JPH0897025A - チップトランス用磁性材料及びチップトランス - Google Patents
チップトランス用磁性材料及びチップトランスInfo
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- JPH0897025A JPH0897025A JP6258953A JP25895394A JPH0897025A JP H0897025 A JPH0897025 A JP H0897025A JP 6258953 A JP6258953 A JP 6258953A JP 25895394 A JP25895394 A JP 25895394A JP H0897025 A JPH0897025 A JP H0897025A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/02—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
- H01F41/0206—Manufacturing of magnetic cores by mechanical means
- H01F41/0246—Manufacturing of magnetic circuits by moulding or by pressing powder
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- Power Engineering (AREA)
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- Soft Magnetic Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 MHz帯で使用して、コアロスの値が小さ
く、100℃付近でコアロスが最小となるチップトラン
ス用磁性材料を得る。 【構成】 主成分として、Fe2O3が51.0mol%
〜52.5mol%、MnOが37.0mol%〜45.
0mol%、残部ZnOからなるMn−Znフェライト
であって、気孔率が10%以上25%以下であり、結晶
粒径が1μm以下にしたMn−Zn系フェライト焼成体
とする。
く、100℃付近でコアロスが最小となるチップトラン
ス用磁性材料を得る。 【構成】 主成分として、Fe2O3が51.0mol%
〜52.5mol%、MnOが37.0mol%〜45.
0mol%、残部ZnOからなるMn−Znフェライト
であって、気孔率が10%以上25%以下であり、結晶
粒径が1μm以下にしたMn−Zn系フェライト焼成体
とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気回路に組み込むチ
ップトランス用磁性材料に関するものである。
ップトランス用磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型化、軽量化に
伴い、電子機器において、配線基板への各部品の実装に
ついては、表面実装化が急速に進められている。電源用
トランスにおいても、磁性材と巻線とを一体に焼結して
得られる、いわゆるチップトランスが望まれている。
伴い、電子機器において、配線基板への各部品の実装に
ついては、表面実装化が急速に進められている。電源用
トランスにおいても、磁性材と巻線とを一体に焼結して
得られる、いわゆるチップトランスが望まれている。
【0003】トランスをチップ化しようとする場合、磁
性材としては、ニッケル−銅−亜鉛(Ni−Cu−Z
n)系フェライトと、マンガン−亜鉛(Mn−Zn)系
フェライト等が考えられる。しかしながら、Ni−Cu
−Zn系フェライトでは、MHz帯で励振した時、コア
ロスが大きくなり、発熱量が大きく、効率が悪く、低パ
ワーで小形のトランスしか作製できず、チップ化しにく
い欠点がある。
性材としては、ニッケル−銅−亜鉛(Ni−Cu−Z
n)系フェライトと、マンガン−亜鉛(Mn−Zn)系
フェライト等が考えられる。しかしながら、Ni−Cu
−Zn系フェライトでは、MHz帯で励振した時、コア
ロスが大きくなり、発熱量が大きく、効率が悪く、低パ
ワーで小形のトランスしか作製できず、チップ化しにく
い欠点がある。
【0004】又、トランスの発熱による暴走を防止する
ため、通常、トランスに用いる磁性材料のコアロスの温
度特性は、トランスの環境温度より高温となる動作時の
温度以上で最小となるように作られている。
ため、通常、トランスに用いる磁性材料のコアロスの温
度特性は、トランスの環境温度より高温となる動作時の
温度以上で最小となるように作られている。
【0005】Ni−Cu−Zn系フェライトにおいて
は、材料組成を調整することにより、動作時の磁性材の
温度より高い温度で、コアロスが最小となる材料とする
ことはある程度可能であるが、コアロスを小さくするこ
とと、動作時の温度でコアロスが最小となる特性を同時
に満足するに至っていない。
は、材料組成を調整することにより、動作時の磁性材の
温度より高い温度で、コアロスが最小となる材料とする
ことはある程度可能であるが、コアロスを小さくするこ
とと、動作時の温度でコアロスが最小となる特性を同時
に満足するに至っていない。
【0006】他方、Mn−Zn系フェライトでは、従来
のトランス用磁性材料においては、MHz帯域でコアロ
スが小さい材料は得られておらず、MHz帯で使用する
チップトランス用磁性材料として、Ni−Cu−Zn
系、Mn−Zn系フェライトのいずれにおいても、適当
な磁性材料は得られていない。
のトランス用磁性材料においては、MHz帯域でコアロ
スが小さい材料は得られておらず、MHz帯で使用する
チップトランス用磁性材料として、Ni−Cu−Zn
系、Mn−Zn系フェライトのいずれにおいても、適当
