JP2007211808A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキパッドとマウンティングとの接触状態を安定化させることにより、ブレーキ鳴きを軽減できるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】キャリパの爪部56の押圧面74と裏金40との間に配置されたシム34は、爪部56の押圧力により裏金40をディスクロータの前進時の回転に対してトレーリング方向に移動させて裏金40をマウンティング12に接触させる付勢力を発生する傾斜部36を有する。傾斜部36により発生する付勢力により、ブレーキ操作ごとに、裏金40とマウンティング12との接触状態が矯正され、両者の接触状態が安定化される。その結果、アウタパッド42とディスクロータとの接触状態が安定化され、ブレーキ鳴きが軽減できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディスクブレーキ、特にディスクブレーキのブレーキ鳴きを抑制する技術に関する。
一般にディスクブレーキにおいては、キャリパの内側にディスクロータを挟んだ状態で一対のブレーキパッドが配設されている。また、車両の非回転部分に固定されたマウンティングは、ディスクの周方向に沿って隔置された左右一対の支持アームを有し、この支持アームにはガイド孔が設けられている。ガイド孔には摺動自在にスライドピンが嵌挿され、このスライドピンがボルトによりキャリパに固定されている。ガイド孔とスライドピンの摺動によりキャリパがディスクロータに向かって移動すると、一対のブレーキパッドによりディスクロータが挟圧される。回転するディスクロータをブレーキパッドが挟持すると、ブレーキパッドはディスクロータに引き摺られる状態になりディスクロータに関して接線方向の接線力、つまり制動トルクを受ける。マウンティングは、ディスクロータの回転方向後側、すなわち、トレーリング側に引き摺られて移動するブレーキパッドと当接することにより制動トルクを吸収すると共に、それ以上ブレーキパッドが移動しないようにしている。
上述のディスクブレーキの構造において、制動時にブレーキパットとディスクロータとが接触することにより振動や異音、いわゆる、ブレーキ鳴きが発生することがある。このブレーキ鳴きは、ブレーキ液圧の比較的小さいときに、主にブレーキパッドのトレーリング側やディスクロータの内周部付近で発生することが知られている。そのため、たとえば特許文献1に開示されるディスクブレーキ装置は、パッドとピストンの間に配置するシムを弾性変形可能な凸部が形成された板材で構成している。そして、ブレーキ液圧が小さいときにブレーキパッドをブレーキ鳴きが生じにくい側から先にディスクロータに押圧するようにしている。このディスクブレーキ装置は、さらに、シムに形成された凸部がブレーキ液圧が大きいときに板厚方向に潰れるようにしている。この構成により、特許文献1のディスクブレーキ装置は、ブレーキ液圧が小さいときにはブレーキ鳴きの軽減を行い、ブレーキ液圧が大きいときには均一な押圧力が確保できるようにしている。
特開平7−293609号公報
上記文献のディスクブレーキ装置は、ディスクロータとブレーキパッドとの接触状態を直接調整するような構成である。しかしながら、ディスクロータとブレーキパッドとの接触状態は、他の様々な要因によって変化する。その一つに、制動トルクを受け止めるマウンティングとブレーキパッドの接触状態がある。ブレーキパッドは、ディスクロータを挟持するためにディスクロータの回転軸方向に移動できるように、マウンティングに遊嵌状態で支持されている。つまり、マウンティングとブレーキパッドとの間には隙間が存在する。そのため、制動時にマウンティングとブレーキパッドとの接触がブレーキ操作ごとに変化し、結果的にディスクロータとブレーキパッドとの接触状態が不安定になりブレーキ鳴きが発生する原因の一つとなる。また、ディスクロータの逆回転時(後進時)に、ブレーキパッドがディスクロータに接触すると、ブレーキパッドは前進時と逆方向に移動する。そのため、マウンティングとブレーキパッドの隙間の状態は、ブレーキ操作ごとに変化してしまう。そこで、マウンティングとブレーキパッドとの接触状態、特に前進時にトレーリング側となるマウンティングとブレーキパッドの接触状態を安定化させることにより、ブレーキパットとディスクロータの接触状態を安定化させて、ブレーキ鳴きを軽減したいという要望がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブレーキパッドとマウンティングとの接触状態を安定化させることにより、ブレーキ鳴きを軽減できるディスクブレーキを提供することになる。