以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、説明の便宜上、画像形成装置10が使用可能な設置状態(図1に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、前記設置状態において図1に示される給紙カセット22が挿抜される面を前面として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置10の前面を基準として左右方向D3を定義する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えている。画像形成装置10は、例えばタンデムタイプのカラープリンターである。
図1及び図2に示されるように、画像形成装置10は筐体11(装置本体の一例)を備える。筐体11は、全体として略直方体形状である。筐体11の内部に、画像形成装置10を構成する各構成要素が設けられている。なお、図1では、筐体11の右側面のカバーが外された状態が示されている。
図2に示されるように、画像形成装置10は、複数の画像形成ユニット15(15Y,15C,15M,15K)、中間転写ユニット16、光走査装置17、一次転写ローラー18、二次転写ローラー19、定着装置20、シートトレイ21、給紙カセット22、搬送路24、及び画像形成装置10の各部を制御する制御基板26などを備える。また、画像形成装置10は、筐体11の内部に着脱可能に構成されたトナーコンテナ3(図1参照)を備えている。本実施形態では、画像形成装置10は4つの画像形成ユニット15を備えている。
図3は、画像形成ユニット15の中央部分の断面図である。画像形成ユニット15は、電子写真方式に基づいてトナー像を形成する。図3に示されるように、画像形成ユニット15各々は、ドラムユニット31、帯電装置32、現像装置33などを備えている。
図2に示されるように、画像形成ユニット15は、筐体11の内部において前記前後方向D2に沿って並設されており、所謂タンデム方式に基づいてカラー画像を形成する。具体的に、画像形成ユニット15Yではイエロー色のトナー像が形成される。また、画像形成ユニット15C,15M,15Bのそれぞれでは、シアン色のトナー像、マゼンタ色のトナー像、黒色のトナー像がそれぞれ形成される。中間転写ユニット16の転写ベルト35の移動方向(矢印D10方向)の下流側から順に、イエロー用の画像形成ユニット15Y、シアン色用の画像形成ユニット15C、マゼンタ色用の画像形成ユニット15M、黒色用の画像形成ユニット15Kがその順番で一列に配置されている。
各ドラムユニット31は、感光体ドラム41、ドラムクリーニング装置42(ドラムクリーニング部の一例)、排出ガイド部43(図21参照)、及びこれらを支持するハウジング44を備える。ハウジング44は、前記左右方向D3に長い形状である。感光体ドラム41は、現像装置33によって現像されるトナー像を保持するものであり、筒状に形成された部材である。感光体ドラム41は、ハウジング44に回転可能に支持されている。
画像形成ユニット15各々において、感光体ドラム41は帯電装置32によって所定の電位に一様に帯電されると、光走査装置17により感光体ドラム41各々の表面に画像データに基づくレーザー光が照射される。これにより、感光体ドラム41各々の表面に静電潜像が形成される。そして、その静電潜像は現像装置33によってトナー像として現像(可視像化)される。感光体ドラム41に形成された各色のトナー像は、一次転写ローラー18各々によって転写ベルト35に順に重ね合わせて転写される。次に、転写ベルト35上のカラー像は、二次転写ローラー19によって印刷用紙に転写される。印刷用紙に転写されたカラー像は、定着装置20によって印刷用紙に定着され、その後、シート排出口28からシートトレイ21に排出される。
ドラムクリーニング装置42は、転写後の感光体ドラム41に残留するトナーを除去する。ドラムクリーニング装置42は、感光体ドラム41の後方側に配置されている。ドラムクリーニング装置42は、感光体ドラム41ごとに設けられている。各ドラムクリーニング装置42は、クリーニング部材であるクリーニングブレード45、スパイラル部材46を備えている。クリーニングブレード45及びスパイラル部材46は、前記左右方向D3に長い形状である。クリーニングブレード45及びスパイラル部材46がハウジング44に支持されている。クリーニングブレード45は、感光体ドラム41とほぼ同じ長さを有する。クリーニングブレード45の先端は感光体ドラム41の表面に接触して又は近接して配置されている。スパイラル部材46は、トナー搬送部材であり、軸周りに螺旋形状の羽根を有する。スパイラル部材46は、ハウジング44内で回転可能に支持されている。
スパイラル部材46の支軸に回転駆動力が入力されることによってスパイラル部材46が回転する。クリーニングブレード45は、感光体ドラム41が回転されると、一次転写ローラー18による転写後に感光体ドラム41の表面に残留した使用済みトナーを取り除く。この取り除かれたトナーは、廃棄対象のトナーであることから、一般に廃トナーと称されている。前記廃トナーは、回転するスパイラル部材46によって一方向へ搬送される。具体的には、前記廃トナーは、感光体ドラム41の軸方向(長手方向)の一方側(本実施形態では右側)へ搬送される。
図21に示されるように、排出ガイド部43は、ハウジング44の右端部に設けられている。排出ガイド部43によって、前記廃トナーは下方へ案内されて、後述の排出口431(図21参照)を通って、トナーコンテナ3の下側収容部72に排出される。なお、排出ガイド部43については後述する。
図3に示されるように、現像装置33は、ハウジング50、第1撹拌部材52、第2撹拌部材53、現像ローラー54などを備えている。ハウジング50の底部にトナー(現像剤)が収容されており、このトナーが第1撹拌部材52及び第2撹拌部材53によって撹拌されつつ搬送される。第1撹拌部材52の上部に位置するハウジング50の壁面51には、補給口56が形成されている。補給口56は、壁面51の右端部に形成されている。トナーコンテナ3から排出されたトナーは、補給口56からハウジング50の内部に補給される。現像ローラー54は、内蔵される磁極によって、第2撹拌部材53からトナーを汲み上げて、そのトナーを外周面に保持する。現像ローラー54上に保持されたトナーは、現像ローラー54と感光体ドラム41との間に印加された電位差によって、感光体ドラム41上の静電潜像に付着される。
図1に示されるように、筐体11の内部には、複数のトナーコンテナ3(3Y,3C,3M,3K)が取り付けられている。具体的には、4つのトナーコンテナ3が筐体11の内部の各装着部58(図4参照)に取り付けられている。また、本実施形態では、複数のトナーコンテナ3が前記前後方向D2に沿って並んだ状態で装着されており、最も後方の位置に、黒色用のトナーコンテナ3Kが配置されている。
各トナーコンテナ3は、上側収容部71(第1トナー収容部の一例)と、下側収容部72(第2トナー収容部の一例)とを有している。上側収容部71は、内部にトナーを収容可能な収容空間85(図6参照)を有しており、この収容空間85に補給用の未使用トナーが収容される。下側収容部72は、内部にトナーを収容可能な収容空間86(図6参照)を有しており、この収容空間86にドラムクリーニング装置42から排出された前記廃トナーが収容される。トナーコンテナ3が装着部58に装着された状態で、各トナーコンテナ3の上側収容部71から前記未使用トナーが現像装置33の内部に補給される。また、各ドラムクリーニング装置42から排出された前記廃トナーが、排出ガイド部43(図21参照)を通ってトナーコンテナ3の下側収容部72に収容される。図1に示されるように、本実施形態では、4つのトナーコンテナ3は、画像形成ユニット15の右側であって、筐体11の右側カバー(不図示)の内側に設けられている。各トナーコンテナ3は、筐体11の右側において前記前後方向D2に並んで設けられている。トナーコンテナ3の詳細については後述する。
図2に示されるように、中間転写ユニット16は、4つの画像形成ユニット15の上側に、より詳細には、各感光体ドラム41の上側に設けられている。中間転写ユニット16は、転写ベルト35、駆動ローラー36、従動ローラー37、ベルトクリーニング装置38(ベルトクリーニング部の一例)、中継ガイド部39(図21参照)、を備える。なお、一次転写ローラー18は、中間転写ユニット16のフレーム(不図示)に支持されている。
