JP2013213247A - 軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 - Google Patents

軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子 Download PDF

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Abstract

【課題】磁心として用いられたときに鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立し得る軟磁性粉末、この軟磁性粉末を用いて製造された圧粉磁心、およびこの圧粉磁心を備えた磁性素子を提供すること。
【解決手段】チョークコイル(磁性素子)10は、リング状(トロイダル形状)の圧粉磁心11と、この圧粉磁心11に巻き回された導線12と、を有する。また、圧粉磁心11は、本発明の軟磁性粉末と結合材とを混合し、得られた混合物を成形型に供給するとともに、加圧・成形して得られたものである。また、本発明の軟磁性粉末は、合金組成がFe100−a−b−c−dMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)で表され、0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、および0.1≦d≦3の関係を満足する非晶質合金材料で構成された粉末であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子に関するものである。
近年、ノート型パソコンのようなモバイル機器の小型化・軽量化が顕著である。また、ノート型パソコンの性能は、デスクトップ型パソコンの性能と遜色ない程度まで向上が図られつつある。
このように、モバイル機器の小型化および高性能化を図るためには、スイッチング電源の高周波数化が必要となる。このため、スイッチング電源の駆動周波数は、数100kHz程度まで高周波数化が進んでいる。また、それに伴い、モバイル機器に内蔵されたチョークコイルやインダクター等の磁性素子の駆動周波数も高周波数化への対応が必要となる。
例えば、特許文献1には、Fe、M(ただし、Mは、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選ばれた少なくとも1種の元素)、Si、B、Cを含む非晶質合金からなる薄帯が開示されている。また、この薄帯を積層し、打ち抜き加工等を施すことにより製造された磁心が開示されている。このような磁心により、交流磁気特性の向上が図られることが期待されている。
しかしながら、薄帯から製造された磁心では、磁性素子の駆動周波数がさらに高周波数化した場合、渦電流によるジュール損失(渦電流損失)の著しい増大が避けられない。
かかる問題を解決するため、軟磁性粉末と結合材(バインダー)との混合物を加圧・成形した圧粉磁心が使用されている。
一方、非晶質合金材料で構成された軟磁性粉末は、固有抵抗値が高いため、このような軟磁性粉末を含む磁心では、渦電流損失の抑制が図られることとなる。その結果、高周波における鉄損を低下させることができる。特にFe基非晶質合金は、飽和磁束密度が高いため、磁性デバイス用の軟磁性材料として有用である。
しかしながら、Fe基非晶質合金は磁歪が高いことから、特定周波数下でうなりを発生させるとともに、磁気特性の向上(例えば低保磁力化および高透磁率化)を阻害するという問題がある。
特開2007−182594号公報
本発明の目的は、磁心として用いられたときに鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立し得る軟磁性粉末、この軟磁性粉末を用いて製造された圧粉磁心、およびこの圧粉磁心を備えた磁性素子を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の軟磁性粉末は、組成がFe100−a−b−c−dMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)、ただし0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、0.1≦d≦3である非晶質合金材料で構成されていることを特徴とする。
これにより、非晶質合金材料の磁歪を低下させたことにより、磁心として用いられたときに鉄損の低下と磁気特性の向上とを高度に両立した軟磁性粉末が得られる。
本発明の軟磁性粉末では、前記非晶質合金材料は、0.05≦c/(a+b)≦1.5の関係を満足することが好ましい。
これにより、Bの添加によって磁気特性の向上を阻害することなく非晶質合金材料の融点を確実に低下させることができる。
本発明の軟磁性粉末では、前記非晶質合金材料は、6≦b+c≦30の関係を満足することが好ましい。