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクロータと、前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、前記ディスクロータの摩擦摺動面と略平行な押圧面を有し、この押圧面を前記ブレーキパッドの背面に当接させて該ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付けるキャリパと、前記ブレーキパッドがディスクロータと接触したときに発生する制動力を受け止めるマウンティングと、前記キャリパの押圧面と前記ブレーキパッドとの間に配置され、前記キャリパの押圧力により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの前進時の回転に対してトレーリング方向に移動させて前記マウンティングに接触させる付勢力を発生する付勢力発生手段と、を含むことを特徴とする。
この態様によれば、キャリパの押圧面とブレーキパッドとの間に配置された付勢力発生手段により、ブレーキパッドはキャリパの押圧力を受けると、トレーリング方向に移動する付勢力を受ける。この付勢力により、ブレーキ操作ごとに、ブレーキパッドとマウンティングとの接触状態が矯正され、ブレーキパッドとマウンティングの接触状態が安定化される。その結果、ブレーキパッドとディスクロータとの接触状態が安定化され、ブレーキ鳴きが軽減できる。
また、上記態様において、前記付勢力発生手段は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する位置に形成され、前記トレーリング側からリーディング側に向かい前記押圧面側に隆起する弾性を有する傾斜部を含んでもよい。この態様によれば、傾斜部がキャリパによって押圧されることにより傾斜部が撓み、その時発生する反力によりブレーキパッドをトレーリング側に移動させる付勢力が発生できる。
また、上記態様によれば、前記傾斜部は、前記押圧面との接触部に複数形成されていてもよい。傾斜部の形成数を調整することにより付勢力の調整を容易に行うことができる。
また、上記態様において、前記傾斜部は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する面に配置された板状部材の一部を切り起こして形成してもよい。板状部材は、たとえば、ブレーキパッドの面圧を均一化したりブレーキパッドの平面度を吸収したりする機能を有するシムとすることができる。この態様によれば、傾斜部の形成を容易に行うことができる。
また、上記態様によれば、前記傾斜部は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する面に配置された板状の弾性部材を隆起させて形成してもよい。弾性部材は、たとえばゴムシートや樹脂シートとすることができる。この態様によれば、ブレーキパッドをトレーリング方向に移動させる付勢力を発生させることができると共に、ブレーキパッドとキャリパの押圧面との間に弾性部材を介在させることにより、ブレーキパッドの振動減衰効果や制動時のブレーキパッドのバネ定数の調整効果を持たせることができる。
本発明のディスクブレーキによれば、ブレーキパッドとマウンティングとの接触状態を安定化させることができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のディスクブレーキは、付勢力発生手段を有する。この付勢力発生手段は、キャリパの押圧面とブレーキパッドとの間に配置され、キャリパの押圧力によりブレーキパッドをディスクロータの前進時の回転に対してトレーリング方向に移動させてマウンティングに接触させる付勢力を発生する。付勢力発生手段が発生する付勢力により、ブレーキ操作ごとに、ブレーキパッドとマウンティングとの接触状態が矯正され、ブレーキパッドとマウンティングの接触状態が安定化される。その結果、ブレーキパッドとディスクロータとの接触状態が安定化され、ブレーキ鳴きが軽減できる。
図1は、本実施形態に係るディスクブレーキ10の概念構成図である。ディスクブレーキ10は、図示しない車両の非回転部材に固定されたマウンティング12と、マウンティング12に摺動自在に支持されるキャリパ16とを備えている。キャリパ16は、内部にピストン46を有するシリンダ部58と、シリンダ部58から伸び出してディスクロータ26を間にしてシリンダ部58と対向する爪部56(図2を参照)とを有している。シリンダ部58とは、ディスクロータ26の摩擦摺動面と略平行な押圧面を有している。そして、シリンダ部58と爪部56との間には、車輪とともに同軸に回転するディスクロータ26を挟んで、インナパッド32と、アウタパッド42が対向して配設されている。インナパッド32およびアウタパッド42のディスクロータ26に対向していない側には、それぞれ裏金30、40が貼着されている。