JP2007132435A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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JP2007132435A JP2005326278A JP2005326278A JP2007132435A JP 2007132435 A JP2007132435 A JP 2007132435A JP 2005326278 A JP2005326278 A JP 2005326278A JP 2005326278 A JP2005326278 A JP 2005326278A JP 2007132435 A JP2007132435 A JP 2007132435A
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Abstract

【課題】非ブレーキ操作時の振動を抑制しつつ、パッド裏金をディスクロータに向かって移動させ、両者の接触により制動力が生じるまでの間、パッド裏金およびパッド裏金が支持する摩擦材が傾かないように移動させることのできるディスクブレーキ装置を提供する。
【解決手段】リーフスプリング34がガイド部30に付与する押圧力の付与位置と、リーフスプリング34による押圧力によりガイド部30がトルク受け溝32から受ける反力の受圧位置は、押圧シリンダ部の押圧中心Oから等距離に定められている。押圧力の付与位置と反力の受圧位置が押圧中心Oから等距離にあり、そこで発生する摺動抵抗力が等しいので、シリンダ部でパッド裏金22を押圧する場合、パッド裏金22は傾くことなくディスクロータへ向かって移動させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置、特にディスクブレーキ装置の摩擦材を支持するパッド裏金の改良に関する。
車両の制動を行う制動装置の一つとして、ディスクブレーキ装置がある。このディスクブレーキは、車輪と共に回転するディスクロータとキャリパとで構成される。キャリパは、外形を形成すると共にシリンダとして機能するハウジング部と、キャリパ自体を車体側に固定すると共に、制動時に発生する制動トルクを受け止めるトルク受け面を含むマウントを有して構成されている。ハウジング部にはピストンが内包されていると共に、ディスクロータを挟んで配置される一対の摩擦材と、この摩擦材をそれぞれ支持する一対のパッド裏金が含まれている。パッド裏金の両端部には、例えば凸形状のガイド部が形成され、マウントのトルク受け面を形成する溝に係合してパッド裏金をマウントに支持させている。このような構成のディスクブレーキ装置において、ハウジング部とピストンの間に油圧を導入すると、ガイド部が溝内を摺動してディスクロータ側に移動し、摩擦材をディスクロータに押圧して制動力を発生することができる。
摩擦材は、例えば扇形形状とされ、パッド裏金は、この摩擦材を支持するように例えばほぼ同形状または矩形形状となっている。摩擦材は、制動時にディスクロータと接触して制動力を発生しつつ、ディスクロータに引き摺られるため、例えば前進走行時には前方に接線力が発生し、この接線力がパッド裏金のガイド部を介してマウントのトルク受け面に作用する。パッド裏金は、シリンダによってディスクロータに向かって移動しようとすると同時に、摩擦材の制動トルクによって発生する接線力でトルク受け面に押しつけられる。
ところで、非ブレーキ操作時、パッド裏金および摩擦材は、ディスクロータから離間する方向に退避しており、ブレーキ操作時には、ディスクロータに向かって移動するようになっている。このときの移動をスムーズに行えるように、例えば、特許文献1に示されるディスクブレーキにおいては、パッド裏金がマウントに遊嵌状態で支持されている。この構成により、パッド裏金の移動時にガイド部とマウントとの間の摺動抵抗が軽減され移動をスムーズにできるようにしている。また、特許文献2に示されるディスクブレーキ装置においては、非ブレーキ操作時にアンチラトルスプリングによりパッド裏金がマウントから浮き上がる状態を作り出し、パッド裏金とマウントとの間の摺動抵抗を軽減している。その結果、パッド裏金の移動が容易にできるようにしている。
特開2005−121051号公報 特開平8−254232号公報
