JP4752405B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスクブレーキ装置、特にディスクブレーキ装置の摩擦材を支持するパッド裏金の改良に関する。
車両の制動を行う制動装置の一つとして、ディスクブレーキ装置がある。このディスクブレーキは、車輪と共に回転するディスクロータとキャリパとで構成される。キャリパは、外形を形成すると共にシリンダとして機能するハウジング部と、キャリパ自体を車体側に固定すると共に、制動時に発生する制動トルクを受け止めるトルク受け面を含むマウントを有して構成されている。ハウジング部にはピストンが内包されていると共に、ディスクロータを挟んで配置される一対の摩擦材と、この摩擦材をそれぞれ支持する一対のパッド裏金が含まれている。パッド裏金の両端部には、凸形状のガイド部が形成され、マウントのトルク受け面を形成する溝に係合してパッド裏金をマウントに支持させている。このような構成のディスクブレーキ装置において、ハウジング部とピストンの間に油圧を導入すると、ガイド部が溝内を摺動してディスクロータ側に移動し、摩擦材をディスクロータに押圧して制動力を発生することができる。
摩擦材は、例えば扇形形状とされ、パッド裏金は、この摩擦材を支持するように例えばほぼ同形状または矩形形状となっている。摩擦材は、制動時にディスクロータと接触して制動力を発生しつつ、ディスクロータに引き摺られるため、例えば前進走行時には前方に接線力が発生し、この接線力がパッド裏金のガイド部を介してマウントのトルク受け面に作用する。パッド裏金は、シリンダによってディスクロータに向かって移動しようとすると同時に、摩擦材の制動トルクによって発生する接線力でトルク受け面に押しつけられる。
従来、ディスクブレーキ装置の制動時に発生する異音、いわゆる「ブレーキ鳴き」や振動を抑制するために、パッド裏金を大きな力でトルク受け面に押しつけて、振動させないようにすれば、必然的に振動やブレーキ鳴きは低減されるという考え方がある。例えば、特許文献1に開示されるディスクブレーキ装置では、パッド裏金のガイド部をシリンダの押圧中心から意図的にディスクロータの中心側にオフセットさせている。この場合、制動時の接線力によって摩擦材に生じる回転モーメントが制動力によって摩擦材に生じる回転モーメントと同じ向きになる。その結果、パッド裏金および摩擦材はディスクロータの回転方向に回転することになり、パッド裏金および摩擦材の回転拘束力が増大する。つまり、パッド裏金がトルク受け面に大きな力で押圧することによりブレーキ鳴きや振動を抑制している。
特開平8−135696号公報
しかし、パッド裏金は制動時にトルク受け面に強く押圧されつつ、ディスクロータに向かって移動するため、パッド裏金のガイド部をシリンダの押圧中心よりディスクロータの中心側にオフセットさせた場合、押圧中心の下側にあるガイド部のところで摺動抵抗力がディスクロータから離れる方向に発生する。そのため、パッド裏金および摩擦材の上側(ディスクロータの外周側)がディスクロータ側に傾くような回転モーメントが生じる。その結果、摩擦材の上側が下側より強くディスクロータに押圧され、摩擦材の偏摩耗の原因になるという問題があった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、パッド裏金がディスクロータに押圧されるときに、パッド裏金の傾きを低減できるようなパッド裏金を有するディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に対向して配置される摩擦材と、前記摩擦材の前記ディスクロータに対向しない面を支持する支持面を有すると共に、当該支持面と直交する両端面に所定の縦幅を持つ一対のガイド部を有するパッド裏金と、前記ディスクロータの回転軸と実質的に平行な方向に前記パッド裏金の非支持面を押圧して、前記摩擦材をディスクロータの摩擦摺動面に押し当てる押圧手段と、前記パッド裏金が前記押圧手段により押圧されて前記摩擦材が前記ディスクロータに接触したときに摩擦材に生じる制動トルクを前記ガイド部を介して受け止めるトルク受け面を含むと共に前記ガイド部を前記ディスクロータに対して接離する方向に摺動自在に収納するトルク受け溝を有する車体固定マウントと、を含み、前記ガイド部は、その縦幅が前記摩擦材の最大縦幅の1/3以下であり、その形成位置は前記パッド裏金の端面において、前記摩擦材の下端位置を基準に前記最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間であり、一対の当該ガイド部のそれぞれの縦幅の二等分点を結ぶガイド部中心線が、前記押圧手段が前記パッド裏金の非支持面を押圧したときの押圧中心点を通る押圧方向の押圧線と実質的に交わるように前記パッド裏金に形成されていることを特徴とする。
