以下に、本発明に係る粉体収納容器、粉体補給装置および画像形成装置の各実施例について図面を参照しつつ説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
本発明に係る粉体収納容器の一実施例である実施例1のトナーカートリッジ(50Y、50C、50M、50BK)、およびそれが装着可能な画像形成装置10の構成を説明する。まず、その画像形成装置10の構成およびその動作について説明する。
実施例1の画像形成装置10は、図1に示すように、カラープリンタであり、箱状の筐体(装置本体11)に収容されて構成されている。この画像形成装置10では、画像情報に基いて帯電工程後の感光体ドラム21(像担持体)に静電潜像を書き込む書込み部12A〜12Dが設けられている。この書込み部12A〜12Dは、ポリゴンミラー13A〜13Dや光学素子14A〜14D等を有し、それらを用いる光走査装置として構成されている。なお、書込み部として、光走査装置の替わりにLEDアレイを用いてもよい。書込み部12A〜12Dにより書き込まれた静電潜像は、給紙部31に格納された被転写材Pに転写される。
その被転写材Pは、記録紙、OHP等であり、給紙部31に複数枚重ねて格納されている。その給紙部31は、画像形成時には、給紙ローラ32の回転駆動により、収納されたうちの一番上の被転写材Pを転写ベルト30に向けて給送する。その転写ベルト30は、被転写材Pをその表面に静電的に吸着させて搬送して感光体ドラム21上に形成されたトナー像を被転写材P上に転写するための無端状ベルト(始まりの端部および終わりの端部の区別なく同一経路上を周回移動される)である。転写ベルト30の外周面上に、吸着ローラ34とベルトクリーナ35とが設けられている。
この転写ベルト30を介在させて、各感光体ドラム21に転写ローラ24が対向されている。その各転写ローラ24は、図示は略すが、芯金と芯金を被覆する導電性弾性層とを有する。転写ローラ24の導電性弾性層は、ポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を中抵抗に調整した弾性体とされている。周回移動される転写ベルト30の上方に定着部36が設けられている。その定着部36は、加圧ローラ37および加熱ローラ38を有し、被転写材P上のトナー像を圧力と熱とによって被転写材Pに定着させる。
転写ベルト30に沿って縦方向に4つのプロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKが設けられている。その4つのプロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像を形成するためのものである。各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK上には、キャリア(磁性キャリア)と各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナー(トナー粒子)とを現像装置23に供給する供給手段として、キャリアおよびトナーを収容した粉体収納容器としてのトナーカートリッジ50Y、50C、50M、50BKが設置されている。
プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BK、およびトナーカートリッジ50Y、50C、50M、50BKは、回転支軸(図示せず)を中心に転写ベルト30を開放することで、装置本体11に対して着脱することができる。
実施例1では、画像形成装置10は、複写機およびプリンタとして機能する複合型の画像形成装置とされている。複写機として機能する場合には、スキャナから読み込まれた画像情報に対してA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理が施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する場合には、コンピュータ等から送信されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施されて書込みデータに変換される。
画像形成時には、書込み部12A〜12Dからプロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yに対して、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの画像情報に応じた露光光がそれぞれ照射される。すなわち、書込み部12A〜12Dの各光源から発せられた露光光(レーザ光)が、ポリゴンミラー13A〜13Dおよび光学素子14A〜14D等を経て、各感光体ドラム21上に照射される。これによって、各プロセスカートリッジ20BK、20M、20C、20Yの感光体ドラム21(像担持体)上に、露光光に応じたトナー像が形成される。そして、このトナー像が、被転写材Pに転写されることになる。
給紙部31から給送された被転写材Pは、レジストローラ33の位置で一旦タイミングを合わせて、転写ベルト30の位置に搬送される。すなわち、レジストローラ33は、上記した感光体ドラム21(像担持体)上のトナー像が形成される箇所の通過にタイミングを合わせて回転駆動される。転写ベルト30の送入位置に設けられた吸着ローラ34は、電圧の印加により送入された被転写材Pを転写ベルト30に吸着させる。これにより、被転写材Pは、転写ベルト30の矢印方向の走行にともなって移動する。その被転写材Pは、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKの位置を順次通過して各色のトナー像が重ねて転写される。
カラーのトナー像が転写された被転写材Pは、転写ベルト30から分離して定着部36に達する。被転写材P上のトナー像は、加圧ローラ37および加熱ローラ38に挟まれつつ加熱されることで被転写材P上に定着される。一方、転写ベルト30において被転写材Pが分離した箇所の表面は、その後にベルトクリーナ35の位置に達して、その表面に付着したトナー等の汚れがクリーニングされる。
次に、画像形成装置10におけるプロセスカートリッジおよびトナーカートリッジについて説明する。なお、各プロセスカートリッジ20Y、20C、20M、20BKは、略同一構造であるとともに、各トナーカートリッジ50Y、50C、50M、50BKも略同一構造であることから、以下の説明および図2では、プロセスカートリッジおよびトナーカートリッジにおける各カラーを示す符号(アルファベット(Y、C、M、BK))を省略する。また、書込み部12A〜12Dに関しても、同様に、個別に示すための符号(アルファベット(A〜D))を省略する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、像担持体としての感光体ドラム21、帯電部22、現像装置23(現像部)、クリーニング部25が一体化されて構成され、プレミックス現像方式が採用されている。そのプレミックス現像方式とは、キャリアの補給および排出を適宜におこなう現像方式である。
像担持体としての感光体ドラム21は、負帯電の有機感光体であって、不図示の回転駆動機構によって反時計方向(時計回りとは反対側)に回転駆動される。帯電部22は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層がローラ状に形成されており、弾性を有する帯電ローラである。帯電部22の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。クリーニング部25は、感光体ドラム21の表面を摺るように接するクリーニングブラシ(またはクリーニングブレード)が設置されていて、感光体ドラム21上の未転写トナーを機械的に除去および回収する。
現像装置23では、現像剤担持体としての2つの現像ローラ23a1、23a2が感光体ドラム21に近接して配置されている。現像ローラ23a1、23a2の対向部分には、感光体ドラム21と磁気ブラシとが接触する現像領域が形成される。この現像装置23内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。そして、現像装置23は、感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する)。なお、現像装置23の構成および動作については後に説明する。
ここで、実施例1における現像装置23は、プレミックス現像方式のものであって、現像装置23内に適宜に新品のキャリアC(現像剤G)がトナーカートリッジ50から供給されるとともに、劣化した現像剤Gが現像装置23の外部に設置された現像剤貯留容器41に向けて排出される。そのトナーカートリッジ50は、その内部に現像装置23内に供給するための現像剤G(トナーTおよびキャリアC)を収容している。トナーカートリッジ50は、現像装置23に新品のトナーTを供給する供給手段として機能するとともに、現像装置23に新品のキャリアCを供給する供給手段として機能する。なお、実施例1では、トナーカートリッジ50の現像剤Gにおける、キャリアCに対するトナーTの混合率(トナー濃度)が比較的高く設定されている。
次に、感光体ドラム21上でおこなわれる作像プロセスについて説明する。
感光体ドラム21が反時計方向に回転駆動されると、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電部22の位置で一様に帯電される。その後、感光体ドラム21の表面における帯電された箇所は、露光光Lの照射位置に達して、書込み部12による露光工程がおこなわれる。すなわち、露光光Lの照射によって感光体ドラム21上を画像情報に応じて選択的に除電する(電位を変化させる)ことで、照射されなかった非画像部の電位との差(電位コントラスト)を発生させて静電潜像を形成する。なお、この露光工程は、感光体ドラム21の感光層中で電荷発生物質が光を受けて電荷を発生して、このうち正孔が感光体ドラム21表面の帯電電荷と打ち消しあうものである。
その後、感光体ドラム21の表面における潜像が形成された箇所は、現像装置23との対向位置に達する。感光体ドラム21上の静電潜像は、現像ローラ23a1、23a2上の磁気ブラシと接触して、磁気ブラシ中の負帯電されたトナーTが付着されて可視化される。詳細には、上方の現像ローラ23a1の磁極による磁力で汲み上げられた現像剤Gは、ドクターブレード23cによって適量化された後、感光体ドラム21との対向部である現像領域(2つの現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との対向領域)に搬送される。現像領域において穂立ちされたキャリアCが感光体ドラム21の表面上を摺るように擦り当てられる。このとき、キャリアCに混合されているトナーTは、キャリアCとの摩擦によって負帯電されている。これに対して、キャリアCは正帯電されている。また、現像ローラ23a1、23a2には、図示を略す電源部から所定の現像バイアスが印加される。これにより、現像ローラ23a1、23a2と感光体ドラム21との間に電界が形成されて、負帯電されたトナーTが電界によって感光体ドラム21上の画像部(静電潜像)にのみ選択的に付着してトナー像を形成する。
その後、感光体ドラム21の表面におけるトナー像が形成された箇所は、転写ベルト30および転写ローラ24との対向位置に達する。そして、このタイミングに合わせてその対向位置に搬送された被転写材P上に、感光体ドラム21上のトナー像が転写される。このとき、転写ローラ24には、所定の電圧が印加されている。
その後、トナー像が転写された被転写材Pは、定着部36を通過して、排出ローラ39から装置外部に排出される(図1参照)。一方、転写工程時に被転写材Pに転写されずに感光体ドラム21上に残留したトナーT(未転写トナー)は、感光体ドラム21上に付着したままクリーニング部25との対向部に達する。そして、感光体ドラム21上の未転写トナーは、クリーニング部25で除去および回収される。その後、感光体ドラム21の表面は、図示を略す除電部を通過して残留電位が除去され、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
次に、現像装置23の構成および動作について説明する。現像装置23は、上述したように、現像ローラ23a1、23a2、搬送スクリュ23b1〜23b3(オーガスクリュ)、ドクターブレード23c等で構成されている。その2つの現像ローラ23a1、23a2は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブが回転駆動機構(図示せず)により時計回り方向に回転されるように構成されている。現像ローラ23a1、23a2のスリーブ内には、スリーブの周面に現像剤Gの穂立ちを生じるように磁界を形成するマグネットが固設されている。マグネットから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤G中のキャリアCがスリーブ上にチェーン状に穂立ちする。このチェーン状に穂立ちしたキャリアCに帯電したトナーTが付着されて、磁気ブラシが形成される。磁気ブラシは、スリーブの回転によってスリーブと同方向(時計回り方向)に移送される。
ドクターブレード23cは、現像領域の上流側に設置されていて、現像ローラ23a1上に担持された(磁力で汲み上げられた)現像剤を適量に規制する。ドクターブレード23cは、実施例1では、SUS316やXM7等の非磁性金属材料で形成された板厚が2mm程度の板状部材である。なお、ドクターブレード23cの対向面側に、SUS430等の磁性金属材料で形成された板厚が0.3mm程度の薄板を設置することもできる。
3つの搬送スクリュ23b1〜23b3は、軸部上に螺旋状にスクリュ部が形成されたものであり、現像装置23内に収容された現像剤Gを長手方向(図2の紙面垂直方向)に循環しながら撹拌して混合する。第1搬送スクリュ23b1は、現像ローラ23a1に対向する位置に設けられ、現像剤Gを水平方向に搬送する(図2の紙面垂直方向)とともに、現像ローラ23a1上に現像剤Gを供給する。換言すると、第1搬送スクリュ23b1は、現像ローラ23a1に対向するとともに、現像ローラ23a1に現像剤Gを長手方向(図2の紙面垂直方向)に搬送しながら供給する。
第2搬送スクリュ23b2は、第1搬送スクリュ23b1の下方であって現像ローラ23a2に対向する位置に設けられている。そして、現像ローラ23a2から離脱した現像剤G(現像工程後に現像剤離れ極によって現像ローラ23a2上から強制的に離脱された現像剤G)を水平方向に搬送する。換言すると、第2搬送スクリュ23b2は、現像ローラ23a2に対向する位置に設けられるとともに、現像ローラ23a2から離脱された現像剤Gを長手方向に搬送する。その現像剤離れ極とは、現像ローラ23a2のスリーブ内部にあるマグネットが、部分的に磁極がない状態に設定する、もしくは反発磁界が形成されるような磁極配置のマグネットを用いることにより形成されている。この第1搬送スクリュ23b1及び第2搬送スクリュ23b2は、現像ローラ23a1、23a2や感光体ドラム21と同様に、回転軸がほぼ水平になるように設けられている。
第3搬送スクリュ23b3は、明確な図示は略すが、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路の下流側と、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の上流側と、を直線的に結ぶように、水平方向に対して斜めに設けられている。この第3搬送スクリュ23b3は、第2搬送スクリュ23b2によって搬送された現像剤Gを第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の上流側に搬送するとともに、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の下流側から落下経路を介して循環される現像剤Gを第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の上流側に搬送する。
なお、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路と、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路と、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路と、は壁部によって隔絶されている。また、図示は略すが、第2搬送スクリュ23b2による搬送経路の下流側と、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路の上流側と、は第1中継部を介して連通している。また、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路の下流側と、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の上流側と、は第2中継部を介して連通している。また、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の下流側と、第3搬送スクリュ23b3による搬送経路の上流側と、は落下経路を介して連通している。このような構成により、3つの搬送スクリュ23b1〜23b3によって、現像装置23において現像剤Gを長手方向に循環させる循環経路が形成されることになる。
また、第1搬送スクリュ23b1による搬送経路の壁部には、現像装置23内に収容された現像剤Gの一部を外部(現像剤貯留容器41)に排出するための排出穴23d(排出手段)が設けられている。詳しくは、排出穴23dは、トナーカートリッジ50から現像装置23内に現像剤Gが供給されて装置内の現像剤量が増加してその位置に搬送される現像剤Gの剤面(上面)が所定高さを超えたときに、その余剰分の現像剤Gを現像剤貯留容器41に向けて排出するためのものである。すなわち、余剰分の現像剤Gは、排出穴23dの下部の高さを超えて、排出穴23dから排出されて排出経路42を経由して現像剤貯留容器41に向けて重力落下していく。このように、トナーTの母体樹脂や外添剤によって汚染されて劣化したキャリアが自動的に現像部の外部に排出されるので、経時においても画像品質の劣化を抑止することができる。なお、図2では図示を省略しているが、排出経路42中には、排出穴23dから排出された現像剤を水平方向に搬送するための排出スクリュが設置されている。
次に、トナーカートリッジ50から現像装置23に新品のキャリアCを供給するトナー補給装置(粉体補給装置)43の構成について説明する。図3は、トナー補給装置43に装着された状態のトナーカートリッジ50と、その周囲構成とを示す概略構成図である。
図3に示すように、トナーカートリッジ50には、トナーTを収容する収容部51(粉体収容部)に、攪拌部材52とテーパ部53と排出通路54と排出口(粉体排出口)55と搬送スクリュ56とシャッタ機構(スライドシャッタ機構)60とが設けられている。攪拌部材52は、収容部51の内方で回転可能に設けられ、図示は略すが適宜回転されることにより収容部51に収容された現像剤G(図2参照)を攪拌し、その現像剤Gを重力によりテーパ部53へと移動させる。テーパ部53は、収容部51の底面側(Y軸方向負側)に設けられており、収容部51の内方から外方へ向けて寸法を漸減させている。排出通路54は、テーパ部53の先端(図3を正面視して下端)側に形成されており、テーパ部53に連続して収容部51の底面を開放している。排出口55は、排出通路54の一端に形成されており、収容部51すなわちトナーカートリッジ50に収容された現像剤Gを排出するための開口を形成している。搬送スクリュ56は、明確な図示は略すが、排出通路54の内方で回転可能に設けられ、図示は略すが適宜回転されることにより排出通路54へと移動された現像剤Gを排出口55側へと搬送する。
シャッタ機構60は、収容部51(トナーカートリッジ50)の底部外壁にスライド移動可能に設けられており、初期状態では排出口55に対向する位置に存在されて排出口55を塞いでいる(図4等参照)。また、シャッタ機構60は、収容部51(トナーカートリッジ50)の底部外壁に対してスライド移動することにより、排出口55を開放することが可能とされている(図3等参照)。このシャッタ機構60は、トナーカートリッジ50のトナー補給装置43への装着により、排出口55を開放すべくスライド移動する。このシャッタ機構60の構成および動作に関しては、後に詳細に説明する。
トナーカートリッジ50は、画像形成装置10の手前側から奥側に向けてスライド移動されることにより、トナー補給装置43に装着される(矢印A1参照)。すると、収容部51に対してシャッタ機構60がスライド移動されて、排出口55が開放される。このとき、図示は略すが、攪拌部材52および搬送スクリュ56は、トナー補給装置43に設けられた攪拌駆動カップリング(後述する図32の符号301参照)および搬送駆動カップリングに各々連結される。すると、収容部51では、収容する現像剤G(図示せず)が攪拌部材52により攪拌されて重力により底面側のテーパ部53へと移動される。その現像剤Gは、重力によりテーパ部53に沿って移動することで、テーパ部53に続く排出通路54に集められ、その排出通路54に設けられた搬送スクリュ56が適宜回転駆動されることにより排出口55へと搬送される。そして、現像剤Gは、排出口55を通って外部に排出されてトナー補給装置43に至る。
そのトナー補給装置43には、トナー一時貯留部44が設けられている。そのトナー一時貯留部44には、収容部51(トナーカートリッジ50)の排出口55から排出された現像剤Gが、自重によりに落下してくる。トナー一時貯留部44には、トナー検知センサ45と回転清掃部材46とが設けられている。そのトナー検知センサ45は、圧電式センサ等からなり、トナー一時貯留部44内の現像剤Gの有無を検知する。回転清掃部材46は、明確な図示は略すが、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等からなる可撓性の清掃部材が回転軸部材上に設けられて構成されている。この回転清掃部材46は、トナー補給装置43に設けられた駆動源により回転軸部材が回転駆動されることにより、清掃部材がトナー検知センサ45の検知部表面(図示せず)に付着した現像剤Gを掻き取ることで清掃する。
そのトナー一時貯留部44の底面には、トナー搬送管47が接続されている。トナー一時貯留部44に送られた現像剤Gは、自重によってトナー搬送管47内に送り込まれる。そのトナー搬送管47の先端部は、プリンタ本体に装着されたプロセスユニットの現像装置23に連結されている。トナー搬送管47内の現像剤Gは、図示は略すが管内に設けられたスクリュ部材やオーガスクリュ等の回転搬送部材の回転駆動に伴って、現像装置23に向けて搬送される。これにより、トナーカートリッジ50から排出された現像剤Gは、現像装置23内に供給される。
画像形成装置10の図示を略す制御部は、トナーカートリッジ50の攪拌部材52および搬送スクリュ56を回転駆動させているにも拘らず、トナー検知センサ45からトナー検知信号が送られてこない場合、収容部51(トナーカートリッジ50)内のトナーエンド(収容する現像剤Gがほとんどすべて消費されて空になったこと)と判断する。ここで、トナーエンド検出時であっても、トナー搬送管47内には現像剤Gがまだ残っているので、しばらくの間はトナーカートリッジ50が交換されなくても現像剤Gを補給することができる。このように、トナー一時貯留部44内の現像剤Gの有無に基づいて収容部51(トナーカートリッジ50)内のトナーエンドを検出することで、トナーカートリッジ50にトナー検知センサを設けなくても、トナーエンドの時期を適切に検出することができる。
次に、本発明の特徴部分について、図4から図11を用いて説明する。以下の説明では、トナー補給装置43の後述するトナー容器固定部90(図10等参照)への取り付けのためのトナーカートリッジ50の挿入方向をZ軸方向(挿入時の前側を正側(前面))とし、実施例1では装着方向ともいう。また、トナーカートリッジ50が後述するトナー容器固定部90に適切に装着された状態において、Z軸方向に垂直な方向であって鉛直方向をY軸方向(鉛直方向上側が正側)とし、実施例1では上下方向(高さ方向)ともいう。さらに、Y軸方向およびZ軸方向に直交する方向をX軸方向(図4を正面視して手前側が正側)とし、実施例1では左右方向ともいう。また、以下の説明では、第1シャッタ62および第2シャッタ63を個別に説明する際にも、トナーカートリッジ50に取り付けられた状態における上述した各方向(X軸、Y軸、Z軸)を用いることとする。
図4は、トナーカートリッジ50を底面側から見た様子を示す斜視図である。図5は、収容部51(トナーカートリッジ50)の底面の構成を図4のI−I線に沿ったX−Z平面の断面で示す説明図である。図6は、シャッタ機構60の第1シャッタ62の構成を説明するための説明図であり、(a)は上面側(Y軸方向正側)から見た様子を正面図で示し、(b)は上面側であって装着方向後側(Z軸方向負側)から見た様子を斜視図で示し、(c)は上面側であって装着方向前側から見た様子を斜視図で示す。図7は、シャッタ機構60の第2シャッタ63の構成を説明するための説明図であり、(a)は上面側から見た様子を正面図で示し、(b)は上面側であって装着方向後側(Z軸方向負側)から見た様子を斜視図で示し、(c)は上面側であって装着方向前側から見た様子を斜視図で示す。図8は、収容部51(トナーカートリッジ50)の底面に第1シャッタ62および第2シャッタ63が組み付けられて構成されたシャッタ機構60の様子を図4のI−I線に沿って得られた断面で示す説明図である。図9は、図8のII−II線に沿って得られた断面で示す説明図である。図10は、トナー補給装置43のトナー容器固定部90を上側(Y軸方向正側)から見た様子を示す正面図である。図11は、図10のIII−III線に沿って得られた断面で示す説明図である。なお、図6では、理解容易のために、シャッタシール77を省略して示している。また、図9では、理解容易のために、搬送スクリュ56を省略して示している。
