JP2018070935A - ナノ結晶合金粉末及び磁性部品 - Google Patents

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Kenji Yoshida
健二 吉田
高橋 亨
Toru Takahashi
亨 高橋
尾藤 三津雄
Mitsuo Bito
三津雄 尾藤
彰宏 牧野
Akihiro Makino
彰宏 牧野
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Abstract

【課題】ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなることを防ぎ、粉末全体としての保磁力を小さくして、磁性部品を成形した場合には、磁性部品の鉄損を小さくすることができるナノ結晶合金粉末及び磁性部品を提供する。【解決手段】ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15〜21nmのα−Feナノ結晶子12vが島状に分散した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ10μm〜20μmの範囲内に複数の第1粉末が分布した第1の粉末群と、母相11中に平均結晶子サイズが20nm〜26nmのα−Feナノ結晶子12wが島状に分散した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ20μm〜30μmの範囲内に複数の第2粉末が分布した第2の粉末群を含む。【選択図】図1

Description

本発明はナノ結晶合金粉末及びこのナノ結晶合金粉末を結着材により成形した磁性部品に関する。
従来のナノ結晶合金粉末を用いた圧粉コアは、高周波励磁される場合において発生する渦電流により鉄損が増大することを防ぐため、合金粉末表面にシリコン酸化膜(SiO),酸化マグネシウム(MgO),アルミナ(Al)などの粉末で絶縁層を形成し、鉄損を低減させる技術が提案されている(特許文献1参照。)。しかし、特許文献1等に記載された圧粉コアに用いられているナノ結晶合金粉末の表面に形成されている絶縁層は磁性を示さないため、圧粉コアの軟磁性材料の体積割合が低いという問題があった。
更に、図7に従来技術に係るナノ結晶合金粉末を比較例1〜3の一覧表として示したように、従来のナノ結晶合金粉末においては、ヘテロアモルファスからなる母相中に分散した結晶子サイズが、ナノ結晶粉末の粒径(粉末サイズ)により、大きく異なっていた。図7の表の左側に中括弧({)にて、比較例に係る第1の粉末群(s)、比較例に係る第2の粉末群(t)及び比較例に係る第3の粉末群(r)を示した。
図7の中央の段に示した比較例に係る第1の粉末群(s)は11.4〜19.8μmの範囲で、比較例1、比較例2及び比較例3のそれぞれにおいて、それぞれ5種の粉末サイズ(粒径)を有している。図7の下方の段に示した比較例に係る第2の粉末群(t)は21.1〜29.7μmの範囲で、比較例1、比較例2及び比較例3のそれぞれにおいて、それぞれ5種の粉末サイズを有している。そして、図7の上方の段に示した比較例に係る第3の粉末群(r)は1.2〜9.9μmの範囲で、比較例1、比較例2及び比較例3のそれぞれにおいて、それぞれ5種の粉末サイズを有している。
図7に示すように、従来技術である比較例に係る第1の粉末群(s)ではナノ結晶子の平均結晶子サイズが、20.4〜30.7nmの範囲でばらついており、比較例に係る第2の粉末群(t)ではナノ結晶子の平均結晶子サイズが、30.3〜41nmの範囲でばらついている。比較例に係る第3の粉末群(r)では、ナノ結晶子の平均結晶子サイズが、10.7〜20.3nmも範囲でばらついている。
図7の一覧表から分かるように、中程度の粉末サイズの比較例に係る第1の粉末群(s)、粉末サイズの大きな比較例に係る第2の粉末群(t)及び粉末サイズの小さな比較例に係る第3の粉末群(r)とでは、ナノ結晶合金粉末の表面近傍におけるナノ結晶子サイズDと、ナノ結晶合金粉末の中心近傍におけるナノ結晶子サイズDの平均結晶子サイズ比D/Dが異なる。比較例に係る第3の粉末群(r)のように、ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが小さいと、この平均結晶子サイズ比D/Dが小さく、平均粒径も比較的小さくすることができていたが、比較例に係る第1の粉末群(s)、第2の粉末群(t)と粉末サイズが大きくなる程、この平均結晶子サイズ比D/Dは大きくなる。
この結果、従来のナノ結晶合金粉末においては、ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなってしまっていた。更に、ナノ結晶子の平均結晶子サイズが大きいナノ結晶粉末が多く存在することにより、粉末全体としての保磁力が大きくなり、圧粉コアを成形した場合には、圧粉コアの鉄損が大きくなってしまっていた。
特開2016−27656号公報
本発明は、ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなることを防ぎ、粉末全体としての保磁力を小さくして、磁性部品を成形した場合には、磁性部品の鉄損を小さくすることができるナノ結晶合金粉末及びこのナノ結晶合金粉末を結着材により成形した磁性部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は(a)ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15〜21nmのα−Feナノ結晶子12が分散した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ10μm〜20μmの範囲内に複数の第1粉末が分布した第1の粉末群と、(b)ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが20nm〜26nmのα−Feナノ結晶子12が分散した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ20μm〜30μmの範囲内に複数の第2粉末が分布した第2の粉末群とのうち少なくともいずれかを含むナノ結晶合金粉末であることを要旨とする。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様で述べた第1、第2及び第2の粉末群の少なくともいずれかを含むナノ結晶合金粉末が結着材により成形された磁性部品であることを要旨とする。
本発明によれば、ナノ結晶子の平均結晶子サイズの分布をサイズの小さい範囲に納め、
ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなることを防ぐことにより、粉末全体としての保磁力を小さくして、磁性部品を成形した場合には、磁性部品の鉄損を小さくすることができるナノ結晶合金粉末及びこのナノ結晶合金粉末を結着材により成形した磁性部品を提供することができる。
図1(a)は本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末のヘテロアモルファスからなる母相中にα−Feナノ結晶子が島状に分散した島状組織の平面構造の概略を説明する模式図で、図1(b)は、α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズD(r)が粉末の表面近傍における平均結晶子サイズD=D(r=0)を最大値として、表面からの距離rに依存して次第に減少することを説明する模式図である。 実施例1〜3に係る第1〜第3粉末について、粉末サイズ、平均結晶子サイズ、平均結晶子サイズ比D/Dを、それぞれ説明する一覧表である。 α−Feナノ結晶子の「平均結晶子サイズ」を算出する際に用いられる、α−Feナノ結晶子の長径Dと短径Dを定義する透過型電子顕微鏡(TEM)写真の一例である。 図2の表に記載されたデータを基礎として、実施例1〜3に係る第1〜第3粉末について、粉末サイズと平均結晶子サイズとの関係を示したグラフである。 図2の表に記載されたデータを基礎として、実施例1〜3に係る第1〜第3粉末について、粉末サイズと平均結晶子サイズ比D/Dとの関係を示したグラフである。 図6(a)は本発明の比較例に係るナノ結晶合金粉末のヘテロアモルファスからなる母相中にα−Feナノ結晶子が分散した平面構造の概略を説明する模式図で、図6(b)は、比較例に係るナノ結晶合金粉末において、α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズD(r)が粉末の表面近傍における平均結晶子サイズD=D(r=0)を最大値として、表面からの距離rに依存して次第に減少することを説明する模式図である。 比較例1〜3に係る比較第1粉末〜比較第3粉末について、粉末サイズ、平均結晶子サイズ、平均結晶子サイズ比D/Dを、それぞれ説明する一覧表である。 図7の表に記載されたデータを基礎として、比較例1〜3に係る比較第1粉末〜比較第3粉末について、粉末サイズと平均結晶子サイズとの関係を示したグラフである。 図7の表に記載されたデータを基礎として、比較例1〜3に係る比較第1粉末〜比較第3粉末について、粉末サイズと平均結晶子サイズ比D/Dとの関係を示したグラフである。
次に、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、平均結晶子サイズを測定する粉末を、走査型電子顕微鏡(SEM)で事前に観察し、最も大きい径となる部分の長さを「粉末サイズ」と定義している。
又、以下に示す一実施形態や実施例1〜3等は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末は、以下の第1の粉末群、第2の粉末群のうち少なくともいずれかを含む:

(イ) 図1(a)に示したようにヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15〜21nmのα−Feナノ結晶子12vが島状に分散した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ10μm〜20μmの範囲内に複数の第1粉末が分布した第1の粉末群
(ロ) ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが20nm〜26nmのα−Feナノ結晶子12wが島状に分散した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ20μm〜30μmの範囲内に複数の第2粉末が分布した第2の粉末群
「少なくともいずれか」であるから、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末は第1の粉末群、第2の粉末群のいずれか一方のみが含まれる粉末であってもよく、第1の粉末群と第2の粉末群の両方の合金粉末を含んだ粉末であってもよい。第1粉末中のα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズが15〜21nmということは、実際のα−Feナノ結晶子12vの結晶子サイズは、1〜50nm程度の範囲に分布していても構わない。同様に、第2粉末中のα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズが20〜26nmということは、実際のα−Feナノ結晶子12wの結晶子サイズは、1〜60nm程度の範囲に分布していても構わない。
更に、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末は、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが10〜16nmのα−Feナノ結晶子12uが島状に分散した第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1μm〜10μmの範囲内に複数の第3粉末が分布した第3の粉末群が含まれていてもよい。第3の粉末群が含まれる一実施形態に係るナノ結晶合金粉末は、第3の粉末群と第1の粉末群の組み合わせ、第2の粉末群と第3の粉末群の組み合わせでもよく、第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群のすべてを含んでもよい。第3粉末中のα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズが10〜16nmということは、実際のα−Feナノ結晶子12uの結晶子サイズは、0.5〜40nm程度の範囲に分布していても構わない。更に、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末は、α−Feナノ結晶子を含まないヘテロアモルファスを材料とするアモルファス合金粉末が含まれていてもよい。
図1(b)の破線の曲線(v)で示したように第1粉末に含まれているα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズD(r)は、第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、第1粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい傾向になっている。第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDの、第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDに対する比D/Dが1.25〜1.5であることが好ましい。
