JP2014025163A - 耐油紙および耐油紙の製造方法 - Google Patents

耐油紙および耐油紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非フッ素系材料を用い、生産性の高い製造方法にて、高い耐油性とブロッキング防止効果を備えた耐油紙を提供する。
【解決手段】坪量15〜100g/mの単層抄き紙支持体の片面に耐油層塗料を塗布、乾燥して少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙であって、前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が80〜10万秒以上であり、かつ前記耐油層に非フッ素系耐油剤および平均粒子径が1〜20μmのポリエチレンワックスを含有させ、得られた耐油紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜2000秒である耐油紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、動植物油等の油分の浸透を抑制する耐油紙および耐油紙の製造方法に関するものである。
従来耐油紙は、洗剤、菓子、乾燥食品等の包装容器用素材として広く使用されていた。その用途としては様々なものがあるが、耐油性を付与した板紙については菓子等の食品用の箱、とりわけ油脂分を大量に含むチョコレート菓子等の箱としてや、薄葉紙に耐油性を付与したものについてはファーストフードなどの揚げ物を包装する容器やデパート、コンビニエンスストアなどでのテイクアウト食材の包装容器等に多く使用されている。
紙に耐油性を付与する手段としては、優れた耐油性を有するフッ素樹脂系の耐油剤が従来使用されており、例えば、紙、板紙の表面にフッ素樹脂系耐油剤を塗工して耐油層を設けたクッキングシートまたは紙層間にフッ素樹脂系耐油剤層を設けた菓子箱用の耐油板紙等が存在した。しかし、フッ素樹脂系耐油剤を使用した紙は、100〜180℃の食品調理温度で加熱した場合、C8〜C10のフッ素系アルコール化合物等、長期に残留しやすい成分が発生することが確認されている。また、これらフッ素樹脂系耐油剤を使用した紙を使用後焼却した際には、パーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸等のフッ素化合物が発生し、健康または環境に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、フッ素樹脂系耐油剤を使用しない耐油紙が求められている。
食品包装用耐油紙に求められる機能としては、サラダ油、チョコレートをはじめとするオイル耐性はもちろんのこと、食品と直接触れるため可溶分が有る場合は安全性を、また、好みの大きさ、形状に応じて加工を行うため、罫線部の耐油性の付与、製缶時の糊付け適性、さらに紙の製造時および加工後にはリールにて巻取り、または積み重ねることにより紙の裏表が接着するブロッキングを防ぐことが必要となる。
アクリル系の耐油剤を使用した耐油紙の場合、例えば、特許文献1にはアクリル樹脂をオフコーター若しくは印刷機を用いて基紙上に幾層にもわたり塗布する技術が開示されているが、幾層にもわたり塗布することにより耐油性は確保できるもののその手間の多さからコストが極端に高くなること、汎用のアクリル樹脂のみの塗布ではブロッキング性が明らかに劣り、加工性も劣ることが容易に類推される。
また、特許文献2においてはガラス転移温度(以下Tgという)が10〜28℃のアクリル系樹脂のエマルションのみを塗布する技術が開示されており、耐ブロッキング性の改善についても記載されているが、エマルションのTgが低いため乾燥後の吸湿により耐ブロッキング性が著しく悪化し、根本的な解決には至っていない。
また、特許文献3には、耐油層をアンダーコート層、オーバーコート層の2層構成として、それぞれの耐油層で使用するアクリル系合成樹脂のTg(アンダーコート層:−30〜0℃、オーバーコート層:0〜30℃)とすることで、耐油性、耐傷付き性、製函時の耐罫線破壊性、耐ブロッキング性の改善を提案しているが、オーバーコート層のTgが0〜30℃程度では耐罫線破壊性、耐ブロッキング性の改善効果としては不十分である。
さらに、特許文献4には、片面2層以上の耐油層を有し、耐油層がTg30℃以上のアクリル樹脂を主体とすることで耐油性能が高く、耐ブロッキング性の改善された食品包装用耐油紙が開示されているが、アクリル樹脂のTgを30℃以上とするだけでは耐油性と耐ブロッキング性改善の面で満足なものが得られていないのが現状である。
また、特許文献5には、顔料とバインダーからなる塗工層を有する板紙を基材原紙とし、該塗工層上にスチレン−アクリル樹脂とワックスを主成分とする耐油層を形成し、耐油層表面の最低ヒートシール温度が200℃以上、耐油層間の滑り角度が13度以上とすることにより、紙へのリサイクルが可能である耐油板紙に関する技術が開示されているが、抄紙機以外の塗工機で耐油塗料を塗工する必要があるため、生産性の点で問題となる。
特公平8−006278号公報 特許第3055867号公報 特開2006−28697号公報 特開2006−316367号公報 特開2009−057676号公報
上記の問題を解決すべく、本発明は透気度の高い紙支持体の片面に少なくとも1層の耐油層を設けた紙に関し、耐ブロッキング性の改善された耐油紙およびその製造方法を提供することである。更には高い耐油性能を兼ね備えた食品包装用耐油紙を提供することである。
本発明は、透気度の高い紙支持体に特定の粒子径のポリエチレンワックスを含有させた耐油層を設けることにより、高い生産性と高い耐油性さらには耐ブロッキング性を兼ね備えた、フッ素系化合物を用いない環境面での問題のない食品用耐油紙を得るものである。
本発明は以下の各発明を包含する。
(1)坪量15〜100g/mの単層抄き紙支持体の片面に耐油層塗料を塗布、乾燥して少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙であって、前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が80〜10万秒以上であり、かつ前記耐油層に非フッ素系耐油剤および平均粒子径が1〜20μmのポリエチレンワックスを含有させ、得られた耐油紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜2000秒である耐油紙。
(2)前記ポリエチレンワックスの融点が100〜140℃である(1)に記載の耐油紙。