ここで、ガイド部の縦幅とは、係合するトルク受け面の係合下端位置と係合上端位置とで規定される幅である。ディスクロータが傾いて回転している場合で、例えばディスクロータの外周側で摩擦材が摩擦摺動面に接触し始める状態で、内周側で既に摩擦材とディスクロータとが接触し押圧され摩擦材が圧縮されている場合を考える。この場合、圧縮による反力の重心は、摩擦材最大縦幅の内周側端面から1/3の位置になることを見いだした。したがって、反力によってガイド部に生じる摩擦摺動面に向く摺動摩擦力が、摩擦材最大縦幅の内周側端面から1/3の位置より外周側で生じれば、摩擦材の外周側をディスクロータの摩擦摺動面に押しつける回転モーメントが生じることを見いだした。その結果、摩擦材がディスクロータと平行になる向きに姿勢補正される。逆にディスクロータの内周側で摩擦材が摩擦摺動面に接触し始める状態で、外周側で既に摩擦材とディスクロータとが接触し押圧され、摩擦材が圧縮されている場合を考える。この場合、圧縮による反力の重心は、摩擦材最大縦幅の外周側端面から1/3の位置になることを見いだした。したがって、反力によってガイド部に生じる摩擦摺動面に向く摺動摩擦力が、摩擦材最大縦幅の外周側端面から1/3の位置より内周側で生じれば、摩擦材の内周側をディスクロータの摩擦摺動面に押しつける回転モーメントが生じることを見いだした。その結果、摩擦材がディスクロータと平行になる向きに姿勢補正される。したがって、ガイド部の縦幅を摩擦材の最大縦幅の1/3以下とし、摩擦材の下端位置を基準に前記最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間に位置させることにより、ディスクロータが傾いて回転している場合でも、摩擦材がディスクロータに平行に近づくように、摩擦材の姿勢を補正し偏摩耗が低減できる。なお、摩耗材の最大縦幅とは、摩擦材の最内周端部と最外周端部とで規定される幅である。
また、制動時にガイド部で発生するディスクロータから離れる方向の摺動抵抗力による回転モーメントは、押圧手段の押圧線の上下で釣り合う。そのため、パッド裏金は、押圧手段の押圧方向にほぼ平行にディスクロータを押圧する。その結果、摩擦材の偏摩耗が低減される。また、パッド裏金をディスクロータに接近させるときにガイド部で生じる摺動抵抗力も押圧手段の押圧線の上下で釣り合うため、パッド裏金は、押圧方向にほぼ平行にディスクロータへ向かって移動し、摩擦材はディスクロータに平行な姿勢のまま接触する。その結果、摩擦材とディスクロータとは接触後も平行姿勢のまま押圧され、摩擦材の偏摩耗の低減を効率的にできる。
本発明のディスクブレーキ装置によれば、摩擦材の偏摩耗を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のディスクブレーキ装置のキャリパは、摩擦材と、この摩擦材を支持する支持面を有すると共に、一対のガイド部を有するパッド裏金と、押圧手段と、車体固定マウントと、を含んでいる。そして、ガイド部のガイド部中心線が、押圧手段の押圧中心点を通る押圧方向の押圧線と実質的に交わるようにパッド裏金に形成されることにより、パッド裏金のガイド部に発生する摺動摩擦力が押圧線の上下で等しくなり、パッド裏金を押圧方向にほぼ平行に押圧することができる。その結果、摩擦材の偏摩耗を低減できる。また、ガイド部の縦幅を摩擦材の最大縦幅の1/3以下とすると共に、その形成位置をパッド裏金の端面において、摩擦材の下端位置を基準に前記最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間で設定する。これにより、ディスクロータが傾いて回転している場合でも、摩擦材をディスクロータに平行に近づくように補正可能となり偏摩耗が低減できる。
