JP2013541527A - 網膜疾患を治療するための[3−(1−(1h−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ - Google Patents
網膜疾患を治療するための[3−(1−(1h−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ Download PDFInfo
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Abstract
本発明は治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関するものであり、この方法は、治療的に有効な量の、[(S)−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを投与するステップを含んでいる。本発明はさらに、それらのエステル・プロドラッグを調製するプロセスと、その医薬品としての使用にも関している。
【選択図】 なし
【選択図】 なし
Description
関連出願
本願は2010年9月16日に出願された米国仮特許出願第61/383.370号に基づく優先権を主張するものである。同特許出願は、参照により、その開示全体が本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールあるいはそのエナンチオマーのエステル・プロドラッグを含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。
本願は2010年9月16日に出願された米国仮特許出願第61/383.370号に基づく優先権を主張するものである。同特許出願は、参照により、その開示全体が本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールあるいはそのエナンチオマーのエステル・プロドラッグを含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。
3α−1及び3α−2アドレナリン受容体は分子的及び薬学的に特徴づけがなされている。これらのαアドレナリン受容体の活性化は治療に有効に適用できる生理学的な反応を誘発させる。
一般的にはメデトミジンという名称で知られている化合物4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−3H−イミダゾールはα2アドレナリン・アゴニストであり、動物の鎮静に用いられる。一般的にはデックスメデトミジンとして知られているメデトミジンの(S)エナンチオマーの塩酸塩である(s)4−[1−(2,3−ジメチルフェニル)エチル]−3H−イミダゾールもネコやイヌにおける鎮静作用や鎮痛作用に利用できることが示されている。
デックスメデトミジンの代謝物質は(s)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールで、そのラセミ化合物と共に、化合物[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのことはJournal of Chromatography, (1997), 762(1 + 2), 281−291にHui, Y.−H等によって述べられている。
[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールはJournal of Heterocyclic Chemistry (1993), 30(6), (1645−1651)の中でStoilov等によって“メトミジン及びメデトミジン代謝物質:4’(5’)−イミダゾリルメチル基を有する1,2,3−置換アレーンの合成”と題する論文の中でも述べられている。
Journal of Chemical research, Synopses (1993), (4)の152−3にKavanagh等が「メデトミジンの代謝物質である可能性のあるメデトミジン{1−(2−3−dimethylphenyl)−1−[イミダゾール4(5)−イル]エタンの合成}と題する論文の中で、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールについて述べている。
[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル)メタノール]については、Xenobiotica (1990), 20(5), 471−80にSalonen等による「ラットにおけるメデトミジンのバイオトランスフォーメーション」と題する論文の中で述べられている。
PCT国際出願WO201093930A1は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル)メタノール]とその(S)及び(R)エナンチオマーについて開示している。
3α1及び3α2アドレナリン受容体は分子的及び薬学的に特徴づけがなされている。これらのαアドレナリン受容体の活性化は治療的に有効に利用できる生理学的な反応を誘発させる。
本発明は、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。加水分解及び/又は酵素によるそのエステル機能性部分を切断すると、その親化合物である[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル)メタノール]が放出されて、α2アドレナリン受容体の選択的なモジュレータとして機能する。
別の態様で、本発明は治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む組成物をあるいはそれらを含む医薬品組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。そのエステル機能性部分を加水分解か酵素で切断すると、その親化合物である活性物代謝の(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル)メタノール]が放出されて、α2アドレナリン受容体の選択的なモジュレータとして機能する。
別の態様で、本発明は治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む組成物をあるいはそれらを含む医薬品組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。そのエステル機能性部分を加水分解か酵素で切断すると、その親化合物である(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル)メタノール]が放出されて、α2アドレナリン受容体の選択的なモジュレータとして機能する。
[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグはヒトを含む哺乳動物における、α”2A,2B,2Cの活性化で緩和される一定の範囲の疾患及び状態の治療と予防に有用であり、それらの疾患及び状態とは以下のようなものを含む。緑内障、眼圧昂進、虚血性神経症、視神経症、痛み、内臓痛、角膜通、頭痛、偏頭痛、癌痛、背痛、過敏性腸症候群痛、筋肉痛及び痛みに関連した糖尿症神経障害、糖尿性網膜症、その他の角膜劣化状態、発作、認知症、神経精神病的状態、薬物依存及び常習的使用、禁断症状、強迫性障害、肥満、インスリン抵抗性、ストレス関連状態、下痢、利尿、鼻づまり、痙縮、注意集中障害、精神異常、不安症、うつ病、自己免疫疾患、クローン病、胃炎、アルツハイマー症、パーキンソン氏病、その他の神経変性疾患、皮膚病的状態、皮膚紅斑及び炎症、ざ瘡、加齢性黄斑変性、湿性筋肉変性、乾性筋肉変性、地図状萎縮、糖尿性筋肉浮腫、腫瘍、外傷治療、炎症及び網膜静脈閉塞症、緑内障などの状態が原因で視力が低下している患者の視力向上、網膜炎色素変性及び多発性硬化症に伴う神経炎、酒さ(皮膚直下の血管の膨張)、日焼け、慢性陽光障害、離散性紅斑、乾癬、ざ瘡酒さ、閉経に関連した顔面潮紅、睾丸切除に由来するアトピー性皮膚炎による顔面潮紅、光老化、脂漏性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、皮膚の赤らみ、顔面の毛細管拡張症(以前存在下毛細管部分の膨張)、酒さ鼻(小胞膨張による鼻の異常肥大)、赤いだんご鼻、ざ瘡状皮疹(にじみ出たり固くなったりする)、顔面の灼熱感や刺激感、ひりひりする充血したあるいは涙目、皮膚の紅斑、皮膚血管の膨張を伴う皮下の機能昂進、ライエル症候群、スティーブン・ジョンソン症候群、目立たない多形紅斑、及びその他の炎症性皮膚疾患などである。
本発明は網膜疾患の治療を必要とする対象における該疾患を治療するための方法に関しており、この方法は[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、及び(R) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む組成物を、治療的有用性を持つα2アゴニストとして、治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。
ここで用いられている「対象者」という用語はヒトである患者を指している。
1つの好ましい実施の形態で、本発明は治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法に関しており、この方法は(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む組成物を、α2アゴニストとして、治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる。そのエステル機能性部分が加水分解か酵素によって切断されると、親化合物であり活性代謝物質の(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールが放出されて、α2アドレナリン受容体の選択的モジュレータとして機能する。
本発明の1つの態様で、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の態様で、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいはそのステップで基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の態様で、治療を必要とする対象者の網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法は治療的に有効な量の(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている薬学的組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでいる、あるいはそのステップ基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の形態で、網膜疾患を治療したり改善するための方法が提供され、それら網膜疾患は、加齢に伴う黄斑変性、湿った黄斑変性、乾いた黄斑変性、地図状萎縮、糖尿性網膜炎、糖尿性黄斑浮腫、そして網膜血管吸蔵などである。我々が提供する化合物も眼圧昂進、緑内障、網膜色素変性、夜盲症、及び多発性硬化症に伴う神経炎などの状態に由来する視力低下を有する患者の視力を向上させる上で有効である。
