JP6020192B2 - 耐油紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、動植物油等の油分の浸透を抑制する耐油紙およびその製造方法に関するものである。
食品などの包装材料には、紙あるいは板紙が幅広く用いられている。それらの中でもチョコレートやピザ、ドーナツなどの油や油脂成分が多く含まれる食品には油が紙に浸透しないように耐油性を有する紙や板紙が使用される。
食品に含まれる油類が紙に浸透すると紙の表面にまで油が浸透して表面に油しみができて外観を損ねて商品価値を下げたり、印刷部分が油しみで黒くなり、文字が判読できなかったり、バーコード、QRコード(登録商標)等のOCR適性が低下するおそれがある。また、衣服に油が転移し汚染するなどの問題があるため、食品に接する部分に耐油性を付与した紙や板紙が使用される。
従来、耐油性を発現させるために、フッ素系耐油剤、特にパーフルオロフッ素系の耐油剤が使用されていた。しかし、パーフルオロフッ素系の化合物は、加熱処理によってパーフルオロオクタン酸やパーフルオロスルホン酸を発生するため、安全性に懸念が持たれている。そのため、安全性を高めたフッ素系樹脂も各種開発されつつあるが、耐油性が不十分であったり、安全性に不安が残っているのが現状である。
一方、非フッ素系耐油剤としてポリビニルアルコール系樹脂を用いた耐油紙が種々提案されている。
例えば、ポリビニルアルコール層とシリコーン樹脂層とを有する食品加熱用包装紙が提案されている(特許文献1)。
けん化度が85〜100モル%であり、かつ平均重合度が500〜2500であるポリビニルアルコールに架橋剤を添加したものを使用し、アスペン材が30質量%以上含む木材パルプを主体とした原紙の少なくとも片面に1〜8g/mの処理層を設けた耐油紙が提案され、その好ましい実施態様としてシラノール変性されたポリビニルアルコールを使用することも提案されている(特許文献2)。
基材シートの少なくとも一方の面に、少なくともポリビニルアルコールとセラック(シェラック)を含む塗工層を有する耐油性・耐水性シートが提案されている(特許文献3)。
基材シートの少なくとも一方の面に、少なくともイソシアネート化合物を用いて硬化させたポリビニルアルコールを含む塗工層を有する耐油性・耐水性シートが提案されている(特許文献4)。
基材シートの少なくとも一方の面に、少なくともポリビニルアルコールとシリコーンオイルを含む塗工層を有する耐油性・耐水性シートが提案されている(特許文献5)。
紙支持体の少なくとも片面に、水素結合性樹脂(ポリビニルアルコール)と吸油性粒子(デンプン粒子)を含む耐油層を有する耐油紙が提案されている(特許文献6)。
α−オレフィンを1〜20モル%含有し、重合度200〜5000、ケン化度80〜100モル%のポリビニルアルコール系樹脂を165〜220℃で加熱して製造する耐油性を有する加工紙の製造技術が提案されている(特許文献7)。
ポリビニルアルコール系樹脂は親水性樹脂であり、強固な皮膜を形成するため、油の浸透を防ぐことによって優れた耐油性が得られることが知られている。
しかし、製造面においては、元々親水性樹脂のため保水性が高く、乾燥し難い傾向がある上、成膜性が優れているために乾燥中に塗工層表面に皮膜を形成してしまうことにより、乾燥性を低下させることが欠点となっている。
特に、板紙のような坪量設定幅が大きい銘柄の場合、通常抄紙パートの坪量で抄紙速度を調節できるが、ポリビニルアルコール樹脂系塗工層をオンマシン塗工する場合は、塗工層の乾燥工程が律速となり、原紙坪量設定値にかかわらず、一定の抄紙速度となる。すなわち、低坪量銘柄では生産効率を著しく低下させ、好ましくないため、満足な非フッ素系耐油紙は得られていないのが実状である。
特開平8−232194号公報 特開2004−68180号公報 特開2004−256926号公報 特開2004−270049号公報 特開2004−270050号公報 特開2006−183221号公報 特開2001−254292号公報
本発明は、非フッ素系材料を用い、優れた耐油性と生産効率を兼ね備え、食品と接触しても安全な耐油紙を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも2層の塗工層を設けた耐油紙において、最表層よりも紙支持体に近い少なくとも1層中に特定の比率でデンプン類とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを含有させることによって、塗工後の乾燥工程において優れた乾燥性を有し、且つ優れた耐油性が発現することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下の各発明を包含する。
