JP6114008B2 - ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体 - Google Patents

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Description

本発明は、制動トルクを受けるガイドプレートに複数のライニング組立体が旋回自在に支持されて、前記ライニング組立体がディスクロータへ押圧された時の摺動摩擦によって制動力を発生するディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体に関する。
ディスクブレーキ装置は、車軸に固定されるディスクロータと、このディスクロータに対峙して配置されるトルク受けプレートのディスクロータ側の面にライニング部材を組み付けたディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体と、トルク受けプレートをディスクロータに向かって進退駆動するアクチュエータを内蔵して車体フレームに固定されるブレーキキャリパとを具備し、トルク受けプレートをディスクロータ側に進出させてライニング部材がディスクロータへ押圧された時の摺動摩擦によって制動力を発生する。
鉄道車両用のディスクブレーキ装置では、ディスクロータやディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体が大型であるため、ディスクロータに押圧させるライニング部材を一体部品で形成すると、摩擦熱等でディスクロータに発生するうねり等のために非接触の領域が多くなり、安定した摩擦面積を維持できず、安定した制動特性が得られない。
また、ディスクロータとの接触によってライニング部材が不用意に回転すると、それにより制動トルクの伝達にロスが発生したり、ブレーキノイズが発生したりしてしまう。そのため、ライニング部材の回転を規制する手段が必要になり、部品の増加がコストアップを招くと同時に、部品の増加に伴う組み立て工程数の増加が生産性の低下を招く。
そこで、このような問題を解決するために、ガイドプレートに旋回自在(揺動自在)に支持されてディスクロータへ押圧されるライニング組立体が、摩擦材の裏面に固着された裏板部に、外周面がガイドプレートのガイド孔部に旋回自在に嵌合するプレート嵌合部と、ガイド孔部よりも大きな外径の抜け止めフランジ部とを備え、ディスクロータと摩擦材との接触時に作用する制動トルクをプレート嵌合部からガイドプレートに伝達し、裏板部との間に間隙を開けてガイドプレートに固着されたトルク受けプレートと裏板部との間には、複数のライニング組立体に跨って配備されてトルク受けプレートからの押圧力をこれらのライニング組立体に作用させる複数のリンクプレートが設けられた構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体では、リンクプレートが、トルク受けプレートのリンク支持部に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部と、各ライニング組立体の裏板部の中心のリンク当接部に当接してライニング組立体を旋回可能に支持する複数個の裏板当接曲面部と、各ライニング組立体の裏板部の中心から離れた位置に形成された係合孔に遊嵌して各ライニング組立体の旋回挙動を規制する回転規制部と、を備えている。
即ち、ライニング組立体から制動トルクを受ける部材と、ライニング組立体へ押圧力を作用させる部材とが別個に設定されており、ライニング組立体へ押圧力を作用させるプレート当接曲面部及び裏板当接曲面部とトルク受けプレートとの各接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。そのため、押圧力を伝達する各接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
また、各ライニング組立体の旋回挙動を規制する回転規制部が、裏板部に形成された係合孔と、リンクプレートに突設された回転規制部との嵌合によって行われるため、部品の増加に起因したコストアップや組立工程数の増加による生産性の低下といった不都合の発生を回避できる。
特開2008−133948号公報
ところで、上記特許文献1等に記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、リンクプレートで連携させた複数のライニング組立体が、トルク受けプレートとガイドプレートとによって挟まれる構成部品収納空間に収容される筐体構造を有する。
しかしながら、上述した従来の筐体構造は、トルク受けプレートとガイドプレートとの締結部が全てこれらトルク受けプレートとガイドプレートとの外周部に配設されているため、剛性が確保し難く、振動し易い構造となっていた。