しかし、特許文献1の構造の場合、パッド裏金がマウントに遊嵌状態で支持されているので、非ブレーキ操作時に、パッド裏金が振動してマウントと接触することにより異音を生じてしまうという問題がある。また、特許文献2の構造の場合、アンチラトルスプリングによりパッド裏金がマウントに押圧されるので、非ブレーキ操作時の振動は低減できるが、アンチラトルスプリングによる押圧力に基づく摺動摩擦力およびその押圧力に対して生じる反力に基づく摺動摩擦力に対する配慮がないため、パッド裏金の移動時にディスクロータの回転方向やパッド裏金の厚み方向に、パッド裏金が傾いてしまうという問題があった。パッド裏金が傾いてしまった場合、その姿勢のまま摩擦材とディスクロータが接触することになり、摩擦材の偏摩耗の原因になっていた。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、非ブレーキ操作時の振動を抑制しつつ、パッド裏金をディスクロータに向かって移動させ、両者の接触により制動力が生じるまでの間、パッド裏金および当該パッド裏金が支持する摩擦材が傾かないようにしつつ移動させることのできるディスクブレーキ装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のディスクブレーキ装置は、車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に対向して配置される摩擦材と、前記摩擦材の前記ディスクロータに対向しない面を支持する支持面を有すると共に、当該支持面の両端面に一対のガイド部を有するパッド裏金と、前記ディスクロータの回転軸と実質的に平行な方向に前記パッド裏金の非支持面を押圧して、前記摩擦材をディスクロータの摩擦摺動面に押し当てる押圧手段と、前記パッド裏金のガイド部と係合して、前記パッド裏金がディスクロータに向かって移動することを許容すると共に、前記パッド裏金が前記押圧手段により押圧され前記摩擦材が前記ディスクロータに接触して制動力を発生したときに摩擦材に生じる制動トルクを受け止めるトルク受け面を有する車体固定マウントと、前記ガイド部の一部を押圧して、当該ガイド部を前記トルク受け面に対して押しつける押圧部材と、を含み、前記押圧部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記押圧部材による押圧力によりガイド部がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていることを特徴とする。
この態様によれば、パッド裏金は、押圧部材によりトルク受け面に押圧されるので、摩擦材とディスクロータが接触していない場合、パッド裏金の振動が抑制される。また、押圧手段による押圧力の付与位置と、反力の受圧位置とが押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められているので、パッド裏金の移動時に押圧力および反力に基づき発生する摺動摩擦力は等しい。その結果、押圧手段の押圧によりパッド裏金が傾くことなく移動させることができる。つまり、摩擦材をディスクロータに対して傾きを軽減した姿勢で押圧可能となり、摩擦材の偏摩耗を抑制できる。なお、パッド裏金がはじめから傾いていた場合でも、摩擦材とディスクロータが接触した時点で、ディスクロータから受ける反力によりパッド裏金の姿勢が補正され、当該摩擦材とディスクロータが平行に接触するようになる。その結果、パッド裏金が傾いた姿勢のまま移動しても摩擦材の偏摩耗が抑制できる。また、ディスクロータに対するパッド裏金、すなわち摩擦材の傾きが低減されるので、いわゆるブレーキ鳴きも軽減できる。
また、上記態様において、前記押圧部材は、前記ガイド部の少なくとも一方の端面を押圧するサイド押し部材であり、前記サイド押し部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記サイド押し部材の押圧力により他方のガイド部がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていてもよい。この態様によれば、パッド裏金がディスクロータの出入り方向に対して傾くことを抑制できる。
また、上記態様において、前記押圧部材は、各ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面を押圧する上下押し部材であって、前記上下押し部材が前記ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面に付与する押圧力の付与位置と、前記上下押し部材の押圧力によりガイド部の他方の面がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていてもよい。この態様によれば、パッド裏金がディスクロータの内外周方向に対して傾くことを抑制できる。
また、上記態様において、前記押圧部材は、前記ガイド部の少なくとも一方の端面を押圧するサイド押し部材と、前記各ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面を押圧する上下押し部材であって、前記サイド押し部材および前記上下押し部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記サイド押し部材および前記上下押し部材の押圧力によりガイド部が前記トルク受け面から受ける反力の受圧位置は、それぞれ前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていてもよい。この態様によれば、パッド裏金がディスクロータの出入り方向および内外周方向の両方に対して傾くことを抑制できる。
