JP2010215804A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間安定して触媒添加が可能で、得られるポリエステルの性能が長期安定的に良好となるポリエステルの連続製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも(1)脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸成分と、(2)脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化及び/又はエステル交換反応してポリエステル低重合体を得、得られたポリエステル低重合体を重縮合触媒を用いて重縮合反応してポリエステルを製造する方法において、(a)エステル化及び/又はエステル交換反応を一段又は連続する複数のエステル化反応槽を用いて行い、(b)重縮合反応を複数段の重縮合反応槽を用いて連続的に行い、かつ、(c)溶媒に重縮合反応触媒を溶解した触媒溶液を、最終段のエステル化反応槽から、第一段重縮合反応槽までの反応液中に、ポリエステルの融点以上200℃以下の温度で連続的に添加することを特徴とするポリエステルの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリエステルの製造方法に関する。詳しくは、少なくとも脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸成分と、脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分を原料とするポリエステルの長期安定的な連続製造方法に関する。
ジカルボン酸とジオールとを原料とし、エステル化及び重縮合反応して得られるポリエステルはフィルム、繊維、容器など種々の用途に利用されている。中でも、ポリブチレンサクシネートに代表される脂肪族ポリエステルは、その原料を植物資源由来のものに求めることができること、良好な物性および生分解性を有することなどから、農業資材、土木資材、植生資材、包装材等の製品に加工され、広範に利用されつつある。
一般に、ポリエステルの重縮合反応は、回分法、連続法、或いは回分法と連続法とを組み合わせた方法で行われる。これらの中で工業的に大量生産する場合は、生産性、品質安定性、経済性などの面から連続法が有利であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど大量生産されているものでは連続方法によるものが圧倒的に多い。
また、経済的に有利なポリエステルの製造方法としては、ジカルボン酸とジオールとの直接エステル化反応、或いは、ジカルボン酸のアルキルエステルとジオールとのエステル交換反応によりエステル低重合体を製造後、加熱減圧下重縮合反応を行い、生成するジオールを反応系から留去して高重合度のポリエステルを製造する方法が古くから知られており、重縮合反応には通常触媒が用いられる。
脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジオールとを主成分とする脂肪族ポリエステルの製造方法としては、例えば、テトラブチルチタネート等の有機アルコキシ金属化合物を触媒として重縮合反応を行い、鎖延長剤としてジイソシアネートやジフェニルカーボネートを添加してポリマー鎖長を延ばすことにより高分子量化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、チタン化合物触媒を用いた重縮合反応により脂肪族ポリエステルを製造する方法の改良として、例えば、マグネシウム化合物をチタン系触媒に共存させてポリブチレンサクシネート系またはポリブチレンアジピネート系ポリエステルを製造する方法が提案されており、具体的には、チタン化合物とマグネシウム化合物を1,4−ブタンジオールに溶解してエステル化反応物に添加後、昇温して重合することでポリブチレンサクシネートを回分法で製造する方法が記載されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−189822号公報 特開2001−98065号公報
ところが、本発明者等の検討によれば、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジオールとを主成分とするポリエステルの連続的製造方法において、これらの触媒を溶液状態として配管を通じて反応系に連続的に添加すると、触媒が固化して配管の閉塞を起こし、連続添加が困難になり、また、得られるポリエステルの物性に問題を生じることが判明した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジオールとを主成分とするポリエステルの連続生産運転における反応系への触媒添加を長期間安定に行い、品質の良好なポリエステルを長期間安定して製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジオールとを主成分とするポリエステルの製造において、重縮合触媒を特定条件で反応系に添加することにより、長期間安定して触媒添加が可能で、得られるポリエステルの性能が長期安定的に良好となることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は、少なくとも(1)脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸成分と、(2)脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化及び/又はエステル交換反応してポリエステル低重合体を得、得られたポリエステル低重合体を重縮合触媒を用いて重縮合反応してポリエステルを製造する方法において、(a)エステル化及び/又はエステル交換反応を一段又は連続する複数のエステル化反応槽を用いて行い、(b)重縮合反応を複数段の重縮合反応槽を用いて連続的に行い、かつ、(c)溶媒に重縮合反応触媒を溶解した触媒溶液を、最終段のエステル化反応槽から第一段重縮合反応槽までの反応液中に、ポリエステルの融点以上200℃以下の温度で連続的に添加することを特徴とするポリエステルの製造方法、に存する。
本発明の方法によれば、重縮合触媒の反応系への添加を安定して行うことが可能となり、その結果、品質の安定したポリエステルを長期間連続的に製造することが可能となる。
エステル化反応工程の一実施形態を示す概略図である。 溶融重縮合反応工程の一実施形態を示す概略図である。 触媒添加用Y形弁の一実施形態を示す概略図である。 触媒添加用注入弁の一実施形態を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明は、少なくとも(1)脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸成分と、(2)脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化及び/又はエステル交換反応してポリエステル低重合体を得、得られたポリエステル低重合体を重縮合触媒を用いて重縮合反応してポリエステルを製造する方法である。
<ジカルボン酸成分>
脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの鎖状脂肪族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などを挙げることができ、機械的物性や用途の広さ、原料の入手容易さ等の観点からは、コハク酸、アジピン酸が好ましい。尚、コハク酸、アジピン酸は植物由来であることができる。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
その他のジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、機械的物性や用途の広さ、原料の入手容易さ等の観点からテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
これらジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、又はジカルボン酸無水物として、又はジカルボン酸のアルキルエステル、好ましくはジアルキルエステルとして反応に供することができ、ジカルボン酸とジカルボン酸アルキルエステルの混合物としてもよい。ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル基に特に制限はないが、アルキル基が長いとエステル交換反応時に生成するアルキルアルコールの沸点が高く反応液相中から揮発しにくく、結果的に末端停止剤として働き重合を阻害するため、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、中でもメチル基が好適である。
本発明のジカルボン酸成分は脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするが、「脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とする」とは、「脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルの合計が、原料ジカルボン酸中で最も多いこと」を意味する。なかでもポリエステルの物性、生分解性の観点から、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルの合計が、原料ジカルボン酸の合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、60モル%以上、更に好ましくは、70%、特に好ましくは90%以上である。
<ジオール成分>
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどの鎖状脂肪族ジオール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどの脂環式ジオールが挙げられる。尚、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールなどは植物原料由来のものを使用することができる。これらの中で得られるポリエステルの物性の面から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が好ましい。尚、これらは2種以上が併用されていてもよい。
その他のジオールとしては、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオール;イソソルビド、イソマンニド、イソイデット、エリトリタンなどの植物原料由来のジオール等を挙げることができる。
本発明のジオール成分は脂肪族ジオールを主成分とするが、「脂肪族ジオールを主成分とする」とは、「脂肪族ジオールの合計が、原料ジオール中で最も多いこと」を意味する。ポリエステルの物性、生分解性の観点から、脂肪族ジオールの合計が、原料ジオールの合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、60モル%以上、更に好ましくは、70%、特に好ましくは90%以上である。
また、上記の中で、1,4−ブタンジオールは得られるポリエステルの融点(耐熱性)、生分解性、力学特性の観点から好ましく、この場合全脂肪族ジオールに対して1,4−ブタンジオールが50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、特に好ましくは90モル%以上である。
<その他原料化合物>
本発明のポリエステルのその他の構成成分(共重合成分)の原料としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸等のオキシカルボン酸、及びこれらオキシカルボン酸のエステルやラクトン、オキシカルボン酸重合体等、或いはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール、或いは、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸及びこれらの無水物などの3官能以上の多価カルボン酸又はその無水物等が挙げられる。また、3官能以上のオキシカルボン酸、3官能以上のアルコール、3官能以上のカルボン酸などの3官能以上の多官能化合物は少量加えることにより高粘度のポリエステルを得やすい。中でも、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸などのオキシカルボン酸が好ましく、特にはリンゴ酸が好ましく用いられる。
その他原料化合物は、全ジカルボン酸成分に対して、通常0.001モル%以上、好ましくは0.05モル%以上であり、通常5モル%以下、好ましくは0.5モル%以下の割合で使用される。多すぎるとゲル(未溶融物)が生成しやすく、少なすぎると粘度上昇の効果が得にくい。
<ポリエステル>
本発明のポリエステルの融点は、その原料の種類、原料の使用割合、及び反応条件により一概には言えないが、融点が、通常、200℃以下、好ましくは190℃以下、更に好ましくは160℃以下である。また、後述の触媒溶液の添加温度との関係から、通常200℃以下、好ましくは180℃以下、更に好ましくは160℃以下である。融点200℃以下のポリエステルとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、などの脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどのジオール成分を主成分とするポリエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、などの脂肪族ジカルボン酸成分を主成分とし、更にテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を含む前記ジカルボン酸成分、前記ジオール成分との共重合ポリエステルなどがあげられる。中でもコハク酸と1,4-ブタンジオールとのポリエステル(ポリブチレンサクシネート)は、得られるポリエステルの物性の点から好ましい。
また、本発明のポリエステルの固有粘度(IV)は、通常、1.0〜2.5である。尚、固有粘度(IV)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
<ポリエステルの製造>
