JP2979700B2 - 防振ゴム用ゴム組成物 - Google Patents
防振ゴム用ゴム組成物Info
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Description
ィン・非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するもので
ある。更に詳しくは、耐熱性、耐疲労性に優れ、かつ動
倍率の温度依存性の小さい防振ゴム用エチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体ゴム組成物に関するも
のである。本発明のゴム組成物は、例えば、耐熱性、耐
久性に優れた自動車用および産業機器用の防振ゴムとし
て、最適に使用され得る。
に、自動車やオ−トバイ等の交通手段、さらには産業機
械、OA機器、家庭電気機器等においては、騒音や振動
を防止するために、多種多様の防振ゴムが使用されてい
る。特に、自動車分野においては、近年、エンジンの高
性能化や低ボンネット化、使用地域の拡大に伴い、耐熱
性並びに耐久性に優れ、かつ騒音や振動を防止して、特
に、冬季やあるいは寒冷地においても快適な乗り心地を
提供できる防振ゴムに対する要求が強まっている。
は、 耐熱性に優れること。 長期間の繰り返し外
力に対する耐疲労性、耐久性に優れること。 高速走
行時の騒音や振動を防止するため、動倍率(動的弾性率
/静的弾性率)が低いこと。 動倍率の温度依存性が
小さくて、冬季やあるいは寒冷地においてもその性能の
変化がわずかであること。などがあげられる。
時における、弾性率(動的弾性率)の変化度であり、動
的弾性率と静的弾性率との比によって表されるものであ
る。振動絶縁の目的からは、該動倍率が低いことが要求
されるし、また冬季あるいは寒冷地において良好な性能
を保持するには、その温度依存性の小さいことが要求さ
れる。
なゴム特性においても、通常のゴムに比べて劣らないこ
とも、もちろん重要である。
ゴム(NR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(S
BR)などの高不飽和ゴムが使用されている。それは、
NRやSBRなどの高不飽和ゴムは、低不飽和ゴムに比
べて、耐疲労性や動特性に優れるという長所を有するこ
とによるのであるが、一方これらの高不飽和ゴムは、例
えば、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合
体ゴムのような低不飽和ゴムに比べて、耐熱性に劣るこ
とが知られており、そのため、高不飽ゴムの使用は、比
較的低温での使用に限られる傾向があった。
ジエン共重合体ゴムなどの低不飽和ゴムは、優れた耐熱
性は示すが、長期間の繰り返し外力に対する耐疲労性に
劣るという欠点を有する。エチレン・α−オレフィン・
非共役ジエン共重合体ゴムにおいて、この耐疲労性を改
良するためには、 より高分子量のエチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体ゴムを用いる。 ゴ
ム成分中のエチレン含有量を高くする。 ゴム組成物
中に使用されるカ−ボンブラックのストラクチャ−を高
くして補強性を上げる。などが一般によく知られてい
る。
ニ−粘度(ここではML1+4 121℃の測定値で示す)
が用いられるが、耐疲労性を必要とする用途ではム−ニ
−粘度が100以上の高分子量のエチレン・α−オレ
フィン・非共役ジエン共重合体ゴムが使用されてきたこ
とは公知である。しかし、高不飽和ゴムに比べると耐疲
労性の点ではまだ不十分であった。
有量であるエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共
重合体ゴムが用いられるようになるが、この具体例とし
てはゴム成分中のエチレン/α−オレフィン比(モル
比)が75/25以上のものが挙げられる。しかし、こ
のようなエチレン含有量の高いエチレン・α−オレフィ
ン・非共役ジエン共重合体ゴムを配合すると、耐疲労性
は改良されるものの、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化
するために、動倍率の温度依存性が著しく大きくなり、
常温での防振性能が冬季あるいは寒冷地において発揮さ
れないという問題が発生した。
ブラックのストラクチャ−を高くすることによって、耐
疲労性が改良できることはよく知られているが、この際
にはゴム組成物の動的弾性率が静的弾性率の上昇以上に
高くなる為に、動倍率が高くなるという欠点があった。
この場合に、プロセスオイルの配合量を多くすることに
よりゴム組成物の動的弾性率の増大を防止することが可
能であるが、プロセスオイルの配合量が多くなると、ゴ
ム組成物の物性、特に耐熱性が低下するという欠点があ
った。
びに耐久性に優れ、しかも動倍率が低く、かつその動倍
率の温度依存性の小さいゴム組成物を開発することを目
的として鋭意検討した結果、本発明に到達したものであ
る。
・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム成分と下