これにより、飽和磁束密度の著しい低下を招くことなく、非晶質合金材料の鉄損の低下と磁気特性の向上とを高度に両立させることができる。
本発明の軟磁性粉末では、前記非晶質合金材料は、0.01≦d/(a+b)≦0.3の関係を満足することが好ましい。
これにより、優れた磁気特性を維持しつつ非晶質合金材料の非晶質化および軟磁性粉末の球形化を確実に果たすことができる。
本発明の軟磁性粉末では、平均粒径が3μm以上100μm以下であることが好ましい。
これにより、渦電流が流れる経路を短くすることができるので、渦電流損失が十分に抑制された圧粉磁心を得ることができる。
本発明の軟磁性粉末では、保磁力が4[Oe]以下であることが好ましい。
これにより、ヒステリシス損を確実に抑制することができ、鉄損を十分に低下させることができる。
本発明の軟磁性粉末では、酸素含有率が質量比で150ppm以上3000ppm以下であることが好ましい。
これにより、軟磁性粉末は、鉄損、磁気特性および耐候性を高度に両立し得るものとなる。
本発明の圧粉磁心は、合金組成がFe100−a−b−cMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)で表され、0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、および0.1≦d≦3の関係を満足する非晶質合金材料で構成された軟磁性粉末を含むことを特徴とする。
これにより、低鉄損と高磁気特性とが高度に両立した圧粉磁心が得られる。
本発明の磁性素子は、本発明の圧粉磁心を備えることを特徴とする。
これにより、小型で高性能の磁性素子が得られる。
本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(平面図)である。 本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(透過斜視図)である。 表1に示す飽和磁束密度、透磁率および保磁力と軟磁性粉末中のMnの含有率との関係を示す図である。
以下、本発明の軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
[軟磁性粉末]
本発明の軟磁性粉末は、合金組成がFe100−a−b−c−dMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)で表され、0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、および0.1≦d≦3の関係を満足する非晶質合金材料で構成された粉末である。
このような軟磁性粉末は、Fe基非晶質合金粉末であることから渦電流損失が小さく飽和磁束密度が高い上に、Mnを含むことによって保磁力が低くかつ透磁率が高い。したがって、この軟磁性粉末を用いることにより、高周波における鉄損が小さくかつ小型化が容易な圧粉磁心を得ることができる。
以下、軟磁性粉末についてさらに詳述する。
上述したように、本発明の軟磁性粉末は、合金組成がFe100−a−b−c−dMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)で表される非晶質合金材料で構成された粉末である。そして、a、b、c、dは、0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、および0.1≦d≦3の関係を満足している。
各元素のうち、Mn(マンガン)は、非晶質合金材料の磁歪を低下させるよう作用する。磁歪の低下によって、保磁力も低下する。これにより、ヒステリシス損が減少し、鉄損が低下するため、高周波領域における鉄損の低減に有利となる。また、磁歪の低下に伴って透磁率が上昇し、外部磁界に対する応答性が向上する。
このような現象が起きる理由は明確ではないが、Mnの原子サイズがFeの原子サイズに非常に近く、Feの原子をMnの原子によって容易に置換可能であることから、一定量のMnを含むことによって非晶質の原子配置を阻害することなく、磁歪を低下させることが比較的容易であるためと考えられる。このため、低保磁力化および高透磁率化が図られるものと考えられる。しかしながら、過剰なMnの添加は、飽和磁束密度の低下を招くため、Mn添加量における磁束密度の設定が重要である。
また、MnはSiよりも酸化し易いため、軟磁性粉末の製造時に表面に酸化マンガンを析出させる。この酸化マンガンは、粒子の表面に点在するように析出する傾向が高く、その隙間を埋めるように、Mnに次いで酸化し易い元素の酸化物(例えば酸化ケイ素等)が析出すると考えられる。このように異なる組成の酸化物からなる不連続的な析出物によって粒子表面が覆われることになるため、粒子表面の絶縁性が向上し、粒子間抵抗が増大する。これにより、磁束密度および透磁率の高く、渦電流損失の小さい圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末が得られる。