本発明のディスクブレーキ装置によれば、ディスクブレーキ装置の非操作時の振動を抑制しつつ、パッド裏金をディスクロータに対する傾きを軽減した姿勢で押圧させることができて、偏摩耗を軽減できる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のディスクブレーキ装置のキャリパは、摩擦材と、この摩擦材を支持する支持面を有すると共に、一対のガイド部を有するパッド裏金と、押圧手段と、車体固定マウントと、ガイド部の一部を押圧する押圧部材と、を含んでいる。そして、押圧部材は、ガイド部をトルク受け面に対して押しつける。このとき、押圧部材がガイド部に付与する押圧力の付与位置と、押圧部材による押圧力によりガイド部がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められている。押圧力の付与位置と反力の受圧位置が押圧手段の押圧中心位置から等距離にあり、そこで発生する摺動抵抗力も等しいので、押圧手段でパッド裏金を押圧する場合、パッド裏金を傾けることなく移動させることができる。
図1は、本実施形態のディスクブレーキ装置を構成する浮動型のキャリパ10の側面図、図2は、図1の線分A−Aにおける断面図である。また、図3は、図2の線分B−Bにおける断面図である。本実施形態のキャリパ10は、図1に示すように大別して、キャリパ自身を図示しない車体側に固定するための車体固定マウント(マウンティング)12と、ディスクロータに押圧され制動力を発生するブレーキパッド14と、ブレーキパッド14を駆動するために押圧手段として機能するシリンダ部16とで構成されている。車輪と共に回転するディスクロータ18は図2に示すように、一対のブレーキパッド14の間に存在する。ディスクロータ18の側面18a、18bは摩擦摺動面を構成し、一対のブレーキパッド14がディスクロータ18を挟んで対向配置される。このブレーキパッド14は、ディスクロータ18の側面18a、18bと直接接触する摩擦材20と、この摩擦材20の裏側、すなわちディスクロータ18と接触しない側を支持するパッド裏金22によって構成されている。
キャリパ10は、図2中左右方向に変位可能に車体固定マウント12を介して車体側に取り付けられている。キャリパ10のシリンダ部16には、図2に示すように、有底の穴24が穿設されており、この穴24には、ピストン26が摺動可能に嵌挿されている。穴24の底にはポート(不図示)が設けられ、油圧配管を介してマスターシリンダ(不図示)に接続されている。運転者がブレーキペダルを操作するとマスターシリンダからのブレーキ油がポート内に流入し、ピストン26を駆動するようになっている。
ブレーキ油がポート内に流入すると、ピストン26が図2に示す非動作状態から矢印R方向、すなわちピストン26の押圧方向に摺動し、パッド裏金22aを介して摩擦材20aをディスクロータ18の側面18aに押圧する。摩擦材20aがディスクロータ18に押圧されると、ピストン26は摺動を停止する。ピストン26が摺動を停止した後も、ブレーキ油がポート内に流入すれば穴24内の油圧がさらに上昇する。その結果、停止したピストン26が逆に穴24の内面を押圧し、シリンダ部16を構成するシリンダハウジング16aを矢印L方向、すなわち矢印R方向の逆方向に押圧し、油圧の上昇に伴って、シリンダハウジング16aが矢印L方向に変位する。
シリンダハウジング16aの非シリンダ形成側には爪部28が形成されており、シリンダハウジング16aの矢印L方向への変位に伴って、爪部28がパッド裏金22bを介して摩擦材20bをディスクロータ18の側面18bに押圧する。したがって、ディスクロータ18を一対の摩擦材20a,20bにより押圧挟持する状態となり、ディスクロータ18を効率的に制動させることが可能となる。
摩擦材20aを支持するパッド裏金22aは、図3に示すように、パッド裏金22aの摩擦材20aの支持面の両端面に形成され、所定の縦幅Pを持つ一対のガイド部30を有している。このガイド部30が、車体固定マウント12側に形成されたトルク受け面として機能するトルク受け溝32と遊嵌状態で係合している。回転するディスクロータ18に摩擦材20aを接触させると、当該摩擦材20aはディスクロータ18に引き摺られる状態になりディスクロータ18に関して接線方向の接線力、つまり制動トルクを受けることになる。この接線力をパッド裏金22aを介して車体固定マウント12のトルク受け溝32で受け止めることになる。言い換えれば、トルク受け溝32はパッド裏金22aの押圧時にディスクロータ18の回転方向に対して摩擦材20aの出口側のパッド裏金22aの端面部と接触して摩擦材20aの接線力を受け止める。例えば、図3において、ディスクロータ18(不図示)が反時計方向に回転した場合、トルク受け溝32aが、当該トルク受け溝32aに係合するガイド部30の制動トルクを受ける。逆に、ディスクロータ18(不図示)が時計方向に回転した場合、トルク受け溝32bが、当該トルク受け溝32bに係合するガイド部30の制動トルクを受ける。その結果、車両の前進時および後退時の両方で良好に制動力を確保することができる。