本発明の別の態様では、加齢性黄斑変性、湿性筋肉変性、乾性筋肉変性、地図状萎縮、糖尿性網膜炎、糖尿性黄斑浮腫及び網膜血管吸蔵を含む網膜疾患を治療する方法が提供される。我々が提供する化合物も眼圧昂進、緑内障、網膜色素変性、夜盲症、及び多発性硬化症に伴う神経炎などの状態に由来する視力低下を有する患者の視力を向上させる上で有効であり、その方法は、治療的に有効な量の[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいはそれらによって基本的に構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物を投与するステップを含んでいる、あるいはそのステップで基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の態様では、加齢性黄斑変性、湿性筋肉変性、乾性筋肉変性、地図状萎縮、糖尿性網膜炎、糖尿性黄斑浮腫及び網膜血管吸蔵を含む網膜疾患を治療する方法が提供される。我々が提供する化合物も眼圧昂進、緑内障、網膜色素変性、夜盲症、及び多発性硬化症に伴う神経炎などの状態に由来する視力低下を有する患者の視力を向上させる上で有効であり、その方法は、治療的に有効な量の(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいはそれらによって基本的に構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物を投与するステップを含んでいる、あるいはそのステップで基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の態様では、加齢性黄斑変性、湿性筋肉変性、乾性筋肉変性、地図状萎縮、糖尿性網膜炎、糖尿性黄斑浮腫及び網膜血管吸蔵を含む網膜疾患を治療する方法が提供される。我々が提供する化合物も眼圧昂進、緑内障、網膜色素変性、夜盲症、及び多発性硬化症に伴う神経炎などの状態に由来する視力低下を有する患者の視力を向上させる上で有効であり、その方法は、治療的に有効な量の(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、あるいはその互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含んでいる、あるいはそれらによって基本的に構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物を投与するステップを含んでいる、あるいはそのステップで基本的に構成されている、あるいは構成されている。
本発明の別の態様では、網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法においては、上記の治療的に有効な量の[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ、を含む、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物は、局所皮膚外用剤、直接注射剤、その他の外用剤、及び、遅放出性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、気泡性製剤、乳濁液、ミクロ乳濁液、血清、エアゾル、噴霧剤、分散剤、ミクロカプセル、小胞剤、微粒子、ナノ粒子などの薬理作用の長期持続をさらに向上させてくれる製剤から選択される。
本発明の別の態様では、網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法においては、上記の治療的に有効な量の(S)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む、あるいは基本的に構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物は、局所皮膚外用剤、直接注射剤、その他の外用剤、及び、遅放出性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、気泡性製剤、乳濁液、ミクロ乳濁液、血清、エアゾル、噴霧剤、分散剤、ミクロカプセル、小胞剤、微粒子、ナノ粒子などの薬理作用の長期持続をさらに向上させてくれる製剤から選択される。
本発明の別の態様では、網膜疾患を治療するための方法が提供され、その方法においては、上記の治療的に有効な量の(R)[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを含む、あるいは基本的には構成されている、あるいは構成されている医薬品組成物は、局所皮膚外用剤、直接注射剤、その他の外用剤、及び、遅放出性ペレット、懸濁液、ゲル、溶液、クリーム、軟膏、気泡性製剤、乳濁液、ミクロ乳濁液、血清、エアゾル、噴霧剤、分散剤、ミクロカプセル、小胞剤、微粒子、ナノ粒子などの薬理作用の長期持続をさらに向上させてくれる製剤から選択される。
「プロドラッグ」という「代謝的に切断可能な誘導体」という表現と共にたびたび用いられているが、これは、例えば、血液中での加水分解によって、本発明による親化合物にin vivoで急速に変換される化合物形態を意味している。従って、プロドラッグとはその薬学的な作用を示す前に生体内変化させられてしまう基を有している化合物のことである。そうした基はそれを含んでいる化合物からin vivoで簡単に切断される部分を含んでおり、その化合物はその切断の後にも薬学的な活性な状態に留まるか、あるいは薬学的に活性な状態になる。そうした代謝的に切断可能な基はこの技術分野の開業医にはよく知られている1つのクラス(群)を形成している。それらには、アルカノイ(つまり、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、非置換あるいは置換炭素環式のアロイル(ベンゾイル、置換ベンゾイル、及び1−及び2−ナフトイルなど)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル(トリメチル−及びトリエチルシリルなど)、ジカルボン酸、と共に形成されているモノエステル類(サクシニルなど)、リン酸塩、硫酸塩、スルフォネート、スルフォニル、スルフィニルなどの基である。代謝的に切断可能な基を有する化合物は、その代謝可能な基の存在のおかげで親化合物に付与される可溶性や吸収速度が増大される結果として、それらの化合物がより改善された生体内利用可能性を示すという利点を有している(T. Higuchi and V. Stella, “Pro−drugs as Novel Delivery System”, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series; “Bioreversible Carriers in Drug Design”, Edward B. Roche編集、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987)。
1つの態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式Iの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒和物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでおり、
この式で、
R1はH又はC1-3アルキルであり;
R2はH又はC1-3アルキルであり;
R3はH又はC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールである。
1つの好ましい態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式IIの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒和物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでおり
この式で、
R1はH又はC1-3アルキルであり;
R2はH又はC1-3アルキルであり;
R3はH又はC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールである。
別の態様で、本発明は従って治療を必要としている対象者の眼圧を低下させる方法に関するものであり、その方法は、式IIIの構造を有する化合物、その個々のエナンチオマー、その個々のジアステレオ異性体、その個々の水和物、その個々の溶媒和物、その個々の結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるそれらの塩を含む組成物を治療的に有効な量だけ投与するステップを含んでおり、
この式で、
R1はH又はC1-3アルキルであり;
R2はH又はC1-3アルキルであり;
R3はH又はC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC1-10 アルキル、ヘテロ環又はアリールである。
以下のパラグラフでは、本発明による化合物を構成する種々の化学的構成部分の定義を述べるが、これらの定義は、特に別の注記がない限り、本明細書と請求項全体を通じて同じように適用されることを意図している。
「アルキル」という用語は、本明細書で使われる場合、直鎖あるいは分岐アルカンあるいはそれらの組み合わせを有し1−10個の炭素原子、好ましくは1−8個の炭素原子、より好ましくは1−4個の炭素原子を含んでいる飽和一価アルカン部分を含むものと定義されている。アルキル部分はオプションとして、アミノ基、アリール基、ハロゲンなどによって置換させることができる。アルキル鎖の1つのメチレン(−CH2−)をカルボニル、−NH−、カルボキシル、アミド、硫黄、あるいは酸素と置き換えることができる。例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、ヘキシル、イソペンチル、3−メチル−ブチル、2−アミノ−N−イソブチル・アセトアミド、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、エチルフェニル、メチルフェニル、2−アミノ−3−メチル−ブタンアミド−N−2−メチル−1−プロピル、1−アミノ−2−メチル−プロピル−1−イルなどがある。
