JP2006250188A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキパッドとディスクロータの摺動面における面圧を均一にする。
【解決手段】 ディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクロータ26と、ディスクロータ26の摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッド42と、ブレーキパッド42に貼着された第1裏金部材40aと、第1裏金部材と面接触して配置される平板状の第2裏金部材40bと、第2裏金部材40bを押圧してブレーキパッド42をディスクロータ26に摺接させる押圧面74をひとつ以上有するキャリパと、を備える。第2裏金部材40bの第1裏金部材側の面に、キャリパの押圧面74が該第2裏金部材に当接する箇所の裏側にあたる部分に凹み34が形成されている。この凹み34は、キャリパにより第2裏金部材40bが押圧されたとき、ブレーキパッド42とディスクロータ26との摺接面に発生する面圧を略均一ならしめる形状を有している。
【選択図】 図5

Description

本発明はディスクブレーキに関し、より詳細には、ディスクロータとブレーキパッドとの接触面圧を均等にする技術に関する。
一般にディスクブレーキにおいては、キャリパの内側にディスクロータを挟んだ状態で一対のブレーキパッドが配設されている。車両の非回転部分に固定されたマウンティングは、ディスクの周方向に沿って隔置された左右一対の支持アームを有し、支持アームにはガイド孔が設けられている。ガイド孔に摺動自在に嵌挿されたスライドピンが、ボルトによりキャリパに固定されている。ガイド孔とスライドピンの摺動によりキャリパがディスクロータに向かって移動すると、一対のブレーキパッドによりディスクロータが挟圧されて車輪の制動が行われる。
上記ディスクブレーキ構造において、ブレーキパッドがディスクロータに対して均一に押し付けられないことがある。こうすると、制動時に面圧不均一に起因するブレーキ振動やブレーキ鳴きが発生したり、ブレーキパッドの偏摩耗が生じたりする。
ブレーキパッドの面圧不均一に起因する種々の不具合を解消する様々な技術が知られている。例えば、特許文献1には、ブレーキパッドの背面に当接する断面円形の当接棒を取り付けたディスクブレーキ装置が開示されている。これによると、ブレーキパッドを押圧したとき、円形の当接棒のためにブレーキパッドの押圧力中心が保持されるため、ディスクロータに対するブレーキパッドの圧接力が各部略均等になり、パッドの偏摩耗を防止できるとしている。
実開昭55−177533号公報 実開昭57−24335号公報
しかしながら、上記特許文献1においては、当接棒とブレーキパッドとの接触面積が小さいため、ブレーキパッドの圧接力が高かったりブレーキディスクにうねりがあるときなどに、ブレーキパッドをディスクロータに適切に押し付けられないことも起こり得る。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディスクロータとブレーキパッドとの接触面圧を均等にする構造を有したディスクブレーキを提供することにある。
本発明のある態様は、ディスクブレーキに関する。このディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクロータと、前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、前記ブレーキパッドに貼着された第1裏金部材と、前記第1裏金部材と面接触して配置される平板状の第2裏金部材と、前記第2裏金部材を押圧して前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに摺接させる押圧面をひとつ以上有するキャリパと、を備える。そして、前記第2裏金部材の第1裏金部材側の面に、前記キャリパの押圧面が該第2裏金部材に当接する箇所の裏側にあたる部分に凹みが形成されていることを特徴とする。
この態様によれば、第2裏金部材のうち、キャリパの押圧面が当接するために面圧が高くなる箇所に凹みを設けて、第1裏金部材を直接に押圧しないようにしたので、当接箇所で局部的に高い面圧が発生しにくくなり、ブレーキパッドとディスクロータの摺接面に発生する面圧をならすことができる。したがって、ディスクブレーキの振動や異音が低減され、またブレーキパッドの偏摩耗が少なくなる。
前記凹みは、前記キャリパにより前記第2裏金部材が押圧されたとき、前記ブレーキパッドと前記ディスクロータとの摺接面に発生する面圧を均一ならしめる形状を有していることが好ましい。こうすると、ブレーキパッドが部分的にディスクブレーキの摺接面に当たることがなくなるため、ブレーキパッドの偏摩耗がさらに少なくなる。
