JP2018073947A - 軟磁性合金、軟磁性合金粉末及び磁性部品 - Google Patents

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Kenji Yoshida
健二 吉田
高橋 亨
Toru Takahashi
亨 高橋
尾藤 三津雄
Mitsuo Bito
三津雄 尾藤
彰宏 牧野
Akihiro Makino
彰宏 牧野
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Abstract

【課題】成形体の粉末充填率Fを高め、磁性部品の初透磁率μiを高めることができる軟磁性合金、軟磁性合金粉末及び磁性部品を提供する。【解決手段】軟磁性合金は、アモルファス相領域11と、アモルファス相領域11中に分散した、結晶粒径が0.5nm以上60nm以下の第1の結晶粒12と、アモルファス相領域11中に分散した、結晶粒径が100nm以上500nm以下の第2の結晶粒13とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は軟磁性合金、この軟磁性合金を含む軟磁性合金粉末、更にはこの軟磁性合金粉末が結着材により成形された磁性部品に関する。
これまでのアモルファス合金粉末やナノ結晶合金粉末を用いた圧粉磁心は、初透磁率μiを高めることが困難であった。アモルファス合金やナノ結晶合金粉末は塑性変形の降伏応力が高く、変位も小さいため、圧粉磁心内部の隙間を埋めることが難しいためである。圧粉磁心中の空隙は圧粉磁心の初透磁率μiを著しく低下させるため初透磁率μiの限界は50程度であった。
圧粉磁心の空隙を少なくする従来技術として、図7に示すようなアモルファス合金粉末21やナノ結晶合金22を用いて圧粉磁心を構成し、アモルファス合金粉末21やナノ結晶合金22の間に銅粉末25が分散させた構造が提案されている(特許文献1参照。)。
特許文献1等に記載された発明では、アモルファス合金粉末21やナノ結晶合金22と樹脂バインダ24に微小な銅粉末25を混ぜることで、圧粉磁心の空隙率を少なくすることを目的としている。しかし、特許文献1等に記載された発明では、銅粉末25が強磁性を示さないため、軟磁性材料の粉末充填率は依然として低く、この結果、初透磁率μiが低いという問題があった。
特開2014−175580号公報
本発明は、成形体の粉末充填率Fを高めることができ、その結果として磁性部品の初透磁率μiを高めることができる軟磁性合金、この軟磁性合金を含む軟磁性合金粉末、更にはこの軟磁性合金粉末が結着材により成形された磁性部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は(a)アモルファス相領域と、(b)アモルファス相領域中に分散した結晶粒径が0.5nm以上60nm以下の第1の結晶粒と、(c)アモルファス相領域中に分散した結晶粒径が100nm以上500nm以下の第2の結晶粒を含む軟磁性合金であることを要旨とする。
本発明の第2の態様は、上記の第1の態様で述べた軟磁性合金を含む軟磁性合金粉末であることを要旨とする。
本発明の第3の態様は、上記の第2の態様で述べた軟磁性合金粉末が結着材により成形された磁性部品であることを要旨とする。
本発明によれば、成形体の粉末充填率Fを高めることができ、その結果として磁性部品の初透磁率μiを高めることができる軟磁性合金、この軟磁性合金を含む軟磁性合金粉末、更にはこの軟磁性合金粉末が結着材により成形された磁性部品を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る磁性部品の概略構造を説明する模式図である。 本発明の一実施形態に係る軟磁性合金中の第1及び第2の結晶粒の結晶粒径を、透過型電子顕微鏡(TEM)写真から求める方法を説明する図である。 回折角2θを20°から90°の範囲として一実施形態に係る軟磁性合金粉末に対し粉末X線回折測定をして得られたプロファイルの一例を説明する代表図である。 一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の回折強度は、図4に示したX線回折のピークの面積で求められることを説明する模式図である。 実施例1〜11及び比較例1〜6の試料の第1及び第2の結晶粒の結晶粒径、粉末X線回折法による回折強度比を示す一覧表である。 実施例1〜11及び比較例1〜6の試料のFe濃度、磁心充填率、初透磁率を示す一覧表である。 従来技術に係る磁性部品の概略構造を説明する模式図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
又、以下に示す一実施形態や実施例1〜11等は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態に係る軟磁性合金は、アモルファス相領域11と、アモルファス相領域11中に分散した結晶粒径が0.5nm以上60nm以下の第1の結晶粒12と、アモルファス相領域11中に分散した結晶粒径が100nm以上500nm以下の第2の結晶粒13とを含む。
なお、第1の結晶粒12の結晶粒径D1及び第2の結晶粒13の結晶粒径D2は、図2に示したような透過型電子顕微鏡(TEM)写真から求めることが可能である。具体的には、軟磁性合金のTEM写真において、任意に選択したn個(n≧30)の第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13の長径D及び短径Dを測定し、下記の式(1)を用いることにより、結晶粒径D1及びD2を算出することができる。

