JP2020077732A - 圧粉磁心 - Google Patents

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【課題】圧粉磁心の透磁率を向上させる。【解決手段】圧粉磁心1では、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径をDaμmとした場合に、圧粉磁心1の断面構造を、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の第1視野で観察した際に、3つ以上の鉄基軟磁性粒子3により形成され、実質的にフェライトからなる粒界3重点TがN個(N=5以上の整数)存在している。第1視野で観察した際に、N個の粒界3重点Tのうち60%以上の粒界3重点Tのフェライト6のピーク強度は、粒界3重点以外のその他のフェライト部Fのフェライト6のピーク強度よりも高いことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、圧粉磁心に関する。
形状自由度の高さと、高周波帯域への適用可能性から圧粉磁心材料の開発が盛んに行われている。圧粉磁心は、100μm前後の磁性金属粒子の表面をリン酸やシリカといった絶縁性の物質で被覆し、絶縁膜で被覆された磁性金属粒子をプレス成形することによって成形されたコアである。
特許文献1では、圧粉磁心に用いられる材料として、軟磁性金属粒子の金属間が高抵抗軟磁性物質で構成されている複合軟磁性材料が開示されている。この文献では、軟磁性金属粒子の複合軟磁性材料における断面積比率や、高抵抗軟磁性物質の断面積比率等を特定の範囲とすることで、実用となる磁界で十分に磁束密度Bmが高く、コアロスPcvのよい複合軟磁性材料を得ることができるとされている。
また、特許文献2には、軟磁性粒子の表面にフェライトの原料を付着させた被覆粒子からなる磁心用粉末を加圧成形して得られた成形体を熱処理(焼鈍)する技術が開示されている。この文献には、熱処理することにより、軟磁性粒子の表面にフェライト膜を形成することで、比抵抗と磁束密度が向上することが開示されている。
また、特許文献3には、軟磁性金属粒子の表面を被覆するフェライト被膜がスピネル構造を有するフェライト結晶粒より構成されている圧粉磁心用粉末が開示されている。この圧粉磁心用粉末は、粗大化されたフェライト結晶粒により、フェライト被膜の強度が向上し、圧粉成形時の高い応力によるフェライト被膜の破損が抑制されることが開示されている。
特開2017−45892号公報 特開2016−157753号公報 特開2017−119908号公報
ところで、低鉄損な圧粉磁心を得るためには透磁率を高くする必要がある。
しかし、上記のいずれの技術を適用しても、透磁率は必ずしも十分とは言えず、透磁率を向上させる新たな技術が切望されていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、透磁率を向上させることを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕複数の鉄基軟磁性粒子と、前記鉄基軟磁性粒子の表面に形成されるフェライトとを有する圧粉磁心であって、
前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径がDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の第1視野で観察した際に、3つ以上の前記鉄基軟磁性粒子により形成され、実質的にフェライトからなる粒界3重点がN個(N=5以上の整数)存在し、かつ
前記第1視野で観察した際に、N個の前記粒界3重点のうち60%以上の前記粒界3重点のフェライトのピーク強度は、前記粒界3重点以外のその他のフェライト部のフェライトのピーク強度よりも高いことを特徴とする圧粉磁心。
〔2〕前記鉄基軟磁性粒子のアスペクト比は、1.25以上2.5以下であり、
前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径をDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第2視野で観察した際に、フェライトで取り囲まれた状態で存在する気孔の面積割合は、前記第2視野の10%以下であることを特徴とする〔1〕に記載の圧粉磁心。
〔3〕前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径をDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第3視野で観察した際に、前記第3視野を画する正方形の一辺上で、フェライトが存在する場所を始点として、正方形の一辺と対向する辺までフェライトが連続して形成され、互いに相違する5以上の連続層を有し、
