JP2018150453A - ポリブチレンサクシネートの製造方法 - Google Patents

ポリブチレンサクシネートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018150453A
JP2018150453A JP2017047518A JP2017047518A JP2018150453A JP 2018150453 A JP2018150453 A JP 2018150453A JP 2017047518 A JP2017047518 A JP 2017047518A JP 2017047518 A JP2017047518 A JP 2017047518A JP 2018150453 A JP2018150453 A JP 2018150453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
horizontal
stirring
polybutylene succinate
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017047518A
Other languages
English (en)
Inventor
一裕 牧野
Kazuhiro Makino
一裕 牧野
善治 末廣
Yoshiharu Suehiro
善治 末廣
和也 久保
Kazuya Kubo
和也 久保
直弥 前田
Naoya Maeda
直弥 前田
義昭 森
Yoshiaki Mori
義昭 森
豪 ▲高▼橋
豪 ▲高▼橋
Takeshi Takahashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2017047518A priority Critical patent/JP2018150453A/ja
Publication of JP2018150453A publication Critical patent/JP2018150453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)

Abstract

【課題】直列多段に設けられた、横型一軸反応器と最終段の反応器としての横型二軸反応器とを含む複数の反応器を用いてPBSを連続的に製造する方法において、高粘度で、異物の混入の少ない高品質のPBSを安定的に製造する方法を提供する。【解決手段】横型二軸反応器の撹拌羽根を有する2本の撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーを設ける。また、横型二軸反応器又は横型一軸反応器の内壁から、撹拌羽根の面方向に突出する堰板を設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、ポリブチレンサクシネート(PBS)の製造方法に関するものであり、特に、直列多段に設けられた、横型一軸反応器と最終段の反応器としての横型二軸反応器とを含む複数の反応器を用いてPBSを連続的に製造する方法において、高粘度で、異物の混入の少ない高品質のPBSを安定的に製造する方法に関する。
ジカルボン酸成分とジオール成分とを原料として、エステル化又はエステル交換反応と、重縮合反応を行って得られるポリエステルは、種々の用途に利用されている。特に、原料ジオールとして1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BGと表すことがある。)を用い、原料ジカルボン酸としてコハク酸を用いたポリブチレンサクシネート(PBS)は、生分解性ポリマーとして有用である。また、原料ジカルボン酸としてテレフタル酸を用いたポリブチレンテレフタレート(PBT)は、エンジニアリングプラスチックとして汎用性が高い。
PBSやPBTを工業的に製造する際は、一般的に連続重合プロセスが採用される。例えば、特許文献1には、PBSの連続製造プロセスが開示されている。
特許文献1に記載の連続製造プロセスは、エステル化工程(特許文献1の図1)と、重縮合工程(特許文献1の図2)に大別され、特許文献1では、エステル化工程後の重複合工程では、竪型撹拌反応器である第1重縮合反応器(a)、横型一軸反応器である第2重縮合反応器(d)、及び横型二軸反応器である第3重縮合反応器(k)を直列に設け、順次減圧度を上げて多段で重縮合反応が実施されている。
特許文献1のように、竪型撹拌反応器、横型一軸反応器、及び横型二軸反応器で、高分子量で高粘度のPBSを製造すると、横型一軸反応器で低粘度ポリマーが反応器内のボトム部分を流れ、所定の粘度まで重縮合反応が進行せず、得られるPBSの分子量分布が大きくなるという問題がある。
また、最終段の横型二軸反応器の出口側では、ポリマーが撹拌軸に巻き付いて反応器内に滞留し、滞留したポリマーは周期的に剥れ落ちるものの、それらは架橋が進行しており、ポリマー中の異物となって、製品PBSに混入する。混入した異物は、例えば、製品PBSをフィルムに成形した場合、FE(フッシュアイ)の原因となる。
特許文献2には、ポリカーボネートの製造方法において、反応装置のうちの少なくとも一つに、撹拌軸とスクレーパーを設けたものが記載されているが、特許文献2は、ポリカーボネートの製造に関するものであり、従来において、FEの少ない高粘度のPBSを安定的に製造するための具体的な方法は知られていない。
また、特許文献2に具体的に示されている反応装置は、竪型撹拌反応器と横型一軸反応器で構成され、横型二軸反応器は用いられていない。特許文献2には、横型二軸反応器の例示もあるが、横型一軸反応器と横型二軸反応器とを多段に設けるとの記載はない。
特開2010−132898号公報 特開2013−227511号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、直列多段に設けられた、横型一軸反応器と最終段の反応器としての横型二軸反応器とを含む複数の反応器を用いて連続的にPBSを製造する方法において、高粘度で、異物の混入の少ない高品質のPBSを安定的に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、横型二軸反応器に、撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーを設けることにより、また、横型二軸反応器及び/又は横型一軸反応器の内壁から突出する堰板を設けることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[20]に存する。
[1] 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器内の該撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーを有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
[2] 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器の内壁から、該横型二軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
[3] 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器内の該撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーと、該横型二軸反応器の内壁から、該横型二軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板とを有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
[4] 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、該横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
[5] 前記横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とする[1]又は[3]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[6] 前記横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とする[2]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[7] 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部と前記撹拌軸との距離が、30mm以下であることを特徴とする[1]、[3]及び[5]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[8] 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部と前記撹拌軸との距離が、1mm以上であることを特徴とする[7]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[9] 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部が、前記撹拌軸の軸中心より下方に位置することを特徴とする[1]、[3]、[5]、[7]及び[8]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[10] 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部の長さが、前記撹拌軸の全長に対して3%以上30%以下であることを特徴とする[1]、[3]、5]及び[7]ないし[9]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[11] 前記横型二軸反応器の前記撹拌軸の周速が、5cm/s以上15cm/s以下であることを特徴とする[1]ないし[10]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[12] 前記横型二軸反応器の前記撹拌軸の直径が、200mm以上600mm以下であることを特徴とする[1]ないし[11]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[13] 前記横型二軸反応器内の少なくとも一部の前記堰板が前記撹拌軸の長さ方向において、該横型二軸反応器のポリマー入口側から出口側までの中間又はそれよりも入口側に設けられていることを特徴とする[2]又は[3]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[14] 前記横型二軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、500mm以下であることを特徴とする[2]、[3]及び[13]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[15] 前記横型二軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、5mm以上であることを特徴とする[14]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[16] 前記横型一軸反応器の少なくとも一部の前記堰板が、前記撹拌軸の長さ方向において、該ポリマー入口側から出口側までの中間又はそれよりも入口側に設けられていることを特徴とする[4]〜[6]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[17] 前記横型一軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、500mm以下であることを特徴とする[4]、[5]、[6]及び[16]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[18] 前記横型一軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、5mm以上であることを特徴とする[17]に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[19] 前記横型一軸反応器の前記撹拌軸の周速が、5cm/s以上15cm/s以下であることを特徴とする[1]ないし[18]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