その結果、ブレーキ鳴き等が発生してしまう虞があった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、筐体構造の剛性を強固にしてブレーキ鳴きの発生を抑制できるディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 制動トルクを受けるガイドプレートに旋回自在に支持されディスクロータへ押圧される複数のライニング組立体と、前記ライニング組立体の摩擦材の裏面に固着された裏板部と、前記ガイドプレートに設けられ、それぞれの前記ライニング組立体の少なくとも前記摩擦材をディスクロータ側へ貫通させる複数のガイド孔部と、前記ガイドプレートに構成部品収納空間を構成して固着されて前記ガイドプレートとで筐体構造を構成するトルク受けプレートと、前記トルク受けプレートと前記裏板部との間に設けられ、複数のライニング組立体に跨って配備されて前記トルク受けプレートからの押圧力を前記ライニング組立体に作用させるリンクプレートと、それぞれの前記ライニング組立体の周囲において前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとに亘って設けられ、少なくとも前記ライニング組立体の重心を囲む三角形の各頂点位置に配置される複数の締結部と、を備え、前記ライニング組立体の重心をそれぞれ囲む複数の前記三角形が、前記頂点位置以外では共有点がないように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(1)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、全てのライニング組立体の重心(摩擦材のライニング面における面積中心)が、それぞれのライニング組立体の周囲に配置された複数の締結部の中から三箇所を結んだ三角形の内側に位置する。これにより、筐体構造を構成するガイドプレートとトルク受けプレートとは、ライニング組立体からの押圧力を受ける際に、少なくとも三角形に配置された締結部の内側にライニング組立体の重心が位置した状態で該ライニング組立体からの押圧力を受けることができ、十分な筐体強度を確保できる。
(2) 上記(1)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、前記ガイドプレート及び前記トルク受けプレートの前記構成部品収納空間を構成する部分に設けられる前記締結部が、前記構成部品収納空間の間隔を保持する間隔保持機構を備えることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(2)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、ガイドプレート及びトルク受けプレートの外周部以外の構成部品収納空間を構成する部分に設けられる締結部が、構成部品収納空間の間隔を保持する間隔保持機構を備えることにより、ガイドプレート及びトルク受けプレートにより構成される構成部品収納空間が精度良く確保されるとともに、強固な締結が実現される。
(3) 上記(2)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、前記間隔保持機構が、前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとの間に介装されたスペーサ部材と、これら前記ガイドプレートと前記スペーサ部材と前記トルク受けプレートとを貫通して挟持固定する締結部材と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(3)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、ガイドプレートとトルク受けプレートとの間に介装されたスペーサ部材によって、ガイドプレート及びトルク受けプレートの中央部近傍における構成部品収納空間を精度良く安価に確保することができる。
(4) 上記(3)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、前記スペーサ部材の少なくとも前記構成部品収納空間の離間方向一端側には、前記ガイドプレート又は前記トルク受けプレートに穿設される穴部と嵌合する段部が形成されることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
上記(4)の構成のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、スペーサ部材の少なくとも一端側に段部が設けられていると、相手側の穴部と嵌合することでスペーサ部材の位置決めが容易となり、組付け性が向上する。
本発明に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体によれば、筐体構造の剛性を強固にしてブレーキ鳴きの発生を抑制できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の正面図である。 図1に示したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体の背面図である。 図1に示した第1摩擦パッド組立て体を背面側から見た斜視図である。 図1に示した第1摩擦パッド組立て体の正面図である。 図3に示した第1摩擦パッド組立て体からトルク受けプレートが外された状態の背面図である。 図4のA−A矢視図である。 図4のB−B矢視図である。 ライニング組立体と締結部との位置関係を表すガイドプレートの背面図である。 ガイド孔部に装着されたライニング組立体にばね部材が配置されたガイドプレートの背面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11は、鉄道車両用ディスクブレーキ装置に使用されるもので、車軸上の不図示のディスクロータの周方向に、図1及び図2に示すように、隣接配置される2つの第1摩擦パッド組立て体13と第2摩擦パッド組立て体15とから構成されている。
第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15は、同様の構成を有しており、車軸上のディスクロータに対峙して配置されて車体フレームに固定されたブレーキキャリパに内蔵のアクチュエータによってディスクロータのディスクロータ表面に向かって進退駆動される。