1,D2=Σ(D+D)/2n ……(1)
金属の機械的性質は、同じ組成の材料であっても結晶粒径によって大きく変化する。dを結晶粒径、σを結晶粒径dのときの降伏点や引張強さ、σ0を基準とする降伏点や引張強さ、kを比例定数とすると、金属の降伏点や引張強さは結晶粒径が細かくなるほど大きくなり:

σ = σ + k・d−1/2 ……(2)

と表される。式(2)に示されるホールペッチ(Hall-Petch)則によれば、金属の降伏点や引張強さは、結晶粒径の−1/2乗に比例して大きくなる。このため、本発明の一実施形態に係る軟磁性合金によれば、第1の結晶粒12の結晶粒径を0.5nm以上60nm以下として、第2の結晶粒13の結晶粒径を100nm以上500nm以下とすることで、軟磁性合金の降伏応力を制御できる。
この結果、図1に示したように、一実施形態に係る軟磁性合金を含む軟磁性合金粉末1を構成して、この軟磁性合金粉末1を結着材(バインダ)14により成形して圧粉磁心(圧粉コア)等の磁性部品を製造する際には、軟磁性合金粉末1の充填率を高めることができる。その結果、磁性部品の初透磁率μiを高めることができる。
<軟磁性合金粉末1の作製>
本発明の一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の製造に際しては、先ず、純鉄(Fe)、金属シリコン(Si)、フェロボロン(Fe−B)、りん鉄(Fe−P)、純銅(Cu)、グラファイト(C)等の原料を秤量する。そして、目的の合金組成になるように調製された原材料を、高周波誘導加熱法により、アルミナルツボの中で1400℃で溶解して溶融金属(合金溶湯)を生成する。この溶融金属を銅の金型に鋳込むことで冷却し母合金を得る。
そして、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、回転水流アトマイズ法、スプレー法、キャビテーション法、スパークエロージョン法等の各種粉末化法により一実施形態に係る軟磁性合金粉末1がそれぞれ製造される。水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、回転水流アトマイズ法等のアトマイズ法は、母合金を高周波誘導加熱装置で溶解し、母合金の溶湯をノズルから高速で噴射してできた合金溶湯の流れに冷却媒体(液体又は気体)を衝突させて、合金溶湯を微細化すると共に急冷し、金属粉末として軟磁性合金粉末1を得る方法である。
一実施形態に係る軟磁性合金粉末1をこのようなアトマイズ法によって製造することにより、極めて微小な軟磁性合金粉末1を効率よく製造することができる。又、アトマイズ法によれば、得られる軟磁性合金粉末1の粒子形状が表面張力の作用により球形状に近くなる。特に、一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の粒子断面の円形度が0.5以上であるようにすれば、軟磁性合金粉末1を用いて磁性部品を製造したときの粉末充填率Fを78vol.%以上の高い値が得られるので好ましい。すなわち、アトマイズ法によれば、粉末充填率Fを高くして、初透磁率μiの高い磁性部品を製造可能な軟磁性合金粉末1を得ることができる。
アトマイズ法のうち、水アトマイズ法を採用すれば、製造装置の大型化が可能で、合金溶湯を高圧で噴出可能であるので量産性を向上でき、又、一般的に水アトマイズ法では、アルゴンなどの不活性ガスや窒素及び空気などの各種気体を用いるガスアトマイズ法と比べて冷却速度が高いので、アモルファス化しやすい。水アトマイズ法においては、高圧の水を採用することができ、高速回転する金属ロールや金属板に合金溶湯を衝突させることにより粉末化することとしてもよい。更には、微細化と急冷とに異なる媒体を用いて実施してもよい。なお、液体急冷法により製造された急冷薄帯であると、アモルファス合金を得やすい半面、薄帯を均一微細な扁平粉に粉砕することが困難であるのでアトマイズ法を使用し、最初から球状粉末状で一実施形態に係る軟磁性合金粉末1を製造することが好適である。
図5の表に示した実施例1〜11等では、回転水流アトマイズ法(高速回転水流アトマイズ法)により軟磁性合金粉末1を作製した。回転水流アトマイズ法によれば、溶湯を極めて高速で冷却することができるので、溶融金属における無秩序な原子配置が高度に維持された状態で固化に至らせることができ、アモルファス化度の特に高い軟磁性合金粉末1を効率よく製造することができる。例えば、一実施形態に係る軟磁性合金粉末1としてFe、Si、B、P、Cu、Cを含む合金粉末が回転水流アトマイズ法により製造できる。軟磁性合金粉末1内の元素分布に関わらず、一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の組成式をFeSiCuと表したときに、平均値としての原子比換算で

