JP2014061763A - 空調用レジスタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空調用レジスタのリンク機構70は、上流側フィン41〜45毎の支軸52,47から同支軸52,47に直交する方向へ延び、かつピン74を有するアーム71〜73と、全てのピン74を連結する連結ロッドとを備える。操作ノブ60は、下流側フィン32上にスライド可能に設けられ、かつ特定上流側フィン41の軸部53を挟み込む一対のフォーク部61を有する。さらに、特定上流側フィン41のアーム71における支軸52とピン74との距離が、通常上流側フィン42〜45のアーム72,73における支軸47とピン74との距離よりも長く設定されている。連結ロッドは、隣り合うアーム71〜73のピン74を連結する複数の連結部75を備え、隣り合う連結部75がピン74により屈曲可能に連結されている。
【選択図】図2
Description
操作ノブに対し、下流側フィンの厚み方向へ向かう力が加えられると、下流側フィンが同方向へ傾動させられる。この際には、ラックが下流側フィンと一緒に傾動し、ピニオンの歯上を摺動する。ラックの動きはピニオンに伝達されず、従って上流側フィンは傾動させられない。空調用空気は、傾動させられた下流側フィンに沿うことで流れ方向を変えられる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、操作ノブのスライド操作を上流側フィンに伝達するための部位に起因する圧力損失及び騒音発生を抑制することのできる空調用レジスタを提供することにある。
特定上流側フィンの主要部は、操作ノブがスライド操作された場合、上述したように、通常上流側フィンよりも小さな角度傾動する。仮に、上記主要部に空調用空気の当たる部位があると、同空調用空気が同部位に沿って流れ、通常上流側フィンに沿って流れる空調用空気と干渉して乱れるおそれがある。
上記の構成によれば、特定上流側フィンでは、最上流部に位置する軸部と、それよりも下流側に位置する支軸との間が空洞部となっている。特定上流側フィンにおいて、空調用空気の流れ方向を左右する部分が、空洞部の分、さらに少なくなる。そのため、空調用空気が特定上流側フィンの近くを流れる際に、通常上流側フィンの近くを流れる空調用空気とは異なる方向へ流れ方向を変えられることが一層起こりにくくなる。
ケース10は、空調装置の通風ダクト(図示略)と、インストルメントパネルに設けられた開口(図示略)とを繋ぐためのものであり、上流側リテーナ11、下流側リテーナ12及びベゼル13を備えている。ケース10は、両端が開放され、かつ横方向の寸法が縦方向の寸法よりも小さな四角筒状をなしている。このケース10の内部空間は、空調用空気Aの流路(以下「通風路20」という)とされている。
図2及び図8に示すように、下流側フィン群は、第1方向(上下方向)及び通風方向にそれぞれ延びる2つの下流側フィン31,32からなる。各下流側フィン31,32は、通風方向よりも第1方向(上下方向)に細長い板状をなしている。各下流側フィン31,32は、第1方向(上下方向)についての両方の端面から外方へ向けて突出する支軸33を有している。下流側フィン31,32毎の両支軸33は、上記下流側軸受部24,25により両第2壁部22に対し、第2方向(車幅方向)への傾動可能に支持されている。
上流側フィン群は、1つの特定上流側フィン41と、複数(4つ)の通常上流側フィン42,43,44,45とからなる。これらの特定上流側フィン41及び通常上流側フィン42〜45は、上記両下流側フィン31,32よりも上流側において、第1方向(上下方向)に配列されている。特定上流側フィン41は、通風路20において第1方向(上下方向)についての中央部に配置されている。なお、特定上流側フィン41及び通常上流側フィン42〜45を特に区別する必要がない場合には、これらを単に「上流側フィン41〜45」と記載するものとする。
操作ノブ60は、吹出口14からの空調用空気Aの吹き出し方向を調整する際に乗員によって操作される部材であり、上記下流側フィン32上に、第1方向(上下方向)へのスライド可能に外嵌されている。操作ノブ60は、下流側フィン32と一緒に、支軸33を支点として第2方向(左右方向)へ傾動(旋回)可能であり、また、下流側フィン32上をスライドすることで、第1方向(上下方向)へ変位可能である。