トナーカートリッジ50は、図4に示すように、全体に箱状を呈し、その内方に収容部51が設けられている。この収容部51は、上述したように、現像剤G(図示せず)が収容される箇所であり、その前面に電子基板57と連結開口部58とが設けられている。その電子基板57は、RFID(Radio Frequency IDentification)等であり、トナー補給装置43に設けられたアンテナ基板(図示せず)を介して画像形成装置10(その制御部(図示せず))との間で、通信による情報の授受を可能とする。それらの間で通信される情報としては、トナーカートリッジの製造番号、リサイクル回数等の情報や、ロット番号、色等の情報や、画像形成装置10の使用履歴等の情報がある。また、電子基板57には、トナーカートリッジ内のトナー消費量に応じて、トナーカートリッジ内の残量トナー量等に関する情報等が、アンテナ基板(図示せず)により適宜書き込まれる。この電子基板57は、受信面が収容部51(トナーカートリッジ50)の前面に沿うように設けられていることから、当該受信面上に現像剤Gが落下することを防止することができ、現像剤Gが介在することによる通信感度の低下を防止することができる。
連結開口部58は、収容部51の内方に設けられた攪拌部材52の連結箇所52aを、収容部51の前面(Z軸方向正側の面)から露出させるものである。その連結箇所52aは、図示は略すがトナー補給装置43に設けられた攪拌駆動カップリングへの連結箇所となる。
その収容部51の底部に、テーパ部53、排出通路54および排出口55が設けられており(図3および図9参照)、その排出通路54に連続して遮蔽開口部59が設けられている(図9等参照)。その遮蔽開口部59は、収容部51をZ軸方向に沿って貫通されて形成されており(図9等参照)、収容部51の前端面(Z軸方向正側の面)(トナーカートリッジ50の前端面50a)を開放するとともに、排出通路54(排出口55)に通じている(図9等参照)。遮蔽開口部59は、搬送スクリュ56よりも大きな内径寸法とされるとともに、収容部51の前端面(トナーカートリッジ50の前端面50a)を開放する箇所の上側(Y軸方向正側)に庇箇所59aが設けられている。これにより、遮蔽開口部59は、排出通路54内に回転可能に配された搬送スクリュ56の連結箇所56aを収容部51の前面(Z軸方向正側の面)から露出させることができ、その連結箇所56aの上方を庇箇所59aで遮蔽することが可能とされている。その連結箇所56aは、図示は略すがトナー補給装置43に設けられた搬送駆動カップリングへの連結箇所を構成する。この搬送スクリュ56は、上述したように、排出通路54に集められた現像剤Gを排出口55(図9等参照)へ向けて搬送する。その排出口55は、トナーカートリッジ50の下壁部50b(後述する取付突部61(図5等参照))をY軸方向に沿って貫通して形成されている(図2および図9等参照)。また、トナーカートリッジ50の下壁部50bでは、明確な図示は略すが、排出口55の周辺に、部分的にY軸方向負側に突出されて直方体形状を呈する取付突部61(図5等参照)が設けられている。換言すると、排出口55は、下壁部50bの取付突部61をY軸方向に貫通して形成されている。このため、トナーカートリッジ50の下壁部50bが、排出口55が設けられた一側面となる。その排出口55を塞ぐべくシャッタ機構60が設けられている。
そのシャッタ機構60は、トナーカートリッジ50の下壁部50b(その取付突部61)に第1シャッタ62と第2シャッタ63とがZ軸方向にスライド移動可能に設けられて構成される。シャッタ機構60では、第1シャッタ62を、排出口55とY軸方向で対向する封止位置(図9等参照)に存在させることと、そこからZ軸方向負側へとスライド移動させて開放位置(図20および図21等参照)とすることとが可能である。また、シャッタ機構60では、第2シャッタ63を、封止位置の第1シャッタ62とY軸方向で並列する被覆位置(図4および図8等参照)に存在させることと、そこからZ軸方向負側へとスライド移動させて解除操作位置(図16、図17および図21等参照)とすることとが可能である。
シャッタ機構60では、第1シャッタ62および第2シャッタ63のZ軸方向への移動とその制限とを可能とするために、トナーカートリッジ50の下壁部50bに、図5に示すように、一対の案内溝64と、一対の固定突起65と、一対の支持突起66と、一対の開放突起67と、が設けられている。一対の案内溝64は、トナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた取付突部61のX軸方向で見た両側端面をX軸方向に凹ませつつZ軸方向に伸びて形成されている。
固定突起65は、下壁部50bにおいて、取付突部61のZ軸方向負側の位置で、X軸方向で対を為して設けられている。両固定突起65は、下壁部50bからY軸方向負側へ向けて突出する基端部65aと、その突出端から互いに近付く方向へとX軸方向に沿って伸びる被押当部65bと、を有する。このため、固定突起65は、Y軸方向で見て、下壁部50bと被押当部65bとの間に通路空間65c(図9等参照)を規定している。
支持突起66は、下壁部50bにおいて、固定突起65のX軸方向で見た外側の位置で、X軸方向で対を為して設けられている。両支持突起66は、下壁部50bからY軸方向負側へ向けて突出する基端部66aと、その突出端でX−Y平面に沿って伸びる平板状の平板部66bと、を有する。その一対の基端部66aは、Z軸方向正側の端部が、Z軸方向負側に向かうに連れてX軸方向の外側へ向かう傾斜壁面66cとされている。
一対の開放突起67は、下壁部50bの取付突部61のZ軸方向正側の端部に設けられ、Z軸方向正側へ向けて突出されている。この両開放突起67は、Z軸方向正側の先端面67aが同一のX−Y平面上に存在する平坦面とされている。一対の開放突起67は、X軸方向で見た外側の側面が、取付突部61のX軸方向で見た両側端面と等しい平面を構成している。
また、トナーカートリッジ50では、図4および図5に示すように、取付突部61のX軸方向で見た外側に一対の側壁部50cが設けられており、それぞれの内方に固定解除片68(図4では一方のみ示す)が設けられている。この一対の固定解除片68は、X軸方向で見た内側へ向けて各側壁部50cから突出する薄板状を呈し、Y軸方向から見ると三角形状とされている。この両固定解除片68は、Z軸方向正側に前側傾斜辺部68aを形成するとともに、Z軸方向負側に後側傾斜辺部68bを形成する(図5参照)。
さらに、トナーカートリッジ50では、図4および図5に示すように、一対の側壁部50cのX軸方向で見た内側であって、シャッタ機構60(第1シャッタ62および第2シャッタ63)の外側に、一対の案内壁部50dが設けられている。この両案内壁部50dは、Y−Z平面に平行な平板状を呈し、X軸方向で見たシャッタ機構60の両側に並列されている。これらが設けられたトナーカートリッジ50の下壁部50bに第1シャッタ62が取り付けられる。
その第1シャッタ62は、図6に示すように、全体に平板状を呈し、一対の側壁部71と固定片部72と解除突起73と設置部74と一対の固定壁部75と一対の案内壁部76とを有する。側壁部71は、Z軸方向に伸びる棒状を呈し、X軸方向で見た両端位置で対を為して設けられている。この側壁部71には、X−Y平面に平行な断面が、X軸方向で見た外側であってY軸方向負側を開放するL字状とされた切欠箇所71a(図6(b)および図6(c)参照)が形成されている。この両側壁部71をX軸方向に掛け渡して固定片部72が設けられている。
その固定片部72は、両側壁部71への取り付け箇所となる基端部72aと、そこから伸びる本体部72bと、を有する。基端部72aは、Z軸方向で見た両側壁部71の中間位置をX軸方向に掛け渡して設けられている。本体部72bは、基端部72aからZ軸方向負側へ向けて伸びる板状を呈し、基端部72aを基点としてY軸方向負側へと傾斜、換言するとZ軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向負側へと変位するように傾斜されている(図9等参照)。本体部72bは、実施例1では、Y軸方向で見るとH字形状を呈する平板状とされており、基端部72aとは反対側の突出端がX軸方向で対を為して突出する押当脚部分72cとされている。この各押当脚部分72cは、第1シャッタ62が後述する封止位置とされると、トナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた各固定突起65の被押当部65bとZ軸方向で当たることが可能とされている(図8および図9等参照)。これを本体部72bの固定姿勢とする。
この本体部72bは、Y軸方向への力が加わるとその力の方向に撓み変形するとともに、その力が解除されると元の位置(固定姿勢)へと復帰する弾性力を発揮することが可能とされている。すなわち、本体部72bは、基端部72a(第1シャッタ62)に対して、Y軸方向正側へと変位させる動作に抗する弾性力を発揮することが可能な弾性箇所とされている。また、本体部72bは、トナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた固定突起65の通路空間65c(図9等参照)を通すことが可能な大きさ寸法とされている(図21等参照)。このため、本体部72bは、Y軸方向正側へと変位されると、各押当脚部分72cが各固定突起65の被押当部65bに当たる状態が解消されて、通路空間65cに通すことが可能な状態となる。これを本体部72bの解除姿勢とする。
この本体部72bには、解除突起73が設けられている。解除突起73は、本体部72bがX−Z平面に平行な状態とされているものとして、当該本体部72bの略中央位置からY軸方向負側に向けて突出されて形成されている(図9等参照)。この解除突起73は、実施例1では、H字形状を呈する本体部72bにおけるX軸方向に伸びる箇所の中間箇所が部分的に突出されて形成されており(図6(a)参照)、Z軸方向正側の端部がY軸方向負側へ向かうに連れてZ軸方向負側へと変位する傾斜面73aとされている(図9等参照)。このため、解除突起73にY軸方向正側への力を加えることで、固定姿勢の本体部72bをY軸方向正側へと変位させて、解除姿勢とすることができる(図16、図17および図21等参照)。このことから、解除突起73は、Y軸方向正側へと押されることにより、第1シャッタ62の封止位置での固定を解除する固定解除部として機能する。
固定片部72(その基端部72a)および一対の側壁部71に囲まれて設置部74が設けられている。その設置部74は、シャッタシール77(シール部材)(図9等参照)が設置される箇所を構成するものであり、全体に薄板の直方体形状を呈し、Y軸方向で見ると矩形状とされている。この設置部74は、Z軸方向正側の先端面74aがX−Y平面に平行であってX軸方向に伸びる平坦面とされている。そこに設置されるシャッタシール77は、設置部74に嵌め込まれるように当該設置部74に設けられて固定され、トナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた排出口55の周辺で取付突部61に押し当てられることにより、その排出口55を封止(排出口55を封じて現像剤Gの出入りを止める)する(図16および図17等参照)。
一対の固定壁部75は、一対の側壁部71の前端部(Z軸方向正側の端部)からY軸方向正側へ向けて突出して設けられている。両固定壁部75は、薄板の直方体形状を呈し、Z軸方向負側にX−Y平面に平行な被引掛面75aを形成する。
一対の案内壁部76は、一対の固定壁部75に連続して設けられており、一対の側壁部71におけるX軸方向で見た内側からY軸方向正側へ向けて突出して設けられている。両案内壁部76は、薄板の直方体形状を呈し、Y−Z平面に平行な案内面76aを形成する。その各案内面76aには、案内突起76bが設けられている。その案内突起76bは、トナーカートリッジ50の下壁部50bの取付突部61に設けられた案内溝64(図5等参照)に移動可能に嵌り込むことが可能とされている。案内突起76bは、案内溝64(図8等参照)内に挿入されると、Y軸方向で見て、設置部74に設けられたシャッタシール77(図9等参照)との間で当該案内溝64を規定する片部(後述する図35の符号64a参照)を挟み込むことが可能とされている。この第1シャッタ62を覆うように第2シャッタ63が設けられる(図4等参照)。
その第2シャッタ63は、図7に示すように、全体に平板状を呈し、平板部78と解除操作突起79と一対の側壁部80と一対の腕部81と一対の規制部82とを有する。平板部78は、X−Z平面に平行な薄板状を呈し、実施例1では、Y軸方向(X−Z平面上)で見て第1シャッタ62よりも大きな寸法とされている(図8等参照)。この平板部78は、Z軸方向正側の先端面78aがX−Y平面に平行であってX軸方向に伸びる平坦面とされている。
平板部78には、解除操作突起79が設けられている。解除操作突起79は、平板部78の中央近傍において、Y軸方向正側へ向けて突出されて形成されている。この解除操作突起79は、Y−Z平面に平行な断面で見て、Y軸方向正側を上底とする台形形状とされている(図9等参照)。このため、解除操作突起79では、Z軸方向負側の端部がZ軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向負側へと変位する傾斜面79aとされている。また、解除操作突起79は、後述するように第2シャッタ63が第1シャッタ62とともにトナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた状態(図9等参照)において、第2シャッタ63が移動されて第1シャッタ62の固定片部72の解除突起73とY軸方向で対向する位置となると、その解除突起73をY軸方向正側へと押して固定片部72の本体部72bを解除姿勢(図16、図17および図21等参照)まで変位させることを可能とする高さ寸法(Y軸方向で見た大きさ寸法)とされている。すなわち、解除操作突起79は、Y軸方向で見た大きさ寸法(高さ寸法)が、第1シャッタ62の固定片部72の解除突起73との協働により、固定片部72の本体部72bを解除姿勢へと変位させることを可能とすべく設定されている。
一対の側壁部80は、平板部78のX軸方向で見た両端位置からY軸方向正側へ向けて突出して形成されている。両側壁部80には、X軸方向で見た内側に受入凹所80aと傾斜面80bとが設けられている。受入凹所80aは、側壁部80の平板部78からの突出基部を切り欠いて形成されており、側壁部80(その突出基部)をX軸方向で見て外側へと凹ましつつZ軸方向に伸びるものとされている。この受入凹所80aは、トナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた支持突起66の平板部66b(図5等参照)を移動可能に受け入れることが可能な高さ寸法(Y軸方向で見た大きさ寸法)とされている。傾斜面80bは、側壁部80のY軸方向正側の端部を切り欠いて形成されており、Y軸方向正側へ向かうに連れてX軸方向で見た外側へと変位する傾斜面とされている。
一対の腕部81は、対を為す側壁部80のZ軸方向正側の端部から、Z軸方向正側へと突出されて設けられている。この両腕部81は、平板部78と間隔を置きつつZ軸方向正側へと伸びる棒状を呈し、Z軸方向正側に向かうに連れて互いの間隔を狭めるように湾曲されている。両腕部81は、Y軸方向で見た平板部78との間隔が、両受入凹所80aの高さ寸法と等しいものとされており、平板部78との間にトナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた支持突起66の平板部66b(図5等参照)を移動可能に受け入れることが可能とされている。このため、この両腕部81と平板部78との間と、そこにZ軸方向で隣接する一対の受入凹所80aと、で、一対の支持突起66の平板部66bを受け入れることにより、第2シャッタ63をトナーカートリッジ50(その下壁部50b)に対してZ軸方向に移動可能に取り付けることができる。
両腕部81は、平板部78がY軸方向(X−Z平面上)で見て第1シャッタ62よりも大きな寸法とされていることから、双方の間に第1シャッタ62を存在させることができる。ここで、両腕部81は、後述するように第1シャッタ62および第2シャッタ63がトナーカートリッジ50の下壁部50bに適切に取り付けられた状態(図8等参照)において、Y軸方向で見た位置が第1シャッタ62の両側壁部71と等しいものとされている。このため、各腕部81は、上記した取り付け状態において、第2シャッタ63に対して第1シャッタ62がZ軸方向正側に移動すると、その第1シャッタ62の各側壁部71に当たる(干渉する)こととなる(図16等参照)。
この両腕部81は、Z軸方向正側の突出端81aがY軸方向で見て尖端状とされるとともにX軸方向で対向されており、その間隔が第1シャッタ62の幅寸法(X軸方向で見た両側壁部71の両側面の間隔)よりも小さく設定されている。両腕部81では、突出端81aの近傍に引掛片部分81bが設けられている。両引掛片部分81bは、腕部81(突出端81aの近傍)からX軸方向の外側に向けて突出されており、その突出端(X軸方向の外側の端部)が側壁部80(そのX軸方向の外側の壁面(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部81))と等しい面上に存在するものとされている。この状態を両腕部81の初期湾曲状態とする。
この両腕部81は、X軸方向への力が加わるとその力の方向に撓み変形するとともに、その力が解除されると元の位置(初期湾曲状態)へと復帰する弾性力を発揮することが可能とされている。すなわち、両腕部81は、各側壁部80(第2シャッタ63)に対して、X軸方向の外側へと変位させる動作に抗する弾性力を発揮することが可能な弾性箇所とされている。このため、両腕部81は、上記した取り付け状態(図8等参照)において、第2シャッタ63に対して第1シャッタ62がZ軸方向正側に移動すると、それぞれの突出端81aが第1シャッタ62の各側壁部71に当たることで、その各突出端81aがX軸方向の外側へと変位しつつZ軸方向に沿って伸びるように変形される(図16等参照)。すると、各腕部81の引掛片部分81b(その突出端(X軸方向の外側の端部))は、X軸方向で見て、側壁部80(そのX軸方向の外側の壁面(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部81))よりも外側に変位(突出)される(図16等参照)。
一対の規制部82は、平板部78のZ軸方向負側の端部であってX軸方向で見た両外側で、Y軸方向に突出して設けられている。両規制部82は、一対の側壁部80に設けられた受入凹所80aのZ軸方向負側に存在されており、そこに受け入れられたトナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた支持突起66の平板部66b(図5等参照)に当たることが可能とされている。
このシャッタ機構60では、次のようにトナーカートリッジ50の下壁部50bに第1シャッタ62および第2シャッタ63が取り付けられる。先ず、図8に示すように、一対の案内壁部76の案内突起76bをトナーカートリッジ50の下壁部50bの取付突部61に設けられた一対の案内溝64に挿入して、設置部74にシャッタシール77(図9等参照)が設けられた第1シャッタ62を取付突部61に取り付ける。すると、第1シャッタ62は、一対の案内溝64とそこに挿入された各案内突起76bとの案内により、トナーカートリッジ50の下壁部50bに対してZ軸方向にスライド移動可能となる。
そして、第1シャッタ62では、シャッタシール77がトナーカートリッジ50の下壁部50bに設けられた排出口55とZ軸方向で対向する位置とされると、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cが、下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たる。これは、第1シャッタ62の固定片部72の本体部72bが、基端部72a(第1シャッタ62)に対してZ軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向負側へと変位していることによる。このため、第1シャッタ62は、シャッタシール77を排出口55とZ軸方向で対向させた状態から、下壁部50b(その取付突部61(排出口55))に対してZ軸方向負側へと移動することが防止される。このとき、シャッタシール77は、排出口55の周辺で取付突部61に押し当てられて、その排出口55を覆うことで封止する(図9等参照)。これを、第1シャッタ62における封止位置とする。
また、第1シャッタ62では、固定片部72に設けられた解除突起73をY軸方向正側へと押すことにより、固定片部72の本体部72bをY軸方向正側(下壁部50bに接近する側)へと変位させることができる(図17等参照)。これにより、本体部72bの両押当脚部分72cが下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たる状態を解除することができる(図17等参照)。ここで、本体部72bは、トナーカートリッジ50の下壁部50bと固定突起65の被押当部65bとの間の通路空間65c(図9等参照)を通すことが可能な大きさ寸法とされていることから、第1シャッタ62を封止位置からZ軸方向負側へと移動することが可能となる(図21等参照)。このことから、本体部72bの両押当脚部分72cが固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たる状態を解除する位置(解除姿勢)まで、固定片部72の本体部72bをY軸方向正側(下壁部50bに接近する側)へと変位させることは、第1シャッタ62の固定を解除することとなる。このため、シャッタシール77が排出口55を覆わない位置まで第1シャッタ62をZ軸方向負側へと移動することにより、排出口55を開放することができる(図21等参照)。これを、第1シャッタ62における開放位置とする。
次に、第2シャッタ63を、その両側壁部80の傾斜面80bをY軸方向負側からトナーカートリッジ50の下壁部50bの一対の支持突起66の平板部66bに宛がい、さらにY軸方向正側(下壁部50bに接近する側)へと押すことにより、下壁部50b(その一対の支持突起66)に取り付ける。すると、第2シャッタ63では、一対の支持突起66の平板部66bを両側壁部80の受入凹所80aで受け入れた状態となる。このため、第2シャッタ63は、両受入凹所80aとそこで受け入れた一対の支持突起66の平板部66bとの案内により、トナーカートリッジ50の下壁部50bに対してZ軸方向にスライド移動可能となる。ここで、第2シャッタ63は、その大きさ寸法の設定(特に平板部78)により、一対の側壁部80の間に封止位置の第1シャッタ62を受け入れ、かつ一対の腕部81で挟み込みつつ、平板部78で当該第1シャッタ62を覆い隠すことができる(図4等参照)。このため、第2シャッタ63は、固定片部72に設けられた解除突起73のY軸方向負側に平板部78を存在させることができ、トナーカートリッジ50(その下壁部50b)の外方に解除突起73が露出することを防止することができる(図4および図9等参照)。これを、第2シャッタ63における被覆位置とする。
また、第2シャッタ63では、被覆位置からZ軸方向負側へと移動することにより、平板部78に設けられた解除操作突起79を、第1シャッタ62の固定片部72の解除突起73とY軸方向で対向させることができる(図16および図17等参照)。すると、解除操作突起79とは、解除突起73との相対的な設定により、その解除突起73をY軸方向正側へと押して固定片部72の本体部72bを解除姿勢(図17参照)まで変位させることができる。このことから、第2シャッタ63の解除操作突起79が封止位置の第1シャッタ62の解除突起73とY軸方向で対向させる位置を、第2シャッタ63の第1シャッタ62に対する解除操作位置とする。この第2シャッタ63は、第1シャッタ62に対する解除操作位置を維持したまま、第1シャッタ62とともにZ軸方向負側へと移動することが可能とされている(図21等参照)。このため、開放位置とされた第1シャッタ62に対して、解除操作位置を維持する位置を、第2シャッタ63の開放位置とする(図16および図17等参照)。
このように取り付けられることで、トナーカートリッジ50の下壁部50bにシャッタ機構60が設けられる。このシャッタ機構60では、図9に示すように、トナーカートリッジ50の下壁部50bの下方に取付突部61およびそこからZ軸方向正側に突出された一対の開放突起67を存在させ、その下方(Y軸方向負側)に第1シャッタ62を存在させ、その下方(Y軸方向負側)に第2シャッタ63を存在させている。そして、シャッタ機構60では、トナーカートリッジ50の前端面50a(収容部51の前端面)の下部において、搬送スクリュ56(図4参照)が設けられる遮蔽開口部59の下方に、両開放突起67の先端面67aを存在させ、その下方に第1シャッタ62の設置部74の先端面74aを存在させ、その下方に第2シャッタ63の平板部78の先端面78aを存在させている。