79≦a≦86at.%、
5≦b≦13at.%、
0<c≦8at.%、
0<x≦10at.%、
0≦y≦5at.%、
0.4≦z≦1.4at.%、
0.08≦z/x≦1.2

を満たすことが一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の組成として好ましい。図5の表中に示した実施例1〜11等においては、粉末組成a=85.7at.%、b=9.5at.%、c=0.5at.%、x=3.5at.%、y=1at.%、z=0.8at.%、z/x=0.23として(Fe85.7Si0.5B9.5P3.5Cu0.8)99C1の軟磁性合金粉末1を作製した。
回転水流アトマイズ法では、冷却用筒体の内周面に沿って冷却液を噴出供給し、冷却用筒体の内周面に沿って旋回させることにより、内周面に冷却液層を形成する。一方、アモルファス合金の原材料を溶融し、得られた溶融金属を自然落下させつつ、これに液体又は気体のジェットを吹き付ける。これにより溶融金属が飛散させ、飛散した溶融金属は冷却液層に取り込まれる。その結果、飛散して微粉化した溶融金属が急速冷却されて固化し、軟磁性合金粉末1がそれぞれ得られる。
<熱処理工程>
次に、軟磁性合金粉末1を赤外線ランプ加熱装置にてアルゴン雰囲気中にて、第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13が析出できる温度以上で熱処理することで、図5の表中に示した実施例1〜11に示したようなサイズの第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13がアモルファス相領域11中に分散するように析出する。第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13は、結晶構造が体心立方格子を有することが好ましい。
図5に示すように、実施例1の第1の結晶粒径D1は19nmであり、実施例1〜11の中では最も小さな値である。実施例1の第2の結晶粒D2は135nmである。又、実施例2の第1の結晶粒径D1は25nm、第2の結晶粒D2は143nmであり、実施例3の第1の結晶粒径D1は27nm、第2の結晶粒D2は138nmであり、実施例4の第1の結晶粒径D1は29nm、第2の結晶粒D2は178nmであり、実施例5の第1の結晶粒径D1は24nm、第2の結晶粒D2は129nmである。実施例5の第2の結晶粒D2の値は、実施例1〜11の中では最も小さな値となっている。
図5に示すように、実施例6の第1の結晶粒径D1は33nm、第2の結晶粒D2は147nmであり、実施例7の第1の結晶粒径D1は47nm、第2の結晶粒D2は134nmである。実施例8の第1の結晶粒径D1は59nmとなり、実施例1〜11の中では最も大きな値となっている。実施例8の第2の結晶粒D2は145nmである。
実施例9の第1の結晶粒径D1は24nm、第2の結晶粒D2は153nmであり、実施例10の第1の結晶粒径D1は24nm、第2の結晶粒D2は290nmである。実施例10の第2の結晶粒D2の値は、実施例1〜11の中で2番目に大きな値となっている。実施例11の第1の結晶粒径D1は29nmであり、第2の結晶粒D2は481nmであり、実施例11の第2の結晶粒D2の値は、実施例1〜11の中では最も大きな値となっている。
図5の下段に示すように、比較例1の第1の結晶粒径D1は65nmであり、第2の結晶粒D2は533nmである。一方、比較例2の第1の結晶粒径D1は271nmであり、第2の結晶粒D2は2184nmであり、比較例2の第1の結晶粒径D1及び第2の結晶粒D2はいずれも非常に大きな値となっている。比較例3の第1の結晶粒径D1は28nm、第2の結晶粒D2は178nmである。比較例4の第1の結晶粒径D1は26nm、第2の結晶粒D2は136nmであり、比較例5の第1の結晶粒径D1は22nm、第2の結晶粒D2は123nmであり、比較例6の第1の結晶粒径D1は26nm、第2の結晶粒D2は189nmである。
<粉末X線回折>
粉末X線回折法による回折強度の解析方法を図3及び図4に示した模式図によって説明する。図3は粉末X線回折法の回折角2θを20°から90°の範囲として一実施形態に係る軟磁性合金粉末1を測定したデータの代表図である。図3に示すX線回折プロファイルの5本の各X線回折ピークからの回折強度は、図4に示すような各X線回折ピークの面積Sで求められる。なお、X線回折ピークの位置を示す回折角2θはその材質に依存し、軟磁性合金粉末1の組成や軟磁性合金粉末1を構成する相、及び高熱伝導性粉末の材質によって決定され、本発明の一実施形態に係る粉末X線回折データは図3に例示したX線回折プロファイルに限られたものではない。
X線回折ピークからの一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の回折強度は、図4に示したピークの面積で求められる。一実施形態に係る軟磁性合金粉末1のアモルファス相領域11からの回折パターンPは、粉末X線回折法の2θの凡そ40°から50°の範囲に、図4の破線で示したようなブロードなハローパターンとして測定されるが、アモルファス相領域11からの回折パターンPの回折強度は、回折パターンPの面積Iとして求められる。
一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の第1の結晶粒12と第2の結晶粒13の回折ピークP,Pは、図4に示すように回折角2θが凡そ44°から45°の範囲に測定される。の回折ピークP,Pは、ほぼ同じ回折角2θ位置に測定されるため、回折ピークPと回折ピークPを互いに分離することが困難である。回折ピークPと回折ピークPを合計した回折強度(=P+P)は、回折ピークPと回折ピークPの面積I1+I2で求められる。
回折ピークPと回折ピークPを合計した回折強度(I1+I2)の、全体の回折強度の合計Itotal=I1+I2+Iに対する回折強度比(I1+I2)/Itotalは、以下の式(3)で算出され、アモルファス相領域11からの回折パターンPの全体の回折強度の合計Itotalに対する回折強度比I/Itotalは以下の式(4)で算出される。

(I1+I2)/Itotal=(I1+I2)/(I1+I2+I) ……(3)