図1及び図2に示すように、リンク機構70は、通常上流側フィン42〜45を特定上流側フィン41に動力伝達可能に連結し、特定上流側フィン41に連動して全ての通常上流側フィン42〜45を傾動させるための機構である。
図2及び図5に示すように、各アーム71〜73の下流端からは、ピン74が第2方向(車幅方向)についての外方へ突出している。アーム71における支軸52からピン74までの距離をD1とし、アーム72における支軸47からピン74までの距離をD2とし、アーム73における支軸47からピン74までの距離をD3とすると、本実施形態では、D1>D2>D3が成り立つように、各距離D1〜D3が設定されている。
この空調用レジスタでは、図1及び図6に示すように、空調用空気Aは、通常上流側フィン42〜45及び両下流側フィン31,32に沿うことで流れ方向を変えられた後、ケース10の吹出口14から吹き出す。
図3及び図6は、操作ノブ60が通常可動領域R1の中央部に位置しているときの空調用レジスタの状態を示している。このときの操作ノブ60の位置を「基準位置」というものとする。操作ノブ60が基準位置にあるときには、各通常上流側フィン42〜45がいずれも略水平な状態(両第2壁部22に略平行な状態)となっている。このときの各通常上流側フィン42〜45の位置を「中立位置」というものとする。補助フィン56は、特定上流側フィン41の支軸52から上流側へ離れた箇所において略水平状態となっている。そのため、空調用空気Aは、これらの通常上流側フィン42〜45、補助フィン56及び両第2壁部22に沿って略水平方向に流れる。
操作ノブ60の上記スライド操作に伴い、両フォーク部61が上方へ移動(上動)させられる。特定上流側フィン41の軸部53に対し、移動方向後側(下側)のフォーク部61が接触し、同軸部53が下側のフォーク部61によって上方へ押される。フォーク部61の上記上動に伴い、軸部53のフォーク部61との接触箇所が通風方向へ変化し、特定上流側フィン41が、支軸52を支点として上方へ傾動させられる。このように、操作ノブ60の上方への直線運動が、特定上流側フィン41の支軸52を支点とした上方への傾動運動(回転運動)に変換される。
この場合にも、基本的には、上述した操作ノブ60が通常可動領域R1でスライド操作された場合と同様に、リンク機構70が作動する。なお、図16(B)は、操作ノブ60が特定可動領域R2でスライド操作された場合のアーム71〜73の傾動範囲を、また図16(A)は、通常上流側フィン42〜45の傾動範囲をそれぞれ示している。
(1)空調用レジスタとして、ケース10、下流側フィン31,32、通常上流側フィン42〜45、特定上流側フィン41、操作ノブ60及びリンク機構70を備えるものを用いる。リンク機構70として、上流側フィン41〜45毎の支軸52,47から同支軸52,47に直交する方向へ延び、かつ同支軸52,47から偏倚した箇所にピン74を有するアーム71〜73と、全てのピン74を連結する連結ロッド76とを備えるものを用いる。操作ノブ60として、下流側フィン32上にスライド可能に設けられ、特定上流側フィン41の軸部53を挟み込む一対のフォーク部61を有するものを用いるようにしている(図1、図2)。
そのため、隣り合うアーム71〜73を屈曲させて、互いになる角度を変化させることで、特定上流側フィン41及び通常上流側フィン42〜45を傾動させることができる。
そのため、特定上流側フィン41の主要部51において、空調用空気Aの流れ方向を左右する部分を少なくすることができる。特定上流側フィン41の近くを流れる空調用空気Aが、通常上流側フィン42〜45の近くを流れる空調用空気Aと干渉して乱れるのを抑制することができる。
そのため、操作ノブ60をスライド操作する際にフォーク部61が主要部51と干渉するのを抑制することができる。
(6)特定上流側フィン41の両隣に位置する通常上流側フィン43,44の一方(上隣の通常上流側フィン43)に、特定上流側フィン41の支軸52よりも上流側で、同通常上流側フィン43と一緒に傾動する補助フィン56を一体に設けている(図6)。
<下流側フィン群について>