以下、本発明のポリエステルの製造方法を、脂肪族ジカルボン酸としてコハク酸を、脂肪族ジオールとして1,4−ブタンジオールを、その他成分としてリンゴ酸を用いて、ポリブチレンサクシネートを製造する例として示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリブチレンサクシネートの製造方法は大きく分けてコハク酸を主原料として用いるいわゆる直接重合法と、コハク酸ジアルキルエステル、好ましくはコハク酸ジメチルを主原料として用いるエステル交換法がある。前者は初期のエステル化反応で主に水が生成し、後者は初期のエステル交換反応で主にアルコールが生成するという違いがあるが、反応留出物の処理の容易さ、原料原単位の高さという観点からは直接重合法が好ましい。
(エステル化又はエステル交換反応)
ジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化反応および/又はエステル交換反応は連続する複数の反応槽で行うことができるが、一槽でも行うことができる。また、品質の安定化、エネルギー効率の観点からは、原料を連続的に供給し、連続的にポリブチレンサクシネートを得るいわゆる連続法が好ましく、本発明では連続方法を採用する。
コハク酸に対する1,4−ブタンジオールの仕込みモル比の下限は通常0.95、好ましくは1.00、より好ましくは1.05であり、上限は通常2.00、好ましくは1.80、より好ましくは1.60である。仕込みモル比が少なすぎると反応速度が低下する傾向があり、多すぎると得られるポリエステルの色調が悪くなる傾向がある。またフィルム用途など溶融粘度を高くしたい場合は多官能化合物を添加することが好ましく、多官能化合物としてはリンゴ酸などが挙げられる。コハク酸に対するリンゴ酸の仕込みモル%は0.05〜0.50モル%が好ましい。上記割合が少なすぎると粘度を高くする効果が無く、上記割合が多すぎると0.50モル%を超えるとゲル化による異物が発生し好ましくない。エステル化反応は1つのエステル化反応槽でも、連続する複数の反応槽でも行うことができる。
エステル化の反応温度は、通常、下限が150℃、好ましくは180℃、より好ましくは200℃であり、上限は260℃、好ましくは250℃、より好ましくは240℃である。温度が低すぎるとエステル化反応速度が遅く反応時間を長時間必要とし、脂肪族ジオールの脱水分解など好ましくない反応が多くなる。温度が高すぎると脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸の分解が多くなり、また反応槽内に飛散物が増加し異物発生原因となりやすく反応物に濁り(ヘーズ)を生じやすくなる。又、エステル化温度は一定温度であることが好ましい。一定温度であることによりエステル化率が安定する。一定温度は設定温度±5℃、好ましくは±2℃である。反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下である。反応圧力は、通常、50kPa〜200kPaであり、下限は好ましくは60kPa、更に好ましくは70kPa、上限は好ましくは130kPa、更に好ましくは110kPaである。圧力が小さすぎると反応槽内に飛散物が増加し反応物のヘーズが高くなり異物増加の原因となりやすく、又脂肪族ジオールの反応系外への留出が多くなり重縮合反応速度の低下を招きやすい。圧力が大きすぎると、脂肪族ジオールの脱水分解が多くなり、重縮合速度の低下を招きやすい。反応時間は、通常1時間以上であり、上限が通常10時間以下、好ましくは、4時間以下である。
一方、エステル交換法の一例としては、コハク酸のジアルキルエステルを主成分とする前記ジカルボン酸エステル成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを、1段又は多段のエステル交換反応槽内で、好ましくはエステル化交換触媒の存在下に、通常110℃〜260℃、好ましくは140〜245℃、特に好ましくは180〜220℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜120kPa、特に好ましくは60〜101kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で行う。
(重縮合反応)
次に、得られたエステル化反応生成物(ポリエステル低重合体)又はエステル交換反応生成物(ポリエステル低重合体)は、最終段のエステル化反応槽から抜き出され配管を通じて、第一段重縮合反応槽に移される。重縮合反応は、通常、減圧下で行われ、連続する複数の反応槽を用い行なわれる。重縮合反応槽の反応圧力は、下限が通常0.01kPa以上、好ましくは0.03kPa以上であり、上限が通常3.5kPa以下、好ましくは3.0kPa以下であり、複数の反応槽の後段となるに従って減圧とする。この点から、最終段の上限は、1.4kPa以下、好ましくは0.4kPa以下として行う。重縮合反応時の圧力が高すぎると、重縮合時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。一方、超高真空重縮合設備を用いて製造する手法は重縮合反応速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要となるため、経済的には不利である。反応温度は、下限が通常215℃、好ましくは220℃であり、上限が通常270℃、好ましくは260℃の範囲である。温度が低すぎると、重縮合反応速度が遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となる為、経済的に不利である。一方、温度が高すぎると製造時のポリエステルの熱分解が引き起こされやすく、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。反応時間は、下限が通常1時間以上であり、上限が通常15時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは6時間以下である。反応時間が短すぎると反応が不充分で高重合度のポリエステルが得にくく、その成形品の機械物性が劣る傾向となる。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、その成形品の機械物性が劣る傾向となるばかりでなく、ポリエステルの耐久性に悪影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
<重縮合触媒及び触媒添加>
エステル化反応及び重縮合反応は、反応触媒を使用することにより反応が促進される。エステル化反応においてはエステル化反応触媒が無くても十分な反応速度を得ることができるが、本発明における重縮合反応においては、反応促進のため触媒を用いる。
重縮合反応触媒としては、一般には、周期表1〜14族の金属元素のうち少なくとも1種を含む化合物が用いられる。金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イットリウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム及びカリウム等が挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。更に、ポリエステルの熱安定性に影響を与えるポリエステル末端濃度を低減させる為には、上記金属の中では、ルイス酸性を示す周期表3〜6族の金属元素が好ましい。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンであり、特に、入手のし易さからチタン、ジルコニウムが好ましく、更には反応活性の点からチタンが好ましい。