/Itotal=I/(I1+I2+I) ……(4)
一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の体積100%に対して、粉末X線回折法で求められる第1の結晶粒12の回折強度I1と第2の結晶粒13の回折強度I2の和(I1+I2)の、全体の回折強度の合計Itotal=I1+I2+Iに対する回折強度比(I1+I2)/Itotalが、30%〜99.9%であることが好ましい。図5では実施例1〜11に係る回折強度比(I1+I2)/Itotalが、33%〜99%であることが示されている。実施例1〜11の中で最も第2の結晶粒径D2が小さな値となっている実施例5の第2の結晶粒径D2の回折強度比(I1+I2)/Itotalが、33%と最も小さな値になっている。
第1の結晶粒径D1及び第2の結晶粒D2が、実施例1〜11に係る軟磁性合金粉末1よりも大きな比較例1及び比較例2の回折強度比(I1+I2)/Itotalは、52%〜99%であるが、第1の結晶粒径D1及び第2の結晶粒D2が実施例1〜11に係る軟磁性合金粉末1と同程度な比較例3〜6においては、回折強度比(I1+I2)/Itotalが、0%〜20%である。
粉末X線回折法で求められる一実施形態に係る軟磁性合金粉末1のアモルファス相領域11の回折強度Iの全体の回折強度の合計Itotalに対する回折強度比I/Itotalは、0.1%〜70%であることが好ましい。図5では実施例1〜11に係る回折強度比I/Itotalが、1%〜67%であることが示されている。実施例1〜11の中で最も第2の結晶粒径D2が小さな値となっている実施例5の第2の結晶粒径D2の回折強度比I/Itotalが、67%と最も大きな値になっている。
第1の結晶粒径D1及び第2の結晶粒D2が、実施例1〜11に係る軟磁性合金粉末1よりも大きな比較例1及び比較例2の回折強度比I/Itotalは、1%〜48%であるが、第1の結晶粒径D1及び第2の結晶粒D2が実施例1〜11に係る軟磁性合金粉末1と同程度な比較例3〜6においては、回折強度比I/Itotalが、80%〜100%である。
<Fe濃度の測定>
一実施形態に係る軟磁性合金粉末1の平均の鉄(Fe)濃度は、TEM測定とエネルギー分散型X線分析(EDS)とを組み合わせることにより求めることができる。具体的には、軟磁性合金粉末1のTEM写真において、任意に選択したn個(n≧5)の第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13、アモルファス相領域11のn箇所について中心位置におけるEDS測定を行い、Fe元素のカウント数及び酸素を除いた合金の主成分元素カウント数からFe濃度をat.%で算出し、その平均値を平均Fe濃度とすることができる。
一実施形態に係る軟磁性合金粉末1のアモルファス相領域11のFe濃度が第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13のFe濃度よりも少ないことが好ましい。
図6に示すように、実施例1〜11の第1の結晶粒12のFe濃度は86〜89at.%であり、実施例1〜11の第2の結晶粒13のFe濃度は82〜85at.%である。実施例1〜11の中で最も第2の結晶粒径D2が小さな値となっている実施例5の第2の第1の結晶粒12のFe濃度が89at.%で、第2の結晶粒13のFe濃度が85at.%で最も大きな値になっている。図6にから分かるように、実施例1のアモルファス相領域11のFe濃度は79at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%よりも小さい。同様に、実施例2のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%よりも小さく、実施例3のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe含有割合の83at.%よりも小さい。
更に、実施例4のアモルファス相領域11のFe濃度は79at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の82at.%よりも小さく、実施例5のアモルファス相領域11のFe濃度は83at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の85at.%よりも小さく、実施例6のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%よりも小さい。又、実施例7のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の83at.%よりも小さく、実施例8のアモルファス相領域11のFe濃度は81at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の83at.%よりも小さく、実施例9のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の83at.%よりも小さく、実施例10のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%よりも小さく、実施例11のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の83at.%よりも小さい。