・下流側フィン群は、1つ又は3つ以上の下流側フィンによって構成されてもよい。
・通常上流側フィン42〜45は、複数であることを条件に、上記実施形態とは異なる数に変更されてもよい。
・補助フィン56は、特定上流側フィン41の両隣の通常上流側フィン43,44のうち、上記実施形態とは異なるもの(通常上流側フィン44)に設けられてもよい。
・アーム71〜73は、支軸52,47に対し直交する方向へ延びることを条件に、上記実施形態とは異なる方向へ延びるものであってもよい。
<連結ロッド76について>
・図17及び図18に示すように、連結ロッド76として、隣り合う連結部75が、ピン74に対する係合部分において、同連結部75の他の部分よりも薄肉状のヒンジ部81を介して一体に形成されたものが用いられてもよい。こうした連結ロッド76は、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)等の軟質樹脂を用いて形成することができる。
<適用箇所について>
・上記空調用レジスタは、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所、例えばダッシュボードに設けられる空調用レジスタにも適用可能である。
・上記空調用レジスタは、吹出口14が横長となるように配置される薄型の空調用レジスタにも適用可能である。この場合、車幅方向(左右方向)が第1方向となり、上下方向が第2方向となる。
Claims (6)
- 空調用空気の通風路を有するケースと、
支軸により前記ケースに傾動可能に支持された板状の下流側フィンと、
前記下流側フィンよりも上流側で同下流側フィンに対し直交した状態で配置され、かつ支軸により前記ケースに傾動可能に支持された複数の通常上流側フィンと、
前記下流側フィンよりも上流側で同下流側フィンに対し直交した状態で配置され、かつ支軸により前記ケースに傾動可能に支持され、前記支軸に沿う方向へ延びる軸部を有する特定上流側フィンと、
前記下流側フィン上にスライド可能に設けられ、かつ前記特定上流側フィンの前記軸部を挟み込むフォーク部を有する操作ノブと、
前記通常上流側フィン及び前記特定上流側フィンを連結するリンク機構と
を備え、前記リンク機構が、前記上流側フィン毎の前記支軸から同支軸に直交する方向へ延び、かつ同支軸から偏倚した箇所にピンを有するアームと、全ての前記ピンを連結する連結ロッドとを備え、
前記通常上流側フィン及び前記特定上流側フィンが、前記空調用空気の通風方向を調整するとともに、前記通風路を閉鎖するものである空調用レジスタであって、
前記特定上流側フィンの前記アームにおける前記支軸と前記ピンとの距離が、前記通常上流側フィンの前記アームにおける前記支軸と前記ピンとの距離よりも長く設定され、
前記連結ロッドが、隣り合う前記アームの前記ピンを連結する複数の連結部を備え、隣り合う前記連結部が屈曲可能に連結されていることを特徴とする空調用レジスタ。 - 前記特定上流側フィンの主要部は、その最上流部に同特定上流側フィンの前記支軸を有している請求項1に記載の空調用レジスタ。
- 前記特定上流側フィンの主要部は、前記支軸と前記軸部との間に空洞部を有している請求項2に記載の空調用レジスタ。
- 前記特定上流側フィンは、一対の前記通常上流側フィン間に配置されており、
前記両通常上流側フィンの一方には、前記特定上流側フィンの前記支軸よりも上流側で、同通常上流側フィンと一緒に傾動する補助フィンが一体に設けられている請求項2又は3に記載の空調用レジスタ。 - 隣り合う一対の前記連結部は、1つの前記ピンに対し、同ピンの長さ方向についての異なる箇所に回動可能に係合されており、前記ピンを介して屈曲可能に連結されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。
- 前記連結ロッドは、隣り合う前記連結部が、前記ピンに対する係合部分において薄肉状のヒンジ部を介して一体に形成されることにより構成されており、
隣り合う前記連結部は、前記ヒンジ部において屈曲可能に連結されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。
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