このシャッタ機構60が設けられたトナーカートリッジ50が装着されるトナー補給装置43には、シャッタ機構60の構成に適合するトナー容器固定部(容器固定部)90が設けられている。以下では、これについて説明する。
トナー容器固定部90は、図10および図11に示すように、案内溝部91と第2受入凹部92と固定溝部93と第1受入凹部94と固定爪部95と補給口部(粉体補給口部)96と固定解除爪部97とを有する。案内溝部91は、X軸方向で対を為して設けられており、Y軸方向に凹まされるとともにZ軸方向に伸びて形成されている。この一対の案内溝部91は、装着されるトナーカートリッジ50の一対の案内壁部50dに対応する位置関係とされており、それぞれが対応する案内壁部50dを受け入れることが可能とされている(図14等参照)。両案内溝部91は、図示を略す他の案内機構とともに、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対するトナーカートリッジ50の装着方向を規定する。
第2受入凹部92は、一対の案内溝部91の間に設けられており、トナーカートリッジ50のシャッタ機構60の第2シャッタ63を受け入れることが可能とされている(図14および図15等参照)。すなわち、第2受入凹部92は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50がZ軸方向へと移動された際、第2シャッタ63を含むシャッタ機構60のトナーカートリッジ50との一体的なZ軸方向への移動を許容する。この第2受入凹部92は、X軸方向で見た大きさ寸法が、第2シャッタ63と略等しいものとされており、Z軸方向への移動を可能としつつ嵌り込ませて第2シャッタ63を受け入れる(図14等参照)。
固定溝部93は、第2受入凹部92におけるZ軸方向正側の端部において、X軸方向で見た両側で対を為して設けられている。この各固定溝部93は、第2受入凹部92からX軸方向で見た外側へと凹んで形成されており、Z軸方向負側にX−Y平面に平行な固定壁面93aを規定している。各固定溝部93は、第2シャッタ63の一対の腕部81の引掛片部分81b(図7等参照)を受け入れることを可能とする大きさ寸法とされている。
第1受入凹部94は、Z軸方向で見て第2受入凹部92に隣接されるとともに、Y軸方向で見て第2受入凹部92の正側に設けられており(図11参照)、トナーカートリッジ50のシャッタ機構60の第1シャッタ62を受け入れることが可能とされている(図16および図17等参照)。すなわち、第1受入凹部94は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50がZ軸方向へと移動された際、第1シャッタ62のトナーカートリッジ50との一体的なZ軸方向への移動を許容する。この第1受入凹部94は、Y軸方向で見た第2受入凹部92との変位量(高さ寸法の差異)が、シャッタ機構60の第2シャッタ63の高さ寸法と略等しいものとされており、第2受入凹部92との間に第2段部98を形成している。その第2段部98は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してZ軸方向へと移動されたトナーカートリッジ50の第2シャッタ63(その平板部78の先端面78a)とZ軸方向で当たる(干渉する)こととなり、その第2シャッタ63のトナーカートリッジ50(シャッタ機構60の第1シャッタ62を含む)との一体的なZ軸方向への移動を阻む(図16および図17等参照)。第1受入凹部94は、X軸方向で見た大きさ寸法が、第1シャッタ62と略等しいものとされており、Z軸方向への移動を可能としつつ嵌り込ませて第1シャッタ62を受け入れる(図16等参照)。
固定爪部95は、第1受入凹部94のZ軸方向正側の端部の近傍で、その第1受入凹部94をX軸方向で挟むように対を為して設けられている。両固定爪部95は、Y軸方向で見て全体にU字形状を呈しており、一端突起95aと他端突起95bとを有する。一端突起95aと他端突起95bとは、各固定爪部95において、互いに等しい方向に伸びており、その突出端面が互いに平行とされ、一端突起95aの方が大きい突出量とされている。この一端突起95aと他端突起95bとの突出量の差異は、X軸方向で見たトナーカートリッジ50の取付突部61の側面(X軸方向に直交する面)と第1シャッタ62の両側壁部71における固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)との位置の差異に等しくされている(図8および図16等参照)。また、各固定爪部95は、トナーカートリッジ50が適切に装着された状態において、一端突起95aをトナーカートリッジ50の取付突部61の両側面に面で宛がうとともに、他端突起95bをトナーカートリッジ50に設けられた第1シャッタ62の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込ませる(存在させる)ことを可能とする位置に設けられている(図16等参照)。さらに、各固定爪部95は、後述する初期回転姿勢(図10参照)であるとき、トナーカートリッジ50が適切に装着されると、それぞれの一端突起95aがトナーカートリッジ50の取付突部61の両開放突起67の先端面67aにZ軸方向で当たることが可能とされている。
この両固定爪部95は、回転軸部95cを中心に回転可能とされるとともに、図示を略す規制部により矢印A2方向へ向けた回転範囲が図10に示す状態(初期回転姿勢)までに規制されている。両固定爪部95は、図示を略す弾性部材により矢印A2方向へ向けた回転力が付与されている。このため、両固定爪部95は、何らの力が加えられていない状態では、図10に示す初期回転姿勢とされている。また、両固定爪部95は、図示を略す弾性部材に抗して押すことで矢印A2とは反対側へと回転されることが可能とされている
(図16等参照)。
補給口部96は、Z軸方向で見て第1受入凹部94に隣接されるとともに、Y軸方向で見て第1受入凹部94よりも正側に設けられており(図11参照)、その中心が開口されてトナー補給口(粉体補給口)96aが設けられている。このトナー補給口96a(補給口部96)は、トナー補給装置43において、トナーカートリッジ50(その排出口55)から排出される現像剤Gを内方へ導くための入り口を形成するものであり、トナー一時貯留部44(図3参照)に通じるものとされている。この補給口部96は、Y軸方向で見た第1受入凹部94との変位量(高さ寸法の差異)が、シャッタ機構60の第1シャッタ62の高さ寸法と略等しいものとされており、第1受入凹部94との間に第1段部99を形成している。その第1段部99は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してZ軸方向へと移動されたトナーカートリッジ50の第1シャッタ62(その設置部74の先端面74a)とZ軸方向で当たる(干渉する)こととなり、その第1シャッタ62のトナーカートリッジ50との一体的なZ軸方向への移動を阻む。このため、トナー容器固定部90では、装着方向(Z軸方向負側から正側)で見て、手前に第2段部98が設けられているとともに、そこから間隔を置いて第1段部99が設けられている。補給口部96の上端面(Y軸方向正側の面であってトナー補給口96aにより開口された面)は、トナーカートリッジ50が適切に装着された状態において、その取付突部61の下端面(Y軸方向負側の面であって排出口55により開口された面)と面で当たる位置関係とされている(図21等参照)。このとき、排出口55とトナー補給口96aとは、Y軸方向で対向されて接続される。
固定解除爪部97は、トナー容器固定部90におけるX軸方向で見た外側の各端部で対を為して設けられており、それぞれ固定解除爪97aと押圧弾性部材97bとを有する。その各固定解除爪97aは、トナー容器固定部90に対してX軸方向に移動可能とされるとともに、図示を略す規制部によりトナー容器固定部90から外側へ向けた移動範囲が図10に示す状態(初期飛出位置)までに規制されている。各押圧弾性部材97bは、X軸方向の外側へ向けた力を対応する固定解除爪97aに付与する。このため、各固定解除爪97aは、何らの力が加えられていない状態では、図10に示す初期飛出位置とされて、トナー容器固定部90から先端部を突出させている。また、各固定解除爪97aは、各押圧弾性部材97bに抗してX軸方向の内側へと押すことにより、先端部をトナー容器固定部90内に押し入れることが可能とされている。
その固定解除爪97aの先端部は、Y軸方向から見ると三角形状とされており、Z軸方向正側に前側傾斜辺部97cを形成するとともに、Z軸方向負側に後側傾斜辺部97dを形成する(図10参照)。この固定解除爪97aの先端部(前側傾斜辺部97cおよび後側傾斜辺部97d)は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50がZ軸方向へと移動される際、その各側壁部50cに設けられた固定解除片68(その前側傾斜辺部68aおよび後側傾斜辺部68b(図5等参照))とZ軸方向で対向して互いに干渉することが可能とされている(図19および図20等参照)。
次に、トナーカートリッジ50のトナー容器固定部90(トナー補給装置43)への装着操作の際のシャッタ機構60およびトナー容器固定部90の動作について、図12から図22を用いて説明する。図12は、トナーカートリッジ50の移動に伴うシャッタ機構60とトナー容器固定部90との動作を模式的に示す説明図であり、(a)はトナーカートリッジ50とトナー容器固定部90とが装着方向で対向された状態を示し、(b)は第2シャッタ63が第2段部98に当たった状態を示し、(c)は第1シャッタ62が第1段部99に当たった状態を示し、(d)は排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態を示す。図13は、トナーカートリッジ50の移動に伴うシャッタ機構60の動作を模式的に示す説明図であり、(a)は第1シャッタ62が封止位置で第2シャッタ63が被覆位置である様子を示し、(b)は第1シャッタ62が封止位置で第2シャッタ63が解除操作位置である様子を示し、(c)は、第1シャッタ62が開放位置で第2シャッタ63が開放位置である様子を示す。図14は、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90へと装着する様子を説明すべく、トナーカートリッジ50を図8と同様の断面図で示すとともにトナー容器固定部90を図10と同様の正面図で示す説明図であり、トナーカートリッジ50の第2シャッタ63がトナー容器固定部90の第2段部98に当たった状態を示す。
図15は、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90へと装着する様子を説明すべく、図14のIV−IV線に沿って得られた断面で示す説明図である。図16は、図14と同様の説明図であり、トナーカートリッジ50の第1シャッタ62がトナー容器固定部90の第1段部99に当たった状態を示す。図17は、図15と同様の説明図であり、図16と同様の状態を示す。図18は、Y軸方向負側から見たトナーカートリッジ50(シャッタ機構60)に両固定爪部95および両固定解除爪部97を付して示す説明図であり、図16および図17と同様の状態を示す。図19は、図14と同様の説明図であり、トナーカートリッジ50の固定解除片68がトナー容器固定部90の両固定解除爪部97(固定解除爪97a)をトナー容器固定部90内に押し入れた状態を示す。図20は、図14と同様の説明図であり、トナーカートリッジ50の排出口55とトナー容器固定部90(トナー補給装置43)のトナー補給口96aとが接続された状態を示す。図21は、図15と同様の説明図であり、図20と同様の状態を示す。図22は、図18と同様の説明図であり、図20および図21と同様の状態を示す。
なお、図12では、理解容易のために、シャッタ機構60を第1シャッタ62と第2シャッタ63と排出口55とで示すとともに、トナー容器固定部90を第2段部98と第1段部99とトナー補給口96aとで示す。また、図13では、理解容易のために、シャッタ機構60を、図12と同様に第1シャッタ62と第2シャッタ63と排出口55とで示す。
先ず、図12(a)に矢印A3で示すように、トナー容器固定部90へ向けて、トナーカートリッジ50を装着方向(Z軸方向正側)へと移動させる。このとき、トナーカートリッジ50の一対の案内壁部50d(図5等参照)をトナー容器固定部90の一対の案内溝部91(図10等参照)内に挿入しつつ、図示を略す他の案内機構を互いに合わせることにより、トナー容器固定部90に対するトナーカートリッジ50の移動方向が装着方向(Z軸方向正側)に規定される(図14参照)。この状態において、シャッタ機構60では、第1シャッタ62が封止位置であることから、排出口55の周辺で取付突部61にシャッタシール77が押し当てられており、その排出口55が封止されている(図12(a)、図13(a)、図14および図15参照)。また、シャッタ機構60では、第2シャッタ63が被覆位置であることから、解除突起73を含む第1シャッタ62が第2シャッタ63により覆い隠されている(図4、図14および図15等参照)。さらに、第1シャッタ62では、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cが、下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たっている(図8、図9および図14参照)ことから、取付突部61(トナーカートリッジ50)に対するZ軸方向負側への移動が防止されている。ついで、第2シャッタ63では、両腕部81(それぞれの突出端81a)が、第1シャッタ62の各側壁部71の前端部(Z軸方向正側の端部)のZ軸方向正側に存在されており、その両腕部81が各側壁部71の前端部に当たることで、取付突部61(トナーカートリッジ50)に対するZ軸方向負側への移動が抑制されている(図14等参照)。
その後、図12(b)に矢印A4で示すように、トナーカートリッジ50をZ軸方向正側へと移動させると、シャッタ機構60の第2シャッタ63がトナー容器固定部90の第2受入凹部92内に進入し、やがて第2シャッタ63(その平板部78の先端面78a)がトナー容器固定部90の第2段部98に当たる(図12(b)、図14および図15参照)。このため、第2シャッタ63は、トナー容器固定部90に対してZ軸方向正側へと移動することが制限される。
その後、トナーカートリッジ50をZ軸方向正側へと移動させると、シャッタ機構60の第1シャッタ62がトナー容器固定部90の第1受入凹部94内に進入することで、その第1シャッタ62がトナーカートリッジ50とともにZ軸方向正側へと移動し、第2シャッタ63が第2段部98による制限位置に留まる(図12(c)、図13(b)、図16および図17参照)。すなわち、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62が封止位置とされたまま、第2シャッタ63が被覆位置からZ軸方向負側へと移動することとなる(図13(b)等参照)。すると、第2シャッタ63の両腕部81は、それぞれの突出端81aが第1シャッタ62の各側壁部71に当たることで、その各突出端81aがX軸方向の外側へと変位しつつZ軸方向に沿って伸びるように変形される(図16等参照)。このため、各腕部81の引掛片部分81b(その突出端(X軸方向の外側の端部))は、側壁部80(そのX軸方向の外側の壁面)よりもX軸方向の外側に変位(突出)されて、第2受入凹部92に通じる一対の固定溝部93のそれぞれに進入される(図16等参照)。
その後、図12(c)に矢印A5の示すように、トナーカートリッジ50をZ軸方向正側へと移動させると、シャッタ機構60の第1シャッタ62(その設置部74の先端面74a)がトナー容器固定部90の第1段部99に当たる(図12(c)、図16および図17参照)。このため、第1シャッタ62は、トナー容器固定部90に対してZ軸方向正側へと移動することが制限される。
この状態では、第1シャッタ62と第2シャッタ63とのZ軸方向への相対的な移動により、第1シャッタ62の解除突起73と第2シャッタ63の解除操作突起79とがY軸方向で対向する解除操作位置となる(図16および図17参照)。このため、解除操作突起79が解除突起73をY軸方向正側へと押すことで、固定片部72の本体部72bが解除姿勢まで変位される(図17参照)。ここで、解除突起73と解除操作突起79とは、第1シャッタ62と第2シャッタ63とのZ軸方向への相対的な移動の過程においてZ軸方向で当たることとなるが、解除突起73のZ軸方向正側の端部が傾斜面73aとされているとともに、解除操作突起79のZ軸方向負側の端部が傾斜面79aとされていることから、互いに引っ掛かることが防止されている。これにより、第1シャッタ62では、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cが、下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たっている状態(図14および図15参照)が解消されて、その本体部72b(両押当脚部分72c)が通路空間65cとZ軸方向で対向することとなり、取付突部61(トナーカートリッジ50)に対するZ軸方向負側への移動が可能となる。
また、この状態では、トナー容器固定部90に対するトナーカートリッジ50の取付突部61のZ軸方向正側への相対的な移動により、その取付突部61の両開放突起67(その先端面67a)がトナー容器固定部90の各固定爪部95の一端突起95aとZ軸方向で当たり、その一端突起95aをZ軸方向正側へと押すことで、両固定爪部95が回転軸部95cを中心に初期回転姿勢(図10参照)から回転されている(図16および図18参照)。このため、各固定爪部95は、一端突起95aをトナーカートリッジ50の取付突部61の両側面に面で宛がうとともに、それぞれの他端突起95bをトナーカートリッジ50に設けられた第1シャッタ62の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込ませて(存在させて)いる(図16参照)。
その後、図12(c)に示す矢印A5のように、トナーカートリッジ50をZ軸方向正側へと移動させると、トナーカートリッジ50(その取付突部61)が補給口部96上へと進み、第1シャッタ62が第1段部99による制限位置に留まるとともに、第2シャッタ63が第2段部98による制限位置に留まる(図12(d)、図13(c)および図19参照)。すなわち、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62と第2シャッタ63とが解除操作位置を維持したまま、Z軸方向負側へと移動することとなる(図13(c)等参照)。このとき、トナーカートリッジ50の各側壁部50cの固定解除片68は、その前側傾斜辺部68aが、トナー容器固定部90の固定解除爪部97の各固定解除爪97aの後側傾斜辺部97dとZ軸方向で当たり、その状態でさらにZ軸方向正側へと移動されることにより、各固定解除爪97a(その先端部(前側傾斜辺部97cおよび後側傾斜辺部97d))をトナー容器固定部90内に押し入れる(図19参照)。
その後、トナーカートリッジ50をZ軸方向正側へと移動させると、排出口55の周辺で取付突部61に第1シャッタ62のシャッタシール77が押し当てられている状態(図17等参照)が解除されるとともに、取付突部61の下端面(Y軸方向負側の面)と補給口部96の上端面(Y軸方向正側の面)とが面で当たりつつ、取付突部61の排出口55が補給口部96のトナー補給口96aとY軸方向で対向されて接続される(図13(c)および図20から図22参照)。このため、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62が排出口55を開放する開放位置とされるとともに、第2シャッタ63が第1シャッタ62に対して解除操作位置を維持する開放位置となる(図13(c)および図20から図22参照)。このとき、各腕部81では、突出端81aの近傍におけるX軸方向で見た内側の面が、支持突起66の基端部66aに設けられた傾斜壁面66cに宛がわれる(図20等参照)。また、トナーカートリッジ50の各側壁部50cの固定解除片68は、その先端箇所(前側傾斜辺部68aと後側傾斜辺部68bとの稜線)が、トナー容器固定部90の各固定解除爪部97の固定解除爪97aの先端箇所(前側傾斜辺部97cと後側傾斜辺部97dとの稜線)を超えた後に、その各固定解除爪97a(各固定解除爪部97)とは干渉しない位置までZ軸方向正側に移動される(図20および図22参照)。このため、各固定解除片68は、その後側傾斜辺部68bを、各固定解除爪部97の固定解除爪97aの前側傾斜辺部97cとZ軸方向で対向させており、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90に解除可能に固定している(図20および図22参照)。
このように、排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態(図21等参照)では、各固定爪部95の他端突起95bが、第1段部99による制限位置において開放位置とされた第1シャッタ62の両側壁部71における固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込まれている。また、その排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態(図21等参照)では、第2段部98による制限位置において開放位置とされた第2シャッタ63の両腕部81の各引掛片部分81bが、各固定溝部93に進入されている(図20等参照)。
これにより、トナー容器固定部90にトナーカートリッジ50が適切に装着されることとなり、トナーカートリッジ50の装着動作が完了する。このように、トナーカートリッジ50が適切に装着されると、トナー補給装置43では、トナーカートリッジ50の排出口55から外部に排出された現像剤Gを、トナー容器固定部90のトナー補給口96aから内方(トナー一時貯留部44)に導くことができる(図3参照)。これにより、トナーカートリッジ50から排出された現像剤Gは、現像装置23内に供給される(図3参照)。
次に、トナーカートリッジ50のトナー容器固定部90(トナー補給装置43)からの取り出し操作の際のシャッタ機構60およびトナー容器固定部90の動作について、図12および図13に加えて、図23から図25を用いて説明する。図23は、トナー容器固定部90からトナーカートリッジ50を取り出す様子を説明すべく、トナーカートリッジ50を図8と同様の断面図で示すとともにトナー容器固定部90を図10と同様の正面図で示す同様の説明図であり、トナーカートリッジ50がトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動され始めて両固定解除爪部97によるトナーカートリッジ50の固定が解除される様子を示す。図24は、図23と同様の説明図であり、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動されて両固定爪部95による第1シャッタ62の固定が解除された様子を示す。図25は、図23と同様の説明図であり、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動されて各引掛片部分81bと各固定溝部93とによる第2シャッタ63の固定が解除された様子を示す。
このトナー容器固定部90では、トナーカートリッジ50を取り出すには、そのトナーカートリッジ50を装着方向とは反対側すなわちZ軸方向負側へと移動させることとなり、Z軸方向負側が取出方向となる。
先ず、図12(d)に矢印A6で示すように、トナー容器固定部90からトナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させる。すると、トナーカートリッジ50の各側壁部50cの固定解除片68は、その後側傾斜辺部68bが、トナー容器固定部90の各固定解除爪部97の固定解除爪97aの前側傾斜辺部97cとZ軸方向で当たり、その状態でさらにZ軸方向負側へと移動されることにより、各固定解除爪97a(その先端部(前側傾斜辺部97cおよび後側傾斜辺部97d))をトナー容器固定部90内に押し入れる(図23参照)。その後、トナーカートリッジ50をさらに取出方向(Z軸方向負側)へと移動させることにより、各側壁部50cの固定解除片68は、その先端箇所(前側傾斜辺部68aと後側傾斜辺部68bとの稜線)が、トナー容器固定部90の各固定解除爪部97の固定解除爪97aの先端箇所(前側傾斜辺部97cと後側傾斜辺部97dとの稜線)を超えて、その各固定解除爪97a(各固定解除爪部97)とは干渉しない位置までZ軸方向負側に移動されることで、各固定解除片68と各固定解除爪部97とによる固定状態を解除することができる(図24等参照)。