本発明の別の態様も、ディスクブレーキに関する。このディスクブレーキは、車輪とともに回転するディスクロータと、前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、前記ブレーキパッドに貼着され、該ブレーキパッドの背面に空間を画成するように形成された第1裏金部材と、前記空間内に配置される平板状の第2裏金部材と、前記第1裏金部材と前記第2裏金部材の間に充填される弾性部材と、前記第2裏金部材を押圧して前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに摺接させる押圧面をひとつ以上有するキャリパと、を備える。そして、前記第1裏金部材と前記第2裏金部材の間には、前記キャリパにより該第2裏金部材が押圧されたときの前記弾性部材の変形を許容するための間隙が形成されることを特徴とする。
この態様によれば、キャリパの爪部で押圧された第2裏金部材からの圧力が弾性部材の変形により第1裏金部材に略均一に伝達されるため、ブレーキパッドとディスクロータとの摺接面に発生する面圧を略均一にすることができる。したがって、ディスクブレーキの振動や異音が低減され、またブレーキパッドの偏摩耗が少なくなる。
前記第1裏金部材は、前記第2裏金部材の外周を囲う側壁部を有し、前記間隙は、前記第1裏金部材の側壁部と前記第2裏金部材の外周との間に形成されてもよい。こうすると、第2裏金部材がディスクロータにより引き摺られる方向に間隙の分だけ移動できるため、ブレーキパッドの微少振動を弾性部材で吸収してブレーキ鳴きを軽減することができる。
本発明のディスクブレーキによれば、ブレーキパッドとディスクロータとの接触面圧を略均等にすることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ10を示す。ディスクブレーキ10は、図示しない車両の非回転部材に固定されたマウンティング12と、マウンティング12に摺動自在に支持されるキャリパ16とを備えている。キャリパ16は、内部にピストン46を有するシリンダ部58と、シリンダ部から伸び出してディスクロータ26を間にしてシリンダ部と対向する爪部56(図2を参照)とを有している。シリンダ部58と爪部56との間には、車輪とともに同軸に回転するディスクロータ26を挟んで、インナブレーキパッド32と、アウタブレーキパッド42(合わせて「ブレーキパッド」とも呼ぶ)が対向して配設されている。インナブレーキパッド32およびアウタブレーキパッド42のディスクロータ26に対向していない側には、それぞれ裏金構成体30、40が貼着されている。裏金構成体30は、ディスクロータ26のインナ側において、マウンティング12によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能に支持されている。また、裏金構成体40は、ディスクロータ26のアウタ側において、マウンティング12によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能に支持されている。裏金構成体30、40の構造については、図5を参照して後述する。
裏金構成体30の背部には、上述したキャリパ16のピストン46が配設されている。ピストン46が作動して裏金構成体30を押すと、インナブレーキパッド32がディスクロータ26のインナ側(図1に示す矢印70の方向)に押圧される。また、裏金構成体40の背部には、キャリパ16の爪部56が配置されている。この爪部56が移動して裏金構成体40を押すと、アウタブレーキパッド42がディスクロータ26のアウタ側(図1に示す矢印72の方向)に押圧される。
マウンティング12は、内部に互いに平行なガイド孔20が形成された一対のアーム部14を備えている。キャリパ16は、シリンダ部58からディスクロータ26の周方向に延在する一対のキャリパアーム18を備えている。このキャリパアーム18には、スライドピン22をキャリパアーム18にボルト締結するための、互いに平行なピンボルト孔44が形成されている。ディスクロータ26の軸方向に向けて、スライドピン22がそれぞれピンボルト24にて固定される。スライドピン22のガイド孔20に嵌挿される部分の長さは、ガイド孔20の深さよりも大きくされている。そして、スライドピン22は、ガイド孔20に所定の間隙を有して摺動自在に嵌挿される。これにより、キャリパ16は、スライドピン22とガイド孔20の摺動によりディスクロータ26の軸方向に摺動可能な状態でマウンティング12に支持される。このような構造のディスクブレーキは、浮動キャリパ型とも呼ばれる。