ところで、摩擦材20を支持するパッド裏金22は、非ブレーキ操作時には、ディスクロータ18から離間する位置に退避している。そして、シリンダ部16にブレーキ油が導入されると、パッド裏金22はディスクロータ18に向かって移動を開始する。この移動をスムーズに行うために、ガイド部30とトルク受け溝32とは遊嵌状態で係合している。ただし、クリアランスが形成された完全な遊嵌状態の場合、車両の走行時などにパッド裏金22が振動して異音を発生する。そのため、本実施形態のパッド裏金22とトルク受け溝32との間には、押圧手段として、リーフスプリング34が挿入されている。リーフスプリング34の挿入により、クリアランスを埋めつつ、パッド裏金22の移動をスムーズに行えるようになっている。
図4には、リーフスプリング34の一例が示されている。この例のリーフスプリング34は、パッド裏金22のガイド部30の端面を押圧するサイド押し機能と、ガイド部30の下面を押圧する下面押し機能を有している。つまり、リーフスプリング34は、図中矢印S方向のサイド押し押圧力を発生するサイド押し部材として機能するサイド押し片34aと、矢印U方向の下面押し押圧力を発生する上下押し部材として機能する下面押し片34bとを含む。なお、リーフスプリング34をガイド部30に装着するために、下面押し片34bの対向面に支持片34cを形成している。リーフスプリング34は例えば周知のばね鋼材で形成することができる。なお、以下に説明する実施形態において、パッド裏金22の左右のガイド部30に装着したリーフスプリング34とトルク受け溝32との間の摺動摩擦係数は同じであるとする。
図5には、ガイド部30にリーフスプリング34を装着した状態が示されている。このように、リーフスプリング34のサイド押し片34aによりパッド裏金22は、反対側のトルク受け溝32に付勢される。また、下面押し片34bによりパッド裏金22はトルク受け溝32の上面側に付勢される。その結果、ディスクブレーキ装置が非ブレーキ操作状態の時でも、パッド裏金22はトルク受け溝32に付勢され、パッド裏金22がトルク受け溝32内部で振動することが防止される。なお、パッド裏金22は、両端にガイド部30を有しているので、他方のガイド部30にも図4に示すリーフスプリング34を装着してもよい。また、振動を防止する目的の場合、パッド裏金22はトルク受け溝32に付勢されればよいので、両方のガイド部30をそれぞれサイド押しする必要はない。サイド押しを一方のガイド部30に対してのみ行う場合、一方のガイド部30に図4に示すリーフスプリング34を装着し、他方は、サイド押し片34aを取り除いたリーフスプリングを装着すればよい。また、図4のリーフスプリング34は、下面押し片34bにより下面を付勢する構成を示しているが、上面を押す上面押し片を形成してもよい。また、下面押し片34bおよび上面押し片を備えてもよい。さらに、サイド押しのみを行うリーフスプリング、または、下面のみを付勢するリーフスプリング、上面のみを付勢するリーフスプリング、上下面のみを付勢するリーフスプリングを採用してもよい。
本実施形態において、リーフスプリング34がガイド部30に装着される場合、リーフスプリング34がガイド部30に付与する押圧力の付与位置と、リーフスプリング34による押圧力によりガイド部30がトルク受け溝32から受ける反力の受圧位置は、シリンダ部16の押圧中心位置から等距離に定められている。
図6は、リーフスプリング34によるサイド押しのみを行う場合を示している。サイド押し片34aのみを有するリーフスプリング34をパッド裏金22の一方のガイド部30に装着する。この場合、サイド押し片34aの押圧力S1により、他方のガイド部30は、トルク受け溝32から反力S2を受けることになる。この状態で、パッド裏金22をディスクロータ18に向かって移動させる場合、押圧力S1、反力S2に基づく摺動摩擦力が発生する。前述したように、本実施形態において、押圧力S1の付与位置と反力S2の受圧位置が押圧手段の押圧中心位置から等距離になるように定められている。すなわち、シリンダ部16の押圧中心Oから距離L1、L2が同じになるように定められている。そのため、パッド裏金22の移動時にガイド部30とトルク受け溝32との間で発生する摺動摩擦力が等しくなる。その結果、シリンダ部16がディスクロータ18の回転軸と実質的に平行な方向にパッド裏金22を押すように設計しておけば、パッド裏金22を移動させる時、パッド裏金22は左右方向(ディスクロータ18の出入り方向)に傾くことなくディスクロータ18へ向かって移動する。その結果、摩擦材20が左右に傾くことなくディスクロータ18に接触し制動力を発生し始める。つまり、摩擦材20の左右方向(ディスクロータ18の出入り方向)の偏摩耗が抑制できる。なお、ガイド部30とトルク受け溝32とは実際には面接触状態になっているが、本実施形態の説明では便宜上、面接触領域の重心位置を付与位置および受圧位置として図示している。