第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15は、図4乃至図7に示すように、不図示のブレーキキャリパに内蔵されたアクチュエータによってディスクロータに向かって進退駆動されるトルク受けプレート17と、このトルク受けプレート17のディスクロータ側の面の上に略平面上に敷設される2種のリンクプレートである第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23と、トルク受けプレート17のディスクロータ側で、トルク受けプレート17に連結固定されるガイドプレート25と、ガイドプレート25に旋回可能に嵌合支持された5個のライニング組立体27とから構成されている。
トルク受けプレート17の裏面には、図3に示すように、アンカープレート29がリベット32により固定装備されている。このアンカープレート29が、ブレーキキャリパに内蔵されたアクチュエータに連結されて、第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15のディスクロータへの進退駆動が可能になる。
トルク受けプレート17は、図7に示すライニング組立体27の裏板部33との間に構成部品収納空間38を構成するため、平板材の周縁部に周壁37を突出形成して裏板部33の背面側を密封する薄皿状に成形されている。そして、トルク受けプレート17は、ライニング組立体27の裏板部33との間に構成部品収納空間38を構成して固着されてガイドプレート25とで筐体構造を構成している。
トルク受けプレート17は、それぞれのライニング組立体27の周囲においてガイドプレート25とトルク受けプレート17とに亘って設けられた締結部45,46によりガイドプレート25に固着されている。
締結部45は、ガイドプレート25及びトルク受けプレート17の外周部にそれぞれ穿設された穴部51,52を貫通するリベット31により、これらガイドプレート25とトルク受けプレート17の外周部を挟持固定する。
また、締結部46は、ガイドプレート25及びトルク受けプレート17の構成部品収納空間38を構成する部分に穿設された穴部51a,52aを貫通するリベット34,36により、これらガイドプレート25とトルク受けプレート17の構成部品収納空間38を構成する部分を挟持固定する。また、リベット36は、図6に示すように、ガイドプレート25及びトルク受けプレート17と共にアンカープレート29をも貫通して挟持固定している。
なお、これらリベット34,36によりガイドプレート25とトルク受けプレート17の構成部品収納空間38を構成する部分を挟持固定する締結部46は、構成部品収納空間38の間隔35を保持する間隔保持機構39を備えている。
本実施形態に係る間隔保持機構39は、ガイドプレート25とトルク受けプレート17との間に介装された中空円筒状のスペーサ部材41(図6参照)と、これらガイドプレート25の穴部52aとスペーサ部材41とトルク受けプレート17の穴部51aとを貫通して挟持固定する締結部材であるリベット34,36と、を備えている。なお、締結部材はリベット34,36に限らず、ボルト・ナット等の他の締結部材を用いることもできる。アンカープレート29には、上述した間隔保持機構39のリベット36を締結する際の作業穴となる貫通孔43が開口している(図3参照)。なお、スペーサ部材41は、第1リンクプレート21と第2リンクプレート23の間に配設され干渉することはない。
また、スペーサ部材41の少なくとも構成部品収納空間38の離間方向一端側には、トルク受けプレート17及びガイドプレート25にそれぞれ穿設される穴部51a,52aの少なくとも一方の穴部51aと嵌合する段部53が形成されている。
即ち、本実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、それぞれのライニング組立体27の周囲において、ガイドプレート25とトルク受けプレート17とに亘ってリベット31,32,34による締結部45,46(図4参照)が設けられることになる。そして、これら締結部45,46は、少なくともライニング組立体27の重心(摩擦材61のライニング面における面積中心)47を囲む三角形49の各頂点位置に配置される(図8参照)。
第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23は、図5に示すように、複数のライニング組立体27に跨って配備されて、トルク受けプレート17からの押圧力をこれらのライニング組立体27に作用させる。
トルク受けプレート17の第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の側の面には、それぞれの第1リンクプレート21と第2リンクプレート23を旋回自在に支持するための平滑面であるリンク支持部55が、第1リンクプレート21と第2リンクプレート23のそれぞれの略重心位置に対応するように、形成されている。
一方、第1リンクプレート21と第2リンクプレート23の略重心位置には、トルク受けプレート17に形成されたリンク支持部55に当接して旋回可能に支持される単一のプレート当接曲面部57が形成されている。本実施形態の場合、プレート当接曲面部57は、リンク支持部55に対して旋回自在に当接する凸湾曲面に形成されている。
なお、本実施形態の場合、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23は略重心位置のプレート当接曲面部57がトルク受けプレート17に当接して旋回自在に支持されているので、このプレート当接曲面部57を除いて、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23のトルク受けプレート側の面とトルク受けプレート17との間には、旋回を許容する隙間が形成されている。