転写ベルト35は、環状のベルト部材であり、前記前後方向D2に延在するように駆動ローラー36と従動ローラー37とによって張架されている。各ドラムユニット31は、転写ベルト35に沿って前記前後方向D2に配置されている。転写ベルト35は、感光体ドラム41から一次転写されたトナー像を表面に保持する。転写ベルト35が回転駆動されて矢印D10の方向へ移動する際に、各感光体ドラム41に保持された各色のトナー像が重ね合わさるように順次に転写ベルト35に転写される。
ベルトクリーニング装置38は、定着装置20の近傍に設けられている。詳細には、ベルトクリーニング装置38は、転写ベルト35の上側であって、筐体11の後方側に設けられている。ベルトクリーニング装置38の下方には、黒色用の画像形成ユニット15Kが配置されている。つまり、複数の画像形成ユニット15のうち、黒色用の画像形成ユニット15Kに最も近い位置にベルトクリーニング装置38が設けられている。
ベルトクリーニング装置38は、転写ベルト35の表面に残留した使用済みトナーを除去し、除去された廃トナーをトナーコンテナ3Kの下側収容部72へ向けて搬送する。ベルトクリーニング装置38は、前記左右方向D3に長いクリーニングローラー381、前記廃トナーを搬送する搬送部材としてのスパイラル部材382、これらを収容するハウジング383等(図2参照)を備えている。クリーニングローラー381は、転写ベルト35の表面に接触して回転することにより、転写ベルト35の表面に残留した使用済みトナーを除去する。除去された使用済みトナー(以下「廃トナー」という。)は、回転するスパイラル部材382によって一方向へ搬送される。具体的には、前記廃トナーは、転写ベルト35の幅方向(左右方向D3に一致する方向)の一方側(本実施形態では右側)へ搬送される。
図21に示されるように、中継ガイド部39は、ハウジング383の右端部に設けられている。中継ガイド部39によって、廃トナーは下方へ案内されて、最も後方に位置するドラムユニット31Kの排出ガイド部43Kを通って、トナーコンテナ3Kの下側収容部72に搬送される。なお、中継ガイド部39については後述する。
図21は、画像形成ユニット15のドラムユニット31の右端部の断面構造を示す部分拡大図である。図21には、マゼンタ色用のドラムユニット31Mおよび黒色用のドラムユニット31Kそれぞれの断面構造が示されている。説明の便宜上、図21には、ドラムユニット31Kに対応する現像装置33が破線で示されている。図21に示されるように、ドラムユニット31Mのハウジング44の右端部に排出ガイド部43Mが設けられている。つまり、排出ガイド部43Mは、ドラムユニット31Mに設けられている。なお、イエロー色及びシアン色それぞれのドラムユニット31にも、排出ガイド部43Mと同じ構造の排出ガイド部43が設けられている。
排出ガイド部43Mは、ドラムユニット31Mにおいてドラムクリーニング装置42によって除去されてハウジング44の右端部へ搬送された前記廃トナーをトナーコンテナ3Mの下側収容部72の導入口114に案内するものである。排出ガイド部43Mの内部空間は、前記廃トナーが通る通路117である。排出ガイド部43Mは、排出ガイド部43Mの上側から斜め下方へ延びており、その下端には、導入口114に接続される排出口431が形成されている。
通路117には、スパイラル部材46の右側の端部461が配置されている。端部461は、排出ガイド部43Mに回転可能に支持されている。端部461に回転駆動力が伝達されることにより、スパイラル部材46が回転して、廃トナーが排出ガイド部43Mの通路117に搬送される。
通路117において、端部461から排出口431に至る部分に2つのパドル部118,119が設けられている。パドル部118,119の回転軸は、いずれも、排出ガイド部43Mに回転可能に支持されている。パドル部118,119の回転軸それぞれには、不図示のギヤ伝達機構を介して、スパイラル部材46の回転駆動力が伝達される。スパイラル部材46が回転されると、その回転駆動力が前記ギヤ伝達機構を介してパドル部118,119に伝達し、パドル部118,119を回転させる。パドル部118,119が回転することにより、通路117に運ばれた前記廃トナーは、パドル部118,119によって通路117を排出口431へ搬送され、更に、導入口114、及びトナーコンテナ3Mの第1搬送ガイド部94(第1ガイド部の一例)を経て、トナーコンテナ3Mの下側収容部72の内部に案内される。
図21に示されるように、ドラムユニット31Kのハウジング44の右端部に排出ガイド部43Kが設けられている。つまり、排出ガイド部43Kは、ドラムユニット31Kに設けられている。排出ガイド部43Kは、ドラムユニット31Kにおいてドラムクリーニング装置42によって除去されてハウジング44の右端部へ搬送された前記廃トナーをトナーコンテナ3Kの下側収容部72の導入口114に案内するものであり、排出ガイド部43Mと共通する構成を有する。したがって、排出ガイド部43Mと共通する構成については、同符号を付し示すことによりその説明を省略する。
排出ガイド部43Kが排出ガイド部43Mと異なるところは、排出ガイド部43Kの上面に受入口120が形成されている点である。受入口120は、ベルトクリーニング装置38から排出された前記廃トナーを受け入れる開口である。受入口120は、後述の中継ガイド部39の排出口391と連結される。受入口120に入り込んだ前記廃トナーは、ドラムクリーニング装置42から排出された前記廃トナーとともに、排出ガイド部43Kによって、トナーコンテナ3Kの下側収容部72の導入口114に案内される。
図21に示されるように、ベルトクリーニング装置38の右端部に中継ガイド部39が設けられている。中継ガイド部39は、ベルトクリーニング装置38においてスパイラル部材382によってハウジング383を右端部へ搬送された前記廃トナーを排出ガイド部43Kに案内する。中継ガイド部39の下部に排出口391が形成されており、この排出口391が排出ガイド部43Kの受入口120に接続されている。これにより、ベルトクリーニング装置38から排出された前記廃トナーは、中継ガイド部39を通って下方へ移動して、排出口391から受入口120に案内される。受入口120に案内された廃トナーは、排出ガイド部43Kを通って、各パドル部118,119によって更に下方へ運ばれ、排出口431、導入口114、及びトナーコンテナ3Kの第2搬送ガイド部107(第2ガイド部の一例)を経て、トナーコンテナ3Kの下側収容部72の内部に案内される。
図4に示されるように、筐体11の右端部には、トナーコンテナ3を着脱可能に支持するための4つの装着部58が設けられている。各装着部58は、筐体11の右端部に設けられた支持板49に固定されている。各装着部58は、各トナーコンテナ3を支持するためのブラケット59を有している。各トナーコンテナ3は、対応するブラケット59に着脱可能に支持される。
以下、適宜図面を参照して、マゼンタ色用のトナーコンテナ3Mの構成について説明する。図5及び図6には、トナーコンテナ3Mと、これに隣接するトナーコンテナ3Kが示されている。
トナーコンテナ3Kは、使用量の多い黒色のトナーを収容するためにトナーコンテナ3Mよりも外形及び容量が大きく形成されているが、この点を除き、双方とも概ね同じ構成である。したがって、トナーコンテナ3Kの構成については、トナーコンテナ3Mの構成と同じ符号を付すことによりその説明を省略する。また、トナーコンテナ3Y,3Cは、トナーコンテナ3Mと同じ構成であるため、これらの構成の説明は省略する。
なお、各図には、トナーコンテナ3M,3Kが装着部58(図4参照)に装着されたときの装着姿勢を基準にして、前記上下方向D1、前記前後方向D2、及び前記左右方向D3を示している。以下、前記装着姿勢のトナーコンテナ3M,3Kに対して、前記上下方向D1をトナーコンテナ3M,3Kの高さ方向D11と定義し、前記前後方向D2をトナーコンテナ3M,3Kの幅方向D12と定義し、前記左右方向D3をトナーコンテナ3M,3Kの奥行き方向D13と定義する。
図5及び図6に示されるように、トナーコンテナ3Mは、容器本体75を有する。容器本体75は、合成樹脂を射出成形して得られた樹脂成形品である。容器本体75は、前記高さ方向D11に長い形状に形成されており、前記幅方向D12に広く、前記奥行き方向D13に浅い形状に形成されている。