裏金30は、ディスクロータ26のインナ側において、マウンティング12によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能に支持されている。また、裏金40は、ディスクロータ26のアウタ側において、マウンティング12によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能に支持されている。裏金30、40の構造については、図3を参照して後述する。なお、本実施形態では、裏金30とインナパッド32を併せてインナブレーキパッド、裏金40とアウタパッド42を併せてアウタブレーキパッドと呼ぶ場合もある。また、インナブレーキパッド、アウタブレーキパッドを単にブレーキパッドと呼ぶ場合もある。
裏金30の背部には、ステンレス鋼などからシム34が、たとえばリベット止めや溶接で固定されている。シム34は、インナパッド32の面圧の均一化効果や振動の減衰効果などを有する。同様に、裏金40の背部には、ステンレス鋼などからシム34が、たとえばリベット止めや溶接で固定されている。
裏金30の背部には、シム34を挟んで上述したキャリパ16のピストン46が配設されている。ピストン46が作動して裏金30を押すと、インナパッド32がディスクロータ26のインナ側(図1に示す矢印70の方向)に押圧される。また、裏金40の背部には、シム34を挟んでキャリパ16の爪部56が配置されている。この爪部56が移動して裏金40を押すと、アウタパッド42がディスクロータ26のアウタ側(図1に示す矢印72の方向)に押圧される。
マウンティング12は、内部に互いに平行なガイド孔20が形成された一対のアーム14を備えている。キャリパ16は、シリンダ部58からディスクロータ26の周方向に延在する一対のキャリパアーム18を備えている。このキャリパアーム18には、スライドピン22を当該キャリパアーム18にボルト締結するための、互いに平行なピンボルト孔44が形成されている。したがって、ディスクロータ26の軸方向に向けて、スライドピン22がそれぞれピンボルト24にて固定される。スライドピン22のガイド孔20に嵌挿される部分の長さは、ガイド孔20の深さよりも長くされている。そして、スライドピン22は、ガイド孔20に所定の間隙を有して摺動自在に嵌挿される。これにより、キャリパ16は、スライドピン22とガイド孔20の摺動によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能な状態でマウンティング12に支持される。このような構造のディスクブレーキは、浮動キャリパ型とも呼ばれる。
スライドピン22の基部と、アーム14のガイド孔20の開口端の間には、ゴム等の可撓性部材で作成された筒状のピンブーツ(ダストブーツともいう)50が取り付けられている。ガイド孔20の開口端部内周面には環状溝64が形成されており、この環状溝64内に、ピンブーツ50の一端の取付部52がスライドピン22との間に締め代をもって嵌合されている。また、スライドピン22の基部の外周にも環状溝66が形成されており、この環状溝66内にピンブーツ50の他端の取付部62が嵌合されている。そして、ガイド孔側の取付部52とスライドピン側の取付部62とを連結する蛇腹状の環状連結部60は、両取付部に比して薄肉であり、スライドピン22の摺動変位に追従して伸縮するようになっている。この環状連結部60によって、スライドピン22とガイド孔20の摺動面が被覆され、摺動面に塵や埃等の異物が侵入するのを防止している。
図2は、図1のディスクブレーキ10をディスクロータ26と直角に切断したときの断面図である。ピストン46には、裏金30の背面側をシム34を介して押圧するための押圧面73が形成されている。また、爪部56の先端には、裏金40の背面側をシム34を介して押圧するための押圧面74が形成されている。爪部56は図1に示すように二股に分かれ、それぞれの先端に押圧面74を有し、シム34を介して裏金40を2箇所でバランスよく押圧するようになっている。図示しないマスタシリンダなどが動作して液圧が供給されると、ピストン46がディスクロータ26の方向に突き出る。その結果、インナパッド32がディスクロータ26のインナ側に押し付けられるとともに、その反力でキャリパ16がピストン46の突き出し方向とは反対の方向(図1の矢印72の方向)へ移動し、爪部56の押圧面74によりアウタパッド42がディスクロータ26のアウタ側に押し付けられる。これにより、ディスクロータ26がインナパッド32およびアウタパッド42により挟圧されて、車輪が制動される。
