JP2013221564A - ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を構成する単位摩擦パッド組立て体110は、ガイドプレート11に設けられたガイド孔部11aに揺動自在に挿入装着されて、制動トルクをプレート嵌合部22aからガイドプレート11に伝達すると共に、裏板部22の背面側に設けられたバネ部材24によってガイドプレート11側に付勢された状態に支持されるライニング組立体13と、トルク受けプレート3とガイドプレート11の中央部近傍に挟持固定され、複数のライニング組立体13に跨って配置されてトルク受けプレート3からの押圧力をこれらのライニング組立体13に作用させると共にガイドプレート11とトルク受けプレート3との間隔を保持するリンクプレート5,6と、を備える。
【選択図】 図5
Description
また、第1リンクプレート上での第2リンクプレートの位置規制も、ライニング組立体の表面と平行な方向、及びライニング組立体の表面と直交する方向のいずれも、球面接触部により第1リンクプレートを旋回自在に第2リンクプレートに連結している第2のユニバーサルジョイントで行っている。
(1)本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が揺動自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
前記ライニング組立体は、摩擦材の裏面に固着された裏板部に、
外周面が前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に揺動自在に嵌合するプレート嵌合部と、前記ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部とを備え、前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達すると共に、前記裏板部の背面側に設けられたバネ部材によって前記ガイドプレート側に付勢された状態に支持されており、
前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに外周部が固着されるトルク受けプレートと前記ガイドプレートの中央部近傍には、複数の前記ライニング組立体に跨って配置されて前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させるリンクプレートが挟持固定され、前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとの間隔を保持する構成とする。
前記リンクプレートが、前記各裏板部に凹設された係合溝に係合して前記各ライニング組立体が回動するのを阻止する回転防止機構を備える構成とする。
前記各裏板部と前記バネ部材との間に、断熱部材が配設される構成とする。
前記リンクプレートが、前記裏板部を前記ガイドプレート側に付勢するバネ機構を備える構成とする。
また、ディスクロータへライニング組立体を押圧する押圧力は、トルク受けプレートから、リンクプレート及びバネ部材を介して、ライニング組立体の裏板部に作用する。
即ち、ライニング組立体から制動トルクを受ける部材と、ライニング組立体へ押圧力を作用させる部材とが別個に設定されており、ライニング組立体へ押圧力を作用させるバネ部材とライニング組立体との接触部や、バネ部材とリンクプレートとの間の接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
また、ライニング組立体の裏板部との間に間隙を開けてガイドプレートに外周部が固着されるトルク受けプレートとガイドプレートの中央部近傍には、リンクプレートが挟持固定されており、このリンクプレートがトルク受けプレートの中央部近傍において該トルク受けプレートに作用する押圧力の一部を支持することができる。そこで、ガイドプレートに外周部が固着されたトルク受けプレートの剛性は、リンクプレートが挟持固定されていない場合よりも高まり、トルク受けプレート自体の板厚を薄くすることが可能となる。
そのため、使用部品の加工精度の緩和や部品の軽量化によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
図1乃至図4は本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を示したものである。
各単位摩擦パッド組立て体110,120は、同様の構成を有している。また、それぞれの単位摩擦パッド組立て体110,120は、ディスクロータに対峙して配置され、車体フレームに固定された不図示のブレーキキャリパに内蔵のアクチュエータによってディスクロータに向かって進退駆動される。
本実施形態のリンクプレート5,6は、ガイドプレート11及びトルク受けプレート3と共に取付孔5a,6aを貫通する締結部材であるリベット34により挟持固定されるが、締結部材はリベット34に限らず、ボルト・ナット等の他の締結部材を用いることもできる。
また、プレート嵌合部22aは、本実施形態の場合、ガイド孔部11aとの摺接によるライニング組立体13の揺動動作が円滑になるように、ガイド孔部11a側に凸の曲面状に形成されている。
このバネ部材24は、リンクプレート5,6に突設された裏板当接曲面部51a,61aの高さより薄い板厚を有すると共に0.3〜0.8N/mm/mm2のばね定数を有することが望ましい。
バネ部材24がこの様に設定されることで、ロータ面の熱変形による差異や、ライニング厚の差異による夫々のライニング組立体13に作用する荷重差が、ライニングの過負荷現象となることを緩和できる。
先ず、背面を上方に向けてセットされたガイドプレート11のガイド孔部11aに、摩擦材21がガイドプレート11の正面側(図中、下側)に突出するようにライニング組立体13が挿入装着される。ガイド孔部11aに挿入装着されたライニング組立体13は、抜け止めフランジ部22bがガイド孔部11aの周縁部に当接した状態とされる。
更に、取付孔5a,6aがガイドプレート11の中央部近傍における所定位置に位置されると共に、各アーム部51,61の裏板当接曲面部51a,61aが裏板部22の背面中心に対向し、回転防止機構51b,61bが係合溝22cに係合するようにしてリンクプレート5,6が各ライニング組立体13及びバネ部材24上に載置される。