[20] 前記横型一軸反応器の前記撹拌軸の直径が、200mm以上600mm以下であることを特徴とする[1]ないし[19]のいずれかに記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
本発明によれば、直列多段に設けられた、横型一軸反応器と最終段の反応器としての横型二軸反応器とを含む複数の反応器を用いて、高粘度で、異物の混入の少ない高品質のPBSを安定的に連続生産することができる。
本発明で採用するエステル化工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明で採用する重縮合工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明方法で用いる横型一軸反応器の一実施形態を示す概略図である。 本発明方法で用いる横型二軸反応器の一実施形態を示す概略である。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定はされない。
本明細書において、“質量%”、“質量ppm”及び“質量部”と、“重量%”、“重量ppm”及び“重量部”とは、それぞれ同義である。
まず、本発明のポリブチレンサクシネート(PBS)の製造方法で用いる原料、触媒、製造条件等について説明する。
本発明のPBSの製造方法では、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分と、コハク酸及び/又はその誘導体といったコハク酸成分を主成分とするジカルボン酸成分とのエステル化反応及び/又はエステル交換反応、並びに重縮合反応を行ってPBSを製造する。
ここで、「ジカルボン酸成分」とは、ジカルボン酸およびジカルボン酸アルキルエステル等のジカルボン酸誘導体といったポリエステル原料となるジカルボン酸類の総称である。以下において、本発明のPBSの製造方法で製造されるポリブチレンサクシネート(PBS)を「本発明のPBS」と称す場合がある。
本発明において、「1,4−ブタンジオールを主成分とする」とは、「1,4−ブタンジオールの合計モル比率が、原料ジオール成分中で最も多いこと」を意味する。中でもポリエステルの物性、生分解性の観点から、1,4−ブタンジオールの合計が、原料ジオール成分の合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90〜100モル%である。
また、本発明において「コハク酸成分を主成分とする」とは、コハク酸およびコハク酸アルキルエステル等のコハク酸誘導体のうちの少なくとも1種を主成分とすることであって、「コハク酸およびコハク酸アルキルエステル等のコハク酸誘導体の合計モル比率が、原料ジカルボン酸成分中で最も多いこと」を意味する。中でもポリエステルの物性、生分解性の観点から、コハク酸およびコハク酸アルキルエステル等のコハク酸誘導体の合計が、原料ジカルボン酸成分の合計に対して、50モル%以上であることが好ましく、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、特に好ましくは90〜100モル%である。
本発明において、ポリエステルを製造する際の各反応工程は、回分法でも連続法でも行うことができるが、品質の安定化、エネルギー効率の観点からは、原料を連続的に供給し、連続的にポリエステルを得るいわゆる連続法が好ましい。
<ジオール成分>
本発明に用いるジオール成分は、1,4−ブタンジオールを主成分とするものである。本発明では、1,4−ブタンジオールのモル比率が原料ジオール中で最も多く用いられれば、その他、通常ポリエステルの原料に用いられるジオール成分を制限無く併用することができる。
1,4−ブタンジオール以外のジオール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルキレンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのオキシアルキレンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのシクロアルキレンジオールといった脂肪族ジオール成分が挙げられ、これらの中でも、得られるポリエステルの物性の面から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールなどの炭素数6以下のアルキレンジオール、または1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの炭素数6以下のシクロアルキレンジオールが好ましい。なお、これらは2種以上が併用されていてもよい。
ジオール成分に占める1,4−ブタンジオールの割合は、得られるポリエステルの融点(耐熱性)、生分解性、力学特性の観点から全ジオール成分に対して50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、特に好ましくは90〜100モル%である。
なお、1,4−ブタンジオールや、上記の脂肪族ジオール成分のうちのエチレングリコール、1,3−プロパンジオールは植物原料由来のものを使用することができる。
<ジカルボン酸成分>
本発明に用いるジカルボン酸成分は、コハク酸や無水コハク酸といったコハク酸成分を主成分とするものであり、その合計モル比率が原料カルボン酸成分中で最も多く用いられれば、通常ポリエステルの原料に用いられるものを特に制限無く使用することができる。
コハク酸成分以外の脂肪族カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸の水素添加物が挙げられ、これらの中で、得られる脂肪族ポリエステルの物性の面から、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸成分が好ましい。なお、これらは2種以上が併用されていてもよい。
これらの脂肪族ジカルボン酸成分のうち、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸などは植物原料由来のものを使用することができる。
ジカルボン酸成分に占めるコハク酸の割合は、得られるポリエステルの融点(耐熱性)、生分解性、力学特性の観点から、全ジカルボン酸成分に対して50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上がより好ましく、特に好ましくは90〜100モル%である。
また、脂肪族ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸成分を併用してもよい。芳香族ジカルボン酸成分の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびジフェニルジカルボン酸等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上の混合物として上記脂肪族ジカルボン酸成分に加えて使用してもよい。
<その他の共重合成分>
本発明のポリエステルには、上記のジオール成分、ジカルボン酸成分以外のその他の構成成分を共重合させても構わない。この場合に使用することのできる共重合成分としては、乳酸、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸等のオキシカルボン酸、およびこれらオキシカルボン酸のエステルやラクトン、オキシカルボン酸重合体等、あるいはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上の多価アルコール、あるいは、プロパントリカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの無水物などの3官能以上の多価カルボン酸またはその無水物等が挙げられる。
これらのうち、3官能以上のオキシカルボン酸、3官能以上のアルコール、3官能以上のカルボン酸などは少量加えることにより高粘度のポリエステルを得やすい。中でも、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸などのオキシカルボン酸が好ましく、特にはリンゴ酸が好ましく用いられる。
3官能以上の多官能化合物を用いる場合、その使用量は全ジカルボン酸成分に対して、0.001〜5モル%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5モル%である。この範囲の上限超過では得られるPBSにゲル(未溶融物)が生成しやすく、下限未満では多官能化合物を使用したことによる利点(通常、得られるポリエステルの粘度を上昇させることが可能となる)が得られにくくなる。
<PBSの製造方法>
以下に連続製造法を例にして、本発明のPBSの製造方法について説明する。なお、以下においては、1,4−ブタンジオールを主成分とする脂肪族ジオールとコハク酸を主成分とする脂肪族ジカルボン酸を用いるエステル化反応工程及び重縮合反応工程によりポリエステルを製造する方法を例示するが、エステル化工程はエステル交換反応工程であってもよく、エステル化反応とエステル交換反応との両方を行う工程であってもよい。
連続製造法では、例えば脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを、連続する複数の反応槽を用いて、エステル化反応工程、溶融重縮合反応工程を経て連続的にポリエステルのペレットを得る方法で製造されるが、本発明の効果を妨げない限り、連続法に限定されるものではなく、従来公知のポリエステルの製造方法を採用することができる。
<エステル化反応工程>
エステル化反応工程では、少なくともジカルボン酸成分とジオール成分とを反応させてエステル化反応物を製造する。エステル化反応工程とそれに続くその他の工程は、連続する複数の反応槽で行うことも単一の反応槽でも行うこともできるが、得られるポリエステルの物性の変動を小さくするために、連続する複数の反応槽で行うことが好ましい。