容器本体75は、上側に形成された上部ケース78(第1筐体の一例)と、下側に形成された下部ケース79(第2筐体の一例)と、蓋体76(蓋部材の一例)とを有している。つまり、容器本体75の前記高さ方向D11(長手方向)の一方側(上側)に上部ケース78が形成され、容器本体75の前記高さ方向D11(長手方向)の他方側(下側)に下部ケース79が形成さている。容器本体75は、上部ケース78及び下部ケース79を一体に形成されている。上部ケース78の内部には、前記未使用トナーが収容可能な収容空間85が区画されている。つまり、上部ケース78によって上側収容部71の内部の収容空間85が区画されている。また、下部ケース79の内部には、前記廃トナーが収容可能な収容空間86が区画されている。つまり、下部ケース79によって下側収容部72の内部の収容空間86が区画されている。
上部ケース78と下部ケース79とは、前記上下方向D1に分離されており、上部ケース78と下部ケース79との間に予め定められた間隔を有する隙間88(図7参照)が形成されている。具体的には、図7及び図12に示されるように、上部ケース78は、その下側の壁面を構成する円弧形状の下壁782を有し、下部ケース79は、その上側の壁面を構成する上壁792を有している。そして、隙間88は、下壁782と上壁792との間に形成されている。ここで、下壁782及び上壁792は、前記高さ方向D11に隔てられた一対の側壁の一例である。
上部ケース78の右側面に開口部81が形成されており、下部ケース79の右側面にも開口部82が形成されている。各開口部81,82は、同一面上に形成されている。各開口部81,82の開口縁には、フランジ83が形成されている。フランジ83は、前記奥行き方向D13の厚みを有する板状に形成されている。フランジ83は、外周フランジ831と、中央フランジ832(連結部材、共通フランジの一例)と、を有している。外周フランジ831は、容器本体75の右側面の外周縁を一周するように形成されている。中央フランジ832は、図12に示されるように、上部ケース78の下壁782と下部ケース79の上壁792とを連結するように、隙間88に対応する位置に設けられている。より詳細には、中央フランジ832は、開口部81の下端縁から開口部82の上端縁に連続している。言い換えると、中央フランジ832は、開口部81と開口部82に共通するフランジである。本実施形態では、下壁782及び上壁792それぞれは、中央フランジ832から前記奥行き方向D13へ延出している。
蓋体76は、合成樹脂を射出成形して得られた樹脂成形品である。図5に示されるように、蓋体76は、開口部81及び開口部82を覆っている。蓋体76は、平板状の部材であり、フランジ83の外周形状に合致する形状に形成されている。蓋体76の外周縁761がフランジ83に合わせられた状態で、外周縁761とフランジ83とが溶着される。
図14及び図15は、蓋体76の内面762側の構成を示す斜視図である。図14及び図15では、撹拌部材91及びスパイラル部材95は、容器本体75で支持された場合の姿勢が示されている。図14及び図15に示されるように、蓋体76の内面762には、複数のリブ77が設けられている。リブ77は、蓋体と一体に形成されている。複数のリブ77は、上部ケース78及び下部ケース79に対して蓋体76を位置決めするために用いられるものであり、蓋体76の外周縁761の近傍に設けられている。蓋体76の外周縁761がフランジ83に合わせられる過程で、リブ77が開口部81,82の内側に入り込む。これにより、リブ77は、蓋体76の外周縁761がフランジ83にぴったりと合うように、開口部81,82に対して蓋体76を案内する。
図15に示されるように、複数のリブ77のうちの一つのリブ771(リブ部材の一例)は、他のリブ77よりも内面762からの突出長さが長く形成されている。このリブ771は、下部ケース79の上壁792(図12参照)の内側面に接触して蓋体76を開口部81,82に対して案内するものである。ここで、上壁792は、上側収容部71と下側収容部72との間に設けられた隔壁の一例である。リブ771は、前記幅方向D12に平行なベース板7711と、ベース板7711の前記幅方向D12の両端から下方へ延びる一対の側板7712,7713とにより構成されている。前記幅方向D12において前方側に側板7712が位置しており、後方側に7713が位置している。また、リブ771は、蓋体76の内面762に設けられた後述のボス185の近傍に、具体的には、ボス185よりも前方斜め上方側に微小な隙間を隔てて隣接して設けられている。ボス185は、後述のスパイラル部材108の蓋体76側の端部1091を回転可能に支持するものである。つまり、リブ771はスパイラル部材108に隣接して設けられている。
開口部81及び開口部82が1つの蓋体76によって閉塞されることにより、上側の収容空間85を有する上側収容部71が構成され、下側の収容空間86を有する下側収容部72が構成される。このように、上側収容部71と下側収容部72とが、中央フランジ832及び蓋体76によって連結されているため、トナー容器3Mの隙間88の付近の強度が他の部分よりも小さくなる。その結果、トナー容器3Mは、隙間88の付近において前記幅方向D12、前記奥行き方向D13に容易に撓むことができ、前記高さ方向D11を軸とする回転方向に容易に撓むことができる。
図7及び図12に示されるように、上部ケース78の下壁782と下部ケース79の上壁792との間に板状の補強リブ751が設けられている。補強リブ751は、中央フランジ832から垂直に前記奥行き方向D13へ延出している。図12に示されるように、補強リブ751は、下壁782と上壁792と連結しており、前記幅方向D12の厚みを有する板状の部材である。図7に示されるように、補強リブ751の左端部は、上壁792から下壁782へ向けて右斜め上方へ傾斜しており、より詳細には、湾曲形状に傾斜している。このような補強リブ751が設けられているため、上側収容部71と下側収容部72との間の隙間88の付近の強度が補われる。その結果、隙間88付近のおける過度の撓み、特に前記奥行き方向D13の過度の撓みが防止される。
図8及び図11に示されるように、トナーコンテナ3Mの下側収容部72は、上側収容部71よりも、前記奥行き方向D13のサイズが大きく形成されている。つまり、トナーコンテナ3Mの下側収容部72の前記奥行き方向D13のサイズは、上側収容部71の前記奥行き方向D13のサイズよりも大きい。また、上側収容部71の前記高さ方向D11のサイズは、下側収容部72の前記高さ方向D11のサイズよりも大きく、また、前記幅方向D12のサイズは概ね同じサイズである。前記上下方向D1に分離された上側収容部71および下側収容部72を有する構成においては、各収容部71,72それぞれにおいて、トナーを収容する容積を十分に確保できない場合がある。しかしながら、上述したように上側収容部71と下側収容部72との間で前記高さ方向D11及び前記奥行き方向D13それぞれにおいてサイズを異ならせることによって、装着部58に装着される際の様々な制約に関わらず、上側収容部71及び下側収容部72それぞれにおいて十分な容積を確保することができる。
図6に示されるように、上側収容部71は、撹拌部材91(第3回転部材の一例)、及び第1搬送部92を有する。具体的には、上側の収容空間85の内部にパドル状の撹拌部材91が設けられている。撹拌部材91は、収容空間85の内部で回転可能なように上部ケース78に支持されている。また、収容空間85の内部には、トナーを現像装置33に搬送するための第1搬送部92が設けられている。
撹拌部材91は、上側収容部71に回転可能に支持された回転部材である。撹拌部材91は、外部からの駆動力を受けて回転することにより、上側収容部71に収容されている前記未使用トナーを撹拌する。図11、図14、及び図15に示されるように、撹拌部材91は、後述のスパイラル部材95と平行に設けられている。撹拌部材91は、大別して、回転軸部材911(第3回転軸、撹拌回転軸の一例)と、フィルム状のパドル部912(フィルム部材の一例)とを備えている。
図11に示されるように、回転軸部材911は、上側収容部71の収容空間85に回転可能に設けられている。回転軸部材911は、前記奥行き方向D13に長い形状に形成された軸部材である。回転軸部材911の軸方向の一方側(蓋体76側)の端部161(第3端部の一例)は、上側収容部71の右側の壁面を構成する蓋体76の内面762に回転可能に支持されている。具体的には、内面762に軸受け部171(第3軸受け部の一例、図16参照)が蓋体76と一体に形成されており、その軸受け部171によって端部161が回転可能に支持されている。また、回転軸部材911の軸方向の他方側(反対側)の端部162は、上部ケース78の左側(装着部58側)の側壁の内面785に回転可能に支持されている。具体的には、内面785に軸受け部172が上部ケース78と一体に形成されており、その軸受け部172によって端部162が回転可能に支持されている。これにより、回転軸部材911が収容空間85において回転可能に支持される。