前記連続層の、前記一辺から前記対向する辺までの経路の平均長さが11.5Daμm以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の圧粉磁心。
〔4〕前記圧粉磁心に存在するフェライトは、アルカリ金属を含有していることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
上記〔1〕の発明によれば、圧粉磁心の透磁率が高くなる。
上記〔2〕の発明によれば、圧粉磁心を高密度化でき、その結果、圧粉磁心の透磁率がより向上する。
上記〔3〕の発明によれば、圧粉磁心の透磁率がより向上する。
上記〔4〕の発明によれば、アルカリ金属が含有されることによってフェライトが緻密化され、圧粉磁心の抵抗値変化率が低減する。
圧粉磁心を示す模式図である。右図は、圧粉磁心の断面構造を5Daμm×5Daμmの正方形の第1視野で観察した際の模式図を示す。 複合粒子の断面を示す模式図である。 圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第3視野で観察した際の模式図を示す。 圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第2視野で観察した際の模式図を示す。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「〜」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10〜20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10〜20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.圧粉磁心1の構成
圧粉磁心1は、図1の右図(断面図)に示すように、複数の鉄基軟磁性粒子3を有する。フェライト6は、後述する連続層21(21A,21B,21C,21D,21E)を形成している。なお、図1におけるハッチング(平行線)は、鉄基軟磁性粒子3を示している。また、図1等の点描は、フェライト6を示している。なお、点描で示される圧粉磁心1におけるフェライト6は、5.0重量%以下のバインダー由来の成分を含有していてもよい。
圧粉磁心1は、図2に示す、表面にフェライト5を有する鉄基軟磁性粒子3である複合粒子7から構成されている。複数の複合粒子7をプレス成形すると、図1に示す圧粉磁心1となる。
そして、本実施形態の圧粉磁心1では、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径をDaμmとした場合に、圧粉磁心1の断面構造を、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の第1視野で観察した際に、3つ以上の鉄基軟磁性粒子3により形成され、実質的にフェライトからなる粒界3重点TがN個(N=5以上の整数)存在している。第1視野で観察した際に、N個の粒界3重点Tのうち60%以上の粒界3重点Tのフェライト6のピーク強度は、粒界3重点以外のその他のフェライト部Fのフェライト6のピーク強度よりも高いことを特徴とする。なお、「粒界3重点」とは、3つ以上の鉄基軟磁性粒子に取り囲まれた領域、すなわち、粒界が一点で交わった個所を意味する。そして、本発明では、粒界3重点Tは、図1に示すように、直径が500nmの真円を描いた際、円の内部すべてがフェライトとなる個所と定義する。
また、「実質的にフェライトからなる」とは、粒界3重点Tに5.0重量%以下のバインダー由来の成分を含んでもよい意味である。その他のフェライト部Fも、主成分(90重量%以上)がフェライトであればよく、バインダー由来の成分を含んでもよい。
以下、本発明の圧粉磁心1の実施形態を詳細に説明する。
図1では、トロイダル形状の圧粉磁心1を例として挙げる。なお、圧粉磁心1の形状は、特に限定されない。
図1は、圧粉磁心1を、その軸方向に沿って切断した断面を示している。
(1)鉄基軟磁性粒子3
鉄基軟磁性粒子3としては、軟磁性である純鉄、鉄基合金の粒子を幅広く用いることができる。鉄基合金としては、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Al合金、Ni−Fe合金、Fe−Co合金、Fe基アモルファス合金等を好適に用いることができる。特に、組成中にCrやAlを含む合金は、表面に金属酸化物層を形成しているため、より好ましい。CrやAlを含まない金属を用いる場合には、予めめっき処理等により金属表面にCrやAlの層を形成させる必要がある。
Fe−Si−Cr合金を用いる場合には、例えば、Si:0.1〜10質量%、Cr:0.1〜10質量%、残部:Fe及び不可避的不純物の組成の合金とすることができる。
鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径は、特に限定されないが、2.0μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上80μm以下がより好ましく、20μm以上60μm以下が更に好ましい。鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径は、使用する周波数帯域によって適宜変更することができる。特に100kHzを超える高周波帯域での使用を想定した場合は5μm以上60μm以下であることがより好ましい。なお、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径は、圧粉磁心1の断面をFE−SEM JSM−6330Fによって観察した粒子面積から面積円相当径を算出し、平均粒子径とした。
鉄基軟磁性粒子3は、表面に金属酸化物層(不動態被膜)を備えていてもよい。金属酸化物層を、表面に備えることによって、焼鈍(熱処理)を行った際、鉄基軟磁性粒子3とフェライト5間の金属原子の拡散反応を抑制することができる。
金属酸化物層を構成する金属酸化物は特に限定されない。例えば、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、及び酸化タングステンからなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物が好ましい。特に、金属酸化物に、酸化クロム及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの好ましい金属酸化物を用いることで、上述の金属原子の拡散が効果的に抑制される。
なお、鉄基軟磁性粒子3として、Fe−Si−Cr合金の粒子を用いた場合には、金属原子拡散の抑制効果を有する金属酸化物層を容易に形成することができる。すなわち、Fe−Si−Cr合金中のCrが酸化することにより鉄基軟磁性粒子3の外縁部に金属酸化物層が形成される。
また、金属酸化物層の厚みは、特に限定されない。厚みは、好ましくは1nm〜20nmとすることができる。なお、金属酸化物層の厚みは、XPS(X線光電子分光法)を用いて測定できる。
(2)フェライト6
(2.1)フェライト6の構成
本実施形態の圧粉磁心1には、フェライト6(軟磁性フェライト)が連続して形成された連続層21が形成されていることが好ましい。また、フェライト6が、三次元網目状の構造となっていることが好ましい。
フェライト6の材料は、特に限定されない。フェライト6の材料は、マグネタイト、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト、及びNi−Zn−Cuフェライトからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。更には電気抵抗率が10Ω・cm以上のフェライトを用いることが好ましい。そのため、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Znフェライト、及びNi−Zn−Cuフェライトからなる群より選ばれた1種以上がより好ましい。
フェライト6としては、例えば、下記式〔1〕又は〔2〕の軟磁性フェライトを好適に用いることができる。

〔1〕 Fe
〔2〕 M−Zn−Fe(3−x−y)
(但し、式中、Mは、Ni又はMnであり、0≦x≦1、0≦y≦1である。)
(2.2)粒界3重点T
本実施形態の圧粉磁心1では、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径をDaμmとした場合に、圧粉磁心1の断面構造を、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の第1視野で観察した際に次のように粒界3重点Tが存在している(図1参照)。すなわち、第1視野内に、粒界3重点TがN個(N=5以上の整数)存在している。ここで、「5Daμm」とは、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径Daμmの5倍を意味する。例えば、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径が10μmの場合には、5Daμm=5×10μm=50μmを意味する。このように、第1視野の一辺の長さは、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径と比例関係にある。図1の右図は、圧粉磁心1の断面構造を観察した際の、5Daμm×5Daμmの正方形の第1視野を模式図に示している。
Nは、5以上の整数であれば、限定されないが、5〜25の整数が好ましく、8〜20の整数がより好ましい。