「「ヘテロ環」という用語は、本明細書で使われる場合、芳香性あるいは非芳香性で構成要素が5−10の単環あるいは二環の環状構造で、OかNかSか又はその組み合わせから選択される少なくとも1つの炭素環構造を中断している原子あるいはその組み合わせを含んでいる。ヘテロ環は、オプションとしては、C1-6アルキル、アミノ、ハロゲン、−O(C1-6アルキル)、−OC(O) (C1-6アルキル)、−NHC(O) (C1-6アルキル)、−C(O)NH(C1-6アルキル)、−S (C1-6アルキル)基によって置換することができる。例としては、フリル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、カルバゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソオキサゾリル、キナゾリニル、ピリダジニル、シンノリリル、フタラジニル、キノキサリニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシニル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、及びピペラジニルなどである。
「アリール」という用語は、本明細書で使われる場合、6−10の炭素原子を含む単環あるいは二環の環状構造で構成される芳香性炭化水素から、1つの水素原子を取り除くことによって誘導される有機性構成部分と定義され、フェニルやナフチルが含まれる。アリール基はオプションとしては、C1-16アルキル、アミノ、ハロゲン、−O(C1-16アルキル)、−OC(O)(C1-16アルキル)、−C(O)O(C1-16アルキル)、−NHC(O) (C1-16アルキル)、−C(O)NH(C1-16アルキル)、−S(C1-16アルキル)基などによって置換することができる。例としてはフェニル、ナフチルなどがある。
「H」という用語は、本明細書で使われる場合、水素原子を指す。
「O」という用語は、本明細書で使われる場合、酸素原子を指す。
「S」という用語は、本明細書で使われる場合、硫黄原子を指す。
「N」という用語は、本明細書で使われる場合、窒素原子を指す。
「アミノ」という用語は、本明細書で使われる場合、式−NH2で示される基を指す。
「アミド」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C(O)NH−あるいは−NHC(O)−で示される基を指す。
「ハロゲン」という用語は、本明細書で使われる場合、塩素、臭素、ヨウ素、あるいは弗素のうちの1つの原子を指す。
「カルボニル」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C=Oで示される基を指す。
「カロボキシル」という用語は、本明細書で使われる場合、式−C(O)又は−OC(O)−で示される基を指す。
通常、R1はH又はC1-3アルキルである。好ましいR1はC1-3アルキルである。最も好ましいR1はメチルである。
通常、R2はH又はC1-3アルキルである。好ましいR2はC1-3アルキルである。最も好ましいR2はメチルである。
通常、R3はH、C又はC1-10アルキル、ヘテロ環、又はアリールである。好ましいR3はH、フェニル、又はC1-10アルキルである。最も好ましいR3はHである。
通常、RはC1-10アルキル、ヘテロ環、又はアリールである。好ましいRはメチル、イソブチル、t−ブチル、イソプロピル、エチルフェニル、フェニル、2−アミノ−1−フェニルエチル、2−(2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−2−メチル−プロピル−イル)、1−アミノ−2−メチル−プロピル−イル、及び2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−2−メチル−プロピル−イルである。最も好ましいR基はt−ブチル、イソプロピルである。
「互変異性体」とは、本明細書で使われる場合、隣接する単結合と二重結合間の陽子の移行を意味している。互変異性体化プロセスは可逆的である。ここに述べられている化合物はその化合物の物理的特性の範囲内で互変異性体化を受ける可能性は有している。以下の例は、ここで述べられている化合物において起こり得る互変異性体化の例である。
本発明による化合物は以下の物である。
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸3[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−3−メチルブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)]−エチル−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸3[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−3−メチルブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)]−エチル−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
本発明による中間物は以下の物である。
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1−(1−アセチル−−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1−ベンゾイル−IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル酪酸 2−メチル−3−{(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
フェニル−プロピオン酸 2−メチル−{3−(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸−{3−(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミド−3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンゾイル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1−(2,2−ジメチル−プロピオニル)−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1−(1−アセチル−−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1−ベンゾイル−IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
3−メチル酪酸 2−メチル−3−{(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
フェニル−プロピオン酸 2−メチル−{3−(S)−1−[1−(3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}1−エチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸−{3−(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミド−3−メチル−ブチリル) −IH−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンゾイル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3 [(S)−1−( IH−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル
式I、式II、式IIIの化合物及びその中間物のいくつかはそれらの構造内に少なくとも1つのステレオジェン中心を有している。このステレオジェン中心は(R)及び(S)構成内にも存在している場合があり、この(R)及び(S)という表記はPure Appli.Chem.(1976), 45,11−13に述べられている規則に従って用いられている。
本発明による化合物は異なった多相型形態で存在することができる。上の式では明確には示されていないが、そうした形態は本発明の範囲内に含めることを意図している。
式I、式II、式IIIの化合物及びその塩は溶媒和物の形態で存在する場合もあり得る。そうした溶媒和物の例としては、水和物、アルコール和物などである。
「薬学的に許容される塩」とは、上に示した化合物の上記の望ましい生物学的活性を保持しており、望ましくない毒性効果は最低限あるいはまったく示さない塩あるいは複合体を指している。本発明による「薬学的に許容される塩」は、式I、式II又は式IIIの化合物が形成することができる治療的に活性であり、非毒性の塩基性又は酸性塩形状を含む。
塩基としての遊離形態で発生する式I、式II又は式IIIの化合物の酸付加塩形態は、その遊離塩基を、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸などの適切な無機酸で処理するか、あるいは、クエン酸、酢酸、シュウ酸、タルタル酸、こはく酸、リンゴ酸、フマル酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パルモイン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレン・スルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸などの有機酸、及び、ナトリウム、カリウム、及びカルシウムなどのアルカリ性−及びアルカリ土類金属によって形成されるような塩基付加塩類によって処理することによって、得ることができる。(Handbook,of Pharmaceutical Salts, P. Heinrich Stahal & Camille G. Wermuth (eds), Verlag Helvetic Chemica ActaZurich,2002,329−345)
これらの化合物はこの技術分野の当業者に公知の薬学的に許容される四元塩としても投与することができ、この四元塩は式−NY+Z-で示される四元アンモニウム塩などであり、この式でYはハロゲン、アルキル、あるいはベンジルであり、Zは塩素、臭素、ヨウ素、−O−アルキル、トルエンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、あるいはカルボン酸塩(例えば、フマル酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、シナモン酸塩、マンデル酸塩、ベンジル酸塩、及びジフェニル酢酸塩などの対イオンである。