ガイドプレート25は、ガイド孔部59が所定の離間間隔で5つ形成されており、それぞれのガイド孔部59には、ライニング組立体27が装着される。
ライニング組立体27は、略円板状に成型された摩擦材61と、この摩擦材61の裏面に固着された裏板部33とから構成されている。裏板部33には、図6及び図7に示すように、外周面がガイドプレート25に貫通形成された円形のガイド孔部59に旋回自在に嵌合するプレート嵌合部63と、ガイド孔部59よりも大きな外径の抜け止めフランジ部65とが設けられている。ライニング組立体27は、ディスクロータと摩擦材61との接触時に作用する制動トルクをプレート嵌合部63からガイドプレート25に伝達する。
ここで、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23と各ライニング組立体27の裏板部33との間には、ライニング組立体27をガイドプレート側に付勢された状態に支持するばね部材である皿ばね67が挟まれている。
それぞれのライニング組立体27の裏板部33は、中心に凹曲面形状の図7に示すリンク当接部69が形成されるとともに、中心から離れた位置に図5に示す回り止め用の係合孔71が形成されている。
これに対応して、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23には、係合孔71に遊嵌してそれぞれのライニング組立体27の回転挙動を規制する回転規制部73が備えられている。
第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23には裏板部33に対面する裏板当接曲面部75が突設され、裏板当接曲面部75にはリンク当接部69が回転自在に当接する。本実施形態において、裏板当接曲面部75は、凸湾曲面に形成されている。回転規制部73は、第1リンクプレート21と第2リンクプレート23の端部に延出した突片を、係合孔側に折り曲げたものである。
次に、第1摩擦パッド組立て体13及び第2摩擦パッド組立て体15の組立手順を第1摩擦パッド組立て体13を例に説明する。
先ず、図5に示すように、背面を上方に向けてセットされたガイドプレート25のガイド孔部59に、摩擦材61がガイドプレート25の正面側(図6の下側)に突出するようにライニング組立体27が挿入装着される。ガイド孔部59に挿入装着されたライニング組立体27は、抜け止めフランジ部65がガイド孔部59の周縁部に当接した状態とされる。
次に、皿ばね67がそれぞれのライニング組立体27における裏板部33に載置される(図9参照)。更に、裏板当接曲面部75が裏板部33の背面中心に対面するようにして、皿ばね67に係合される。同時に、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の回転規制部73が回り止め用の係合孔71に係合し、図5に示すように、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23が皿ばね67の上に載置される。また、間隔保持機構39のスペーサ部材41が、ガイドプレート25の中央部近傍における所定位置である穴部52aと同軸に載置される。
これら皿ばね67と第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とをライニング組立体27の背面側に装着した状態で、トルク受けプレート17が締結部45のリベット31によりガイドプレート25の外周部に固着される。更に、トルク受けプレート17とガイドプレート25の構成部品収納空間38を構成する部分は、ガイドプレート25とスペーサ部材41とトルク受けプレート17とを貫通する締結部46のリベット34,36によって、挟持固定される。この際、間隔保持機構39におけるスペーサ部材41の一端側には、図6に示す段部53が設けられているので、相手側の穴部51aと嵌合することで位置決めが容易となる。
次に、上記の構成を有するディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11の作用を説明する。
本実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11において、トルク受けプレート17上での各ライニング組立体27の位置規制は、ライニング組立体27のディスクロータ表面と平行な方向に対しては、ライニング組立体27のプレート嵌合部63とガイドプレート25のガイド孔部59との嵌合によって行われ、ディスクロータ表面と直交する方向に対しては、ライニング組立体27のリンク当接部69と第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏板当接曲面部75との当接によって行われる。
従って、制動時にライニング組立体27に作用する制動トルクは、ガイドプレート25に伝達され、ガイドプレート25が固定されているトルク受けプレート17にダイレクトに伝達される。
また、ディスクロータへライニング組立体27を押圧する押圧力は、トルク受けプレート17から、トルク受けプレート17のリンク支持部55と第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23のプレート当接曲面部57との接触部を介して第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23に伝達され、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏板当接曲面部75とライニング組立体27のリンク当接部69との接触部を介してライニング組立体27に作用する。