触媒として用いるチタン化合物としては、テトラアルキルチタネート及びその加水分解物が好ましく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラベンジルチタネート及びこれらの混合チタネート、及びこれらの加水分解物が挙げられる。また、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタン(ジイソプロキシド)アセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、チタンビス(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシド、チタン(トリエタノールアミネート)イソプロポキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ブチルチタネートダイマー等も好んで用いられる。
特に、チタン化合物を用いる場合には、重縮合触媒として、アルカリ土類金属化合物を併用するのが好ましい。アルカリ土類金属化合物としては、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキシド、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属の酢酸塩、酸化物、水酸化物、アルコキシド、炭酸塩等が挙げられ、中でも、マグネシウム化合物が好ましく、特に酢酸マグネシウムが好ましい。チタン化合物に対するアルカリ土類金属化合物の割合は、通常、アルカリ土類金属/Ti(モル比)として、0.1/1〜10/1、好ましくは、0.5/1〜2/1である。
また、チタン化合物及びアルカリ土類金属化合物、更にリン化合物を予め混合して得られた触媒も有効である。リン化合物としては、正燐酸、ポリ燐酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等のリン酸エステル等の5価の燐化合物、並びに、亜燐酸、次亜燐酸、及び、ジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価の燐化合物等が挙げられる。チタン化合物に対するリン化合物の割合は、P/Ti(モル比)として、通常0.1/1〜10/1、好ましくは、0.5/1〜2/1である。
チタン化合物及びアルカリ土類金属化合物、更にリン化合物を予め混合して得られた触媒の中でも、リン化合物として酸性リン酸エステル(リン酸の部分エステル)を使用することによって得られた触媒は、重合活性が高く生産性が良好であり、又、得られるポリエステルの物性の点で好ましい。この場合の、チタン化合物に対するアルカリ土類金属化合物の割合、及び、チタン化合物に対する酸性リン酸エステルの割合は、上記アルカリ土類金属/Ti(モル比)及びP/Ti(モル比)と同様である。
触媒成分を混合する際は、通常、溶媒を使用するが、溶媒としては、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を均一溶液とできれば特に限定されないが、アルコールが好適に用いられ、具体的には、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコール、及び、グリコール等の2価のアルコール等が挙げられる。このうち、化合物の溶解性や取り扱いの容易さから、1価のアルコールが好ましく用いられる。これらのアルコールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記アルコールの中でも、特にチタン化合物、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物の溶解性が高いこと、及び、後述の通り、これらを混合して得られた触媒溶液を濃縮して使用する場合には、沸点が低く除去しやすいことから、エタノールが好ましい。
尚、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及びリン酸エステル化合物をアルコールと混合することにより得られる液状物をそのまま触媒として使用することも可能であるが、これを濃縮してアルコールを留去して得られるものが好ましい。
その製造方法としては、 (i) アルコール、チタン化合物、アルカリ金属化合物及び酸性リン酸エステル化合物を混合、溶解、反応させる工程、及び、(ii) 工程(i)で得た反応溶液からアルコールなどを留去することにより濃縮を行うと同時に更に反応を進め、粘稠な液体状触媒、又は固体状触媒、あるいはこれらの混合物を得る工程、により製造する方法が挙げられる。(i)の反応は、通常、常温程度で各成分が溶解する時間混合することにより行われるが、この時、用いられるアルコールは反応には関与せず、単に溶媒としてのみ働くものと考えられる。
尚、得られる触媒の形態が、粘稠な液体状触媒、固体状触媒、あるいはこれらの混合物と得られる触媒の形態が異なるのは、濃縮の度合いによるものである。工程(ii)で得られる触媒はそのままか、あるいは1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールなどのグリコールなどに溶解させてから容易に回収することができる。なお、濃縮時に留去されるものは溶媒として用いられるアルコールと、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物の反応によって副生するアルコール、有機酸などである。
このようにして得られる触媒は、溶媒として用いられたアルコールを除く原料の総重量よりも必ず重量が減少している。得られる触媒の重量W1と、混合に用いた、即ち、上記(i)の工程でアルコールと混合したチタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物の重量の和W0との比W1/W0は、通常0.45以上0.85以下である。この比は用いられる原料化合物の種類、組成比によって変化する。
また、上記(ii)工程でアルコールなどを留去し濃縮されて得られた液体状触媒、又は固体状触媒、あるいはこれらの混合物中に残留する調製溶媒として使用したアルコールの量は5wt%以下であり、好ましくは1wt%以下、最も好ましくは0.2wt%以下である。残留アルコール量が5wt%より多いと重合留出系への負荷が大きくなる傾向がある。
上記重縮合触媒の中でも、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンビス(アンモニウムラクテイト)ジヒドロキシド、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタンラクテート及びブチルチタネートダイマー等のチタン化合物、並びに、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物及びアルコールを混合することにより得られる液状物またはその濃縮物が好ましく、特に、テトラ−n−ブチルチタネート、ポリヒドロキシチタンステアレート、チタン(オキシ)アセチルアセトネート及びチタンテトラアセチルアセトネート、並びに、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物及びアルコールを混合することにより得られる液状物またはその濃縮物が好ましい。
