤や樹脂の配合方法は、特に制限されないが、ベント口から脱揮できる設備を有する1軸または2軸の押出機を混練機として使用する方法が好ましい。各成分は、付加的成分を含めて、混練機に一括して供給することが出来、あるいは、順次供給することも出来る。また、付加的成分を含めて、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合しておくことも出来る。
本発明のPBTの成形加工方法は、特に制限されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形法、すなわち、射出成形、中空成形、押し出し成形、プレス成形などの成形法を適用することが出来る。
本発明のPBTは、色調やメッキ性、添加剤との反応性に優れているため、電気、電子部品、自動車用部品などの射出成形部品として好適であるが、特に、異物が少なく、透明性、熱安定性、着色性、印刷性に優れているため、フィルム、モノフィラメント、繊維などの用途において改良効果が顕著である。。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の諸例で採用した物性および評価項目の測定方法は次の通りである。
(1)エステル化率:
以下の計算式(4)によって酸価およびケン化価から算出した。酸価は、ジメチルホルムアミドにオリゴマーを溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
(2)末端カルボキシル基濃度:
ベンジルアルコール25mLにPBT又はオリゴマー0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定した。
(3)固有粘度(IV):
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(5)より求めた。
(4)PBT中のチタン濃度:
電子工業用高純度硫酸および硝酸でPBTを湿式分解し、高分解能ICP(Inductivery Coupled Plasma)−MS(Mass Spectrometer )(サーモクエスト社製)を使用して測定した。
(5)末端メトキシカルボニル基濃度および末端ビニル基濃度:
重クロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=7/3(体積比)の混合溶媒1mLにPBT約100mgを溶解させ、重ピリジン36μLを添加し、50℃でH−NMRを測定し求めた。NMR装置には日本電子(株)製「α−400」又は「AL−400」を使用した
(6)フィッシュアイ数:
Film Quality Testing System[オプティカルコントロールシステムズ社 形式FS 5]を使用し、厚さ50μmのフィルムを成形し、1m2当たりの200μmを超えるフィッシュアイ数を測定した。
(7)降温結晶化温度(Tc):
示差走査熱量計[パーキンエルマー社、型式DSC7]を使用し、昇温速度20℃/minで室温から300℃まで昇温した後、降温速度20℃/minで80℃まで降温し、発熱ピークの温度を降温結晶化温度とした。Tcが高いほど結晶化速度が速く、成形サイクルが短くなる。
(8)溶液ヘイズ:
フェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)の混合溶媒20mLにPBT2.70gを110℃で30分間溶解させた後、30℃の恒温水槽で15分間冷却し、日本電色(株)製濁度計(NDH−300A)を使用し、セル長10mmで測定した。値が低いほど透明性が良好であることを示す。
(9)ペレット色調:
日本電色(株)製色差計(Z−300A型)を使用し、L、a、b表色系におけるb値を算出し評価した。値が低いほど黄ばみが少なく色調が良好であることを示す。
(10)加水分解反応以外の反応による末端カルボキシル基濃度の上昇(ΔAV(d))
:PBTペレットを粉砕後に水分100ppm以下に真空乾燥させた後、内径5mmのキャピラリーに充填して窒素置換した。これを、窒素下で245℃にコントロールしたオイルバスに浸漬し、40分後取り出して、液体窒素で急冷させた。内容物の温度が十分下がった後、内容物を取り出し、末端カルボキシル基濃度および末端水酸基濃度を測定し、式(1)より求めた。値が小さい方が熱安定性が良好であることを示す。
実施例1:
図1に示すエステル化工程と図2に示す重縮合工程を通し、次の要領でPBTの製造を行った。先ず、テレフタル酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.80モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽から原料供給ライン(1)を通じ、予め、エステル化率99%のPBTオリゴマーを充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化のための反応槽(A)に、40.0kg/hとなる様に連続的に供給した。同時に、再循環ライン(2)から185℃の精留塔(C)の塔底成分を18.4kg/hで供給し、触媒供給ライン(3)から触媒として65℃のテトラブチルチタネートの6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を95g/hで供給した(理論ポリマー収量に対し30ppm)。この溶液中の水分は0.20重量%であった。
反応槽(A)の内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とTHF及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(5)から留出させ、精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(C)の液面が一定になる様に、抜出ライン(8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(G)で凝縮させ、タンク(F)の液面が一定になる様に、抜出ライン(13)より外部に抜き出した。
反応槽(A)で生成したオリゴマーの一定量は、ポンプ(B)を使用し、抜出ライン(4)から抜き出し、反応槽(A)内液の平均滞留時間が3.5hrになる様に液面を制御した。抜出ライン4から抜き出したオリゴマーは、第1重縮合反応槽(a)に連続的に供給した。系が安定した後、反応槽(A)の出口で採取したオリゴマーのエステル化率は97.5%であった。
第1重縮合反応槽(a)の内温は240℃、圧力2.7kPaとし、滞留時間が140分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L2)から、水、THF、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応槽(d)に連続的に供給した。
第2重縮合反応槽(d)の内温は247℃、圧力160Paとし、滞留時間が70分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L4)から、水、THF、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、第3重縮合反応槽(k)に連続的に供給した。第3重縮合反応槽(k)の内温は242℃、圧力は600Pa、滞留時間は80分とし、更に、重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、ダイスヘッド(g)からストランド状に連続的に抜き出し、回転式カッター(h)でカッティングした。得られたPBTの末端カルボキシル基濃度(末端カルボキシル基濃度(1))は35μeq/gであり、更に30分後に得られたPBTの末端カルボキシル基濃度(末端カルボキシル基濃度(2))も35μeq/gであり、変動がなかった。得られたPBTは、色調に優れ、透明性が良好で熱安定性に優れ、異物が少なかった。分析値はまとめて表2に示した。
実施例2:
実施例1において、ポリマー中のTi含有量が表2の通りとなる様にテトラブチルチタネートの供給量を調節し、第2重縮合反応槽(d)の内温を246℃、圧力を180Pa、滞留時間を60分、第3重縮合反応槽(k)の内温を241℃、滞留時間を70分にした以外は、実施例1と同様に行った。末端カルボキシル基濃度は(1)及び(2)共に39μeq/gであり、変動がなかった。実施例1と同様、色調に優れ、透明性が良好で熱安定性に優れ、異物が少ないPBTが得られた。分析値はまとめて表2に示した。
実施例3:
実施例2において、再循環ライン(2)から反応槽(A)に供給する精留塔(C)の塔底成分の流量を7.5kg/hに変更した以外は、実施例2と同様に行った。末端カルボキシル基濃度は(1)及び(2)共に37μeq/gであり、変動がなかった。実施例2と同様、色調に優れ、透明性が良好で熱安定性に優れ、異物が少ないPBTが得られた。分析値はまとめて表2に示した。
比較例1:
実施例1において、ポリマー中のTi含有量が表1の通りとなる様にテトラブチルチタネートの供給量を調節し、再循環ライン(2)から反応槽(A)に供給する精留塔(C)の塔底成分の流量を14.6kg/hに変更し、第2重縮合反応槽(d)の内温を245℃、圧力を170Pa、滞留時間を80分、第3重縮合反応槽(k)の内温を240℃、滞留時間を90分にした以外は実施例1と同様に行った。色調、透明性が悪化し、異物が増加した。分析値はまとめて表3に示した。