図14及び図15に示されように、回転軸部材911は、軸本体としてのベース部160を有する。ベース部160は、前記奥行き方向D13へ延びる板状の部材である。ベース部160の蓋体76側に端部161が設けられており、ベース部160の反対側に端部162が設けられている。回転軸部材911は、樹脂成型品であり、ベース部160、端部161、及び端部162が一体に形成されている。
図16は、図11において二点鎖線で囲まれた要部X1の拡大図である。図16に示されるように、端部161は、蓋体76側の端面から回転軸部材911の軸方向に沿って反対側(内面785側)へ凹んだ円環状の凹陥部である。以下、端部161を凹陥部161と称する。凹陥部161の凹部1611の内面が円環状に形成されている。本実施形態では、ベース部160は、凹陥部161の外周縁部に接合されている。凹陥部161の底部163には、回転軸部材911の軸方向に貫通する係合口1631(第2係合口の一例)が形成されている。係合口1631は、例えば、矩形状に形成されている。
軸受け部171は、蓋体76の内面762から垂直に突出するボス173(第2ボスの一例)を有する。ボス173は、円筒形状に形成されている。ボス173が凹陥部161の凹部1611に挿入されることにより、凹陥部161がボス173によって回転可能に支持される。なお、ボス173の突出端の中心には、後述の第2伝達部192の第2連結部1922が挿通可能な円環状の貫通孔174(第2貫通孔の一例)が形成されている。
図11に示されるように、端部162は、円盤形状の部材である。端部162は、凹陥部161に対向するようにベース部160に対して垂直に接合している。端部162の中央には円形の軸孔1621(図14参照)が形成されている。軸受け部172は、上部ケース78の左側(装着部58側)の側壁の内面785から突出するボスである。軸受け部172は、円柱形状に形成されている。軸受け部172が軸孔1621に挿入されることにより、端部162が軸受け部172によって回転可能に支持される。
図14及び図15に示されるように、ベース部160は、2つの支持片165を有する。支持片165は、パドル部912を支持するためのものである。各支持片165は、ベース部160の側面に軸方向に間隔を隔てて配置されている。支持片165は、ベース部160の側面との間で微小隙間を形成する板片(支持片)であり、この微小隙間にパドル部912の端縁が挟み込まれるようにして固定される。
パドル部912は、厚みの薄いフィルム状に形成されたフィルム部材である。パドル部912は、例えば、ポリエステルやPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などのように弾性を有する合成樹脂材料で構成されている。パドル部912は、撹拌部材91が回転されることにより、上側収容部71に収容された前記未使用トナーに接触し、これにより、前記未使用トナーを撹拌する。パドル部912は、ベース部160の支持片165に取り付けられる本体部9121と、本体部9121の蓋体76側の端部からその内面762側へ突出する突出部9122とを有する。具体的には、突出部9122は、後述する第2収容部1882の底部1885と内面762との間の段差をかわすように、底部1885の周縁から内面762に至っている。
このように撹拌部材91が構成されているため、回転軸部材911に回転駆動力が入力されると、撹拌部材91は収容空間85内で一方向に回転される。本実施形態では、撹拌部材91は、図14に示す回転方向D31に回転される。これにより、回転するパドル部912によって、収容空間85内の前記未使用トナーが撹拌される。特に、パドル部912には上述の突出部9122が設けられているため、後述する第2収容部1882の底部1885から内面762に至る領域に存在する前記未使用トナーが、突出部9122によって確実に撹拌される。
図7及び図8に示されるように、第1搬送部92は、上部ケース78の左側の壁面781(対向面の一例)から外側へ延出する筒状の第1搬送ガイド部94と、第1搬送ガイド部94の内部に設けられたスパイラル部材95(第1回転部材、第2搬送部材の一例、図10参照)とを有している。第1搬送ガイド部94は、上部ケース78に一体に形成されており、スパイラル部材95の回転中心と同じ中心を有する円筒形状に形成されている。ここで、壁面781は、装着部58に対するトナーコンテナ3Mの前記奥行き方向D13の一方側に位置しており、装着部58にトナーコンテナ3Mが装着されたときに対向される面である。なお、前記奥行き方向D13は、装着部58に対するトナーコンテナ3Mの着脱方向に一致している。
スパイラル部材95は、上側収容部71の内部に回転可能に設けられており、図10に示されるように、前記高さ方向D11に直交する前記奥行き方向D13へ延びている。スパイラル部材95は、収容空間85の内部にある前記未使用トナーを第1搬送ガイド部94の内部を通って装着部58(図4参照)側へ搬送する搬送部材である。また、第1搬送ガイド部94は、スパイラル部材95によって搬送される前記未使用トナーを現像装置33に案内するガイド部材である。
図10に示されるように、スパイラル部材95は、回転軸96の軸周りに螺旋形状の羽根97を有する。スパイラル部材95の回転軸96の蓋体76側の端部961(第1端部の一例)は、蓋体76の内面762に一体に形成された軸受け部99(第1軸受け部の一例)によって回転可能に支持されている。また、スパイラル部材95は、第1搬送ガイド部94の内部に挿通された状態で、回転軸96の反対側の部分が第1搬送ガイド部94によって回転可能に支持されている。具体的には、回転軸96の反対側の端部962には、外部から入力される回転駆動力の伝達を受ける第1入力部98(第1駆動入力部、第2入力継ぎ手の一例)が一体に形成されている。また、第1搬送ガイド部94の先端部には貫通孔941が形成されている。第1入力部98が貫通孔941から外部に突出した状態で、端部962が貫通孔941に回転可能に支持されている。
以下、図17を参照して、スパイラル部材95の端部961の支持構造について具体的に説明する。ここで、図17は、図10において二点鎖線で囲まれた要部X2の拡大図である。
図17に示されるように、回転軸96(第1回転軸の一例)の端部961は、回転軸96の蓋体76側の端面から反対側へ軸方向に沿って延びる内孔178を有する。つまり、端部961は、内部に内孔178を有する筒状に形成された筒部である。内孔178は、後述の第1伝達部191の第1連結部1912が挿通可能なサイズに形成されている。端部961の蓋体76側の端面には、内孔178よりも外径が大きい円弧形状の支持部179が形成されている。なお、端部961の外周面には、後述の第1連結部1912が内孔178に挿通されたときに後述の第1係合部197が係合される係合口9611(第1係合口の一例)が形成されている。この係合口9611は、端部961の内孔178に貫通している。
また、上述したように、蓋体76の内面762に軸受け部99が設けられている。軸受け部99は、蓋体76の内面762から垂直に突出するボス180(第1ボスの一例)を有する。ボス180が端部961の支持部179の内側に挿入されることにより、端部961がボス180によって支持される。なお、ボス180の突出端の中心には、後述の第1伝達部191の第1連結部1912が挿通可能な円環状の貫通孔181(第1貫通孔の一例)が形成されている。
このように軸受け部99及び端部961が構成されているため、スパイラル部材95の回転軸96に回転駆動力が入力されると、スパイラル部材95は、収容空間85内で一方向に回転される。本実施形態では、第1入力部98に回転駆動力が入力されると、スパイラル部材95は、図12に示される回転方向D30に回転される。これにより、収容空間85内の前記未使用トナーが収容空間85から第1搬送ガイド部94の内部を通って、第1搬送ガイド部94の先端部へ向けて搬送される。
図10に示されるように、第1搬送ガイド部94の下側の外周面(以下、下面と略称する。)には、収容空間85に収容されたトナーを外部に排出するためのトナー排出口100が形成されている。トナー排出口100は、第1搬送ガイド部94の下面を構成する外周壁を鉛直下方に貫通する貫通開口である。トナー排出口100は、概ね正方形状に形成されている。本実施形態では、トナー排出口100は、第1搬送ガイド部94の下面においてもっとも第1入力部98側の端部に形成されている。