記カ−ボンブラックとプロセスオイルを配合することを
特徴とする防振ゴム用ゴム組成物に関するものである。
(c)を満たす1種または2種以上のエチレン・α−オ
レフィン・非共役ジエン共重合体ゴム成分100重量部
に対し、100メッシュのふるい残分量が0.001重
量%未満である1種または2種以上のカ−ボンブラック
を30〜150重量部とアニリン点が130℃以下のパ
ラフィン系プロセスオイルを10〜100重量部配合し
てなる防振ゴム用ゴム組成物を提供するものである。 (a)エチレン/α−オレフィン比(モル比)が50/
50〜68/32 (b)ム−ニ−粘度(ML1+4 121℃)が100以上 (c)非共役ジエンの含有量が0.5〜1.5モル%
ィン・非共役ジエン共重合体(以下「共重合体」とい
う。)のム−ニ−粘度(ML1+4 121℃)は100以
上である必要がある。ム−ニ−粘度が100未満では、
耐疲労性が非常に劣るものとなり、本発明の目的からは
不適当なものとなる。好ましくは140以上である。
倍率や耐疲労性は改良されるものの混練加工性が著しく
悪化し、実用上使用することが困難となる。これより、
ム−ニ−粘度は140〜180の範囲内がより好まし
い。
は0.5〜1.5モル%の範囲から選ばれる。非共役ジ
エン量が0.5モル%未満では十分な架橋密度が得られ
ないために、耐疲労性が著しく劣り、また、1.5モル
%より超えると動倍率が増大するために良好な防振性能
が得られない。
−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ジビニルベン
ゼン、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、
エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンなどが挙
げられ、中でもエチリデンノルボルネンが特に好まし
い。
ン共重合体ゴムのエチレン/α−オレフィン比(モル
比)は50/50〜68/32の範囲であるが、68/
32より超えると、前記したように耐寒性が悪化するた
めに、動倍率の温度依存性が大きくなり、冬季あるいは
寒冷地で良好な防振性能を保持できなくなる。耐疲労性
と動倍率の温度依存性のバランスという観点からは、エ
チレン/α−オレフィン比(モル比)は60/40〜6
6/34の範囲がさらに好ましい。
記のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴムが単独で、
または2種類以上をブレンドして上記のム−ニ−粘度、
非共役ジエン含量、エチレン/α−オレフィン比になる
ものが用いられる。
共重合体ゴムの構成成分の一つであるα−オレフィンと
しては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどが
例示される。
ては、100メッシュのふるい残分量が0.001重量
%未満、好ましくは0.0005重量%以下であること
が必要である。このようなカ−ボンブラックを使用する
ことによって、耐疲労性が著しく改良され、その結果、
耐疲労性の点で非常に劣るという課題を有するエチレン
/α−オレフィン比(モル比)が68/32以下のエチ
レン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムの使
用が可能となる。
量が0.001重量%以上であるとエチレン含有量の低
いエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴ
ムを用いた場合に、得られるゴム組成物の耐疲労性が著
しく劣ったままで、実用に供することができなくなる。
100重量部に対して30〜150重量部であることが
必要である。
満であると防振ゴムとしての耐疲労性が不十分になる
し、他方、150重量部を超えるとカ−ボンブラック粒
子が均一に分散し難くなり、良好なゴム組成物が得られ
なくなる。
ックの種類としては、その補強性の大小に限定されるこ
となく使用できるが、HAF,FEF,SRFブラック
などが好ましい。また、これらを併用することも可能で
ある。
温度依存性を改良するために、アニリン点が130℃以
下のパラフィン系プロセスオイルを添加することが必要
である。この場合に、アロマ系プロセスオイルやナフテ
ン系プロセスオイルでは、加硫阻害を生じるために耐疲
労性の面で適しておらず、またアニリン点が130℃よ
り高いパラフィン系プロセスオイルでは、低温領域での
動倍率が著しく高くなるという欠点がある。上記のパラ
フィン系プロセスオイルの配合量はカ−ボンブラックの
配合量に対応するが、10〜100重量部の範囲が好ま
しい。
プロセスオイルを本発明に使用されるエチレン・α−オ
レフィン共重合体ゴムの伸展油として用いることもでき
る。
ックとプロセスオイルの他に、必要に応じて、ゴム業界
で公知の他の各種添加剤、例えば、老化防止剤、酸化防
止剤加工助剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、加硫促進
助剤等が選択、使用される。