(3)前記ポリエチレンワックスを耐油層全固形分に対して、0.1〜20質量%含有させた(1)〜(2)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(4)前記非フッ素系耐油剤がアクリル樹脂、澱粉、ポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(5)前記アクリル樹脂が、(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー:5〜80質量%、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー:10〜95質量%、(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーから選択される少なくとも1種のモノマー:0〜80質量%のモノマー混合物を乳化重合した共重合体である(4)に記載の耐油紙。
(6)前記澱粉が、疎水化澱粉である(4)に記載の耐油紙。
(7)前記ポリビニルアルコールが、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である(4)に記載の耐油紙。
(8)前記耐油層の塗工量が2.5〜10.0g/mである(1)〜(7)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(9)前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の耐油紙において、耐油層塗料をオンマシンコーターで塗工する耐油紙の製造方法。
(10)前記耐油層塗料をトランスファーロールコーターで塗工する(9)に記載の耐油紙の製造方法。
(11)抄紙機のドライヤーゾーンの後、塗工装置の前に設置されている一対のチルドロールから構成される1組以上のカレンダー装置で、前記紙支持体の水分が10〜40%の状態で前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜200秒、王研式透気度が80秒以上となるように処理する(9)または(10)に記載の耐油紙の製造方法。
(12)前記耐油層塗料を塗布、乾燥後、ショアーD硬度60〜100度の弾性ロールと金属ロールから構成される1組以上のソフトカレンダー装置で、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜200秒となるように処理する(9)〜(11)のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
本発明は、耐油層として非フッ素系樹脂層を有し、且つ特定の平均粒子径のポリエチレンワックスを耐油層に含有させることにより、フッ素系化合物を用いない環境面での問題がなく、高い耐油性と耐ブロッキング性を兼ね備えた耐油紙を提供することができる。また、前記耐油層塗料をトランスファーロールコーターで塗工することにより高い生産性も確保することができる。
本発明に用いる紙支持体としては単層で構成されているものであれば、特に限定されず、紙支持体の一方の面に後述する樹脂(耐油剤)を含有する耐油層を少なくとも1層設けることができるものであればよく、用途に応じて適宜選択することができる。具体的には、晒または未晒クラフト紙、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、セミグラシン紙、グラシン紙、片艶紙、パーチメント紙等が挙げられる。
本発明の紙支持体は単層抄きであり、坪量は15〜100g/mであることが必要である。多層抄きであると、耐油層塗工、乾燥時にブリスターとなるため、好ましくない。紙支持体の坪量が15g/m未満であると塗工時の収縮によるヒジワとなることや、塗工時の紙支持体強度が極端に低くなるため製造が困難であるため好ましくない。坪量が100g/mを超えると、耐油層塗工、乾燥時にブリスターとなるため、好ましくない。また、耐油層が染みこみやすくなることから、紙支持体の透気度は王研式透気度(JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000)で80秒以上である必要がある。透気度が80秒未満であると、所望の耐油性を発現させるために必要な耐油層の塗工量が多くなり、ブロッキング防止効果が十分に得られない。
紙支持体の透気度を所望の透気度とする方法としては特に限定されないが、紙支持体に使用する原料パルプの叩解を進める、マシンカレンダーで紙支持体を高密度化する、緊度プレスなどで、湿紙状態で紙をプレスする方法等が挙げられるが、紙支持体を抄紙する抄紙機のドライヤーゾーンの後、塗工装置の前に設置されている一対のチルドロールから構成される1組以上のカレンダー装置(ブレーカースタック)で、前記紙支持体の水分が10〜50質量%の状態で前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜200秒、王研式透気度が80〜1000秒となるように処理する。
上記カレンダー装置で処理する際の紙支持体の水分が10質量%未満であると、所望の平滑度、透気度が得られない。逆に紙支持体の水分が50質量%を超えると、紙支持体の強度が不足し、紙切れの原因となる。
平滑度が10秒を下回る場合は、十分な耐油性得るためには耐油層の塗工量を増やす必要があり、操業性、コストの面で不利であり、またブロッキングを防止する効果も低下してしまう。
平滑度が50秒を超える場合は、ポリエチレンワックスの保持能力が低下して、ブロッキング防止効果が十分に得られない。また、トランファーロールコーターでの塗工時に十分な塗工量が得られないおそれがあるため好ましくない。
本発明に係るポリエチレンワックスは以下のようにして製造される。すなわち、本発明において使用されるポリエチレンワックスは、メタロセン系触媒を用いて得られたエチレン単独重合体またはエチレン・α−オレフィン共重合体である。ここで、α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜12のα−オレフィンが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜8のα−オレフィンであり、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンである。
ポリエチレンワックスは、エチレン単位を70〜100モル%、好ましくは80〜100モル%の割合で含有することが好ましい。