(1)紙支持体の少なくとも片面に少なくとも2層の塗工層を設けた耐油紙において、前記塗工層のうち最表層よりも紙支持体に近い少なくとも1層中にデンプンおよび/または変性デンプンを該塗工層全固形分の5乃至95質量%含有し、且つスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを5乃至95質量%含有させ、前記塗工層の塗工量が1.5乃至20.0g/mである耐油紙。
(2)前記塗工層のうち、最表層が疎水性バインダーと顔料を主成分とする(1)に記載の耐油紙。
(3)前記塗工層のうち最表層より紙支持体に近い少なくとも1層中にデンプンおよび/または変性デンプンを該塗工層全固形分の5乃至50質量%含有し、且つスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを50乃至95質量%含有させた(1)または(2)に記載の耐油紙。
(4)前記紙支持体が単層構造で、且つロジン系サイズ剤を紙支持体全固形分の0.5乃至5.0質量%含有させた(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(5)前記紙支持体が多層構造で、該塗工層が形成される紙支持体の表層中にロジン系サイズ剤を紙支持体表層の固形分の0.5乃至5.0質量%含有させた(1)〜(3)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(6)前記塗工層のうち最表層がアクリル系耐油剤を最表層全固形分中5乃至50質量%含有する(1)〜(5)のいずれか1項に記載の耐油紙。
(7)(1)〜(6)のいずれか1項に記載の塗工層が、抄紙機の抄紙パートの後段に設けられた塗工パートでオンマシン塗工によって形成させる耐油紙の製造方法。
本発明により、非フッ素系材料を用い、優れた耐油性と生産効率を兼ね備え、食品と接触しても安全な非フッ素系耐油紙が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、紙支持体の少なくとも片面に少なくとも2層の塗工層を設け、最表層よりも紙支持体に近い少なくとも1層中にデンプン類とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを特定の比率で含有させるものである。使用するデンプン類としては、特に限定するものではなく、2種以上を併用することもできる。デンプン類の具体例としては、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、タピオカデンプン等の非変性デンプン(粳、糯)、または変性デンプン(例えば、酸化デンプン、酵素変性デンプン、リン酸エステル化変性デンプン、エーテル化変性デンプン、架橋エーテル化デンプン、アセチル化変性デンプン、グラフト化デンプン等)が挙げられる。
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスについても特に限定するものではない。粒子構造については単一構造、コア−シェル構造、連続異組成構造等が挙げられる。ガラス転移温度については、−40乃至0℃の範囲のものが成膜性に優れ、良好な耐油性が得られるため好ましい。平均粒子径については、70乃至150nmのものが、やはり成膜性が優れるため好ましい。
上記デンプン類とスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの該塗工層中への配合比率について、デンプン類は該塗工層全固形分の5乃至95質量%、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは5乃至95質量%とするものである。デンプン類の配合比率が5質量%未満の場合、食用油に対するバリア性が低下するほか、塗料粘度が低下するため、均一な塗工膜が得られない可能性があり好ましくない。デンプン類の配合比率が95質量%を超えて使用する場合は、塗料の固形分濃度が極端に低くなり、乾燥負荷が増大するためやはり好ましくない。より好ましい配合比率としては、デンプン類は該塗工層全固形分の5乃至50質量%、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスは50乃至95質量%である。
該塗工層中には、本発明の効果を損なわない範囲においてその他の物質を併用することができる。
例えば、バインダー成分としては、未変性の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコールや変性ポリビニルアルコール類、変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ジアセトン基変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリスチレン−スルホン酸ナトリウム、カゼイン、ゼラチン、テルペン等が挙げられる。