非晶質合金材料におけるMnの含有率aは、0.1≦a≦10の関係を満足する。Mnの含有率aが前記下限値を下回ると、磁歪の低下が限定的となり、鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立させることができない。一方、Mnの含有率aが前記上限値を上回ると、非晶質化が阻害されるとともに、飽和磁束密度が低下し、やはり鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立させることができない。
また、Mnの含有率aは、0.5≦a≦9の関係を満足するのが好ましく、0.7≦a≦8.5の関係を満足するのがより好ましく、1≦a≦8の関係を満足するのがさらに好ましい。
各元素のうち、Si(ケイ素)は、非晶質合金材料の透磁率を高めることに寄与する。また、一定量のSiを添加することにより、非晶質合金材料の固有抵抗値を高めることができるので、軟磁性粉末の渦電流損失を抑制することができる。さらには、一定量のSiを添加することにより、保磁力も低下させることができる。
非晶質合金材料におけるSiの含有率bは、3≦b≦15の関係を満足する。Siの含有率bが前記下限値を下回ると、非晶質合金材料の透磁率および固有抵抗値を十分に高めることができず、外部磁界に対する応答性向上や渦電流損失の低下を十分に果たすことができない。一方、Siの含有率bが前記上限値を上回ると、非晶質化が阻害されるとともに、飽和磁束密度が低下し、鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立させることができない。
また、Siの含有率bは、4.5≦b≦13の関係を満足するのが好ましく、5.5≦b≦12.5の関係を満足するのがより好ましく、6≦b≦11.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
各元素のうち、B(ホウ素)は、非晶質合金材料の融点を低下させ、非晶質化を容易にする。このため、非晶質合金材料の固有抵抗値を高めることができ、軟磁性粉末の渦電流損失を抑制することができる。
非晶質合金材料におけるBの含有率cは、3≦c≦15の関係を満足する。Bの含有率cが前記下限値を下回ると、非晶質合金材料の融点を十分に低下させることができず、非晶質化が困難になる。一方、Bの含有率cが前記上限値を上回ると、やはり非晶質合金材料の融点を十分に低下させることができず、非晶質化が困難になるとともに飽和磁束密度が低下する。
また、Bの含有率cは、4.5≦c≦13の関係を満足するのが好ましく、5.5≦c≦12.5の関係を満足するのがより好ましく、6.5≦c≦11.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
各元素のうち、C(炭素)は、非晶質合金材料の溶融時の粘性を下げ、非晶質化および粉末化を容易にする。このため、非晶質合金材料の固有抵抗値をより高めるとともに軟磁性粉末の球形度を高めることができ、この軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造すると、粒子間の隙間が小さくなって充填率を高めることができる。また、粒径の揃った軟磁性粉末および小径の軟磁性粉末を効率よく製造することができる。
非晶質合金材料におけるCの含有率dは、0.1≦d≦3の関係を満足する。Cの含有率dが前記下限値を下回ると、非晶質合金材料を溶融したときの粘性が高過ぎて、軟磁性粉末が異形状になる。このため、圧粉磁心を製造したときの充填性を十分に高めることができず、圧粉磁心の飽和磁束密度や透磁率を十分に高めることができない。一方、Cの含有率dが前記上限値を上回ると、非晶質化を阻害し保磁力が増加する。
また、Cの含有率dは、0.5≦d≦2.8の関係を満足するのが好ましく、0.7≦d≦2.6の関係を満足するのがより好ましく、1.2≦d≦2.5の関係を満足するのがさらに好ましい。
なお、Siの含有率bとBの含有率cの和(b+c)は、6≦b+c≦30の関係を満足するのが好ましく、12≦b+c≦28の関係を満足するのがより好ましく、15≦b+c≦25の関係を満足するのがさらに好ましい。この関係を満足するようにSiおよびBを添加することにより、飽和磁束密度の著しい低下を招くことなく、非晶質合金材料の鉄損の低下と磁気特性の向上とを高度に両立させることができる。
また、Siの含有率bとBの含有率cとCの含有率dは、b>c>dの関係を満足するのが好ましい。これにより、低い鉄損と高い磁気特性とをより高度に両立した軟磁性粉末が得られる。