なお、α−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズD,Dは、図3に示したような透過型電子顕微鏡(TEM)写真から求めることが可能である。具体的には、軟磁性粉末1のTEM写真において、任意に選択したn個(n≧30)のα−Feナノ結晶子12vの長径D及び短径Dを測定し、下記の式(1)を用いることにより算出することができる。

,D=Σ(D+D)/2n ……(1)
又、図1(b)に一点鎖線で表現した曲線(w)で示したように、第2粉末に含まれているα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズD(r)は、第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、第2粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい傾向になっている。第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDの、第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDに対する比D/Dが1.45〜1.7であることが好ましい。
更に、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末に第3の粉末群が含まれる場合、図1(b)に実線で表現した曲線(u)で示したように、第3粉末に含まれているα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズD(r)は、第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、第3粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい傾向になっている。第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDの、第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDに対する比D/Dは1.1〜1.3であることが好ましい。
ここで、 図6(a)に示したような、(イ)ヘテロアモルファスからなる母相21中に平均結晶子サイズが20〜30nmのα−Feナノ結晶子22sが分散した比較例に係る、比較第1粉末の集合体であって、粉末サイズ10μm〜20μmの範囲内に複数の比較第1粉末が分布した比較例の第1の粉末群、(ロ)ヘテロアモルファスからなる母相21中に平均結晶子サイズが30nm〜40nmのα−Feナノ結晶子22tが分散した比較例に係る、比較第2粉末の集合体であって、粉末サイズ20μm〜30μmの範囲内に複数の比較第2粉末が分布した比較例の第2の粉末群、及び(ハ)ヘテロアモルファスからなる母相21中に平均結晶子サイズが10〜20nmのα−Feナノ結晶子22rが分散した比較例に係る、比較第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1μm〜10μmの範囲内に複数の比較第3粉末が分布した比較例の第3の粉末群を含む比較例に係るナノ結晶合金粉末を検討してみる。
図6(a)において、比較第1粉末中のα−Feナノ結晶子22sの平均結晶子サイズが20〜30nmということは、実際のα−Feナノ結晶子22sの結晶子サイズは、1〜60nm程度の範囲に分布していることに対応する。同様に、比較第2粉末中のα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズが30〜40nmということは、実際のα−Feナノ結晶子22tの結晶子サイズは、1〜80nm程度の範囲に分布していることに対応する。又、比較第3粉末中のα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズが10〜20nmということは、実際のα−Feナノ結晶子22rの結晶子サイズは、0.5〜40nm程度の範囲に分布していることに対応する。
図6(b)の破線の曲線(s)で示したように比較例に係る比較第1粉末に含まれているα−Feナノ結晶子22sの平均結晶子サイズD(r)は、比較第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22sの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、比較第1粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、比較第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子22sの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい。比較第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22sの平均結晶子サイズDの、比較第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12の平均結晶子サイズDに対する比D/Dは1.4〜1.9であり、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の第1の粉末よりも大きな値となっている。
又、図6(b)に一点鎖線で表現した曲線(t)で示したように比較例に係る比較第2粉末に含まれているα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズD(r)は、比較第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、比較第2粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、比較第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい。比較第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズDの、比較第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子22tの平均結晶子サイズDに対する比D/Dは1.9〜2.5であり、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の第2の粉末よりも大きな値となっている。