顔料成分としては、カオリン、焼成カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、微粒子シリカ、コロイダルシリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、サチンホワイト、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物材料、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
その他助剤として、例えば界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、柔軟剤、ワックス類、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、消泡剤、滑剤、防腐剤、香料等が挙げられる。
該塗工層の塗工量は1.5乃至20.0g/mとすることが望ましい。塗工量が1.5g/mより少ない場合は、紙支持体表面を十分に被覆できないため、満足な耐油性が得られないおそれがある。また、20.0g/mより多い場合は、塗工時の乾燥性が悪くなり操業性が低下する上、耐油性向上効果は飽和するため材料コスト面でも不利となり好ましくない。さらに好ましい塗工量は、2.5乃至10.0g/mである。
本発明では、前述の塗工層上に疎水性バインダーと顔料とを主成分とする最表層を設けることがより好ましい。疎水性バインダーと顔料とを主成分とする塗工層を最表層に設けることで、含水率が高い食品と接触させても塗工層が食品に取られないようにするものである。
最表層に使用される疎水性バインダーとしては特に限定するものではないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、メチルビニルエーテル樹脂等のビニル系樹脂等、または親水性樹脂を耐水化剤等で耐水化したものが挙げられる。
なかでも、スチレン−ブタジエン共重合体や、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂等のアクリル系樹脂は耐水性が優れており、また耐油性を保有することから、最表層の油じみも生じ難いため好ましい。さらにアクリル系樹脂が特に好ましい。
該疎水性バインダーの最表層への配合量は特に限定するものではないが、例えば最表層全固形分中5乃至50質量%配合させることが好ましい。
配合量が5質量%未満の場合は、顕著な効果が得られない。また、50質量%を超える場合は、耐油性、耐水性とも効果は飽和するため、コスト面で不利な上、乾燥性が悪くなり、操業性が低下するため好ましくない。
最表層には、前記の紙支持体に近い層に配合できる顔料や助剤を配合することができる。
最表層の塗工量に関しては特に限定するものではないが、1.0乃至20.0g/mが好ましい。塗工量が1.0g/mより少ない場合は、含水率が高い食品と接触させた場合に塗工層が食品に取られないようにする効果が十分に得られないものである。また、20.0g/mを超える場合は、塗工時の乾燥性が悪くなり操業性が低下するばかりか、塗工層が食品に取られないようにする効果は飽和するため材料コスト面でも不利となり好ましくない。さらに好ましい塗工量は、2.0乃至10.0g/mである。
本発明の紙支持体については、特に限定するものではないが、例えば植物由来のパルプを主成分とするものとし、上質紙、中質紙、微塗工紙、塗工紙、片艶紙、晒または未晒クラフト紙(酸性または中性紙)、または段ボール用、建材用、白ボール用、チップボール用などに用いられる板紙、白板紙などが好適である。紙支持体の坪量は特に制限はないが、包装紙用としては、20〜150g/m、箱、食器等の成形容器用としては150〜500g/mが好適である。
前記紙支持体が単層構造の場合は、紙支持体中にロジン系サイズ剤を紙支持体全固形分の0.5乃至5.0質量%含有させることが、良好な耐油性が得られるため好ましい。ロジン系サイズ剤の含有量が0.5質量%未満の場合は、塗工層が紙支持体に浸み込むことによって、十分な耐油性が得られないおそれがある。また、5.0質量%を超えて含有させると、耐油性向上効果が飽和しコスト面で不利であるばかりでなく、抄紙機汚染の原因となるおそれがあるため好ましくない。
前記紙支持体が多層構造の場合、少なくとも前記紙支持体に近い塗工層が形成される表層中にもロジン系サイズ剤を表層全固形分の0.5乃至5.0質量%含有させることが、良好な耐油性が得られるためやはり好ましい。紙支持体が単層構造の場合と同様に、ロジン系サイズ剤の含有量が0.5質量%未満の場合は、塗工層が紙支持体に浸み込むことによって、十分な耐油性が得られないおそれがある。また、5.0質量%を超えて含有させると、耐油性向上効果が飽和しコスト面で不利であるばかりでなく、抄紙機汚染の原因となるおそれがあるため好ましくない。