図1は、本実施形態のディスクブレーキ装置を構成する浮動型のキャリパ10の側面図、図2は、図1の線分A−Aにおける断面図である。また、図3は、図2の線分B−Bにおける断面図である。本実施形態のキャリパ10は、図1に示すように大別して、キャリパ自身を図示しない車体側に固定するための車体固定マウント(マウンティング)12と、ディスクロータに押圧され制動力を発生するブレーキパッド14と、ブレーキパッド14を駆動するために押圧手段として機能するシリンダ部16とで構成されている。車輪と共に回転するディスクロータ18は図2に示すように、一対のブレーキパッド14の間に存在する。ディスクロータ18の側面18a、18bは摩擦摺動面を構成し、一対のブレーキパッド14がディスクロータ18を挟んで対向配置される。このブレーキパッド14は、ディスクロータ18の側面18a、18bと直接接触する摩擦材20と、この摩擦材20の裏側、すなわちディスクロータ18と接触しない側を支持するパッド裏金22によって構成されている。
キャリパ10は、左右方向に変位可能に車体固定マウント12を介して車体側に取り付けられている。キャリパ10のシリンダ部16には、図2に示すように、有底の穴24が穿設されており、この穴24には、ピストン26が摺動可能に嵌挿されている。穴24の底にはポート(不図示)が設けられ、油圧配管を介してマスターシリンダ(不図示)に接続されている。運転者がブレーキペダルを操作するとマスターシリンダからのブレーキ油がポート内に流入し、ピストン26を駆動するようになっている。
ブレーキ油がポート内に流入すると、ピストン26が図2に示す非動作状態から矢印R方向、すなわちピストン26の押圧方向に摺動し、パッド裏金22aを介して摩擦材20aをディスクロータ18の側面18aに押圧する。摩擦材20aがディスクロータ18に押圧されると、ピストン26は摺動を停止する。ピストン26が摺動を停止した後も、ブレーキ油がポート内に流入すれば穴24内の油圧がさらに上昇する。その結果、停止したピストン26が逆に穴24の内面を押圧し、シリンダ部16を構成するシリンダハウジング16aを矢印L方向、すなわち矢印R方向の逆方向に押圧し、油圧の上昇に伴って、シリンダハウジング16aが矢印L方向に変位する。
シリンダハウジング16aの非シリンダ形成側には爪部28が形成されており、シリンダハウジング16aの矢印L方向への変位に伴って、爪部28がパッド裏金22bを介して摩擦材20bをディスクロータ18の側面18bに押圧する。したがって、ディスクロータ18を一対の摩擦材20a,20bにより押圧挟持する状態となり、ディスクロータ18を効率的に制動させることが可能となる。
摩擦材20aを支持するパッド裏金22aは、図3に示すように、パッド裏金22aの摩擦材20aの支持面の両端面に形成され、所定の縦幅Pを持つ一対のガイド部30を有している。このガイド部30が、車体固定マウント12側に形成されたトルク受け面として機能するトルク受け溝32と遊嵌状態で係合している。ここで、ガイド部30の縦幅Pとは、ガイド部30が係合するトルク受け溝32の係合下端位置と係合上端位置とで規定される幅である。回転するディスクロータ18に摩擦材20aを接触させると、当該摩擦材20aはディスクロータ18に引き摺られる状態になりディスクロータ18に関して接線方向の接線力、つまり制動トルクを受けることになる(図2参照)。この接線力をパッド裏金22aを介して車体固定マウント12のトルク受け溝32で受け止めることになる。言い換えれば、トルク受け溝32はパッド裏金22aの押圧時にディスクロータ18の回転方向に対して摩擦材20aの出口側のパッド裏金22aの端面部と接触して摩擦材20aの接線力を受け止める。例えば、図3において、ディスクロータ18(不図示)が反時計方向に回転した場合、トルク受け溝32aが、当該トルク受け溝32aに係合するガイド部30の制動トルクを受ける。逆に、ディスクロータ18(不図示)が時計方向に回転した場合、トルク受け溝32bが、当該トルク受け溝32bに係合するガイド部30の制動トルクを受ける。その結果、車両の前進時および後退時の両方で良好に制動力を確保することができる。