また、トナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)に移動させると、取付突部61がZ軸方向負側へと移動して、排出口55がトナー容器固定部90のトナー補給口96aとY軸方向で対向した状態が解除される(図23参照)。このとき、シャッタ機構60では、トナー容器固定部90の各固定爪部95の他端突起95bが、第1シャッタ62の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込んでいることから、その他端突起95bが固定壁部75の被引掛面75aとZ軸方向で当たることにより、第1シャッタ62がトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動することが制限されている。また、シャッタ機構60では、第2シャッタ63の両腕部81の各引掛片部分81bが、トナー容器固定部90の各固定溝部93に進入していることから、その各固定溝部93の固定壁面93aに各引掛片部分81bがZ軸方向で当たる(干渉する)ことにより、トナー容器固定部90に対して第2シャッタ63がZ軸方向負側へと移動することが制限されている。このため、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62が第1段部99による制限位置で固定され、かつ第2シャッタ63が第2段部98による制限位置で固定されているので、取付突部61(トナーカートリッジ50)とともにZ軸方向負側へと移動することが防止されている(図12(d)から(c)参照)。すなわち、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62と第2シャッタ63とが解除操作位置を維持したまま、Z軸方向正側へと移動することとなる(図13(c)から(b)参照)。
その後、トナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させて、トナーカートリッジ50の取付突部61の排出口55の周辺に、第1シャッタ62のシャッタシール77が押し当てられている状態となると、第1シャッタ62が封止位置とされて、そのシャッタシール77(図17等参照)により排出口55が封止される(図12(c)、図13(b)および図24参照)。すると、シャッタ機構60では、取付突部61に対するトナー容器固定部90の各固定爪部95および第1段部99の位置設定により、トナーカートリッジ50の取付突部61の両開放突起67(その先端面67a)が、トナー容器固定部90の各固定爪部95の一端突起95aよりもZ軸方向負側まで移動される(図24参照)。このため、取付突部61(両開放突起67)が一端突起95aをZ軸方向正側へと押す状態が解除されるので、両固定爪部95が回転軸部95cを中心に回転して初期回転姿勢となる(図24参照)。これにより、トナー容器固定部90の各固定爪部95の他端突起95bが、第1シャッタ62の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込む状態が解除されるので、第1シャッタ62がトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動することが可能となる。このとき、第2シャッタ63は、トナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動することが制限されて、第2段部98による制限位置で固定されたままである(図24参照)。
ここで、その両固定爪部95は、上述したように、一端突起95aをトナーカートリッジ50の取付突部61の両側面に面で宛がうことにより、他端突起95bをトナーカートリッジ50に設けられた第1シャッタ62の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込ませて(存在させて)いる。また、その取付突部61は、上述したように、第1段部99による制限位置で固定された第1シャッタ62が封止位置となるまでトナー容器固定部90に対してトナーカートリッジ50がZ軸方向負側へと移動されることにより、両開放突起67(その先端面67a)をトナー容器固定部90の各固定爪部95の一端突起95aよりもZ軸方向負側まで移動させる。このことから、取付突部61は、第1シャッタ62が封止位置となるまでは、両側面を各固定爪部95の一端突起95aに面で宛がわせて、その両固定爪部95の初期回転姿勢への回転を防止する。このため、シャッタ機構60では、第1シャッタ62がトナーカートリッジ50における封止位置となるまでは、両固定爪部95で当該第1シャッタ62を第1段部99による制限位置に固定する。換言すると、シャッタ機構60では、第1シャッタ62が封止位置となる前に、当該第1シャッタ62の第1段部99による制限位置での固定を解除してしまうことが防止されている。このことから、トナーカートリッジ50では、トナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動される際、第1シャッタ62が確実に封止位置とされて、そのシャッタシール77により取付突部61の排出口55が確実に封止される。
その後、図12(c)に矢印A7で示すように、トナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させると、シャッタ機構60の第1シャッタ62がトナーカートリッジ50とともにZ軸方向負側へと移動し、第2シャッタ63が第2段部98による制限位置に留まる(図12(c)から(b)参照)。すなわち、トナーカートリッジ50では、第1シャッタ62が封止位置とされたまま、第2シャッタ63がZ軸方向正側へと移動することとなる(図13(b)から(a)参照)。すると、第1シャッタ62と第2シャッタ63とのZ軸方向への相対的な移動により、第1シャッタ62の解除突起73と第2シャッタ63の解除操作突起79とがY軸方向で対向する解除操作位置が解除され(図24等参照)、固定片部72の本体部72bが弾性力により元の位置(固定姿勢(図15等参照))に復帰して、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cが、下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たっている状態となる(図8、図9、図14および図24等参照)。このため、第1シャッタ62は、シャッタシール77で排出口55を封止する封止位置であって、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cを下壁部50bの固定突起65の両被押当部65bにZ軸方向で当てることで、トナーカートリッジ50に対するZ軸方向負側への移動が防止された状態とされる。
その後、トナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させると、シャッタ機構60の第1シャッタ62が第2シャッタ63の両腕部81の間へと入り込むことで、その両腕部81のそれぞれの突出端81aが第1シャッタ62の各側壁部71に当たる状態が解除される(図25参照)。このため、第2シャッタ63の両腕部81は、それぞれの突出端81aがX軸方向の内側へと移動することが可能となるため、初期湾曲状態となって引掛片部分81bがトナー容器固定部90の各固定溝部93に入り込んだ状態が解除されるので、第2シャッタ63がトナー容器固定部90に対してZ軸方向負側へと移動することが可能となる(図25参照)。このとき、第2シャッタ63は、固定片部72に設けられた解除突起73のY軸方向負側に平板部78を存在させ、トナーカートリッジ50(その下壁部50b)の外方に解除突起73が露出することを防止する被覆位置となる(図12(b)、図13(a)および図25参照)。
その後、図12(b)に矢印A8で示すように、トナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させることで、トナー容器固定部90から取り出すことができる(図12(a)参照)。このとき、シャッタ機構60では、第1シャッタ62が封止位置であることから、排出口55の周辺で取付突部61にシャッタシール77を押し当てており、その排出口55を封止している(図12(a)、図13(a)、図15および図25参照)。また、シャッタ機構60では、第2シャッタ63が被覆位置であることから、解除突起73を含む第1シャッタ62を第2シャッタ63で覆い隠している(図4、図15および図25等参照)。このため、トナーカートリッジ50は、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に装着する前と同様の、シャッタ機構60により排出口55が封止された状態となる(図4等参照)。以上により、トナーカートリッジ50の取り出し動作が完了する。
本発明に係る粉体収納容器としてのトナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、排出口55を封止している封止位置の第1シャッタ62の解除突起73を被覆位置の第2シャッタ63で覆い隠していることから、誤って解除突起73に触れることを防止することができるので、誤って解除突起73が押されることを防止することができる。このため、第1シャッタ62が封止位置から開放位置へと移動されることを防止することができるので、排出口55が誤って開放されることを防止することができる。
また、トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63を被覆位置から解除操作位置へ移動させることで、その第2シャッタ63の解除操作突起79で第1シャッタ62の解除突起73を押してその第1シャッタ62の封止位置での固定を解除することができるので、シャッタ機構60としての排出口55の開閉機能を損なうことはない。
さらに、トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63が解除突起73を含む封止位置の第1シャッタ62全体を覆い隠していることから、第1シャッタ62が開放位置から封止位置へと移動して排出口55を封止する際に、その第1シャッタ62に現像剤Gが付着した場合であっても、現像剤Gに触れることを防止することができ、使い勝手を向上させることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63が平板状を呈していることから、その第2シャッタ63を被覆位置から解除操作位置へと移動させることが容易ではないので、より効果的に排出口55が誤って開放されることを防止することができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、両腕部81(それぞれの突出端81a)が、第1シャッタ62の各側壁部71の前端部(Z軸方向正側の端部)のZ軸方向正側に存在され、その両腕部81が各側壁部71の前端部に当たることで、第2シャッタ63の取付突部61(トナーカートリッジ50)に対するZ軸方向負側への移動を抑制していることから、その第2シャッタ63を被覆位置から解除操作位置へと移動させることが容易ではないので、より効果的に排出口55が誤って開放されることを防止することができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63に対する第1シャッタ62のZ軸方向正側への移動により、突出端81aが第1シャッタ62の各側壁部71に当たって両腕部81が変形されることで、そこに設けられた引掛片部分81bをX軸方向で見た側壁部80(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部81)よりも外側に変位(突出)させるものであることから、第2シャッタ63の被覆位置から解除操作位置への移動により、第2シャッタ63のトナー容器固定部90に対するZ軸方向負側への移動を防止することを可能とすることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第1シャッタ62(その各側壁部71)を利用して第2シャッタ63の両腕部81の変形およびその解除を行うものであることから、シャッタ機構60をより簡易な構成とすることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第1シャッタ62の移動可能とされた方向と、第2シャッタ63の移動可能とされた方向と、が装着方向と一致(互いに平行と)されていることから、装着方向へと移動させることに伴って第1シャッタ62および第2シャッタ63を移動させることを可能とすることを容易なものとすることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、装着方向の前方側の前端面50aの下部において、搬送スクリュ56が設けられる遮蔽開口部59の下方に両開放突起67の先端面67aを存在させ、その下方に第1シャッタ62の設置部74の先端面74aを存在させ、その下方に第2シャッタ63の平板部78の先端面78aを存在させていることから、装着方向に直交する面(第1段部99をおよび第2段部98)を異なる高さ位置で設けるだけで、装着方向への移動に伴い第1シャッタ62および第2シャッタ63を移動させることを可能とすることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第1シャッタ62の解除突起73のZ軸方向正側の端部が傾斜面73aとされているとともに、第2シャッタ63の解除操作突起79のZ軸方向負側の端部が傾斜面79aとされていることから、第2シャッタ63が被覆位置から解除操作位置へと移動する際に解除突起73と解除操作突起79とが互いに引っ掛かることを防止することができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63の両側壁部80のY軸方向正側の端部に傾斜面80bが設けられていることから、その傾斜面80bをY軸方向負側からトナーカートリッジ50の下壁部50bの一対の支持突起66の平板部66bに宛がい、第2シャッタ63をY軸方向正側へと押すことにより、下壁部50b(その一対の支持突起66)に取り付けることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、シャッタ機構60が排出口55を開放する状態となると、第2シャッタ63の両腕部81において、突出端81aの近傍におけるX軸方向で見た内側の面が、支持突起66の基端部66aに設けられた傾斜壁面66cに宛がわれることから、各引掛片部分81bを各固定溝部93に進入させた状態を維持しつつ、両腕部81に伸び癖が付くこと(伸びた状態から初期状態へと戻らなくなること)を防止することができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、シャッタ機構60が排出口55を開放する状態となると、第2シャッタ63の両腕部81において、突出端81aの近傍におけるX軸方向で見た内側の面が、支持突起66の基端部66aに設けられた傾斜壁面66cに宛がわれることから、両腕部81を安定させて各引掛片部分81bを各固定溝部93に進入させた状態を維持することができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、第2シャッタ63の両腕部81が、第2シャッタ63の被覆位置から解除操作位置への移動を抑制する機能と、第2シャッタ63のトナー容器固定部90に対するZ軸方向負側への移動を防止する機能と、を具備するものであることから、第2シャッタ63を簡易な構成とすることができる。
トナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、全体に箱状を呈するものとされていることから、下壁部50bを下側から支えるように持ち運ばれることが想定されるので、シャッタ機構60が設けられていることをより効果的なものとすることができる。
本発明に係る粉体補給装置としてのトナー補給装置43では、トナー容器固定部90において、第2シャッタ63を受け入れる第2受入凹部92と第1シャッタ62を受け入れる第1受入凹部94とで形成した第2段部98を、トナーカートリッジ50の装着方向で第2シャッタ63(その平板部78の先端面78a)に当てるものであることから、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50を装着方向に移動させるだけで、第2シャッタ63を被覆位置から解除操作位置へと移動させることができる。
トナー補給装置43では、第1シャッタ62が第1受入凹部94内に進入すると、第2段部98による制限位置の第2シャッタ63に対して第1シャッタ62をZ軸方向正側へと移動させることができるので、第1シャッタ62(その各側壁部71)で第2シャッタ63の両腕部81を変形させてそこに設けられた引掛片部分81bをX軸方向で見た側壁部80(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部81)よりも外側に変位(突出)させることができ、その各引掛片部分81bをトナー容器固定部90の各固定溝部93に進入させることができる。このため、第2段部98による制限位置での第2シャッタ63のZ軸方向負側への移動を防止することができる。
トナー補給装置43では、トナー容器固定部90において、第1シャッタ62を受け入れる第1受入凹部94とトナー補給口96aが設けられた補給口部96とで形成した第1段部99を、トナーカートリッジ50の装着方向で第1シャッタ62(その設置部74の先端面74a)に当てるものであることから、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50を装着方向に移動させるだけで、第1シャッタ62を封止位置から開放位置へと移動させることができる。
トナー補給装置43では、第1シャッタ62(その設置部74の先端面74a)が第1段部99に当たる位置まで進むと、第2段部98による制限位置の第2シャッタ63が相対的に第1シャッタ62に対する被覆位置から解除操作位置へ移動されることから、トナーカートリッジ50に対する第1シャッタ62のZ軸方向負側への移動を可能とすることができるので、トナーカートリッジ50の装着方向への移動の際に第1シャッタ62が第1段部99による制限位置に留まることを可能とすることができる。
トナー補給装置43では、第1シャッタ62(その設置部74の先端面74a)が第1段部99に当たる位置まで進むと、トナーカートリッジ50の取付突部61の両開放突起67(その先端面67a)がトナー容器固定部90の各固定爪部95の一端突起95aをZ軸方向正側に押して各固定爪部95を回転させることで、それぞれの他端突起95bをトナーカートリッジ50に設けられた第1シャッタ62の両側壁部71における固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込ませることができる。このため、第1段部99による制限位置での第1シャッタ62のZ軸方向負側への移動を防止することができる。
トナー補給装置43では、トナーカートリッジ50の取付突部61の両開放突起67(その先端面67a)と各固定爪部95とで第1シャッタ62のZ軸方向負側への移動を防止するものであることから、取付突部61に設けられた排出口55が第1段部99による制限位置での第1シャッタ62に対して装着前の位置(封止位置)となることでその第1シャッタ62の第1段部99による制限位置からのZ軸方向負側への移動を可能とすることができるので、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90に対して取出方向に移動させるだけで、第1シャッタ62を装着前の位置(封止位置)とすることができる。
トナー補給装置43では、両腕部81の引掛片部分81bと各固定溝部93(その固定壁面93a)とで第2シャッタ63のZ軸方向負側への移動を防止するものであることから、第1シャッタ62が第2シャッタ63内に入り込むことでその第2シャッタ63の第2段部98による制限位置からのZ軸方向負側への移動を可能とすることができるので、トナーカートリッジ50をトナー容器固定部90に対して取出方向に移動させるだけで、第2シャッタ63を装着前の位置(被覆位置)とすることができる。
トナー補給装置43では、トナー容器固定部90において、装着方向(Z軸方向負側から正側)で見て、手前に第2段部98が設けられているとともに、そこから間隔を置いて第1段部99が設けられていることから、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50を装着方向に移動させるだけで、第2シャッタ63を被覆位置から解除操作位置へと移動させてトナーカートリッジ50に対する第1シャッタ62のZ軸方向負側への移動を可能とした後に、第1シャッタ62を封止位置から開放位置へと移動させて、排出口55を開放することができる。
トナー補給装置43では、トナー容器固定部90において、装着方向(Z軸方向負側から正側)で見て、手前に第2段部98が設けられているとともに、そこから間隔を置いて第1段部99が設けられていることから、トナー容器固定部90(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ50を取出方向(Z軸方向正側から負側)に移動させるだけで、第1シャッタ62を開放位置から封止位置へと移動させて排出口55を封止させた後に、第2シャッタ63を解除操作位置から被覆位置へと移動させて、その第2シャッタ63で解除突起73を含む第1シャッタ62を覆うものとすることができる。
したがって、本発明に係る実施例1の粉体収納容器としてのトナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)では、誤って粉体排出口としての排出口55が開放されてしまうことを抑制することができる。
次に、本発明の実施例2に係るトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)、およびそれが装着可能な画像形成装置102(そのトナー容器固定部902)について、図26から図45を用いて説明する。この実施例2は、トナーカートリッジ502、それを装着可能とする画像形成装置102およびその画像形成装置102におけるトナー補給装置43のトナー容器固定部902の構成が、実施例1のトナーカートリッジ50、画像形成装置10およびトナー容器固定部90の構成と異なる例である。この実施例2のトナーカートリッジ502、画像形成装置102およびトナー容器固定部902は、基本的な構成は上記した実施例1のトナーカートリッジ50、画像形成装置10およびトナー容器固定部90と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図26は、実施例2のトナーカートリッジ502を上面側でかつ前面(Z軸方向正側の面)側から見た様子を示す斜視図である。図27は、トナーカートリッジ502を上面側でかつ前面であって左右方向において図26とは異なる側から見た様子を示す斜視図である。図28は、トナーカートリッジ502を底面側でかつ前面(Z軸方向正側の面)側から見た様子を示す斜視図である。図29は、トナーカートリッジ502を前面側から見た様子を示す正面図である。図30は、上面側でかつ前面から見たトナーカートリッジ502を、図29に示すV−V線(V−V線およびZ軸方向を含む面)に沿って部分的に切り欠いて示す斜視図である。図31は、攪拌部材52の連結箇所522aの構成を説明するための説明図であり、(a)は前面(Z軸方向正側の面)側から斜視図で示し、(b)は側方(Z軸方向に直交する方向)側から側面図で示し、(c)は(a)のVI−VI線に沿って得られた断面で示す。
図32は、攪拌部材52の連結箇所522aと、トナー補給装置43に設けられた攪拌駆動カップリング301と、の構成およびその作用を説明するための説明図であり、(a)は攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとをZ軸に直交する方向から見た様子を模式的に示し、(b)は(a)に示す矢印A9から攪拌駆動カップリング301の引掛突起部301aと連結箇所522aの引掛突起部522bとを見た様子を模式的に示し、(c)は引掛突起部301aの傾斜面301cと引掛突起部522bの傾斜面522dとの案内作用により相対的に移動する様子を示し、(d)は攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとが連結した様子を示し、(e)は1対の引掛突起部522bの突出端部522cに傾斜面522fを設けるとともに、1対の引掛突起部301aの突出端部301bに傾斜面301dを設けた構成として(c)と同様に相対的に移動する様子を示している。図33は、トナーカートリッジ502を上面側でかつ背面(Z軸方向負側の面)側から見た様子を示す斜視図である。図34は、トナーカートリッジ502を上面側でかつ背面であって左右方向において図33とは異なる側から見た様子を示す斜視図である。図35は、トナーカートリッジ502の底面を部分的に拡大して示す斜視図である。図36は、トナーカートリッジ502のシャッタ機構602の第1シャッタ622の構成を説明するための説明図である。図37は、シャッタ機構602の第2シャッタ632の構成を説明するための説明図であり、(a)は上面側から見た様子を正面図で示し、(b)は上面側であって装着方向後側(Z軸方向負側)から見た様子を斜視図で示し、(c)は上面側であって装着方向前側から見た様子を斜視図で示す。