エステル化反応工程での反応温度は、エステル化反応を行うことのできる温度であれば特に制限は無いが、反応速度を高めることができるという点で、好ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上であって、ポリエステルの着色などを防止するために、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは245℃以下であって、特に好ましくは240℃以下である。反応温度が低すぎると、エステル化反応速度が遅く反応時間を長時間必要とし、脂肪族ジオールの脱水分解など好ましくない反応が多くなる。また、反応温度が高すぎると、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸の分解が多くなり、また反応槽内に飛散物が増加し異物発生の原因となりやすく、反応物に濁り(ヘーズ)を生じやすくなる。また、エステル化温度は一定温度であることが好ましい。一定温度であることによりエステル化率が安定する。一定温度とは設定温度±5℃、好ましくは±2℃である。
反応雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
反応圧力は、50kPa〜200kPaであることが好ましく、より好ましくは60kPa以上、更に好ましくは70kPa以上で、より好ましくは130kPa以下、更に好ましくは110kPa以下である。反応圧力が上記下限未満では反応槽内に飛散物が増加し反応物のヘーズが高くなり異物増加の原因となりやすく、また脂肪族ジオールの反応系外への留出が多くなりエステル化反応速度の低下を招きやすい。反応圧力が上記上限超過では脂肪族ジオールの脱水分解が多くなり、エステル化反応速度の低下を招きやすい。
反応時間は、好ましくは1時間以上であり、上限は好ましくは10時間以下、より好ましくは4時間以下である。
エステル化反応を行う脂肪族ジカルボン酸に対する脂肪族ジオールの反応モル比は、エステル化反応槽の気相および反応液相に存在する、脂肪族ジカルボン酸およびエステル化された脂肪族ジカルボン酸に対する、脂肪族ジオールおよびエステル化された脂肪族ジオールとのモル比を表し、反応系で分解されエステル化反応に寄与しない脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよびそれらの分解物は含まれない。分解されてエステル化反応に寄与しないものとは、例えば、脂肪族ジオールである1,4−ブタンジオールが分解してテトラヒドロフランになったものが挙げられ、テトラヒドロフランは、このモル比には含めない。本発明において、上記反応モル比の下限は、通常1.10以上であり、好ましくは1.12以上、更に好ましくは1.15以上、特に好ましくは1.20以上である。上限は、通常2.00以下、好ましくは1.80以下、更に好ましくは1.60以下、特に好ましくは1.55以下である。反応モル比が上記下限未満ではエステル化反応が不十分になりやすく後工程の反応である重縮合反応が進みにくく高重合度のポリエステルを得にくい。反応モル比が上記上限超過では脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸の分解量が多くなる傾向がある。この反応モル比を好ましい範囲に保つためにエステル化反応系に脂肪族ジオールを適宜補給するのは好ましい方法である。
本発明においては、好ましくはエステル化反応工程で得られるエステル化率80%以上のエステル化反応物を重縮合反応に供する。本発明において、重縮合反応とは反応圧力50kPa以下で行うポリエステルの高分子量化反応をいい、エステル化反応は50〜200kPaで、通常、エステル化反応槽で行い、重縮合反応は50kPa以下、好ましくは10kPa以下で重縮合反応器で行う。本発明でエステル化率とはエステル化反応物試料中の全酸成分に対するエステル化された酸成分の割合を示すものであり次式で表される。
エステル化率(%)=(ケン化価−酸価)/ケン化価×100
重縮合反応工程に供するエステル化反応物のエステル化率は、好ましくは85%以上、更に好ましくは88%以上、特に好ましくは90%以上である。エステル化率が上記下限未満であると重縮合反応工程における重縮合反応性が悪くなる。また、重縮合反応時の飛散物が増え、壁面に付着して固化し、更にこの飛散物が反応物内に落下し、得られるポリエステルのヘーズの悪化(異物発生)の要因となる。エステル化率の上限は重縮合工程の重縮合反応性のためには高いほうが良いが、通常99%である。
本発明において、エステル化反応工程におけるジカルボン酸成分とジオール成分との反応モル比、反応温度、反応圧力およびエステル化反応率を上記範囲にして連続反応を行い、エステル化反応物を連続的に重縮合反応工程に供することにより、ヘーズが低く異物が少ない高品質のポリエステルを効率的に得ることができる。
エステル化反応槽としては、公知のものが使用でき、縦型撹拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、塔型連続反応槽等の型式のいずれであってもよく、また、単数槽としても、同種または異種の槽を直列させた複数槽としてもよい。中でも撹拌装置を有する反応槽が好ましく、撹拌装置としては、動力部および受、軸、撹拌翼からなる通常のタイプの他、タービンステーター型高速回転式撹拌機、ディスクミル型撹拌機、ローターミル型撹拌機等の高速回転するタイプも用いることができる。
撹拌の形態にも制限はなく、反応槽中の反応液を反応槽の上部、下部、横部等から直接撹拌する通常の撹拌方法の他、反応液の一部を反応槽の外部に配管等で持ち出してラインミキサ−等で撹拌し、反応液を循環させる方法もとることができる。撹拌翼の種類も公知のものが選択でき、具体的にはプロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等が挙げられる。
<重縮合反応工程>
本発明のPBSの製造では、エステル化反応工程に続き重縮合反応工程で重縮合反応を行う。
重縮合反応は、連続する複数の反応槽を用い、1,4−ブタンジオールを駆動蒸気源とする蒸気エゼクタを備える減圧装置による減圧下で行う。最終重縮合反応器の反応圧力は、下限が通常0.01kPa以上、好ましくは0.03kPa以上であり、上限は通常1.4kPa以下、好ましくは0.4kPa以下として行う。重縮合反応時の圧力が高すぎると、重縮合時間が長くなり、それに伴いポリエステルの熱分解による分子量低下や着色が引き起こされ、実用上充分な特性を示すポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。一方、反応圧力を0.01kPa未満とするような超高真空重縮合設備を用いて製造する手法は重縮合反応速度を向上させる観点からは好ましい態様であるが、極めて高額な設備投資が必要となるため、経済的には不利である。
反応温度は、下限が通常215℃、好ましくは220℃であり、上限が通常270℃、好ましくは260℃の範囲である。反応温度が上記下限未満であると、重縮合反応速度が遅く、高重合度のポリエステル製造に長時間を要するばかりでなく、高動力の撹拌機も必要となるため、経済的に不利である。一方、反応温度が上記上限超過であると製造時のポリエステルの熱分解が引き起こされやすく、高重合度のポリエステルの製造が難しくなる傾向がある。
反応時間は、下限が通常1時間であり、上限が通常15時間、好ましくは10時間、より好ましくは8時間である。反応時間が短すぎると反応が不充分で高重合度のポリエステルを得にくく、その成形品の機械物性が劣る傾向となる。一方、反応時間が長すぎると、ポリエステルの熱分解による分子量低下が顕著となり、その成形品の機械物性が劣る傾向となるばかりでなく、ポリエステルの耐久性に悪影響を与えるカルボキシル基末端量が熱分解により増加する場合がある。
重縮合反応温度と時間および反応圧力をコントロールすることにより所望の固有粘度のポリエステルを得ることができる。
本発明では、重縮合反応器として、横型一軸反応器と、最終反応器としての横型二軸反応器とを含む、複数の反応器を直列多段に設けたものを用いる。好ましくは、後述の通り、第1重縮合反応器としての縦型撹拌反応器、第2重縮合反応器としての横型一軸反応器、第3重縮合反応器としての横型二軸反応器の3つの重縮合反応器が直列に設けられたものである。
この重縮合反応器の詳細については後述する。
<反応触媒>
エステル化反応および重縮合反応には反応触媒を使用することにより、反応を促進させることができるが、エステル化反応においてはエステル化反応触媒が無くても十分な反応速度を得ることができる。またエステル化反応時にエステル化反応触媒が存在するとエステル化反応によって生じる水により触媒が反応物に不溶の析出物を生じ、得られるポリエステルの透明性を損なう(即ちヘーズが高くなる)ことがあり、また異物化することがあるので、反応触媒はエステル化反応中には使用しないことが好ましい。また、触媒を反応槽の気相部に添加するとヘーズが高くなることがあり、また触媒が異物化することがあるので反応液中に添加することが好ましい。
重縮合反応においては無触媒では反応が進みにくく、触媒を用いることが好ましい。重縮合反応触媒としては、一般には、周期表第1〜14族の金属元素のうち少なくとも1種を含む化合物が用いられる。金属元素としては、具体的には、スカンジウム、イットリウム、サマリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、錫、アンチモン、セリウム、ゲルマニウム、亜鉛、コバルト、マンガン、鉄、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウムおよびカリウム等が挙げられる。その中では、スカンジウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、亜鉛、鉄、ゲルマニウムが好ましく、特に、チタン、ジルコニウム、タングステン、鉄、ゲルマニウムが好ましい。更に、ポリエステルの熱安定性に影響を与えるポリエステル末端濃度を低減させる為には、上記金属の中では、ルイス酸性を示す周期表第3〜6族の金属元素が好ましい。具体的には、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステンであり、特に、入手のし易さからチタン、ジルコニウムが好ましく、更には反応活性の点からチタンが好ましい。
ここで、周期表とは、長周期型周期表(Nomenclature of Inorganic Chemistry IUPAC Recommendations 2005)をさす。
触媒は、重合時に溶融あるいは溶解した状態であると重合速度が高くなる理由から、重合時に液状であるか、エステル低重合体やポリエステルに溶解する化合物が好ましい。また、重縮合は無溶媒で行うことが好ましいが、これとは別に、触媒を溶解させるために少量の溶媒を使用しても良い。この触媒溶解用の溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどの前述のジオール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類、ヘプタン、トルエン等の炭化水素化合物、水ならびにそれらの混合物等が挙げられる。
本発明のPBSの製造用触媒としては、以下に詳述するチタン化合物、アルカリ土類金属化合物及びリン化合物を予め混合させた触媒(以下、「本発明のPBS重縮合用触媒」と称す場合がある。)を用いることが好ましい。