ところで、ピストン26で摩擦材20aを回転するディスクロータ18に押圧した場合、制動時に発生する接線力により、パッド裏金22aのガイド部30が車体固定マウント12のトルク受け溝32に押しつけられる。同時に、パッド裏金22aはピストン26によって、ディスクロータ18に向かって押圧されている。したがって、ガイド部30とトルク受け溝32の間では、押圧方向と逆向きの摺動抵抗力が発生する。その結果、ガイド部30の形成位置によっては、この摺動抵抗力によってディスクロータ18に対して摩擦材20aに傾きを生じさせる回転モーメントが発生し、パッド裏金22aの内周側と外周側とで押圧力に違いを生じて、摩擦材20aの偏摩耗の原因になっていた。
そこで、本実施形態のディスクブレーキ装置のパッド裏金22においては、ガイド部30のそれぞれの縦幅Pの二等分点(P1=P2)を結ぶガイド部中心線Mが、押圧手段であるピストン26の押圧中心点Oを通る押圧方向の押圧線Nと実質的に交わるようにしている。図3に示すように、ガイド部中心線Mに対して、ガイド部30が上下に略対称の形状を有している。すなわち、ガイド部30の外形が略コの字形状の矩形形状であり、上端面(トルク受け面の係合上端位置)と下端面(トルク受け面の係合下端位置)とがお互いに平行にっている。このようなガイド部30の形状を採用することにより、トルク受け溝32において制動時の接線力によって発生する摺動抵抗力は、ガイド部中心線Mの上下でほぼ同じになる。その結果、パッド裏金22aはピストン26の押圧線Nにと平行にディスクロータ18に押圧されるようになる。そのため、摩擦材20aとディスクロータ18とは均等な押圧力で全面接触することになり偏摩耗が低減できる。
また、ガイド部30とトルク受け溝32との間には、ガイド部30の摺動を可能にするためのクリアランスが形成されている。このクリアランスを埋めて振動を抑制するために、例えば断面コの字形状のリーフスプリング34が挿入されている。そのため、摩擦材20aがディスクロータ18に接触する前の段階でも、ガイド部30がトルク受け溝32内を摺動すると摺動抵抗力が発生する。しかし、上述のようガイド部30の位置を決めることにより、リーフスプリング34もガイド部中心線Mを挟んで上下が対称になるように配置されることになる。したがって、ガイド部30の摺動時に発生する摺動抵抗力もガイド部中心線Mの上下でほぼ同じになる。その結果、パッド裏金22aはディスクロータ18に対して傾くことなく、ほぼ平行の姿勢のまま移動してディスクロータ18の押圧を開始できるので、摩擦材20aの偏摩耗抑制に寄与できる。また、摩擦材20aをディスクロータ18に平行に接近させることにより、制動力発生前の一部接触が防止され、摩擦材20aの引き摺り音の抑制にも寄与できる。
ところで、ディスクロータ18は、図4(a)、図4(b)に示すように、左右に振れながら回転している場合がある。このディスクロータ18の回転振れは、例えば、ディスクロータ18を車軸に固定するときの取り付けが傾いていたり、熱膨張によりディスクロータ18が変形している場合などに発生する。このような場合、パッド裏金22a(摩擦材20a)がピストン26の押圧線Nに沿って平行に押圧された場合でも、ディスクロータ18と摩擦材20は傾いて接触する。例えば図4(a)に示すように、ディスクロータ18の外周側で摩擦材20aがディスクロータ18の側面18a(摩擦摺動面)に接触し始める状態で、ディスクロータ18内周側で既に摩擦材20aとディスクロータ18とが接触し押圧され、摩擦材20が圧縮されている場合を考える。この場合、摩擦材20がディスクロータ18から受ける反力の中心は、ディスクロータ18と摩擦材20aとが接触したとき形成される圧縮領域(三角柱)の図心となることをみいだした。したがって、本発明者は、図4(a)の場合、摩擦材20がディスクロータ18から受ける反力Fの重心Gは、摩擦材20の摩擦材最大縦幅Qの内周側端面から1/3の位置になることを見いだした。このとき、ガイド部30の端部が重心Gの位置よりディスクロータ18の内周側にあった場合(図4(a)の破線ハッチング)、ガイド部30による摺動抵抗力R0が生じ、摩擦材20の内周側をより強くディスクロータ18に押圧する回転モーメントが生じる。