図6(b)に実線で表現した曲線(r)で示したように、比較例に係る比較第3粉末に含まれているα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズD(r)は、比較第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズD=D(r=0)が最も大きく、比較第3粉末の表面からの距離rに依存して平均結晶子サイズD(r)が次第に減少し、比較第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズD=D(r=r)が最も小さい。比較第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズDの、比較第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子22rの平均結晶子サイズDに対する比D/Dは1.1〜1.4であり、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の第3の粉末と同程度の値である。
図1(b)と比較例に係る図6(b)に示された曲線の分布を比較すれば分かるように、本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末によれば、表面近傍におけるα−Feナノ結晶子のサイズDと中心近傍におけるα−Feナノ結晶子のサイズDの比D/Dの、粒径による違いを小さくすることができる。その結果、本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末によれば、ナノ結晶粉末の粒径の分布による平均結晶子サイズの違いが小さい粉末集合体を得ることができる。
<ナノ結晶合金粉末の作製>
本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の製造に際しては、先ず、純鉄(Fe)、金属シリコン(Si)、フェロボロン(Fe−B)、りん鉄(Fe−P)、純銅(Cu)、グラファイト(C)等の原料を秤量する。そして、目的の合金組成になるように調製された原材料を、高周波誘導加熱法により、アルミナルツボの中で1400℃で溶解して溶融金属(合金溶湯)を生成する。この溶融金属を銅の金型に鋳込むことで冷却し母合金を得る。
そして、例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、回転水流アトマイズ法、スプレー法、キャビテーション法、スパークエロージョン法等の各種粉末化法により一実施形態に係るナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末がそれぞれ製造される。水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、回転水流アトマイズ法等のアトマイズ法は、母合金を高周波誘導加熱装置で溶解し、母合金の溶湯をノズルから高速で噴射してできた合金溶湯の流れに冷却媒体(液体又は気体)を衝突させて、合金溶湯を微細化すると共に急冷し、金属粉末としてナノ結晶合金粉末を得る方法である。
一実施形態に係るナノ結晶合金粉末をこのようなアトマイズ法によって製造することにより、極めて微小な第1粉末、第2粉末及び第3粉末を効率よく製造することができる。又、アトマイズ法によれば、得られる第1粉末、第2粉末及び第3粉末の粒子形状が表面張力の作用により球形状に近くなる。このため、ナノ結晶合金粉末を用いて磁性部品を製造したとき充填率の高いものが得られる。すなわち、アトマイズ法によれば、透磁率μ及び飽和磁束密度Bsが高い磁性部品を製造可能なナノ結晶合金粉末を得ることができる。
アトマイズ法のうち、水アトマイズ法を採用すれば、製造装置の大型化が可能で、合金溶湯を高圧で噴出可能であるので量産性を向上でき、又、一般的に水アトマイズ法では、アルゴンなどの不活性ガスや窒素及び空気などの各種気体を用いるガスアトマイズ法と比べて冷却速度が高いので、アモルファス化しやすい。水アトマイズ法においては、高圧の水を採用することができ、高速回転する金属ロールや金属板に合金溶湯を衝突させることにより粉末化することとしてもよい。更には、微細化と急冷とに異なる媒体を用いて実施してもよい。なお、液体急冷法により製造された急冷薄帯であると、アモルファス合金を得やすい半面、薄帯を均一微細な扁平粉に粉砕することが困難であるのでアトマイズ法を使用し、最初から球状粉末状で一実施形態に係るナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末を製造することが好適である。
図2の表に示した実施例1〜3等では、回転水流アトマイズ法(高速回転水流アトマイズ法)によりナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末を作製した。回転水流アトマイズ法によれば、溶湯を極めて高速で冷却することができるので、溶融金属における無秩序な原子配置が高度に維持された状態で固化に至らせることができ、アモルファス化度の特に高い第1粉末、第2粉末及び第3粉末を効率よく製造することができる。
例えば、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末としてFe、Si、B、P、Cu、Cを含む合金粉末が回転水流アトマイズ法により製造できる。ナノ結晶合金粉末内の元素分布に関わらず、一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の第1、第2及び第3粉末の組成式をFeSiCuと表したときに、平均値としての原子比換算で、

79≦a≦86at.%、
5≦b≦13at.%、
0<c≦8at.%、
0<x≦10at.%、
0≦y≦5at.%、
0.4≦z≦1.4at.%、
0.08≦z/x≦1.2

を満たすことが一実施形態に係るナノ結晶合金粉末の第1、第2及び第3粉末として好ましい。図2の表中に示した実施例1〜3等においては、粉末組成a=85.7at.%、b=9.5at.%、c=0.5at.%、x=3.5at.%、y=1at.%、z=0.8at.%、z/x=0.23として(Fe85.7Si0.59.53.5Cu0.899の第1粉末、第2粉末及び第3粉末を作製した。
回転水流アトマイズ法では、冷却用筒体の内周面に沿って冷却液を噴出供給し、冷却用筒体の内周面に沿って旋回させることにより、内周面に冷却液層を形成する。一方、アモルファス合金の原材料を溶融し、得られた溶融金属を自然落下させつつ、これに液体又は気体のジェットを吹き付ける。これにより溶融金属が飛散させ、飛散した溶融金属は冷却液層に取り込まれる。その結果、飛散して微粉化した溶融金属が急速冷却されて固化し、ナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末がそれぞれ得られる。