本発明のPBS重縮合用触媒中のチタン原子、アルカリ土類金属原子ならびにリン原子の含有量は、チタン原子の含有量をT(モル基準)、アルカリ土類金属の含有量をM(モル基準)ならびにリン原子の含有量をP(モル基準)とした場合、T/P(モル比)の下限は、通常0.1、好ましくは0.3、より好ましくは0.5、特に好ましくは0.7であり、上限は、通常5.5、好ましくは4.0、より好ましくは3.0、特に好ましくは1.5、最も好ましくは1.0である。
T/P(モル比)が上記上限以下であると、製造される脂肪族ポリエステルの着色が少なく、触媒の安定性が良好で、触媒の失活が起き難く、触媒失活物が製品中に混入して製品の品質を損ねる危険性が低くなりやすい。一方、T/P(モル比)が上記下限以上であると、触媒活性が高くなりやすい。
一方、M/P(モル比)の下限は通常0.1、好ましくは0.5、より好ましくは0.7、特に好ましくは0.9であり、上限は、通常5.5、好ましくは3.0、より好ましくは2.0、更に好ましくは1.5、特に好ましくは1.2、最も好ましくは1.1である。
M/P(モル比)が上記上限以下であると、この触媒を用いて得られる脂肪族ポリエステルの熱安定性が良好になりやすい。また、アルカリ土類金属の析出が起こりにくい。一方、M/P(モル比)が上記下限以上であると、高触媒活性で、末端カルボキシ基量の増加も起こりにくい。
本発明のPBS重縮合用触媒は、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合することによって製造される。触媒成分を混合する際は、通常、溶媒を使用する。溶媒は、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を均一溶液とできればよいが、通常、アルコールを用いる。
すなわち、本発明のPBS重縮合用触媒はアルコール、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合することによって製造することが好ましい。また、本発明のPBS重縮合用触媒はアルコール、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合し、該混合物を濃縮することによって製造することが特に好ましい。この特に好ましい製造方法を詳述すると、
(i) アルコール、チタン化合物、アルカリ金属化合物及び酸性リン酸エステル化合物を混合、溶解、反応させる工程
(ii) 工程(i)で得た反応溶液からアルコールなどを留去することにより濃縮を行うと同時に更に反応を進め、粘稠な液体状触媒、又は固体状触媒、あるいはこれらの混合物を得る工程
により製造される。この時、用いられるアルコールは反応には関与せず、単に溶媒としてのみ働くものと考えられる。
ここで粘稠な液体状触媒、又は固体状触媒、あるいはこれらの混合物と、得られる触媒の形態が異なるのは、濃縮の度合いによるものである。工程(ii)で得られる触媒はそのままか、あるいは1,4−ブタンジオール又はエチレングリコールなどのグリコールなどに溶解させてから容易に回収することができる。なお、濃縮時に留去されるものは溶媒として用いられるアルコールと、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物の反応によって副生するアルコール、有機酸などである。
このようにして得られる触媒は、溶媒として用いられたアルコールを除く原料の総重量よりも必ず重量が減少している。得られる触媒の重量Wと、混合に用いた、即ち、上記(i)の工程でアルコールと混合したチタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物の重量の和Wとの比W/Wは、通常0.45以上0.85以下である。この比は用いられる原料化合物の種類、組成比によって変化する。
本発明において、触媒の製造に使用されるアルコールは、チタン化合物、アルカリ土類金属化合物、及び酸性リン酸エステル化合物を混合して均一溶液になるアルコールであれば特に制限はなく、中でも、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、2−エチルヘキサノール等の1価アルコール及びグリコール等の2価のアルコールが挙げられ、このうち、化合物の溶解性や取り扱いの容易さから、1価のアルコールが好ましく用いられる。これらのアルコールは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特にチタン化合物、アルカリ土類金属化合物、酸性リン酸エステル化合物の溶解性が高く、反応溶液を濃縮するときに、沸点が低く、除去しやすいことから、エタノールが好ましい。
また、チタン化合物としては、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネートなどのテトラアルコキシチタネート;アセチル−トリ−i−プロピルチタネート;酢酸チタン等が挙げられ、中でも、入手し易く、取り扱いが容易なテトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートが好ましく、テトラ−n−ブチルチタネートが特に好ましい。これらのチタン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の有機酸塩及び/又はその水和物が好ましく用いられる。中でも好ましい化合物としてはマグネシウム、カルシウム等の有機酸塩、及び/又はその水和物が挙げられるが、マグネシウム化合物が触媒活性の点で好ましい。マグネシウム化合物としては、例えば、酢酸マグネシウム、酪酸マグネシウムなどの有機酸塩等が挙げられるが、特に酢酸マグネシウム及び/又はその水和物が、アルコールに対する溶解度が高く、触媒の調製がし易いため好ましい。これらのアルカリ土類金属化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またマグネシウム化合物とカルシウム化合物のような、異なった金属の化合物を併用することもできる。
酸性リン酸エステル化合物としては、下記一般式(I)及び/又は(II)で表される少なくとも1個の水酸基を有するリン酸のエステル構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2018150453
(式中、R、R’、R”は各々炭素数1以上6以下のアルキル基、シクロヘキシル基、アリール基又は2−ヒドロキシエチル基を表し、式(I)において、RとR’は同一であっても異なっていてもよい。)
このような酸性リン酸エステル化合物の具体例としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェートなどが挙げられ、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェートが好ましい。これらの酸性リン酸エステル化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、酸性リン酸エステル化合物にはモノエステル体(II)とジエステル体(I)があるが、高い触媒活性を示す触媒が得られる理由から、モノエステル体、又は、モノエステル体とジエステル体の混合物を用いるのが好ましい。モノエステル体とジエステル体の混合重量比(モノエステル体:ジエステル体)は、80以下:20以上が好ましく、更に好ましくは、70以下:30以上、特に好ましくは、60以下:40以上であり、また、20以上:80以下が好ましく、更に好ましくは、30以上:70以下、特に好ましくは、40以上:60以下である。
ポリエステル製造において、触媒として、複数の触媒成分を使用する際は、従来、それぞれの触媒成分を複数の導入箇所から別々に反応器に導入する手法が取られていた。それに対し、上記の通り、触媒原料であるチタン化合物、アルカリ土類金属化合物及びリン化合物を反応器へ導入する前に混合させて調製したものを反応器へ導入して使用することにより、製造プロセスにおいては複数の独立した触媒添加装置が不要となるため、反応器への触媒の導入箇所を集約することができ、且つ触媒導入時の煩雑な触媒成分比の制御も不要となるため工業的に有利なプロセスとなる。
チタン化合物、アルカリ土類金属ならびにリン化合物の混合、溶解、反応させる工程は従来公知の装置を用いることができ、単一の反応槽で行っても良いし、複数の反応槽を用いてもよい。反応槽は均一に反応させるために撹拌混合装置が付帯していることが好ましい。
反応温度は通常0℃以上、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上で、通常100℃以下、好ましくは80℃以下、より好ましくは50℃以下で行う。反応後は必要に応じて従来公知の濃縮装置にて150℃以下で調製溶媒などを留去させ、液体状あるいは固体状の均一触媒を得る。
本発明のPBS重縮合用触媒は、固体状の触媒として単離する前の粘稠な液体状としての取り扱いも可能であり、そのまま触媒として用いることが可能である。このような粘稠な液体の粘性を低下させ、より取り扱いを容易にするために、本発明のPBS重縮合用触媒は、原料ジオールとして用いる1,4−ブタンジオールで溶解希釈して触媒溶液として用いることが好ましい。
このような粘稠液状触媒を1,4−ブタンジオールで希釈した後のチタン原子濃度は、下限が通常0.02重量%、好ましくは0.05重量%で、上限が通常1重量%、好ましくは0.5重量%である。
このような本発明のPBS重縮合用触媒を反応原料と接触させる時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよいが、水が多く存在、もしくは発生している状況下で触媒が共存すると触媒が失活し、異物が析出する原因となり、製品の品質を損なう恐れがあるため、エステル化反応及び/又はエステル交換反応終了後に添加するのが好ましい。
生成するポリエステルに対する触媒中のチタン原子量は、下限値が、通常1重量ppm、好ましくは10重量ppm、より好ましくは15重量ppm、特に好ましくは20重量ppmであり、上限値が、通常30000重量ppm、好ましくは150重量ppm、より好ましくは100重量ppm、特に好ましくは70重量ppmである。チタン原子量が上記上限以下であると、経済的に有利である上に、ポリマーの熱安定性が良好となる。また、上記下限以上であると、重合活性の点で好ましく、ポリマー製造中のポリマーの分解が起こりにくい。また、チタン原子量が少ないほど生成するポリエステルのカルボキシル基末端濃度が低減される点では、触媒量は少ない方が好ましい。
生成するポリエステルに対する触媒中のマグネシウム原子量は、下限値が、通常1重量ppm、好ましくは5重量ppm、より好ましくは10重量ppm、特に好ましくは20重量ppmであり、上限値が、通常200重量ppm、好ましくは100重量ppm、より好ましくは70重量ppm、特に好ましくは50重量ppmである。マグネシウム原子量が上記上限以下であると、経済的に有利である上に、ポリマーの色調が良好になりやすい。また、逆に上記下限以上であると、重合活性の点で好ましく、ポリマー製造中のポリマーの分解が起こりにくい。
生成するポリエステルに対する触媒中のリン原子量は、下限値が、通常1重量ppm、好ましくは10重量ppm、より好ましくは20重量ppm、特に好ましくは30重量ppmであり、上限値が、通常200重量ppm、好ましくは100重量ppm、より好ましくは70重量ppm、特に好ましくは50重量ppmである。リン原子量が上記上限以下であると、経済的に有利である上に、重合活性が高いためにポリマー製造中のポリマーの分解が起こりにくい。また、リン原子量が上記下限以上であると、ポリマーの色調の点で好ましい。
<製造プロセス例>