本発明では、製造時の巻取り形態でのブロッキング防止や、製袋、製函後のブロッキング防止を平均粒子径が1〜20μmのポリエチレンワックスを含有させることによって、紙−紙の接触面積を減少させることによって得るものであるため、塗工乾燥後の塗工面にポリエチレンワックス粒子がある程度露出する必要がある。このため、使用されるポリエチレンワックスの平均粒子径は、使用する紙支持体の表面平滑度や耐油層の厚みによって調整する必要がある。前記ポリエチレンワックスのより好ましい平均粒子径は1〜10μmである。
なお、ポリエチレンワックスの平均粒子径は、当該ポリエチレンワックスを濃度3質量%程度の分散液とし、レーザー回折式粒度分布測定装置(商品名:SALD2000、島津製作所社製)を使用し全粒子質量の累積パーセントが50質量%となる時の粒子径を測定することによって得られる。
耐油層の塗工量については特に限定するものではないが、例えば2.5〜10.0g/mの範囲で調整される。耐油層の塗工量が2.5g/m未満の場合は、紙支持体表面のカバーリング性が十分に得られず、満足な耐油性が得られないおそれがある。10.0g/mを超える場合は、平均粒子径が1〜20μmのポリエチレンワックスを用いても満足なブロッキング防止効果が得られないおそれがあるほか、乾燥負荷も大きくなる。
耐油層中のポリエチレンワックスの含有量については特に限定するものではないが、例えば耐油層全固形分に対して、0.1〜20質量%の範囲で調整される。ポリエチレンワックスの含有量が0.1質量%未満の場合は、十分なブロッキング防止効果が得られないおそれがある。20質量%を超える場合は、耐油性の低下をきたすおそれがあるほか、耐油層塗料の保水度が低下するためトランスファーロールコーターでの塗工適性が低下するおそれがある。
本発明で使用されるポリエチレンワックスの種類についても特に限定するものではないが、融点80〜140℃であるポリエチレンワックスを使用することで、耐油性低下をきたし難いことから、好ましい。融点が低すぎると、機械周りの汚れが激しくなって作業環境の悪化に繋がる。逆に、融点が高すぎると、乾燥時の熱で溶融しないことから、潤滑性が不安定となる。ポリエチレンワックスの融点は、ポリエチレンワックス粒子が溶け始める温度であり、DSC(Differential scanning calorimetry)によって測定されたものである。このポリエチレンワックスの融点の好ましい範囲としては80〜125℃、より好ましくは90〜120℃の範囲である。
本発明において用いるポリエチレンワックスの重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましい。より好ましくは1500〜50000であり、特に好ましくは2500〜10000の範囲である。ここで、ポリエチレンワックスの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した値である。
本発明で用いられるポリエチレンワックスは、メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
重合方法は、ポリエチレンワックスがヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリエチレンワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、上記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また、有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、上記した特定組成のポリエチレンワックスが得られるような量割合で重合系に供給される。また、重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理すると、上述したようなポリエチレンワックスが得られる。
重合反応は、メタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。さらに本発明では、エチレン・α−オレフィン共重合体を製造することが好ましい。
本発明に係るポリエチレンワックスの製造方法では、上述したようなポリエチレンワックスを常圧または加圧下で加熱して溶媒に完全に溶解させた後、この溶液を降温してポリエチレンワックスを析出させる。
ポリエチレンワックスを溶解させる溶媒としては、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クメン、サイメン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の鎖状炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、メチルデカリン等の脂環式炭化水素;ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デナノール等のアルコール;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のエステル;メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン;などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリエチレンワックスを溶解させる溶媒として、上記芳香族炭化水素、鎖状炭化水素または脂環式炭化水素を用いると、ポリエチレンワックスの高濃度で溶解できるので、生産効率が高くなる。
また本発明では、ポリエチレンワックスを溶解させる溶媒として、上記芳香族炭化水素、鎖状炭化水素、脂環式炭化水素またはアルコールと、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルまたはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類との混合溶媒を用いることもできる。
溶媒として芳香族炭化水素、鎖状炭化水素、脂環式炭化水素またはアルコール類と、エステルまたはケトン類との混合溶媒を用いると得られるポリエチレンワックスの平均粒径が細かくなる。
ポリエチレンワックスを溶媒に溶解するに際し、ポリエチレンワックスは溶媒1(容量)に対し通常0.05〜0.3(質量)、好ましくは0.1〜0.25(質量)の割合で用いられる。
ポリエチレンワックスを溶媒に溶解する際には、0.1〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.3MPaに加圧しながら、100〜200℃、好ましくは110〜170℃に加熱することが望ましい。また加熱温度は、ポリエチレンワックスの融点+30℃を超える温度、好ましくは融点+50℃以上の温度であることが望ましい。ポリエチレンワックスを溶媒に溶解する際には、攪拌することが好ましく、ポリエチレンワックスを完全に溶解することが好ましい。