これらの重縮合触媒の添加量は、生成するポリエステルに対する金属量として、通常、0.1重量ppm以上、好ましくは0.5重量ppm以上、より好ましくは1重量ppm以上であり、通常、3000重量ppm以下、好ましくは1000重量ppm以下、より好ましくは250重量ppm以下、特に好ましくは130重量ppm以下である。使用する触媒量が多すぎると、経済的に不利であるばかりでなく、理由は未だ詳らかではないが、ポリエステル中のカルボキシル基末端濃度が多くなる場合がある為、カルボキシル基末端量ならびに残留触媒濃度の増大によりポリエステルの熱安定性や耐加水分解性が低下する場合がある。逆に少なすぎると重合活性が低くなり、それに伴いポリエステル製造中にポリエステルの熱分解が誘発され、実用上有用な物性を示すポリエステルが得られにくくなる傾向がある。
本発明では、特に、重縮合触媒を、溶媒に溶解した触媒溶液として、最終段のエステル化反応槽から第一段重縮合反応槽までの反応液中に、ポリエステルの融点以上200℃以下の温度で連続的に添加する必要がある。
重縮合触媒は、溶媒に溶解した触媒溶液として反応液に添加することにより、重合速度を高めることが可能である。尚、触媒溶液は、液状であれば一部触媒成分が分散しているような完全な溶液でなくても良いが、触媒の安定な供給のためには、均一な溶液であるのが好ましい。
重縮合触媒を溶解させるための溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどの1価アルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどの前述の脂肪族ジオール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等が挙げられる。中でも、溶媒として、ポリエステルのジオール成分と同一のジオールを用いることは、留出不純物を低減できる点で好ましい。
触媒溶液中の重縮合触媒濃度の上限値は、触媒金属濃度として、通常10重量%、好ましくは3重量%、更に好ましくは1.5重量%、特に好ましくは0.5重量%であり、その下限値は、触媒金属濃度として、通常0.01重量%、好ましくは0.05重量%、更に好ましくは0.1重量%である。触媒金属濃度が高すぎる場合は、溶液中で触媒が析出しやすく触媒の安定な供給がしにくくなり、低すぎる場合は、希釈溶媒を多量に反応器に送り込むこととなるため、分子量の低下を招いたり、反応器や減圧装置、加熱装置など、重縮合設備への負荷が増大する傾向にある。
上記触媒溶液は、最終段のエステル化反応槽から第一段重縮合反応槽までの反応液中に添加される限り、エステル化反応槽の反応液中、第一段重縮合反応槽の反応液中、及び、最終段のエステル化反応槽と第一段重縮合反応槽の間の反応液中のいずれに添加されてもよいが、なかでも、最終段のエステル化反応槽と第一段重縮合反応槽の間の反応液中に、連続的に添加されることが好ましい。従って、最終段のエステル化反応槽から第一段重縮合反応槽へエステル化反応物を移送する配管に供給することにより、最終段のエステル化反応槽と第一段重縮合反応槽の間の反応液中に添加されることが好ましい。
エステル化反応時に重縮合触媒が存在すると、エステル化反応によって生じる水により重縮合触媒が反応物に不溶の析出物を生じ、得られるポリエステルをフィルムなどの成形品とした際に透明性を損なう(即ちヘーズが高くなる)こととなり、又ポリエステル中で異物化することとなる。また、重縮合触媒を重合反応槽の気相部に添加すると、得られるポリエステルのヘーズか高くなったり、重縮合触媒が異物化することとなるので、反応液中(液相中)に添加することが好ましく、この観点から、第一段重縮合反応槽に先立つ段階の反応液に触媒溶液として添加される。
尚、触媒添加時の反応液のエステル化率は80%以上が好ましく、より好ましくは85%以上、更に好ましくは88%以上である。本発明でエステル化率とはエステル化反応物試料中の全酸成分に対するエステル化された酸成分の割合を示すものであり次式で表される。
エステル化率(%)=(ケン化価−酸化)/ケン化価)×100
触媒添加時の反応液のエステル化率が低いと残存ジカルボン酸と触媒が反応して異物化する場合がある。
本発明においては、反応液に添加される触媒溶液の温度が、最終的に得られるポリエステルの融点以上200℃以下である。触媒溶液の温度の下限は、好ましくは(ポリエステルの融点+5)℃、更に好ましくは(ポリエステルの融点+10)℃であり、上限は好ましくは180℃、更に好ましくは160℃である。触媒溶液の温度が低すぎると、添加口周辺で反応液が固化し、触媒液を安定して添加するのが困難となる。触媒溶液の温度が高すぎると、触媒溶液中で触媒成分が変質し、析出して配管閉塞を起こし、触媒の添加が困難となる。また、得られるポリエステルをフィルムとした時のフィッシュアイが増加するなど、ポリエステルの性能が劣ることとなる。
尚、触媒溶液の温度の調節は、触媒溶液貯槽の温度コントロール、触媒溶液添加配管の温度コントロールなどにより行うことができる。具体的には貯槽又は、配管をジャケット付きとし、そのジャケット内に温度調節された熱媒を流通させることにより行うことができる。
触媒溶液の反応液への添加を配管を通じて行う場合、反応液へ添加する際の触媒溶液の配管内線速は、添加配管の閉塞を防止する観点から、通常0.01m/s以上、好ましくは0.03m/s以上、更に好ましくは0.05m/s以上、特に好ましくは0.1m/s以上である。
<製造ライン例>
以下に、脂肪族ジカルボン酸としてコハク酸、脂肪族ジオールとして1,4−ブタンジオール、多官能化合物としてリンゴ酸を原料とするポリエステルの製造方法の好ましい実施態様を説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
以下、添付図面に基づき、本発明のポリエステルの製造方法の好ましい実施態様を説明する。図1は、本発明で採用するエステル化反応工程の一例の説明図、図2は、本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図、図3は触媒溶液添加用のY型弁の一例の図、図4は触媒添加用注入弁の一例の図である。
図1において、原料のコハク酸及びリンゴ酸は、通常、原料混合槽(図示せず)で1,4−ブタンジオール(BGと表すことがある)と混合され、原料供給ライン(1)からスラリー又は液体の形態でエステル化反応槽(A)に供給される。また、エステル化反応時に触媒添加する場合は、触媒調整槽(図示せず)でBGの溶液とした後、BG供給ライン(3)に溶液を供給してなされる。図1では再循環1,4−ブタンジオールの再循環ライン(2)にBG供給ライン(3)を連結し、両者を混合した後、エステル化反応槽(A)の液相部に供給する態様を示した。
エステル化反応槽(A)から留出するガスは、留出ライン(5)を経て精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離される。通常、高沸成分の主成分は1,4−ブタンジオールであり、低沸成分の主成分は、水及びBGの分解物であるテトラヒドロフラン(THFと表すことがある)である。