以下に、図面に基づき、脂肪族ジカルボン酸としてコハク酸、脂肪族ジオールとして1,4−ブタンジオール、多官能化合物としてリンゴ酸を原料とするPBSの製造方法の好ましい実施態様を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明で採用するエステル化反応工程の一例の説明図、図2は、本発明で採用する重縮合工程の一例の説明図であり、図3は、横型一軸反応器の説明図、図4は、横型二軸反応器の説明図である。
図1において、原料のコハク酸およびリンゴ酸は、通常、原料混合槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールと混合され、原料供給ライン(1)からスラリーまたは液体の形態でエステル化反応槽(A)に供給される。また、エステル化反応時に触媒を添加する場合は、触媒調整槽(図示せず)で1,4−ブタンジオールの溶液とした後、触媒供給ライン(3)から触媒溶液を供給する。図1では再循環1,4−ブタンジオールの再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)を連結し、両者を混合した後、エステル化反応槽(A)の液相部に供給する態様を示した。
エステル化反応槽(A)から留出するガスは、留出ライン(5)を経て精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離される。通常、高沸成分の主成分は1,4−ブタンジオールであり、低沸成分の主成分は、水および1,4−ブタンジオールの分解物であるテトラヒドロフランである。
精留塔(C)で分離された高沸成分は抜出ライン(6)から抜き出され、ポンプ(D)を経て、一部は再循環ライン(2)からエステル化反応槽(A)に循環され、一部は循環ライン(7)から精留塔(C)に戻される。また、余剰分は抜出ライン(8)から外部に抜き出される。一方、精留塔(C)で分離された軽沸成分はガス抜出ライン(9)から抜き出され、コンデンサ(G)で凝縮され、凝縮液ライン(10)を経てタンク(F)に一時溜められる。タンク(F)に集められた軽沸成分の一部は、抜出ライン(11)、ポンプ(E)および循環ライン(12)を経て精留塔(C)に戻され、残部は、抜出ライン(13)を経て外部に抜き出される。コンデンサ(G)はベントライン(14)を経て排気装置(図示せず)に接続されている。エステル化反応槽(A)内で生成したエステル化反応物は、抜出ポンプ(B)およびエステル化反応物の抜出ライン(4)を経て図2に示す第1重縮合反応器(a)に供される。
図1に示す工程においては、再循環ライン(2)に触媒供給ライン(3)が連結されているが、両者は独立していてもよい。また、原料供給ライン(1)はエステル化反応槽(A)の液相部に接続されていてもよい。
重縮合槽前のエステル化反応物に触媒を添加する場合は、触媒調製槽(図示せず)で触媒溶液を所定濃度に調製した後、図2における触媒供給ライン(L7)を経て原料(1,4−ブタンジオール)供給ライン(L8)に供給し、1,4−ブタンジオールで更に希釈した後、エステル化反応物の抜出ライン(4)に供給する。
エステル化反応物の抜出ライン(4)(この抜出ライン(4)にはフィルターを設けてもよい。)から第1重縮合反応器(a)に供給されたエステル化反応物は、減圧下に重縮合されてポリエステル低重合体となり、その後、抜出用ギヤポンプ(c)および抜出ライン(L1)(この抜出ライン(L1)にはフィルターを設けてもよい。)を経て第2重縮合反応器(d)に供給される。第2重縮合反応器(d)では、通常、第1重縮合反応器(a)よりも低い圧力で更に重縮合反応が進む。得られた重縮合物は、抜出用ギヤポンプ(e)および出口流路である抜出ライン(L3)(この抜出ライン(L3)にはフィルターを設けてもよい。)を経て、第3重縮合反応器(k)に供給される。抜出ライン(L3)を通じて第2重縮合反応器(d)から第3重縮合反応器(k)に導入された重縮合反応物は、ここで更に重縮合反応が進められた後、ペレット化の工程に移送される。
第3重縮合反応器(k)内の溶融状態の重縮合物(ポリエステル)を抜出用ギヤポンプ(m)により、抜出ライン(L5)を経てフィルター(n)を通過させた後、水中カッター(h)で切断してポリエステルペレットを得る。なお、溶融ストランドを大気中に抜き出して水で冷却した後、回転式カッターで切断してペレット化してもよい。
図2における符号(L2)、(L4)、(L6)は、それぞれ、第1重縮合反応器(a)、第2重縮合反応器(d)、第3重縮合反応器(k)のベントラインであり、それぞれの重縮合反応器(a)、(d)、(k)の圧力は、このベントライン(L2)、(L4)、(L6)から図示しない湿式コンデンサを経由して、図示しない蒸気エゼクタシステムにより減圧される。
図3(a)は横型一軸反応器(20)の縦断面図、図3(b)は図3(a)のB−B線縦断面図、図3(c)は撹拌翼の正面図である。
この横型一軸反応器(20)は、筒軸心方向を水平方向とした円筒状のケーシング(21)と、該ケーシング(21)の筒軸心部に挿通配置された撹拌軸(22)と、該撹拌軸(22)に取り付けられた多数の撹拌翼(23)と、ケーシング(21)内において撹拌翼(23)間に立設された複数枚(この実施の形態では4枚)の堰板(24)と、ケーシング(21)の一端側(この実施の形態では左鏡板部(21a)に設けられた重縮合物の入口(25)と、ケーシング21の他端側(この実施の形態では、ケーシング(21)の右端近傍の底部)に設けられた重縮合物の出口(26)等を有する。
撹拌軸(22)の両端は、ケーシング(21)の左鏡板(21a)及び右鏡板(21b)に設けられた軸受(27)によって回転自在に保持されている。軸受(27)のケーシング(21)内方側にはシール部材(28)が設けられている。
撹拌軸(22)の一端は、図3(a)の右方に延出しており、結合フランジ(図示略)を介して駆動装置(図示略)に連結されている。
撹拌翼(23)は、図3(c)の通り、円板形であるが、周方向に間隔をおいて透孔(23a)が設けられている。また、図示は省略するが、撹拌翼(23)の外周に沿って、幅の小さいリング体が周回して設けられている。
堰板(24)は、図3(b)の通り、円板を弦方向に切り欠いた略欠円形であり、円弧形の外周縁(24a)をケーシング(21)の内周面に当接させてケーシング(21)に固定されている。堰板(24)の弦方向の上縁(24b)は水平方向に延在している。上縁(24b)の辺方向中央からは、略U字形状の凹所よりなる撹拌軸挿通部(24c)が下方に向って凹設されている。
また、上縁(24b)からは、方形の凹所よりなるオーバーフロー部(24d)が凹設されている。各堰板(24)の上縁(24d)は同一高さに配置されているが、オーバーフロー部(24d)の深さHは、出口(26)側のものほど大きくなっている。これにより、ケーシング(21)内では入口(25)側ほど重合物のレベル(液面位)が高くなるように構成されている。なお、一部の隣接堰板(24)、(24)において該深さHを等しくしてもよい。
この実施の形態では、4枚の堰板(24)のうち3枚が入口(25)と出口(26)の中間よりも入口(25)側に設けられている。なお、堰板は4枚に限らず、3枚以下であってもよく、5枚以上であってもよい。
この実施の形態では、撹拌軸(22)の直径は200〜600mmである。また、撹拌翼(23)と堰板(24)との板面同士の間隔(隙間)(以下「距離」という。)は5〜500mmとされている。
前記抜出ライン(L1)からの重縮合物は、入口(24)からケーシング(21)内に導入される。撹拌軸(22)が周速5〜15cm/s程度で回転され、重縮合物は、撹拌されながら堰板(24)のオーバーフロー部(24d)をオーバーフローして図3(a)の右方側へ移動し、出口(26)から抜出ライン(L3)へ送り出される。このようにケーシング(21)内で撹拌される間に重縮合反応が進行する。
図4(a)は横型二軸反応器(30)の水平断面図、図4(b),(c)は図4(a)のB−B線,C−C線断面図である。
この横型二軸反応器(30)は、筒軸心方向を水平方向とした略筒状のケーシング(31)と、該ケーシング(31)内に筒軸心方向と平行方向に配置された2本の撹拌軸(32)と、該撹拌軸(32)に取り付けられた多数の撹拌翼(33)と、ケーシング(31)内において撹拌翼(33)間に立設された複数枚(この実施の形態では2枚)の堰板(34)と、ケーシング(31)の一端側(この実施の形態では左鏡板部(31a)に設けられた重縮合物の入口(図示略)と、ケーシング31の他端側(この実施の形態では、ケーシング(31)の右端近傍の底部)に設けられた重縮合物の出口(図示略)と、各撹拌軸(32)の右端側に摺接するスクレーパー(36)等を有する。
2本の撹拌軸(32)は同一高さに配置されている。ケーシング(31)の底面は、一方の撹拌軸(32(32L))の軸心から等半径の第1円弧部(31L)と、他方の撹拌軸(32(32R))の軸心から等半径位の第2円弧部(31R)とからなる。ケーシング(31)の上面側は略円弧形断面形状である。
撹拌軸(32)の両端は、ケーシング(31)の左鏡板(31a)及び右鏡板(31b)に設けられた軸受(37)によって回転自在に保持されている。軸受(37)のケーシング(31)内方側にはシール部材(38)が設けられている。
撹拌軸(32)の一端は、図4(a)の左方に延出しており、結合フランジ(図示略)を介して駆動装置(図示略)に連結されている。
撹拌翼(33)は、撹拌軸(32)から直径方向に対峙して突出する2葉型のものであり、各撹拌翼(33)には透孔(33a)が設けられている。
堰板(34)は、図4(c)の通り、ケーシング(31)の底面に倣った2条の円弧形外周縁(34a,34a)と水平な上縁(34b)とを有している。堰板(34)は、円弧形外周縁(34a,34a)をケーシング(31)の底面に当接させてケーシング(31)に固定されている。
上縁(34b)には、2個の凹部よりなる撹拌軸挿通部(34c)が設けられている。堰板(34)は、撹拌翼(33)間を立ち上がり、上縁(34b)が撹拌軸(32)と略同レベルとなるように配置されている。なお、各堰板(34)は、上縁(34b)の高さが同一とされてもよく、出口側の堰板(34)の上縁(34b)を入口側の堰板(34)の上縁(34b)よりも低位としてもよい。
この実施の形態では、いずれの堰板(34)も入口と出口の中間よりも入口側(図4(a)の左端側)に設けられている。この横型二軸反応器でも堰板は2枚に限らず、1枚又は3枚以上であってもよい。
この実施の形態では、撹拌軸(32)の直径は200〜600mmである。また、撹拌翼(33)と堰板(34)との距離は5〜500mmとされている。
スクレーパー(36)は長板状であり、平板状であってもよく、曲板状であってもよい。スクレーパー(36)の長辺が撹拌軸(32)の外周面に摺動自在に当接している。なお、スクレーパー(36)はブラケット(図示略)を介してケーシング(31)に固定保持されている。
前記抜出ライン(L3)からの重縮合物は、入口からケーシング(31)内に導入される。撹拌軸(32)が周速5〜15cm/s程度で回転され、重縮合物は、撹拌されながら堰板(34)をオーバーフローして図4(a)の右方側へ移動し、出口から抜出ライン(L5)へ送り出される。このようにケーシング(31)内で撹拌される間に重縮合反応が進行する。
なお、一方の撹拌軸(32L)は図4(b)において反時計回り方向に回転し、他方の撹拌軸(34R)は時計回り方向に回転する。