本発明では上記のように調製したポリエチレンワックスの溶液を徐冷するが、ポリエチレンワックスが析出を開始する温度より1〜10℃高い温度から析出が終わるまでの温度範囲での降温速度を、0.2〜30℃/時間、好ましくは0.5〜20℃/時間とすることが望ましい。その他の温度範囲では、降温速度を、6〜60℃/時間、好ましくは10〜50℃/時間とすることが好ましい。また、ポリエチレンワックスが析出を開始する温度より1〜10℃高い温度から析出が終わるまでの温度範囲での降温速度は、その他の温度範囲での降温速度の1/2〜1/30であることが好ましい。
本発明では、その効果を損なわない限りにおいて、上記ポリエチレンワックス以外の滑剤を併用することも可能である。そのような滑剤の具体例としては、例えば、脂肪族炭化水素系滑剤、高級脂肪族アルコール系滑剤、高級脂肪酸系滑剤、高級脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸金属塩系滑剤、高級脂肪酸エステル系滑剤、およびこれらの二種以上を適宜併用した複合滑剤を挙げることができる。さらに具体的には、脂肪族炭化水素系滑剤:炭素数16以上の流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然パラフィン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックスおよびこれらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物など、高級脂肪族アルコール系滑剤:炭素数16以上の高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸系滑剤:炭素数16以上の高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド系滑剤:炭素数16以上の高級脂肪酸のアミドおよびビスアミド、高級脂肪酸金属塩系滑剤:炭素数10以上の脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル系滑剤:1価アルコールの高級脂肪酸エステル、多価アルコールの高級脂肪酸(部分)エステル等が挙げられる。
本発明では、その効果を損なわない範囲において、増粘剤を併用することも可能である。そのような増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース等の変性多糖類、アルギン酸ソーダ、変性グアーガム、ポリアクリル酸ソーダ、ポリカルボン酸ソーダ、ソマール社製ソマレックス270K等のアルカリ可溶性高分子エマルション等が挙げられる。
本発明においては、耐油剤として、種々の耐油性樹脂を使用することができるが、その中でも、少量の塗工量で高い耐油性を発現させることができるアクリル系樹脂、澱粉、ポリビニルアルコールから選択して使用することが望ましい。すなわち、前記耐油剤としては、単独で使用してもよいし、その性能を損なわない範囲において、2種類以上併用してもよい。
本発明において、アクリル系樹脂とは(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーを必須成分として含み、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーから選択される少なくとも1種のモノマーからなる共重合体である。
本発明において用いられる(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、モノアルキルマレイン酸、モノアルキルフマル酸、モノアルキルイタコン酸等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることが必要である。
本発明において用いられる(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることができる。
本発明において用いられる(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ビニルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、酸ホスホキシエチル(メタ)アクリレートエタノールアミンハーフ塩、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチレン化フェニル硫酸ナトリウム、グリセリンモノアリルエーテルモノスルホコハク酸ナトリウム、2−スルホエチル(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリルアミドステアリン酸ナトリウム、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリロオキシアルキルプロペナール、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることができる。
本発明において用いられるアクリル系樹脂は公知の乳化重合法によって得ることができる。例えば、所定の反応容器に上記の各種モノマー類、乳化剤および水を仕込み、ラジカル重合開始剤を加え、攪拌下、加温することにより得られる。
ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、t−ブチルハイドロオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等の過酸化物、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物が挙げられる。なお、重合速度の促進や低温反応を望む場合には、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホオキシレート塩等の還元剤を前記ラジカル重合開始剤と組合せて(レドックス系重合開始剤)用いることができる。
重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、通常0.02〜3質量部であるが、好ましくは0.05〜1質量部である。
使用する乳化剤としては、特に限定はなく、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、反応性乳化剤が挙げられる。
アニオン性乳化剤としては、オレイン酸カリウム等の脂肪酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