図3は、ディスクブレーキ10を、図1に示す矢印Fの方向から見たときのキャリパ16の爪部56と裏金40の形状を示す側面図である。図示するように、キャリパ16の爪部56は、二股に分かれてそれぞれの先端がシム34を介して裏金40の背面側に接触する。裏金40を支持するマウンティング12には、凹状のトルク受け部90、92が形成されている。また、裏金40の両側面には突起94、96が形成されている。この突起94、96がマウンティング12に設けられたトルク受け部90、92と係合することにより、爪部56がディスクロータ26の方向に移動した場合に、アウタパッド42を裏金40と共にディスクロータ26の方向に移動させる。また、前述したように、ディスクロータ26とアウタパッド42が接触した場合、裏金40およびアウタパッド42はディスクロータ26の回転方向に引き摺られる。図3において、ディスクロータ26が矢印R方向に回転している場合、裏金40の突起94がトルク受け部90に押しつけられる。その結果、ブレーキ制動中にアウタパッド42がディスクロータ26に引き摺られた場合でも、アウタパッド42をディスクロータ26に対向する位置に留めておくことができる。なお、ピストン46が押圧する裏金30の両端にも突起94、96と同様な突起が形成され、マウンティング12に形成されたトルク受け部90、92と同様な凹部と係合するようになっている。したがって、裏金30およびインナパッド32もディスクロータ26に向かってスムーズに移動できるとともに、ディスクロータ26の回転方向に引き摺られてもインナパッド32をディスクロータ26に対向する位置に留めておくことができる。なお、図3においては、図示を省略しているが、トルク受け部90と突起94との間、トルク受け部92と突起96との間には、ステンレス鋼などで形成される薄板部材(パッドクリップと呼ぶ場合もある)を介在させている。この薄板部材は、マウンティング12と裏金30、40が直接接触することを回避するために設けられている。マウンティング12と裏金30、40の直接接触を回避することにより両者間における錆の発生を防止している。
ところで、前述したように、裏金30、40は、ピストン46、爪部56によって押圧され、ディスクロータ26に向かって移動する。この移動がスムーズできるように、裏金30、40はマウンティング12のトルク受け部90、92に対して遊嵌状態で係合している。つまり、図3に示すように、裏金30、40とトルク受け部90、92の間には隙間100、102が存在する。したがって、ディスクブレーキが制動力を発生する場合、前述した裏金30、40のディスクロータ26の回転方向の移動(以下、トレーリング方向の移動という)により、隙間100または隙間102が詰まる。なお、以下に説明する裏金30、40の動作は実質的に同じであるため、図3を用いて、裏金40の動作を説明する。
図3に示すように、ディスクロータ26が矢印R方向に回転する場合、裏金40の突起94側がトレーリング側となる。裏金40が隙間を詰めるために移動して、突起94の端面とトルク受け部90とが密着できれば、マウンティング12に対する裏金40の姿勢が直角となる。その結果、アウタパッド42をディスクロータ26にほぼ垂直に押し当てることができる。つまり、制動時のアウタパッド42の面圧をほぼ一定とすることができ、ブレーキ鳴きを軽減できる。
ところが、前述のように、トルク受け部90と突起94との間に薄板部材が介在するので、トルク受け部90と突起94との摺動抵抗が不安定になり、毎回同じ姿勢で突起94がトルク受け部90接触しなくなる。また、図1に示すようにキャリパ16は、ピストン46側の重量が爪部56側の重量に比べ重いので、キャリパ16自体が自重により傾き、裏金40が斜めに押圧される場合がある。その結果、隙間100を詰めるときに突起94の端面とトルク受け部90との密着が十分にできなくなる場合がある。そこで、本実施形態のディスクブレーキ10では、予めトレーリング側の隙間100を詰めるようにして、裏金30とマウンティング12の接触状態がブレーキ操作ごとに変動してしまうことを回避するようにしている。
図4は、図3を矢印T方向から見た場合の概略図であり、図5は、裏金40に固定されるシム34の斜視図である。図4、図5に示すように、シム34には、前進時のディスクロータ26の回転に対してトレーリング側からリーディング側(ディスクロータ26の回転前側)に向かい爪部56の押圧面74側に隆起する傾斜部36が形成されている。この傾斜部36は、ディスクロータ26の前進時の回転に対してトレーリング方向に裏金40を移動させてマウンティング12に接触させる付勢力を発生する付勢力発生手段として機能する。傾斜部36はシム34を構成する板材の一部を切り起こして形成することが可能であり、傾斜部36全体として弾性を有している。隆起する傾斜部36は、トレーリング側からリーディング側に向かい徐々に隆起する形状であれば、その形状は任意である。本実施形態では、矩形片を切り起こしているが、他の形状でもよい。また、傾斜部36の隆起高さは、形成される隙間100の大きさに応じて設定することが望ましい。従来のディスクブレーキで形成される隙間は、通常0.5mm以下なので、隆起高さは、たとえば0.3〜0.5mmとすることができる。