また、図8に示されるように、第1搬送ガイド部94には、傾斜ガイド部942が設けられている。傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94に一体に形成されており、第1搬送ガイド部94の上側の円弧状の外周面(以下、上面と略称する。)に形成されている。傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94の上面において、第1搬送ガイド部94の延出方向(図10における左側)の先端へ向けて斜め下方に傾斜する傾斜面である。傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94の上面においてもっとも第1入力部98側の端部に形成されており、側面視で、トナー排出口100の上方に形成されている(図10参照)。本実施形態では、傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94の上面から10度の傾斜角で下り傾斜している。
このような傾斜ガイド部942が第1搬送ガイド部94に設けられているため、第1搬送ガイド部94の内部において、傾斜ガイド部942の内面9421が前記未使用トナーをトナー排出口100へ案内するガイド面として機能する。したがって、スパイラル部材95によって、図10の矢印D32に沿ってトナー排出口100へ向けて前記未使用トナーが搬送されると、前記未使用トナーが内面9421に接触し、その進行方向が斜め下方へ向けられて、トナー排出口100側へ案内される。これにより、スパイラル部材95の先端部の上側に未使用トナーが排出されずに残留することが抑制される。つまり、第1搬送ガイド部94の先端部の内部において、使用されないまま残存する未使用トナーの残存量を低減することができる。また、傾斜ガイド部942の傾斜角が10度であるため、前記未使用トナーが過度に凝集することなく、円滑にトナー排出口100へ向けて案内される。
本実施形態では、図12に示されるように、傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94の上面において、スパイラル部材95の回転中心を通る鉛直面よりも前記回転方向D30の上流側へ所定の角度θを隔てた位置に設けられている。本実施形態では、前記所定の角度θは、45度である。つまり、傾斜ガイド部942は、第1搬送ガイド部94の上面において、前記鉛直面から前記回転方向D30へ45度隔てた位置に設けられている。このような位置に傾斜ガイド部942が設けられているため、羽根97によって掻き上げられた前記未使用トナーが内面9421に接触し、第1搬送ガイド部94の内部を幅方向D12に沿って移動する。そして、前記未使用トナーがスパイラル部材95の回転軸96を越えると、前記未使用トナーの重みによって下方へ落下して、トナー排出口100へ向かう。これにより、前記未使用トナーは、過度なストレスを受けることなく、トナー排出口100に案内される。
また、第1搬送ガイド部94の下面には、トナー排出口100を開閉するためのシャッター部材101(開閉部材の一例)が設けられている。シャッター部材101は、第1搬送ガイド部94の下面を第1搬送ガイド部94の長手方向(図10の左右方向)へスライド可能に第1搬送ガイド部94に支持されている。
本実施形態では、トナーコンテナ3Mが装着部58(図4参照)に装着されたときに、シャッター部材101は、トナー排出口100を閉塞する閉位置からトナー排出口100を開ける開位置に移動される。
また、トナー排出口100が現像装置33の補給口56に位置合わせされて、トナー排出口100と補給口56とが接続し、トナー排出口100から補給口56にトナーを補給可能になる。また、第1入力部98が、装着部58に設けられた第1出力ジョイント61(駆動出力部、第2駆動連結部の一例、図13参照)に連結されて、モーターなどの駆動源から出力された回転駆動力が第1入力部98に伝達される。この回転駆動力を受けて、スパイラル部材95が回転することにより、収容空間85内のトナーが第1搬送ガイド部94を通じてトナー排出口100から補給口56に搬送されて、現像装置33内に補給される。
なお、第1出力ジョイント61には、断面矩形状の係合孔611(図13参照)が形成されており、この係合孔611に第1入力部98が挿入することにより、第1出力ジョイント61と第1入力部98とが、軸周り方向に係合する。これにより、第1出力ジョイント61からの回転駆動力が第1入力部98に伝達する。この場合は第1入力部98が係合部の一例である。
図13に示されるように、第1出力ジョイント61は、装着部58に設けられている。第1出力ジョイント61は、画像形成装置10に設けられたモーターなどの駆動源から出力された回転駆動力を外部に出力するための駆動出力部である。第1出力ジョイント61は、トナーコンテナ3Mが装着部58に装着された場合に、第1入力部98と前記左右方向D3に連結する。
図5及び図9に示されるように、蓋体76には、ギヤ伝達機構103(伝達機構の一例)が設けられている。ギヤ伝達機構103は、蓋体76が開口部81,82を閉塞した状態で、スパイラル部材95の回転軸96と撹拌部材91の回転軸部材911とに連結される。これにより、第1入力部98からスパイラル部材95に伝達した回転駆動力は、ギヤ伝達機構103によって撹拌部材91に伝達する。つまり、ギヤ伝達機構103が設けられているため、回転駆動力が第1入力部98に入力されると、スパイラル部材95及び撹拌部材91が連動して回転される。
以下、図14乃至図18を参照して、ギヤ伝達機構103の構成について説明する。
ギヤ伝達機構103は、スパイラル部材95の回転軸96に入力された前記回転駆動力を、回転軸96の端部961から撹拌部材91の回転軸部材911の凹陥部161(端部161)を経て撹拌部材91に伝達するものである。図18に示されるように、ギヤ伝達機構103は、第1伝達部191と、第2伝達部192と、これらの間に設けられたアイドルギヤ193と、を有する。
第1伝達部191は、第1ギヤ1911と、第1連結部1912とを有している。第1伝達部191は、樹脂成型品であり、第1ギヤ1911及び第1連結部1912が一体に形成されたものである。
第2伝達部192は、第2ギヤ1921と、第2連結部1922とを有している。第2伝達部192は、樹脂成型品であり、第2ギヤ1921及び第2連結部1922が一体に形成されたものである。
本実施形態では、第1ギヤ1911、第2ギヤ1921、及びアイドルギヤ193は、蓋体76の表面に配置されている。具体的には、第1ギヤ1911、第2ギヤ1921、及びアイドルギヤ193は、蓋体76の表面に形成された凹状のギヤ収容部188(凹状の収容凹部の一例)に回転可能に収容されており、互いに噛み合って回転力を伝達可能な状態でギヤ収容部188内に配置されている。ギヤ収容部188は、蓋体76の表面から蓋体の内面762側へ凹んだ凹部である。第1ギヤ1911、第2ギヤ1921、及びアイドルギヤ193は、ギヤ収容部188において、蓋体76の表面よりもギヤ収容部188の凹部の内部側に収容されている。つまり、第1ギヤ1911、第2ギヤ1921、及びアイドルギヤ193は、ギヤ収容部188の内部に埋没した状態でギヤ収容部188に収容されている。このため、各ギヤ1911,1921,193は、蓋体76の表面から外側へ突出しない状態を保持する。
トナーコンテナ3Mは、装着部58に対する装着作業時や交換作業時にユーザーによって把持されるものである。そのため、例えば、画像形成装置10からトナーコンテナ3Mが取り外される際に、誤って第1入力部98に回転駆動力が伝達されて、各ギヤ1911,1921,193が回転すると、ユーザーは、各ギヤ1911,1921,193に指を挟んで怪我をするおそれがある。また、ギヤ伝達機構103が動作していない場合であっても、各ギヤ1911,1921,193に塗布されているグリースなどの潤滑剤がユーザーの指に付着して汚れることになる。また、トナーコンテナ3Mを掴んだときに指で各ギヤ1911,1921,193を押すことにより、各ギヤ1911,1921,193の位置がずれて、駆動時にギヤ伝達機構103を破損させるおそれがある。しかしながら、上述したように、ギヤ収容部188にギヤ伝達機構103の各ギヤ1911,1921,193が収容されているため、ユーザーの指が各ギヤ1911,1921,193に触れることが抑制される。特に、ユーザーの指が各ギヤ1911,1921,193の歯に触れることが防止される。その結果、上述の問題が生じず、故障の可能性の低い安全なトナーコンテナ3Mを実現することができる。
