JP2010195626A - フェライト焼結体およびコイル部品並びにフェライト焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MnO、ZnOおよびFe2O3を主成分とするフェライト焼結体であって、前記フェライト焼結体の主成分組成は、Fe2O3の比率が50mol%未満のFeプアー組成であるとともに、副成分として、アノーサイトを形成可能な範囲のCaO、SiO2およびAl2O3を含有することを特徴とする。より好ましくは、前記CaO、SiO2およびAl2O3全体の含有量が前記主成分100重量部に対して2.5重量部以下(0を含まず)である。
【選択図】図1
Description
Mn−Zn系フェライトの主成分の原料となる酸化物として、Fe2O3、Mn3O4およびZnOを用い、それぞれ49mol%Fe2O3、44mol%MnO、および7mol%ZnOの組成となるように秤量を行ない、ボールミルで混合した後に乾燥し混合粉末を得た。得られた混合粉末を900℃で仮焼した後、ボールミルを用いて1μmの平均粒子径となるように粉砕した。粉砕して得られたスラリーを乾燥した後に、アノーサイトの代表組成である25mol%CaO、50mol%SiO2、および25mol%Al2O3となるようにCaCO3、SiO2およびAl2O3を配合したもの(以下CASともいう。)を大気中850℃で熱処理後、主成分100重量部に対して表1に示す比率になるように添加した。また、比較のためにCASを添加していない試料(No1)も作製した。さらに、得られた粉末に1%のPVA(ポリビニールアルコール)をバインダとして加え、造粒を行なった。造粒さした粉末を外径7.8mm、内径3.8mm、厚さ3mmのリング形状に成形した。成形体はマイクロ波焼成炉を用い、空気中1300℃で焼成し、N2ガス雰囲気下で冷却した。得られた焼成体の10kHzでの比透磁率μは、YOKOGAWA・HEWLETT・PACKARD製 4194A IMPEDANCE/GAIN−PHASE ANALYZERを用いて測定したインダクタンスより求めた。また、焼結体の密度は水中置換法により求めた。抵抗率は、リング形状の焼結体を二等分に切断し、得られた半リング形状の焼結体の二つの切断面に銀ペーストを塗布し、二端子法によって求めた。結果を表1に示す。表より明らかなように副成分として、アノーサイトを形成可能な範囲のCaO、SiO2およびAl2O3(CAS)を含有したもの(No2〜4)は、これらを含有しない場合(No1)に比べて、焼結体の密度および抵抗率が向上していることがわかる。さらにCASが2.5重量部以下(0を含まず)ではCAS無添加の場合と同等以上の比透磁率を発現しつつ、抵抗率が大幅に向上しており、CAS量が1.25〜2.5重量部ではCAS無添加の場合の1.5倍以上、4.0×103Ω・m以上の抵抗率が得られている。また、CAS量が1.25〜2.5重量部の範囲では焼結体の密度も4.8×103kg/m3以上に向上している。
Mn−Zn系フェライトの原料となる酸化物として、Fe2O3、Mn3O4およびZnOを用い、それぞれ40〜50mol%Fe2O3、51.8〜43.1mol%MnO、および8.2〜6.9mol%ZnOの組成となるように秤量を行ない、ボールミルで混合した後に乾燥し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を900℃で仮焼した後、ボールミルを用いて1μmの平均粒子径となるように粉砕した。粉砕して得られたスラリーを乾燥した後に、実施例1におけるものと同じ組成を有するようにCaCO3、SiO2およびAl2O3を配合したもの(CAS)を大気中850℃で熱処理後、主成分100重量部に対して2.5重量部の比率となるように添加した。さらに、得られた粉末に1%のPVAをバインダとして加え、造粒を行なった。造粒した粉末を外径7.8mm、内径3.8mm、厚さ3mmのリング形状に成形した。成形体は抵抗加熱式の雰囲気焼成炉を用い、空気中1200℃で焼成し、Arガス雰囲気下で冷却した。実施例1と同様にして比透磁率、抵抗率および密度を評価した。結果を表2に示す。また、上記CASを添加しないで作製した試料の評価結果を表3に示す。