即ち、ライニング組立体27から制動トルクを受ける部材(ガイドプレート25)と、ライニング組立体27へ押圧力を作用させる部材(第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とトルク受けプレート17)とが別個に設定されている。そこで、ライニング組立体27へ押圧力を作用させるライニング組立体27と第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23との接触部や、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23とトルク受けプレート17との接触部には、大きい負荷となる制動トルクが作用しない。
そのため、押圧力を伝達するそれぞれの接触部は、制動トルクを受け止める玉継手等の堅牢な係合にする必要がなく、加工精度の緩和によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
また、以上に説明したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、摩擦材61がディスクロータに押圧された時の押圧力の反力が通常範囲の大きさの場合には、ライニング組立体27から第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23の裏板当接曲面部75、プレート当接曲面部57を経て伝達されて、トルク受けプレート17で受け止められる。しかし、過大な反力がディスクロータから入力された場合には、プレス加工によって製作されている第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23が、トルク受けプレート17との間で旋回可能な隙間を埋めるように変形してトルク受けプレート17に強く当接する。
そのため、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23は、裏板当接曲面部75の近傍及びプレート当接曲面部57のそれぞれをトルク受けプレート17に接触させて、過大な反力をトルク受けプレート17に伝達すると同時に、破損が防止される。
また、以上に説明したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ライニング組立体27の裏板部33に形成した抜け止めフランジ部65の外径をガイドプレート25のガイド孔部59よりも大きく設定して、抜け止めフランジ部65の引っかかりによりライニング組立体27がガイドプレート25から脱落しないようにしており、高い安全性が得られる。
また、ライニング組立体27のガイドプレート25からの脱落防止のために、独立した専用部品を追加していないため、部品の増加に起因したコストアップや組み立て工程数の増加による生産性の低下といった不都合の発生を回避できる。
また、以上に説明したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ディスクロータにライニング組立体27が接触したときの制動トルクの伝達効率を高めるために、ディスクロータ表面に平行な面内でのライニング組立体27の回転規制が、ライニング組立体27の裏板部33に形成した係合孔71と、第1リンクプレート21及び第2リンクプレート23に突設された回転規制部73との嵌合によって行われている。即ち、ディスクロータ表面に平行な面内でのライニング組立体27の回転規制には、独立した専用部品を追加していないため、ライニング組立体27の回転規制のために部品が増加することがなく、部品の増加に起因したコストアップや組み立て工程数の増加による生産性の低下といった不都合の発生を回避できる。
更に、以上に説明したディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、複数個のライニング組立体27を平面状に敷き並べた形態であるが、各ライニング組立体27の裏板部33とガイドプレート25との間に挟まれるように配置された皿ばね67が、ライニング組立体27の厚さ方向の寸法公差を吸収するため、ディスクロータに対するライニング組立体27の接触性にばらつきが生じることを防止できる。
従って、ライニング組立体27の厚さ方向の寸法公差の影響を受けずに、安定した制動特性を維持することができる。
また、本実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ガイドプレート25とトルク受けプレート17とをリベット31,34,36による締結によって、一体の筐体構造としたことで、振動等で緩みが生じることのない堅牢な筐体構造を安価に得ることができる。
以上の基本作用に加え、本実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11は、上記の筐体構造を備えることで更に以下の作用を奏する。
即ち、本実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、上記のように、全てのライニング組立体27の重心(摩擦材61のライニング面における面積中心)47が、それぞれのライニング組立体27の周囲に配置された複数の締結部45,46の中から三箇所を結んだ三角形49の内側に位置する。これにより、筐体構造を構成するガイドプレート25とトルク受けプレート17とは、ライニング組立体27からの押圧力を受ける際に、少なくとも三角形に配置された締結部45,46の内側にライニング組立体27の重心47が位置した状態で該ライニング組立体27からの押圧力を受けることができ、十分な筐体強度を確保できる。