図6に示すように、比較例4の第1の結晶粒12のFe濃度は測定不能であるが、比較例1〜3,5〜6の第1の結晶粒12のFe濃度は84〜90at.%であり、比較例1〜6の第2の結晶粒13のFe濃度は78〜86at.%であり、実施例1〜11の第1の結晶粒12のFe濃度合及び第2の結晶粒13のFe濃度と同程度である。しかし、比較例1のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の85at.%よりも大きい。同様に、比較例2のアモルファス相領域11のFe濃度は77at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の86at.%よりも大きく、比較例3のアモルファス相領域11のFe濃度は84at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%と等しい。更に、比較例4のアモルファス相領域11のFe濃度は84at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の84at.%と等しい。又、比較例5のアモルファス相領域11のFe濃度は80at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の79at.%よりも大きく、比較例6のアモルファス相領域11のFe濃度は79at.%であり、第2の結晶粒13のFe濃度の78at.%よりも大きい。
なお、図5の表には記載していないが、本発明の一実施形態に係る軟磁性合金粉末1のアモルファス相領域11、第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13は、原子比換算でホウ素(B)を5at.%以上含み、アモルファス相領域11のホウ素含有割合が第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13のホウ素含有割合よりも多いことが好ましい。
<磁性部品の成形>
本発明の一実施形態に係る磁性部品の製造方法は、上記のように、軟磁性合金粉末1を作製する粉末作製工程と、軟磁性合金粉末1を熱処理して軟磁性合金粉末1中に第1の結晶粒12及び第2の結晶粒13を生成する熱処理工程の後、軟磁性合金粉末1を用いて磁性部品を作製する成形工程とを含む。すなわち、一実施形態に係る磁性部品は、一実施形態に係る軟磁性合金粉末1と結着材(バインダ)14と有機溶媒とを混合し、得られた混合物を成形金型に供給するとともに、加圧・成形して得られる。
磁性部品の作製に用いられる結着材14(バインダ樹脂)の構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機材料、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の熱硬化性無機材料等が挙げられるが、図5及び図6の表中に示した実施例1〜11ではフェノール系樹脂を3ut%となるように混合し、造粒粉を得る。これらの結着材14を構成している樹脂材料は、磁性部品の製造容易性及び耐熱性を高めることができる。
又、軟磁性合金粉末1の総量に対する結着材14の割合は、作製する磁性部品の目的とする飽和磁束密度Bsや機械的特性、許容される鉄損Pcv等に応じて若干異なるが、0.5質量%以上5質量%以下程度であるのが好ましく、1質量%以上3質量%以下程度であるのがより好ましい。これにより、軟磁性合金粉末1の各粒子同士を確実に絶縁しつつ、磁性部品の密度をある程度確保して、磁性部品の飽和磁束密度Bsや初透磁率μiが著しく低下するのを防止することができる。その結果、より飽和磁束密度Bs及び初透磁率μiが高く、且つ、より低い鉄損Pcvの磁性部品が得られる。
又、結着材14を溶解させる有機溶媒としては、結着材14を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル等の各種溶媒が挙げられる。
金型からの脱型性を高めるため潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ストロンチウム等のステアリン酸金属塩が挙げられる。これらのステアリン酸金属塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて潤滑剤として用いることができる。
図5及び図6の表中に示した実施例1〜11では、いわゆるスプリングバックが小さいという観点から、ステアリン酸亜鉛を潤滑剤として用いる。潤滑剤を用いる場合には、その添加量は、好ましくは軟磁性合金粉末1の総量の100重量部に対して、0.1〜0.9重量部であり、より好ましくは軟磁性合金粉末1の総量の100重量部に対して、0.3〜0.7重量部である。潤滑剤が少なすぎると、成形後の金型からの脱型が困難となり、成形クラックが生じやすい傾向にある。
一方、潤滑剤が多すぎると、成形密度の低下を招き、初透磁率μiが減少してしまう。潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いる場合には、得られる磁性部品中の、亜鉛(Zn)の含有量が、0.004〜0.2質量%の範囲内となる、添加量を調整することが好ましい。Znの含有量が多すぎると、磁性部品としての十分な強度が得られない傾向にある傾向がある。
図5及び図6の表中に示した実施例1〜11では、乳鉢に軟磁性合金粉末1とエタノールで溶解させたフェノール樹脂を入れ、乳鉢混合により均一に混合し、フェノール系樹脂3ut%の造粒粉を得た後に、エタノールを乾燥させる。なお、金型への充填性を高めるために、粗大な凝集物を乳棒で解砕する。実施例1〜11では以下の条件で造粒粉を形成した:

合金粉末: 10g
結着材14: 0.53g
潤滑剤: 0.30g

混錬時間: 10分
乾燥温度: 100℃
溶剤揮発時間:30分
本発明の一実施形態に係る磁性部品を圧粉磁心として例示すれば、圧粉磁心の形状としては、トロイダル型、FT型、ET型、EI型、UU型、EE型、EER型、UI型、ドラム型、ポット型、カップ型等が例示できる。図5及び図6の表中に示した実施例1〜11及び比較例1〜3では、トロイダル型の圧粉磁心を製造した。このため、上記の造粒粉を内径8mm,外径13mm,高さ3mmのトロイダル形状の金型に充填し、油圧ハンドプレス装置で1.5GPaの圧力を加えることで圧粉磁心の形状に成形し、磁心厚さ3.5mmの成形体を得た。
次に、得られた成形体を加熱することにより、結着材14を硬化させ、圧粉磁心を得る。このとき、加熱温度は、結着材14の組成等に応じて若干異なるものの、結着材14が有機材料で構成されている場合、好ましくは100℃以上500℃以下程度とされ、より好ましくは120℃以上250℃以下程度とされる。図5及び図6の表中に示した実施例1〜11では加熱温度160℃とした。又、加熱時間は、加熱温度に応じて異なるものの、0.5時間以上5時間以下程度とされるが、図5及び図6の表中に示した実施例1〜11では加熱時間1時間とした。
<充填特性の測定>
本発明の一実施形態に係る圧粉磁心の粉末充填率F(単位:vol.%)は、次の方法で測定する。先ず、圧縮成形に供される、軟磁性合金粉末1及び結着材14を有する造粒粉の組成から、造粒粉中の軟磁性合金粉末1の含有量C(単位:質量%)を求める。次に、熱処理前の成形体の質量W(単位:g)を測定し、熱処理前の成形体に含有される軟磁性合金粉末1の質量W(単位:g)を以下の式(5)から求めることができる:

=W×C/100 ……(5)
次に、熱処理後の成形体の体積V(単位:cm3)を求める。例えば、成形体がトロイダル型の形状を有している場合は:

={(外径/2)−(内径/2)}×π×高さ ……(6)

として求められる。ここで、外径、内径及び高さはいずれも熱処理後の成形体の測定値(単位:cm)である。式(5)から求められるW及び式(6)から求められるV並びに軟磁性合金粉末1の真比重ρ(単位:g/cm3)に基づき、熱処理後の成形体の粉末充填率F(単位:vol.%)は式(7)により求められる。

F=W/V/ρ×100 ……(7)
図6から分かるように、実施例1〜11に係る圧粉磁心の粉末充填率Fは78〜79vol.%である。一方、比較例1及び2に係る圧粉磁心の粉末充填率Fはそれぞれ81vol.%及び84vol.%と実施例1〜11に係る圧粉磁心の粉末充填率Fよりも大きな値であるのに対し、比較例3〜6の粉末充填率Fは75〜76vol.%で、実施例1〜11に係る圧粉磁心の粉末充填率Fよりも小さい。
<磁気的特性の測定>
図6には、実施例1〜11に係る圧粉磁心に導電性部材を巻き、初透磁率(複素比透磁率の実数部)μiを測定した結果を示している。初透磁率μiは、実施例1〜11に係る圧粉磁心に直径0.3mmの被覆銅線を導電性部材として巻きつけてコイル部品を作製した後に測定している。被覆銅線による一次巻き線と二次巻き線の巻き数は32ターンであった。アジレント(Agilent)テクノロジー株式会社製のインピーダンスアナライザ4294Aを用いて、測定周波数100kHzにおけるコイル部品のインダクタを測定し、実施例1〜11に係る成形体の寸法を用いて初透磁率μiを算出した。