一方、ガイド部30の端部が重心Gの位置よりディスクロータ18の外周側にあった場合(図4(a)の実線ハッチング)、ガイド部30による摺動抵抗力R1が生じ、摩擦材20の外周側をより強くディスクロータ18に押圧する回転モーメントが生じる。つまり、ガイド部30とトルク受け溝32との間で発生する摺動摩擦力を重心Gの位置より外周側で生じさせれば、摩擦材20の外周側をディスクロータ18の摩擦摺動面に押しつける回転モーメントを得ることができることを見いだした。その結果、摩擦材20は外周側がディスクロータ18に強く押しつけられ、摩擦材20がディスクロータ18の回転姿勢に対し平行に近づくように姿勢補正できる。
同様に、図4(b)に示すように、ディスクロータ18の内周側で摩擦材20aがディスクロータ18の側面18a(摩擦摺動面)に接触し始める状態で、ディスクロータ18外周側で既に摩擦材20とディスクロータ18とが接触し押圧され、摩擦材20aが圧縮されている場合を考える。この場合、摩擦材20aがディスクロータ18から受ける反力Fの重心Gは、摩擦材20の摩擦材最大縦幅Qの外周側端面から1/3の位置になることを図4(a)の場合と同様に見いだした。このとき、ガイド部30の端部が重心Gの位置よりディスクロータ18の外周側にあった場合(図4(b)の破線ハッチング)、ガイド部30による摺動抵抗力R0が生じ、摩擦材20の外周側をより強くディスクロータ18に押圧する回転モーメントが生じる。一方、ガイド部30の端部が重心Gの位置よりディスクロータ18の内周側にあった場合(図4(b)の実線ハッチング)、ガイド部30による摺動抵抗力R1が生じ、摩擦材20の内周側をより強くディスクロータ18に押圧する回転モーメントが生じる。つまり、ガイド部30とトルク受け溝32との間で発生する摺動摩擦力を重心Gの位置より内周側で生じさせれば、摩擦材20aの内周側をディスクロータ18の摩擦摺動面に押しつける回転モーメントを得ることができることを見いだした。その結果、摩擦材20は内周側がディスクロータ18に強く押しつけられ、摩擦材20がディスクロータ18の回転姿勢に対し平行に近づくように姿勢補正できる。
以上のことから、ガイド部30の縦幅を摩擦材20の最大縦幅Qの1/3以下とし、摩擦材20の下端位置を基準に摩擦材20の最大縦幅Qの1/3の高さから2/3(摩擦材20の上端位置から1/3)の高さの間に位置させることにより、ディスクロータ18が傾いて回転している場合でも、摩擦材20aがディスクロータ18に平行にするように姿勢補正が行われる。その結果、ディスクロータ18の外周側と内周側の押圧力を均等化することが可能になり、偏摩耗を低減することができる。また、ガイド部30の縦幅を摩擦材20の最大縦幅Qの1/3以下とすることにより、パッド裏金22aがガイド部中心線Mを中心として、ディスクロータ18に対して接離する方向に比較的容易に回転することができる。その結果、摩擦材20aの姿勢補正が容易に実行される。
さらに、上述のように構成されるガイド部30を図3などで説明したように、ガイド部30のガイド部中心線Mが、ピストン26の押圧線Nと実質的に交わるように配置することができる。この場合、ディスクロータ18の回転状態に拘わらず、ディスクロータ18の外周側と内周側の押圧力を均等化することが可能になり、偏摩耗を低減することができる。なお、ガイド部30の縦幅は、摩擦材20の最大縦幅の1/3以下であれば任意の幅に設定することができるが、縦幅の下限値は、制動トルクを考慮した最低限の機械的強度を確保できる寸法に設定する必要がある。
なお、上述の例では、シリンダ部16側のパッド裏金22aのガイド部30について述べたが、ディスクロータ18の逆側のパッド裏金22bのガイド部30に関しても同様な構成とすることが可能で、同様な効果を得ることができる。ディスクロータ18の逆側のパッド裏金22bは前述のように、爪部28によって押圧される。したがって、ガイド部30のガイド部中心線Mを爪部28の押圧中心点を通る押圧線と実質的に交わるように、ガイド部30の配置を行えばパッド裏金22bを押圧線と平行に押圧することが実現できる。また、ガイド部30の縦幅を摩擦材20bの最大縦幅の1/3以下とし、その形成位置をパッド裏金22bの端面において、摩擦材20bの下端位置を基準に前記最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間とすることが好適である。その結果、ディスクロータ18と摩擦材20bの接触後において、パッド裏金22b(摩擦材20b)の姿勢を修正し、摩擦材20bの偏摩耗を低減することができる。