本発明の別の実施の形態で、薬学的に許容されるその基質中に本発明の化合物の少なくとも1つを含んでいる医薬品組成物が提供される。「薬学的に許容される」という表現はその基質や希釈剤や賦形剤がその組成物内の他の成分と共存性があって、その受容者に対して有害ではないということを意味している。
本発明による医薬品組成物は固体、溶液、乳剤、分散剤、パッチ、ミセル、リポソーム等の形状で使用することができ、得られる組成物は本発明による1つ以上の化合物を活性成分として、外用あるいは非経口的な使用に適した有機あるいは無機の基質あるいは賦形剤との混合状態で含んでいる。本発明の化合物は、錠剤やペレットやカプセルや座薬や溶液や乳剤や懸濁液やその他使用に適した形状で使用するために、例えば、通常の非毒性の薬学的に許容される基質と組み合わせることができる。使用可能な基質は、グルコース、ラクトース、アカシアの樹液、ジェラチン、マンニット、でんぷんペースト、マグネシウム・トリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、鎖の長さが中間程度のトリグリセリド、デキストラン、及び製剤を固体、準固体、あるいは液体形状で製造するのに使用に適しているその他の基質などである。さらに、補助的な、安定剤、増ちょう剤、発色剤、及び香料を用いることもできる。本発明による化合物は、それらの医薬品組成物中に薬効プロセスや疾病状態に応じて望ましい効果を生み出すのに十分な量で含まれる。
本発明による化合物を含んでいる医薬品組成物は、例えば、錠剤、トローチ、甘味入り錠剤、水性あるいは油性懸濁液、分散可能な粉末や顆粒、乳剤、固い又は柔らかいカプセル、又はシロップやエリキシル剤など、経口での使用に適した形状であってもよい。経口使用のための組成物は医薬品組成物の製造の分野で知られているいかなる方法を用いて作られてもよく、そうした組成物は医薬品的に見た目が良く口に合うような製剤を提供するために、サクロース、ラクトースあるいはサッカリンなどの甘味料、ペッパーミントやイチャク草やイチゴの油などの香料、発色剤及び保存剤で構成される群から選択される1つ以上の薬剤を含むことができる。薬学的に許容される非毒性の賦形剤との混合で本発明の化合物を含んでいる錠剤も、公知の方法で製造することができる。用いられる賦形剤は、例えば、(1)炭酸カルシウムやラクトースやリン酸カルシウムやリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、(2)コーンスターチやポテトスターチやアルギン酸などの造粒剤や分解剤、(3) トラガント・ゴムやコーンスターチやジェラチンやアカシア樹液などの結合剤、そして(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、あるいはタルクなどの潤滑剤であってよい。錠剤はコーティングしない状態でもよいし、胃腸系内での分解と吸収を遅らせてその作用を長時間にわたり維持するために公知の技術でコーティングしてもよい。例えば,モノステアリン酸グリセリンやジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延剤を用いてもよい。いくつかの場合では、経口使用のための製剤は、その内部で、本発明による化合物が、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、あるいはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合されている固いジェラチン・カプセルの形状であってもよい。また、本発明の化合物が、その内部で、水やオイル媒体、例えば、ピーナッツ・オイルや液体パラフィンやオリーブ・オイルなどと混合されている柔らかいジェラチン・カプセルであってもよい。
上記医薬品組成物は無菌で注射可能な懸濁液の形状であってもよい。この懸濁液は適切な分散剤あるいは加湿剤と懸濁剤を用いて公知の方法で製剤することができる。この無菌で注射可能な懸濁液は、例えば1,3−ブタンジオールに溶かした溶液など、非毒性で非経口的に受容可能な希釈剤あるいは溶剤内に溶かした無菌で注射可能な溶液あるいは懸濁剤であってもよい。溶媒あるいは懸濁媒体として無菌の不揮発性油が通常は用いられる。この目的のために、合成のモノ−あるいはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、セサミ油などの天然の野菜オイル、ココナッツ油、ピーナッツ油、綿実油など、あるいはオレイン酸エチルなどの合成脂肪酸媒体などの無刺激性油を用いることができる。
本発明は、治療目的のための薬品を製造するための、式I、式II、あるいは式IIIで示される化合物、あるいは薬学的に許容されるその塩の使用も関している。本発明はまた、式I、式II、あるいは式IIIの一般式で示される化合物、あるいは薬学的に活性のあるその誘導体や塩が使用される治療応用を意図した薬品の製造方法にも関係している。
個々の対象者は症状の重篤度において広い偏差を示すし、それぞれの薬剤もそれぞれ独特の治療特性を有しているので、個々の対象者に対して用いられる正確な投与方法と用量は医者の判断にゆだねられる。その患者に対しては、その化合物は、錠剤、液体、カプセル、粉末等いずれかの受容可能な形態で経口的に投与されるが、特にその患者が吐き気を感じるのであれば別の投与経路が必要になるであろう。そうした他の経路には、例外なく、経皮、非経口、皮下、鼻腔内、埋め込みステント経由、髄こう内、硝子体内、眼球への局所的処方、眼球の後ろ側、筋肉内、静脈内、及び直腸内の投与形態が含まれる。どの場合でも、投与される化合物の量は、その状態の重篤度、患者の年齢と体重、その患者の全体的な身体状態、その状態の原因、そして投与の経路を考慮して、医者によって決められる。さらに、それらの製剤は任意の時間にわたってのその活性化合物を遅延させたり、あるいは治療期間中の任意の期間に放出される薬品の量を慎重に制御するように設計される。
[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(R) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール及びそれらの薬学的に許容される塩のエステル・プロドラッグは、点眼液、直接注射、眼球の背後への適用など異なった経路を通じて投与することができ、遅放出性ペレット、懸濁液、ゲル、あるいはこの技術分野で公知のいずれかの適切な薬剤投与システム(DDS)などのような持続的投与装置など、作用の長期持続をさらに向上させてくれる製剤と共に投与することもできる。局所投与が好ましいが、この化合物は、米国特許第7,931,909号に述べられているような眼球内埋め込み物で使用することもできる。この特許はここに触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。そうした生体適応性の埋め込み物は、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール及び(R) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグ並びにこれらの化合物を長時間にわたって眼球内に放出しやすくするための、[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール及び(R) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグと会合したポリマーを包含する。
眼科用の薬品製剤はこの技術分野ではよく知られており、例えば、米国特許出願広報第No. 20050059583号、第20050277584号、米国特許第7,297,679号、及び第20070015691号、米国特許第5,474,979号、第6,582,718号に述べられており、これらの開示はここで触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(S) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール、(R) [3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグは、米国特許第7,491,383 B2に開示されているような薬効強化成分を用いて製剤化することもできる。この特許は、ここで触れたので、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
本発明において、1つの化合物あるいは複数の化合物について触れる場合、特に特定の異性体型についての言及がない限り、その可能な異性体型のそれぞれをその範囲に含むことを意図している。
本発明は、一般式I、II、IIIに示される構造を有する化合物を調製するためのプロセスにも関係している。以下に示す合成方式は本発明による化合物をいかにしてつくることができるかを図示している。当業者であれば、式I、II、あるいはIIIで示される範囲に含まれるいずれの化合物を合成するための以下の方式も日常的に修正したり適応させたりすることはできるであろう。
(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールのエステル・プロドラッグを合成するための全体的方式
第1のステップで、(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(CAS 189255−79−6)はN,N−ジメチル・ホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、トリエチルアミン(TEA)、及び4−ジメチル・アミノピリジン(DMAP)の存在下で、望ましい塩化アシルと反応することができる。抽出が通常に行われると、中圧液体クロマトグラフィ(MPLC)(0%−40%酢酸エチルヲヘキサンに加えたもの)によって残留物を精製して、中間化合物をアモルファス状固体として発生させることができる。
第2のステップで、最初の反応で得られた中間物はメタノール(MeOH)と反応することができる。MPLC(50%酢酸エチルをヘキサンに加えて、次に、5%7Nのアンモニア/メタノール/ジクロロメタンを加えたもの)によって残留物を精製して、その望ましい化合物を固体として発生させることができる。
なお、上に述べた一般的な説明と以下に述べる詳細な説明は、例示的なもので説明のためだけのものであり、権利請求される発明を限定するものではない。本明細書で使われる場合、特に注記がない限り、単数表現は複数の場合もその意味範囲に含むものとする。