一方、上記和(b+c)に対するMnの含有率aの割合は、0.01≦a/(b+c)≦3の関係を満足するのが好ましく、0.03≦a/(b+c)≦2の関係を満足するのがより好ましく、0.05≦a/(b+c)≦1の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、Mnの添加による磁歪の低減とSiおよびBによる固有抵抗値の上昇とが互いに打ち消し合うことなく最適化が図られる。その結果、渦電流損失の最小化を図ることができる。また、非晶質合金材料の溶融時において融点が低い状態で酸化マンガンと酸化ケイ素の双方が確実に析出し、軟磁性粉末の粒子表面の絶縁性の向上を確実に果たすことができる。これにより、磁束密度および透磁率が高く、かつ渦電流損失の小さい圧粉磁心を確実に製造可能な軟磁性粉末が得られる。
また、Mnの含有率aとSiの含有率bの和(a+b)に対するBの含有率cの割合は、0.05≦c/(a+b)≦1.5の関係を満足するのが好ましく、0.07≦c/(a+b)≦1.2の関係を満足するのがより好ましく、0.1≦c/(a+b)≦1の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、Bの添加によって磁気特性の向上を阻害することなく非晶質合金材料の融点を確実に低下させることができる。その結果、磁束密度および透磁率が高く、かつ渦電流損失の小さい圧粉磁心を確実に製造可能な軟磁性粉末が得られる。
また、Mnの含有率aとSiの含有率bの和(a+b)に対するCの含有率dの割合は、0.01≦d/(a+b)≦0.3の関係を満足するのが好ましく、0.02≦d/(a+b)≦0.25の関係を満足するのがより好ましく、0.03≦d/(a+b)≦0.2の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、優れた磁気特性を維持しつつ非晶質合金材料の非晶質化および軟磁性粉末の球形化を確実に果たすことができる。
さらに、Bの含有率cとCの含有率dの和(c+d)に対するMnの含有率aの割合は、0.01≦a/(c+d)≦1の関係を満足するのが好ましく、0.03≦a/(c+d)≦0.85の関係を満足するのがより好ましく、0.05≦a/(c+d)≦0.7の関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、磁気特性の向上と非晶質化とを高度に両立させることができる。
なお、Mn、Si、B、C以外の残部は、Feまたは不可避元素である。
Feは、非晶質合金材料の主成分であり、軟磁性粉末の基本的な磁気特性や機械的特性に大きな影響を与える。
また、不可避元素は、原料または軟磁性粉末の製造時に意図せず混入する元素である。不可避元素は特に限定されるものではないが、一例を挙げれば、O(酸素)、N(窒素)、P(リン)、S(硫黄)、Al(アルミニウム)等である。混入量は、原料や製法によって異なるものの、0.1原子%未満であるのが好ましく、0.05原子%以下であるのがより好ましい。
また、本発明の軟磁性粉末の平均粒径は、3μm以上100μm以下であるのが好ましく、4μm以上80μm以下であるのがより好ましく、5μm以上60μm以下であるのがさらに好ましい。このような粒径の軟磁性粉末を用いることにより、渦電流が流れる経路を短くすることができるので、渦電流損失が十分に抑制された圧粉磁心を得ることができる。
なお、平均粒径は、レーザー回折法により、質量基準で累積量が50%になるときの粒径として求められる。
また、軟磁性粉末の平均粒径が前記下限値を下回った場合、軟磁性粉末を加圧・成形する際の成形性が低下するため、得られる圧粉磁心の密度が低下し、飽和磁束密度や透磁率が低下するおそれがある。一方、軟磁性粉末の平均粒径が前記上限値を上回った場合、圧粉磁心中で渦電流が流れる経路が長くなるため、渦電流損失が増大するおそれがある。
また、軟磁性粉末の粒度分布は、できるだけ狭いのが好ましい。具体的には、軟磁性粉末の平均粒径が前記範囲内であれば、最大粒径が200μm以下であるのが好ましく、150μm以下であるのがより好ましい。軟磁性粉末の最大粒径を前記範囲内に制御することにより、軟磁性粉末の粒度分布をより狭くすることができ、局所的に渦電流損失が増大する等の問題が解消される。
なお、上記の最大粒径とは、質量基準で累積量が99.9%となるときの粒径のことをいう。
また、軟磁性粉末の粒子の短径をS[μm]とし、長径をL[μm]としたとき、S/Lで定義されるアスペクト比の平均値は、0.4〜1程度であるのが好ましく、0.7〜1程度であるのがより好ましい。このようなアスペクト比の軟磁性粉末は、その形状が比較的球形に近くなるので、圧粉成形された際の充填率が高められる。その結果、飽和磁束密度および透磁率の高い圧粉磁心を得ることができる。
なお、前記長径とは、粒子の投影像においてとりうる最大長さであり、前記短径とは、その最大長さに直交する方向の最大長さである。
また、本発明の軟磁性粉末の見かけ密度は、3g/cm以上であるのが好ましく、3.5g/cm以上であるのがより好ましい。このように見かけ密度が大きい軟磁性粉末を用いて圧粉磁心を製造した場合、各粒子の充填率が高くなるため、特に高密度の圧粉磁心が得られる。これにより、透磁率および磁束密度の特に高い圧粉磁心が得られる。