反応性乳化剤としては、種々の分子量(EO付加モル数の異なる)のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、ポリエチレングリコールのモノマレイン酸エステルおよびその誘導体、(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
乳化剤の使用量は、通常、モノマー成分100質量部に対して、0.1〜10質量部程度使用すればよく、好ましくは0.2〜5質量部である。乳化剤の使用量がこの範囲にあることによって、凝固物を生じることなく、適度な平均粒子径のアクリル系樹脂エマルションが得られる。
本発明において用いられるアクリル系樹脂は前記のように水媒体中で乳化重合法により得られるが、アクリル系樹脂エマルションの固形分濃度を30〜75質量%、好ましくは40〜65質量%程度として行うことができる。重合反応は単一重合開始の場合では通常40〜95℃、好ましくは60〜90℃程度の反応温度で、1〜10時間、好ましくは4〜8時間程度行えばよい。また、レドックス系重合開始剤の場合では反応温度はより低く、通常5〜90℃、好ましくは20〜70℃程度である。モノマーの添加方法としては、一括添加法、分割添加法、連続添加法等で、モノマータップ法、モノマープレ乳化タップ法等の方法で行うことができる。好ましくは連続添加法で、モノマープレ乳化タップ法である。
本発明において用いられるアクリル系樹脂エマルションは平均粒子径が0.01〜1.0μmであることが好ましい。平均粒子径がこの範囲にあれば水分散性が良好となる。平均粒子径が0.01μm未満であると、塗工時の機械的安定性が悪くなるおそれがあり、1.0μmを超えるとハイシェア粘度が低く、所望の塗工量が得られなかったり、塗工面にストリーク等の塗工むらが発生するおそれがある。なお、平均粒子径については、乳化剤や重合開始剤の種類および添加量、添加方法、攪拌条件等を適宜設定することにより容易に調整することができる。ここで、エマルションの平均粒子径は光散乱法粒子径分布測定機(HORIBA社製、商品名:LB−550)で測定したものである。
本発明において用いられるアクリル系樹脂を構成するモノマー成分の配合比率としては、(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー:10〜60質量%、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー:10〜80質量%、(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマー:0〜70質量%が好ましく、この配合比率とすることにより適正な範囲のTg、例えば−10〜50℃、より好ましいTgの範囲は−5〜45℃、特に好ましくは5〜30℃、とすることができる。
本発明において使用される澱粉としては、通常の澱粉の他、グラフト化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロピル化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、カチオン化澱粉、アセチル化澱粉、リン酸澱粉、リン酸ジ澱粉、グリセロールジ澱粉、白色デキストリン、黄色デキストリン、ブリティッシュガム、マルトデキストリン、酸化澱粉、酸処理澱粉、アルファ化澱粉等といったエーテル化澱粉、エステル化澱粉、架橋澱粉、焙焼澱粉、酵素変性澱粉等の変性澱粉が使用できる。この他、造粒された粒状澱粉、多孔質化した吸油性澱粉等も好適に使用できる。
本発明において使用される澱粉は疎水化処理されていてもよい。ここで、澱粉の疎水化処理としては、澱粉をアルミン酸アルカリまたは水酸化アルカリの存在下でオルガノシラン水溶液と密に接触させる方法、シリコーンやアルケニル化合物で誘導体化する方法、水性系においてオクテニルコハク酸無水物やドゼセニルコハク酸無水物等の有機酸無水物と澱粉を反応させる方法、澱粉にアクリロニトリル等の疎水性モノマーや疎水性不飽和酸モノマーを共重合させる方法、コハク酸澱粉アルキルとする方法が挙げられる。
本発明において使用されるポリビニルアルコールとしては、未変性の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールが挙げられ、変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。なかでも、エチレン変性ポリビニルアルコール(例えば、商品名:「エクセバール」シリーズ、(株)クラレ製)は耐油性が優れるため好ましい。また、耐油性、透気度のバランスから鹸化度85〜100%、平均重合度300〜2500であることが好ましい。
本発明の耐油層塗料には前記耐油剤樹脂の他にバインダーを含有させてもよい。このようなバインダーとしては、カゼインなどの水溶性高分子、またはポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、カルボキシメチルセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の水分散液が挙げられる。
本発明の耐油層塗料には、さらに顔料などを含んでもよい。また、必要に応じて、分散剤、保水剤、消泡剤、着色剤等の通常用いられている各種助剤が適宜使用できる。
本発明に使用できる顔料としてはカオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、合成マイカ、二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機顔料、さらにはポリイソプレン、ポリネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン等のポリアルケン類、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系モノマーの重合体や共重合体類、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂等の各種の密実型、中空型、あるいは貫通孔型粒子等の有機顔料が挙げられ、前記顔料の1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の耐油層の層構成としては、前記紙支持体の少なくとも片面に少なくとも1層の耐油層を設けるものであるが、同じ塗工量を塗工する場合、多層構成とした方が単層構成よりも耐油性は得られ易い。多層構成の場合、各層は同じ構成(組成)でもよいし、異なっていてもよい。