精留塔(C)で分離された高沸成分は抜出ライン(6)から抜き出され、ポンプ(D)を経て、一部はBG再循環ライン(2)からエステル化反応槽(A)に循環され、一部は循環ライン(7)から精留塔(C)に戻される。また、余剰分は抜出ライン(8)から外部に抜き出される。一方、精留塔(C)で分離された軽沸成分はガス抜出ライン(9)から抜き出され、コンデンサ(G)で凝縮され、凝縮液ライン(10)を経てタンク(F)に一時溜められる。タンク(F)に集められた軽沸成分の一部は、抜出ライン(11)、ポンプ(E)及び循環ライン(12)を経て精留塔(C)に戻され、残部は、抜出ライン(13)を経て外部に抜き出される。コンデンサ(G)はベントライン(14)を経て排気装置(図示せず)に接続されている。エステル化反応槽(A)内で生成したエステル化反応物は、抜出ポンプ(B)及びエステル化反応物の抜出ライン(4)を経て第1重縮合反応槽(a)に供される。
図1に示す工程においては、再循環ライン(2)にBG供給ライン(3)が連結されているが、両者は独立していてもよい。また、原料供給ライン(1)はエステル化反応槽(A)の液相部に接続されていてもよい。
本実施態様では、エステル化反応槽と第一段重縮合反応槽の間の反応液に触媒溶液を添加する。図の例では、図2の反応物抜出しライン(4)に触媒供給ライン(L7)を通じて触媒溶液を添加する。触媒溶液添加部には、公知の各種バルブが使用可能であるが、触媒溶液の添加流量を調整可能なグローブ弁、Y型弁、注入弁が好ましく、Y型弁、注入弁がより好ましく、弁周りでの触媒溶液の滞留や逆流が少ない注入弁が最も好ましい。Y型弁としては図3の様な形式が、注入弁としては図4の様な形式が例示される。
図3及び4において、エステル化反応槽から抜き出されたエステル化物は、配管を通して31の方向で供給され、一方、触媒溶液は、配管と連結するY型弁又は注入弁から、32の方向で供給される。その際、ステム35をハンドル36で移動させることにより、流路の開度を変化させて触媒液の供給量を調節することが可能である。尚、図3における配管及びY型弁及び図4における配管及び注入弁は、反応液移送配管用熱媒ジャケット33及び触媒溶液添加部用熱媒ジャケット34により保温されており、触媒の添加温度の調節は、触媒添加部の配管のジャケット温度で調節され、具体的には配管及び弁に敷設するジャケットに流通する熱媒の温度を調節することによりなされる。例えば、図3及び図4において、触媒溶液の温度は、熱媒ジャケット34に流通する熱媒の温度を指す。
上記配管で、触媒溶液が添加されたエステル化反応物(ポリエステル低重合体)は、減圧下に重縮合されて重縮合が進む。その後、抜出用ギヤポンプ(c)及び抜出ライン(L1)を経て第2重縮合反応槽(d)に供給される。第2重縮合反応槽(d)では、通常、第1重縮合反応槽(a)よりも低い圧力で更に重縮合反応が進む。得られた重縮合物は、抜出用ギヤポンプ(e)及び抜出ライン(L3)を経て、第3重縮合槽(k)に供給される。抜出ライン(L3)を通じて第2重縮合反応槽(d)から第3重縮合反応槽(k)に導入された重縮合反応物は、ここで更に重縮合反応が進められた後、抜出用ギヤポンプ(n)、抜出ライン(L5)を経てダイ(r)から溶融したストランドの形態で抜き出され、水などで冷却された後、回転式カッター(u)で切断されてポリエステルペレットとなる。符号(L2)、(L4)、(L6)は、それぞれ、第1重縮合反応槽(a)、第2重縮合反応槽(d)、第3重縮合反応槽(k)のベントラインである。ライン(4)、L1、L3、L5には必要に応じて各ラインの途中に異物除去効果と運転安定性とを考慮してフィルターを適宜設置することができる。
<反応槽>
本発明に用いるエステル化反応槽としては、公知のものが使用でき、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽等の型式のいずれであってもよく、又、単数槽としても、同種又は異種の槽を直列させた複数槽としてもよい。中でも攪拌装置を有する反応槽が好ましく、攪拌装置としては、動力部および軸受、軸、攪拌翼からなる通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機等の高速回転するタイプも用いることができる。
攪拌の形態にも制限はなく、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部等から直接攪拌する通常の攪拌方法の他、反応液の一部を反応槽の外部に配管等で持ち出してラインミキサ−等で攪拌し、反応液を循環させる方法もとることができる。
攪拌翼の種類も公知のものが選択でき、具体的にはプロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等が挙げられる。
本発明に用いる重縮合反応槽の型式に特に制限はなく、例えば、縦型攪拌重合槽、横型攪拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽などを挙げることができる。重縮合反応槽は、同種又は異種の複数基の槽を直列させた複数槽とすることもできるが、反応液の粘度が上昇する重縮合の後期は界面更新性とプラグフロー性、セルフクリーニング性に優れた薄膜蒸発機能を有した横型攪拌重合機を選定することが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何等限定されるものではない。尚、以下で行う物性及び評価項目の測定方法は次の通りである。
<触媒中の金属元素分析>
試料0.1gをケルダールフラスコ中で硫酸存在下、過酸化水素で湿式分解の後、蒸留水にて定容したものについて、プラズマ発光分光分析装置(JOBIN YVON社製ICP−AES ULtrace JY−138U型)を用いて定量分析し、触媒中の金属含量(質量%)に換算した。
<触媒溶液のpH分析>
東亜DKK社製自動滴定装置(AUT−301型)を用い、大気下でpH電極を触媒溶液に浸して測定した。
<エステル化率>
以下の計算式(1)によって酸価及びケン化価から算出した。酸価は、ベンジルアルコールに試料を溶解させ、0.1NのKOH/メタノール溶液を使用して滴定により求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液で試料を加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定し求めた。
エステル化率=((ケン化価−酸価)/ケン化価)×100・・・(1)
<融点>
示差走査熱量計[メトラートレド社製、形式DSC822e]を使用し、ポリマー量約5mgを、窒素雰囲気下で、昇温速度毎分10℃で室温から200℃まで昇温した後、200℃で3分保持し、次に降温速度毎分10℃で200℃から40℃まで降温し、40℃で3分保持し、最後にまた昇温速度毎分10℃で40℃から200℃まで昇温した。最後の昇温の時の吸熱ピーク温度を融点とした。
<固有粘度(IV)>
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(質量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度0.5g/dLのポリマー溶液及び溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(2)より求めた。
IV=((1+4KHηSP0.5−1)/(2KHC) ・・・(2)
(但し、ηSP=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。)