この実施の形態では、撹拌軸(32)の出口側にスクレーパー(36)が摺接しているので、撹拌軸(32)の外周面から重縮合物が常に掻き取られる。そのため、撹拌軸(32)の外周面に重縮合物が多量に付着して塊となることがなく、塊状物が落下して重縮合物に混入することが防止される。
スクレーパー(36)の掻き取り部と撹拌軸(32)との距離は、1〜30mmであることが好ましく、10〜20mmであることが、撹拌軸(32)の回転に影響を及ぼすことなく、重縮合物を効率的に掻き取る上で好ましい。
また、スクレーパー(36)の掻き取り部は、撹拌軸(32)の軸中心より下方に位置し、スクレーパー(36)の掻き取り部の長さは、撹拌軸(32)の全長に対して3〜30%、特に5〜10%であることが、撹拌翼の設置スペースを確保した上で、重縮合物を効率的に掻き取る上で好ましい。
<本発明のPBS>
本発明のPBSの製造方法により製造される本発明のPBSは、数平均分子量(Mn)が10,000以上の高分子量で高粘度のものである。一般に、横型二軸反応器においては、ポリマーの撹拌軸への巻き付けが起こり易く、この撹拌軸へのポリマーの巻き付けに起因するポリマー中の異物、この異物によるFE(フッシュアイ)を招き易い。本発明では、このような高分子量で高粘度のPBSの製造において、横型二軸反応器内にスクレーパーを設けることで、撹拌軸へのポリマーの巻き付けを有効に防止することができる。
また、一般に、横型一軸反応器及び横型二軸反応器においては、重縮合物が反応器ボトム部を流れることにより、得られるPBSの分子量分布の拡大が生じ易い。本発明では、横型一軸反応器及び横型二軸反応器内に堰板を設けることで、かかる分子量分布の拡大を防止することができる。
上記スクレーパー及び堰板による本発明の効果をより有効に得る上で、本発明のPBSの数平均分子量(Mn)は、10,000以上であることが好ましく、12,000以上であることがより好ましい。ただし、分子量が過度に大きいと、ポリマーの溶融粘度が高くなりすぎてそのハンドリングが困難になるばかりか、ポリマーのゲル化などの懸念も高くなるため、本発明のPBSの数平均分子量(Mn)は通常30,000以下、好ましくは20,000以下である。
ポリマーの固有粘度(IV)およびMFRは、ポリマー分岐構造にもよるが、数平均分子量(Mn)により決まってくる。本発明のPBSの固有粘度(IV)は、通常1.5〜2.0dL/gであることが好ましく、1.6〜1.9dL/gであることがより好ましい。またMFR(190℃、荷重2.16kg)は、通常、2〜15g/10分であることが好ましく、2〜10g/10分であることがより好ましい。
なお、本発明のPBSの数平均分子量(Mn)、固有粘度(IV)、MFR(190℃、荷重2.16kg)は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される。
<ポリエステル組成物>
本発明のPBSに、芳香族ポリエステルや、脂肪族オキシカルボン酸等を配合させてもよい。更に必要に応じて用いられるカルボジイミド化合物、充填材、可塑剤、その他、本発明の効果を阻害しない範囲で他の生分解性樹脂、例えば、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロースエステル等や、澱粉、セルロース、紙、木粉、キチン・キトサン質、椰子殻粉末、クルミ殻粉末等の動物/植物物質微粉末、あるいはこれらの混合物を配合することができる。更に、成形品の物性や加工性を調整する目的で、熱安定剤、可塑剤、滑剤、ブロッキング防止剤、核剤、無機フィラー、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤、改質剤、架橋剤等を含有させてもよい。
本発明のPBSからポリエステル組成物を製造する方法は、特に限定されないが、ブレンドしたポリエステルの原料チップを同一の押出機で溶融混合する方法、各々別々の押出機で溶融させた後に混合する方法、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダーブレンダー等の通常の混練機を用いて混練することによって混合する等が挙げられる。また、各々の原料チップを直接成形機に供給して組成物を調製すると同時に、その成形体を得ることも可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で製造されたポリエステルの各種物性の測定方法は以下の通りである。
<固有粘度(IV)の測定>
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度0.5g/dLのポリエステル試料溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(1)より求めた。
IV=((1+4KHηsp0.5−1)/(2KC) 式(1)
(但し、ηsp=η/η−1であり、ηは試料溶液落下秒数、ηは溶媒の落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、Kはハギンズの定数である。Kは0.33を採用した。)
<MFRの測定>
JIS K7210で規定された方法で測定した。測定温度は190℃、使用荷重は2.16kg、オリフィス径:1.0mmとし、株式会社テクノ・セブン社製メルトインデクサ「L242」を用いて測定した。
<フィッシュアイの測定>
60℃で8時間乾燥したポリエステルペレットを190℃で押出成形し、厚み約50μm×幅約11cmのフィルムを得、光学式異物検査装置(OCS(Optical Control Systems)社製、FSA100)を使用し、サイズ50μm以上のフィッシュアイを測定した。
<数平均分子量(Mn)の測定>
ポリエステルペレットを0.1重量%濃度となるようにクロロホルムに溶解し、PTFEフィルターで濾過した後、下記測定条件でGPCで分子量を測定した。
装置:Tosho HLC−8220 GPC(R)
カラム:PL 10u Mixed B(7.5mmID×30cm×2)
温度:40℃
検出器:RI
移動相:クロロホルム(1.0mL/min)
注入量:100μL
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン換算
[触媒溶液の調製]
減圧蒸留塔を付設したジャケット付撹拌槽(容量:600L)にエタノール(純度99重量%以上)270kg、酢酸マグネシウム・4水和物を60kgを加えた。更にエチルアシッドホスフェート(モノエステル体とジエステル体の混合重量比は45:55)を270kg加え、常温で撹拌を行った。酢酸マグネシウムが完全に溶解したことを確認後、テトラ−n−ブチルチタネートを74kg添加した。更に撹拌を継続し、均一混合溶液を得た。その後ジャケットに80℃温水を通水し、減圧下で濃縮を行い、殆どのエタノールを留去し、半透明の粘稠な液体を得た。この液体状の液体に1,4−ブタンジオールを加え、チタン原子濃度が3.5重量%となるよう調製した。
[比較例1]
図1に示すエステル化工程と図2に示す重縮合工程を通し、次の要領でPBSの製造を行った。図2において、重縮合反応器(a)は竪型撹拌槽型反応器、重縮合反応器(d)は横型一軸反応器、重縮合反応器(k)は横型二軸反応器からなる。ここで横型一軸反応器内部には撹拌羽根を備えた撹拌軸と堰板を有する。また、横型二軸反応器は撹拌羽根を有する2本の撹拌軸を有し、出口側に堰板を設けたが、スクレーパーは設置しなかった。
比較例1で用いた横型一軸反応器及び横型二軸反応器は、横型二軸反応器にスクレーパーを設けなかったこと以外は、後述の実施例1で用いた横型一軸反応器及び横型二軸反応器と同様の構成とされている。
先ず、コハク酸1.00モルに対して、1,4−ブタンジオール1.30モルおよびリンゴ酸0.0028モルの割合で混合した60℃のスラリーをスラリー調製槽(図示せず。)から原料供給ライン(1)を通じ、予め、エステル化率95%以上の脂肪族ポリエステルオリゴマーをバッチ反応で調製し、230℃に保持した撹拌機を有するエステル化反応槽(A)に、3500kg/hとなる様に連続的に供給した。同時に、再循環ライン(2)から180℃の精留塔(C)の塔底成分(98重量%以上が1,4−ブタンジオール)を200kg/hで供給した。
反応槽(A)の内温は230℃、圧力は101kPaとし、生成する水とテトラヒドロフラン及び余剰の1,4−ブタンジオールを、留出ライン(5)から留出させ、精留塔(C)で高沸成分と低沸成分とに分離した。精留塔(C)の塔底からライン(6)を通じて抜き出した高沸物は一部をライン(7)を通じて精留塔(C)に循環した。系が安定した後の塔底の高沸成分は、98重量%以上が1,4−ブタンジオールであり、精留塔(C)の液面が一定になる様に、抜出ライン(8)を通じてその一部を外部に抜き出した。一方、水とテトラヒドロフランを主体とする低沸成分は塔頂よりガスの形態で抜き出し、コンデンサ(G)で凝縮させ、タンク(F)の液面が一定になる様に、抜出ライン(13)より外部に抜き出した。
反応槽(A)で生成したエステル化反応生成物としてのオリゴマーの一定量は、ポンプ(B)を使用し、オリゴマーの抜出ライン(4)から抜き出し、反応槽(A)内液のコハク酸ユニット換算での滞留時間が3時間になる様に液面を制御した。抜出ライン(4)から抜き出したオリゴマーは、図2の第1重縮合反応器(a)に連続的に供給した。系が安定した後、エステル化反応槽(A)の出口で採取した反応物のエステル化率は90.6%であった。
予め前述手法にて調製した触媒溶液を更に1,4−ブタンジオールで希釈して、チタン原子としての濃度を0.1重量%とした。この液を図2の供給ライン(L7)を通じてエステル化反応物の抜出ライン(4)に120kg/hで供給した。
第1重縮合反応器(a)の内温は240℃、圧力2.66kPaとし、滞留時間が2時間になる様に液面制御を行い、ベントライン(L2)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、初期重縮合反応を行った。抜き出した反応液は、抜出用ギヤポンプ(c)により抜出ライン(L1)を経由し、第2重縮合反応器(d)に連続的に供給した。
第2重縮合反応器(d)の内温は240℃、圧力0.40kPaとし、滞留時間が2.5時間になる様に液面制御を行い、ベントライン(L4)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。得られたポリエステルは、抜出用ギヤポンプ(e)により抜出ライン(L3)を経由し、第3重縮合反応器(k)に連続的に供給した。
第3重縮合反応器(k)の内温は240℃、圧力0.13kPaとし、滞留時間が3時間になる様に液面制御を行い、ベントライン(L6)から、水、テトラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールを抜き出しながら、更に重縮合反応を進めた。反応器に設置された粘度計により測定された粘度は13,000ポイズであった。
得られたポリエステルは、抜出用ギヤポンプ(m)により抜出ライン(L5)を経由し、絶対濾過精度40μmを有する積層金属不織布を濾材とするプリーツ型ポリマーフィルター(n)を通過させ、水中カッター(h)でカッティングして脂肪族ポリエステルペレットを1週間製造した。
得られたポリエステルペレットの固有粘度(IV)は1.75〜1.85dL/g、MFRは3〜5g/10分、数平均分子量(Mn)は15,000〜18,000であった。
運転開始後約1日後のポリエステルペレットについて評価したフィッシュアイは1000個/mであったが、運転開始後1週間後のポリエステルペレットについて評価したフィッシュアイは5000個/mまで増加していた。