N個の粒界3重点Tのうち60%以上の粒界3重点Tのフェライト6のピーク強度は、粒界3重点以外のその他のフェライト部Fのフェライト6のピーク強度よりも高い。フェライト6のピーク強度は、EPMAによる分析により求めることができる。その他のフェライト部Fよりもピーク強度が高い粒界3重点Tの割合は、60%以上であれば限定されないが、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。粒界3重点Tの割合は、100%であることが特に好ましい。なお、粒界3重点以外のその他のフェライト部Fのピーク強度が一定でない場合には、その他のフェライト部Fのピーク強度の平均値を、フェライト部Fのピーク強度として採用する。
この粒界3重点Tについての要件は、圧粉磁心1の断面構造を観察した際に、5Daμm×5Daμmの正方形の視野を複数観察して、そのうちの少なくとも1つの視野において満たしていればよい。
なお、粒界3重点TがN個(N=5以上の整数)存在しており、60%以上の粒界3重点Tのフェライト6のピーク強度が、その他のフェライト部Fのフェライト6のピーク強度よりも高い場合に、圧粉磁心1の透磁率が高くなる理由は次のように推測される。すなわち、プレス成形時に発生する空隙は粒界3重点Tに集中する傾向があり、粒界3重点Tのピーク強度が高いことは空隙を埋めるほど密にプレス成形が行えていることを示している。空隙は透磁率を大きく低下させる要因であるため、粒界3重点Tのピーク強度が高い場合は、圧粉磁心1の透磁率が高くなる。
また、粒界3重点Tに関する上述の個数の要件、ピーク強度の要件は、プレス圧を1000MPaから2000MPaの範囲で制御することによってコントロールできる。
(2.3)連続層21
本実施形態の圧粉磁心1では、フェライト6が連続して形成された連続層21は、次の第1要件及び第2要件を満たしていることが好ましい。
なお、第1要件及び第2要件は、圧粉磁心1の断面構造を観察した際に、後述する10Daμm×10Daμmの正方形の視野を複数観察して、そのうちの少なくとも1つの視野において満たしていればよい。
(2.3.1)第1要件
まず、第1要件を説明する。図3は、圧粉磁心1の断面構造を観察した際の、10Daμm×10Daμmの正方形の第3視野を模式図に示している。ここで、「10Daμm」とは、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径Daμmの10倍を意味する(以下、同様である)。例えば、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径が10μmの場合には、10Daμm=10×10μm=100μmを意味する。このように、第1視野の一辺の長さは、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径と比例関係にある。
第3視野を画する正方形の一辺11上で、フェライト6が存在する場所を始点Sとする。一辺11上の始点Sから、正方形の一辺11と対向する辺13までフェライト6が連続しているところを辿っていくと、互いに相違する5以上ルート(経路)が存在していることが第1要件である。すなわち、互いに相違する5以上の連続層21が存在していることが第1要件である。なお、途中で、分岐点にさしかかったときには、対向する辺13に辿り着くために最短となるルートを選択する。また、互いに相違するルートは5以上であれば、ルート数の上限値はないが、通常の上限値は30である。
図3は、一辺11上の5つの異なる始点S1,S2,S3,S4,S5から始まり、それぞれ異なる終点E1,E2,E3,E4,E5で終わる5つの相違する連続層21A,21B,21C,21D,21Eが存在する例を示している。
この第1要件を満たすと、圧粉磁心1内に多くの連続層21が存在することになり、隣り合う鉄基軟磁性粒子3同士が、フェライト6によって、効果的に絶縁され耐電圧特性が高くなる。また、フェライト6の連続層21が、鉄基軟磁性粒子3同士を結着させて、圧粉磁心1の機械的強度が向上する。
なお、連続層21の平均長さは、後述するプレス成形時のプレス圧力等によって制御される。プレス圧力を適宜変更することで、粒子が入り組み、蛇行した構造になる。
(2.3.2)第2要件
次に、第2要件を説明する。第2要件は、連続層21の、一辺11から対向する辺13までの経路の平均長さが11.5Daμm以上という要件である。例えば、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径が10μmの場合には、11.5Daμm=11.5×10μm=115μmであるから、この要件は、115μm以上を意味する。
連続層21の経路の平均長さは12.0Daμm以上がより好ましく、12.5Daμm以上が更に好ましい。連続層21の経路の平均長さの上限値は、15.0Daμmである。