スライドピン22の基部と、アーム部14のガイド孔20の開口端の間には、ゴム等の可撓性部材で作成された筒状のピンブーツ(ダストブーツともいう)50が取り付けられている。ガイド孔20の開口端部内周面には環状溝64が形成されており、この環状溝64内に、ピンブーツ50の一端の取付部52がスライドピン22との間に締め代をもって嵌合されている。また、スライドピン22の基部の外周にも環状溝66が形成されており、この環状溝66内にピンブーツ50の他端の取付部62が嵌合されている。そして、ガイド孔側の取付部52とスライドピン側の取付部62とを連結する蛇腹状の環状連結部60は、両取付部に比して薄肉であり、スライドピン22の摺動変位に追従して伸縮するようになっている。この環状連結部60によって、スライドピン22とガイド孔20の摺動面が被覆され、摺動面に塵や埃等の異物が侵入するのを防止している。
マウンティング12には、凹状のトルク受け部(図示せず)が形成されている。また、裏金構成体30、40の両側面には突起90(図3を参照)が形成されている。この突起90がマウンティング12に設けられたトルク受け部に嵌め合わされることで、ブレーキ制動中にブレーキパッド32、42がディスクロータ26に引き摺られた場合でも、ブレーキパッド32、42をディスクロータ26に対向する位置に留めておくことができる。
図2は、図1のディスクブレーキ10をディスクロータ26と直角に切断したときの断面図である。ピストン46は、裏金構成体30の背面、すなわちブレーキパッドに貼着されていない側に接続されている。また、爪部56の先端には、裏金構成体40の背面に平面で接触する押圧面74が形成されている。爪部56は二股に分かれ、それぞれの先端に前記押圧面を有し、裏金構成体40には二つの押圧面74で接触する。外部から供給される油圧によって、ピストン46がディスクロータ26の方向に突き出されると、インナブレーキパッド32がディスクロータ26のインナ側に押し付けられるとともに、その反力でキャリパ16がピストン46の突き出し方向とは反対の方向(図1の矢印72の方向)へ移動され、爪部56の押圧面74によりアウタブレーキパッド42がディスクロータ26のアウタ側に押し付けられる。これにより、ディスクロータ26がインナブレーキパッド32およびアウタブレーキパッド42により挟圧されて、車輪が制動される。
図3は、ディスクブレーキ10を、図1に示す矢印92の方向から見たときのキャリパ16の爪部56と裏金構成体40の形状を示す。図示するように、キャリパ16の爪部56は、二股に分かれてそれぞれの先端が裏金構成体40の背面に接触する。詳細は後述するが、爪部56が裏金構成体40に接触する部分には、裏金構成体40の内部に凹み34が形成されている。
図4は、図3のA−A断面におけるブレーキパッドに生じる面圧分布を表すグラフである。図4中、横軸はA−A断面上の位置に対応し、縦軸は面圧を表す。キャリパ16の押圧面74と裏金構成体40とが当接する部分(図4中に示すC部)では、キャリパの押圧力により周囲よりも面圧が高くなるが、それ以外の部分では裏金構成体40の反り返りなどによって面圧が低下するため、ブレーキパッドには、図4に示すような不均一な面圧分布が生じる。
このように面圧分布が不均一になると、ブレーキパッドが安定的に保持されなくなるためにブレーキパッドが振動して、ブレーキ鳴きや異音の発生原因になる。また、ブレーキパッドの偏摩耗の原因ともなる。
これを解決すべく、ある特定の油圧のときにブレーキパッドやキャリパを面圧が均一になるようにセッティングしたとしても、油圧が変化すると面圧分布が均一にならなくなってしまう。また、別の方法として、キャリパ16の爪部56を裏金構成体40となるべく大きな面積で当接させることも考えられる。しかし、一般に、図1に示すようなピストンを有するキャリパを一体的に成形しようとすると、シリンダ部58にシリンダを穿設するための工具を通す空間を確保する必要があり、爪部56の面積を大きく取ることができなくなる。キャリパ16を爪部56とシリンダ部58とに分割できる構造とすることも考えられるが、組立工程が増加してコスト的に不利である。
そこで、本実施の形態では、ブレーキパッドとディスクロータとの摺接面に発生する面圧のばらつきを小さくすることで、ブレーキパッドの偏摩耗や、ブレーキ振動、異音の発生を低減するようにした。
図5は、裏金構成体40およびアウタブレーキパッド42の詳細な構造を示し、図3のA−A断面図に対応する。図5では、下側がディスクロータ26と摺接する側である。裏金構成体40は、第1裏金部材40aと第2裏金部材40bとから構成される。第1裏金部材40aはアウタブレーキパッド42に貼着される。第2裏金部材40bは、第1裏金部材40aと面接触するように配置される。第1裏金部材40aには貫通孔76が設けられており、アウタブレーキパッド42に形成されている突起38がこの貫通孔76に嵌め込まれ、アウタブレーキパッド42のずれを防止している。第2裏金部材40bの第1裏金部材40aと接触する面には、キャリパの爪部56の押圧面74が当接する箇所の裏側にあたる部分に、凹み34が形成されている。凹み34の底部からは突起36が突き出ており、この突起36が第1裏金部材40aの貫通孔76に嵌め込まれる。これによって、第1裏金部材40aと第2裏金部材40bのずれが防止される。