[実施例1]
横型二軸反応器出口に図4に示すようにスクレーパーを設置した以外は、比較例1と同様にポリエステルペレットを1ケ月製造した。
スクレーパーの先端部(掻き取り部)と撹拌軸との距離は、15mmに設定した。また、スクレーパーの先端部の長さは、撹拌軸全長の6%とした。
横型一軸反応器には図3のように堰板を4枚設けた。この堰板(24)と撹拌翼(23)との距離は200mm、撹拌軸(22)の直径は400mm、撹拌軸(22)の周速は15cm/sである。
また、横型二軸反応器における堰板(34)と撹拌翼(33)との距離は300mm、撹拌軸(32)の直径は500mm、撹拌軸(32)の周速は10cm/sである。
得られたポリエステルペレットの固有粘度(IV)は1.75〜1.85dL/g、MFRは3〜5g/10分、数平均分子量(Mn)は15,000〜18,000であった。
運転開始後約1日後のポリエステルペレットについて評価したフィッシュアイ数は1000個/mmであった。運転開始後7日後にはスクレーパーと撹拌軸との間にわずかに付着物が発生したが、付着物の落下は発生しなかった。このときのポリエステルペレットについて評価したフィッシュアイ数は1000個/mであった。また、1ヶ月運転後でも付着物の落下は発生せず、このときのポリエステルペレットについて評価したフィッシュアイ数は1000個/mで、運転開始直後と同等であった。
1 原料供給ライン
2 再循環ライン
3 エステル化反応槽触媒供給ライン
4 エステル化反応物(オリゴマー)の抜出ライン
5 留出ライン
6 抜出ライン
7 循環ライン
8 抜出ライン
9 ガス抜出ライン
10 凝縮液ライン
11 抜出ライン
12 循環ライン
13 抜出ライン
14 ベントライン
A エステル化反応槽
B 抜出ポンプ
C 精留塔
D、E ポンプ
F タンク
G コンデンサ
L1、L3、L5 重縮合反応物抜出ライン
L2、L4、L6 ベントライン
L7 触媒供給ライン
L8 原料供給ライン
a 第1重縮合反応器
d 第2重縮合反応器
k 第3重縮合反応器
c、e、m 抜出用ギヤポンプ

h 水中カッター
n フィルター
20 横型一軸反応器
21 ケーシング
22 撹拌軸
23 撹拌翼
24 堰板
30 横型二軸反応器
31 ケーシング
32(32L,32R) 撹拌軸
33 撹拌翼
34 堰板
36 スクレーパー

Claims (20)

  1. 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、
    該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器内の該撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーを有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
  2. 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、
    該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器の内壁から、該横型二軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
  3. 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、
    該横型二軸反応器が、該横型二軸反応器内の該撹拌軸の付着物を掻き取るスクレーパーと、該横型二軸反応器の内壁から、該横型二軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板とを有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
  4. 直列多段に設けられた複数の反応器を用いて、数平均分子量10,000以上のポリブチレンサクシネートを連続的に製造する方法であって、該複数の反応器は、撹拌羽根を備えた撹拌軸を1本有する横型一軸反応器と、最終段反応器としての、撹拌羽根を備えた撹拌軸を2本有する横型二軸反応器とを含み、
    該横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とするポリブチレンサクシネートの製造方法。
  5. 前記横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とする請求項1又は3に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  6. 前記横型一軸反応器が、該横型一軸反応器の内壁から、該横型一軸反応器内の該撹拌羽根の面方向に突出する堰板を有することを特徴とする請求項2に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  7. 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部と前記撹拌軸との距離が、30mm以下であることを特徴とする請求項1、3及び5のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  8. 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部と前記撹拌軸との距離が、1mm以上であることを特徴とする請求項7に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  9. 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部が、前記撹拌軸の軸中心より下方に位置することを特徴とする請求項1、3、5、7及び8のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  10. 前記横型二軸反応器の前記スクレーパーの掻き取り部の長さが、前記撹拌軸の全長に対して3%以上30%以下であることを特徴とする請求項1、3、5及び7ないし9のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  11. 前記横型二軸反応器の前記撹拌軸の周速が、5cm/s以上15cm/s以下であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  12. 前記横型二軸反応器の前記撹拌軸の直径が、200mm以上600mm以下であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  13. 前記横型二軸反応器内の少なくとも一部の前記堰板が前記撹拌軸の長さ方向において、該横型二軸反応器のポリマー入口側から出口側までの中間又はそれよりも入口側に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  14. 前記横型二軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、500mm以下であることを特徴とする請求項2、3及び13のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  15. 前記横型二軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、5mm以上であることを特徴とする請求項14に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  16. 前記横型一軸反応器の少なくとも一部の前記堰板が、前記撹拌軸の長さ方向において、該ポリマー入口側から出口側までの中間又はそれよりも入口側に設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  17. 前記横型一軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、500mm以下であることを特徴とする請求項4、5、6及び16のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  18. 前記横型一軸反応器の前記堰板と前記撹拌羽根との距離が、5mm以上であることを特徴とする請求項17に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  19. 前記横型一軸反応器の前記撹拌軸の周速が、5cm/s以上15cm/s以下であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
  20. 前記横型一軸反応器の前記撹拌軸の直径が、200mm以上600mm以下であることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1項に記載のポリブチレンサクシネートの製造方法。
JP2017047518A 2017-03-13 2017-03-13 ポリブチレンサクシネートの製造方法 Pending JP2018150453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047518A JP2018150453A (ja) 2017-03-13 2017-03-13 ポリブチレンサクシネートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017047518A JP2018150453A (ja) 2017-03-13 2017-03-13 ポリブチレンサクシネートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018150453A true JP2018150453A (ja) 2018-09-27

Family

ID=63679559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017047518A Pending JP2018150453A (ja) 2017-03-13 2017-03-13 ポリブチレンサクシネートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018150453A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110628471A (zh) * 2019-10-18 2019-12-31 湖州联创环保科技有限公司 一种适用于生物酶法制备生物柴油的卧管阶梯式液相连续反应装置
WO2020110683A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル樹脂、コーティング剤、粘接着剤、樹脂組成物、インキ、ポリエステル樹脂の製造方法
CN111733020A (zh) * 2020-07-08 2020-10-02 北京启迪德清生物能源科技有限公司 移动撬装生物燃料一体化反应装置
CN112694602A (zh) * 2020-12-24 2021-04-23 宁波窦氏化学科技有限公司 一种制备生物可降解塑料pbs的方法
CN113000002A (zh) * 2021-03-22 2021-06-22 洛阳海惠新材料股份有限公司 一种用于制备pbt的卧式增粘反应器