本発明は薬学的に許容される同位体的に濃縮された化合物のすべてを含んでいる。本発明のいずれの化合物も、1H(あるいはH)の代わりに重水素2H(あるいはD)とか12Cの代わりに13C濃縮物質を使用するなど、天然での比率より濃縮された、あるいはそれとは異なった1つ又は2つの同位体原子を含んでいる。窒素、酸素及び硫黄に関しても同様の置き換えを用いることができる。アイソトープ(同位体元素)の使用は、本発明の分析目的の態様と治療目的の態様で役に立つ可能性がある。例えば、重水素の使用は本発明の化合物の代謝(速度)を変えることにより、in vivoでの半減期を増大させてくれる可能性がある。これらの化合物は、同位体的に濃縮された試薬を使用で述べられた調製法によって調製することができる。
以下の実施例は説明を目的とするだけのものであって、いかなる意味においても本発明を限定するものとみなされるべきではない。当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱せずに、以下の実施例の変更や修正が可能であることは容易に理解するであろう。
実施例で用いられている化合物のIUPAC名はACD 8版で一般化された。
実施例において特に注記がない限り、それぞれの化合物の特徴づけは以下の方法に従って行われる。
NMRスペクトルは300MHzバリアンで記録され、室温で得られる。化学シフトは内部TMSあるいは残留溶媒信号のいずれかに対してPPM基準で与えられる。
その合成についての説明がなされていないすべての試薬、溶剤、触媒はSigma Aldrich、Fluka、Lancasterなどの化学品販売会社から購入されるものあるが、CASいくつかの登録番号が示されている公知の反応中間物は、以下のような公知の手順を用いて自社内で調製されたものである。通常、本発明の化合物はフラッシュ・カラム・クロマトグラフィで精製された。
実施例の説明では、以下の略語が用いられている。
DCM ジクロロメタン
MeOH メタノール
CD3OD 重水素化メタノール
NH3 アンモニア
Na2SO4 硫酸ナトリウム
DMF N,N− ジメチルホルムアミド
MgSO4 硫酸マグネシウム
EtOAc 酢酸エチル
i−PrOH イソプロパノール
CDCl3 重水素化クロロホルム
MPLC 中圧液体クロマトグラフィ
DMF ジメチルホルムアミド
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
RT 室温
Boc−L−Valine N−(t−ブチルカルボニル)−バリン
Boc−Glycine N−(t−ブチルカルボニル)グリシン
Boc−L−Phenilalanine N−(t−ブチルカルボニル)−L−フェ
ニルアラニン
HCl 塩酸
H2O 水
EDCl 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
DCM ジクロロメタン
MeOH メタノール
CD3OD 重水素化メタノール
NH3 アンモニア
Na2SO4 硫酸ナトリウム
DMF N,N− ジメチルホルムアミド
MgSO4 硫酸マグネシウム
EtOAc 酢酸エチル
i−PrOH イソプロパノール
CDCl3 重水素化クロロホルム
MPLC 中圧液体クロマトグラフィ
DMF ジメチルホルムアミド
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
RT 室温
Boc−L−Valine N−(t−ブチルカルボニル)−バリン
Boc−Glycine N−(t−ブチルカルボニル)グリシン
Boc−L−Phenilalanine N−(t−ブチルカルボニル)−L−フェ
ニルアラニン
HCl 塩酸
H2O 水
EDCl 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド
NaHCO3 重炭酸ナトリウム
実施例1
中間物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
DMF(8ml)及びTHF(50ml)に(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(1,34g,6.2mmol)を溶かした溶液に、TEA(3.5ml、24.8mmol)、DMAP(780mg、6.2mmol)及び塩化イソブチリル(2.18g、20.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化してから、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから、減圧下で濃縮した。残留物をMPLC(ヘキサンに0%−40%エチルを加えたもの)で精製して、固体としての中間物1を得た。
1H−NMR(CD3OD, δppm):1.15 (d,j=7.03Hz,6H),1.26(d,6H,J=6.74Hz),1.56(d,J=7.03Hz, 3H), 2.34(s,3H), 2.58(hept, J=7.03Hz, 1H), 3.34(hept, J=7.74Hz), 1H), 4.42(q,J=7.03Hz, 1H), 5.15(s, 2H), 7.07−7.10(m, 2H), 7.12−7.15(m, 1H), 7.31(s, 1H), 8.35(s, 1H)
中間物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1−イソブチリル−1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
DMF(8ml)及びTHF(50ml)に(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(1,34g,6.2mmol)を溶かした溶液に、TEA(3.5ml、24.8mmol)、DMAP(780mg、6.2mmol)及び塩化イソブチリル(2.18g、20.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化してから、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥させてから、減圧下で濃縮した。残留物をMPLC(ヘキサンに0%−40%エチルを加えたもの)で精製して、固体としての中間物1を得た。
1H−NMR(CD3OD, δppm):1.15 (d,j=7.03Hz,6H),1.26(d,6H,J=6.74Hz),1.56(d,J=7.03Hz, 3H), 2.34(s,3H), 2.58(hept, J=7.03Hz, 1H), 3.34(hept, J=7.74Hz), 1H), 4.42(q,J=7.03Hz, 1H), 5.15(s, 2H), 7.07−7.10(m, 2H), 7.12−7.15(m, 1H), 7.31(s, 1H), 8.35(s, 1H)
中間物2−6は(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノールから開始して、実施例1で述べた方法と同様の方法で調製された。それぞれの場合に用いられた塩化アシルとその結果を以下の表1に示す。
実施例2
化合物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
化合物1
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
1H−NMR(CD3OD: δppm):1.15(d,J=7.03Hz, 6H), 1.54(d,J=7.03Hz, 3H), 2.33 (S,3H), 2.56 (hept, J=7.03Hz, 1H), 4.42(q、J=7.03Hz, 1H), 5.15 (S, 2H), 6.70 (S, 1H), 7.07−7.10(m, 2H), 7.12−7.15 (m, 1H), 7.55(S, 1H)
本発明による化合物2−6は対応する中間物をメタノールと反応させることで、実施例2に述べた手順に従って調製された。その結果を表2に示す。
実施例3
中間物7
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
DMF(2ml)とTHF(12ml)に[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol)を加えた溶液に、EDCL(671mg, 3.5mmol)、DMAP (427mg, 3.5mmol)及びBoc−L−バリン(651mg, 3.0 mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化して、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を水と塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をカラム・クロマトグラフィ(30%酢酸エチルをヘキサンに加えたもの)で精製して、中間物7を白い固体として得た。
1H−NMR(CD3OD, δppm):0.85−1.01(m,12H), 1.20−1.48(m, 18H), 1.56(d, J=7.03Hz, 3H), 2.01−2.20(m,2H), 2.35(S,3H), 4.03(m,1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 4.60−4.65(m,1H), 5.15−5.29(m,2H), 7.10−7.20(m,2H), 7.20−7.25(m,1H), 7.33(S,1H), 8.44(S,1H)
中間物7
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
DMF(2ml)とTHF(12ml)に[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol)を加えた溶液に、EDCL(671mg, 3.5mmol)、DMAP (427mg, 3.5mmol)及びBoc−L−バリン(651mg, 3.0 mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌して、水で鎮静化して、酢酸エチルで抽出した。結合した有機層を水と塩水で洗浄して、硫酸ナトリウム上で乾燥して、減圧下で濃縮した。残留物をカラム・クロマトグラフィ(30%酢酸エチルをヘキサンに加えたもの)で精製して、中間物7を白い固体として得た。
1H−NMR(CD3OD, δppm):0.85−1.01(m,12H), 1.20−1.48(m, 18H), 1.56(d, J=7.03Hz, 3H), 2.01−2.20(m,2H), 2.35(S,3H), 4.03(m,1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 4.60−4.65(m,1H), 5.15−5.29(m,2H), 7.10−7.20(m,2H), 7.20−7.25(m,1H), 7.33(S,1H), 8.44(S,1H)