なお、本発明における見かけ密度は、JIS Z 2504に規定の方法で測定されたものとする。
また、本発明の軟磁性粉末は、前述したような合金組成を有することにより、好ましくは4Oe(318A/m)以下、より好ましくは1.5Oe(119A/m)以下まで低保磁力化が図られる。このような範囲まで低保磁力化が図られることにより、ヒステリシス損を確実に抑制することができ、鉄損を十分に低下させることができる。
なお、軟磁性粉末の飽和磁束密度は、できるだけ大きければよいが、0.8T以上であるのが好ましく、1.0T以上であるのがより好ましい。軟磁性粉末の飽和磁束密度が前記範囲内であれば、性能を落とすことなく圧粉磁心を十分に小型化することができる。
なお、本発明の軟磁性粉末は、酸素含有率が質量比で150ppm以上3000ppm以下であるのが好ましく、200ppm以上2500ppm以下であるのがより好ましく、200ppm以上1500ppm以下であるのがさらに好ましい。酸素含有率を前記範囲内に抑えることにより、軟磁性粉末は、鉄損、磁気特性および耐候性を高度に両立し得るものとなる。すなわち、酸素含有率が前記下限値を下回る場合には、軟磁性粉末の粒子に適度な厚さの酸化物被膜が形成されない等の理由から軟磁性粉末の粒子間絶縁性が低下し鉄損が増大したり耐候性が低下するおそれがあり、一方、酸素含有率が前記上限値を上回る場合には、酸化物被膜が厚くなり過ぎ、その分磁気特性が低下するおそれがある。
磁性粉末中の酸素含有率は、例えば、原子吸光分析装置、ICP発光分光分析装置、酸素窒素同時分析装置等により測定することができる。
以上のような軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法(例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の各種粉末化法により製造される。
このうち、本発明の軟磁性粉末は、アトマイズ法により製造されたものであるのが好ましく、高速回転水流アトマイズ法により製造されたものであるのがより好ましい。アトマイズ法は、溶融金属(溶湯)を、高速で噴射された流体(液体または気体)に衝突させることにより、溶湯を微粉化するとともに冷却して、金属粉末(軟磁性粉末)を製造する方法である。軟磁性粉末をこのようなアトマイズ法によって製造することにより、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、得られる粉末の粒子形状が表面張力の作用により球形状に近くなる。このため、圧粉磁心を製造したとき充填率の高いものが得られる。すなわち、透磁率および飽和磁束密度の高い圧粉磁心を製造可能な軟磁性粉末を得ることができる。
なお、アトマイズ法として、水アトマイズ法を用いた場合、噴射するアトマイズ水の圧力は、特に限定されないが、好ましくは75MPa以上120MPa以下(750kgf/cm以上1200kgf/cm以下)程度とされ、より好ましくは、90MPa以上120MPa以下(900kgf/cm以上1200kgf/cm以下)程度とされる。
また、アトマイズ水の水温も、特に限定されないが、好ましくは1℃以上20℃以下程度とされる。
さらに、アトマイズ水は、溶湯の落下経路上に頂点を有し、外径が下方に向かって漸減するような円錐状に噴射されている。この場合、アトマイズ水が形成する円錐の頂角θは、10〜40°程度であるのが好ましく、15〜35°程度であるのがより好ましい。これにより、前述したような組成の軟磁性粉末を、確実に製造することができる。
また、水アトマイズ法(特に高速回転水流アトマイズ法)によれば、とりわけ速く溶湯を冷却することができる。このため、広い合金組成において非晶質化度の高い軟磁性粉末が得られる。
また、アトマイズ法において溶湯を冷却する際の冷却速度は、1×10℃/s以上であるのが好ましく、1×10℃/s以上であるのがより好ましい。このような急速な冷却により、溶湯の状態における原子配列、すなわち、各種の原子が均一に混じり合った状態が保存されたまま固化に至るので、とりわけ非晶質化度の高い軟磁性粉末が得られるとともに、軟磁性粉末の粒子間における組成比のバラツキが抑えられることとなる。その結果、均質で磁気特性の高い軟磁性粉末が得られる。
また、非晶質合金材料で構成された軟磁性粉末は、焼鈍処理を施したものが好ましい。この焼鈍処理における加熱条件は、非晶質合金材料における結晶化温度Tx−250℃以上Tx未満×5分以上120分以下の範囲であるのが好ましく、非晶質合金材料の結晶化温度Tx−100℃以上Tx未満×10分以上60分以下の範囲であるのがより好ましい。このような加熱条件で焼鈍処理を施すことにより、非晶質合金材料で構成された軟磁性粉末が焼鈍され、粉末製造時に生じた急冷凝固による残留応力を緩和することができる。これにより、残留応力に伴う非晶質軟磁性粉末の歪みが緩和され磁気特性を向上させることができる。