図1から図3に示すキャリパ10の形状は一例であり、ガイド部30のガイド部中心線Mが、ピストン26の押圧線Nと実質的に交わる構成であれば、他の構成や形状は任意に変更可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。また、ガイド部30の縦幅Pが摩擦材20の最大縦幅の1/3以下であり、その形成位置がパッド裏金22の端面において、摩擦材20の下端位置を基準に最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間であれば、他の構成や形状は任意に変更可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、ディスクブレーキ装置のキャリパの一例として浮動型を示したが、ディスクロータの両側のパッド裏金をそれぞれ専用のピストンで押圧する固定型のキャリパにも本実施形態のパッド裏金の構成を適用可能であり、同様な効果を得ることができる。また、本実施形態においては、ガイド部を凸形状、トルク受け面を溝形状として説明したが、ガイド部側を凹形状、トルク受け側を凸形状としてもよく、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置のキャリパの側面図である。 図1のA−A断面図である。 図2の線分B−Bにおける断面図である。 パッド裏金のガイド部の縦幅が摩擦材の最大縦幅の1/3以下であり、形成位置が、摩擦材の下端位置を基準に最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間であることを説明する説明図である。
符号の説明
10 キャリパ、 12 車体固定マウント、 14 ブレーキパッド、 16 シリンダ部、 16a シリンダハウジング、 18 ディスクロータ、 20 摩擦材、 22 パッド裏金、 24 穴、 26 ピストン、 28 爪部、 30 ガイド部、 32 トルク受け溝、 34 リーフスプリング、 M ガイド部中心線、 N 押圧線。

Claims (1)

  1. 車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に対向して配置される摩擦材と、
    前記摩擦材の前記ディスクロータに対向しない面を支持する支持面を有すると共に、当該支持面と直交する両端面に所定の縦幅を持つ一対のガイド部を有するパッド裏金と、
    前記ディスクロータの回転軸と実質的に平行な方向に前記パッド裏金の非支持面を押圧して、前記摩擦材をディスクロータの摩擦摺動面に押し当てる押圧手段と、
    前記パッド裏金が前記押圧手段により押圧されて前記摩擦材が前記ディスクロータに接触したときに摩擦材に生じる制動トルクを前記ガイド部を介して受け止めるトルク受け面を含むと共に前記ガイド部を前記ディスクロータに対して接離する方向に摺動自在に収納するトルク受け溝を有する車体固定マウントと、
    を含み、
    前記ガイド部は、その縦幅が前記摩擦材の最大縦幅の1/3以下であり、その形成位置は前記パッド裏金の端面において、前記摩擦材の下端位置を基準に前記最大縦幅の1/3の高さから2/3の高さの間であり、一対の当該ガイド部のそれぞれの縦幅の二等分点を結ぶガイド部中心線が、前記押圧手段が前記パッド裏金の非支持面を押圧したときの押圧中心点を通る押圧方向の押圧線と実質的に交わるように前記パッド裏金に形成されていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
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