図38は、収容部51(トナーカートリッジ502)の底面に第1シャッタ622および第2シャッタ632が組み付けられて構成されたシャッタ機構602の様子を示す図8と同様の説明図である。図39は、図38のVII−VII線に沿って得られた(VII−VII線を含むY−Z平面に沿う)断面で示す説明図である。図40は、トナー補給装置43のトナー容器固定部902を示す斜視図である。図41は、トナー容器固定部902を上側(Y軸方向正側)から見た様子を示す正面図である。図42は、画像形成装置102の構成を模式的に示す説明図である。図43は、画像形成装置102の容器収容部220とトナーカートリッジ502との関係性を説明するための説明図であり、(a)は容器収容部220へとトナーカートリッジ502が挿入される様子を示し、(b)は容器収容部220にトナーカートリッジ502が装着された様子を示す。図44は、画像形成装置102の容器収容部220(トナー容器固定部902)の構成を示す斜視図である。図45は、トナーカートリッジ502の側壁部50cの抑えレール209と、容器収容部220の抑えレール221と、の作用を説明するための説明図であり、(a)は抑えレール209と抑えレール221とがZ軸方向で対向された様子を示し、(b)は抑えレール209が抑えレール221に接触された様子を示し、(c)は抑えレール209と抑えレール221とがY軸方向で重なった様子を示している。
なお、図30では、収容部51(トナーカートリッジ502)の内方の構成および攪拌部材52における連結箇所522a以外の箇所を省略して示している。また、図42では、画像形成装置102における現像装置23、トナー補給装置43、容器収容部220およびそこに収容される各トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)の構成を簡略化して示すとともに、それら以外の構成を省略して示している。さらに、図43では、理解容易のために、容器収容部220の各部およびトナー容器固定部902の各部を強調しつつ簡略化して示しているが、必ずしも実際の構成および他の図面と一致するものではない。
トナーカートリッジ502は、図26から図29に示すように、全体に箱状を呈する。このトナーカートリッジ502では、実施例1のトナーカートリッジ50と同様に収容部51(図30等参照)が設けられている。トナーカートリッジ502(その収容部51)では、その前端面50a(前端面(Z軸方向正側の面))に電子基板572と連結開口部582とに加えて、第1基準穴201と第2基準穴202と給排気部203とが設けられている。
電子基板572は、基本的には実施例1の電子基板57と同様であり、外方が基板カバー572aにより覆われている。この電子基板572は、基板カバー572aでの内方において、X−Y平面に沿って移動可能とされている。電子基板572では、中央に位置決め穴572bが設けられている。この位置決め穴572bは、トナー補給装置43の後述する容器収容部220(図44等参照)に設けられた位置決め突起をZ軸方向に挿入させることが可能とされており、当該位置決め突起が挿入されるとX−Y平面に沿う方向で互いに嵌り合う大きさ寸法とされている。電子基板572では、位置決め穴572bに当該位置決め突起が嵌め合わされると、後述する容器収容部220(図44参照)(トナー補給装置43)に設けられた通信基板に対する位置が適切なものとされる。この適切な位置とは、当該通信基板に設けられた接触端子が電子基板572(その接触端子)と適切に接触する状態をいう。その適切に接触するとは、双方の接触端子を介して通信基板と電子基板572との間での通信すなわち情報(データ)の遣り取りを適切に行うことのできる状態をいう。このため、電子基板572では、位置決め穴572bに当該位置決め突起が嵌め合わされることにより、トナー補給装置43に設けられた通信基板を介して画像形成装置102(図42等参照)(その制御部)との間で、通信による情報の授受が可能となる。その位置決め突起は、トナー補給装置43において、第1基準穴201に対応して設けられた後述する第1基準決め突起を基準として位置関係が設定されており、トナーカートリッジ502がトナー補給装置43に適切に装着されると電子基板572を適切な位置とすることが可能とされている。このため、電子基板572(その位置決め穴572b)は、第1基準穴201を基準としてトナーカートリッジ502(その前端面50a(前端面(Z軸方向正側の面)))における位置関係が設定されている。この電子基板572および通信基板の構成(基板カバー572aおよび位置決め穴572b)は、実施例1のトナーカートリッジ50および画像形成装置10のトナー補給装置43において、その電子基板57およびアンテナ基板に替えて設けることができる。同様に、実施例1の電子基板57およびアンテナ基板を、実施例2のトナーカートリッジ502および画像形成装置102のトナー補給装置43(容器収容部220)において、その電子基板572および通信基板に替えて設けることができる。
連結開口部582は、実施例1の連結開口部58と同様に、収容部51の内方に設けられた攪拌部材52の連結箇所522aを、収容部51の前面(Z軸方向正側の面)から露出させるものである。その連結箇所522aの構成については後述する。その連結開口部582では、その連結箇所522aの露出を可能とする開口箇所を取り囲んで保護壁部582aが設けられている。その保護壁部582aは、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前面からZ軸方向正側に突出されて形成されており、連結開口部582から露出される連結箇所522aをZ軸に直交する方向を取り囲んでいる。このため、連結開口部582では、保護壁部582aによりZ軸に直交する方向から攪拌部材52の連結箇所522aに接触することを防止することができ、その連結箇所522aを保護することができる。この連結開口部582(そこに設けられる攪拌部材52の連結箇所522a)は、第1基準穴201を基準としてトナーカートリッジ502(その前端面50a(前端面(Z軸方向正側の面)))における位置関係が設定されている。この連結開口部582の保護壁部582aの構成および効果は、図4等からも明らかなように、実施例1の連結開口部58でも同様である。
第1基準穴201は、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前面において、Z軸方向に伸びる円筒形状の第1基準壁部201aの内方に形成されている。その第1基準壁部201aは、図30に示すように、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前面を形成する前壁部からZ軸方向正側へと突出されるとともに、当該前壁部からZ軸方向負側(収容部51の内方)へと突出されている。そして、第1基準壁部201aでは、Z軸方向に伸びる内方の空間が、Z軸に直交する断面で見ると円形状とされている(図29等参照)。このため、第1基準穴201は、Z軸に直交する断面で見ると円形状とされて、Z軸方向に伸びている。
また、第1基準壁部201aは、収容部51の内方において、収容部51すなわちトナーカートリッジ502の内側面に連続されている。そして、第1基準壁部201aにおいて収容部51の内方に存在する箇所は、Z軸方向で見た全域に渡ってトナーカートリッジ502(収容部51)の内側面に連続されている。加えて、第1基準壁部201aでは、Z軸方向正側の端部に傾斜面部分201bが設けられている。その傾斜面部分201bは、Z軸方向正側に向かうに連れて内方の空間すなわち第1基準穴201の内径寸法を大きくする傾斜とされている。
この第1基準穴201は、トナー補給装置43の後述する容器収容部220(図44参照)に設けられた第1基準決め突起をZ軸方向に挿入させることが可能とされている。その第1基準決め突起は、Z軸方向に伸びる長尺な円柱状を呈し、第1基準穴201に挿入されるとX−Y平面に沿う方向で互いに嵌り合う大きさ寸法とされている。このため、トナーカートリッジ502では、互いにZ軸方向に伸びる第1基準穴201に第1基準決め突起が嵌め合わされることで、自らに設定されたZ軸方向をトナー補給装置43(後述する容器収容部220(図44参照))におけるZ軸方向に一致させることができる。その第1基準穴201では、Z軸方向正側の端部に傾斜面部分201bが設けられていることから、トナーカートリッジ502が後述する容器収容部220(トナー補給装置43)へと装着される際、第1基準決め突起を受け入れることが容易とされている。
第2基準穴202は、図26から図30に示すように、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前面において、Z軸方向に伸びる円筒形状の第2基準壁部202aの内方に形成されている。その第2基準壁部202aは、左右方向で見て第1基準穴201の第1基準壁部201aとは反対側に設けられている。第2基準壁部202aは、図30に示すように、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前壁部からZ軸方向正側へと突出されるとともに、当該前壁部からZ軸方向負側(収容部51の内方)へと突出されている。そして、第2基準壁部202aでは、Z軸方向に伸びる内方の空間をZ軸に直交する断面で見ると、中心位置と第1基準穴201の第1基準壁部201aの中心位置とを結ぶ線分Ls(図29参照)が伸びる方向に長尺であって線分Ls方向の両端が半円形状とされて、所謂線分Ls方向に長径な長穴とされている。このため、第2基準穴202は、Z軸に直交する断面で見ると線分Ls方向に長径な長穴とされている。
また、第2基準壁部202aは、収容部51の内方において、左右方向で見て第1基準壁部201aとは反対側で、収容部51すなわちトナーカートリッジ502の内側面に連続されている。そして、第2基準壁部202aにおいて収容部51の内方に存在する箇所は、Z軸方向で見た全域に渡ってトナーカートリッジ502(収容部51)の内側面に連続されている。加えて、第2基準壁部202aでは、Z軸方向正側の端部に傾斜面部分202bが設けられている。その傾斜面部分202bは、Z軸方向正側に向かうに連れて内方の空間すなわち第2基準穴202の内径寸法を大きくする傾斜とされている。
この第2基準穴202は、トナー補給装置43の後述する容器収容部220(図44参照)に設けられた第2基準決め突起をZ軸方向に挿入させることが可能とされている。その第2基準決め突起は、Z軸方向に伸びる長尺な円柱状を呈し、第2基準穴202に挿入されるとX−Y平面に沿いつつ線分Ls(図29参照)に直交する方向で互いに嵌り合う大きさ寸法とされている。換言すると、第2基準決め突起は、第2基準穴202に挿入された状態において、その第2基準穴202内で線分Ls(図29参照)へと移動することが可能とされている。このため、第2基準穴202では、後述する容器収容部220(図44参照)における第1基準決め突起と第2基準決め突起との間隔に対する、第1基準穴201と第2基準穴202との間隔の差異を吸収して当該第2基準決め突起を受け入れることができる。このため、トナーカートリッジ502では、第1基準穴201に第1基準決め突起が嵌め合わされ、かつ第2基準穴202に第2基準決め突起が嵌め合わされることにより、トナー補給装置43(後述する容器収容部220(図44参照))に対して所定の姿勢とすることができる。その第2基準穴202では、Z軸方向正側の端部に傾斜面部分202bが設けられていることから、トナーカートリッジ502が後述する容器収容部220(トナー補給装置43)へと装着される際、第2基準決め突起を受け入れることが容易とされている。
この第1基準穴201および第2基準穴202の構成は、実施例1のトナーカートリッジ50に適用することができる。なお、第1基準穴201および第2基準穴202の構成は、後述する容器収容部220(トナー補給装置43)に対してトナーカートリッジ502を所定の姿勢とすることができるものであれば、互いの位置が異なるもの(例えば互いに逆の位置に設けられる)であってもよく、第2基準穴202が長穴とされていなくてもよく、実施例2の構成に限定されるものではない。
給排気部203は、図26から図29に示すように、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前面において、上端(Y軸方向正側の端部)近傍に設けられている。この給排気部203は、トナーカートリッジ502(その収容部51)の前壁部を貫通する給排気穴203aと、そのZ軸方向正側の端部に設けられたフィルタ203bと、を有する。その給排気穴203aは、トナーカートリッジ502の収容部51に現像剤Gが十分に収容(充填)された状態(例えば出荷時)において、その現像剤Gにより塞がれない位置、換言すると収容(充填)された現像剤Gに埋没しない位置に設けられている。なお、この塞がれない位置とは、トナーカートリッジ502におけるY軸方向正側が鉛直方向上側に向いていることを前提とする。フィルタ203bは、収容部51に収容される現像剤Gの通過を阻みつつ空気の通過を許すものである。このため、給排気部203では、現像剤Gが漏れることを防止しつつ、収容部51へと空気を供給することと、収容部51の空気を排出することと、を可能とする。なお、給排気穴203a(給排気部203)は、十分に収容(充填)された現像剤Gにより塞がれない位置であれば、トナーカートリッジ502の上面に設けられていても良く、他の場所に設けられていても良く、実施例2の構成に限定されるものではない。
その収容部51の底部には、実施例1の収容部51と同様に、排出通路54(図3および図9参照)に連続して遮蔽開口部592が設けられている。その遮蔽開口部592は、実施例1の遮蔽開口部59と同様に、排出通路54内に回転可能に配された搬送スクリュ56の連結箇所562aを収容部51の前面(Z軸方向正側の面)から露出させることができる。また、遮蔽開口部592は、実施例1の遮蔽開口部59と同様に、その連結箇所562aの上方を庇箇所592aで遮蔽することが可能とされている。その庇箇所592aは、左右方向で見た一方(図28を正面視して左側)の端部が切り欠かれている。このため、遮蔽開口部592では、庇箇所592aによりZ軸に直交する方向であって上方および左右方向で見た他方から搬送スクリュ56の連結箇所562aに接触することを防止することができ、その連結箇所562aを保護することができる。この遮蔽開口部592(そこに設けられる搬送スクリュ56の連結箇所562a)は、第1基準穴201を基準としてトナーカートリッジ502(その前端面50a(前端面(Z軸方向正側の面)))における位置関係が設定されている。また、遮蔽開口部592では、庇箇所592aの一方の端部が切り欠かれていることから、トナーカートリッジ502が後述する容器収容部220(トナー補給装置43(図44参照))へと装着された際、その容器収容部220に設けられている駆動源(後述する攪拌駆動カップリング301等(図32参照))のギア列を、搬送スクリュ56の連結箇所562aの近傍位置に存在させる(配する)ことを可能とする。換言すると、庇箇所592aでは、一方の端部が切り欠かれていることにより、容器収容部220(トナー補給装置43)における駆動源のギア列の配置の自由度を高めることができる。
その連結箇所562aは、実施例2では、攪拌部材52の連結箇所522aと同様の構成とされている。このため、以下では、連結箇所522aの構成および作用を説明し、連結箇所562aの構成および作用に関しては省略する。その連結箇所522a(連結箇所562a)は、図31および図32に示すように、1対の引掛突起部522bを有する。この両引掛突起部522bは、攪拌部材52の軸線を中心として対を為して設けられており、Z軸方向正側の突出端部522cが互いに近付くに連れてZ軸方向負側へと変位して傾斜されている。その各突出端部522cには、攪拌部材52の軸線を中心とする周方向で見て対を為す傾斜面522dが設けられている。この両傾斜面522dは、上記周方向でみて、対応する突出端部522cにおける外側へ向かうに連れてZ軸方向負側へと変位する傾斜面とされている。
この連結箇所522aは、トナー補給装置43の後述する容器収容部220(図44参照)に設けられた攪拌駆動カップリング301に連結される(図32(d)参照)。この攪拌駆動カップリング301は、後述する容器収容部220(トナー補給装置43)に設けられ、搬送スクリュ56の連結箇所562aが連結される搬送駆動カップリングと同様の構成とされている。その攪拌駆動カップリング301は、図32(a)に示すように、連結箇所522aと同様に、攪拌駆動カップリング301における中心軸線Ca(攪拌部材52の軸線に相当する)を中心として対を為して設けられた引掛突起部301aを有する。攪拌駆動カップリング301は、後述する容器収容部220(トナー補給装置43)において中心軸線Caを回転中心として回転駆動される、すなわち両引掛突起部301aが回転駆動機構から駆動力が伝達されることにより中心軸線Caの回りを回転移動することが可能とされている。また、攪拌駆動カップリング301は、容器収容部220(トナー補給装置43)において、回転駆動されていない場合に中心軸線Caを回転中心とする回転方向への遊びが設けられている。このため、攪拌駆動カップリング301では、外方からの力が作用することにより僅かではあるが回転すること(両引掛突起部301aの回転移動)が可能とされている。
その両引掛突起部301aは、Z軸方向正側の突出端部301bが互いに近付くに連れてZ軸方向負側へと変位して傾斜されている。このため、両引掛突起部301aの突出端部301bは、中心軸線Caに攪拌部材52の軸線が一致されて攪拌駆動カップリング301が連結箇所522aと対向されると、その1対の引掛突起部522bの突出端部522cと中心軸線Ca方向で平行に並ぶ。その状態から攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとが接近されて突出端部301bと突出端部522cとが接触すると、1対の突出端部301bと1対の突出端部522cとの案内作用により、両引掛突起部301aを両引掛突起部522bの内側へと導くような力が作用する。このため、両引掛突起部301a(その突出端部301b)と両引掛突起部522b(その突出端部522c)とが上記したように接触した場合であっても、攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとの間に中心軸線Caと攪拌部材52の軸線とをずらすような力が作用することを防止することができる。
その各突出端部301bには、図32(b)に示すように、中心軸線Caを中心とする周方向(回転方向)で見て対を為す傾斜面301cが設けられている。この両傾斜面301cは、上記周方向で見て、対応する突出端部301bにおける外側へ向かうに連れてZ軸方向正側へと変位する傾斜面とされており、実施例2では両引掛突起部522bの突出端部522cにおける両傾斜面522dと等しい傾斜とされている。このため、上述したように中心軸線Caと攪拌部材52の軸線とが一致されて攪拌駆動カップリング301の突出端部301bと連結箇所522aの突出端部522cとが接触すると(図32(c)参照)、突出端部301bにおける周方向(回転方向)で見た一方の傾斜面301cと、突出端部522cにおける周方向(回転方向)で見た他方の傾斜面522dと、が接触することとなる。ここで、攪拌駆動カップリング301では、上述したように回転駆動されていない場合に中心軸線Caを回転中心として回転することが可能とされている。このため、攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとがさらに接近されると、傾斜面301cと傾斜面522dとの案内作用により連結箇所522aに対して攪拌駆動カップリング301が回転しつつ接近して(矢印A10参照)、攪拌駆動カップリング301の突出端部301bと連結箇所522aの突出端部522cとが突き当てられた状態となることを防止することができる。これにより、攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとは、図32(d)に示すように、中心軸線Caを中心とする周方向(回転方向)で見て、1対の引掛突起部301aと1対の引掛突起部522bとを交互に存在させる位置関係とすることができる。この状態において、容器収容部220(トナー補給装置43)で攪拌駆動カップリング301が回転駆動されると、各引掛突起部301aが対応する引掛突起部522bを回転方向に押すことで、トナーカートリッジ502の攪拌部材52が回転駆動される。このため、1対の引掛突起部301aと1対の引掛突起部522bとが、上記したように周方向で見て交互に存在する位置関係とされると、攪拌駆動カップリング301と連結箇所522aとが連結されたこととなる。
このトナーカートリッジ502の上面(Y軸方向正側の面)には、図26および図27に加えて図33および図34に示すように、充填部204と抑え片部205とが設けられている。その充填部204は、トナーカートリッジ502の上面を規定する上壁部を貫通して収容部51に通じる充填口に、キャップ204aが設けられて構成されている。充填部204では、充填口から収容部51に現像剤Gが充填(収容)される。そして、充填部204では、充填口がキャップ204aで封止されることにより、現像剤Gが漏れることが防止されている。
抑え片部205は、トナーカートリッジ502の上面において、背面(Z軸方向負側の面)側の近傍であって左右方向(X軸方向)で見た外側の近傍位置で対を為して設けられている。この両抑え片部205は、トナーカートリッジ502の上面からY軸方向正側へと突出されて設けられており、Z軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向正側への突出量が漸次的に増えている。
また、トナーカートリッジ502の背面(Z軸方向負側の面)には、図33および図34に示すように、把持部206が設けられている。この把持部206は、トナーカートリッジ502の背面(後端部)を規定する背面壁部の中央が部分的にZ軸方向正側へと凹まされて形成された把持凹所206aと、その把持凹所206aの上方を覆う把持壁部206bと、を有する。その把持壁部206bは、格子状のリブ部206cが設けられており、剛性が確保されている。この把持部206では、把持凹所206aに挿入した手で把持壁部206bを握ることにより、トナーカートリッジ502を容易に持つことを可能とする。
トナーカートリッジ502の下壁部50bでは、図35に示すように、排出口55の周辺に、部分的にY軸方向負側に突出されて直方体形状を呈する取付突部61が設けられている。この取付突部61には、実施例1と同様に、第1シャッタ622と第2シャッタ632とがZ軸方向にスライド移動可能に設けられてシャッタ機構602が構成される(図38等参照)。その取付突部61では、X軸方向で見た両側端面をX軸方向に凹ませつつZ軸方向に伸びて一対の案内溝64が形成されている。このため、取付突部61では、一対の案内溝64が設けられることにより、当該案内溝64から相対的にX軸方向に突出された1対の片部64aが形成されている。換言すると、この1対の片部64aは、取付突部61において一対の案内溝64を規定している。
この取付突部61が設けられた下壁部50bには、実施例1と同様に、一対の固定突起65と、一対の支持突起66と、一対の開放突起67と、が設けられている。それに加えて、下壁部50bには、接触板状部207と非互換突起208とが設けられている(図29等参照)。その両固定突起65は、実施例1と同様の構成であって、基端部65aと被押当部65bとを有し、下壁部50bと被押当部65bとの間に通路空間65cを規定している。また、両支持突起66は、実施例1と同様の構成であって、基端部66aと平板部66bとを有し、その一対の基端部66aの端部が傾斜壁面66cとされている。その両支持突起66には、平板部66bのZ軸方向正側の端部が部分的にY軸方向正側へと突出されて抜止突起66dが設けられている。両開放突起67は、実施例1と同様の構成であって、取付突部61のZ軸方向正側の端部に設けられており、Z軸方向正側へ向けて突出され、そのZ軸方向正側の先端面67aが同一のX−Y平面上に存在する平坦面とされている。その両開放突起67は、取付突部61において、一対の案内溝64の上方(Y軸方向正側)に設けられている。
接触板状部207は、図28および図29に示すように、下壁部50bから当該下壁部50bが規定する曲面に直交する方向に突出して形成されており、Z軸方向へと伸びる長尺な板状を呈する。この接触板状部207は、後述するトナー補給装置43の容器収容部220の設置面部224(図44参照)上を滑ることが可能とされている。また、接触板状部207は、その設置面部224と接触した状態(滑っている状態)において、トナーカートリッジ502の下壁部50bが当該設置面部224と接触することを防止することのできる高さ寸法(突出量)および位置とされている。