なお、このようにして得られた軟磁性粉末に対し、必要に応じて、分級を行ってもよい。分級の方法としては、例えば、ふるい分け分級、慣性分級、遠心分級のような乾式分級、沈降分級のような湿式分級等が挙げられる。
また、必要に応じて、得られた軟磁性粉末を造粒するようにしてもよい。
[圧粉磁心および磁性素子]
本発明の磁性素子は、チョークコイル、インダクター、ノイズフィルター、リアクトル、トランス、モーター、発電機のように、磁心を備えた各種磁性素子に適用可能である。また、本発明の圧粉磁心は、これらの磁性素子が備える磁心に適用可能である。
以下、磁性素子の一例として、2種類のチョークコイルを代表に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図1は、本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(平面図)である。
図1に示すチョークコイル10は、リング状(トロイダル形状)の圧粉磁心11と、この圧粉磁心11に巻き回された導線12とを有する。このようなチョークコイル10は、一般に、トロイダルコイルと称される。
圧粉磁心11は、本発明の軟磁性粉末と結合材(バインダー)と有機溶媒とを混合し、得られた混合物を成形型に供給するとともに、加圧・成形して得られたものである。
圧粉磁心11の作製に用いられる結合材の構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機バインダ、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の無機バインダ等が挙げられるが、特に、熱硬化性ポリイミドまたはエポキシ系樹脂が好ましい。これらの樹脂材料は、加熱されることによって容易に硬化するとともに、耐熱性に優れたものである。したがって、圧粉磁心11の製造容易性および耐熱性を高めることができる。
また、軟磁性粉末に対する結合材の割合は、作製する圧粉磁心11の目的とする磁束密度や、許容される渦電流損失等に応じて若干異なるが、0.5質量%以上5質量%以下程度であるのが好ましく、1質量%以上3質量%以下程度であるのがより好ましい。これにより、軟磁性粉末の各粒子同士を確実に絶縁しつつ、圧粉磁心11の密度をある程度確保して、圧粉磁心11の透磁率が著しく低下するのを防止することができる。その結果、より透磁率が高く、かつ、より低損失の圧粉磁心11が得られる。
また、有機溶媒としては、結合材を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、トルエン、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、酢酸エチル等の各種溶媒が挙げられる。
なお、前記混合物中には、必要に応じて、任意の目的で各種添加剤を添加するようにしてもよい。
以上のような結合材により、軟磁性粉末の表面が被覆されている。これにより、軟磁性粉末の各粒子は、それぞれ絶縁性の結合材によって絶縁されているため、圧粉磁心11に高周波数で変化する磁場を付与しても、この磁場変化に対する電磁誘導で発生する起電力に伴う誘導電流は、各粒子の比較的狭い領域にしか及ばない。このため、この誘導電流によるジュール損失を小さく抑えることができる。
また、このジュール損失は、圧粉磁心11の発熱を招くこととなるため、ジュール損失を抑えることにより、チョークコイル10の発熱量を減らすこともできる。
一方、導線12の構成材料としては、導電性の高い材料が挙げられ、例えば、Cu、Al、Ag、Au、Ni等の金属材料、またはかかる金属材料を含む合金等が挙げられる。
なお、導線12の表面に、絶縁性を有する表面層を備えているのが好ましい。これにより、圧粉磁心11と導線12との短絡を確実に防止することができる。
かかる表面層の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料等が挙げられる。
次に、チョークコイル10の製造方法について説明する。
まず、本発明の軟磁性粉末と、結合材と、各種添加剤と、有機溶媒とを混合し、混合物を得る。
次いで、混合物を乾燥させて塊状の乾燥体を得た後、この乾燥体を粉砕することにより、造粒粉を形成する。
次に、この混合物または造粒粉を、作製すべき圧粉磁心の形状に成形し、成形体を得る。
この場合の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、プレス成形、押出成形、射出成形等の方法が挙げられる。なお、この成形体の形状寸法は、以後の成形体を加熱した際の収縮分を見込んで決定される。
次に、得られた成形体を加熱することにより、結合材を硬化させ、圧粉磁心11を得る。このとき、加熱温度は、結合材の組成等に応じて若干異なるものの、結合材が有機バインダで構成されている場合、好ましくは100℃以上500℃以下程度とされ、より好ましくは120℃以上250℃以下程度とされる。また、加熱時間は、加熱温度に応じて異なるものの、0.5時間以上5時間以下程度とされる。