図1の例では、この第2要件は、連続層21A,21B,21C,21D,21Eの経路の平均長さが11.5Daμm以上という要件となる。
この第2要件を満たすと、連続層21の平均長さが、第1視野の一辺の長さ10Daμmよりも長くなる。すなわち、連続層21は、一辺11から対向する辺13までの経路までの間で、蛇行していることになる。連続層21が直線状の場合と比べて、連続層21が蛇行していると、連続層21が鉄基軟磁性粒子3に接触する面積が多くなる。よって、フェライト6の連続層21による、鉄基軟磁性粒子3同士の結着効果が高くなる。また、この要件を満たすと、連続層21が鉄基軟磁性粒子3間に蛇行してより多く入り込むことに繋がるから、鉄基軟磁性粒子3同士が、効果的に絶縁され耐電圧特性が高くなる。
(2.4)フェライトの形成方法
連続層21を構成するフェライト6は、既述のように複合粒子7のフェライト5に由来している。複合粒子7のフェライト5の形成方法は、特に限定されない。ここでは、その形成方法の一例を説明する。
例えば、金属酸化物層が表面に存在する鉄基軟磁性粒子3を超音波励起フェライトめっき装置を用いてめっき反応させる。この反応は、水溶液中でFe2+→Fe3+の酸化反応を利用し、めっき溶液中の金属イオンと水分子を反応させることでスピネル型フェライトを基板や粒子等の表面に堆積させる手法である。この手法では、めっき条件、めっき時間の調整により、金属酸化物層の表面をフェライト5によって被覆することができる。なお、めっき時間の調整によってフェライト5の厚さを調整することができる。
通常、被めっき物に酸化クロムや酸化アルミニウムといった金属酸化物層が存在する場合、めっきの反応速度が著しく低下するため、フェライト5を形成させることはできない。金属酸化物層の表面に徽密に(例えば金属酸化物層の表面の80%以上を)被覆するためには、めっき液のpHを細かく調整する必要がある。被覆するフェライト5のpH−酸化還元電位図において、フェライト生成条件の高pH側にめっき液のpHを調節する必要がある。この条件はめっきするフェライト5の組成によって変化するが、例えばMn−ZnフェライトではpH=10〜11が好ましく、Ni−ZnフェライトではpH=11〜12が好ましい。
被めっき物である鉄基軟磁性粒子3を、目的のpHに調整した緩衝液中に添加し、そこへ原料となる金属イオンを溶解させた反応液と酸化液を徐々に添加することでフェライト5が堆積した堆積部が形成される。超音波ホーンにより、鉄基軟磁性粒子3は発熱を伴いながら激しく分散され、恒温槽からの加熱と併せてフェライト生成反応は加速される。また、下の反応式から分かるように、反応の進行と共にプロトンが生成されるため、めっき槽内のpHは徐々に酸性に変化する。pHの変動はフェライト生成に大きく影響するため、めっき槽内のpHを常に一定に保つ必要がある。めっき条件の最適化により、金属酸化物層によるめっき反応の抑制を最小限に抑えることができる。

3Fe2++4HO→Fe+8H+2e

フェライト5により被覆された鉄基軟磁性粒子3の製造方法の一例を以下に示す。水に金属イオンが含まれた反応液を用意する。水に酸化剤が溶解した酸化液を用意する。金属酸化物層を表面に有する鉄基軟磁性粒子3を所定のpHに調製した緩衝液中に分散させる。そして、超音波を印加しながら、鉄基軟磁性粒子3が分散した緩衝溶液に、反応液及び酸化液を滴下すると、金属酸化物層の上にフェライト5が形成される。緩衝液のpHは、Ni−Znフェライトの場合には、上述のように、好ましくは11〜12である。緩衝液の種類は特に限定されない。
なお、鉄基軟磁性粒子3の表面に、フェライト5が形成するメカニズムは解明されていないが以下のように推測される。具体的には、鉄基軟磁性粒子3の表面の水酸基から反応が開始し、フェライト5の形成が始まるものと推測される。
このようにして、フェライト5により被覆された鉄基軟磁性粒子3を製造することができる。この鉄基軟磁性粒子3をプレス成形し、焼鈍することによって、フェライト6を備えた圧粉磁心1が製造される。
なお、反応時間等で鉄基軟磁性粒子3に被覆するフェライト5量を制御できる。そして、被覆するフェライト5の量を制御することで、圧粉磁心1内のフェライト6からなる連続層21の厚みを調整できる。鉄基軟磁性粒子3の表面にフェライト5を形成する反応時間は、好ましくは、1分以上60分以下であり、より好ましくは1分以上25分以下である。使用する鉄基軟磁性粒子3の組成によって反応速度が異なるため、反応時間は鉄基軟磁性粒子3の種類に応じて適宜変更すればよい。
2.圧粉磁心1の製造方法
(1)プレス成形
圧粉磁心1の形状を作るためには、通常、プレス成形が用いられる。プレス成形の際の成形圧は500MPa〜2000MPaが好ましく、高密度の成形体を得るためには高圧でプレスした方がよい。また、プレス成形時に50℃〜200℃の範囲で金型を加熱してもよい。金型を加熱することで鉄基軟磁性粒子3が塑性変形しやすくなり、高密度の成形体を得る事ができる。他方、200℃を超える温度でのプレス成形は、鉄基軟磁性粒子3の酸化が問題となりあまり好ましくない。