図6から分かるように、比較例1〜6に係る圧粉磁心の初透磁率μiは28〜31であるのに対し、実施例1〜11に係る圧粉磁心の初透磁率μiは32〜37であり、本発明の一実施形態に係る圧粉磁心の初透磁率μiが向上していることが分かる。これは、実施例1〜11に係る圧粉磁心の粉末充填率Fが、比較例3〜6の粉末充填率Fよりも大きな値となっていることに起因していると考えられる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は一実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の一実施形態の説明では圧粉磁心を本発明の磁性部品と一つとして例示し、圧粉磁心に導電性部材を巻きつけたコイル部品について説明したが、本発明の実施形態に係る磁性部品は圧粉磁心や圧粉磁心を用いたコイル部位品に限定されるものではない。本発明は、リアクトル、トランス、インダクタ、モータ、ノイズフィルタ等ノイズ関連、チョークコイルなどの磁力を利用する各種の磁性部品に適用可能である。
本発明の実施例1〜11等では、磁性部材である圧粉磁心(圧粉コア)とコイル状の形状を有する導電性部材とを備える構造を説明したが、本発明の実施形態に係る磁性部材は磁性シートでもよい。他の磁性部品の例としての磁性シートには、両面テープなど他の固定用部材等が含まれていてもよい。又、磁性部材の成形体の内部にコイルが埋設されている構造であっても構わない。導電性部材は、磁性部材の内部に埋設可能であれば、その形状及び組成は限定されない。
本発明の実施形態に係る磁性部品を備えることにより、本発明の実施形態に係る電気・電子機器を構成できる。本発明の実施形態に係る磁性部品がインダクタンス素子からなる場合には、このインダクタンス素子が実装された機器が本発明の実施形態に係る電気・電子機器に対応し、本発明の実施形態に係る磁性部品が磁性シートからなる場合には、この磁性シートが、例えば筐体や基板に貼付された機器が、本発明の実施形態に係る電気・電子機器に対応する。具体的には、スイッチング電源、電圧昇降回路、平滑回路等を備えた電源装置、インバータ装置、ノート型パソコンや携帯電話等の小型情報機器、薄型CRT、フラットパネルディスプレイなどが、本発明の実施形態に係る電気・電子機器として例示される。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
磁気部品を製造する産業分野や、この磁性部品を用いたノート型パソコン、小型携帯機器、薄型ディスプレイなどの電気・電子機器の製造の技術分野に利用可能である。
1…軟磁性合金粉末
11…アモルファス相領域
12…第1の結晶粒
13…第2の結晶粒
14…結着材
21…アモルファス合金粉末
22…ナノ結晶合金
24…樹脂バインダ
25…銅粉末
3ut…フェノール系樹脂