CN114682194A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜及其应用
CN114682193A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4636525Y1 (ja) * 1968-09-17 1971-12-15
JPH0977857A (ja) * 1995-09-13 1997-03-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 重縮合反応器
JPH11130869A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Hitachi Ltd 連続重縮合装置
JP2005220242A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Mitsubishi Chemicals Corp 脂肪族或いは脂環式ポリエステルの製造方法
EP2017002A2 (en) * 2007-07-19 2009-01-21 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Polyester manufacturing apparatus and method
JP2009067897A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Mitsubishi Chemicals Corp 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2010254812A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Hitachi Plant Technologies Ltd ポリエステルの合成方法および装置
JP2013227511A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp ポリカーボネート樹脂の製造方法
JP2016124935A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 三菱化学株式会社 ポリエステルの製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4636525Y1 (ja) * 1968-09-17 1971-12-15
JPH0977857A (ja) * 1995-09-13 1997-03-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 重縮合反応器
JPH11130869A (ja) * 1997-10-29 1999-05-18 Hitachi Ltd 連続重縮合装置
JP2005220242A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Mitsubishi Chemicals Corp 脂肪族或いは脂環式ポリエステルの製造方法
EP2017002A2 (en) * 2007-07-19 2009-01-21 Hitachi Plant Technologies, Ltd. Polyester manufacturing apparatus and method
JP2009024087A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Hitachi Plant Technologies Ltd ポリエステルの製造装置およびその方法
JP2009067897A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Mitsubishi Chemicals Corp 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2010254812A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Hitachi Plant Technologies Ltd ポリエステルの合成方法および装置
JP2013227511A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Mitsubishi Chemicals Corp ポリカーボネート樹脂の製造方法
JP2016124935A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 三菱化学株式会社 ポリエステルの製造方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11898003B2 (en) 2018-11-30 2024-02-13 Mitsubishi Chemical Corporation Polyester resin, coating agent, adhesive, resin composition, ink, and method for producing polyester resin
WO2020110683A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル樹脂、コーティング剤、粘接着剤、樹脂組成物、インキ、ポリエステル樹脂の製造方法
JP7484166B2 (ja) 2018-11-30 2024-05-16 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル樹脂、コーティング剤、粘接着剤、樹脂組成物、インキ、ポリエステル樹脂の製造方法
CN113166379A (zh) * 2018-11-30 2021-07-23 三菱化学株式会社 聚酯树脂、涂布剂、粘合粘接剂、树脂组合物、油墨、聚酯树脂的制造方法
JPWO2020110683A1 (ja) * 2018-11-30 2021-10-14 三菱ケミカル株式会社 ポリエステル樹脂、コーティング剤、粘接着剤、樹脂組成物、インキ、ポリエステル樹脂の製造方法
EP3889202A4 (en) * 2018-11-30 2021-12-22 Mitsubishi Chemical Corporation POLYESTER RESIN, COATING AGENT, ADHESIVE, RESIN COMPOSITION, INK, AND POLYESTER RESIN PRODUCTION PROCESS
CN110628471A (zh) * 2019-10-18 2019-12-31 湖州联创环保科技有限公司 一种适用于生物酶法制备生物柴油的卧管阶梯式液相连续反应装置
CN111733020A (zh) * 2020-07-08 2020-10-02 北京启迪德清生物能源科技有限公司 移动撬装生物燃料一体化反应装置
CN112694602A (zh) * 2020-12-24 2021-04-23 宁波窦氏化学科技有限公司 一种制备生物可降解塑料pbs的方法
CN112694602B (zh) * 2020-12-24 2022-05-27 宁波窦氏化学科技有限公司 一种制备生物可降解塑料pbs的方法
CN114682194A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜及其应用
CN114682193A (zh) * 2020-12-31 2022-07-01 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜
CN114682194B (zh) * 2020-12-31 2024-01-26 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜及其应用
CN114682193B (zh) * 2020-12-31 2024-01-30 中国石油化工集团公司 一种终缩聚反应釜
CN113000002A (zh) * 2021-03-22 2021-06-22 洛阳海惠新材料股份有限公司 一种用于制备pbt的卧式增粘反应器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018150453A (ja) ポリブチレンサクシネートの製造方法
US8680229B2 (en) Method for producing polyester
WO2009119511A1 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
WO2009084443A1 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP5200531B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2012144744A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP5176649B2 (ja) ポリエステルの製造方法
JP2005314690A (ja) ポリブチレンテレフタレート製フィルム及びシート並びにそれらの製造方法
JP3904536B2 (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造方法
JP2010195989A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP5729217B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP4626343B2 (ja) ポリブチレンテレフタレートペレット、そのコンパウンド製品および成形品ならびにそれらの製造方法
JP2004323837A (ja) ポリブチレンテレフタレート
WO2005095488A1 (ja) ポリブチレンテレフタレート製フィルム及びシート並びにそれらの製造方法
JP2018145220A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP4725029B2 (ja) ポリブチレンテレフタレート
JP4725027B2 (ja) ポリブチレンテレフタレート
JP2009062412A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2018145413A (ja) 脂肪族芳香族ポリエステルの製造方法
JP5678667B2 (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP3899339B2 (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造方法
WO2024071363A1 (ja) ポリエステルの製造方法
JP3899340B2 (ja) ポリブチレンテレフタレートの製造方法
JP2014141633A (ja) 脂肪族ポリエステルの製造方法
JP2005220242A (ja) 脂肪族或いは脂環式ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170427

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210427