本発明において紙支持体に耐油層塗液を塗工する方法としては、特に限定するものではなく、抄紙工程と連続して行なわれる所謂オンマシン方式、あるいは紙支持体を一度巻き取って、別途塗工機で耐油層塗液を塗工する所謂オフマシン方式の何れかで行われる。塗工方式としては、例えばブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター、スリットダイコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、トランスファーロールコーター等が挙げられる。なかでも、トランスファーロールコーターが本発明の特定の平均粒子径を有するポリエチレンワックスを含有する耐油層塗液を塗布する点で好ましい。なお、ここでいうトランスファーロールコーター方式とは、前計量方式で紙支持体に耐油層塗液を塗工する方式であり、2本以上のロールとアプリケータロールからなるゲートロールコーターや、アプリケータロール上の塗液を巻線バーやロッドにより計量するシムサイザー、ブレードでの計量のブレードメタリングサイズプレスコーター等が挙げられる。塗工については、オンマシンコーティングが生産効率の点で好ましい。
本発明の耐油紙は耐油層形成後、その効果を損なわない限りにおいて、平滑化処理を行うことができる。平滑化処理は通常のスーパーキャレンダー、グロスキャレンダー、ソフトキャレンダー等の平滑化処理装置を用いて、オンマシンまたはオフマシンで行われる。
なかでも、ショアーD硬度80〜100度の弾性ロールと金属ロールから構成される1組以上のソフトカレンダー装置で処理することが好ましい。弾性ロールのショアーD硬度が80未満であると、所望の平滑度が得られないおそれがある。
本発明では前記平滑化処理後の耐油紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜2000秒であることが好ましい。耐油紙の王研式平滑度が10秒未満であると、表面の印刷時に印刷不良となるおそれがある。逆に耐油紙の王研式平滑度が2000秒を超えると、加工機にて紙が滑り易くなるおそれがある。耐油紙の王研式平滑度のより好ましい範囲は10〜1900秒である。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例および比較例中の%および部数はそれぞれ質量%、質量部を示す。また、紙支持体上の塗工量は絶乾質量を示す。
<実施例1>
(1)耐油層塗液の調製
酸化デンプン(商品名:「エースA」、王子コースターチ社製)の25%水溶液9.6質量部、カオリン(商品名:「ウルトラホワイト90」、BASFジャパン社製)の70%水分散液30.0質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「X300B」、JSR社製)の48%水分散液9.0質量部、コアシェル型アクリル系耐油剤(商品名:「PDX7326」、BASFジャパン社製)の38.5%水分散液170.4質量部、スチレン−ブタジエン系密実型有機フィラー(商品名:「Nipol V1004」、日本ゼオン社製)の50%水分散液8.6質量部、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)の40%水分散液2.5部、アルカリ可溶性高分子エマルションを主成分とする増粘剤(商品名:「ソマレックス270K」、ソマール社製)の30%水分散液3質量部を10混合撹拌して、塗液の固形分濃度42.6質量%の耐油層塗液を調製した。
(2)耐油紙1の製造
坪量50g/mの紙支持体〔セミグラシン紙(フリーネス195ml・CSF、LBKP100%、塗工する面の王研式平滑度:25秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5:2000 紙支持体の王研式透気度:190秒)〕の抄造パート後のゲートロールコーターにて、上記耐油層塗液の調製で得られた固形分濃度42.6質量%の塗液を片面に2.7g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例2>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が9.5μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W310」、三井化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分濃度43.1質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例3>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が4μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W400」、三井化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分濃度42.2質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.7g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例4>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が12μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「SNダルアクト1001W」、サンノプコ社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、固形分42.7質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例5>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が20μm、ポリエチレンワックスエマルション(商品名:「SNコート950」、サンノプコ社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして、固形分43.5質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例6>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)の添加量を15部に変更した以外は実施例1と同様にして、固形分40.5質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例7>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)の添加量を25部に変更した以外は実施例1と同様にして、固形分41.9質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例8>