図17に示されるように、第1ギヤ1911は、ギヤ収容部188に区画された第1収容部1881に配置されている。第1収容部1881の内部側の側面には、軸受け部99が一体に形成されている。軸受け部99の貫通孔181は、第1収容部1881まで貫通している。
第1連結部1912は、第1ギヤ1911から軸受け部99に形成された貫通孔181を通じて上側収容部71の収容空間85へ向けて延出して、第1搬送部92のスパイラル部材95に連結するように構成されている。具体的には、第1連結部1912は、第1ギヤ1911の中心に垂直に設けられた第1軸部196と、第1軸部196の先端側に設けられた第1係合部197とを有する。第1ギヤ1911が第1収容部1881に配置された状態で、第1軸部196は、貫通孔181を収容空間85側へ挿通されて、更に、端部961の内孔178に挿通される。第1係合部197は、第1軸部196の外周面から外側へ突出して、第1ギヤ1911側へ延びるフック状の部材である。本実施形態では、第1係合部197が、所謂スナップフィット方式によって、端部961の係合口9611に連結される。
第1係合部197は、第1軸部196の軸方向に垂直な径方向に弾性を有している。したがって、第1軸部196が内孔178に挿通されると、第1係合部197は端部961の内壁から前記径方向の力を受けて、第1係合部197は第1軸部196側へ弾性変形する。このため、第1軸部196は、第1係合部197に邪魔されずに、内孔178に挿通可能となる。そして、第1軸部196が内孔178の奥部まで挿通されて、第1係合部197が係合口9611に到達すると、第1係合部197の弾性変形が解除されて元の姿勢に戻る。このとき、第1係合部197が係合口9611から端部961の外側へ突出し、第1係合部197の第1ギヤ1911側の端部が係合口9611の縁部9612と係合する。これにより、第1伝達部191は、第1軸部196及び第1係合部197によってスパイラル部材95の回転軸96に連結される。
図16に示されるように、第2ギヤ1921は、ギヤ収容部188に区画された第2収容部1882(第2ギヤ収容部の一例)に配置されている。第2収容部1882の内部側の側面には、軸受け部171のボス173が一体に形成されている。ボス173の貫通孔174は、第2収容部1882まで貫通している。
第2連結部1922は、第2ギヤ1921から軸受け部171のボス173に形成された貫通孔174を通じて上側収容部71の収容空間85へ向けて延出して、撹拌部材91の回転軸部材911に連結するように構成されている。具体的には、第2連結部1922は、第2ギヤ1921の中心に垂直に設けられた第2軸部206と、第2軸部206の先端側に設けられた第2係合部207とを有する。第2ギヤ1921が第2収容部1882に配置された状態で、第2軸部206は、貫通孔174を収容空間85側へ挿通されて、更に、凹陥部161の係合口1631に挿通される。第2係合部207は、第2軸部206の先端の側面から外側へ突出して、第2ギヤ1921側へ延びる2つのフックを有する。本実施形態では、第2係合部207が、所謂スナップフィット方式によって、凹陥部161の係合口1631に連結される。
第2係合部207は、第2軸部206の軸方向に垂直な径方向に弾性を有している。したがって、第2軸部206が貫通孔174を経て係合口1631に挿通されると、係合口1631の縁部1632から前記径方向の力を受けて、第2係合部207は第2軸部206側へ弾性変形する。このため、第2軸部206は、第2係合部207に邪魔されずに、係合口1631に挿通可能となる。そして、第2係合部207が係合口1631を越えると、第2係合部207の弾性変形が解除されて元の姿勢に戻る。このとき、第2係合部207が係合口1631の縁部1632と係合する。これにより、第2伝達部192は、第2軸部206及び第2係合部207によって撹拌部材91の回転軸部材911に連結される。
図17に示されるように、アイドルギヤ193は、ギヤ収容部188に区画された第3収容部1883に配置されている。図18に示されるように、アイドルギヤ193は、第1ギヤ1911と第2ギヤ1921との間に設けられており、第1ギヤ1911と噛み合っており、また、第2ギヤ1921にも噛み合っている。
このようにギヤ伝達機構103が構成されているため、第1入力部98からスパイラル部材95に伝達した回転駆動力は、ギヤ伝達機構103によって撹拌部材91に伝達する。これにより、スパイラル部材95が回転すると、撹拌部材91もスパイラル部材95と同じ回転方向に回転する。
なお、本実施形態では、図14及び図15に示されるように、蓋体76の内面762において、ギヤ収容部188の近傍に、第1傾斜ガイド部194及び第2傾斜ガイド部195(いずれも傾斜ガイド部の一例)が設けられている。これらの傾斜ガイド部194,195は、蓋体76と一体に形成されている。各傾斜ガイド部194,195は、蓋体76の内面762における突出部9122の回転領域に設けられている。具体的には、図14に示されるように、第1傾斜ガイド部194は、ギヤ収容部188の底部における回転方向D31の上流側の端部から内面762に至る部分に設けられており、内面762からギヤ収容部188の底部に至る傾斜面を有する。また、図15に示されるように、第2傾斜ガイド部195は、ギヤ収容部188の底部における回転方向D31の下流側の端部から内面762に至る部分に設けられており、内面762からギヤ収容部188の底部に至る傾斜面を有する。
このような傾斜ガイド部194,195が内面762に設けられているため、ギヤ伝達機構103からの回転駆動力を受けて撹拌部材91が回転した場合に、撹拌部材91の突出部9122は、各傾斜ガイド部194,195の傾斜面に沿って撓まされながら前記傾斜面を円滑に移動する。また、上側収容部71内の前記未使用トナーが少なくなった場合でも、突出部9122が第1傾斜ガイド部194付近の前記未使用トナーを確実にスパイラル部材95側へ運ぶことができる。その結果、上側収容部71内に前記未使用トナーが無駄に残存することが防止される。また、第1傾斜ガイド部194が内面762の下部に設けられているため、下側収容部72の収容空間86の下部において、前記未使用トナーの凝集を抑制できる。
図6に示されるように、下側収容部72は、第2搬送部105を有する。具体的には、下側の収容空間86の内部に、マゼンタ色に対応するドラムユニット31から排出された廃トナーを収容空間86に搬送するための第2搬送部105が設けられている。第2搬送部105は、下部ケース79の左壁面791から外側へ延出し、内部にトナーの搬送路を有する筒状の第2搬送ガイド部107と、第2搬送ガイド部107の内部に設けられたスパイラル部材108(第2回転部材、回転部材、第1搬送部材の一例、図11参照)とを有している。第2搬送ガイド部107は、下部ケース79に一体に形成されている。
スパイラル部材108は、下側収容部72の内部に回転可能に設けられており、図11に示されるように、前記高さ方向D11に直交する前記奥行き方向D13へ延びている。スパイラル部材108は、ドラムユニット31から第2搬送ガイド部107に排出された前記廃トナーを第2搬送ガイド部107の内部を通って収容空間86に搬送する搬送部材である。また、第2搬送ガイド部107は、ドラムユニット31から廃トナーを受け取るとともに、スパイラル部材108によって搬送される前記廃トナーを収容空間86の内部に案内するガイド部材である。
図11に示されるように、スパイラル部材108は、回転軸109の軸周りに螺旋形状の羽根110を有する。スパイラル部材108の回転軸109の蓋体76側の端部1091(第2端部の一例)は、蓋体76の内面762に一体に形成された軸受け部112(第2軸受け部の一例)によって回転可能に支持されている。また、スパイラル部材108は、第2搬送ガイド部107の内部に挿通された状態で、回転軸109の反対側の部分が第2搬送ガイド部107によって回転可能に支持されている。具体的には、回転軸109の反対側の端部1092には、外部から入力される回転駆動力の伝達を受ける第2入力部111(第2駆動入力部、第1入力継ぎ手の一例)が取り付けられている。
また、第2搬送ガイド部107の先端部には貫通孔1071(軸受け孔、軸受け部の一例)が形成されている。貫通孔1071は、スパイラル部材108の回転軸109の端部1092を第2搬送ガイド部107の先端部から外側へ挿通させるとともに、回転軸109を回転可能に支持する。これにより、回転軸109が貫通孔1071から外部に突出した状態で、端部1092が第2搬送ガイド部107の内部で回転可能に支持されている。端部1092には、第2入力部111が取り付けられている。貫通孔1071から端部1092が外部に挿通された状態で、第2入力部111は、外部から端部1092に固定される。