また、上述の説明では、サイド押し片34aにより片方のガイド部30を押圧側、他方を受圧側としたが、両方のガイド部30にサイド押し片34aを装着してもよい。この場合、押圧力と反力の合力に対し、シリンダ部16の押圧中心Oが等距離になるようにすればよく、同様の効果を得ることができる。
図7は、リーフスプリング34による下面押しのみを行う場合を示している。下面押し片34bのみを有するリーフスプリング34をパッド裏金22の両方のガイド部30に装着する。この場合、下面押し片34bの押圧力U1により、トルク受け溝32の上面側から反力U2を受けることになる。この状態で、パッド裏金22をディスクロータ18に向かって移動させる場合、押圧力U1、反力U2に基づく摺動摩擦力が発生する。前述したように、本実施形態において、押圧力U1の付与位置と反力U2の受圧位置が押圧手段の押圧中心位置から等距離になるように定められている。すなわち、シリンダ部16の押圧中心Oから距離L3、L4が同じになるように定められている。そのため、パッド裏金22の移動時にガイド部30とトルク受け溝32との間で発生する摺動摩擦力が等しくなる。その結果、シリンダ部16がディスクロータ18の回転軸と実質的に平行な方向にパッド裏金22を押すように設計しておけば、パッド裏金22を移動させる時、パッド裏金22は上下方向(ディスクロータ18の内外周方向)に傾くことなくディスクロータ18へ向かって移動する。その結果、摩擦材20が上下方向に傾くことなくディスクロータ18に接触し制動力を発生し始める。つまり、摩擦材20の上下方向の偏摩耗が抑制できる。なお、この場合もガイド部30とトルク受け溝32とは実際には面接触状態になっているが、本実施形態の説明では便宜上、面接触領域の重心位置を付与位置および受圧位置として図示している。なお、上述の例では、下面押し片34bのみを有するリーフスプリング34を用いて説明したが、上面押し片のみを有するリーフスプリングの場合も同様の効果を得ることができる。さらに、下面押し片34bおよび上面押し片を有するリーフスプリングの場合、押圧力と反力の合力に対し、シリンダ部16の押圧中心Oが等距離になるようにすればよく、同様の効果を得ることができる。
このように、ガイド部30に付与する押圧力の付与位置と、この押圧力によりガイド部30がトルク受け溝32から受ける反力の受圧位置をシリンダ部16の押圧中心位置から等距離にすることにより、非ブレーキ操作時の振動、異音を抑制できると共に、パッド裏金22の移動時に姿勢が傾いてしまうことを低減できる。また、パッド裏金22の傾きが軽減されることにより、いわゆるブレーキ鳴きも軽減される。
図6、図7ではそれぞれサイド押し状態と下面押し状態を別々に説明したが、図4に示すリーフスプリング34を使用し、サイド押しおよび下面押しに関して、押圧力の付与位置と反力の受圧位置とがシリンダ部16の押圧中心Oの位置に対して等距離になるように定めれば、パッド裏金22の左右方向の傾きおよび上下方向の傾きの両方を防止できる。つまり、パッド裏金22をディスクロータ18に移動させるとき、ディスクロータ18の摩擦摺動面に対して、摩擦材20の摩擦面をほぼ平行な姿勢で接近させることができる。その結果、摩擦材20の偏摩耗がディスクロータ18の出入り方向、および内外周方向の両方で抑制可能となり、摩擦材20の偏摩耗発生率が大幅に低減される。
なお、キャリパ10の場合、車両や車輪の傾き、シリンダ部16の自重の影響により、非ブレーキ操作に既にパッド裏金22が傾いてしまっている場合がある。上述したような付与位置と受圧位置と押圧中心Oの位置関係を形成する場合、シリンダ部16の押圧に対し、パッド裏金22は移動開始時の姿勢を維持した状態で移動するので、はじめから傾いている場合、パッド裏金22に支持された摩擦材20はディスクロータ18に傾いたまま接触する。しかし、付与位置と受圧位置において発生している摺動摩擦力が等しいので、傾いて先にディスクロータ18に接触した摩擦材20の部分が受けた反力により、パッド裏金22自体が容易に回転して、パッド裏金22の姿勢をディスクロータ18の摺動面に沿うように修正する。その結果、実際に制動力を発生し始めるまでに、摩擦材20はディスクロータ18に対して平行になり、偏摩耗が抑制できる。
なお、上述の例では、シリンダ部16側のパッド裏金22aについて述べたが、ディスクロータ18の逆側のパッド裏金22bに関しても同様な構成とすることが可能で、同様な効果を得ることができる。ディスクロータ18の逆側のパッド裏金22bは前述のように、爪部28によって押圧される。したがって、ガイド部30におけるリーフスプリング34による押圧力の付与位置とその反力の受圧位置が、爪部28による押圧中心から等距離になるように各位置関係を定めればよい。
