JP6540317B2 - 空調用レジスタ - Google Patents
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Description
ところが、上記特許文献1及び特許文献2を含む従来の空調用レジスタは、いずれも、そういった観点で設計されておらず、乗員によって見られる箇所に吹出口が設けられているため、上記の要望に応えることが難しい。
乗員によって操作部材が操作されて傾動させられると、その傾動が第1伝達機構により横フィンに伝達され、同横フィンが上下方向へ傾動させられる。空調用空気は、このように傾動させられた横フィンに沿って流れることで、流れ方向を上下方向へ変えられる。
乗員によって操作部材が操作されて傾動させられると、その傾動が第2伝達機構により縦フィンに伝達され、同縦フィンが左右方向へ傾動させられる。空調用空気は、このように傾動させられた横フィンに沿って流れることで、流れ方向を左右方向へ変えられる。
上記の構成によれば、吹出口が下側ほど乗員から前方へ遠ざかることとなり、吹出口は、傾斜していない場合よりも、突起部によって隠されやすくなる。
上記の構成によれば、空調用空気は、吹出口から吹出された直後から傾斜面に沿って流れることになり、その流れ方向が、乗員に近づくほど高くなるように効率よく変更される。
ここで、仮に、操作部材がリテーナ内に配置されると、この操作部材が通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。吹出口から吹出される空調用空気の強さが低下したり、空調用空気の到達距離が短くなったりする。また、騒音も増大する。こうした現象は、吹出口が、上下方向よりも左右方向に寸法の大きな横長の長方形状をなしている場合に顕著である。これは、操作部材が吹出口の実開口面積を小さくするところ、横長の長方形状をなす吹出口では、操作部材によって実開口面積を小さくされる度合が大きいからである。
なお、車両に備え付けられた車両用シートには、乗員が車両の進行方向前方を向いた姿勢で着座姿勢(乗車姿勢)を採っているものとする。本実施形態では、この乗員を基準として各種方向を規定するものとする。乗員を基準とした前方は、車両の進行方向と合致する。また、乗員を基準とした左右方向は、車幅方向と合致する。
図4及び図6に示すように、リテーナ30は、空調用レジスタの骨格部分をなす部材であり、前リテーナ31及び後リテーナ33を備えている。前リテーナ31は、前後両端が開放された筒状をなしている。前リテーナ31は、その前端部において、ダクト15の後端に接続されている(図2参照)。後リテーナ33は、前リテーナ31の後側に隣接して配置され、連結部34により前リテーナ31の被連結部32に連結されている(図3、図7、図8参照)。
図4及び図8に示すように、風向き変更部材は、リテーナ30内に配置された環状フィン61及び縦フィンによって構成されている。
環状フィン61は、通風路35内であって、吹出口36の前方近傍に配置されている。環状フィン61は、上下方向に互いに離間した状態で左右方向に延びる2枚の板状のフィン部62,63を、横フィンとして有している。両フィン部62,63の左右方向における両方の端部は、連結板部64によって相互に連結されている。
図4及び図9に示すように、縦フィン群は、通風路35内の環状フィン61よりも前方に配列された複数の縦フィンからなる。各縦フィンの主要部は、それぞれ上下方向へ延びる板状をなしている。複数の縦フィンは、左右方向に、略等間隔で互いに略平行に離間した状態で配置されている。
各縦フィン71,72の上下方向における両方の端面には、フィン軸73がそれぞれ設けられている。縦フィン71,72毎の上下の両フィン軸73は、上記軸受部43に支持されている。各縦フィン71,72は、上下の両フィン軸73を支点として、左右方向へ傾動可能である。
図5及び図8に示すように操作部材81は、吹出口36からの空調用空気Aの吹出し方向を変更したり、空調用空気Aの吹出しを遮断したりする際に、リテーナ30の外部において乗員によって操作される部材である。
図3及び図8に示すように、第1伝達機構90は、操作部材81の上下方向の傾動を環状フィン61に伝達するためのものである。この第1伝達機構90について説明すると、操作部材81における各支持片84の前端部には、二股状に分岐してなる上下一対の挟み部91が形成されている。