実施例2と同様にして、Mn−Zn系フェライトの原料となる酸化物として、Fe2O3、Mn3O4およびZnOを用い、それぞれが45mol%Fe2O3、47.4mol%MnO、および7.6mol%ZnOの組成となるように秤量を行ない、ボールミルで混合した後に乾燥し、混合粉末を得た。得られた混合粉末を900℃で仮焼した後、ボールミルを用いて1μmの平均粒子径となるように粉砕した。粉砕して得られたスラリーを乾燥した後に、実施例1におけるものと同じ組成を有するようにCaCO3、SiO2およびAl2O3を配合したものを大気中850℃で熱処理後、前記主成分100重量部に対して2.5重量部となるように添加した。さらにMgOを前記主成分100重量部に対して表4に示す比率になるように添加した。また、比較のためにMgOを添加していない試料も作製した。得られた粉末に1%のPVAをバインダとして加え、造粒を行なった。造粒された粉末を外径7.8mm、内径3.8mm、厚さ3mmのリング形状に成形した。成形体は抵抗加熱式の雰囲気焼成炉を用い空気中1200℃で焼成し、Arガス雰囲気下で冷却した。実施例1と同様にして比透磁率、抵抗率および密度を評価した。結果を表4に示す。
実施例2のNo6のCASをCaCO3、SiO2およびAl2O3として混合の後、850℃で熱処理後する代りに、以下のようにして添加した試料を作製した。すなわち、CaO、SiO2およびAl2O3の素原料を混合し、得られた混合粉を熱処理することなく、主成分100重量部に対して2.5重量部となるように添加した。それ以外の条件はNo6の試料と同様である。CASを上記のように熱処理することなく添加した場合でも、No6の試料と比較して比透磁率は同等で、抵抗率は20×103Ω・m以上を示した。すなわち、上記のようにしてアノーサイトを形成可能な範囲のCaO、SiO2およびAl2O3(CAS)を含有させることでも抵抗率の大幅な向上が実現できる。なお、抵抗率はNo6の方が20%程度高く、CASは熱処理を施した後に添加する方がより効果的であることがわかった。
実施例2のNo6のCASの代りに、アノーサイトを形成しない組成である31.0mol%CaO、62.1mol%SiO2、および6.9mol%Al2O3となるようにCaCO3、SiO2およびAl2O3を配合したものを熱処理することなく、主成分100重量部に対して2.5重量部添加した試料を作製して評価した。得られた試料では、No6の試料に比べて抵抗率は約1/4に、比透磁率は約2/3に低下した。
Claims (6)
- MnO、ZnOおよびFe2O3を主成分とするフェライト焼結体であって、
前記フェライト焼結体の主成分組成は、Fe2O3の比率が50mol%未満のFeプアー組成であるとともに、
副成分として、アノーサイトを形成可能な範囲のCaO、SiO2およびAl2O3を含有することを特徴とするフェライト焼結体。 - 前記CaO、SiO2およびAl2O3全体の含有量が前記主成分100重量部に対して2.5重量部以下(0を含まず)であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト焼結体。
- 前記主成分100重量部に対して、副成分として2.0重量部未満(但し0を除く)のMgOを含有することを特徴とする請求項2に記載のフェライト焼結体。
- 磁性体に導体を巻回して構成したコイル部品であって、前記磁性体として請求項1〜3のいずれかに記載のフェライト焼結体を用いたことを特徴とするコイル部品。
- MnO、ZnOおよびFe2O3を主成分とする原料粉末を成形後、焼成してフェライト焼結体を得るフェライト焼結体の製造方法であって、
前記フェライト焼結体の主成分組成は、Fe2O3の比率が50mol%未満のFeプアー組成であるとともに、
副成分として、アノーサイトを形成可能な範囲のCaO、SiO2およびAl2O3を含有させることを特徴とするフェライト焼結体の製造方法。 - 前記CaO、SiO2およびAl2O3の素原料を混合し、得られた混合粉を800〜900℃の温度範囲で熱処理後、前記原料粉末に添加することを特徴とする請求項5に記載のフェライト焼結体の製造方法。
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