<熱処理工程>
これらの軟磁性合金粉末を赤外線ランプ加熱装置にてアルゴン雰囲気中にて、α−Feナノ結晶子が析出できる温度以上で熱処理することで、図2の表中に示した実施例1では、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15.9〜20.7nmのα−Feナノ結晶子12vが分散するように析出した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ11.2μm〜19.7μmの範囲内に5種類の第1粉末が分布した第1の粉末群(v)、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが19.3nm〜25.4nmのα−Feナノ結晶子12wが分散するように析出した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ21.4μm〜29.6μmの範囲内に5種類の第2粉末が分布した第2の粉末群(w)、更には、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが10.6〜15.3nmのα−Feナノ結晶子12uが分散するように析出した第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1.6μm〜9.7μmの範囲内に5種類の第3粉末が分布した第3の粉末群(u)が含まれた構造が実現できる。図2の表の左側に中括弧({)にて、それぞれ5種の粉末サイズを有する第1の粉末群(v)、第2の粉末群(w)及び第3の粉末群(u)を示した。
同様に、α−Feナノ結晶子が析出できる温度以上で熱処理することで、図2の表中に記載した実施例2では、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15.1〜19.1nmのα−Feナノ結晶子12vが分散するように析出した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ11.4μm〜19.6μmの範囲内に5種類の第1粉末が分布した第1の粉末群(v)、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが19.6nm〜25.1nmのα−Feナノ結晶子12wが分散するように析出した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ21.2μm〜29.8μmの範囲内に5種類の第2粉末が分布した第2の粉末群(w)、更には、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが12.8〜14.8nmのα−Feナノ結晶子12uが分散するように析出した第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1.3μm〜9.9μmの範囲内に5種類の第3粉末が分布した第3の粉末群(u)が含まれた構造が実現できる。
図2の表中に示した実施例3では、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが15.5〜19.8nmのα−Feナノ結晶子12vが分散するように析出した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ11.2μm〜19.4μmの範囲内に5種類の第1粉末が分布した第1の粉末群(v)、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが22.1nm〜24.9nmのα−Feナノ結晶子12wが分散するように析出した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ21.6μm〜29.8μmの範囲内に5種類の第2粉末が分布した第2の粉末群(w)、更には、ヘテロアモルファスからなる母相11中に平均結晶子サイズが11.5〜14.6nmのα−Feナノ結晶子12uが分散するように析出した第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1.2μm〜9.5μmの範囲内に5種類の第3粉末が分布した第3の粉末群(u)が含まれた構造が実現できる。
図2の表に記載されたデータを基礎として、横軸の粉末サイズと縦軸の平均結晶子サイズとの関係を示したグラフが図4である。図4において白抜きの四角(□)が実施例1の平均結晶子サイズを示し、白抜きの三角(△)が実施例2の平均結晶子サイズを示し、白抜きの丸(○)が実施例3の平均結晶子サイズを示す。図4から、粉末サイズ1.2μm〜29.8μmの範囲において、平均結晶子サイズが10.6nm〜25.4nmの狭い範囲に収まっていることが分かる。
又、図2によれば、実施例1に係る第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDの、第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第1粉末の粉末サイズに対して 1.3,1.35,1.42,1.41,1.48となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.3〜1.48の範囲であることが分かる。又、実施例1に係る第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDの、第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第2粉末の粉末サイズに対して1.47,1.54,1.63,1.66,1.68となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.47〜1.68の範囲である。更に、実施例1に係る第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDの、第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第3粉末の粉末サイズに対して1.12,1.15,1.23,1.27,1.28となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.12〜1.28の範囲である。