これに対し、上記環状フィン61における左方のフィン軸65には、そのフィン軸65を起点として前方へ延びるアーム101が形成されている。アーム101は、その前端部に連結ピン102を有している。伝達部材94における連結ピン99と、環状フィン61における連結ピン102とは、後側ほど高くなるように傾斜した連結ロッド103によって連結されている。
図5及び図9に示すように、第2伝達機構110は、操作部材81の左右方向の傾動を縦フィン71に伝達するためのものである。この第2伝達機構110は、複数のギヤによって構成されている。より詳しくは、上記軸部材50の第1軸部51には駆動ギヤ111が形成されている。また、縦フィン71のアーム74において、上記フィン軸73と同軸上には延長軸部112が形成されており、この延長軸部112に被動ギヤ113が形成されている。さらに、後リテーナ33の横壁部42において、上記軸部材50の略前方には支軸114(図8参照)が設けられており、この支軸114に伝達ギヤ115が回動可能に支持されている。伝達ギヤ115は、上記駆動ギヤ111に噛合する上ギヤ部116と、上記上ギヤ部116の下側で上記被動ギヤ113に噛合する下ギヤ部117とを有している。
図4及び図6は、環状フィン61及び縦フィン71,72がそれぞれの中立状態にされた空調用レジスタを示している。
ところで、空調用レジスタにおけるリテーナ30及び環状フィン61と、車室25内で乗車姿勢を採っている乗員との間には、コンソールボックス11の突起部16が位置する。表現を変えると、乗員が前下方を向いた場合、その乗員の視線上には、コンソールボックス11の突起部16が位置する。この突起部16は、乗員の前下方において、その乗員に向けて突出しており、同突起部16の直下に配置されたリテーナ30及び環状フィン61を隠し、乗員側からこれらが見えるのを妨げるようとする。
また、上側のフィン部62の後端よりも前方に位置する下側のフィン部63の後端は、上側のフィン部62の後端の下方に位置する場合よりも、乗員から前方へ遠ざかっていて、突起部16によって隠されやすい。
なお、上記操作部材81は、突起部16の後傾斜面22よりも上方に配置されている。しかも、操作部材81の摘み部83は、窓部24を通じ突起部16から後方へ露出している。そのため、乗員には摘み部83が見えることとなり、摘み部83の位置を目視で確認でき、同摘み部83に触れて操作することが容易である。
(1)本実施形態の空調用レジスタは、車室25内で乗車姿勢を採っている乗員の前下方において、後方へ向けて突出する突起部16を有し、かつ同突起部16の下部に、後側ほど高くなる前傾斜面21及び後傾斜面22が形成されたコンソールボックス11を組込みの対象としている(図2、図4)。
また、操作部材81を操作することで、吹出口36から吹出される空調用空気Aの向きを変更したり、吹出口36からの空調用空気Aの吹出しを遮断したりすることができる。
そのため、摘み部83の位置を目視で簡単に把握することができる。
(3)伝達機構として、操作部材81の傾動を、環状フィン61における横フィンとしてのフィン部62,63に伝達して、同フィン部62,63を上下方向へ傾動させる第1伝達機構90を設けている(図3、図8)。
(4)伝達機構として、操作部材81の傾動を、縦フィン71に伝達して、同縦フィン71を左右方向へ傾動させる第2伝達機構110を設けている(図5、図9)。
(5)縦フィン71を傾動させる際に操作される操作部材と、環状フィン61を傾動させる際に操作される操作部材として、共通のもの(操作部材81)を用いている(図5)。
そのため、吹出口36を、これが傾斜していない場合よりも、乗員にとって見えにくくすることができる。
(8)吹出口36の上端を前傾斜面21の下端に繋いでいる(図4)。
また、吹出口36から吹出された空調用空気Aの多くを、突起部16の下部の前傾斜面21に近い箇所で流れさせることができ、コアンダ効果をより効果的に発揮させることができる。
(11)空調用レジスタの構成部材の多くを突起部16の直下に配置している(図2)。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・上記実施形態では、突起部16の上部のスペースを利用して収納部18が設けられたが、これに代えて各種デバイスがこのスペースに組込まれてもよい。
・吹出口36の開口形状は、上記実施形態とは異なる開口形状に変更されてもよい。
・吹出口36は、傾斜せずに、垂直状となるように形成されてもよい。
・環状フィン61におけるフィン部62,63(横フィン)の数が3以上の複数に変更されてもよい。