(2)焼鈍
上記で得られた成形体について、プレス成形の際に加えられた歪みを開放するため、焼鈍することが好ましい。焼鈍温度は、500℃以上であることが好ましい。また、焼鈍雰囲気は、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気や、水素等の還元雰囲気が好ましく、真空中で焼鈍してもよい。焼鈍の条件は、使用する鉄基軟磁性粒子3やフェライト5の種類によって適宜変更される。
3.鉄基軟磁性粒子3の好ましいアスペクト比と、圧粉磁心1の好ましい気孔35の面積割合
鉄基軟磁性粒子3のアスペクト比は、1.25以上2.5以下であり、かつ、圧粉磁心1の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第2視野で観察した場合に、フェライト6で取り囲まれた状態で存在する気孔35の面積割合は、第2視野の10%以下であることが好ましい。この範囲では、充填性が向上して圧粉磁心1を高密度化でき、その結果、圧粉磁心1の透磁率が向上する。
鉄基軟磁性粒子3のアスペクト比は、1.30以上2.30以下であることがより好ましく、1.35以上2.10以下であることが更に好ましい。第2視野で観察した場合に、フェライト6で取り囲まれた状態で存在する気孔35の面積割合は、第2視野の4%以下であることがより好ましく、3%以下であることが更に好ましい。
図4は、第2視野を示している。
鉄基軟磁性粒子3のアスペクト比は、FE−SEMによって測定できる。また、気孔35の面積割合は、SEM画像の画像処理等によって算出できる。
また、この欄に記載された気孔35の面積割合の要件は、圧粉磁心1の断面構造を観察した際に、10Daμm×10Daμmの正方形の視野を複数観察して、そのうちの少なくとも1つの視野において満たしていればよい。
4.アルカリ金属に関する要件
圧粉磁心1に存在するフェライト6は、アルカリ金属(Li(リチウム),Na(ナトリウム),K(カリウム)等)を含有していることが好ましい。
フェライト6中にアルカリ金属が存在すると、フェライト6が緻密化し圧粉磁心1の透磁率及び抵抗値変化率が小さくなる。
なお、アルカリ金属の確認は、TOF−SIMSによる測定で行うことができる。
5.本実施形態の圧粉磁心1の作用効果
本実施形態の圧粉磁心1は、透磁率が高い。
鉄基軟磁性粒子3のアスペクト比が、1.25以上2.5以下であり、かつ、圧粉磁心1の断面構造を第2視野で観察した場合に、所定の気孔35の面積割合が、第2視野の10%以下であると、充填性が向上して圧粉磁心1を高密度化でき、その結果、圧粉磁心1の透磁率が向上する。
連続層21が第1要件及び第2要件を満たすと、耐電圧特性が良好で、強度が高い。更に、この構成によれば、圧粉磁心1の透磁率が向上し、かつ圧粉磁心1の電気抵抗が上昇する。
フェライト6中にアルカリ金属が存在する場合には、フェライト6が緻密化し、圧粉磁心1の透磁率及び抵抗値変化率が小さくなる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
なお、実験例1〜20は実施例であり、実験例21〜27は比較例である。
表において、実験例を「no.」を用いて示す。また、表において「21*」のように、「*」が付されている場合には、比較例であることを示している。
1.圧粉磁心の作製
(1)実験例1(no.1)
鉄基軟磁性粒子(原料粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe−5.5質量%Si−4.0質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。
鉄基軟磁性粒子10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。同様に純水100mlに酸化剤としての亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。
得られためっき溶液(鉄基軟磁性粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、めっき溶液を70℃に加熱した。めっき溶液を撹拌しながら、めっき溶液に反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は25分間行い、鉄基軟磁性粒子は、純水で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、鉄基軟磁性粒子を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った。このようにして、フェライトにより被覆された鉄基軟磁性粒子(複合粒子)を得た。