図2の表中に記載した実施例2に係る第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDの、第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第1粉末の粉末サイズに対して1.26,1.41,1.39,1.47,1.46となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.26〜1.46の範囲である。又、実施例2に係る第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDの、第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第2粉末の粉末サイズに対して1.55,1.53,1.61,1.63,1.69となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.55〜1.69の範囲である。更に、実施例2に係る第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDの、第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第3粉末の粉末サイズに対して1.11,1.17,1.24,1.26,1.3となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.11〜1.3の範囲である。
実施例3に係る第1粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDの、第1粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12vの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第1粉末の粉末サイズに対して1.32,1.39,1.46,1.44,1.49となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.32〜1.49の範囲である。実施例3に係る第2粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDの、第2粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12wの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第2粉末の粉末サイズに対して1.51,1.57,1.59,1.68,1.67となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.51〜1.67の範囲である。そして、実施例3に係る第3粉末の表面近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDの、第3粉末の中心近傍におけるα−Feナノ結晶子12uの平均結晶子サイズDに対する平均結晶子サイズ比D/Dは、5種類の第3粉末の粉末サイズに対して1.13,1.21,1.26,1.24,1.27となっており、平均結晶子サイズ比D/Dは1.13〜1.27の範囲である。
図2の表に記載されたデータを基礎として、横軸の粉末サイズと縦軸の平均結晶子サイズ比D/Dとの関係を示したグラフが図5である。図5において白抜きの四角(□)が実施例1の平均結晶子サイズ比D/Dを示し、白抜きの三角(△)が実施例2の平均結晶子サイズ比D/Dを示し、白抜きの丸(○)が実施例3の平均結晶子サイズ比D/Dを示す。図5から、粉末サイズ1.2μm〜29.8μmの範囲において、平均結晶子サイズ比D/Dが1.11〜1.69の狭い範囲に収まっていることが分かる。
図7の表に記載された比較例1,比較例2及び比較例3のデータから、横軸の粉末サイズと縦軸の平均結晶子サイズとの関係を示したグラフが図8である。図8において白抜きの四角(□)が比較例1の平均結晶子サイズを示し、白抜きの三角(△)が比較例2の平均結晶子サイズを示し、白抜きの丸(○)が比較例3の平均結晶子サイズを示す。図8から、粉末サイズ1.2μm〜29.7μmの範囲において、比較例1,比較例2及び比較例3に係る平均結晶子サイズが10.7nm〜41nmの広い範囲でばらついていることは、冒頭で既に説明したとおりである。
図7の表に記載された比較例1,比較例2及び比較例3のデータを基礎として、横軸の粉末サイズと縦軸の平均結晶子サイズ比D/Dとの関係を示したグラフが図9である。図9において白抜きの四角(□)が比較例1の平均結晶子サイズ比D/Dを示し、白抜きの三角(△)が比較例2の平均結晶子サイズ比D/Dを示し、白抜きの丸(○)が比較例3の平均結晶子サイズ比D/Dを示す。図9から、粉末サイズ1.2μm〜29.7μmの範囲において、比較例1,比較例2及び比較例3に係る平均結晶子サイズ比D/Dが1.14〜2.54の広い範囲でばらついていることが分かる。
以上のとおり、本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末によれば、ナノ結晶子の平均結晶子サイズの分布を、図4に示したような平均結晶子サイズの小さい範囲に納め、ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなることを防ぐことができる。
<磁性部品の成形>
本発明の一実施形態に係る磁性部品の製造方法は、上記のように、ナノ結晶合金粉末に含まれる第1の粉末群、第2の粉末群及び第3の粉末群の集合をそれぞれ構成する第1粉末、第2粉末及び第3粉末を作製する粉末作製工程と、ナノ結晶合金粉末とグラファイトの粉末の混合粉末を熱処理してナノ結晶合金粉末中にα―Feのナノ結晶相を生成する熱処理工程の後、混合粉末を用いて磁性部品を作製する成形工程とを含む。すなわち、一実施形態に係る磁性部品は、一実施形態に係る第1粉末、第2粉末及び第3粉末と結着材(バインダ)と有機溶媒とを混合し、得られた混合物を成形金型に供給するとともに、加圧・成形して得られる。
磁性部品の作製に用いられる結着材(バインダ樹脂)の構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機材料、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の熱硬化性無機材料等が挙げられるが、図2の表中に示した実施例1〜3ではフェノール系樹脂を3ut%となるように混合し、造粒粉を得る。これらの結着材樹脂材料は、磁性部品の製造容易性及び耐熱性を高めることができる。
又、第1粉末、第2粉末及び第3粉末の総量に対する結着材の割合は、作製する磁性部品の目的とする飽和磁束密度Bsや機械的特性、許容される鉄損Pcv等に応じて若干異なるが、0.5質量%以上5質量%以下程度であるのが好ましく、1質量%以上3質量%以下程度であるのがより好ましい。これにより、第1粉末、第2粉末及び第3粉末の各粒子同士を確実に絶縁しつつ、磁性部品の密度をある程度確保して、磁性部品の飽和磁束密度Bsや透磁率μが著しく低下するのを防止することができる。その結果、より飽和磁束密度Bs及び透磁率μが高く、且つ、より低い鉄損Pcvの磁性部品が得られる。