夫々の塗工層の塗工方法としては、一般に公知の塗工装置、例えばブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、スロットダイコーター、グラビアコーター、チャンプレックスコーター、ブラシコーター、スライドビードコーター、ツーロールコーター、メタリングブレード方式のサイズプレスコーター、ビルブレードコーター、ショートドウェルコーター、ゲートロールコーター、ナイフコーター、カレンダー(平滑化装置)でのニップ塗工等が挙げられる。塗工に関しては、オンマシン塗工、オフマシン塗工のどちらも可能である。
なかでも、紙支持体に近い塗工層の塗工方法としては、カレンダーを用いたニップ塗工(オンマシン塗工)で行なうことにより、比較的高濃度塗料が塗工でき、成膜性が優れるため、良好な耐油性が得られやすいため好ましい。
本発明の耐油紙は耐油層形成後、必要に応じて平滑化処理を行なうことができる。平滑化処理は通常のスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー等を用いて、オンマシンまたはオフマシンで行なわれる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は特に断わらない限り、「質量部」及び「質量%」を示す。
<実施例1>
[下塗り層塗料の調製]
12.0質量%の疎水化デンプン(商品名:GRS−T110、王子コーンスターチ社製)60質量部、48質量%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:X300B、JSR社製、ガラス転移温度:−13℃、平均粒子径:125nm)40質量部を混合撹拌して、下塗り層塗料を調製した。
[上塗り層塗料の調製]
70質量%のカオリン(商品名:ウルトラホワイト90、BASFジャパン社製)水分散液142.9質量部に48質量%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:X300B、JSR社製)28.1質量部、39.5質量%のアクリル系耐油剤ラテックス(商品名:PDX7326N、BASFジャパン社製)49.9質量部、消泡剤(商品名:SNデフォーマーJK、サンノプコ社製)0.3質量部、希釈水45.5質量部を混合撹拌して上塗り層塗料を調製した。
[耐油紙の製造]
塗工装置を備えた円網多筒式抄紙機にて、7層抄きで坪量350g/mの板紙支持体を抄造した。なお、表裏層の配合はLBKP100質量部に対して、50質量%のロジン系サイズ剤(商品名:SPN−111、荒川化学工業社製)2質量部、27.0質量%の硫酸バンド4質量部添加した。抄造パート後のカレンダーにて、上記下塗り層塗料を固形分で3.0g/mニップ塗工した。さらに、付随するチャンピオンコーターにて上記上塗り層塗料を固形分で4.5g/m塗工後乾燥して、オンマシンカレンダーにて平滑化処理を行って耐油紙を得た。
<実施例2>
[上塗り層塗料の調製]
実施例1の上塗り層塗料の調製において、希釈水を21.3質量部にした以外は実施例1と同様にして上塗り層塗料を得た。
[耐油紙の製造]
実施例1の耐油紙の製造において、塗工装置を備えた長網多筒式抄紙機にて、LBKP100質量部に対して、50質量%のロジン系サイズ剤(商品名:SPN−111、荒川化学工業社製)2質量部、27.0質量%の硫酸バンド4質量部添加した原料を用いて坪量38g/mの紙支持体を抄造した。さらに、付随するロールコーターにて、上記下塗り層を固形分で3.0g/m塗工した。さらに、付随するブレードコーターにて上記上塗り層を固形分で4.5g/m塗工後乾燥して、オンマシンカレンダーにて平滑化処理を行って耐油紙を得た。
参考例1
実施例1の下塗り層塗料の調製において、12.0質量%の疎水化デンプン(商品名:GRS−T110、王子コーンスターチ社製)91.5質量部、48質量%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:X300B、JSR社製)8.5質量部を使用し、下塗り層の塗工量を固形分で1.7g/m2とした以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<実施例4>
実施例1の耐油紙の製造において、表裏層の50質量%のロジン系サイズ剤(商品名:SPN−111、荒川化学工業社製)の使用量を0.3質量部にした以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<実施例5>
実施例1の上塗り層塗料の調製において、39.5質量%のアクリル系耐油剤ラテックス(商品名:PDX7326N、BASFジャパン社製)の使用量を7.6質量部とした以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