実施例4
中間物8
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
中間物7(600mg, 0.98mmol)を30mlのMeOHに溶解したものから、実施例2で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85−0.95 (m,6H), 1.42 (m,9H), 1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.05 (m,1H), 2.33 (S,3H), 4.00 (d,J=6.15Hz, 1H), 4.40 (q, J=7.03Hz, 1H),5.15−5.18 (m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.20 (m, 2H), 7.20−7.25 (m,1H), 7.55 (S,1H)
中間物8
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
中間物7(600mg, 0.98mmol)を30mlのMeOHに溶解したものから、実施例2で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85−0.95 (m,6H), 1.42 (m,9H), 1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.05 (m,1H), 2.33 (S,3H), 4.00 (d,J=6.15Hz, 1H), 4.40 (q, J=7.03Hz, 1H),5.15−5.18 (m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.20 (m, 2H), 7.20−7.25 (m,1H), 7.55 (S,1H)
実施例5
化合物7
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル]−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
化合物7
2−アミノ−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル]−エチル]−2−メチル−ベンジル・エステル
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85 8d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d, J=6.74Hz, 3H), 1.54 (d, J=7.03Hz,3H), 1.96(hept, J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.28 (d,J=6.74Hz, 2H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25(m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m,2H),7.13−7.20(m, 1H), 7.55 (S, 1H)
実施例6
中間物9
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
化合物7(490mg, 1.55mmol)、Boc−L−バリン(1.01g, 4.67mmol)、EDCL(1.04g, 5.42mmol)及びDMAP(671g、1.55mmol)から、実施例3で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85−0.92(m,12H), 1.43(S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 1.97 (m, 1H), 2.14 (hept, J=6.60Hz, 1H), 2.35 (S, 3H), 3.88 (d,J=7.30Hz, 1H), 4.35 (d,J=6.90Hz, 1H), 4.42 (d,J=7.03Hz, 1H), 5.18−5.25 (m, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.15 (m, 2H), 7.17−20 (m,1H), 7.55 (S, 1H)
中間物9
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−{(S)−1−[1−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル−1H−イミダゾール4−イル]−エチル}−2−メチル−ベンジル・エステル
化合物7(490mg, 1.55mmol)、Boc−L−バリン(1.01g, 4.67mmol)、EDCL(1.04g, 5.42mmol)及びDMAP(671g、1.55mmol)から、実施例3で述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85−0.92(m,12H), 1.43(S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 1.97 (m, 1H), 2.14 (hept, J=6.60Hz, 1H), 2.35 (S, 3H), 3.88 (d,J=7.30Hz, 1H), 4.35 (d,J=6.90Hz, 1H), 4.42 (d,J=7.03Hz, 1H), 5.18−5.25 (m, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.15 (m, 2H), 7.17−20 (m,1H), 7.55 (S, 1H)
実施例7
中間物10
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
実施例2で述べた手順に従って、中間物9(750mg, 1.05mmol)を30mlのメタノールに溶かしたものから、表題の化合物を得た。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.89 (d,d,J=7.03Hz, 6H), 1.44 (S, 9H), 1.54 (d, J=7.33Hz, 3H), 2,14 (hept,J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.74 (S, 2H), 4.35−4.55 (m, 2H), 5.20 (S, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.17 (m, 2H), 7.19−7.23 (m, 1H),7.56 (S, 1H)
中間物10
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
実施例2で述べた手順に従って、中間物9(750mg, 1.05mmol)を30mlのメタノールに溶かしたものから、表題の化合物を得た。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.89 (d,d,J=7.03Hz, 6H), 1.44 (S, 9H), 1.54 (d, J=7.33Hz, 3H), 2,14 (hept,J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.74 (S, 2H), 4.35−4.55 (m, 2H), 5.20 (S, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.17 (m, 2H), 7.19−7.23 (m, 1H),7.56 (S, 1H)
実施例8
化合物8
2−(2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
化合物8
2−(2−アミノ−3−メチル−ブチリルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.85 (d,J=7.03Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.92 (d,J=7.3Hz, 3H), 1.14 (d,J=6.2Hz, 3H), 1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 1.94 (hept, J=5.2 Hz, 1H), 2.14 (hept,J=6.2Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 3.18 (d,J=5.2Hz, 1H), 4.34 (d,J=6.2Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.21−5.26(m, 2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.15 (m, 2H), 7.18−7.20 (m, 1H), 7.55 (S,1H)
実施例9
中間物11
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミド−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
実施例3で述べた手順に従って、化合物8(405mg, 1.28mmol)、Boc−グリセリン(675mg、3.86mmol)、EDC(859mg, 4.48mmol)、及びDMAP (547mg, 4.48mmol)から表題の化合物を得た。表題の化合物を、5% 7N アンモニア/メタノールをDCMに溶解したものを用いてカラム・クロマトグラフィによって精製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.89 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 1.55 (d,J=7.30Hz, 3H), 2.14 (hept, J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S,3H), 4.73 (d,J=5.90Hz, 1H), 4.42 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25(m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m, 2H),7.13−7.20 (m, 1H), 7.55 (S, 1H)
中間物11
2−(2−t−ブトキシカルボニルアミド−アセチルアミノ)−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