以下、図19を参照して、スパイラル部材108の端部1091の支持構造について具体的に説明する。ここで、図19は、図11において二点鎖線で囲まれた要部X3の拡大図である。
図19に示されるように、回転軸109(第2回転軸の一例)の端部1091は、回転軸109の蓋体76側の端面から反対側へ軸方向に沿って延びる内孔184を有する。内孔184は、円形状に形成されている。
また、上述したように、蓋体76の内面762に軸受け部112が設けられている。軸受け部112は、蓋体76の内面762から垂直に突出するボス185を有する。ボス185が端部1091の内孔184に挿入されることにより、端部1091がボス185によって回転可能に支持される。
このように軸受け部112及び端部1091が構成されているため、スパイラル部材108の回転軸109に回転駆動力が入力されると、スパイラル部材108は、収容空間86内で一方向に回転される。本実施形態では、スパイラル部材108は、回転方向D32(図20A参照)に回転される。これにより、ドラムユニット31のドラムクリーニング装置42から排出された前記廃トナーは、第2搬送ガイド部107の内部を通って収容空間86に搬送される。
図20A及び図20Bは、図19のXX−XX切断線の断面図である。図20A及び図20Bに示されるように、スパイラル部材108の近傍に、フィルム部材127が設けられている。フィルム部材127は、厚みの薄いフィルム状に形成されており、例えば、ポリエステルやPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂などのように弾性を有する合成樹脂材料で構成されている。フィルム部材127は、前記合成樹脂材料で形成された平板矩形状のフィルムを屈曲加工して略L字状に形成されたものである。フィルム部材127は、下部ケース79の上壁792の内側面に取り付けられて固定される固定部128と、固定部128から下方へ延びる接触部129とを有する。フィルム部材127は、固定部128と接触部129とによって略L字形状に形成されている。
フィルム部材127は、リブ771とスパイラル部材108との間に接触部129が配置されるように、固定部128が上壁792に固定されている。具体的には、フィルム部材127は、接触部129がリブ771の側板7713に接触し、且つ、接触部129がスパイラル部材108の外周面に接触するように、設けられている。このように、接触部129は、側板7713によって片面が支持されているため、スパイラル部材108の外周面に対して強いコシで接触することができる。その結果、スパイラル部材108に前記廃トナーが付着していた場合でも、その廃トナーは接触部129による接触によって確実に剥がし落とされる。
本実施形態では、図20A及び図20Bに示されるように、スパイラル部材108のうち、接触部129が接触する部分の形状が、断面視で楕円形状に形成されている。このため、スパイラル部材108が回転方向D32へ回転されると、4分の1回転する度に、接触部129が側板7713の下端を支点として湾曲された第1姿勢(図20A参照)と、固定部128から鉛直下方へ真っ直ぐに延びる第2姿勢(図20B参照)との間で姿勢変化する。これにより、スパイラル部材108が回転すると、接触部129がスパイラル部材108の外周面を押圧する力が4分の1回転ごとに変わるため、スパイラル部材108に付着した廃トナーは接触部129によって確実に剥がし落とされる。
図11に示されるように、第2搬送ガイド部107の上面には、廃トナーを収容空間86の内部に導くための導入口114が形成されている。また、第2搬送ガイド部107の上面には、導入口114を開閉するためのシャッター部材115が設けられている。シャッター部材115は、第2搬送ガイド部107の上面を第2搬送ガイド部107の長手方向(図11の左右方向)へスライド可能に第2搬送ガイド部107に支持されている。
本実施形態では、トナーコンテナ3Mが装着部58(図4参照)に装着されたときに、シャッター部材115は、導入口114を閉塞する閉位置から導入口114を開放する開位置に移動される。
また、導入口114が後述の排出ガイド部43の排出口431に位置合わせされて、導入口114とトナー排出口100とが接続し、排出口431から導入口114に廃トナーが搬送可能となる。また、第2入力部111が、装着部58に設けられた第2出力ジョイント62(駆動出力部、第1駆動連結部の一例、図13参照)に連結されて、モーターなどの駆動源から出力された回転駆動力が第2入力部111に伝達される。この回転駆動力を受けて、スパイラル部材108が回転することにより、排出口431から排出されて第2搬送ガイド部107内に搬送された廃トナーは、第2搬送ガイド部107を通じて収容空間86に搬送される。
図13に示されるように、第2出力ジョイント62は、装着部58に設けられており、第1出力ジョイント61とは異なる位置に設けられている。第2出力ジョイント62は、画像形成装置10に設けられたモーターなどの駆動源から出力された回転駆動力を外部に出力するための駆動出力部である。第2出力ジョイント62は、トナーコンテナ3Mが装着部58に装着された場合に、第2入力部111と前記左右方向D3に連結する。
図22A及び図22Bに示されるように、第2出力ジョイント62は、ベース部621と、4つの係合片623とを有する。ベース部621は、装着部58に取り付けられる部分であり、例えば、中心に円形の軸孔624を有する円盤状の部材である。ベース部621には、少なくとも2つの係合片623が一体に形成されている。本実施形態では、4つの係合片623がベース部621に形成されている。4つの係合片623は、ベース部621の表面から突出している。ベース部621の中心に軸孔624が形成されており、この軸孔624の軸周りに4つの係合片623が均等間隔で配置されている。なお、係合片623は、必ずしも4つ必要とは限られず、例えば、2つの係合片623が軸孔624の周りに等間隔で配置されていてもよい。
図22Bに示されるように、4つの係合片623それぞれは、係合片623の突出端からベース部621へ向けて傾斜する第1傾斜面625と、前記突出端から第1傾斜面625とは反対側に形成された垂直面626とを有する。垂直面626は、ベース部621の表面に垂直な面である。
また、4つの係合片623の突出端は、先細り形状に形成されている。4つの係合片623それぞれの突出端には、第2傾斜面627が形成されている。第2傾斜面627は、第1傾斜面625と垂直面626とがなす角部(係合片623の突出端)が面取りされることによって形成される。第2傾斜面627は、第1傾斜面625及び垂直面626それぞれに対して傾斜する面である。この第2傾斜面627は、第2入力部111が第2出力ジョイント62に挿入されたときに、第2入力部111の各突出片1113を隣接する係合片623の間の隙間628に誘い込む役割を担う。例えば、突出片1113が第2傾斜面627に接触すると、突出片1113は、第2傾斜面627を滑るようにして隙間628に入り込む。
一方、第2入力部111は、上述したように、スパイラル部材108の回転軸109の端部1092に設けられている。第2入力部111は、図23A,図23Bに示されるように、ベース部1111と、突出軸1112と、2つの突出片113とを有する。ベース部1111は、円盤状に形成されている。突出軸1112は、ベース部1111の中心から垂直に突出したボス状の部材である。ベース部1111の裏面の中心には、挿通孔が形成されており、前記挿通孔は、突出軸1112の内部に至っている。つまり、突出軸1112の内部は中空状である。突出軸1112の周面には、一対の切り欠き1114が形成されている。回転軸109の端部1092には、軸方向に延びる一対のアームが形成されており、そのアームの先端にはフックが形成されている。前記一対のアームが突出軸1112の内部に挿入されると、スナップフィット前記フックが切り欠き1114に入り込む。これにより、第2入力部111は、端部1092に、所謂スナップフィット方式によって取り付けられる。
突出片113は、突出軸1112の突出方向へ向けて先細り形状に形成されている。各突出片113は、4つの係合片623のうちの2つの係合片623に係合可能なものである。本実施形態では、2つの突出片113のうち、一方の突出片1131(第1片の一例)は、係合片623の垂直面に接触する当接面1133(第1当接面の一例)を有する。当接面1133は、ベース部1111の表面に垂直な垂直面である。2つの突出片113のうち、他方の突出片1132(第2片の一例)は、突出片1131から軸周りに180度隔てた位置に形成されている。突出片1132は、他の係合片623の垂直面に接触する当接面1134(第2当接面の一例)を有する。当接面1134は、ベース部1111の表面に垂直な垂直面である。当接面1133,1134は、いずれも、第2出力ジョイント62からの回転駆動力を受ける部分である。
