JP5678667B2 - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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本発明において、「脂肪族ジカルボン酸成分」とは、全ジカルボン酸成分の85モル%以上が脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体であるものをいう。
以下、脂肪族ポリエステルの原料及び本発明の製造方法について、詳細に説明する。
脂肪族ポリエステルの原料である脂肪族ジカルボン酸成分に含まれる脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ダイマー酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などが挙げられる。これら脂肪族ジカルボン酸のうち、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸などは植物原料由来のものを使用することができる。また、上記の脂肪族ジカルボン酸の誘導体として酸無水物を用いてもよく、具体的には、無水コハク酸が挙げられる。これら脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体は、単独で用いても2種以上併用してもよい。これらの中でも、得られるポリエステルの物性の面から、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、特にはコハク酸が好ましい。
また、これらのジオール成分は単独で用いても2種以上併用してもよい。
本発明の製造方法においては、反応の促進のために、エステル化反応や重縮合反応で反応触媒を添加することもできる。ただし、エステル化反応時にエステル化反応触媒が存在すると、エステル化反応によって生じる水によって触媒が反応物に不溶の析出物を生じ、得られるポリエステルの透明性を損なう(即ちヘーズが高くなる)ことがあり、また異物化することがある。エステル化反応においてはエステル化反応触媒がなくても十分な反応速度を得ることができるため、エステル化反応中には反応触媒は使用しないことが好ましい。エステル化反応触媒を添加する場合、触媒をエステル化反応槽の気相部に添加するとヘーズが高くなることがあり、また触媒が異物化することがあるので、反応液中に添加することが好ましい。
以下に、脂肪族ジカルボン酸としてコハク酸、多官能化合物としてリンゴ酸を原料とした、本発明にかかる脂肪族ポリエステルの製造方法の好ましい実施態様について、添付図面の参照符号を付記しつつ説明するが、本発明は図示の形態に限定されるものではない。なお、以下において、1,4−ブタンジオールを含むジオール成分を単に「1,4−ブタンジオール」と記載する。
エステル化反応槽(A)に供給される1,4−ブタンジオールとは、原料供給ライン(1)からスラリー又は液体として供給される1,4−ブタンジオール及び、エステル化反応槽(A)に接続された図1に示されるようなBG再循環ライン(2)から供給される1,4−ブタンジオールを指し、エステル化反応槽(A)に供給される脂肪族ジカルボン酸成分とは、原料供給ライン(1)からスラリー又は液体として供給される脂肪族ジカルボン酸のことを指す。BG再循環ライン(2)から1,4−ブタンジオールを供給するに際しては、モル比を好ましい範囲に保つために、エステル化反応槽(A)より留出分離した1,4−ブタンジオールをそのまま供給することもできるし、BG再循環ライン(2)にBG供給ライン(3)を連結し、両者を混合した後、エステル化反応槽(A)に供給することもできる。
エステル化率(%)=((ケン化価−酸価)/ケン化価)×100
エステル化反応物の末端カルボキシル基濃度は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
本発明においては、重縮合工程における反応圧力のうち、最も圧力の低い重縮合反応槽の圧力をPminとするとき、Pmin≧0.20kPaとする。この最も圧力の低い重縮合反応槽の圧力Pminを低くして、超高真空重縮合設備を用いて製造する手法は重縮合反応速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要であったり、真空系への低分子量成分の揮発量が増え、コンデンサー内で閉塞が発生したりするなど、長期の安定運転に困難を伴うとともに、総末端基量に対する末端酸価の割合の制御が困難となる傾向があるため、好ましくない。
Pminは好ましくは0.25kPa以上、より好ましくは0.30kPa以上である。この最も圧力の低い重縮合反応槽の圧力Pminの上限については、通常1.4kPa以下、好ましくは1.0kPa以下である。重縮合反応時の圧力が高過ぎると、重縮合時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。
最も温度の高い重縮合反応槽の温度Tmaxが高すぎると製造時の脂肪族ポリエステルの熱分解が引き起こされやすく、高重合度の脂肪族ポリエステルの製造や、重縮合工程の各反応槽における末端酸価率Rの制御が困難となる傾向がある。Tmaxはより好ましくは250℃未満、更に好ましくは245℃未満であり、その下限は通常220℃以上である。この温度が低すぎると、重縮合反応速度が遅く、高重合度のポリエステルの製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となるため、経済的に不利である。