このようにされると、各フィン部62,63の後端は、下側に位置するフィン部63ほど乗員から前方へ遠ざかることとなる。その結果、複数のフィン部62,63は突起部16によって隠されやすくなり、乗員にとって見えにくくなる。
・上記実施形態とは逆に、縦フィン71,72が環状フィン61よりも後側に配置されてもよい。
・傾斜面は、後側ほど高くなるよう一定の角度で傾斜する単一の平面によって構成されてもよい。
・傾斜面は、後側ほど傾斜角度が徐々に大きくなる湾曲した面によって構成されてもよい。
・第1伝達機構90を介して環状フィン61を傾動させるための操作部材と、第2伝達機構110を介して縦フィン71を傾動させるための操作部材とが別々の部材によって構成されてもよい。
<適用箇所について>
・上記空調用レジスタは、車室内においてコンソールボックス11とは異なる箇所、例えばインストルメントパネルであって、前席(運転席、助手席)の乗員の前下方の部位に組込まれる空調用レジスタにも適用可能である。
空調装置のブロワファンは、インストルメントパネル内の下部に配置される。ブロワファンからの空調用空気は、ダクトを通じて空調用レジスタに導かれる。一般的な車両では、空調用レジスタがインストルメントパネルにおいて、ブロワファンから遠く離れた箇所である上部に配置される。そのため、ブロワファンと空調用レジスタとを繋ぐダクトとして、長いものが使用されることとなる。その結果、空調用空気が長いダクトを流れることによる損失が大きくなる。
(A)請求項1〜8のいずれか1項に記載の空調用レジスタにおいて、
前記内装品は、隣り合う車両用シート間の下部に設置され、かつ後方へ向けて突出する突起部を自身の後部に有するコンソールボックスであり、
前記突起部の直下に配置された前記リテーナの前記吹出口は後方へ向けて開口している。
Claims (7)
- 車室内で乗車姿勢を採っている乗員の前下方において、後方へ向けて突出する突起部を有する内装品に組込まれる空調用レジスタであって、
前記突起部の下部には、後側ほど高くなるよう一定の角度で傾斜するとともに空調用空気の吹出口の上端にその下端が繋がっている傾斜面が形成されており、
空調用空気の通風路を有し、かつ後端に前記吹出口を有するリテーナと、前記リテーナ内に配置され、かつ前記通風路での空調用空気の流れ方向を変更する風向き変更部材とが、前記突起部の直下であって、前記傾斜面に沿って前下方に延設される仮想面よりも前方に配置され、
前記風向き変更部材を作動させる際に操作される操作部材が、前記リテーナの外部であって前記傾斜面よりも上方において、自身の少なくとも一部を前記突起部から後方へ露出させた状態で配置され、
前記内装品内には、前記操作部材の動きを前記風向き変更部材に伝達する伝達機構が設けられている空調用レジスタ。 - 前記風向き変更部材は、左右方向へ延びる板状をなし、かつ前記リテーナ内に傾動可能に配置された横フィンを備え、
前記操作部材は傾動可能に支持され、
前記伝達機構は、前記操作部材の傾動を前記横フィンに伝達して同横フィンを上下方向へ傾動させる第1伝達機構を備える請求項1に記載の空調用レジスタ。 - 前記風向き変更部材は、上下方向へ延びる板状をなし、かつ前記リテーナ内に傾動可能に配置された縦フィンを備え、
前記操作部材は傾動可能に支持され、
前記伝達機構は、前記操作部材の傾動を前記縦フィンに伝達して同縦フィンを左右方向へ傾動させる第2伝達機構を備える請求項1又は2に記載の空調用レジスタ。 - 前記吹出口は、前側ほど低くなるように傾斜している請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調用レジスタ。
- 前記吹出口の前方には、前記風向き変更部材の少なくとも一部として、それぞれ上下方向へ離間した状態で左右方向へ延びる複数の横フィンが傾動可能に設けられており、
複数の横フィンは、それらの後端が、下側に配置された横フィンほど前方に位置するように配置されている請求項4に記載の空調用レジスタ。 - 前記傾斜面は、前傾斜面であり、前記前傾斜面の後側に隣接して位置し、かつ後側ほど高くなるよう、前記前傾斜面よりも大きな一定の角度で傾斜する後傾斜面を備えている請求項1〜5のいずれか1項に記載の空調用レジスタ。
- 前記吹出口は、左右方向の寸法が上下方向の寸法よりも大きな横長の長方形状をなし、
前記伝達機構は、前記リテーナの外部に配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の空調用レジスタ。
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