以上により、本発明の軟磁性粉末を加圧・成形してなる圧粉磁心(本発明の圧粉磁心)11、および、かかる圧粉磁心11の外周面に沿って導線12を巻き回してなるチョークコイル(本発明の磁性素子)10が得られる。かかるチョークコイル10は、長期にわたる耐食性に優れ、かつ、高周波数域での損失(鉄損)が小さい低損失のものとなる。
また、本発明の軟磁性粉末によれば、磁気特性に優れた圧粉磁心11を容易に得ることができる。これにより、圧粉磁心11の磁束密度の向上や、それに伴うチョークコイル10の小型化や定格電流の増大、発熱量の低減を容易に実現することができる。すなわち、高性能のチョークコイル10が得られる。
<第2実施形態>
次に、本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図2は、本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(透過斜視図)である。
以下、第2実施形態にかかるチョークコイルについて説明するが、それぞれ、前記第1実施形態にかかるチョークコイルとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかるチョークコイル20は、図2に示すように、コイル状に成形された導線22を、圧粉磁心21の内部に埋設してなるものである。すなわち、チョークコイル20は、導線22を圧粉磁心21でモールドしてなる。
このような形態のチョークコイル20は、比較的小型のものが容易に得られる。そして、このような小型のチョークコイル20を製造する場合、透磁率および磁束密度が大きく、かつ、損失の小さい圧粉磁心21が、その作用・効果をより有効に発揮する。すなわち、より小型であるにもかかわらず、大電流に対応可能な低損失・低発熱のチョークコイル20が得られる。
また、導線22が圧粉磁心21の内部に埋設されているため、導線22と圧粉磁心21との間に隙間が生じ難い。このため、圧粉磁心21の磁歪による振動を抑制し、この振動に伴う騒音の発生を抑制することもできる。
以上のような本実施形態にかかるチョークコイル20を製造する場合、まず、成形型のキャビティ内に導線22を配置するとともに、キャビティ内を本発明の軟磁性粉末で充填する。すなわち、導線22を包含するように、軟磁性粉末を充填する。
次に、導線22とともに、軟磁性粉末を加圧して成形体を得る。
次いで、前記第1実施形態と同様に、この成形体に熱処理を施す。これにより、チョークコイル20が得られる。
以上、本発明の軟磁性粉末、圧粉磁心および磁性素子について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、前記実施形態では、本発明の軟磁性粉末の適用例として圧粉磁心について説明したが、適用例はこれに限定されず、例えば磁性流体、磁気遮蔽シート、磁気ヘッド等の磁性デバイスであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.圧粉磁心およびチョークコイルの製造
(サンプルNo.1)
[1]まず、原材料を高周波誘導炉で溶融するとともに、高速回転水流アトマイズ法(各表では、「SWAP」と表記する。)により粉末化して軟磁性粉末を得た。次いで、目開き150μmの標準ふるいを用いて分級した。得られた軟磁性粉末の合金組成を表1に示す。
[2]次に、得られた軟磁性粉末について、粒度分布測定を行った。なお、この測定は、レーザー回折方式の粒度分布測定装置(マイクロトラック、HRA9320−X100 日機装株式会社製)により行った。そして、粒度分布から軟磁性粉末の平均粒径を求めた。
[3]次に、得られた軟磁性粉末と、エポキシ樹脂(結合材)、トルエン(有機溶媒)とを混合して、混合物を得た。なお、エポキシ樹脂の添加量は、軟磁性粉末100質量部に対して2質量部とした。
[4]次に、得られた混合物を撹拌したのち、温度60℃で1時間加熱して乾燥させ、塊状の乾燥体を得た。次いで、この乾燥体を、目開き500μmのふるいにかけ、乾燥体を粉砕して、造粒粉末を得た。
[5]次に、得られた造粒粉末を、成形型に充填し、下記の成形条件に基づいて成形体を得た。
<成形条件>
・成形方法 :プレス成形
・成形体の形状:リング状
・成形体の寸法:外径28mm、内径14mm、厚さ10.5mm
・成形圧力 :20t/cm(1.96GPa)
[6]次に、成形体を、大気雰囲気中において、温度450℃で0.5時間加熱して、結合材を硬化させた。これにより、圧粉磁心を得た。
[7]次に、得られた圧粉磁心を用い、以下の作製条件に基づいて、図1に示すチョークコイル(磁性素子)を作製した。
<コイル作製条件>
・導線の構成材料:Cu
・導線の線径 :0.5mm
・巻き数(透磁率測定時):7ターン
・巻き数(鉄損測定時) :1次側30ターン、2次側30ターン