成形は得られた複合粒子を、金型に充填し、1000MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm,内径:4.5mm,高さ:1mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、実験例1に係る圧粉磁心とした。
(2)実験例2〜27(no.2〜27)
実験例2〜27では、実験例1の「Fe−5.5質量%Si−4.0質量%Cr粒子」、「塩化ニッケル、塩化鉄(II)」、「25分間」に代えて、表1に記載された「鉄基軟磁性粒子」、「反応液に溶解させた塩」、及び「反応時間」とした。これら以外は、実験例1と同様にして圧粉磁心を得た。
なお、表1には、実験例1における「鉄基軟磁性粒子」、「反応液に溶解させた塩」、及び「反応時間」も記載されている。また、表において、「↑」の記号は、直上と同じであることを示している。
Figure 2020077732
2.評価方法
(1)FE−SEM観察
焼鈍後の圧粉磁心の断面観察を行った。圧粉磁心をダイシング装置(切断装置)で半分に切断し、エポキシ樹脂中で硬化させ、ダイシング切断面を鏡面加工することによって評価サンプルを得た。評価サンプルをFE−SEMにより観察した。
鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径を求めるに際しては、100μm×100μmの正方形の視野を用いて行った。観察された鉄基軟磁性粒子3の粒子面積から面積円相当径を算出し、平均粒子径とした。実験例1〜27では、いずれも平均粒子径は、10μmであった。
(1.1)鉄基軟磁性粒子のアスペクト比
鉄基軟磁性粒子3のアスペクト比は、上記FE−SEMによる観察から求めた。観察は、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径をDaμmとして、10Daμm×10Daμmの正方形の視野で行った。例えば、鉄基軟磁性粒子の平均粒径が10μmの場合には、100μm×100μmの正方形の視野を採用した。アスペクト比は圧粉磁心の断面観察から算出した。断面画像にて確認できる鉄基軟磁性粒子3の最長辺と最短辺の比から計算した。これを30個の粒子に対して行い、平均値をアスペクト比とした。
(1.2)フェライト膜
フェライト膜の組成は、上記視野内に観察されるフェライト膜についてTOF−SIMSを用いて測定した。フェライト膜に含有される元素と、その濃度は、TOF−SIMSを用いて測定した。
粒界3重点Tの箇所(個数)は、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の視野を用いて観察した。そして、観察された全ての粒界3重点Tと、3重点以外のその他のフェライト部Fについて、フェライトのピーク強度をEPMA分析から求めた。その他のフェライト部Fよりもピーク強度が高い粒界3重点Tの割合が、60%以上よりも高い場合を表2では、高濃度の欄で「〇」としている。例えば、粒界3重点Tが10個、観察された場合に、そのうちの6個以上がその他のフェライト部Fよりもピーク強度が高い場合には、高濃度の欄が「〇」となる。この欄は、ピーク強度が高い粒界3重点Tの割合が、60%未満の場合には、「×」とされている。
連続層の本数は、10Daμm×10Daμmの正方形の視野を用いて、「(2.3.1)第1要件」に記載の方法で数えた。観察された各連続層の経路の長さを求め、それらの平均を計算して平均長さとした。なお、実験例1〜27では、鉄基軟磁性粒子3の平均粒子径は、いずれも10μmであるので、11.5Daμmは、115μmである。
アルカリ金属については、上記FE−SEMによる観察において、3Daμm×3Daμmの正方形の視野を用いて、「4.アルカリ金属に関する要件」に記載の要領で求めた。
(1.3)圧粉磁心の気孔の面積割合
圧粉磁心の気孔の面積割合は、上記10Daμm×10Daμmの正方形の視野を用いて、「3.鉄基軟磁性粒子3の好ましいアスペクト比と、圧粉磁心1の好ましい気孔35の面積割合」に記載の方法で求めた。このようにして求めた気孔の面積割合を「気孔率(%)」として表示する。
(1.4)視野について
本試験における視野を用いた観察では、同じ大きさの視野の場合には同一の視野を用いた。すなわち、この場合には、圧粉磁心の断面構造の同一場所を、共通採用した。
(2)圧粉磁心の性能評価
(2.1)複素透磁率
圧粉磁心の複素透磁率(単に「透磁率」ともいう)の測定は、アジレントテクノロジー製インピーダンスアナライザE−4991Aを使用し、周波数1MHz〜1GHzの範囲で測定した。透磁率の値は、10MHzにおける値で比較した。
(2.2)抵抗率
圧粉磁心の電気抵抗率(単に「抵抗率」ともいう)について、三菱ケミカルアナリテック製ロレスターGXを用いて4端芯法にて測定した。抵抗率の変化は、印加電流1μAの条件で、印加電圧1Vと90Vにおける抵抗率から算出した。具体的には、印加電圧1Vの抵抗率を基準(100%)とし、この基準と比較した印加電圧90Vの抵抗率の変化割合を求めた。抵抗変化率は、小さい方が望ましい。