非互換突起208は、下壁部50bから下方(Y軸方向負側)へ向けて突出して形成された板状を呈する。この非互換突起208は、後述するトナー補給装置43の容器収容部220(図44参照)において、自らが収容(充填)している現像剤G(トナーT)とは異なる色に対応された容器収容部220(そのトナー容器固定部902)へとトナーカートリッジ502が装着されることを防止するものである。非互換突起208は、自らが設けられたトナーカートリッジ502に収容(充填)される現像剤G(トナーT)の色に応じて、位置および個数が異なるものとされており、図示の例(図29等参照)では左右に2つずつで合計4つ設けられている。この非互換突起208の位置および個数は、後述するトナー補給装置43の各容器収容部220において対応された色に応じて設けられた非互換溝225(図44参照)の位置および個数と合致されている。このため、トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、非互換突起208と非互換溝225(図44参照)との協働により、自らが収容(充填)している現像剤G(トナーT)と一致する色に対応された容器収容部220(トナー容器固定部902)への装着が可能とされているとともに、異なる色に対応された各容器収容部220(トナー容器固定部902)への装着(所謂誤装着)が防止されている。
この非互換突起208は、左右方向で見て取付突部61を挟む両側で、後述する側壁部50cと案内壁部50dと底壁部50fとにより囲まれる位置に設けられている。換言すると、非互換突起208では、X−Y平面に沿う方向で見ると、上方に下壁部50bが存在され、左右方向の外方に側壁部50cが存在され、左右方向の内方に案内壁部50dが存在され、かつ下方に底壁部50fが存在されている。そして、トナーカートリッジ502では、下壁部50bの後端側(Z軸方向負側の端部側)に、背面(後端部)を規定する背面壁部が設けられている。このため、非互換突起208は、Z軸方向正側以外の方向からの接触が防止されており、より確実に保護されている。これにより、トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、誤装着を防止することを可能とするとともに、対応された容器収容部220(トナー容器固定部902)への装着を可能とする、という非互換突起208による効果を、より確実に得ることができる。
また、トナーカートリッジ502では、図26および図27等に示すように、実施例1と同様の構成であって固定解除片68が設けられた一対の側壁部50cに、抑えレール209が設けられている。この抑えレール209は、それぞれが対応する側壁部50cから、左右方向(X軸方向)で見た外側へ向けて突出された板状部で構成されており、レール本体部209aと受入傾斜部209bとを有する。そのレール本体部209aは、側壁部50cに沿いつつZ軸方向に伸びて設けられている。受入傾斜部209bは、レール本体部209aのZ軸方向正側の端部に連続されており、Z軸方向正側に向かうにつれてY軸方向負側へと向かって傾斜されている。
さらに、トナーカートリッジ502では、一対の側壁部50cの後端部(Z軸方向負側の端部)に突出後壁部210が設けられている。この突出後壁部210は、突出後壁210aと垂直リブ部210bと複数の水平リブ部210cとを有する。その突出後壁210aは、下方(内方から外方)へ向かうに連れて寸法が漸減されている収容部51に対して、トナーカートリッジ502の後端部を略正方形状とすべく左右方向(X軸方向)で見た外側へと突出された板状を呈する(図33および図34等参照)。突出後壁210aは、トナーカートリッジ502の後端部との協働により、後述する容器収容部220の開口部220a(図44および図43参照)に対して略隙間を設けることなく内方へと嵌まることができる大きさ寸法とされている(図43(b)参照)。垂直リブ部210bは、突出後壁210aの前方(Z軸方向正側)において当該突出後壁210aと並列して設けられており、両側壁部50cから左右方向(X軸方向)で見た外側へと突出された板状を呈する。複数の水平リブ部210cは、突出後壁210aと垂直リブ部210bとをZ軸方向で掛け渡して設けられている。このため、突出後壁部210では、垂直リブ部210bと複数の水平リブ部210cとにより突出後壁210aの剛性を確保しつつ、軽量化を可能としかつ材料の増加を防止している。
ついで、トナーカートリッジ502では、実施例1と同様の構成の一対の案内壁部50dが設けられている。この両案内壁部50dでは、図35を正面視した右側の案内壁部50dの先端(Z軸方向正側の端部)にシャッタ保護部50eが設けられている。そのシャッタ保護部50eは、案内壁部50dの先端が部分的にZ軸方向正側へと突出されて形成されている。シャッタ保護部50eは、取付突部61(トナーカートリッジ502の下壁部50b)に、後述するように第1シャッタ622および第2シャッタ632(シャッタ機構602)がZ軸方向にスライド移動可能に設けられた状態において、その第1シャッタ622および第2シャッタ632よりもZ軸方向正側へと突出されている(図39参照)。このシャッタ保護部50eは、トナーカートリッジ502がZ軸方向正側へと移動された際、何らかの意図しない物体がZ軸方向正側に存在した場合に、第1シャッタ622や第2シャッタ632よりも先に当該物体に接触して、第1シャッタ622および第2シャッタ632が相対的にZ軸方向負側へと押されることを防止する。このため、トナーカートリッジ502では、シャッタ保護部50eにより、第1シャッタ622や第2シャッタ632が意図しない物体等によりZ軸方向の正側から負側へ向けて押されることを防止することができ、第1シャッタ622および第2シャッタ632を保護することができる。このシャッタ保護部50eの構成および効果は、図4等からも明らかなように、実施例1の案内壁部50d(トナーカートリッジ50)でも同様である。
トナーカートリッジ502では、図28、図29および図35に示すように、左右方向で見て取付突部61を挟む両側の下端部(Y軸方向負側の端部)に底壁部50fが設けられている。その各底壁部50fは、側壁部50cおよび案内壁部50dにおけるZ軸方向負側において、その側壁部50cと案内壁部50dとをX軸方向で掛け渡して設けられている。各底壁部50fには、下支え片部214が設けられている。その各下支え片部214は、背面(Z軸方向負側の面)側の近傍であって左右方向(X軸方向)で見た外側の近傍位置で対を為して、それぞれ対応する底壁部50fに設けられている。この両下支え片部214は、底壁部50fからY軸方向負側へと突出されて設けられており、Z軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向負側への突出量が漸次的に増えている。これらが設けられたトナーカートリッジ502の下壁部50bに第1シャッタ622が取り付けられる。
その第1シャッタ622は、図36に示すように、基本的に実施例1の第1シャッタ62と同様の構成であり、全体に平板状を呈し、一対の側壁部71と固定片部72と解除突起73と設置部74と一対の固定壁部75と一対の案内壁部76とを有する。その両側壁部71は、実施例1と同様の構成であって、切欠箇所71aが形成されている。その両切欠箇所71aは、側壁部71のZ軸方向正側の端部を開放しているとともに、Z軸方向負側の端部を開放しない長さ寸法とされている。このため、両側壁部71では、Z軸方向負側の端部に、切欠箇所71aに対してY軸方向負側へと突出する抜止突起71bが設けられている。この両抜止突起71bの構成は、図6等からも明らかなように、実施例1の第1シャッタ62(その両側壁部71)でも同様である。
固定片部72は、実施例1と同様の構成であって、基端部72aと本体部72bとを有し、本体部72bの突出端が押当脚部分72cとされている。その本体部72bには、実施例1と同様の構成であり、Y軸方向正側へと押されることにより、第1シャッタ622の封止位置での固定を解除する固定解除部として機能する解除突起73が設けられている。
設置部74は、実施例1と同様の構成であって、固定片部72(その基端部72a)および一対の側壁部71に囲まれており、シール部材としてのシャッタシール772が設置される。そのシャッタシール772は、実施例1のシャッタシール77と同様に、設置部74に嵌め込まれるように当該設置部74に設けられて固定され、トナーカートリッジ502の下壁部50bに設けられた排出口55の周辺で取付突部61に押し当てられることにより、その排出口55を封止(排出口55を封じて現像剤Gの出入りを止める)する(図39等参照)。シャッタシール772は、Z軸方向正側の先端部772aが設置部74の先端面74aよりもZ軸方向正側へと突出されている。このシャッタシール772は、実施例2では、スポンジ等の弾性部材で形成されており、排出口55の周辺で取付突部61に押し当てられると、弾性変形により排出口55の周辺に密着して、上記した封止機能を発揮するものとされている(図39参照)。
一対の固定壁部75は、実施例1と同様の構成であって、Z軸方向負側にX−Y平面に平行な被引掛面75aを形成する。また、両固定壁部75は、Z軸方向正側にX−Y平面に平行な押当面75bを形成する。この押当面75bの構成は、図6等からも明らかなように、実施例1の第1シャッタ62(その両側壁部71)でも同様である。
一対の案内壁部76は、実施例1と同様の構成であって、Y−Z平面に平行な案内面76aを形成し、その各案内面76aに案内突起76bが設けられている。その案内突起76bは、トナーカートリッジ502の下壁部50bの取付突部61に設けられた案内溝64(図35等参照)に移動可能に嵌り込むことが可能とされている。案内突起76bは、案内溝64(図35等参照)内に挿入されると、Y軸方向で見て、設置部74に設けられたシャッタシール772(図36等参照)との間で当該案内溝64を規定する片部64a(図35参照)を挟み込むことが可能とされている。
この第1シャッタ622を覆うように設けられる第2シャッタ632は、図37に示すように、基本的に実施例1の第2シャッタ63と同様の構成であり、全体に平板状を呈し、平板部782と解除操作突起79と一対の側壁部80と一対の腕部812と一対の規制部82とを有する。それに加えて、第2シャッタ632は、補助突起211を有する。その平板部782は、X−Z平面に平行な薄板状を呈し、Y軸方向(X−Z平面上)で見て全体に矩形状とされている。その平板部782は、Z軸方向正側の先端面782aがX−Y平面に平行であってX軸方向に伸びる平坦面とされている。
その平板部782には、解除操作突起79が設けられている。その解除操作突起79は、実施例1と同様の構成であって、Z軸方向負側の端部が傾斜面79aとされている。また、平板部782には、一対の側壁部80が設けられている。その両側壁部80は、実施例1と同様の構成であって、受入凹所80aと傾斜面80bとが設けられている。
一対の腕部812は、基本的には実施例1の腕部81と同様の構成であり、対を為す側壁部80のZ軸方向正側の端部から、Z軸方向正側へと突出されて設けられている。この両腕部812は、平板部782と間隔を置きつつZ軸方向正側へと伸びる棒状を呈し、Z軸方向正側に向かうに連れて互いの間隔を狭めるように湾曲されている。両腕部812は、平板部782との間にトナーカートリッジ502の下壁部50bに設けられた支持突起66の平板部66b(図35等参照)を移動可能に受け入れることが可能とされている。このため、この両腕部812と平板部782との間と、そこにZ軸方向で隣接する一対の受入凹所80aと、で、一対の支持突起66の平板部66bを受け入れることにより、第2シャッタ632をトナーカートリッジ502(その下壁部50b)に対してZ軸方向に移動可能に取り付けることができる。両腕部812は、双方の間に第1シャッタ622を存在させることができ、後述するように第1シャッタ622および第2シャッタ632がトナーカートリッジ502の下壁部50bに適切に取り付けられた状態(図38等参照)において、第2シャッタ632に対して第1シャッタ622がZ軸方向正側に移動すると、その第1シャッタ622の各側壁部71に当たる(干渉する)こととなる(図47等参照)。
この両腕部812は、Z軸方向正側の突出端812aがY軸方向で見て尖端状とされるとともにX軸方向で対向されており、その間隔が第1シャッタ622の幅寸法(X軸方向で見た両側壁部71の両側面の間隔)よりも小さく設定されている。両腕部812では、突出端812aの近傍に引掛片部分812bが設けられている。両引掛片部分812bは、腕部812(突出端812aの近傍)からX軸方向の外側に向けて突出されており、その突出端(X軸方向の外側の端部)が側壁部80(そのX軸方向の外側の壁面(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部812))と等しい面上に存在するものとされている。この状態を両腕部812の初期湾曲状態とする。この両腕部812は、実施例1の腕部81と同様に、X軸方向への力が加わるとその力の方向に撓み変形するとともに、その力が解除されると元の位置(初期湾曲状態)へと復帰する弾性力を発揮することが可能とされている。
この両腕部812では、初期湾曲状態において、突出端812aの近傍のZ軸方向負側の面が、X−Y平面に平行な平坦面812cとされている。このため、両腕部812は、上記した取り付け状態(図38等参照)において、第2シャッタ632に対して第1シャッタ622がZ軸方向正側に移動しようとすると、それぞれの突出端812aの近傍のX−Y平面に平行な平坦面812cが、第1シャッタ622の各側壁部71の前端部すなわち各固定壁部75のX−Y平面に平行な押当面75bと、Z軸方向で当たることとなる。
その第2シャッタ632の両腕部812では、引掛片部分812bのZ軸方向正側に開放突起部分812dが設けられている。この両開放突起部分812dは、両腕部812における突出端812aの近傍からX軸方向の外側であってZ軸方向正側へ向けて突出されており、Z軸方向正側に開放傾斜面812eを形成している。その両開放傾斜面812eは、X軸方向の外側へ向かうに連れてZ軸方向正側へと変位する傾斜面とされている。その両腕部812が設けられた平板部782には、実施例1と同様の構成の一対の規制部82が設けられている。
補助突起211は、平板部782の中央近傍であって解除操作突起79よりもZ軸方向負側の位置において、その平板部782からY軸方向正側へ向けて突出されて形成されている。この補助突起211では、Z軸方向正側の面がX−Y平面に平行な平坦面211aとされている。また、補助突起211は、後述するように第2シャッタ632が第1シャッタ622とともにトナーカートリッジ502の下壁部50bに設けられた状態(図38等参照)において、第1シャッタ622の固定片部72のH形状を呈する本体部72bにおけるX軸方向に掛け渡している箇所(図36の符号72d参照)に平坦面211aをZ軸方向で接触させることが可能な大きさ寸法とされている。
このシャッタ機構602では、図38および図39に示すように、実施例1のシャッタ機構60と同様に、トナーカートリッジ502の下壁部50bに第1シャッタ622および第2シャッタ632を取り付けることができる。すなわち、第1シャッタ622では、一対の案内壁部76の案内突起76bがトナーカートリッジ502の下壁部50bの取付突部61に設けられた一対の案内溝64に挿入されて当該取付突部61に取り付けられる。すると、第1シャッタ622は、実施例1の第1シャッタ62と同様に、一対の案内溝64とそこに挿入された各案内突起76bとの案内により、トナーカートリッジ502の下壁部50bに対して封止位置と開放位置との間でZ軸方向にスライド移動可能となる。この状態において、第1シャッタ622の両側壁部71の切欠箇所71aでは、下壁部50bの一対の支持突起66の平板部66b(そのX軸方向で見た内側箇所66e(図35参照))を受け入れている。このため、第1シャッタ622は、その切欠箇所71aのZ軸方向負側の端部に設けられた抜止突起71b(図36参照)が、平板部66bのZ軸方向正側の端部に設けられた抜止突起66d(図35参照)とZ軸方向で干渉することにより、下壁部50bに対するZ軸方向正側への移動により当該下壁部50b(取付突部61)から抜け落ちることが防止されている。この抜止突起71bおよび抜止突起66dの構成は、実施例1の両側壁部71および両支持突起66に適用することができる。
そして、第2シャッタ632は、実施例1の第2シャッタ63と同様に、両側壁部80の受入凹所80aで、トナーカートリッジ50の下壁部50bの一対の支持突起66の平板部66bを受け入れることで取り付けられる。その第2シャッタ632は、両受入凹所80aとそこで受け入れた一対の支持突起66の平板部66bとの案内により、第1シャッタ622に対する解除操作位置を経る被覆位置と開放位置と間でZ軸方向にスライド移動可能とされる。第2シャッタ632では、上記したように補助突起211が設けられていることから、第1シャッタ622に対して第2シャッタ632をZ軸方向正側へと移動させると、補助突起211(その平坦面211a)を固定片部72の本体部72b(そのX軸方向に掛け渡している箇所72d)に宛がうことができる。このため、第2シャッタ632は、その状態からさらにZ軸方向正側へと移動させることにより、開放位置の第1シャッタ622をZ軸方向正側へと移動させて封止位置とすることができる。このことから、トナーカートリッジ502では、第2シャッタ632をZ軸方向正側へと移動させることにより、第1シャッタ622を封止位置として、そこに設けられたシャッタシール772により排出口55を封止することができる。
このシャッタ機構602が設けられたトナーカートリッジ502が装着されるトナー補給装置43には、シャッタ機構602の構成に適合するトナー容器固定部(容器固定部)902が設けられている。そのトナー容器固定部902は、図40および図41に示すように、基本的に実施例1のトナー容器固定部90と同様の構成であり、案内溝部91と第2受入凹部92と固定溝部93と第1受入凹部94と固定爪部95と補給口部(粉体補給口部)96と固定解除爪部97とを有する。それに加えて、トナー容器固定部902は、開放突起押当部212と案内補助部213とを有する。
案内溝部91は、実施例1と同様の構成であり、X軸方向で対を為して設けられており、装着されるトナーカートリッジ502一対の案内壁部50dを受け入れることが可能とされている(図46等参照)。第2受入凹部92は、実施例1と同様の構成であり、トナーカートリッジ502のシャッタ機構602の第2シャッタ632を、Z軸方向への移動を可能としつつ嵌り込ませて受け入れることが可能とされている(図46等参照)。固定溝部93は、基本的に実施例1と同様の構成であり、Z軸方向負側にX−Y平面に平行な固定壁面93aを規定し、第2シャッタ632の一対の腕部812の引掛片部分812b(図37等参照)を受け入れることを可能とする大きさ寸法とされている。第1受入凹部94は、実施例1と同様の構成であり、Z軸方向で第2受入凹部92に隣接されて、トナーカートリッジ502のシャッタ機構602の第1シャッタ622をZ軸方向への移動を可能としつつ嵌り込ませて受け入れることが可能とされている(図48等参照)。その第1受入凹部94は、実施例1と同様に、第2受入凹部92との間に第2段部98を形成している。
固定爪部95は、実施例1と同様の構成であり、一端突起95aと他端突起95bとを有し、一端突起95aをトナーカートリッジ502の取付突部61の両側面に面で宛がうとともに、他端突起95bをトナーカートリッジ502に設けられた第1シャッタ622の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込ませる(存在させる)ことが可能とされている(図48等参照)。この固定爪部95は、実施例1と同様に、回転軸部95cを中心に回転可能とされて、図40および図41に示す初期回転姿勢へ向けて回転力(図41の矢印A2参照)が付与されている。さらに、各固定爪部95は、初期回転姿勢であるとき、トナーカートリッジ502が適切に装着されると、それぞれの一端突起95aがトナーカートリッジ502の取付突部61の両開放突起67の先端面67aにZ軸方向で当たることが可能とされている。
補給口部96は、実施例1と同様の構成であり、Z軸方向で第1受入凹部94に隣接されて、その中心が開口されてトナー一時貯留部44(図3参照)に通じるトナー補給口(粉体補給口)96aが設けられている。その補給口部96は、実施例1と同様に、第1受入凹部94との間に第1段部99を形成している。補給口部96の上端面(Y軸方向正側の面であってトナー補給口96aにより開口された面)は、実施例1と同様に、トナーカートリッジ502が適切に装着された状態において、その取付突部61の下端面(Y軸方向負側の面であって排出口55により開口された面)と面で当たる位置関係とされている。この状態において、排出口55とトナー補給口96aとは、実施例1と同様に、Y軸方向で対向されて接続される。
固定解除爪部97は、実施例1と同様の構成であり、前側傾斜辺部97cおよび後側傾斜辺部97dを形成する固定解除爪97aに、押圧弾性部材97bが図40および図41に示す初期飛出位置へ向けた力を付与している。この固定解除爪部97は、何らの力が加えられていない状態では固定解除爪97aが初期飛出位置とされ、押圧弾性部材97bに抗して固定解除爪97aの先端部をトナー容器固定部902内に押し入れることが可能とされている。
開放突起押当部212は、第2シャッタ632の第2受入凹部92への進入に伴って、その第2シャッタ632の両腕部812をX軸方向の外側へと変位させるために設けられている。この開放突起押当部212は、両腕部812に個別に対応すべく、X軸方向で対を為して設けられている。各開放突起押当部212は、各固定溝部93のZ軸方向正側の端部から左右方向(X軸方向)で見た内側へと突出された基部212aと、その基部212aの突出端からZ軸方向負側へと突出された押当本体部212bと、を有する。その基部212aは、後述するように各固定溝部93に腕部812の引掛片部分812bが進入することを阻害することのない大きさ寸法および位置とされている(図46から図48等参照)。押当本体部212bは、Z軸方向負側の先端(以下では、突出端212cとする)が第2受入凹部92へと張り出して設けられており、その突出端212cに連続して押当傾斜面212dが設けられている。その押当傾斜面212dは、X軸方向の外側へ向かうに連れてZ軸方向正側へと変位する傾斜面とされている。
この両開放突起押当部212では、押当本体部212b(その突出端212cおよび押当傾斜面212d)が、第2受入凹部92に進入された第2シャッタ632の対応する腕部812(その開放突起部分812dおよび開放傾斜面812e)と高さ位置(Y軸方向で見た位置)が等しいものとされている。また、両開放突起押当部212では、押当本体部212bの突出端212cおよび押当傾斜面212dが、第2シャッタ632で初期湾曲状態とされた両腕部812の開放突起部分812dの開放傾斜面812eとZ軸方向で対向する位置関係とされている(図46等参照)。そして、両開放突起押当部212では、押当本体部212bの突出端212cおよび押当傾斜面212dが、第2シャッタ632が第2段部98による制限位置となる前に、その両腕部812の開放傾斜面812e(開放突起部分812d)とZ軸方向で接触する位置関係とされている(図46等参照)。
このため、両開放突起押当部212では、第2受入凹部92に第2シャッタ632が進入されると、押当本体部212bを初期湾曲状態とされた両腕部812の開放突起部分812dに接触させる(図46等参照)。さらに第2シャッタ632がZ軸方向正側に移動されると、押当本体部212bの突出端212cおよび押当傾斜面212dと、開放突起部分812dの開放傾斜面812eと、の案内作用により、各腕部812の引掛片部分812b(その突出端(X軸方向の外側の端部))をX軸方向で見て、側壁部80(そのX軸方向の外側の壁面(X軸方向で見た位置がそこと等しい両腕部812))よりも外側に変位(突出)させて、その引掛片部分812bを対応する固定溝部93に進入させる(図47等参照)。
案内補助部213は、案内溝部91と第2受入凹部92との間の壁部のZ軸方向負側の端部に設けられている。この案内補助部213は、左右方向(X軸方向)で見た外側に外側傾斜面213aを形成するともに、左右方向(X軸方向)で見た内側に内側傾斜面213bを形成している。この外側傾斜面213aは、トナーカートリッジ502の一対の案内壁部50dを案内溝部91へと導くものであり、各案内壁部50dの案内溝部91への挿入を容易なものとする。内側傾斜面213bは、トナーカートリッジ502の第2シャッタ632を第2受入凹部92へと導くものであり、各案内壁部50dの第2受入凹部92への進入を容易なものとする。
このトナー容器固定部902は、画像形成装置102(図42等参照)に設けられた容器収容部220の内方に設けられている(図44参照)。その画像形成装置102は、基本的に実施例1の画像形成装置10(図1参照)と同様の構成とされている。画像形成装置102では、図42に示すように、現像装置23が水平方向(X−Z平面に沿う方向)に並列されて設けられており、それに合わせて感光体ドラム21や転写ベルト30やトナー補給装置43等(図42ではトナー補給装置43のみを示す)が水平方向に並列されて設けられている。この画像形成装置102では、トナーカートリッジ502を収容するために、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに対応されて4つの容器収容部220が設けられており、それぞれがいずれか1つの色に対応されている。その各容器収容部220は、水平方向に並列された現像装置23(トナー補給装置43)に対応して水平方向に並列されており、それぞれが対応する1つの色のトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)の装着を可能としている。この各容器収容部220は、後述する非互換溝225の設定が異なることを除くと、トナーカートリッジ502やトナー容器固定部902等と同様に、略同一構造であることから、この説明および図43、図44では、1つの容器収容部220の構成のみについて説明し、他の容器収容部220の説明を省略する。