実施例1の耐油層塗液を用いて、坪量17g/mの紙支持体(セミグラシン紙)の片面に9.5g/mオンマシン塗工した以外は実施例1と同様にして、耐油紙を得た。
<実施例9>
実施例1の耐油層塗液を用いて、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に9.8g/mオンマシン塗工した以外は実施例1と同様にして、耐油紙を得た。
<実施例10>
疎水化樹脂含有酸化デンプン(商品名:「GRS−T110」、王子コースターチ社製)の12%水溶液20質量部、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:「X300B」、JSR社製)の48%水分散液80質量部、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)の40%水分散液2.5部を混合撹拌して、塗液の固形分濃度40.0質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を坪量50g/mの紙支持体(セミグラシン紙)(フリーネス195ml・CSF、LBKP100%、塗工する面の平滑度:25秒 JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5:2000)の抄造パート後のゲートロールコーターにて、片面に3.0g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例11>
実施例10の耐油層塗液の調製において、酸化デンプン(商品名:「GRS−T110」、王子コースターチ社製)をエチレン変性ポリビニルアルコール(商品名:「エクセバールHR3010」、クラレ社製)7%水溶液20部に変更した以外は実施例1と同様にして、固形分38.5質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に3.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例12>
坪量17g/mの紙支持体(フリーネス210ml・CSF、LBKP100%、塗工する面の王研式平滑度:30秒、原紙の王研式透気度85秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5:2000)の抄造パート後のゲートロールコーターにて、上記耐実施例1と同様に耐油層塗液を調製し、得られた固形分濃度42.6質量%の塗液を片面に5.7g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<実施例13>
実施例1の耐油層を用いて、紙支持体の水分が25質量%の状態で、塗工装置の前に設置されているチルドロールから構成されるカレンダー装置(ブレーカースタック)で、線圧50kg/cmで処理したのち、片面に4.8g/mオンマシン塗工した以外は実施例1と同様にして、耐油紙を得た。
<実施例14>
実施例1の耐油層を用いて、片面に3.9g/mオンマシン塗工、乾燥したのち、ショアーD硬度90度のソフトニップロールから構成されるカレンダー装置(マルチニップカレンダー)で、線圧20kg/cmで処理した以外は実施例1と同様にして、耐油紙を得た。
<比較例1>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が0.6μmのポリエチレンワックスエマルジョン(商品名:「ケミパール W4005」、三井化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分41.0質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例2>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μm、平均分子量3000のポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が0.6μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W950」、三井化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分42.4質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例3>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が0.03μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ノプコート PEM−17」、サンノプコ社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分42.3質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例4>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が0.03μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「メイカテックス HP−70」、明成化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分42.0質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例5>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を平均粒子径が0.08μmのパラフィンワックスエマルション(商品名:「ダイジットS−5」、互応化学社製)2.5部に変更した以外は実施例1と同様にして固形分42.6質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例6>
実施例1の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして固形分42.6質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に2.8g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例7>