3.評価結果
評価結果を表2,3に示す。
なお、表2において、アルカリ含有の欄で、「○」はアルカリ金属を含有していることを示し、「×」はアルカリ金属を含有していないことを示している。
Figure 2020077732
Figure 2020077732
実施例である実験例1〜20は、粒界3重点Tが5個以上であり、しかも、その他のフェライト部Fよりもピーク強度が高い粒界3重点Tの割合が、60%以上である。
これに対して、比較例である実験例21〜27は以下の要件を満たしていない。
実験例21〜26は、粒界3重点Tが5個未満である。
実験例27は、その他のフェライト部Fよりもピーク強度が高い粒界3重点Tの割合が、60%未満である。
実施例である実験例1〜20は、比較例である実験例21〜27と比較して、透磁率が優れていた。
また、実施例である実験例1〜20のうち、鉄基軟磁性粒子のアスペクト比が1.25以上2.5以下であり、しかも気孔率が10%以下である実験例7〜20は、実験例1〜6と比較して、透磁率、及び抵抗率が向上し、抵抗値変化率がより小さくなった。
また、実施例である実験例1〜20のうち、連続層が5本以上であり、連続層の平均長さが11.5Daμm(115μm)以上である実験例12〜20は、実験例1〜11と比較して、透磁率、及び抵抗率が向上し、抵抗値変化率がより小さくなった。
また、実施例である実験例1〜20のうち、フェライトがアルカリ金属を含有している実験例17〜20は、実験例1〜16と比較して、透磁率、及び抵抗率が向上し、抵抗値変化率がより小さくなった。
4.実施例の効果
本実施例の圧粉磁心は、透磁率が高い。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。
なお、本発明では、圧粉磁心の断面構造の同一場所を、第1〜2の視野に共通して採用できる。また、視野毎に、互いに相違する場所を採用してもよい。
本発明の圧粉磁心は、モーターコア、トランス、チョークコイル、ノイズ吸収体等の用途に特に好適に使用される。
1 :圧粉磁心
3 :鉄基軟磁性粒子
5 :フェライト
6 :フェライト
7 :複合粒子
11 :一辺
13 :対向する辺
21 :連続層
35 :気孔
S(S1〜S5):始点
E(E1〜E5):終点
T :粒界3重点
F :粒界3重点以外のその他のフェライト部

Claims (4)

  1. 複数の鉄基軟磁性粒子と、前記鉄基軟磁性粒子の表面に形成されるフェライトとを有する圧粉磁心であって、
    前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径がDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を、5Da(μm)×5Da(μm)の正方形の第1視野で観察した際に、3つ以上の前記鉄基軟磁性粒子により形成され、実質的にフェライトからなる粒界3重点がN個(N=5以上の整数)存在し、かつ
    前記第1視野で観察した際に、N個の前記粒界3重点のうち60%以上の前記粒界3重点のフェライトのピーク強度は、前記粒界3重点以外のその他のフェライト部のフェライトのピーク強度よりも高いことを特徴とする圧粉磁心。
  2. 前記鉄基軟磁性粒子のアスペクト比は、1.25以上2.5以下であり、
    前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径をDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第2視野で観察した際に、フェライトで取り囲まれた状態で存在する気孔の面積割合は、前記第2視野の10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記鉄基軟磁性粒子の平均粒子径をDaμmとした場合に、前記圧粉磁心の断面構造を10Daμm×10Daμmの正方形の第3視野で観察した際に、前記第3視野を画する正方形の一辺上で、フェライトが存在する場所を始点として、正方形の一辺と対向する辺までフェライトが連続して形成され、互いに相違する5以上の連続層を有し、
    前記連続層の、前記一辺から前記対向する辺までの経路の平均長さが11.5Daμm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧粉磁心。
  4. 前記圧粉磁心に存在するフェライトは、アルカリ金属を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
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