その容器収容部220は、図43および図44に示すように、画像形成装置102の外壁面を開口部220aで開口して設けられており、トナー容器固定部902を受け入れることが可能な直方体形状の空間とされている。その開口部220aは、略正方形とされており、同じく略正方形状とされたトナーカートリッジ502の後端部を略隙間を置くことなく受け入れることのできる大きさ寸法とされている(図43(b)参照)。
この容器収容部220では、抑えレール221が設けられている。この抑えレール221は、容器収容部220における左右方向(X軸方向)に存在する両内側面220bのそれぞれに設けられている。両抑えレール221は、対応する内側面220bから左右方向(X軸方向)の内側へ向けて突出された板状部で構成されている。この両抑えレール221は、後述するように容器収容部220の内方にトナーカートリッジ502が挿入されると、図45(b)に示すように、そのトナーカートリッジ502の側壁部50cに設けられた抑えレール209の受入傾斜部209bの上面(Y軸方向正側の面)に接触する。そして、両抑えレール221は、トナーカートリッジ502がさらにZ軸方向正側へと移動されると、図45(b)から(c)に示すように、その受入傾斜部209bの案内作用により、抑えレール209のレール本体部209aの上方(Y軸方向正側)へと相対的に移動し、上方から当該レール本体部209aに接触する。このため、両抑えレール221は、容器収容部220内において、トナーカートリッジ502が上方(Y軸方向正側)へと移動することを防止しつつ当該トナーカートリッジ502の姿勢を規定する。
また、容器収容部220の両内側面220bには、図43および図44に示すように、抑えレール221よりも上方(Y軸方向正側)に抑え片部222が設けられている。この両抑え片部222は、対応する内側面220bから左右方向(X軸方向)の内側へと突出されて設けられており、Z軸方向正側へ向かうに連れて左右方向への突出量が漸次的に増えている。両抑え片部222は、少なくとも突出量が最も大きくされた位置では、トナーカートリッジ502(その両側面)を左右方向(X軸方向)で挟み込むことが可能な大きさ寸法とされている。
容器収容部220では、図44に示すように、トナー容器固定部902の左右方向(X軸方向)の両側部を覆うように、1対の収容台部223が設けられている。その両収容台部223は、上面(Y軸方向正側の面)が、トナーカートリッジ502の下壁部50b(図28等参照)の挿入を妨げることを防止すべく、その下壁部50bが規定する曲面に沿って湾曲する設置面部224を形成している。この両設置面部224は、トナーカートリッジ502が容器収容部220に対してZ軸方向へと移動される際、トナーカートリッジ502の下壁部50bに設けられた接触板状部207(図28等参照)が接触した状態で滑ることが可能とされている。また、両設置面部224は、接触板状部207が接触されると、その接触板状部207が上記したように設定されていることから、トナーカートリッジ502の下壁部50bと接触することが防止されている。この両設置面部224および接触板状部207の構成は、実施例1のトナーカートリッジ50およびトナー容器固定部90(トナー補給装置43)に適用することができる。
その収容台部223には、非互換溝225と受入溝226とが設けられている。その非互換溝225は、自らが設けられた容器収容部220(トナー容器固定部902)に対応された色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)とは異なる色の現像剤G(トナーT)が収容(充填)されたトナー容器固定部902が装着されることを防止するものである。非互換溝225は、両設置面部224をY軸方向負側へと凹ませつつZ軸方向に伸びて形成されており、トナー容器固定部902に設けられた非互換突起208(図28等参照)を受け入れることが可能な大きさ寸法とされている。この非互換溝225は、自らが対応された現像剤G(トナーT)の色に応じて、位置および個数が異なるものとされており、図示の例では左右に2つずつで合計4つ設けられている。このため、非互換溝225は、自らが設けられた容器収容部220(トナー容器固定部902)に対応された色と一致する色の現像剤G(トナーT)を収容(充填)するトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)のみの装着を可能とする。
受入溝226は、収容台部223における左右方向(X軸方向)の外側であって下部(Y軸方向負側となる部分)が、左右方向(X軸方向)の内側へと凹まされつつZ軸方向に伸びて形成されている。この受入溝226は、トナーカートリッジ502に設けられた固定解除片68(図38等参照)を受け入れることを可能とするとともに、その固定解除片68がトナー容器固定部902の両固定解除爪部97(固定解除爪97a(図40等参照))に至るべくZ軸方向に移動することを可能とする。
次に、トナーカートリッジ502のトナー容器固定部902(容器収容部220(トナー補給装置43))への装着操作の際のシャッタ機構602およびトナー容器固定部902の動作について、図46から図48を用いて説明する。このシャッタ機構602およびトナー容器固定部902の動作は、基本的には実施例1のシャッタ機構60およびトナー容器固定部90の動作と同様であることから、等しい動作の説明は省略する。図46は、トナーカートリッジ502をトナー容器固定部902へと装着する様子を説明すべく、トナーカートリッジ502を図38と同様の断面図で示すとともにトナー容器固定部902を図41と同様の正面図で示す説明図であり、両開放突起押当部212の押当本体部212b(その突出端212c(押当傾斜面212d))が、トナーカートリッジ502の第2シャッタ632の初期湾曲状態とされた両腕部812の開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)に当たった状態を示す。図47は、図46と同様の説明図であり、トナーカートリッジ502の第2シャッタ632がトナー容器固定部902の第2段部98に当たった状態を示す。図48は、図46と同様の説明図であり、トナーカートリッジ502の排出口55とトナー容器固定部902(トナー補給装置43)のトナー補給口96aとが接続された状態を示す。
先ず、把持部206(図43等参照)を利用してトナーカートリッジ502を持ち、図43(a)に矢印A11で示すように、容器収容部220(そのトナー容器固定部902)へ向けて、トナーカートリッジ502を装着方向(Z軸方向正側)へと移動させる。このとき、トナーカートリッジ502の一対の案内壁部50d(図38等参照)をトナー容器固定部902の一対の案内溝部91(図41および図40等参照)内に挿入しつつ、トナーカートリッジ502の下壁部50bに設けられた接触板状部207(図28等参照)を容器収容部220に設けられた両設置面部224(図44参照)上に載せる。すると、トナーカートリッジ502の一対の側壁部50cに設けられた抑えレール209が、容器収容部220のそれぞれに対応する抑えレール221に下方から接触される(図45(a)から(c)参照)。また、トナーカートリッジ502(その両側面)が左右方向(X軸方向)で両抑え片部222により挟み込まれる。これにより、トナー容器固定部902に対するトナーカートリッジ502の移動方向が装着方向(Z軸方向正側)に規定される(図46参照)。
この状態において、図38および図39に示すように、シャッタ機構602では、第1シャッタ622が封止位置であることから、排出口55の周辺で取付突部61にシャッタシール772が押し当てられており、その排出口55が封止されている。また、シャッタ機構602では、第2シャッタ632が被覆位置であることから、解除突起73を含む第1シャッタ622が第2シャッタ632により覆い隠されている。さらに、第1シャッタ622では、固定片部72の本体部72bの両押当脚部分72cが、下壁部50bに設けられた固定突起65の両被押当部65bとZ軸方向で当たることから、その当たった位置からの取付突部61(トナーカートリッジ502)に対するZ軸方向負側への移動が防止されている。ついで、第2シャッタ632では、両腕部812の突出端812aの近傍のX−Y平面に平行な平坦面812cが、第1シャッタ622の各側壁部71の前端部すなわち各固定壁部75のX−Y平面に平行な押当面75bと、Z軸方向で当たることで、取付突部61(トナーカートリッジ502)に対するZ軸方向負側への移動が抑制されている(図38参照)。
その後、トナーカートリッジ502をZ軸方向正側へと移動させると、シャッタ機構602の第2シャッタ632がトナー容器固定部902の第2受入凹部92内に進入し、やがて第2シャッタ632の初期湾曲状態とされた両腕部812の開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)が、トナー容器固定部902の両開放突起押当部212の押当本体部212b(その突出端212c(押当傾斜面212d))に当たる(図46参照)。そして、さらにトナーカートリッジ502をZ軸方向正側へと移動させると、押当本体部212bの突出端212cおよび押当傾斜面212dと開放突起部分812dの開放傾斜面812eとの案内作用により、各腕部812がX軸方向で見て外側に変位(突出)され、その各引掛片部分812b(その突出端(X軸方向の外側の端部))がX軸方向で見て外側に変位(突出)されて、その各引掛片部分812bが第2受入凹部92に通じる一対の固定溝部93に進入される(図47等参照)。そして、引掛片部分812bが固定溝部93に進入されると、第2シャッタ632(その平板部782の先端面782a)がトナー容器固定部902の第2段部98に当たる(図47参照)。このため、第2シャッタ632は、トナー容器固定部902に対してZ軸方向正側へと移動することが制限される。
その後のトナーカートリッジ502のZ軸方向正側への移動に伴う各動作は、実施例1と同様であることから詳細な説明を省略する。そして、トナーカートリッジ502のZ軸方向正側への移動により、図48に示すように、取付突部61の下端面(Y軸方向負側の面)と補給口部96の上端面(Y軸方向正側の面)とが面で当たりつつ、取付突部61の排出口55が補給口部96のトナー補給口96aとY軸方向で対向されて接続される。この排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態では、各固定爪部95の他端突起95bが、第1段部99による制限位置において開放位置とされた第1シャッタ622の両側壁部71における固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込まれている。また、第1シャッタ622は、設置部74の先端面74a(シャッタシール772の先端部772a)が第1段部99と当たる当該第1段部99による制限位置とされている。
このとき、実施例2の第1シャッタ622では、設置部74の先端面74aよりも、シャッタシール772の先端部772aがZ軸方向正側へと突出されていることから(図36等参照)、この先端部772aを含むシャッタシール772の突出された箇所が第1段部99との間で圧縮されている。このため、その排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態では、第1段部99すなわち補給口部96と第1シャッタ622との間をシャッタシール772の圧縮された箇所で塞ぐことができる。また、その排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態では、第2段部98による制限位置において開放位置とされた第2シャッタ632の両腕部812の各引掛片部分812bが、各固定溝部93に進入されている。このとき、第2シャッタ632の両腕部812は、それぞれの開放突起部分812dが各開放突起押当部212の押当本体部212bに当たる、もしくはそれぞれの突出端812aが第1シャッタ622の各側壁部71に当たることで、その各突出端812aがX軸方向の外側へと変位しつつZ軸方向に沿って伸びるように変形された状態が維持されている。また、トナーカートリッジ502の各側壁部50cの固定解除片68は、その後側傾斜辺部68bを、各固定解除爪部97の固定解除爪97aの前側傾斜辺部97cとZ軸方向で対向させており、トナーカートリッジ502をトナー容器固定部902に解除可能に固定している。
また、排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態とされると、容器収容部220に設けられた第1基準決め突起が第1基準穴201(図26等参照)に嵌め合わされ、かつ容器収容部220に設けられた第2基準決め突起が第2基準穴202(図26等参照)に挿入されることで、容器収容部220に対してトナーカートリッジ502が所定の姿勢とされる。このとき、容器収容部220に設けられた位置決め突起が電子基板572の位置決め穴572b(図26等参照)へと挿入されて、電子基板572が適切な位置とされる。
さらに、排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態へとトナーカートリッジ502がZ軸方向正側へと移動される際、トナーカートリッジ502の上面に設けられた抑え片部205(図26等参照)が、容器収容部220の上壁部220c(図44参照)と接触することにより、トナーカートリッジ502の後端部側が上方へと移動することが防止されている(図43(b)参照)。加えて、排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態へとトナーカートリッジ502がZ軸方向正側へと移動される際、トナーカートリッジ502の各底壁部50fに設けられた下支え片部214(図28等参照)が、容器収容部220の下壁部220d(図44参照)と接触することにより、トナーカートリッジ502の後端部側が下方へと移動することが防止されている。そして、排出口55とトナー補給口96aとが接続された状態とされると、図43(b)に示すように、容器収容部220の開口部220aが、トナーカートリッジ502の後端部により塞がれた状態となる。すると、容器収容部220に設けられた攪拌駆動カップリング301が、攪拌部材52の連結箇所522aに連結される(図32(d)参照)とともに、容器収容部220に設けられた搬送駆動カップリングが、搬送スクリュ56の連結箇所562a(図26等参照)に連結される。
これにより、トナー容器固定部902にトナーカートリッジ502が適切に装着されることとなり、トナーカートリッジ502の容器収容部220への装着動作が完了する。このように、トナーカートリッジ502が適切に装着されると、トナー補給装置43(容器収容部220)では、攪拌駆動カップリング301の回転駆動により攪拌部材52が適宜回転駆動されかつ搬送駆動カップリングの回転駆動により搬送スクリュ56が適宜回転駆動されることにより、トナーカートリッジ502の排出口55から外部に排出された現像剤Gを、トナー容器固定部902のトナー補給口96aから内方(トナー一時貯留部44)に導くことができる(図3参照)。これにより、トナーカートリッジ502から排出された現像剤Gは、現像装置23内に供給される(図3参照)。
次に、トナーカートリッジ502のトナー容器固定部902(容器収容部220(トナー補給装置43))からの取り出し操作の際のシャッタ機構602およびトナー容器固定部902の動作について、図49および図50を用いて説明する。このシャッタ機構602およびトナー容器固定部902の動作は、基本的には実施例1のシャッタ機構60およびトナー容器固定部90の動作と同様であることから、等しい動作の説明は省略する。図49は、トナー容器固定部902からトナーカートリッジ502を取り出す様子を説明するための図46と同様の説明図であり、トナーカートリッジ502がトナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動され始めて両固定解除爪部97によるトナーカートリッジ502の固定が解除される様子を示す。図50は、図46と同様の説明図であり、トナーカートリッジ502をトナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動して各引掛片部分812bと各固定溝部93とによる第2シャッタ632の固定が解除された様子を示す。
このトナー容器固定部902では、トナーカートリッジ502を取り出すには、そのトナーカートリッジ502を装着方向とは反対側すなわちZ軸方向負側へと移動させることとなり、Z軸方向負側が取出方向となる。先ず、把持部206(図43(b)等参照)を利用してトナーカートリッジ502を持ち、容器収容部220すなわちトナー容器固定部902からトナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させる。すると、トナーカートリッジ502の各側壁部50cの固定解除片68と各固定解除爪部97とによる固定状態が解除される(図49参照)。その図49では、解除へ向けてトナー容器固定部90の両固定解除爪部97(固定解除爪97a)がトナー容器固定部90内に押し入れられ始めた様子を示す。そして、トナーカートリッジ502の取付突部61がZ軸方向負側へと移動して、排出口55がトナー容器固定部902のトナー補給口96aとY軸方向で対向した状態が解除される。このとき、シャッタ機構602では、トナー容器固定部902の各固定爪部95の他端突起95bが、第1シャッタ622の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込んでいることから、その他端突起95bが固定壁部75の被引掛面75aとZ軸方向で当たることにより、第1シャッタ622がトナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動することが制限されている。また、シャッタ機構602では、第2シャッタ632の両腕部812の各突出端812aが第1シャッタ622の各側壁部71に当たることで、各引掛片部分812bが、トナー容器固定部902の各固定溝部93に進入していることから、その各固定溝部93の固定壁面93aに各引掛片部分812bがZ軸方向で当たる(干渉する)ことにより、トナー容器固定部902に対して第2シャッタ632がZ軸方向負側へと移動することが制限されている。このとき、第2シャッタ632は、第2段部98による制限位置からは僅かにZ軸方向負側へと移動されているが、解除操作位置は維持されている。その第2シャッタ632では、第2段部98による制限位置からZ軸方向負側への僅かな移動により、各引掛片部分812bが各固定溝部93に進入された両腕部812が初期湾曲状態へと復帰する場合に、その開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)が、トナー容器固定部902の両開放突起押当部212の押当本体部212b(その突出端212c(押当傾斜面212d))と干渉することが防止されている(図50等参照)。このため、トナーカートリッジ502では、第1シャッタ622と第2シャッタ632とが、取付突部61(トナーカートリッジ502)とともにZ軸方向負側へと移動することが防止されている。すなわち、トナーカートリッジ502では、第1シャッタ622と第2シャッタ632とが解除操作位置を維持したまま、Z軸方向正側へと移動することとなる。
その後のトナーカートリッジ502のZ軸方向正側への移動に伴う各動作は、実施例1と同様であることから簡単な説明に留める。そして、トナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させると、第1シャッタ622がシャッタシール772(図39等参照)で排出口55が封止する位置、すなわち第1シャッタ622がトナーカートリッジ502における封止位置となるまでは、当該第1シャッタ622は両固定爪部95により第1段部99による制限位置に固定されている。その後、トナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させて、トナーカートリッジ502の取付突部61の排出口55の周辺に、第1シャッタ622のシャッタシール772が押し当てられている状態となると、第1シャッタ622が封止位置とされて、そのシャッタシール772により排出口55が封止される。すると、シャッタ機構602では、トナーカートリッジ502の取付突部61の両開放突起67(その先端面67a)が、トナー容器固定部902の各固定爪部95の一端突起95aよりもZ軸方向負側まで移動されることで、取付突部61(両開放突起67)が一端突起95aをZ軸方向正側へと押す状態が解除される。これにより、両固定爪部95が回転軸部95cを中心に回転して初期回転姿勢となり、トナー容器固定部902の各固定爪部95の他端突起95bが、第1シャッタ622の両側壁部71において固定壁部75の裏側(その被引掛面75aのZ軸方向負側)に入り込む状態が解除されて、第1シャッタ622がトナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動することが可能となる。このため、トナーカートリッジ502では、トナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動される際、第1シャッタ622が確実に封止位置とされて、そのシャッタシール772により取付突部61の排出口55が確実に封止される。
その後、さらにトナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させると、シャッタ機構602の第1シャッタ622がトナーカートリッジ502とともにZ軸方向負側へと移動し、第2シャッタ632が第2段部98による制限位置の近傍で留まる。すなわち、トナーカートリッジ502では、第1シャッタ622が封止位置とされたまま、第2シャッタ632がZ軸方向正側へと移動する。そして、その第1シャッタ622と第2シャッタ632とのZ軸方向への相対的な移動により、第1シャッタ622の解除突起73と第2シャッタ632の解除操作突起79とがY軸方向で対向する解除操作位置が解除されて、第1シャッタ622は、シャッタシール772で排出口55を封止する封止位置でトナーカートリッジ502に対するZ軸方向負側への移動が防止された状態とされる。
その後、トナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させると、シャッタ機構602の第1シャッタ622が第2シャッタ632の両腕部812の間へと入り込み、その両腕部812のそれぞれの突出端812aが第1シャッタ622の各側壁部71に当たる状態が解除される(図50参照)。このため、第2シャッタ632の両腕部812は、初期湾曲状態となって引掛片部分812bがトナー容器固定部902の各固定溝部93に入り込んだ状態が解除されるので、第2シャッタ632がトナー容器固定部902に対してZ軸方向負側へと移動することが可能となる(図50参照)。ここで、第2シャッタ632では、上述したように開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)が、トナー容器固定部902の両開放突起押当部212の押当本体部212b(その突出端212c(押当傾斜面212d))と干渉することが防止されていることから、各引掛片部分812bが各固定溝部93に進入された両腕部812を確実に初期湾曲状態へと復帰することができる。このとき、第2シャッタ632は、トナーカートリッジ502(その下壁部50b)の外方に第1シャッタ622の解除突起73が露出することを防止する被覆位置となる(図50参照)。
その後、トナーカートリッジ502を取出方向(Z軸方向負側)へと移動させることで、トナー容器固定部902(容器収容部220)から取り出すことができる。このとき、図38、図39および図50に示すように、シャッタ機構602では、第1シャッタ622が封止位置であることから、排出口55の周辺で取付突部61にシャッタシール772を押し当てており、その排出口55を封止している。また、シャッタ機構602では、第2シャッタ632が被覆位置であることから、解除突起73を含む第1シャッタ622を第2シャッタ632で覆い隠している。このため、トナーカートリッジ502は、トナー容器固定部902(容器収容部220(トナー補給装置43))に装着する前と同様の、シャッタ機構602により排出口55が封止された状態となる。以上により、トナーカートリッジ502の取り出し動作が完了する。