又、結着材を溶解させる有機溶媒としては、結着材を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル等の各種溶媒が挙げられる。
金型からの脱型性を高めるため潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びステアリン酸ストロンチウム等のステアリン酸金属塩が挙げられる。これらのステアリン酸金属塩は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて潤滑剤として用いることができる。
図2の表中に示した実施例1〜3では、いわゆるスプリングバックが小さいという観点から、ステアリン酸亜鉛を潤滑剤として用いる。潤滑剤を用いる場合には、その添加量は、好ましくは第1粉末、第2粉末及び第3粉末の総量の100重量部に対して、0.1〜0.9重量部であり、より好ましくは第1粉末、第2粉末及び第3粉末の総量の100重量部に対して、0.3〜0.7重量部である。潤滑剤が少なすぎると、成形後の金型からの脱型が困難となり、成形クラックが生じやすい傾向にある。
一方、潤滑剤が多すぎると、成形密度の低下を招き、透磁率μが減少してしまう。潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いる場合には、得られる磁性部品中の、亜鉛(Zn)の含有量が、0.004〜0.2質量%の範囲内となる、添加量を調整することが好ましい。Znの含有量が多すぎると、磁性部品としての十分な強度が得られない傾向にある傾向がある。
図2の表中に示した実施例1〜3では、乳鉢に第1粉末、第2粉末及び第3粉末とエタノールで溶解させたフェノール樹脂を入れ、乳鉢混合により均一に混合し、フェノール系樹脂3ut%の造粒粉を得た後に、エタノールを乾燥させる。なお、金型への充填性を高めるために、粗大な凝集物を乳棒で解砕する。実施例1〜3では以下の条件で造粒粉を形成した:

合金粉末: 10g
結着材: 0.53g
潤滑剤: 0.30g

混錬時間: 10分
乾燥温度: 100℃
溶剤揮発時間:30分
本発明の一実施形態に係る磁性部品を圧粉磁心として例示すれば、圧粉磁心の形状としては、トロイダル型、FT型、ET型、EI型、UU型、EE型、EER型、UI型、ドラム型、ポット型、カップ型等が例示できる。図2の表中に示した実施例1〜3及び図7に示した比較例1〜3では、トロイダル型の圧粉磁心を製造した。このため、上記の造粒粉を内径8mm,外径13mm,高さ3mmのトロイダル形状の金型に充填し、油圧ハンドプレス装置で1.5GPaの圧力を加えることで圧粉磁心の形状に成形し、磁心厚さ3.5mmの成形体を得た。
次に、得られた成形体を加熱することにより、結着材を硬化させ、圧粉磁心を得る。このとき、加熱温度は、結着材の組成等に応じて若干異なるものの、結着材が有機材料で構成されている場合、好ましくは100℃以上500℃以下程度とされ、より好ましくは120℃以上250℃以下程度とされる。図2の表中に示した実施例1〜3では加熱温度160℃とした。又、加熱時間は、加熱温度に応じて異なるものの、0.5時間以上5時間以下程度とされるが、図2の表中に示した実施例1〜3では加熱時間1時間とした。
<磁気的特性の測定>
熱処理後の実施例1〜3に係る圧粉磁心(成形体)の飽和磁束密度Bsを振動試料型磁力計(東英工業社製VSM−5−10)で測定した結果を図2に示す。又、熱処理後の比較例1〜3に係る圧粉磁心(成形体)の飽和磁束密度Bsを振動試料型磁力計(VSM)で測定した結果を図7に示す。図2及び図7では、実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の外形寸法と重量を測定し、実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の密度を算出した。実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の密度を軟磁性粉末の真比重で除した値に、ナノ結晶合金粉末の飽和磁束密度Bsの値を乗算することで成形体の飽和磁束密度Bsを算出している。
実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の外形寸法は、ノギスを用いて外形と内径の三点を測定して平均値を算出したものである。測定は、マイクロメータを用いて厚さを三点測定し、平均値を算出している。実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の相対密度は、各成形体の重量を測定し、成形体の寸法から算出した成形体の体積で除することで成形体の密度を算出した。実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各成形体の密度をナノ結晶合金粉末の真比重で除することで各成形体の相対密度が算出できる。
ナノ結晶合金粉末の飽和磁束密度Bsの値は、実施例1〜3及び比較例1〜3に係るナノ結晶合金粉末の試料10mgを採取し、非磁性の粘着テープ上に試料を載せて、この粘着テープを二つ折りにし、縦7mm、横7mmの板状に成形した。次いで、振動試料型磁力計(VSM)を使用し、最大印加磁界を12000A/m、室温(25℃)で飽和磁化を測定した。そして、この測定値と実施例1〜3及び比較例1〜3に係る各試料の真比重から飽和磁束密度Bsを算出した。
図2及び図7には、実施例1〜3に係る圧粉磁心に導電性部材を巻き、圧粉磁心の鉄損Pcvを測定した結果も同時に示している。圧粉磁心の鉄損Pcvの測定に際しては、同様に直径0.3mmの被覆銅線を実施例1〜3に係る圧粉磁心に巻きつけてコイル部品を岩通計測株式会社製の磁気特性測定装置(B−HアナライザSY−8217)を用いて、印加磁界100mT、測定周波数100kHzにおける圧粉磁心の鉄損Pcvを測定した。
図2に示すように、実施例1の飽和磁束密度Bs=1.79Tであり、実施例2の飽和磁束密度Bs=1.76で、実施例3の飽和磁束密度Bs=1.74である。一方、図7に示すように、比較例1の飽和磁束密度Bs=1.74Tであり、比較例2の飽和磁束密度Bs=1.78で、比較例3の飽和磁束密度Bs=1.77である。