実施例3で述べた手順に従って、化合物8(405mg, 1.28mmol)、Boc−グリセリン(675mg、3.86mmol)、EDC(859mg, 4.48mmol)、及びDMAP (547mg, 4.48mmol)から表題の化合物を得た。表題の化合物を、5% 7N アンモニア/メタノールをDCMに溶解したものを用いてカラム・クロマトグラフィによって精製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.89 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 1.55 (d,J=7.30Hz, 3H), 2.14 (hept, J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S,3H), 4.73 (d,J=5.90Hz, 1H), 4.42 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25(m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m, 2H),7.13−7.20 (m, 1H), 7.55 (S, 1H)
実施例10
化合物9
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
化合物9
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
1H−NMR(CD3OD: δppm):0.89 (d,J=6.74Hz, 3H), 0.91 (d,J=6.74Hz, 3H), 2.14 (hept,J=6.74Hz, 1H), 2.33 (S, 3H), 4.37 (d,J=5.90Hz, 1H), 4.42 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.20−5.25 (m,2H), 6.67 (S, 1H), 7.10−7.12 (m, 2H), 7.13−7.20 (m, 1H), 7.55 (S, 1H)
実施例11
中間物12
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol), Boc−L−フェニルアラニン(795mg, 3.0mmol)、EDC (671mg, 3.5 mmol)、及びDMAP (427mg, 3.5mmol)から、実施例3に述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。中間物12は、35−100%酢酸エチルをヘキサンに溶解したものを用いて精製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):1.36 (S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.28 (S, 3H),2.85−2.95 (m,1H), 3.05−3.11 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.40 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.17 (S, 2H), 6.69 (S, 1H), 7.08−7.24 (m, 8H), 7.55 (S, 1H)
中間物12
2−t−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
(S)−[3−(1−(1H−イミダゾール4−イル)エチル)−2−メチルフェニル]メタノール(216mg, 1.0mmol), Boc−L−フェニルアラニン(795mg, 3.0mmol)、EDC (671mg, 3.5 mmol)、及びDMAP (427mg, 3.5mmol)から、実施例3に述べた手順に従って、表題の化合物を調製した。中間物12は、35−100%酢酸エチルをヘキサンに溶解したものを用いて精製した。
1H−NMR(CD3OD: δppm):1.36 (S,9H), 1.55 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.28 (S, 3H),2.85−2.95 (m,1H), 3.05−3.11 (m, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.40 (q,J=7.03Hz, 1H), 5.17 (S, 2H), 6.69 (S, 1H), 7.08−7.24 (m, 8H), 7.55 (S, 1H)
実施例12
化合物10
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
化合物10
2−アミノ−3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
1H−NMR(CD3OD: δppm):1.54 (d,J=7.03Hz, 3H), 2.26 (S, 3H), 2.90−3.00 (m, 2H), 3.73 (t、J=6.40Hz, 1H), 4.40 (q, J=7.03Hz, 1H), 5.13−5.18 (m, 2H), 6.68 (S, 1H), 7.08−7.12 (m, 5H), 7.13−7.22 (m, 3H), 7.55 (S, 1H)
以下のアッセイは、本発明による化合物の効能と選択性を実証するために行われたものである。
実施例13
視力強化モデル
プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルの神経補強効果を評価するために、体重が2−3Kgの色素沈着させた(ダッチ・ベルトされた)ウサギ16匹を用いた。それらのウサギに対しては、3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルが、静脈経由で投与された。空間スイープ誘発ポテンシャル(sVEP)鋭敏性をPowerDivaソフトウエアV8で評価した。記録は覚醒動物を用いて双方向的に行われた。結果は、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルが、通常のDBウサギで投与後10−30分間に視覚感度を増大させることを示している。
視力強化モデル
プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルの神経補強効果を評価するために、体重が2−3Kgの色素沈着させた(ダッチ・ベルトされた)ウサギ16匹を用いた。それらのウサギに対しては、3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルが、静脈経由で投与された。空間スイープ誘発ポテンシャル(sVEP)鋭敏性をPowerDivaソフトウエアV8で評価した。記録は覚醒動物を用いて双方向的に行われた。結果は、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルが、通常のDBウサギで投与後10−30分間に視覚感度を増大させることを示している。
実施例14
神経挫滅モデル
この実施例は、ラット神経挫滅モデルでのプロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル・レベルの神経保護効果について述べている。体重が300−350gの範囲のSD系ラットをケタミン(50mg/kg)とキサラジン(0.5mg/kg)の混合物で麻酔にかけた。右眼の外眼角切開を行って、網膜筋近くの外合で切開を行った。その後、視覚神経が露出されるまで切開を行った。視神経に対して、較正された交差作用ピンセットと用いて30秒間部分的圧迫を行った。網膜血管供給に影響を及ぼさないように注意を払った。プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル・レベルは、神経に障害を与えるより2時間前に0.03, 0.1, 0.3,及び1mg/kg SCの割合で投与され、PBS液をネガティブ・コントロールとして投与すると同時に、ブリモニジン0.1mg/kgをIP注射でポジティブ・コントロールとして与えた。比較対象の動物にはリン酸緩衝食塩水(PBS)を与えた。実験は12−15日後に打ち切られた。
神経挫滅モデル
この実施例は、ラット神経挫滅モデルでのプロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル・レベルの神経保護効果について述べている。体重が300−350gの範囲のSD系ラットをケタミン(50mg/kg)とキサラジン(0.5mg/kg)の混合物で麻酔にかけた。右眼の外眼角切開を行って、網膜筋近くの外合で切開を行った。その後、視覚神経が露出されるまで切開を行った。視神経に対して、較正された交差作用ピンセットと用いて30秒間部分的圧迫を行った。網膜血管供給に影響を及ぼさないように注意を払った。プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル・レベルは、神経に障害を与えるより2時間前に0.03, 0.1, 0.3,及び1mg/kg SCの割合で投与され、PBS液をネガティブ・コントロールとして投与すると同時に、ブリモニジン0.1mg/kgをIP注射でポジティブ・コントロールとして与えた。比較対象の動物にはリン酸緩衝食塩水(PBS)を与えた。実験は12−15日後に打ち切られた。
実施例15
慢性的眼圧上昇モデル
青緑アルゴン・レーザー(Coherent, Palo Alto, CA)を用いて、体重が350−450gの雄のウィター・ラットで眼圧(IOP)を上昇させた。ラットはケタミン(15mg/kg)、アセプロマジン(1.5mg/kg)、及びキサラジン(0.3mg/kg)の混合物で麻酔にかけた。角膜縁及び上強膜血管の2つの部分に(1週間の間隔を置いて)レーザー措置を行った。用いられたエネルギーの量は0.2秒間あたり1Wで、全部で150スポット(50−150μM)が与えられた。眼圧はトノメータ(TONO−PEN: mentor, Norwell, MA)を用いて測定された。ラットは、IOP測定中、3.0mg/kgの1M アセプトマジンを用いて鎮静化した。角膜を麻酔するために、プロパラカイン50%を眼球上で局所的に適用した。基底IOPを判定するために、最初のIOP測定はレーザー措置の前に行われ、その後の測定は1週間に1度のペースで行われた。
慢性的眼圧上昇モデル