また、本実施形態のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11では、ガイドプレート25とトルク受けプレート17とを外周部において締結部45のリベット31で締結固定して一体の筐体構造とするとともに、トルク受けプレート17とガイドプレート25の構成部品収納空間38を構成する部分の締結部46には、構成部品収納空間38の間隔35を保持する間隔保持機構39が設けられている。この間隔保持機構39によって、トルク受けプレート17の構成部品収納空間38を構成する部分においてトルク受けプレート17に作用する押圧力の一部が支持される。これにより、ガイドプレート25に外周部が固着されたトルク受けプレート17の剛性は、間隔保持機構39が設けられていない場合よりも高まり、トルク受けプレート17の板厚を薄くすることが可能となる。その結果、使用部品の加工精度の緩和や部品の軽量化によるコストの節減、生産性の向上を実現することができる。
また、ガイドプレート25及びトルク受けプレート17の外周部以外の構成部品収納空間38を構成する部分に設けられる締結部46の間隔保持機構39が、ガイドプレート25とトルク受けプレート17との間に介装されたスペーサ部材41と、これらガイドプレート25とスペーサ部材41とトルク受けプレート17とを貫通して挟持固定するリベット34,36とを備えることにより、ガイドプレート25及びトルク受けプレート17の中央部近傍における構成部品収納空間38を精度良く安価に確保することができるとともに、強固な締結が実現される。
従って、本実施形態に係るディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体11によれば、筐体構造の剛性を強固にしてブレーキ鳴きの発生を抑制できる。
なお、本発明のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、1つのディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体を複数の単位摩擦パッド組立て体から構成する場合に、構成する単位摩擦パッド組立て体の数量は、1つ又は3つ以上としても良い。
11…ディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体
17…トルク受けプレート
21…第1リンクプレート(リンクプレート)
23…第2リンクプレート(リンクプレート)
25…ガイドプレート
27…ライニング組立体
33…裏板部
35…間隔
38…構成部品収納空間
41…スペーサ部材
45,46…締結部
47…重心
51,51a…穴部
52,52a…穴部
53…段部
59…ガイド孔部
61…摩擦材

Claims (4)

  1. 制動トルクを受けるガイドプレートに旋回自在に支持されディスクロータへ押圧される複数のライニング組立体と、
    前記ライニング組立体の摩擦材の裏面に固着された裏板部と、
    前記ガイドプレートに設けられそれぞれの前記ライニング組立体の少なくとも前記摩擦材をディスクロータ側へ貫通させる複数のガイド孔部と、
    前記ガイドプレートに構成部品収納空間を構成して固着されて前記ガイドプレートとで筐体構造を構成するトルク受けプレートと、
    前記トルク受けプレートと前記裏板部との間に設けられ、複数のライニング組立体に跨って配備されて前記トルク受けプレートからの押圧力を前記ライニング組立体に作用させるリンクプレートと、
    それぞれの前記ライニング組立体の周囲において前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとに亘って設けられ、少なくとも前記ライニング組立体の重心を囲む三角形の各頂点位置に配置される複数の締結部と、を備え、
    前記ライニング組立体の重心をそれぞれ囲む複数の前記三角形が、前記頂点位置以外では共有点がないように構成されていることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  2. 請求項1記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
    前記ガイドプレート及び前記トルク受けプレートの前記構成部品収納空間を構成する部分に設けられる前記締結部が、前記構成部品収納空間の間隔を保持する間隔保持機構を備えることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  3. 請求項2記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
    前記間隔保持機構が、前記ガイドプレートと前記トルク受けプレートとの間に介装されたスペーサ部材と、これら前記ガイドプレートと前記スペーサ部材と前記トルク受けプレートとを貫通して挟持固定する締結部材と、を備えることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
  4. 請求項3記載のディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体であって、
    前記スペーサ部材の少なくとも前記構成部品収納空間の離間方向一端側には、前記ガイドプレート又は前記トルク受けプレートに穿設される穴部と嵌合する段部が形成されることを特徴とするディスクブレーキ用摩擦パッド組立て体。
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