又、図2から分かるように、実施例1に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=4998kW/mであり、実施例2に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=4701kW/mで、実施例3に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=4882kW/mである。一方、図7から分かるように、比較例1に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=7820kW/mであり、比較例2に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=8201kW/mであり、比較例3に係る圧粉磁心の鉄損Pcv=8011kW/mであるので実施例1〜3に比して、比較例1〜3の圧粉磁心の鉄損Pcvが大きいことが分かる。
以上のとおり、本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末によれば、ナノ結晶子の平均結晶子サイズの分布を図4に示したような、平均結晶子サイズの小さい範囲に納め、ナノ結晶合金粉末の粉末サイズが大きくなることを防ぐことができるので、結晶粒界の磁壁ピンニングに起因する保磁力や、介在物やひずみなどの粒内の磁壁ピンニングに起因する保磁力を小さくできる。すなわち、粉末全体としての保磁力を小さくすることができるので、本発明の一実施形態に係るナノ結晶合金粉末によれば、ナノ結晶合金粉末を結着材により成形した場合には、磁性部品の鉄損Pcvを小さくすることができる。
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は一実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記の一実施形態の説明では圧粉磁心を本発明の磁性部品と一つとして例示し、圧粉磁心に導電性部材を巻きつけたコイル部品について説明したが、本発明の実施形態に係る磁性部品は圧粉磁心や圧粉磁心を用いたコイル部位品に限定されるものではない。本発明は、リアクトル、トランス、インダクタ、モータ、ノイズフィルタ等ノイズ関連、チョークコイルなどの磁力を利用する各種の磁性部品に適用可能である。
本発明の実施例1〜3等では、磁性部材である圧粉磁心(圧粉コア)とコイル状の形状を有する導電性部材とを備える構造を説明したが、本発明の実施形態に係る磁性部材は磁性シートでもよい。他の磁性部品の例としての磁性シートには、両面テープなど他の固定用部材等が含まれていてもよい。又、磁性部材の成形体の内部にコイルが埋設されている構造であっても構わない。導電性部材は、磁性部材の内部に埋設可能であれば、その形状及び組成は限定されない。
本発明の実施形態に係る磁性部品を備えることにより、本発明の実施形態に係る電気・電子機器を構成できる。本発明の実施形態に係る磁性部品がインダクタンス素子からなる場合には、このインダクタンス素子が実装された機器が本発明の実施形態に係る電気・電子機器に対応し、本発明の実施形態に係る磁性部品が磁性シートからなる場合には、この磁性シートが、例えば筐体や基板に貼付された機器が、本発明の実施形態に係る電気・電子機器に対応する。具体的には、スイッチング電源、電圧昇降回路、平滑回路等を備えた電源装置、インバータ装置、ノート型パソコンや携帯電話等の小型情報機器、薄型CRT、フラットパネルディスプレイなどが、本発明の実施形態に係る電気・電子機器として例示される。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
磁気部品を製造する産業分野や、この磁気部品を用いたノート型パソコン、小型携帯機器、薄型ディスプレイなどの電気・電子機器の製造の技術分野に利用可能である。
11,21…ヘテロアモルファスからなる母相
12u,12v,12w,22u,22v,22w…α−Feナノ結晶子

Claims (8)

  1. ヘテロアモルファスからなる母相中に平均結晶子サイズが15〜21nmのα−Feナノ結晶子が分散した第1粉末の集合体であって、粉末サイズ10μm〜20μmの範囲内に複数の前記第1粉末が分布した第1の粉末群と、
    前記母相中に平均結晶子サイズが20nm〜26nmのα−Feナノ結晶子が分散した第2粉末の集合体であって、粉末サイズ20μm〜30μmの範囲内に複数の前記第2粉末が分布した第2の粉末群と
    のうち少なくともいずれかを含むことを特徴とするナノ結晶合金粉末。
  2. 前記ナノ結晶合金粉末に、前記第1の粉末群が含まれる場合、前記第1粉末の表面近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズの、前記第1粉末の中心近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズに対する比が1.25〜1.5であることを特徴とする請求項1に記載のナノ結晶合金粉末。
  3. 前記ナノ結晶合金粉末に、前記第2の粉末群が含まれる場合、前記第2粉末の表面近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズの、前記第2粉末の中心近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズに対する比が1.45〜1.7であることを特徴とする請求項1に記載のナノ結晶合金粉末。
  4. 前記母相中に平均結晶子サイズが10〜16nmのα−Feナノ結晶子が分散した第3粉末の集合体であって、粉末サイズ1μm〜10μmの範囲内に複数の前記第3粉末が分布した第3の粉末群を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のナノ結晶合金粉末。
  5. 前記第3粉末の表面近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズの、前記第3粉末の中心近傍における前記α−Feナノ結晶子の平均結晶子サイズに対する比が1.1〜1.3であることを特徴とする請求項4に記載のナノ結晶合金粉末。
  6. α−Feナノ結晶子を含まないヘテロアモルファスを材料とするアモルファス合金粉末を更に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のナノ結晶合金粉末。
  7. 前記母相は、Fe、Si、B、P、Cu、Cを含み、FeSiCuの組成式で表したときに、79≦a≦86at.%、5≦b≦13at.%、0<c≦8at.%、0<x≦10at.%、0≦y≦5at.%、0.4≦z≦1.4at.%、及び0.08≦z/x≦1.2の条件を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のナノ結晶合金粉末。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の前記ナノ結晶合金粉末が結着材により成形されたことを特徴とする磁性部品。
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