重縮合反応の反応雰囲気は、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気である。
上記本発明の製造方法により得られる脂肪族ポリエステル(以下「本発明の脂肪族ポリエステル」と称す場合がある。)の粘度を表す指標として、メルトインデックスの一つである溶融流動体積(以下、適宜「MVR」と言う。)を用いることが出来る。本発明の脂肪族ポリエステルのMVRは、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、190℃、荷重2.16kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積MVRの値は、下限が通常0.1cm3/10分以上、好ましくは0.5cm3/10分以上、より好ましくは1.0cm3/10分以上、特に好ましくは1.5cm3/10分以上であり、上限が通常100cm3/10分以下、好ましくは60cm3/10分以下、より好ましくは25cm3/10分以下、更に好ましくは15cm3/10分以下、特に好ましくは10cm3/10分以下、とりわけ好ましくは6.0cm3/10分以下である。脂肪族ポリエステルのMVRが小さすぎる場合、溶融張力が高くなりすぎ、成形性が悪くなったり、粘稠性が高くなり脂肪族ポリエステルのゲル化を促進したりする場合があり、大きすぎる場合、成形品にしたとき十分な機械強度が得にくい。
脂肪族ポリエステルのMVRは、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
脂肪族ポリエステルの末端カルボキシル基濃度は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
脂肪族ポリエステルの溶液ヘーズが大きすぎると成形品に濁りが生じ、また、異物が多くなり好ましくない。ここで、溶液ヘーズとは、フェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合液を溶媒として、試料濃度10質量%の溶液の光路長10mmにおける濁度をいい、%で表す。
試料0.3gをベンジルアルコール40mLに入れ、180℃で20分間加熱し、10分間冷却した後、0.1NのKOH/メタノール溶液で滴定して求めた値を当量/トンで表した。
以下の計算式(1)によって酸価及びケン化価から算出した。酸価は、エステル化反応物試料0.3gをベンジルアルコール40mLに入れ、180℃で20分間加熱し、10分間冷却した後、0.1NのKOH/メタノール溶液で滴定して求めた。ケン化価は0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解し、0.5Nの塩酸で滴定して求めた。
エステル化率=((ケン化価−酸価)/ケン化価)×100 …式(1)
試料を粉砕した後、熱風乾燥機にて140℃で15分間乾燥させ、デシケーター内で室温まで冷却した試料から、0.1gを精秤して試験管に採取し、ベンジルアルコール3mlを加えて、乾燥窒素ガスを吹き込みながら195℃、3分間で溶解させ、次いで、クロロホルム5mlを徐々に加えて室温まで冷却した。この溶液にフェノールレッド指示薬を1〜2滴加え、乾燥窒素ガスを吹き込みながら撹拌下に、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で滴定し、黄色から赤色に変じた時点で終了とした。また、ブランクとして、ポリエステル樹脂試料を溶解させずに同様の操作を実施し、以下の式(2)によって末端カルボキシル基量(酸価)を算出した。
末端カルボキシル量(当量/トン)=(a−b)×0.1×f/w …式(2)
(ここで、aは、滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、bは、ブランクでの滴定に要した0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の量(μl)、wは、ポリエステル樹脂の試料の量(g)、fは、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価である。)
なお、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の力価fは以下の方法で求めた。試験管にメタノール5mlを採取し、フェノールレッドのエタノール溶液の指示薬として1〜2滴加え、0.lNの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液0.4mlで変色点まで滴定し、次いで力価既知の0.1Nの塩酸水溶液を標準液として0.2ml採取して加え、再度、0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液で変色点まで滴定した(以上の操作は、乾燥窒素ガス吹き込み下で行った。)。以下の式(3)によって力価fを算出した。
力価f=0.1Nの塩酸水溶液の力価×0.1Nの塩酸水溶液の採取量(μl)/0.1Nの水酸化ナトリウムのベンジルアルコール溶液の滴定量(μl) …式(3)
1H−NMRを用いて、以下の方法で試料中の末端ヒドロキシル基量、上記の末端ビニル基量を定量し、末端酸価(カルボキシル基)濃度を加えた総和の値を各反応槽の試料の総末端基量とし、総末端基量に対する末端酸価の割合を算出した。