比較例2:
タービン型攪拌翼を具備した内容積200Lのステンレス製反応容器に、テレフタル酸ジメチル(DMT)272.9mol、1,4−ブタンジオール327.5mol、テトラブチルチタネート0.126モル(チタン量として理論収量ポリマー当たり100ppm)を仕込み十分窒素置換させた。続いて系を昇温し、60分後に温度210℃、窒素下大気圧で、生成するメタノール、1,4−ブタンジオール、THFを系外に留出させながら、2時間エステル交換反応させた(反応開始時間は、所定温度、所定圧力に達した時点とした)。
ベント管およびダブルヘリカル型攪拌翼を有する内容積200Lのステンレス製反応器に、上記で得られたオリゴマーを移送した後、温度245℃、圧力100Paまで60分かけて到達させ、その状態のまま1.5時間重縮合反応を行った。反応終了後、ポリマーをストランド状に抜き出し、ペレット状に切断した。
抜出開始から10分後に得られたPBTの末端カルボキシル基濃度は35μeq/g(末端カルボキシル基濃度(1))であった。更に30分後(抜出開始から40分後)に得られたPBTの末端カルボキシル基濃度を再度測定したところ55μeq/g(末端カルボキシル基濃度(2))であり、抜出時間と共に末端カルボキシル基濃度が増加していた。得られたPBTは、末端にメトキシカルボニル基が残存しており、Tcが低く、熱安定性にも劣っていた。分析値はまとめて表3に示した。
比較例3:
図3に示すエステル化工程を採用し、精留塔(C)からの塔底成分をライン(15)を使用してエステル化反応槽(A)の気相部から供給し、触媒溶液を原料供給ライン(1)に合流させた触媒供給ライン(3)から191g/hで供給した他は実施例3と同様に行った。色調、透明性が悪化し、異物が増加した。分析値はまとめて表3に示した。
本発明で採用するエステル化反応工程またはエステル交換化反応工程の一例の説明図 本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図 比較例3で採用したエステル化反応工程の説明図
符号の説明
1:原料供給ライン
2:再循環ライン
3:触媒供給ライン
4:抜出ライン
5:留出ライン
6:抜出ライン
7:循環ライン
8:抜出ライン
9:ガス抜出ライン
10:凝縮液ライン
11:抜出ライン
12:循環ライン
13:抜出ライン
14:ベントライン
15:再循環ライン
A:反応槽
B:抜出ポンプ
C:精留塔
D、E:ポンプ
F:タンク
G:コンデンサ
H:リボイラ
L1、L3、L5:抜出ライン
L2、L4、L6:ベントライン
a:第1重縮合反応槽
d:第2重縮合反応槽
k:第3重縮合反応槽
c、e、m:抜出用ギヤポンプ
g:ダイスヘッド
h:回転式カッター

Claims (6)

  1. 直接重合法で製造され、チタンを含有し且つその量がチタン原子として50ppm以下であり、固有粘度が0.65〜1.00dL/g、末端カルボキシル基濃度が30〜50μeq/g、末端メトキシカルボニル基濃度が0.5μeq/g以下、末端ビニル基濃度が0.5〜12μeq/g、不活性ガス雰囲気下に245℃で40分間、熱処理した際の加水分解反応を除く末端カルボキシル基濃度の上昇が0.1〜20μeq/gであることを特徴とするポリブチレンテレフタレート。
  2. 示差走査熱量計で降温速度20℃/minにて測定した降温結晶化温度(示差走査熱量計を使用し、昇温速度20℃/minで室温から300℃まで昇温した後、降温速度20℃/minで80℃まで降温したときの発熱ピークの温度)が175〜185℃である請求項1に記載のポリブチレンテレフタレート。
  3. フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒(重量比3/2)20mLにポリブチレンテレフタレート2.7gを溶解させて測定した際の溶液ヘイズが10%以下である請求項1又は2に記載のポリブチレンテレフタレート。
  4. 固有粘度が0.80〜1.00dL/gである請求項1〜3の何れかに記載のポリブチレンテレフタレート。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のポリブチレンテレフタレートから成る繊維またはモノフィラメント。
  6. 請求項1〜4の何れかに記載のポリブチレンテレフタレートから成るフィルム又はシート。
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