<フィルムフィッシュアイ>
ポリエステルペレットをイナートオーブン中で窒素雰囲気下80℃10時間乾燥した後、Film Quality Testing System(オプティカルコントロールシステムズ社 形式FS−5)を使用し、厚さ30μmで幅110mmのフィルムを成形温度190℃、冷却ロール温度30℃でTダイ成形し、成形が安定してからフィッシュアイ数をインライン測定し、フィルム面積1m2当たりの大きさ200μm以上のフィッシュアイ数を求めた。
[参考例1]
[触媒溶液の調製]
撹拌装置付きのガラス製ナス型フラスコに、酢酸マグネシウム・4水和物を100質量部入れ、更に1500質量部の無水エタノール(純度99質量%以上)を加えた。更にエチルアシッドホスフェート(モノエステル体とジエステル体の混合質量比は45:55)を65.3質量部加え、23℃で撹拌を行った。15分後に酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テトラ−n−ブチルチタネートを122.0質量部添加した。更に10分間撹拌を継続し、均一混合溶液を得た。この混合溶液を、ナス型フラスコに移し、60℃のオイルバス中でエバポレーターによって減圧下で濃縮を行った。1時間後に殆どのエタノールが留去され、半透明の粘稠な液体を得た。オイルバスの温度を更に80℃まで上昇させ、5Torrの減圧下で更に濃縮を行い粘稠な液体状触媒を得た。得られた触媒の金属元素分析値は、チタン原子含有量が10.3質量%、マグネシウム原子含有量が6.8質量%、リン原子含有量が7.8質量%であり、各原子のモル比としては、チタン/リン=0.78、マグネシウム/リン=1.0であった。この液体状の触媒を、1,4−ブタンジオールに溶解させ、チタン原子含有量が3.36質量%となるよう調製した。この触媒溶液の1,4−ブタンジオール中における保存安定性は良好であり、窒素雰囲気下40℃で保存した触媒溶液は少なくとも40日間析出物の生成が認められなかった。また、この触媒溶液のpHは6.3であった。
[実施例1]
図1に示すエステル化反応工程と図2に示す重縮合反応工程を通し、次の要領でポリエステルの製造を行った。
まず、コハク酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.30モル及びリンゴ酸0.0033モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽から原料供給ライン(1)を通じ、予め、エステル化率99%のポリエステル低重合体を溶融充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化反応槽(A)に、42kg/hとなるように連続的に供給した。同時に、再循環ライン(2)から100℃の精留塔(C)の塔底成分(98質量%以上が1,4−ブタンジオール)を3.0kg/hで供給した。
反応槽(A)の内温は230℃、圧力は101kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(5)から留出させ、精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98質量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(C)の液面が一定になるように、抜出ライン(8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、水とテトラヒドロフランを主体とする低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(G)で凝縮させ、タンク(F)の液面が一定になるように、抜出ライン(13)より外部に抜き出した。
反応槽(A)で生成したエステル化反応物を、ポンプ(B)を使用し、連続的にエステル化反応物の抜出ライン(4)から抜き出し、反応槽(A)内の反応物のコハク酸ユニット換算での平均滞留時間が3時間になるように液面を制御した。抜出ライン(4)から抜き出したエステル化反応物は、第1重縮合反応槽(a)に連続的に供給した。系が安定した後、反応槽(A)の出口で採取したエステル化反応物のエステル化率は90.6%であった。
参考例1にて調製した触媒溶液を更に1,4−ブタンジオールで希釈して、チタン原子とマグネシウム原子とリン原子の合計濃度を0.41質量%とした液を供給ライン図2(L7)を通じてエステル化反応物の抜出ライン(4)に1.0kg/hで供給した。
触媒溶液添加部には図4の形式の注入弁を用いて、熱媒ジャケット34には150℃の熱媒を流し、熱媒ジャケット33には250℃の熱媒を流して保温した。本実験で触媒溶液添加温度は熱媒ジャケット(34)に流通させる熱媒温度と同じとした。
第1重縮合反応槽(a)の内温は250℃、圧力2.7kPaとし、滞留時間が120分になるように液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L2)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応槽(d)に連続的に供給した。
第2重縮合反応槽(d)の内温は250℃、圧力400Paとし、滞留時間が60分になるように液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L4)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリエステルは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、第3重縮合反応槽(k)に連続的に供給した。第3重縮合反応槽(k)の内温は250℃、圧力は130Pa、滞留時間は60分とし、更に、重縮合反応を進めた。重縮合反応後の反応物は、第3重縮合反応槽(k)よりライン(L5)にて抜き出し、ギヤポンプ(n)、次いでダイ(r)を経て、抜き出されたストランドを冷却水で冷却した後、回転式カッター(u)にてカッティングし、ポリエステルチップを得た。
触媒添加部の閉塞は1年間発生せず、連続製造が可能であった。連続運転開始48時間後に評価用サンプルを採取した。得られたポリエステルチップの融点は120℃であり、このチップを用いてフィルムフィッシュアイ評価を行った。結果を表―1に示す。
[実施例2]
熱媒ジャケット34に流す熱媒温度を170℃に変更した以外は実施例1と同様に実施した。得られたポリエステルチップにてフィルムフィッシュアイ評価を行った。結果を表―1に示す。連続運転開始から250日目に触媒添加部の閉塞が発生し、製造を中止した。閉塞物を分析すると触媒成分であるマグネシウムとリンが検出された。
[比較例1]
熱媒ジャケット34に流す熱媒温度を230℃に変更した以外は実施例1と同様に実施した。得られたポリエステルチップにてフィルムフィッシュアイ評価を行った。結果を表―1に示す。連続運転開始から3日目に触媒添加部の閉塞が発生し、製造を中止した。閉塞物を分析すると触媒成分であるマグネシウムとリンが検出された。
[比較例2]
<ポリブチレンテレフタレートの連続製造>