0.6mlの重クロロホルムに20mgの試料を溶解させた溶液を測定サンプルとし、ブルカー・バイオスピン社製Avance400分光計を用い室温で1H−NMRスペクトルを測定して定量した。フリップ角は45度、データの取り込み時間は4秒、待ち時間は6秒、積算回数は256回である。ウィンドウ関数にLB(Line Broadening)=0.1Hzの指数関数を用い、フーリエ変換処理をした。
<末端ヒドロキシル基濃度>
脂肪族ポリエステルの末端に存在するヒドロキシル基(即ち、末端ヒドロキシル基)は、1H−NMRを用いて、3.66ppm付近に出現する末端ヒドロキシル基が直接結合する炭素原子上のメチレンプロトンのピークにより定量した。
<末端ビニル基濃度>
脂肪族ポリエステルの末端に存在するビニル基(即ち、末端ビニル基)の量は、1H−NMRを用いて、5.15ppm付近、又は、5.78ppm付近に出現する脂肪族ポリエステルの末端に存在する二重結合を形成する炭素原子上のプロトンのピークにより定量した。
重縮合工程の各反応槽に設置されている真空ポンプ排気側に容量300mLのステンレス製ボンベを接続し、ガス採取を行った。ボンベを氷水で30分間冷却後、15分間以上N2脱気した純水をシリンジを使用して20mL加え、3分間緩やかに振とうして純水中にTHFガスを十分溶解させ、全量採取、重量を記録した後、ガスクロマトグラフ法による定量分析を行った。定量分析の方法としては、予めTHF水溶液で検量線を作成しておき、GC測定時のArea値よりステンレス製ボンベ中のTHF濃度を求め、先に記録した重量値を用いて、ボンベ中のTHF量を算出した。
次に、真空ポンプの排気ガス流量より、SUSボンベ内の滞留時間を求め、単位時間当たりのTHF発生量(モル/hr)を算出し、以下(4)式よりTHF化率(モル%)を導いた。
THF化率=THF発生量(モル/hr)/単位時間当たりのジカルボン酸仕込量(モル/hr)×100 …式(4)
溶融流動体積であるMVRは、タカラ工業製メルトインデクサーを用い、JIS−K7210の方法に従って測定した。具体的には、80℃で12時間乾燥した脂肪族ポリエステルをメルトインデクサーに供することにより、MVRを測定した。メルトインデクサーの条件としては、190℃で荷重2.16kgで測定した単位時間当たりの溶融流動体積(cm3/10分)をMVRとした。
<重合用触媒の調製>
撹拌装置付きのガラス製ナス型フラスコに、酢酸マグネシウム・4水和物を100質量部入れ、更に1500質量部の無水エタノール(純度99質量%以上)を加えた。更にエチルアシッドホスフェート(モノエステル体とジエステル体の混合質量比は45:55)を65.3質量部加え、23℃で撹拌を行った。15分後に酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テトラ−n−ブチルチタネートを122質量部添加した。更に10分間撹拌を継続し、均一混合溶液を得た。この混合溶液を、ナス型フラスコに移し、60℃のオイルバス中でエバポレーターによって減圧下で濃縮を行った。1時間後に殆どのエタノールが留去され、半透明の粘稠な液体を得た。オイルバスの温度を更に80℃まで上昇させ、5Torrの減圧下で更に濃縮を行い粘稠な液体を得た。この液体状の触媒を、1,4−ブタンジオールに溶解させ、チタン原子含有量が3.5質量%となるようにして触媒溶液を調製した。
図1に示すエステル化工程と図2に示す重縮合工程により、次の要領で脂肪族ポリエステルの製造を行った。
先ず、リンゴ酸を0.18質量%含有したコハク酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオールを1.10モル及びリンゴ酸を総量0.0028モルの割合となるように混合した50℃のスラリーを、スラリー調製槽(図示せず)から原料供給ライン(1)を通じ、予め、窒素雰囲気下エステル化率99質量%の脂肪族ポリエステル低分子量体(エステル化反応物)を充填した攪拌機を有するエステル化反応槽(A)に、54.4kg/hとなるように連続的に供給した。
表1に、各反応槽出口の溶融重合体の末端酸価率R、重縮合工程で副生したTHF化率と得られた脂肪族ポリエステルのMVR、重縮合工程のPmin及びTmaxを示す。なお、上記の各反応槽の滞留時間は実液のホールドアップ量より求めた値である。以下においても同様である。
BG再循環ライン(2)及び、BG供給ライン(3)からの1,4−ブタンジオールの供給を行わなかった以外は、実施例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。重縮合工程内のコンデンサーで閉塞は発生することなく、連続7日間安定に運転できた。重縮合工程におけるTHF化率は1.7モル%であった。
各測定結果を表1に示す。
エステル化反応槽(A)へのスラリーの供給量を68.3kg/hと変更し、各反応槽の滞留時間を、エステル化反応槽(A)が3.6時間、第1重縮合反応槽(a)が1.6時間、第2重縮合反応槽(b)が1.5時間、第3重縮合反応槽(c)が1.5時間となるように液面制御を行い、BG再循環ライン(2)及びBG供給ライン(3)からの1,4−ブタンジオールの供給を行わず、触媒溶液を2.7kg/hで連続的にエステル化反応物の抜出ライン(4)に供給した以外は、実施例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。重縮合工程内のコンデンサーで閉塞は発生することなく、連続7日間安定に運転できた。重縮合工程におけるTHF化率は2.1モル%であった。