本実施形態では、図23Bに示されるように、一方の突出片1131は、他方の突出片1132よりも、突出軸1112の突出方向に長い形状に形成されている。このため、トナーコンテナ3Mが装着部58に装着される際に、トナーコンテナ3Mが傾いた状態で装着部58へ向けて移動された場合であっても、第2入力部111が第2出力ジョイント62に円滑に且つ確実に連結することができる。つまり、第2入力部111が第2出力ジョイント62に近づくと、図24Aに示されるように、まず、長い方の突出片1131が隙間628に入り込む。仮に、突出片1131が隙間628以外の部分、例えば、第1傾斜面625に接触した場合は、突出片1131は、第1傾斜面625によって隙間628に案内される。また、第2傾斜面627に接触した場合も、突出片1131は、第2傾斜面627によって隙間628に案内される。このとき、短い方の突出片1132は、係合片623に接触していないため、突出片1131の隙間628への案内が突出片1132に阻害されることはない。突出片1131が、第1傾斜面625や第2傾斜面627に接触して案内される際に、第2入力部111は軸周りに回動し、短い方の突出片1132が隙間628に対向する位置に配置される。そして、更に第2入力部111が第2出力ジョイント62に近づくと、図24Bに示されるように、短い方の突出片1132が隙間628に入り込む。
ここで、図25Aは従来構成の第2入力部111Aを示す斜視図であり、図25Bは従来構成の第2出力ジョイント62Aを示す斜視図である。また、図26は、従来構成の第2出力ジョイント62Aの平面図である。各図において、本実施形態と同様の構成については、本実施形態の構成と同じ符号を付している。図25Aに示される従来の第2入力部111Aは2つの突出片113を有し、これらはいずれも同じ長さに形成されている。そのため、上述したようにトナーコンテナ3Mが傾いた状態で装着部58へ向けて移動されると、2つの突出片113のうちの一方の先端113A(図26で点線で示す部分)が隙間628に入り込むが、他方の先端113B(図26で点線で示す部分)が第1傾斜面625の先端に引っ掛かる場合があった。しかし、本実施形態では、このような引っ掛かりが生じ無くなり、その結果、トナーコンテナ3Mが装着部58に装着される際に、第2入力部111が第2出力ジョイント62に確実に連結される。
上述したように、本実施形態では、上側収容部71の上部ケース78と下側収容部72の下部ケース79とを連結する中央フランジ832が設けられている。このため、製造誤差などによって第1入力部98と第2入力部111とが位置ずれしていたとしても、或いは、第1出力ジョイント61と第2出力ジョイント62とが位置ずれしていたとしても、装着部58にトナーコンテナ3Mを装着する過程で、隙間88の付近が撓まされることにより、第1入力部98と第1出力ジョイント61、そして、第2入力部111と第2出力ジョイント62が位置合わせされる。これにより、第1入力部98と第1出力ジョイント61、そして、第2入力部111と第2出力ジョイント62が円滑に且つ確実に連結される。また、装着部58にトナーコンテナ3Mが装着された状態で回転駆動力が伝達された場合に、前記位置ずれによる負荷が各入力部98,111又は各出力ジョイント61,62にかかったとしても、前記負荷が中央フランジ832側へ逃げて隙間88の付近を撓ます。これにより、各入力部98,111又は各出力ジョイント61,62の負荷を分散することができ、各入力部98,111又は各出力ジョイント61,62の破損が防止できる。
図8に示されるように、第1搬送部92及び第2搬送部105は、前記幅方向D12に離間して設けられている。具体的には、第1搬送部92は、上側収容部71の壁面781において前記幅方向D12の一方側の側部(前方側の側部)に寄せて設けられている。また、第2搬送部105は、下側収容部72の左壁面791において前記幅方向D12の他方側の側部(後方側の側部)に寄せて設けられている。
図7及び図9に示されるように、トナーコンテナ3Mは、凹部123を有する把持部122を備えている。把持部122は、ユーザーがトナーコンテナ3Mを持ち運んだり、交換時に掴んだりする部分である。本実施形態では、凹部123は、容器本体75の前記幅方向D12の一方側の側部に形成されている。より詳細には、凹部123は、上側収容部71と下側収容部72との間に形成されており、装着部58に装着された装着姿勢において前方側の側部に形成されている。凹部123は、トナーコンテナ3Mを前記奥行き方向D13に貫通しており、トナーコンテナ3Mを蓋体76側から見たときに矩形状に形成されている。凹部123が設けられることにより、トナーコンテナ3Mにおいて、凹部123が設けられている部分が細く狭まったくびれ状の把持部122が構成される。このように、把持部122は、ユーザーによって持ち易いくびれ状に形成されているため、ユーザーは把持部122に手指を引っ掛け易くなり、ひいては、トナーコンテナ3Mを持ち運び易くなり、交換時の作業を行い易くなる。なお、蓋体76は、容器本体75の形状に合わせて形成されており、把持部122に対応する部分がくびれ状に形成されている。
なお、図5に示されるように、トナーコンテナ3Kにおいては、凹部123は、前記幅方向D12の両方側の側部それぞれに形成されている。
図7に示されるように、凹部123は、下側収容部72の上部(上側の部分)に設けられている。このため、トナーコンテナ3Mのサイズアップができないという制約のもとでは、下側収容部72の収容空間86は、凹部123が設けられた分だけ容積が小さくなる。しかし、下側収容部72は、前記廃トナーが収容される部分であり、収容空間86の上部の空間は、収容空間86が前記廃トナーで満たされない限り埋まることはない。このため、凹部123は、下側収容部72に設けることが好ましい。なお、上側収容部71は、前記未使用トナーが収容される部分であるため、この部分に凹部123が形成されると、上側収容部71の収容空間85において前記未使用トナーの収容容量として必要な規定容量を確保できなくなる。したがって、凹部123を上側収容部71に設けることは好ましくない。
また、凹部123は、第1搬送部92の近傍に形成されており、より詳細には、第1搬送部92が備えるシャッター部材101の直下に形成されている。装着部58に対するトナーコンテナ3Mの着脱動作には、シャッター部材101の開閉を伴い、シャッター部材101の開閉の際に摺動抵抗が生じる。ユーザーは、トナーコンテナ3Mを交換する際に、前記摺動抵抗を負荷として感じるが、凹部123がシャッター部材101の直下に設けられているため、ユーザーは、把持部122を掴んでトナーコンテナ3Mの交換をする際に、把持部122に力を与えやすくなり、また、シャッター部材101にダイレクトに力を伝達することができる。これにより、交換時の作業性が向上する。
図5及び図9に示されるように、トナーコンテナ3Mは、トナーコンテナ3Mの種類(例えばトナーの色や型番など)を示す識別ラベル126を有する。識別ラベル126は、裏側に糊などの粘着剤が付けられたシート状の部材であり、表面に種類を示す文字や記号が記されている。識別ラベル126は、蓋体76の表面に貼り付けられている。具体的には、識別ラベル126は、蓋体76の外部表面において、把持部122に対応する領域に貼り付けられている。従来のトナーコンテナは、トナーコンテナ3Mの容器本体75や蓋体76の色をトナー色に着色するなどして種別可能にしていた。これに対して、本実施形態のトナーコンテナ3は、識別ラベル126によって種別可能にしているので、カラー用の各トナーコンテナ3を共通化することができる。
図12に示されるように、上部ケース78の壁面781の上部に、複数の接触端子67を有するIC基板64が取り付けられている。壁面781の上部には、壁面781よりも一段低く形成された凹陥部783が設けられている。具体的には、凹陥部783は、壁面781の上端に連続するように壁面781に設けられている。凹陥部783は、壁面781よりも一段低い段差を有している。凹陥部783は、壁面781の上部において前記幅方向D12全域に設けられている。IC基板64は凹陥部783に設けられており、詳細には、凹陥部783において前記幅方向D12の中央に配置されている。