裏板当接曲面部51a,61aが当接する裏板部22の部位(バネ収容凹部22dの底面)は、ライニング組立体13の揺動動作時に、揺動動作に伴って接点が自由に移動できるように、平滑面に仕上げられている。
従って、制動時にライニング組立体13に作用する制動トルクは、ガイドプレート11に伝達され、当該ガイドプレート11が固定されているトルク受けプレート3にダイレクトに伝達される。
また、制動時にディスクロータへライニング組立体13を押圧する押圧力は、トルク受けプレート3から、リンクプレート5,6及びバネ部材24を介してライニング組立体13に作用する。
そのため、押圧力を伝達するバネ部材24と、ライニング組立体13又はリンクプレート5,6との各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
従って、ライニング組立体13の厚さ方向の寸法公差の影響を受けずに、安定した制動特性を維持することができる。
図6に示したリンクプレート5A,6Aは、裏板部22をガイドプレート11側に付勢するバネ機構70を備えた以外は、上記リンクプレート5,6と同様の構成であるので、共通部分については同符号を付して詳細な説明を省略する。
リンクプレート5A,6Aは、アーム部51,61における取付孔5a,6aと裏板当接曲面部51a,61aとの間に、バネ機構70を備えている。バネ機構70は、アーム部51,61の先端側をガイドプレート11側に屈曲させることで、トルク受けプレート3とガイドプレート11の間に挟持固定された際に、アーム部51,61の先端側が裏板部22をガイドプレート11側に弾性付勢するように構成されている。
このような構成とすることで、制動時の熱等でバネ部材24が永久変形(へたり)した場合でも、リンクプレート5A,6Aの弾性付勢力によって、裏板部22の抜け止めフランジ部22bがガイド孔部11aの周縁部に当接した状態に維持されるように、ライニング組立体13をガイドプレート11側に付勢することができる。
図7に示したリンクプレート5B,6Bは、アーム部51,61における裏板当接曲面部51a,61aより先の部分を省略した以外は、上記リンクプレート5,6と同様の構成であるので、共通部分については同符号を付して詳細な説明を省略する。
リンクプレート5B,6Bは、各アーム部51,61における裏板当接曲面部51a,61aより元の部分だけをそれぞれ係合溝22cに対向して回転防止機構51b,61bを構成しており、上記リンクプレート5,6より軽量コンパクトとしながら、同等の効果を得ることができる。
例えば、1つのディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を複数の単位摩擦パッド組立て体から構成する場合に、構成する単位摩擦パッド組立て体の数量は、1つ又は3つ以上としても良い。
また、リンクプレートも上記実施形態に限定されるものではなく、ガイドプレートとトルク受けプレートとの間に挟持固定されてこれらの間隔を保持すると共に、複数のライニング組立体に跨って配置されてトルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させることができれば、種々の形態を採りうることは云うまでもない。
5,6 リンクプレート
11 ガイドプレート
11a ガイド孔部
13 ライニング組立体
21 摩擦材
22 裏板部
22a プレート嵌合部
22b 抜け止めフランジ部
22c 係合溝
22d バネ収容凹部
24 バネ部材
26 断熱シート(断熱部材)
28 リベット
31 アンカープレート
32 リベット
34 リベット
100 ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体
110,120 単位摩擦パッド組立て体
Claims (4)
- 制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が揺動自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧されるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
前記ライニング組立体は、摩擦材の裏面に固着された裏板部に、外周面が前記ガイドプレートに設けられたガイド孔部に揺動自在に嵌合するプレート嵌合部と、前記ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部とを備え、前記ガイドプレートの裏面側から前記ガイド孔部に挿入装着されて、前記ディスクロータと前記摩擦材との接触時に作用する制動トルクを前記プレート嵌合部から前記ガイドプレートに伝達すると共に、前記裏板部の背面側に設けられたバネ部材によって前記ガイドプレート側に付勢された状態に支持されており、
前記裏板部との間に間隙を開けて前記ガイドプレートに外周部が固着されるトルク受けプレートと前記ガイドプレートの中央部近傍には、複数の前記ライニング組立体に跨って配置されて前記トルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させるリンクプレートが挟持固定され、前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとの間隔を保持する構成とする。 - 前記リンクプレートが、前記各裏板部に凹設された係合溝に係合して前記各ライニング組立体が回動するのを阻止する回転防止機構を備えることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記各裏板部と前記バネ部材との間に、断熱部材が配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
- 前記リンクプレートが、前記裏板部を前記ガイドプレート側に付勢するバネ機構を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
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