青緑アルゴン・レーザー(Coherent, Palo Alto, CA)を用いて、体重が350−450gの雄のウィター・ラットで眼圧(IOP)を上昇させた。ラットはケタミン(15mg/kg)、アセプロマジン(1.5mg/kg)、及びキサラジン(0.3mg/kg)の混合物で麻酔にかけた。角膜縁及び上強膜血管の2つの部分に(1週間の間隔を置いて)レーザー措置を行った。用いられたエネルギーの量は0.2秒間あたり1Wで、全部で150スポット(50−150μM)が与えられた。眼圧はトノメータ(TONO−PEN: mentor, Norwell, MA)を用いて測定された。ラットは、IOP測定中、3.0mg/kgの1M アセプトマジンを用いて鎮静化した。角膜を麻酔するために、プロパラカイン50%を眼球上で局所的に適用した。基底IOPを判定するために、最初のIOP測定はレーザー措置の前に行われ、その後の測定は1週間に1度のペースで行われた。
浸透圧ポンプ(Alzet Osmotic Pumps, Duret Corp., Cupertino, CA)を用いて、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルを継続的に投与した。この浸透圧ポンプは最初のレーザー措置の2時間前に(予防モード)、あるいは2度目のレーザー措置の後に(治療モード)、0.03、0.1、0.3、1.0mg/kg/日 SCの割合で挿入された。PBS媒体をSC浸透圧ポンプでネガティブ・コントロールとして投与すると同時に、ブリモニジン0.1mg/kgを最初のレーザー措置の2時間前に、IP注射でポジティブ・コントロールとして与えた。比較対象の動物にはリン酸緩衝食塩水PBS)媒体が与えられた。実験は15−25日後に打ち切られた。
実施例16
青色光モデル
ラットの網膜変性の青色光モデルで、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルの評価を行った。薬品は青色光への露出を開始する2日前から1mg/kg/日の用量で、皮下薬物注入ポンプで継続的に投与した。この研究では、20匹の生後4か月の雄のSD系ラット(体重470−550g)を用いた。これらの動物を実験前に12時間は明るく、12時間は暗くするサイクルで室内光に露出させた。すべての動物は青色光を照射する前に一昼夜(16−20時間)暗い環境に適応させておいた。6100−6500ルックスの強度で、ラットを青色光に4時間露出させた。青色光に露出させた後、ラットをさらに3日間暗い環境に置いてから、通常の12時間は明るく、12時間は暗くするサイクルに戻した。眼球コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)測定を青色光に露出させてから7日目に行った。その結果は、食塩水で処理しただけで青色光に露出させた場合はOCTで測定した網膜の厚みが、特に上網膜で激減することを示している。組織学的研究によれば、網膜の厚みの減少は光受容体のロスによるものであることを示している。ブリモジニン投与は網膜の厚みの変化を防ぐことにはつながらなかったが、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルで措置した場合は、青色光による損傷が低減されることが示された。
青色光モデル
ラットの網膜変性の青色光モデルで、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルの評価を行った。薬品は青色光への露出を開始する2日前から1mg/kg/日の用量で、皮下薬物注入ポンプで継続的に投与した。この研究では、20匹の生後4か月の雄のSD系ラット(体重470−550g)を用いた。これらの動物を実験前に12時間は明るく、12時間は暗くするサイクルで室内光に露出させた。すべての動物は青色光を照射する前に一昼夜(16−20時間)暗い環境に適応させておいた。6100−6500ルックスの強度で、ラットを青色光に4時間露出させた。青色光に露出させた後、ラットをさらに3日間暗い環境に置いてから、通常の12時間は明るく、12時間は暗くするサイクルに戻した。眼球コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)測定を青色光に露出させてから7日目に行った。その結果は、食塩水で処理しただけで青色光に露出させた場合はOCTで測定した網膜の厚みが、特に上網膜で激減することを示している。組織学的研究によれば、網膜の厚みの減少は光受容体のロスによるものであることを示している。ブリモジニン投与は網膜の厚みの変化を防ぐことにはつながらなかったが、プロドラッグ:イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステルで措置した場合は、青色光による損傷が低減されることが示された。
Claims (11)
- R1がC1-3アルキルであり、R2はC1-3アルキルであり、R3はHであり、RはC1-10アルキルである、請求項2記載の方法。
- R1がメチルであり、R2はメチルであり、R3はHであり、RはC1-4アルキルである、請求項2記載の方法。
- 前記化合物が、イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−アミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−(2−アミノ−3−メチル−ブチルルアミノ)−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチルー酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;及び
2−アミノ−3−フェニル・プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
から選択される、請求項2記載の方法。 - 前記化合物が
イソ酪酸 3- [ (S)-1-(1-)イソ-ブチリル-1H-イミダゾル-4-イル)−エチル]-2-メチル−ベンジル・エステル;
2,2-ジメチル-プロピオン酸 3-{( S)-1-[1-(2,2-ジメチル−プロピオニル)-1H−イミダゾル-4-イル]−エチル }-2-メチル-ベンジル エステル
酢酸 3-[(S)-1-(1-アセチル-1H-イミダゾル-4-イル)-エチル]-2-メチル- ベンジル・エステル;
安息香酸 3-[(S)-1-(1-ベンゾイル-1H-イミダゾル-4-イル)-エチル]-2-メチル- ベンジル・エステル;
3-メチル-酪酸 2-メチル-3-{ (S)-1-[1-(3-メチル-ブチリル)-1H-イミダゾル-4-イル]−エチル}−ベンジル エステル;
フェニル-プロピオン酸 2-メチル-3-{ (S)-1-[1-(3-フェニル-プロピニル)-1H-イミダゾル-4-イル]−エチル}−ベンジル エステル;
2-t−ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸 3-{(S)-1-[1-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリル)-1H-イミダゾル-4-イル]−エチル}−2-メチル−ベンジル エステル;
2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-酪酸 3-[(S)-1-(1H-イミダゾル-4-イル)-エチル]-2-メチル- ベンジル・エステル;
2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-3-メチル酪酸 3-{(S)-1-[1-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリル)-1H-イミダゾル-4-イル]-エチル}-2-メチル−ベンジル エステル;
2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチル-ブチリルアミノ)-3-メチル酪酸 3-[( S)-1-(1H-イミダゾル-4-イル)−エチル]-2-メチル-ベンジル エステル;
2-(2-t-ブトキシカルボニルアミノ-アセチルアミノ)-3-メチル-酪酸 3-[(S)-
1-(1H-イミダゾル-4-イル)−エチル]−2−メチル−ベンジル エステル;
及び
2-t-ブトキシカルボニルアミノ-3-フェニル・プロピオン酸 3-[(S)-1-(1H-イミダゾル-4-イル)-エチル]-2-メチル- ベンジル・エステル
から選択される、請求項2記載の方法。 - 加齢に伴う黄斑変性、湿った黄斑変性、乾いた黄斑変性、地図状萎縮、糖尿性網膜炎、糖尿性黄斑浮腫及び網膜血管吸蔵から選択される、請求項1記載の網膜疾患。我々の化合物は眼圧昂進、緑内障、網膜色素変性、夜盲症、及び多発性硬化症に伴う神経炎で視力をロスした患者での視力向上にも有効である。
- 包装材と前記包装材内部に含まれる医薬品で構成される製造品で、前記医薬品が網膜を治療する上で有効であり、前記包装材が上記医薬品が網膜疾患を治療するために用いることができることを示すラベルで構成されており、上記医薬品が有効な量の式IIで示される化合物、その個々のジアステレオ異性体、その水和物、その溶媒和化合物、その結晶形態、その個々の異性体、その個々の互変異性体、あるいは薬学的に許容されるその塩を含んでいる前記製造品:
式IIにおいて、
R1はH又はC1-3アルキルであり;
R2はH又はC1-3アルキルであり;
R3はH又はC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールであり;そして
RはC1-10アルキル、ヘテロ環又はアリールである。 - 前記化合物が、
イソ酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2,2−ジメチル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
酢酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
安息香酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
3−フェニル−プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−アミノ−3−メチル−酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−(2−アミノ−3−メチル−ブチルルアミノ)−3−メチル酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;
2−(2−アミノ−アセチルアミノ)−3−メチルー酪酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル;及び
2−アミノ−3−フェニル・プロピオン酸 3−[(S)−1−(1H−イミダゾール4−イル)−エチル]−2−メチル− ベンジル・エステル
から選択される、請求項10記載の医薬品組成物。
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