JP2855788B2 - 防振ゴム用組成物 - Google Patents

防振ゴム用組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱・耐久性に優れた天然ゴムおよび/ま
たはポリイソプレンゴムとエチレン−α−オレフィン−
非共役ジエン共重合ゴムおよび/またはエチレン−α−
オレフィン共重合ゴムに、架橋剤として有機過酸化物を
用いた防振ゴム用組成物に関する。
[従来の技術] 防振ゴムは、自動車、鉄道車輌、建設車輌、産業機
械、さらにはOA機器などのように振動が問題となるさま
ざまな用途に数多く使用されている。
その中でも自動車は、ターボエンジンを始めとするエ
ンジンの高出力化、部品点数の増加によるエンジンルー
ムの高密度化により、エンジンルーム内が相当高温とな
るため、防振ゴム製品にもその対応が求められている。
しかるに、これらの分野においては、従来、動的特性
および耐久性の点から主として天然ゴムが使用されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、天然ゴムでは耐熱性が不足して亀裂やいわゆ
る熱へたりのトラブルの発生するなどの問題があった。
そのために、天然ゴムの問題点の改良を少量イオウ加硫
系配合で対処するものの、耐熱性、耐へたり性において
満足できるレベルに達していない。
このような事情から、さらに高温下での耐熱・耐久性
の優れたゴム製品の出現が強く望まれている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、防
振ゴム組成物において、天然ゴムおよび/またはポリイ
ソプレンゴム50〜90重量%とエチレン−α−オレフィン
−非共役ジエン共重合ゴムおよび/またはエチレン−α
−オレフィン共重合ゴム10〜50重量%を含有するゴム成
分に対して、有機過酸化物を架橋剤として用いることに
よって、従来得られなかったレベルの耐熱性・耐久性お
よび端へたり性に優れたゴム組成物が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される天然ゴムおよび/またはポリイソ
プレンゴムとエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン
共重合ゴムおよび/またはエチレン−α−オレフィン共
重合ゴムとの重量比率は90/10〜50/50であり、好ましく
は80/20〜60/40である。かかる範囲にあれば、本発明の
目的を満たす優れた防振ゴム製品が得られる。これに対
して、当該重量比率が90を超える場合には、得られるゴ
ム製品の耐熱性が悪く、一方、当該重量比率が50未満の
場合には、得られるゴム製品の耐久性が実用範囲以下と
なる。
本発明で使用されるエチレン−α−オレフィン−非共
役ジエン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン共重合
ゴムは、エチレンとα−オレフィンおよび必要に応じて
非共役ジエンを共重合されたゴムであり、α−オレフィ
ンとしては炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましく、
例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−
1、ヘキセン−1などを用いることができる。特にプロ
ピレンが好ましい。これらのα−オレフィンは2種以上
のものを組み合わせて用いてもよい。
非共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、ジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが用いら
れる。
該共重合ゴムにおいて、そのムーニー粘度(ML1+8、1
20℃)およびエチレン−α−オレフィンとの比率は特に
限定されるものではないが、ムーニー粘度は30〜300、
エチレンとα−オレフィンとの比率は75/25〜50/50が好
ましい。なお、ムーニー粘度が高い場合は油展ゴムとし
て使用することもできる。
本発明において、架橋剤として硫黄に替えて有機過酸
化物を用いることにより、耐へたり性および耐熱性が大
幅に改良される。
本発明に用いる有機過酸化物の配合量は、ゴム成分10
0重量部に対して好ましくは1〜10重量部であり、さら
に好ましくは2〜7重量部である。有機過酸化物の配合
量が1重量部未満であると架橋が十分でなく、得られる
ゴム製品の機械的強度が低く、10重量部を超える場合は
耐久性が実用範囲以下となる。
有機過酸化物の具体例としては、1,1−ジ−(ターシ
ャリーブチルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、ジ−ターシャリーブチルペルオキシド、ジク
ミルペルオキシド、ターシャリーブチルクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ターシャリーブチル
ペルオキシ)ヘキサン、1,3−ジ−(ターシャリーブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどを挙げること
ができる。
この中で、1,1−ジ−(ターシャリーブチルペルオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペ
ルオキシド、1,3−ジ−(ターシャリーブチルペルオキ
シ−イソプロピル)ベンゼンが好ましい。
本発明の防振用ゴム組成物においては、ゴムとともに
特定割合のカーボンブラックと、さらに必要に応じて特
定割合の伸展油を用いることができる。
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に
対して好ましくは10〜100重量部であり、また、好まし
くは20〜70重量部である。カーボンブラックの配合量が
かかる範囲にあれば、高温耐久性に優れたゴム製品を与
える防振用ゴム組成物が得られる。
伸展油の配合量は、ゴム成分100重量部に対して好ま
しくは0〜50重量部である。伸展油の配合量がかかる範
囲にあれば、加工性および高温耐久性の優れたゴム製品
を与える防振用ゴム組成物が得られる。伸展油の具体例
としては、通常ゴムに用いられるアロマチック油、ナフ
テン油、パラフィン油などのいわゆるプロセス油、ヤシ
油などの植物油を挙げることができる。これらの中では
プロセス油が好ましく、特にパラフィン油が好ましい。
本発明の防振用ゴム組成物においては、必要に応じて
その他の添加剤が配合されていてもよい。
架橋剤として有機過酸化物類を用いる場合には、硫
黄、p−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノン
ジオキシム、ラウリルメタクリレート、エチレングリコ
ールアクリレート、トリメチロールプロペントリメタア
クリレート、ジアリルブタレート、トリアリルシアヌレ
ートなどを架橋助剤として配合してもよい。
また、本発明の防振用ゴム組成物には、必要に応じて
老化防止剤が配合されていてもよい。老化防止剤の配合
により、耐熱・耐久性がさらに優れた防振用ゴム組成物
が得られる。
老化防止剤としては、p−(p−トルエンスルホニル