参考例2
実施例1の下塗り層塗料の調製において、48質量%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:X300B、JSR社製、ガラス転移温度:−13℃、平均粒子径:125nm)40質量部の代わりに50質量%スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:POT8183、日本ゼオン社製、ガラス転移温度:6℃、平均粒子径:160nm)38.4質量部を用いた以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<実施例7>
実施例1の耐油紙の製造において、下塗り層塗料を固形分で2.0g/mニップ塗工した以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<比較例1>
実施例1の下塗り層塗料の調製において、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを使用しなかった以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<比較例2>
実施例1の下塗り層塗料の調製において、疎水化デンプンを使用しなかった以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
<比較例3>
実施例1の耐油紙の製造において、下塗り層の塗工量を1.0g/mとした以外は実施例1と同様にして耐油紙を得た。
各実施例、比較例で得られた耐油紙について以下の方法で耐油性を評価した。結果を表1に示す。
[評価方法]
<耐油性1>
TAPPI UM−557に準拠して、キット液を用いて、耐油性を評価した。
キット5以上が実用上問題ないレベルである。
<耐油性2>
市販のサラダ油上に各耐油紙の塗工層がサラダ油に接触するように浮かべて15分経過後の裏面の油じみを観察して評価した。
5点: 油じみが全く観察されない。
4点: 油じみのスポットが3個以内
3点: 油じみのスポットが4〜10個
2点: 油じみの面積が全面の25%未満
1点: 油じみの面積が全面の25%以上
3〜5点が実用上問題ないレベルである。
Figure 0006020192
Figure 0006020192
本発明は、非フッ素系材料を用い、優れた耐油性と生産効率を兼ね備え、食品と接触しても安全な非フッ素系耐油紙が得られるものであり、実用上極めて有用なものである。

Claims (5)

  1. 紙支持体の少なくとも片面に少なくとも2層の塗工層を設けた耐油紙において、
    前記塗工層のうち最表層よりも紙支持体に近い少なくとも1層中にデンプンおよび/または変性デンプンを該塗工層全固形分の5乃至50質量%含有し、
    且つガラス転移温度が、−40乃至0℃であるスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを50乃至95質量%含有し、
    デンプンおよび/または変性デンプンを該塗工層全固形分の5乃至50質量%含有し、且つスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを50乃至95質量%含有する層の塗工量が1.5乃至20.0g/mであり、
    最表層がスチレン−ブタジエン共重合体、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、メチルビニルエーテル樹脂等のビニル系樹脂から選ばれる少なくとも一種と、顔料を主成分とすることを特徴とする耐油紙。
  2. 前記紙支持体が単層構造で、且つロジン系サイズ剤を紙支持体全固形分の0.5乃至5.0質量%含有させたことを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
  3. 前記紙支持体が多層構造で、該塗工層が形成される表層中にロジン系サイズ剤を紙支持体表層の固形分の0.5乃至5.0質量%含有させたことを特徴とする請求項1に記載の耐油紙。
  4. 前記塗工層のうち最表層がスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂から選ばれる少なくとも一種を最表層全固形分中5乃至50質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐油紙。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗工層が、抄紙機の抄紙パートの後段に設けられた塗工パートでオンマシン塗工によって形成させたことを特徴とする耐油紙の製造方法。
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