通常ゴム業界で行われている装置、条件で実施され、特
に制限されないし、成形方法も公知の射出成形機、プレ
ス等の適当な方法で行われる。
れ、しかも動倍率が低く、かつその動倍率の温度依存性
の小さい防振ゴム用ゴム組成物が得られる、すなわち、
本発明のゴム組成物を防振ゴムに適用した場合には、振
動や騒音の低減がはかられると共に、冬季あるいは寒冷
地においても、その防振性能が低下することなく発揮さ
れることが期待できる。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表−1のうち、共重合体、亜鉛華、ステアリン酸、カ−
ボンブラック、プロセスオイル、アンチゲンNBCを混
練した。ここで、用いた共重合体の構造を表−2に、カ
−ボンブラックの特性を表−3に、さらにプロセスオイ
ルの特性を表−4に示した。次に10インチオ−プンロ
−ルにて表−1の残りの配合剤を添加してコンパウンド
を得たこのコンパウンドの粘度を、JIS K6300
の方法により測定した。
て160℃で20分間処理して、2mm厚の加硫シ−ト
に成形した。また圧縮永久歪用サンプルとして直径29
mmで厚さ12.7mmの直円柱を加硫型により成形し
た。なお、引張試験、圧縮永久歪試験および熱老化試験
はJIS K6301の方法によった。その他の評価方
法も含めて詳細については以下に記す。
測定値を基に計算で求めた静的弾性率(Ks)と、岩本
製作所製の粘弾性スペクトロメ−タ−により、振動周波
数100Hz、振幅±0.1%にて、温度条件24℃で
測定した動的弾性率(Kd100 )の比[Kd100 /K
s]で表示した。
弾性スペクトロメ−タ−により、振動周波数100Hz
で、−20℃と24℃の温度条件にて動的弾性率を測定
し、24℃に対する−20℃における動的弾性率の変化
率を低温動倍率比として表示した。 [−20℃での動倍率]=Kd100 @−20℃/Ks@
24℃ [24℃常温での動倍率]=Kd100 @24℃/Ks@
24℃ [低温動倍率比]=[−20℃での動倍率]/[24℃
常温での動倍率]=[Kd100 @−20℃/Kd100 @
24℃]
験機( FATIGUE TO FAILURE TESTER ) を用いて、伸張率
140%の条件で、破断までの伸張回数を測定した。
準拠してギヤ−式老化試験機を用い、140℃の試験温
度条件で22時間後の圧縮永久歪を測定した。
に準拠してギヤ−式老化試験機を用い、140℃の試験
温度条件で70時間後の引張強度、破断伸びの変化率を
測定した。
満足する実施例1〜5においては、そのいずれも、耐熱
性、耐疲労性が満足すべき範囲にあることに加えて、動
倍率の温度依存性の点で非常に優れた特性を示してい
る。一方、共重合体のエチレン比率(モル比)が、本発
明の規定の範囲より大きい 比較例1〜5においては、
耐熱性、耐疲労性の点では優れた特性を示すものの、動
倍率の温度依存性が非常に大きく好ましくない。
ブラック間の比較を実施した。混練および各種評価は、
実施例1〜5と同様に行った。結果を表−6に示した。
が本発明の規定範囲より多いカ−ボンブラックを用いた
比較例6〜8においては、動倍率の温度依存性は満足す
べき特性を有するものの、耐疲労性の点で著しく劣り、
実用に供するには不適当である。
の比較を実施した。混練および各種評価は、実施例1〜
5と同様に行った。結果を表−7に示した。
より高いパラフィン系プロセスオイルを用いた比較例1
1では動倍率の温度依存性が著しく大きく、好ましくな
い。
Claims (4)
- 【請求項1】下記の条件(a)〜(c)を満たす1種ま
たは2種以上のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエ
ン共重合体ゴム成分100重量部に対し、100メッシ
ュのふるい残分量が0.001重量%未満である1種ま
たは2種以上のカ−ボンブラックを30〜150重量部
とアニリン点が130℃以下のパラフィン系プロセスオ
イルを10〜100重量部配合してなる防振ゴム用ゴム
組成物。 (a)エチレン/α−オレフィン比(モル比)が50/
50〜68/32 (b)ム−ニ−粘度(ML1+4 121℃)が100以上 (c)非共役ジエンの含有量が0.5〜1.5モル% - 【請求項2】エチレン/α−オレフィン比(モル比)が
60/40〜66/34である請求項1記載の防振ゴム
用ゴム組成物。 - 【請求項3】ム−ニ−粘度(ML1+4 121℃)が14
0〜180である請求項1記載の防振ゴム用ゴム組成
物。 - 【請求項4】100メッシュのふるい残分量が0.00
05重量%以下である1種または2種以上のカ−ボンブ
ラックを配合してなる請求項1記載の防振ゴム用ゴム組
成物。
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-
1991
- 1991-04-22 JP JP9039991A patent/JP2979700B2/ja not_active Expired - Fee Related
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