Claims (10)

  1. アモルファス相領域と、
    前記アモルファス相領域中に分散した、結晶粒径が0.5nm以上60nm以下の第1の結晶粒と、
    前記アモルファス相領域中に分散した、結晶粒径が100nm以上500nm以下の第2の結晶粒と、
    を含むことを特徴とする軟磁性合金。
  2. 前記軟磁性合金の体積100%に対して、粉末X線回折法で求められる前記第1の結晶粒の回折強度I1と前記第2の結晶粒の回折強度I2の和(I1+I2)の、全体の回折強度の合計Itotalに対する回折強度比(I1+I2)/Itotalが、30%〜99.9%であることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性合金。
  3. 前記アモルファス相領域、前記第1の結晶粒及び前記第2の結晶粒は、それぞれ鉄(Fe)を含み、前記アモルファス相領域のFe濃度が前記第1の結晶粒及び前記第2の結晶粒のFe濃度よりも少ないことを特徴とする請求項1又は2に記載の軟磁性合金。
  4. 前記アモルファス相領域、前記第1の結晶粒及び前記第2の結晶粒は、ホウ素(B)を含み、前記アモルファス相領域のホウ素含有割合が前記第1の結晶粒及び前記第2の結晶粒のホウ素含有割合よりも多いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟磁性合金。
  5. 前記第1の結晶粒の結晶構造が体心立方格子を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟磁性合金。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記軟磁性合金を含むことを特徴とする軟磁性合金粉末。
  7. 粉末X線回折法で求められる前記アモルファス相領域の回折強度Iの全体の回折強度の合計Itotalに対する回折強度比I/Itotalが、0.1%〜70%であることを特徴とする請求項6に記載の軟磁性合金粉末。
  8. 前記軟磁性合金粉末の粒子断面の円形度が0.5以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の軟磁性合金粉末。
  9. 前記軟磁性合金粉末は、前記アモルファス相領域、前記第1の結晶粒及び前記第2の結晶粒の集合体の全体としてFe、Si、B、P、Cu、Cを含み、FeSiCuの組成式で表したときに、平均値としての原子比換算で79≦a≦86at%、5≦b≦13at%、0<c≦8at%、0<x≦10at%、0≦y≦5at%、0.4≦z≦1.4at%、及び0.08≦z/x≦1.2の条件を満たすことを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の軟磁性合金粉末。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の前記軟磁性合金粉末が結着材により成形されたことを特徴とする磁性部品。
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JP2020070468A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 Tdk株式会社 軟磁性合金粉末、圧粉磁心、磁性部品および電子機器
WO2021132254A1 (ja) * 2019-12-25 2021-07-01 株式会社東北マグネットインスティテュート ナノ結晶軟磁性合金
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