図4に関して述べたように、キャリパ16の爪部56が第2裏金部材40bに当接する部分は面圧が局部的に高くなる。この部分をくりぬくように凹み34を設け、第1裏金部材40aを直接に押圧しないようにしたことで、当接部分で局部的に高い面圧が発生することがなくなり、ブレーキパッドとディスクロータとの摺接面に発生する面圧をならすことができる。
なお、図5において凹み34は長方形の断面形状を有しているが、凹み34の断面は、第1裏金部材40aから緩やかに離れるような形状に形成されるのが好ましい。こうすれば、凹み34のエッジ部分で面圧が局部的に高くなるのを避けることができる。
また、凹み34の断面は、キャリパの爪部56により第2裏金部材40bが押圧されたとき、アウタブレーキパッド42とディスクロータ26との摺接面に発生する面圧が均一となるように、第2裏金部材40bの厚みを変化させることが好ましい。より具体的には、予めキャリパ16でブレーキパッド42をディスクロータ26に押し付けたときに摺接面に発生する面圧を測定しておく。そして、面圧が均一になるように、凹み34のうち、測定された面圧が比較的高い部分は、第2裏金部材40bが弾性変形した場合にも第1裏金部材40aと接触しないように凹み34を深く形成する。また、凹み34のうち、爪部56の端部が当接する、面圧の比較的低い部分については、第2裏金部材40bが弾性変形したときに第2裏金部材40bが第1裏金部材40aと接触する程度の深さに凹み34を形成する。こうして面圧を略均一にすることによって、ブレーキパッド42とディスクロータ26との当たりが略均等になるため、ブレーキの振動や異音が低減され、ブレーキパッド42の偏摩耗も減少する。
以上説明したように、実施の形態1によれば、第2裏金部材40bの厚みまたは形状を変えることによって、ブレーキパッドとディスクロータの摺接面に発生する面圧を調整することができる。
図5では、アウタブレーキパッド42および裏金構成体40を取り上げて説明したが、インナブレーキパッド32および裏金構成体30についても本実施の形態を適用することができる。インナ側では、ピストン46が裏金構成体30の一部にのみ押し付けられるため、ピストン接触部分の面圧が局部的に高くなり、制動時にブレーキ振動や異音が発生しうる。本実施の形態を適用して、裏金構成体30に第1裏金部材および第2裏金部材の二枚構造を採用し、第2裏金部材のうち、ピストン接触部分の裏側にあたる部分に凹みを設けることで、ブレーキ振動や異音を低減することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態1で述べた裏金構成体40に代替しうる裏金構成体80およびアウタブレーキパッド82の詳細な構造を示し、図3のA−A断面図に対応する。図5と同様に、図6の下側がディスクロータ26と摺接する側である。裏金構成体80は、第1裏金部材80aと、第2裏金部材80bと、弾性部材80cとから構成される。第1裏金部材80aはブレーキパッド82に貼着される。この第1裏金部材80aは、ブレーキパッド82の背面に空間を画成するように箱状に形成される。具体的には、第1裏金部材80aは、ブレーキパッド82の外形より若干大きな形状に形成された底面94と、この底面の周状に、ディスクロータ26とは逆向きに起立した側壁部96とから形成される。平板状の第2裏金部材80bは、第1裏金部材80aにより画成された空間内に配置される。第1裏金部材80aと第2裏金部材80bにより、両者の間に空間が形成される。この空間を埋めるように、弾性部材80cが充填される。弾性部材80cは、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)やNBR(ニトリルゴム)などの弾性体である。第2裏金部材80bは、第1裏金部材80aの側壁部96と第2裏金部材80bの外周との間に間隙98が空くような大きさに形成される。間隙98は、例えば0.5mmであり、キャリパ16の爪部56により第2裏金部材80bが押圧されたとき、弾性部材80cの変形を許容するために設けられる。すなわち、第2裏金部材80bがディスクロータ26の方向に押圧されると、弾性部材80cが第2裏金部材80bによって圧縮されて変形し、その一部が間隙98に押しやられる。弾性部材80cの変形した分だけ、第2裏金部材80bは第1裏金部材80aの画成する空間内を下降する。
第1裏金部材80aと第2裏金部材80bの形成する空間内に弾性部材80cを封じ込めることによって、弾性部材80cは液体のような挙動を示す。したがって、キャリパ16の爪部56で押圧された第2裏金部材80bからの圧力が、第1裏金部材80aに略均等に伝達される。第1裏金部材80aとブレーキパッド82とは平面で接しているため、ブレーキパッド82とディスクロータ26との摺接面に発生する面圧も略均一になる。このため、ディスクブレーキの振動、異音、またはブレーキパッド82の偏摩耗が低減される。