アミド)−ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニルエチ
レンジアミン、オクチル化ジフェニルアミン、置換ジフ
ェニルアミン、ジフェニルアミド誘導体などのジフェニ
ルアミン類、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−
フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−
フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−
N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フ
ェニレンジアミン類、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒド
ロキノリン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリンのキノリン類、2,6−ジ−ターシャリ
ーブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−
3−(4′−ヒドロキシ−3′−5′−ジ−ターシャリ
ーブチルフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノ
ールなどのモノフェノール類、2,2′−メチレン−ビス
−(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノー
ル)、ヒンダードビスフェノールなどのビスフェノール
類、テトラビス−〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−タ
ーシャリーブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕メタンなどのポリフェノール類、2−メルカ
プトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾ
イミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール亜鉛
などのイミダゾール類、トリ(ノニルフェニル)ホスフ
ァイトなどのホスファイト類などを用いることができ
る。これらの老化防止剤は2種以上のものを組み合わせ
て用いてもよい。老化防止剤の配合量は、ゴム成分100
重量部に対して0.5〜7重量部とされ、好ましくは1〜
5重量部とされる。
また、本発明の防振用ゴム組成物には必要に応じて架
橋促進助剤が配合されていてもよい。かかる架橋促進助
剤としては、例えば亜鉛華、酸化マグネシウム、リサー
ジ、鉛丹、鉛白、水酸化カルシウムなどの金属酸化物
類、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸ソーダなどの脂肪酸とその誘導体などを用い
ることができる。これらの架橋促進助剤の配合量は、ゴ
ム成分100重量部に対して0.1〜10重量部とされる。
本発明の防振用ゴム組成物の製造において、必要に応
じて用いられる各種の添加剤およびその他のゴムの配合
割合、配合方法、配合順序は特に限定されない。
一例においては、バンバリーミキサーなどの密閉式混
練り機を用いて、天然ゴムおよび/または共重合ゴム、
その他架橋剤を除く配合剤などを混合した後、オープン
ロールなどを用いて架橋剤を加える方法がある。
以上のようにして調製された本発明の防振用ゴム組成
物は、通常の加硫ゴムの製造に従って架橋されて、所望
の形状のゴム製品に成形される。
[実 施 例] 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の実施の
態様がこれに限定されるものではない。
実施例1〜7および比較例1〜8 各実施例および比較例においては、後記表−1に示す
配合処方で、本発明の防振用ゴム組成物と比較用のゴム
組成物を製造した。
[評価] 以上のようにして得られた防振用ゴム組成物を、それ
ぞれ通常の加硫ゴムの製造法に従って架橋してゴム製品
を製造した。これらのゴム製品を製造した。また、実施
例1〜7、比較例1〜8の加硫方法はプレス加硫で、他
の加硫条件は次の通りとした。
即ち、 とした。これらのゴム製品についての物理特性を後記表
−2に示す。なお、後記表−2におけるゴム製品の引張
特性、伸張疲労試験、圧縮永久歪は次のようにして測定
されたものである。
(1) 引張特性 JIS K6301に準じて測定した。
(2) 伸張疲労試験 伸張疲労試験機(岩本製作所製)を用い、発生試験は
JIS3号ダンベルにより100℃の雰囲気において150%伸張
を繰り返し、伸張屈曲させる試験を行ない、ゴム製品に
亀裂が発生するまでの回数を調べて評価した。また、成
長試験は幅7mmのダンベルを用い、中央に0.5mmの傷を入
れ、110%伸長を繰り返し、発生試験と同様に評価し
た。回数の大きいほど高温下での耐久性が良好である。
これを耐久性評価の指標とした。
(3) 圧縮永久歪 JIS K6301に準じて、120℃の雰囲気において70時間
後の圧縮永久歪を測定した。これを耐へたり評価の指標
とした。
以上、表−2の結果から理解されるように、本発明の
実施例の防振用ゴム組成物を架橋して得られるゴム製品
は、耐熱性、高温下での耐久性および耐へたり性(圧縮
永久歪)が格段に優れている。
これに対して、比較例1は耐熱性に劣る。また、比較
例2〜3および比較例5〜8は耐熱性および耐へたり性
に劣り、また、比較例4は耐久性に劣り、本発明の目的
とする防振ゴムには不適当である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の防振用ゴム組成物によ
れば、耐熱性、耐へたり性および耐久性の優れたゴム製
品を得ることができる。従って、エンジンマウント、ス
トラットマウント、サスペンションプッシュ、エキゾー
ストマウントなどの自動車用防振ゴム、あるいは鉄道車
輌、建設車輌、船舶、産業機械およびOA機器などの防振
ゴムの用途に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:16) (C08L 7/00 9:00 23:16) (C08L 9/00 23:16) (56)参考文献 特開 昭63−234044(JP,A) 特開 昭62−285934(JP,A) 特開 平1−319551(JP,A) 特開 平1−139634(JP,A) 特開 昭56−41236(JP,A) 特開 昭52−145904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 7/00 - 21/02 C08L 23/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然ゴムおよび/またはポリイソプレンゴ
    ム50〜90重量%とエチレン−α−オレフィン−非共役ジ
    エン共重合ゴムおよび/またはエチレン−α−オレフィ
    ン共重合ゴム10〜50重量%を含有するゴム成分に対し
    て、架橋剤として有機過酸化物を用いた耐熱・耐久性に
    優れた防振ゴム用組成物。
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