このような構成のシム34を有する裏金40がキャリパ16の爪部56により矢印L方向に押圧されると、弾性のある傾斜部36が裏金40に向かって押し込まれる。傾斜部36は自身が押圧されることにより、裏金40をトレーリング方向に移動させてマウンティング12に接触させる付勢力Pを発生する。この付勢力Pによりブレーキ操作ごとに、裏金40とマウンティング12との間の接触状態が矯正され、両者の接触状態が安定化される。つまり、突起94の端面とトルク受け部90とが密着し、マウンティング12に対する裏金40の姿勢が直角になる。その結果、アウタパッド42をディスクロータ26にほぼ垂直に押し当てることができる。そして、制動時のアウタパッド42の面圧をほぼ一定とすることができ、ブレーキ鳴きが軽減できる。
なお、ピストン46が除圧された後、裏金40がリーディング方向に動く摩擦抵抗よりトレーリング方向に動く摩擦抵抗を大きく設定しておくことが好ましい。このように裏金40の摩擦抵抗を設定しておくことにより、裏金40が傾斜部36の動作により一度トレーリング方向に付勢された後は、トルク受け部90と突起94との当接状態が維持される。隙間100が存在する場合、ブレーキ操作ごとに、トルク受け部90と突起94との接触音(クロンク音という場合もある)が発生する。しかし、上述のようにトルク受け部90と突起94の当接状態を維持することにより、接触音を防止することができる。なお、車両の後進時にディスクブレーキ10が動作した場合、裏金40はトルク受け部92に向かって移動する。しかし、再び車両が前進し、ディスクブレーキ10が動作すると、傾斜部36による付勢力により裏金40はトルク受け部90側に付勢され、前述したようなブレーキ鳴き抑制効果を発揮できる。
図6は、シム34に形成する傾斜部の他の例を示している。図6の場合も、傾斜部38は、トレーリング側からリーディング側に向かい押圧面74側に隆起するように形成されている。図6の場合、傾斜部38は弾性を有する弾性部材、たとえばゴムシートの表面を鋸歯状に隆起させることにより形成している。図6の場合も、爪部56により矢印L方向に押圧力が作用し、傾斜部38が押し潰されるときに、付勢力Pが生じ裏金40をトルク受け部90に向かって移動ささる。その結果、隙間100が詰まり、トルク受け部90と突起94の接触状態が安定化される。そして、図4の例と同様にアウタパッド42とディスクロータ26の接触を安定化させ、ブレーキ鳴きの低減に寄与できる。なお、図6の例では、傾斜部38をゴムシートで形成する例を説明したが、ゴムシートで形成したときと同様な弾性が得られれば、その材質は任意であり、たとえば、軟質性の樹脂でも同様な効果を得ることができる。
また、ゴムシートで形成される傾斜部38が、爪部56に接触している場合、後進時のブレーキ操作では、前述のように、裏金40およびアウタパッド42は矢印Q方向に引き摺られる。このとき、トレーリング側からリーディング側に向かい傾斜部38が隆起しているので、裏金40が矢印Q方向に移動しようとする場合、この傾斜部38が抵抗となる。その結果、裏金40の動きを減速するので、トルク受け部92と突起96との接触時の衝突力が軽減され、衝突音(クロンク音)が緩和される。また、従来からこのようなクロンク音を緩和するためにパッドサイド押しスプリングが採用されているが、傾斜部38による抵抗が存在することで、サイド押しスプリングのスプリング荷重を軽減でき、裏金40に関する接触抵抗の設定を容易化することができる。
また、図6のように、傾斜部38を複数形成し、爪部56と接触させることにより、裏金40に付与する付勢力Pの大きさを、接触する傾斜部38の数により調整することが可能になる。その結果、裏金40の動作に関するチューニングの自由度が向上する。また、図4の場合、各爪部56に傾斜部36を1つずつ接触させる例を示しているが、爪部56の押圧面74に接触できれば、傾斜部36を複数設けることが可能であり、図6と同様な効果を得ることができる。
また、図1に示すように、シリンダ部58は裏金30側にピストン46を有し、爪部56側より荷重が重たくなっている。したがって、図1おいて、キャリパ16が矢印72方向に傾く傾向がある。しかし、本実施形態においては、弾性力を有する傾斜部36または傾斜部38が爪部56と接触するため、キャリパ16の倒れ込み軽減に寄与することができる。つまり、傾斜部36または傾斜部38はキャリパ16の姿勢安定化にも寄与することができる。