また、ディスクブレーキの制動中にディスクロータ26が振れると、これに追従してブレーキパッドが上下動するが、図6に示す裏金構成体80によれば、弾性部材80cによりこの上下動の一部が吸収されるため、ブレーキパッド82および裏金構成体80を保持するマウンティング12のトルク受け部(図示せず)に生じるトルク変動を低減することができる。このトルクは、ブレーキパッド82をディスクロータ26に対して押し付けるときに摩擦力として作用するので、トルク変動を低減することでブレーキパッドのディスクロータに対する追従性の低下を抑えることができる。
また、図6において、第1裏金部材80aと第2裏金部材80bとの間に間隙98が形成されているために、第2裏金部材80bは第1裏金部材80aに対して図6の横方向、つまりディスクロータ26により引き摺られる方向にも間隙98の分だけ移動することができる。このため、ブレーキパッド82の微少な振動も弾性部材80cにより吸収することができるので、制動時のブレーキパッドの微少振動により発生するブレーキ鳴きを軽減する効果も有する。
第1裏金部材80aの底面94には、凸部84を設けてもよい。この凸部84は、キャリパ16の押圧力が所定値より高くなり、弾性部材80cの変形で押圧力を吸収しきれなくなったときに、第2裏金部材80bと直接接触して、弾性部材80cが押しつぶされて間隙98からはみ出すことを防止する。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施の形態では、ピストンがひとつのキャリパについて述べたが、ピストンが二つあるダブルピストン型のキャリパについても本発明を適用することができる。
本発明の実施の形態に係るディスクブレーキを示す図である。 図1のディスクブレーキの断面図である。 キャリパと裏金構成体の形状を示す図である。 図3のA−A断面における面圧分布を表すグラフである。 実施の形態1に係る裏金構成体およびブレーキパッドの詳細な構造を示す断面図である。 実施の形態2に係る裏金構成体およびブレーキパッドの詳細な構造を示す断面図である。
符号の説明
10 ディスクブレーキ、 12 マウンティング、 16 キャリパ、 18 キャリパアーム、 26 ディスクロータ、 30 裏金構成体、 32 インナブレーキパッド、 34 凹み、 40 裏金構成体、 40a 第1裏金部材、 40b 第2裏金部材、 42 アウタブレーキパッド、 46 ピストン、 56 爪部、 58 シリンダ部、 74 押圧面、 80 裏金構成体、 80a 第1裏金部材、 80b 第2裏金部材、 80c 弾性部材、 82 アウタブレーキパッド、 84 凸部、 94 底面、 96 側壁部、 98 間隙。

Claims (4)

  1. 車輪とともに回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドに貼着された第1裏金部材と、
    前記第1裏金部材と面接触して配置される平板状の第2裏金部材と、
    前記第2裏金部材を押圧して前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに摺接させる押圧面をひとつ以上有するキャリパと、
    を備え、
    前記第2裏金部材の第1裏金部材側の面に、前記キャリパの押圧面が該第2裏金部材に当接する箇所の裏側にあたる部分に凹みが形成されていることを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記凹みは、前記キャリパにより前記第2裏金部材が押圧されたとき、前記ブレーキパッドと前記ディスクロータとの摺接面に発生する面圧を均一ならしめる形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 車輪とともに回転するディスクロータと、
    前記ディスクロータの摩擦摺動面に相対して配置されるブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドに貼着され、該ブレーキパッドの背面に空間を画成するように形成された第1裏金部材と、
    前記空間内に配置される平板状の第2裏金部材と、
    前記第1裏金部材と前記第2裏金部材の間に充填される弾性部材と、
    前記第2裏金部材を押圧して前記ブレーキパッドを前記ディスクロータに摺接させる押圧面をひとつ以上有するキャリパと、
    を備え、
    前記第1裏金部材と前記第2裏金部材の間には、前記キャリパにより該第2裏金部材が押圧されたときの前記弾性部材の変形を許容するための間隙が形成されることを特徴とするディスクブレーキ。
  4. 前記第1裏金部材は、前記第2裏金部材の外周を囲う側壁部を有し、
    前記間隙は、前記第1裏金部材の側壁部と前記第2裏金部材の外周との間に形成されることを特徴とする請求項3に記載のディスクブレーキ。
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