図1から図3に示すキャリパ10の形状は一例であり、押圧部材、例えば、リーフスプリングによる押圧力の付与位置とその反力の受圧位置が、押圧手段による押圧中心から等距離になるように各位置関係を定めれていればよく、他の構成や形状は任意に変更可能であり、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、本実施形態では、ディスクブレーキ装置のキャリパの一例として浮動型を示したが、ディスクロータの両側のパッド裏金をそれぞれ専用のピストンで押圧する固定型のキャリパにも本実施形態の構成を適用可能であり、同様な効果を得ることができる。また、本実施形態においては、ガイド部を凸形状、トルク受け面を溝形状として説明したが、ガイド部側を凹形状、トルク受け側を凸形状としてもよく、本実施形態と同様な効果を得ることができる。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
本実施形態に係るディスクブレーキ装置のキャリパの側面図である。 図1の線分A−Aにおける断面図である。 図2の線分B−Bにおける断面図である。 本実施形態に用いる押圧部材の一例であるリーフスプリングの斜視図である。 図4のリーフスプリングをパッド裏金に装着した状態を説明する説明図である。 本実施形態において、サイド押し時の押圧力の付与位置とその反力の受圧位置、およびシリンダ部の押圧中心の関係を説明する説明図である。 本実施形態において、下面押し時の押圧力の付与位置とその反力の受圧位置、およびシリンダ部の押圧中心の関係を説明する説明図である。
符号の説明
10 キャリパ、 12 車体固定マウント、 14 ブレーキパッド、 16 シリンダ部、 16a シリンダハウジング、 18 ディスクロータ、 20 摩擦材、 22 パッド裏金、 24 穴、 26 ピストン、 28 爪部、 30 ガイド部、 32 トルク受け溝、 34 リーフスプリング、 34a サイド押し片、 34b 下面押し片、 34c 支持片。

Claims (4)

  1. 車輪とともに回転するディスクロータの摩擦摺動面に対向して配置される摩擦材と、
    前記摩擦材の前記ディスクロータに対向しない面を支持する支持面を有すると共に、当該支持面の両端面に一対のガイド部を有するパッド裏金と、
    前記ディスクロータの回転軸と実質的に平行な方向に前記パッド裏金の非支持面を押圧して、前記摩擦材をディスクロータの摩擦摺動面に押し当てる押圧手段と、
    前記パッド裏金のガイド部と係合して、前記パッド裏金がディスクロータに向かって移動することを許容すると共に、前記パッド裏金が前記押圧手段により押圧され前記摩擦材が前記ディスクロータに接触して制動力を発生したときに摩擦材に生じる制動トルクを受け止めるトルク受け面を有する車体固定マウントと、
    前記ガイド部の一部を押圧して、当該ガイド部を前記トルク受け面に対して押しつける押圧部材と、
    を含み、
    前記押圧部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記押圧部材による押圧力によりガイド部がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていることを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 前記押圧部材は、前記ガイド部の少なくとも一方の端面を押圧するサイド押し部材であり、
    前記サイド押し部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記サイド押し部材の押圧力により他方のガイド部がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  3. 前記押圧部材は、各ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面を押圧する上下押し部材であって、
    前記上下押し部材が前記ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面に付与する押圧力の付与位置と、前記上下押し部材の押圧力によりガイド部の他方の面がトルク受け面から受ける反力の受圧位置は、前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  4. 前記押圧部材は、前記ガイド部の少なくとも一方の端面を押圧するサイド押し部材と、各ガイド部の上面または下面の少なくとも一方の面を押圧する上下押し部材であって、
    前記サイド押し部材および前記上下押し部材が前記ガイド部に付与する押圧力の付与位置と、前記サイド押し部材および前記上下押し部材の押圧力によりガイド部が前記トルク受け面から受ける反力の受圧位置は、それぞれ前記押圧手段の押圧中心位置から等距離に定められていることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010236616A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Nissin Kogyo Co Ltd 車両用ディスクブレーキ

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