JP3458182B2 - オイルシール、o−リング、ガスケット、パッキンに用いるゴム組成物 - Google Patents

オイルシール、o−リング、ガスケット、パッキンに用いるゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐圧縮永
久歪性に優れたオイルシール、O−リング、ガスケッ
ト、パッキンに用いるゴム組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】エチレン−酢酸ビニル共重合体の加硫物
はゴム弾性があり、その骨格には炭素−炭素二重結合を
有しないため耐熱性、耐候性が良好であり、また、耐圧
縮永久歪性に優れたゴム材料である。さらに酢酸ビニル
含量の高いエチレン−酢酸ビニル共重合体は耐油性も兼
ね備えている。一般に各種シール、ガスケット材料など
の自動車部品には耐熱性、耐圧縮永久歪性、及び耐油性
を有するゴム材料が望まれ、アクリロニトリル−ブタジ
エンゴム、さらに高性能が要求される場合はアクリルゴ
ムが用いられる。しかし、近年エンジンの高性能化に伴
い用いられる用途によってはさらなる耐熱性、耐圧縮永
久歪性の向上が望まれている。前記エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体はこの要求を満たす材料であるが、シール、
ガスケット材料などの自動車部品には全く使用されてい
ないのが現状である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者等は鋭意検討
した結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体にハイドロタ
ルサイトを配合してなるゴム組成物は耐圧縮永久歪性及
び長期における耐熱性に優れた材料であることを見出
し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。 【0004】 【課題を解決しようとする手段】本発明によれば、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体100重量部対して、ハイド
ロダルサイト類化合物0.1〜20重量部を配合してな
ることを特徴とする加硫可能なオイルシール、O−リン
グ、ガスケット、パッキンに用いるゴム組成物が提供さ
れる。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明において用いられるエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを共
重合したポリマーである。耐油性の面から酢酸ビニルの
含量は50%以上、好ましくは60%以上である。本発
明において用いられるハイドロタルサイト類化合物は、
Mg1−xAl(OH) CO・yHO(x=0.3〜
0.33,y=0〜0.5)の構造式を有するマグネシ
ウム・アルミニウム塩であり、例えば、医薬用の制酸
剤、プラスチックの安定剤、ハロゲン含有アクリルゴム
の受酸剤として利用されている。このハイドロタルサイ
ト類化合物をエチレン−酢酸ビニル共重合体に配合する
ことにより、耐熱性、特に長期における耐熱性を改良で
きることが判明した。 【0006】従って、ハイドロタルサイト類化合物は本
発明の課題である耐熱性を向上するためには必須成分で
あり、その量は、0.1〜20重量部であり、好ましく
は0.5〜10重量部である。0.1重量部未満では、
耐熱性の向上が見られず、20重量部より多くてもさら
なる耐熱性の向上はない。ハイドロタルサイト類化合物
は天然品、合成品のいずれを配合しても良く、また、そ
れらの表面処理品でも良いが、ポリマーとの相溶性が良
好である表面処理品が望ましい。 【0007】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体の
架橋物は、高温で使用される箇所に用いられる。そのと
きに起こる主鎖の切断いわゆる軟化劣化を防ぐために、
本発明の組成物に老化防止剤を配合することが望まし
い。その量は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜
5重量部である。これ未満の配合割合では老化防止剤と
しての効果が発揮されず、一方これより多く配合しても
効果の向上はない。一般にゴムに配合される老化防止剤
であればよいが、例えば、6−エトキシ−2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、4,4’−
(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N−
フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレニジアミ
ン、p−p’−トルエンスホニルアミノジフェニルアミ
ン、2,2,4−トリメチルー1、2−ジヒドロキノリ
ン重合体などのアミン系老化防止剤が特に効果的であ
る。 【0008】本発明のゴム組成物の加硫方法としては有
機過酸化物による方法が望ましい。例えば、t−ブチル
クミルペルオキシド,ジクミルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシ−イソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどがある。こ
れらの使用量は0.2〜10重量部、好ましくは0.4
〜6重量部である。これ未満の配合割合では十分な架橋
密度が得られないため、良好な耐圧縮永久歪性が得られ
ない。一方これより多くの配合割合ではゴム弾性が失わ
れる傾向にある。 【0009】加硫物の常態物性、耐圧縮永久歪性を改善
する目的で、共架橋剤を用いることが望ましい。本発明
に用いられる共架橋剤としては、例えば、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、トリアリルトリメリテ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、エチレ
ングリコールジアクリレート、N,N’−m−フェニレ
ンジマレイミド、液状ポリブタジエンなどがある。これ
らの使用量は、0〜10重量部、好ましくは、0.2〜
6重量部である。 【0010】本発明によって得られるゴム組成物は、通
常ゴムに用いられる配合剤を任意に配合することができ
る。例えば加工性、柔軟性を改良する目的で、滑剤、加
工助剤、可塑剤を配合することができる。また、補強
剤、充填剤としてカーボンブラック、シリカ、クレーな
ども使用できる。これらは、表面処理をしていても良
い。また、着色剤として、顔料を配合することもでき
る。 【0011】本発明のゴム組成物の調製法は特に限定な
く、前記成分を任意に添加してニーダ、バンバリーミキ
サー、オープンロールなどの通常の混練機によって混合
することができる。このようにして得られる本発明のゴ
ム組成物は、150℃〜200℃の温度で約2分〜30
分の条件で加硫を行うことができる。また、必要に応じ
て同様の温度で二次加硫を行っても良い。 【0012】このようにして製造した加硫ゴムは、良好
な耐熱性、耐圧縮永久歪性、耐油性を有するので、この
性能を生かしオイルシール、O−リング、ガスケット、
パッキンなどに使用することができる。 【0013】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではない。なお、部は特に断りのないかぎり重量基準で
ある。 実施例、及び比較例 第1表に示した配合処方でポリマー及び配合剤をオープ
ンロールにより混合した後、170℃で10分間プレス
加硫を行い、その後、二次加硫を行った。次いでJIS
Kー6301に準じて各加硫物の諸物性を測定し、そ
の値を第2表に示した。なお耐熱性は、熱老化試験後の
硬度変化、及び伸び変化率によって評価することができ
る。 【0014】表1 【0015】表2 【0016】 【発明の効果】 【発明の効果】かくして本発明によれば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体にハイドロタルサイト類化合物を配合
することにより、他の物性を維持したまま長期における
耐熱性を向上することができる。175℃500時間熱
老化試験における実施例と比較例の硬度変化及び伸び変
化率を比較すれば明らかである。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体100重
    量部対して、ハイドロタルサイト類化合物0.1〜20
    重量部を配合してなることを特徴とする加硫可能なオイ
    ルシール、O−リング、ガスケット、パッキンに用いる
    ゴム組成物。
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