(サンプルNo.2〜12)
軟磁性粉末として表1に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
Figure 2013213247
(サンプルNo.13〜21)
軟磁性粉末として表2に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
Figure 2013213247
(サンプルNo.22〜30)
軟磁性粉末として表3に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
Figure 2013213247
(サンプルNo.31〜39)
軟磁性粉末として表4に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
Figure 2013213247
(サンプルNo.2a、6a〜9a)
高速回転水流アトマイズ法に代えて、水アトマイズ法(各表では、「W−atm」と表記する。)を用いるようにした以外は、サンプルNo.2、6〜9と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
なお、各表には、各サンプルNo.の軟磁性粉末のうち、本発明に相当するものについては「実施例」、本発明に相当しないものについては「比較例」と示した。
2.軟磁性粉末、圧粉磁心およびチョークコイルの評価
2.1 軟磁性粉末の酸素含有率の測定
各実施例および各比較例で得られた軟磁性粉末について、その酸素含有率を酸素窒素同時分析装置(LECO社製、TC−136)により測定した。
2.2 チョークコイルの磁気特性の測定
各実施例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの透磁率μ’、鉄損(コアロスPcv)、保磁力および飽和磁束密度を以下の測定条件に基づいて測定した。
<測定条件>
・測定周波数 :100kHz、1000kHz
・最大磁束密度:50mT
・測定装置 :交流磁気特性測定装置(岩通計株式会社製、B−HアナライザSY8258)
以上、評価結果を表1〜4に示す。
表1〜4から明らかなように、各実施例で得られたチョークコイルは、飽和磁束密度および透磁率の双方が相対的に高く、保磁力が相対的に低いことが認められた。すなわち、これらのチョークコイルは、低い鉄損と高い磁気特性とを高度に両立し得るものとなることが認められた。
ここで、表1に示す飽和磁束密度、透磁率および保磁力と軟磁性粉末中のMnの含有率との関係を図3に示す。図3からも、各実施例で得られたチョークコイルは、低鉄損と高磁気特性とを高度に両立していることが認められる。
一方、各比較例で得られたチョークコイルは、飽和磁束密度か透磁率のいずれか一方が相対的に低い、または保磁力が相対的に高いことが認められた。すなわち、これらのチョークコイルは、低い鉄損と高い磁気特性とを両立することが困難であると認められた。
10、20……チョークコイル 11、21……圧粉磁心 12、22……導線

Claims (9)

  1. 組成がFe100−a−b−c−dMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)、ただし0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、0.1≦d≦3である非晶質合金材料で構成されていることを特徴とする軟磁性粉末。
  2. 前記非晶質合金材料は、0.05≦c/(a+b)≦1.5の関係を満足する請求項1に記載の軟磁性粉末。
  3. 前記非晶質合金材料は、6≦b+c≦30の関係を満足する請求項1または2に記載の軟磁性粉末。
  4. 前記非晶質合金材料は、0.01≦d/(a+b)≦0.3の関係を満足する請求項1ないし3のいずれかに記載の軟磁性粉末。
  5. 平均粒径が3μm以上100μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の軟磁性粉末。
  6. 保磁力が4[Oe]以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の軟磁性粉末。
  7. 酸素含有率が質量比で150ppm以上3000ppm以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の軟磁性粉末。
  8. 合金組成がFe100−a−b−cMnSi(a、b、c、dはいずれも原子%)で表され、0.1≦a≦10、3≦b≦15、3≦c≦15、および0.1≦d≦3の関係を満足する非晶質合金材料で構成された軟磁性粉末を含むことを特徴とする圧粉磁心。
  9. 請求項8に記載の圧粉磁心を備えることを特徴とする磁性素子。
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