各測定結果を表1に示す。
第3重縮合反応槽(c)の圧力を0.40kPaとした以外は、実施例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。重縮合工程内のコンデンサーで閉塞は発生することなく、連続7日間安定に運転できた。重合工程におけるTHF化率は1.5モル%であった。
各測定結果を表1に示す。
コハク酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオールを1.30モル及びリンゴ酸を総量0.0028モルの割合となるように混合したスラリーを、エステル化反応槽に供給し、エステル化反応槽に供給されるコハク酸に対する1,4−ブタンジオールのモル比が1.50となるように、BG再循環ライン(2)より100℃の精留塔(C)の塔底成分の一部をエステル化反応槽に供給した。供給量は、4.6kg/hであった。また、第2重縮合反応槽の(b)の圧力を0.40kPaとし、第3重縮合反応槽(c)の圧力を0.13kPaとした以外は、実施例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。連続運転開始から5日目に第1重縮合反応槽(a)、第2重縮合反応槽(b)に連結されたコンデンサーの循環流量が低下し、圧力指示値が不安定となり、運転が安定しなかった。重縮合工程におけるTHF化率は5.2モル%と多かった。
各測定結果を表1に示す。
エステル化反応槽(A)内液のコハク酸ユニット換算での平均滞留時間が3時間になるように液面を制御し、第3重縮合反応槽(c)の圧力を0.66kPaとした以外は、比較例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。重縮合工程内のコンデンサーで閉塞は発生することなく、連続7日間安定に運転できたが、分解反応が進行し、高分子量のポリマーを得ることができなかった。重縮合工程におけるTHF化率は7.2モル%と多かった。
各測定結果を表1に示す。
エステル化反応槽(A)の滞留時間を3時間になるように液面を制御し、第2重縮合反応槽の(b)の圧力を0.40kPa、第3重縮合反応槽(c)の圧力を0.13kPaとした以外は、実施例1と同様にして脂肪族ポリエステルを得た。連続運転開始から6日目に第1重縮合反応槽(a)、第2重縮合反応槽(b)に連結されたコンデンサーの循環流量が低下し、圧力指示値が不安定となり、運転が安定しなかった。重縮合工程におけるTHF化率は3.8モル%であった。
各測定結果を表1に示す。
2 BG再循環ライン
3 BG供給ライン
4 エステル化反応物の抜出ライン
5 留出ライン
6 抜出ライン
7 循環ライン
8 抜出ライン
9 ガス抜出ライン
10 凝縮液ライン
11 抜出ライン
12 循環ライン
13 抜出ライン
14 ベントライン
15 供給ライン
16 供給ライン
17 触媒供給ライン
18、19、20 BG供給ライン
21、22、23 ベントライン
24、25、26 重縮合反応物抜出ライン
A エステル化反応槽
B 抜出ポンプ
C 精留塔
D、E ポンプ
F タンク
G コンデンサ
a 第1重縮合反応槽
b 第2重縮合反応槽
c 第3重縮合反応槽
d、e、f 抜出用ギヤポンプ
g、h、i、j フィルター
k ダイスヘッド
l 回転式カッター
Claims (7)
- 脂肪族ジカルボン酸成分及び1,4−ブタンジオールを原料として、エステル化反応槽内でエステル化反応を行ってエステル化反応物を得るエステル化工程と、該エステル化反応物を、複数段の重縮合反応槽で連続的に溶融重縮合反応を行って脂肪族ポリエステルを得る重縮合工程とを有する脂肪族ポリエステルの製造方法において、
該エステル化反応槽及び重縮合反応槽における溶融重合体の総末端基量に対する末端酸価の割合(R)を0.40以上0.80以下に制御し、かつ、該重縮合工程における反応圧力のうち、最も圧力の低い重縮合反応槽の圧力をPminとするとき、Pmin≧0.20kPaとすることを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。 - 前記エステル化反応槽に供給される脂肪族ジカルボン酸成分に対する1,4−ブタンジオールのモル比が0.8以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記Pminが、Pmin≧0.25kPaであることを特徴とする請求項1又は2に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記重縮合工程における反応温度のうち、最も温度の高い重縮合反応槽の温度をTmaxとするとき、Tmax≦260℃であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記重縮合工程における少なくとも1つの重縮合反応槽に1,4−ブタンジオールを添加することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記重縮合工程を重縮合反応触媒存在下で行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記重縮合工程の重縮合反応触媒としてチタン化合物を用いることを特徴とする請求項6に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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