実施例10の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして固形分42.6質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に3.0g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例11>
実施例14の耐油層塗液の調製において、平均粒子径が3μmのポリエチレンワックスエマルション(商品名:「ケミパール W300」、三井化学社製)を添加しなかった以外は実施例1と同様にして固形分42.6質量%の耐油層塗液を調製した。この耐油層塗液を用いて、実施例1と同様にして、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に3.6g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例9>
坪量110g/mの紙支持体(フリーネス420ml・CSF、LBKP100%、塗工する面の王研式平滑度:28秒、紙支持体の王研式透気度13秒、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5:2000)の抄造パート後のゲートロールコーターにて、実施例1と同様の耐油層塗液を片面に8.7g/mオンマシン塗工後、乾燥して耐油紙を得た。
<比較例10>
実施例1の耐油層塗液を用いて、紙支持体(セミグラシン紙)の片面に10.8g/mオンマシン塗工した以外は実施例1と同様にして、耐油紙を得た。
上記実施例1〜14、比較例1〜10で得た耐油紙について、耐油性(キット法)、ブロッキング評価、王研式平滑度(JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000)、王研式透気度(JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000)を評価した。
(耐油性)
平面部の耐油度の評価基準:TAPPI UM−557法(キット法)によって塗工面を測定した。耐油紙として使用可能なキット耐油度は6級以上であることが好ましい。
(ブロッキング評価)
耐油紙の耐油面−反対面が接触するように重ね合わせて、23℃50%RH環境下で2.0kgf/cm加圧して、24時間後のブロッキング度合いを評価した。
耐油紙の耐油面−耐油面が接触するように重ね合わせて、23℃50%RH環境下で2.0kgf/cm加圧して、24時間後のブロッキング度合いを評価した。
1 剥離せずに基材が破れる
2 剥離可能であるが、重い
3 軽い力で剥がれる
4 微小な刺激で剥がれる
5 ブロッキングが見られない
Figure 2014025163
上記実施例1〜14の結果が示すように、本発明の特定の平均粒子径を有するワックスを耐油層に含有させることにより、フッ素系化合物を用いない環境面での問題のない食品用耐油紙を、ブロッキングの発生を伴わずに提供することができる。また、トランスファーロールコーター方式で塗工して、高い生産性と高い耐油性さらにはブロッキング防止効果を備えた耐油紙を製造することができる。
本発明による耐油紙は、ファーストフードなどの揚げ物を包装する容器やデパート、コンビニエンスストアなどでのテイクアウト食材の包装容器等に使用可能であり、実用上極めて有用である。

Claims (12)

  1. 坪量15〜100g/mの単層抄き紙支持体の片面に耐油層塗料を塗布、乾燥して少なくとも1層の耐油層を設けた耐油紙であって、前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式透気度が80〜10万秒以上であり、かつ前記耐油層に非フッ素系耐油剤および平均粒子径が1〜20μmのポリエチレンワックスを含有させ、得られた耐油紙のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜2000秒である耐油紙。
  2. 前記ポリエチレンワックスの融点が100〜140℃であるに記載の耐油紙。
  3. 前記ポリエチレンワックスを耐油層全固形分に対して、0.1〜20質量%含有させた請求項1〜2のいずれか1項に記載の耐油紙。
  4. 前記非フッ素系耐油剤がアクリル樹脂、澱粉、ポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙。
  5. 前記アクリル樹脂が、(a)エチレン性不飽和カルボン酸含有モノマー:5〜80質量%、(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー:10〜95質量%、(c)これらのモノマーと共重合可能な他のモノマーから選択される少なくとも1種のモノマー:0〜80質量%のモノマー混合物を乳化重合した共重合体である請求項4に記載の耐油紙。
  6. 前記澱粉が、疎水化澱粉であることを特徴とする請求項4に記載の耐油紙。
  7. 前記ポリビニルアルコールが、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載の耐油紙。
  8. 前記耐油層の塗工量が2.5〜10.0g/mであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐油紙。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐油紙において、耐油層塗料をオンマシンコーターで塗工することを特徴とする耐油紙の製造方法。
  10. 前記耐油層塗料をトランスファーロールコーターで塗工することを特徴とする請求項9に記載の耐油紙の製造方法。
  11. 抄紙機のドライヤーゾーンの後、塗工装置の前に設置されている一対のチルドロールから構成される1組以上のカレンダー装置で、前記紙支持体の水分が10〜40%の状態で前記紙支持体のJAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜200秒、王研式透気度が80秒以上となるように処理する請求項9または10に記載の耐油紙の製造方法。
  12. 前記耐油層塗料を塗布、乾燥後ショアーD硬度60〜100度の弾性ロールと金属ロールから構成される1組以上のソフトカレンダー装置で、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.5−2:2000に準じて測定した王研式平滑度が10〜200秒となるように処理する請求項9〜11のいずれか1項に記載の耐油紙の製造方法。
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