なお、上述した各説明では裏金40側について述べたが、ピストン46が押圧する裏金40側にも同様な傾斜部36または38が形成され、同様な裏金40の付勢動作を行い、同様な効果を得ることができる。また、本実施形態では、傾斜部36、38をシム34に形成する例を示したが、傾斜部36、38は裏金30、40に直接形成することも可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、キャリパの押圧力によりブレーキパッドをトレーリング方向に移動させてマウンティングに接触させる付勢力を発生する付勢力発生手段を含むものであれば、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。また、各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係るディスクブレーキを示す図である。 図1のディスクブレーキの断面図である。 裏金とマウンティングの係合状態を説明する側面図である。 シムに形成された傾斜部の動作を説明する説明図である。 シムに形成された傾斜部の形状を説明する説明図である。 シムに形成された傾斜部の他の形態を説明する説明図である。
符号の説明
10 ディスクブレーキ、 12 マウンティング、 14 アーム、 16 キャリパ、 18 キャリパアーム、 20 ガイド孔、 22 スライドピン、 24 ピンボルト、 26 ディスクロータ、 30、40 裏金、 32 インナパッド、 34 シム、 36、38 傾斜部、 42 アウタパッド、 44 ピンボルト孔、 46 ピストン、 50 ピンブーツ、 52 取付部、 56 爪部、 58 シリンダ部、 60 環状連結部、 62 取付部、 64 環状溝、 66 環状溝、 74 押圧面、 90、92 トルク受け部、 94、96 突起、 100、102 隙間。

Claims (5)

  1. 車輪とともに回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、
    前記ディスクロータの摩擦摺動面と略平行な押圧面を有し、この押圧面を前記ブレーキパッドの背面に当接させて該ブレーキパッドを前記ディスクロータに押し付けるキャリパと、
    前記ブレーキパッドがディスクロータと接触したときに発生する制動力を受け止めるマウンティングと、
    前記キャリパの押圧面と前記ブレーキパッドとの間に配置され、前記キャリパの押圧力により前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの前進時の回転に対してトレーリング方向に移動させて前記マウンティングに接触させる付勢力を発生する付勢力発生手段と、
    を含むことを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記付勢力発生手段は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する位置に形成され、前記トレーリング側からリーディング側に向かい前記押圧面側に隆起する弾性を有する傾斜部を含むことを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記傾斜部は、前記押圧面との接触部に複数形成されていることを特徴とする請求項2記載のディスクブレーキ。
  4. 前記傾斜部は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する面に配置された板状部材の一部を切り起こして形成することを特徴とする請求項2または請求項3記載のディスクブレーキ。
  5. 前記傾斜部は、前記ブレーキパッドの前記押圧面と接触する面に配置された板状の弾性部材が隆起して形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のディスクブレーキ。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281370A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Toyota Motor Corp パッド戻し機構及びディスクブレーキ装置
JP2015102135A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 日信工業株式会社 車両用ディスクブレーキ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010281370A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Toyota Motor Corp パッド戻し機構及びディスクブレーキ装置
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