図1に示すエステル化工程と図2に示す重縮合工程を通し、次の要領でポリブチレンテレフタレート(PBT)の製造を行った。先ず、テレフタル酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.80モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽から原料供給ライン(1)を通じ、予め、エステル化率99%のPBT低重合体を充填したスクリュー型攪拌機を有するエステル化のための反応器(A)に、40kg/hとなる様に連続的に供給した。同時に、再循環ライン(2)から185℃の精留塔(C)の塔底成分(98質重量%以上が1,4−ブタンジオール)を18.4kg/hで供給し、チタン触媒供給ライン(3)から触媒として65℃のテトラブチルチタネートの6.0重量%1,4−ブタンジオール溶液を127g/hで供給した。この触媒溶液中の水分は0.2重量%とした。
反応器(A)の内温は230℃、圧力は78kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(5)から留出させ、精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(C)の液面が一定になる様に、抜出ライン(8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、水とTHFを主体とする低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(G)で凝縮させ、タンク(F)の液面が一定になる様に、抜出ライン(13)より外部に抜き出した。
反応器(A)で生成したエステル化反応物の一定量は、ポンプ(B)を使用し、エステル化反応物の抜出ライン(4)から抜き出し、反応器(A)内液のテレフタル酸ユニット換算での平均滞留時間が3時間になる様に液面を制御した。抜出ライン4から抜き出したエステル化反応物は、第1重縮合反応器(a)に連続的に供給した。系が安定した後、反応器(A)の出口で採取したエステル化反応物のエステル化率は97.3%であった。
参考例1にて調製した触媒溶液を更に1,4−ブタンジオールで希釈して、チタン原子とマグネシウム原子とリン原子の合計濃度を0.41質量%とした液を供給ライン図2(L7)を通じてエステル化反応物の抜出ライン(4)に1.0kg/hで供給した。
触媒添加部には図4の形式の注入弁を用いて、熱媒ジャケット34に流す熱媒温度を190℃とし、熱媒ジャケット33に流す熱媒温度を250℃とした。
第1重縮合反応器(a)の内温は246℃、圧力2.4kPaとし、滞留時間が120分になる様に液面制御を行った。減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L2)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は第2重縮合反応器(d)に連続的に供給した。
第2重縮合反応器(d)の内温は239℃、圧力150Paとし、滞留時間が130分になる様に液面制御を行い、減圧機(図示せず)に接続されたベントライン(L4)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリマーは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、第3重縮合反応器(k)に連続的に供給した。第3重縮合反応器(k)の内温は238℃、圧力は130Pa、滞留時間は70分とし、更に、重縮合反応を進めた。重縮合反応後の反応物は、第3重縮合反応槽(k)よりライン(L5)にて抜き出し、ギヤポンプ(n)、次いでダイ(r)を経て、抜き出されたストランドを冷却水で冷却した後、回転式カッター(u)にてカッティングし、ポリブチレンテレフタレートチップを得た。融点は220℃であった。
連続運転開始から1日経過して触媒添加部の閉塞が発生し、製造を中止した。閉塞物を分析するとポリブチレンテレフタレートの低重合体であった。
Figure 2010215804
本発明により、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジオールとを主成分とするポリエステルの連続生産における運転安定性が向上し、品質良好なポリエステルを得ることができる。
1:原料供給ライン
2:再循環ライン
4:エステル化反応物の抜出ライン
5:留出ライン
6:抜出ライン
7:循環ライン
8:抜出ライン
9:ガス抜出ライン
10:凝縮液ライン
11:抜出ライン
12:循環ライン
13:抜出ライン
14:ベントライン
A:エステル化反応槽
B:抜出ポンプ
C:精留塔
D、E:ポンプ
F:タンク
G:コンデンサ
L1、L3、L5:反応物抜出ライン
L2、L4、L6:減圧ライン
L7:触媒供給ライン
a:第1重縮合反応槽
d:第2重縮合反応槽
k:第3重縮合反応槽
c、e、n:抜出用ギヤポンプ
r:ダイ
u:回転式カッター
31:エステル化物の流れ
32:触媒溶液の流れ
33:反応液移送配管用熱媒ジャケット
34:触媒溶液添加部用熱媒ジャケット
35:弁のステム
36:弁の開閉ハンドル

Claims (7)

  1. 少なくとも(1)脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルを主成分とするジカルボン酸成分と、(2)脂肪族ジオールを主成分とするジオール成分とをエステル化及び/又はエステル交換反応してポリエステル低重合体を得、得られたポリエステル低重合体を重縮合触媒を用いて重縮合反応してポリエステルを製造する方法において、(a)エステル化及び/又はエステル交換反応を一段又は連続する複数のエステル化反応槽を用いて行い、(b)重縮合反応を複数段の重縮合反応槽を用いて連続的に行い、かつ、(c)溶媒に重縮合反応触媒を溶解した触媒溶液を、最終段のエステル化反応槽から第一段重縮合反応槽までの反応液中に、ポリエステルの融点以上200℃以下の温度で連続的に添加することを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 原料として、更に3官能以上の多官能化合物を用いることを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 触媒溶液を、ポリエステルの融点以上180℃以下で添加することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 触媒溶液の溶媒が主成分のジオールである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 重縮合触媒がチタン化合物を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 重縮合触媒として、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物及びリン化合物を予め混合して得られた触媒を用いる請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。
  7. 重縮合触媒として、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物及びアルコールを混合し、該混合物を濃縮することによって得られる触媒を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリエステルの製造方法。

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