この本発明に係る実施例2のトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)は、基本的には実施例1のトナーカートリッジ50(50Y、50M、50C、50BK)と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2のトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、両腕部812に、初期湾曲状態とされるとX−Y平面に平行となる平坦面812cが設けられていることから、第2シャッタ632に対して第1シャッタ622がZ軸方向正側に移動しようとすると、第1シャッタ622の各側壁部71の前端部すなわち各固定壁部75のX−Y平面に平行な押当面75bにX−Y平面に平行な平坦面812cをZ軸方向で当てることができる。このため、実施例1の第2シャッタ63と比較して、第1シャッタ622に対する第2シャッタ632のZ軸方向負側への移動を抑制する力を向上させることができる。
また、トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、第1シャッタ622に対する第2シャッタ632のZ軸方向負側への移動を抑制する力が向上されているので、より効果的に排出口55が誤って開放されることを防止することができる。
さらに、トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、第2シャッタ632の両腕部812に開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)が設けられていることから、その開放傾斜面812eにZ軸方向正側からZ軸方向負側へと向けた力を作用させることにより、両腕部812を左右方向(X軸方向)で見た外方へ向けて変形させることができ、その各引掛片部分812bを第2受入凹部92に通じる一対の固定溝部93へと進入させることができる。このため、第1シャッタ622に対する第2シャッタ632のZ軸方向負側への移動を抑制する力が向上されていても、確実に両腕部812を変形させることができ、第2シャッタ632のトナー容器固定部902に対するZ軸方向負側への移動を確実に防止することを可能とすることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、第1シャッタ622(その各側壁部71)を利用して第2シャッタ632の両腕部812の変形の解除を行うものであることから、シャッタ機構602をより簡易な構成とすることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、トナーカートリッジ502の下壁部50bに1対の接触板状部207が設けられていることから、容器収容部220の両設置面部224に対する接触面積を両接触板状部207だけにすることができるので、トナーカートリッジ502の容器収容部220すなわちトナー容器固定部902に対するZ軸方向への移動を容易なものとすることができる。また、接触板状部207は、左右方向(X軸方向)で対を為して設けられていることから、接触面積を両接触板状部207だけとしても、トナーカートリッジ502の容器収容部220すなわちトナー容器固定部902に対するZ軸方向への移動を安定したものとすることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、一対の側壁部50cに抑えレール209が設けられているので、容器収容部220のそれぞれに対応する抑えレール221が上方から接触されることで、容器収容部220内において上方(Y軸方向正側)へと移動することを防止することができるとともに、容器収容部220内での姿勢を規定することができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、上面に抑え片部205が設けられていることから、容器収容部220の上壁部220c(図44参照)への接触により後端部側が上方へと移動することを防止することができる。このため、第1基準穴201(図26等参照)に容器収容部220の第1基準決め突起を適切に嵌め合わせることを可能とすることができ、第2基準穴202(図26等参照)に容器収容部220の第2基準決め突起が適切に挿入されること、電子基板572の位置決め穴572b(図26等参照)に容器収容部220の位置決め突起が適切に挿入されること、攪拌部材52の連結箇所522aに攪拌駆動カップリング301(図32参照)が適切に連結されること、搬送スクリュ56の連結箇所562a(図26等参照)に搬送駆動カップリングが適切に連結されること、を可能とすることができる。このことは、把持凹所206aから挿入した手で把持壁部206bを握ることにより、トナーカートリッジ502を容易に持つことが可能とする把持部206が背面(Y軸方向負側の面)に設けられていることから、特に効果的である。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、各底壁部50fに下支え片部214が設けられていることから、容器収容部220の下壁部220d(図44参照)への接触により後端部側が下方へと移動することを防止することができる。このため、上記した各部の適切な嵌め合わせ、挿入および連結を可能とすることができるとともに、装着状態において後端部側が下方へと移動するように傾くことに起因して電子基板572と容器収容部220(トナー補給装置43)に設けられた通信基板との間での通信が困難となることを防止することができる。このことは、トナーカートリッジ502では、自重(主に収容部51に収容された現像剤Gの重量)により、後端部側が下方へと移動するように傾く虞があることから、特に効果的である。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、上面の抑え片部205を上壁部220cに接触させるとともに、各底壁部50fの下支え片部214を下壁部220dに接触させることにより、後端部の上下方向で見た位置を適切なものとすることができるので、上記した各部のより適切な嵌め合わせ、挿入および連結を可能とすることができる。また、両抑え片部205および両下支え片部214は、Z軸方向負側へ向かうに連れてY軸方向での突出量が漸次的に増えるものとされているので、上記した効果を有するものとしつつトナーカートリッジ502の容器収容部220(トナー補給装置43)への装着を円滑なものとすることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、後端部を容器収容部220の開口部220aに対して略隙間を設けることなく内方へと嵌まることができる大きさ寸法とすべく突出後壁部210(その突出後壁210a)が設けられていることから、容器収容部220へと装着された状態において、開口部220aを塞ぐことができる(図43(b)参照)。このため、不測の事態が生じることにより、容器収容部220の内方でトナーカートリッジ502の外方に現像剤Gが漏れ出してしまった場合であっても、当該現像剤Gが開口部220aから容器収容部220の外方へと漏れ出すことを防止することができる。また、開口部220aを塞いでいることから、左右方向(X軸方向)で見たトナーカートリッジ502における上部(収容部51)の大きさ寸法をトナーカートリッジ502における下部よりも大きくしても、装着時の見栄えを向上させることができる。このため、収容部51に収容(充填)することのできる現像剤Gの量(容量)を大きくしつつ、現像剤Gが開口部220aから容器収容部220の外方へと漏れ出すことを防止することができ、装着時の見栄えを向上させることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、十分に収容(充填)された現像剤Gにより塞がれない位置に給排気部203が設けられていることから、収容部51へと空気を供給することができるので、排出口55から外部へと現像剤Gを排出することに起因して収容部51内が負圧となる(周囲の圧力より低い圧力となる)ことを防止することができる。このため、現像剤Gを排出口55から外部へと円滑に排出することができ、トナー容器固定部902のトナー補給口96aから内方(トナー一時貯留部44)へと現像剤Gを円滑に導くことができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、十分に収容(充填)された現像剤Gにより塞がれない位置に給排気部203が設けられていることから、トナー容器固定部902のトナー補給口96aから空気が流入してきた場合であっても、収容部51から空気を排出することができ、収容部51内の気圧が高くなることを防止することができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、案内壁部50dの先端に第1シャッタ622および第2シャッタ632(シャッタ機構602)よりもZ軸方向正側へと突出されたシャッタ保護部50eが設けられていることから(図39参照)、意図しない物体等がZ軸方向の正側から相対的に接近してきた場合であっても、第1シャッタ622や第2シャッタ632よりも先に当該物体に接触して、第1シャッタ622および第2シャッタ632が相対的にZ軸方向負側へと押されることを防止することができる。このため、第1シャッタ622や第2シャッタ632が意図しない物体等によりZ軸方向の正側から負側へ向けて押されることを防止することができ、第1シャッタ622および第2シャッタ632を保護することができる。これにより、トナーカートリッジ502では、容器収容部220(そのトナー容器固定部902)に対してZ軸方向正側へと移動される装着時に、誤ってシャッタ機構602の周辺を容器収容部220もしくはトナー容器固定部902に当ててしまった場合であっても、シャッタ保護部50eが容器収容部220もしくはトナー容器固定部902に当たることで、第1シャッタ622や第2シャッタ632がZ軸方向の正側から負側へ向けて押されて排出口55が開放してしまうことを防止することができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、攪拌部材52の1対の引掛突起部522bの突出端部522cに傾斜面522dが設けられていることから、同じく1対の引掛突起部301aの突出端部301bに傾斜面301cが設けられた攪拌駆動カップリング301との協働により、攪拌駆動カップリング301の突出端部301bと連結箇所522aの突出端部522cとが突き当てられた状態となることを防止することができる。加えて、1対の引掛突起部522bの突出端部522cが、1対の引掛突起部301aの突出端部301bと中心軸線Ca方向で平行に並ぶものとされていることから、傾斜面522dと傾斜面301cとの案内作用による連結箇所522aに対する攪拌駆動カップリング301の回転を促進することができるので、傾斜面522dと傾斜面301cとによる突き当てられた状態となることを防止する作用をより効果的なものとすることができる。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、攪拌部材52に1対の引掛突起部522bの突出端部522cに周方向で見て対を為す傾斜面522dが設けられていることから、同じく1対の引掛突起部301aの突出端部301bに回転方向(周方向)で見て対を為す傾斜面301cが設けられた攪拌駆動カップリング301との協働により、攪拌駆動カップリング301の突出端部301bと連結箇所522aの突出端部522cとが突き当てられた状態となることを防止すべく連結箇所522aに対して攪拌駆動カップリング301が回転する量(図32(c)の矢印A10参照)、すなわち突き当てられた状態を回避するための相対的な逃げ量を小さくすることができる。これは、以下のことによる。図32(c)に示すように、突出端部522cにおける一方の傾斜面522dが設けられた箇所に相当する周方向(回転方向)で見た大きさを寸法αとし、突出端部301bにおける一方の傾斜面301cが設けられた箇所に相当する周方向(回転方向)で見た大きさを寸法βとする。すると、突出端部522cと突出端部301bとは、傾斜面522dと傾斜面301cとの案内作用により、最大で寸法(α+β)だけ相対的に回転すれば突き当てられた状態を回避することができる。これに対し、例えば、図32(e)に示すように、1対の引掛突起部522bの突出端部522cに周方向で見て一様な傾斜面522fを設けるとともに、1対の引掛突起部301aの突出端部301bに回転方向(周方向)で見て一様な傾斜面301dを設けることとする。すると、引掛突起部522bと突出端部301bとは、傾斜面522fと傾斜面301dとの案内作用により突き当てられた状態を回避する(矢印A12参照)には、最大で寸法(2α+2β)だけ相対的に回転する必要がある。このため、突出端部522cに周方向で対を為して傾斜面522dを設けることにより、回転方向(周方向)で対を為して傾斜面301cを設けた突出端部301bとの協働により、突き当てられた状態となることを防止のための相対的な回転量(逃げ量)を小さくする(実施例2では回転方向に拘らず略半分)ことができる。なお、攪拌部材52の連結箇所522aにおける1対の傾斜面522dは、上記した効果を得ることができるものであれば、互いの傾斜角度が異なるものとされていてもよく、攪拌部材52の軸線を中心とする周方向で見た互いの大きさ寸法が異なるものとされていてもよく、上記した実施例2に限定されるものではない。このことは、攪拌駆動カップリング301における1対の傾斜面301cにおいても同様である。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、攪拌部材52の1対の引掛突起部522bの突出端部522cが、互いが近付くに連れてZ軸方向負側へと変位して傾斜されつつ、1対の引掛突起部301aの突出端部301bと中心軸線Ca方向で平行に並ぶものとされていることから、1対の突出端部522cが1対の突出端部301bと接触すると、それらの案内作用により両引掛突起部301aを両引掛突起部522bの内側へと導くような力を作用させることができる。このため、両引掛突起部522b(その突出端部522c)と両引掛突起部301a(その突出端部301b)とが上記したように接触した場合であっても、連結箇所522aと攪拌駆動カップリング301との間に中心軸線Ca(図32(a)参照)と攪拌部材52の軸線とをずらすような力が作用することを防止することができる。なお、これらの攪拌部材52の連結箇所522a(そこに連結される攪拌駆動カップリング301)における効果および設計変更に関しては、上述したように同様の構成とされている搬送スクリュ56の連結箇所562a(そこに連結される搬送駆動カップリング)でも同様である。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、第1基準穴201の第1基準壁部201aと第2基準穴202の第2基準壁部202aとが収容部51すなわちトナーカートリッジ502の内側面に連続されていることから、攪拌部材52の攪拌羽部52b(図51(a)参照)による収容部51に収容された現像剤Gの攪拌の効果を高めることができる。これは、以下のことによる。例えば、図51(b)に示すトナーカートリッジ502´のように、第1基準穴201´および第2基準穴202´を収容部51すなわちトナーカートリッジ502の内側面に連続させない構成としたものとする。その第1基準穴201´および第2基準穴202´は、攪拌部材52の軸線から見ると、収容部51の内壁面との間に死角Bsを形成してしまう。ここで、攪拌部材52では、その軸線から放射方向に伸びて攪拌羽部52bが設けられている。このため、上記したような死角Bsが形成されると、攪拌部材52を回転駆動させても死角Bsに存在する現像剤Gを攪拌羽部52bで攪拌することは困難となる。これに対して、実施例2のトナーカートリッジ502では、図51(a)に示すように、第1基準壁部201aと第2基準壁部202aとが内側面に連続されていることから、上記したような死角Bsが形成されることはなく、収容部51内の現像剤Gを攪拌羽部52bで満遍なく攪拌することができる。このため、攪拌部材52の攪拌羽部52bによる収容部51に収容された現像剤Gの攪拌の効果を高めることができる。なお、この図51では、理解容易のために、収容部51の内方および攪拌部材52の攪拌羽部52bを簡略化しつつその攪拌羽部52bの変化を強調して示しているが、必ずしも実際の構成および他の図面と一致するものではない。
トナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、第1シャッタ622においてシャッタシール772の先端部772aが設置部74の先端面74aよりもZ軸方向正側へと突出されていることから、第1シャッタ622(その設置部74の先端面74a)がトナー容器固定部902の第1段部99に当たると、この先端部772aを含むシャッタシール772の突出された箇所を第1段部99との間で圧縮させることができる。このため、第1シャッタ622が第1段部99による制限位置となり排出口55と補給口部96のトナー補給口96aとが接続された状態では、第1段部99すなわち補給口部96と第1シャッタ622との間をシャッタシール772の圧縮された箇所で塞ぐことができる。このことから、不測の事態が生じることにより、排出口55からトナー補給口96aへと排出される現像剤Gが、排出口55とトナー補給口96aとの間から漏れ出してしまった場合であっても、補給口部96と第1シャッタ622との間から容器収容部220の内方へと現像剤Gが漏れ出すことを防止することができる。
同様に、本発明に係る実施例2の粉体補給装置としてのトナー補給装置43では、基本的には実施例1のトナー補給装置43と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2のトナー補給装置43では、1対の開放突起押当部212が設けられているので、第2受入凹部92に第2シャッタ632が進入されると、その各腕部812の開放突起部分812d(その開放傾斜面812e)に押当本体部212b(その突出端212cおよび押当傾斜面212d)をZ軸方向で当てることで、開放傾斜面812eと突出端212cおよび押当傾斜面212dとの案内作用により、各腕部812をX軸方向の外側へと変位させることができ、その引掛片部分812bをX軸方向で見て側壁部80(両腕部812)よりも外側に変位(突出)させることができる。このため、引掛片部分812bを対応する固定溝部93に進入させることができ、第2段部98による制限位置の近傍で第2シャッタ632のZ軸方向負側への移動を防止することができる。
したがって、本発明に係る実施例2の粉体収納容器としてのトナーカートリッジ502(502Y、502M、502C、502BK)では、誤って粉体排出口としての排出口55が開放されてしまうことを抑制することができる。
なお、上記した実施例2では、両開放突起押当部212が各腕部812を変形させてその引掛片部分812bを固定溝部93に進入させる構成としていたが、両開放突起押当部212は、押当本体部212bの突出端212cおよび押当傾斜面212dと、第2シャッタ632の各腕部812の開放突起部分812dの開放傾斜面812eと、の案内作用により、各腕部812(その引掛片部分812b)をX軸方向の外側へと移動させるものであれば、そのX軸方向の外側へと移動された各腕部812の突出端812aが第1シャッタ622の各側壁部71に当たることで、その各突出端812aがX軸方向の外側へと変位しつつZ軸方向に沿って伸びるように変形されて、その各引掛片部分812bが固定溝部93に進入するものであってもよく、上記した実施例2に限定されるものではない。
また、上記した実施例2(実施例1でも同様である)では、図35を正面視した右側の案内壁部50dの先端(Z軸方向正側の端部)にシャッタ保護部50eを設けていたが、トナーカートリッジ502がZ軸方向正側へと移動された際、何らかの意図しない物体がZ軸方向正側に存在した場合に、第1シャッタ622や第2シャッタ632よりも先に当該物体に接触することができるものであれば、両案内壁部50dに設けられていても良く、図35を正面視した左側の案内壁部50dに設けられていても良く、上記した実施例2に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例2では、第1基準穴201の第1基準壁部201aと第2基準穴202の第2基準壁部202aとを収容部51すなわちトナーカートリッジ502の内側面に連続させて設けていたが、トナーカートリッジ502の側面の内方に設ける(側壁を第1基準穴201もしくは第2基準穴202を内方に形成することのできる肉厚寸法とする)ものであってもよく、上記した実施例2に限定されるものではない。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る粉体収納容器としてのトナーカートリッジについて説明したが、画像形成に用いられる現像剤を収容する粉体収容部と、該粉体収容部に収容された前記現像剤を排出すべく前記粉体収容部に設けられた粉体排出口と、該粉体排出口を開閉するシャッタ機構と、を備え、該シャッタ機構は、前記粉体排出口を塞ぐ封止位置と前記粉体排出口を開放する開放位置との間で移動可能であり、前記封止位置での固定を解除すべく押される固定解除部が設けられた第1シャッタと、前記固定解除部との干渉が可能な解除操作突起を有し、該解除操作突起を前記固定解除部に干渉させることなく前記固定解除部を覆う被覆位置と前記解除操作突起で前記固定解除部を押す解除操作位置との間で移動可能な第2シャッタと、を有する粉体収納容器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、第2シャッタ63(第2シャッタ632)の両腕部81の引掛片部分81b(両腕部812の引掛片部分812b)と、トナー容器固定部90(トナー容器固定部902)の各固定溝部93(その固定壁面93a)と、により、トナー容器固定部90(トナー容器固定部902)に対して第2段部98による制限位置(その近傍)からの第2シャッタ63(第2シャッタ632)のZ軸方向負側への移動を防止するものとしていたが、トナー容器固定部90(トナー容器固定部902)からトナーカートリッジ50(トナーカートリッジ502)を取出方向(Z軸方向負側)へと移動する際に、第2シャッタ63(第2シャッタ632)を第2段部98による制限位置(その近傍)に留めるものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、各固定爪部95と、第1シャッタ62(第1シャッタ622)の両側壁部71の固定壁部75(その被引掛面75a)と、により、トナー容器固定部90(トナー容器固定部902)に対して第1段部99による制限位置からの第1シャッタ62(第1シャッタ622)のZ軸方向負側への移動を防止するものとしていたが、トナー容器固定部90(トナー容器固定部902)からトナーカートリッジ50(トナーカートリッジ502)を取出方向(Z軸方向負側)へと移動する際に、第1シャッタ62(第1シャッタ622)を第1段部99による制限位置に留めるものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、トナー補給装置43(トナー容器固定部90(トナー容器固定部902))は、カラープリンタとしての画像形成装置10(画像形成装置102)に適用した例を示していたが、単色の画像を形成する画像形成装置に適用してもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を用いる例を示していたが、トナーからなる1成分現像剤を用いるものであってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。すなわち、粉体収納容器は、画像形成に用いられる粉体として、トナー、または、トナーを静電的に付着するキャリア、または、トナーとキャリアとを所定の割合で混合したもの(いわゆるプレミックストナー)を収容するものであればよい。いずれの場合であっても、上述した本願発明と同様の効果を得ることができる。
上記した各実施例では、単一の攪拌部材52を設けたトナーカートリッジ50およびトナーカートリッジ502を示していたが、図52に示すように、攪拌部材52を2つ設けるトナーカートリッジ503であってもよく、上記した各実施例に限定されるものではない。そのトナーカートリッジ503では、2つの攪拌部材52を設けることに伴い、各攪拌部材52の連結箇所522aを収容部51の前面(Z軸方向正側の面)から露出させるために、2つの連結開口部583を設けている。この両連結開口部583は、連結開口部58もしくは連結開口部582と同様の構成である。トナーカートリッジ503は、攪拌部材52(連結開口部583)を2つ設けることを除くと、実施例2のトナーカートリッジ502と同様の構成である。このトナーカートリッジ503では、攪拌部材52を2つ設けていることから、収容部51に収容する現像剤Gを攪拌する力(攪拌力)を向上させることができる。
上記した実施例1では、トナーカートリッジ50、トナー容器固定部90および画像形成装置10を用いた例を示し、かつ実施例2では、トナーカートリッジ502、トナー容器固定部902(容器収容部220)および画像形成装置102を用いた例を示していたが、それらの各構成を他方の実施例に適用しても(各構成を適宜組み合せても)よく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明の粉体収納容器および粉体補給装置(画像形成装置)を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。また、前記構成部材の数、位置、形状等は各実施例に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。