な磁性材料は得られていない。
【0007】又、チップトランスとして、高性能化を図
るためには、チップインダクターと同様に、磁性材と巻
線を形成する導体とを一体焼成することが可能でなけれ
ばならず、又、磁性材料が巻線を形成する導体となる銀
(Ag)と反応することがなく、磁性材料により導体が
断線する等の不具合がないことが必須条件となる。又、
導体としては、Ag単成分の方が電気抵抗が小さい。こ
のAgの融点は、960℃と低いため、巻線用導体とフ
ェライトとの反応、又は断線、又は剥離等を生ぜず、高
性能を図るためには、この融点以下の、できるだけ低い
温度で焼成が可能で、チップトランスを形成する条件を
満たす磁性材料とすることが必要となる。
るためには、チップインダクターと同様に、磁性材と巻
線を形成する導体とを一体焼成することが可能でなけれ
ばならず、又、磁性材料が巻線を形成する導体となる銀
(Ag)と反応することがなく、磁性材料により導体が
断線する等の不具合がないことが必須条件となる。又、
導体としては、Ag単成分の方が電気抵抗が小さい。こ
のAgの融点は、960℃と低いため、巻線用導体とフ
ェライトとの反応、又は断線、又は剥離等を生ぜず、高
性能を図るためには、この融点以下の、できるだけ低い
温度で焼成が可能で、チップトランスを形成する条件を
満たす磁性材料とすることが必要となる。
【0008】Ni−Cu−Zn系材料を磁性材料として
用いる場合、Agより融点の高い、従来使用されている
Ag−Pd合金を巻線用導体材として使用するか、フェ
ライトの焼結性を向上させる手段として、酸化銅(Cu
O)の量を増加することにより、焼成温度の低下を図る
ことが考えられる。
用いる場合、Agより融点の高い、従来使用されている
Ag−Pd合金を巻線用導体材として使用するか、フェ
ライトの焼結性を向上させる手段として、酸化銅(Cu
O)の量を増加することにより、焼成温度の低下を図る
ことが考えられる。
【0009】しかしながら、前者では、Agに比べ、A
g−Pd合金では電気抵抗値が高く、銅損を大きくする
という欠点がある。このため、Ag−Pd合金を使用す
ることは、望ましくない。一方、Agを使用すると、焼
成温度がAgの融点以上であるため、Agがフェライト
に固容して、フェライトの磁気特性を劣化させるだけで
なく、短絡等の不具合が生ずるため、Agを容易に使用
できない欠点があった。
g−Pd合金では電気抵抗値が高く、銅損を大きくする
という欠点がある。このため、Ag−Pd合金を使用す
ることは、望ましくない。一方、Agを使用すると、焼
成温度がAgの融点以上であるため、Agがフェライト
に固容して、フェライトの磁気特性を劣化させるだけで
なく、短絡等の不具合が生ずるため、Agを容易に使用
できない欠点があった。
【0010】又、後者では、Agを容易に使用できない
ので、Agを使用する時、Ni−Cu−Zn系フェライ
トにCuOを多量に含有せしめることで、焼成温度を低
下させることは、ある程度可能である。しかし、磁気特
性が劣化する問題が生ずる。
ので、Agを使用する時、Ni−Cu−Zn系フェライ
トにCuOを多量に含有せしめることで、焼成温度を低
下させることは、ある程度可能である。しかし、磁気特
性が劣化する問題が生ずる。
【0011】Mn−Zn系フェライトにおいては、Ag
は使用できない理由として、通常の焼成条件は、100
0℃〜1400℃であるため、銀単体を巻線用導体とし
て一体焼成することは困難であることがあげられる。
は使用できない理由として、通常の焼成条件は、100
0℃〜1400℃であるため、銀単体を巻線用導体とし
て一体焼成することは困難であることがあげられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの欠点を除去し、巻線用導体としてAgが使用でき、
しかも、MHz帯における高周波において、良好なコア
ロスと、コアロスが最小となる温度が実用温度範囲であ
る温度特性を有し、磁性層と巻線用導体の短絡等が生ず
ることのない、一体焼成することのできる、トランスと
して優れた性能を発揮できるチップトランス用磁性材料
及びチップトランスを提供することにある。
らの欠点を除去し、巻線用導体としてAgが使用でき、
しかも、MHz帯における高周波において、良好なコア
ロスと、コアロスが最小となる温度が実用温度範囲であ
る温度特性を有し、磁性層と巻線用導体の短絡等が生ず
ることのない、一体焼成することのできる、トランスと
して優れた性能を発揮できるチップトランス用磁性材料
及びチップトランスを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、Agの融点以
下の温度範囲で焼成が可能で、しかも、優れたトランス
に用いる磁性材料の特性を有するチップトランス用磁性
材料及びチップトランスを得ることにある。
下の温度範囲で焼成が可能で、しかも、優れたトランス
に用いる磁性材料の特性を有するチップトランス用磁性
材料及びチップトランスを得ることにある。
【0014】本発明者らは、種々の検討を行った結果、
チップトランス用磁性材料として、酸化鉄(Fe2O3)
が51.0mol%〜52.5mol%、酸化マンガン
(MnO)が37.0mol%〜45.0mol%、残部
酸化亜鉛(ZnO)よりなるMn−Znフェライトであ
って、焼成体の結晶粒径が1μm以下であり、かつ、気
孔率が10%以上25%以下であり、加えて、トランス
としての構造がMn−Znフェライトの磁性層、及びA
gの導体層、及びアルミナ(Al2O3)、ジルコニア
(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、又は二酸化硅素
(SiO2)の少なくとも1種よりなる絶縁層との三層
積層型のチップトランスとすることで、特に、MHz帯
域において優れたコアロスの温度特性を有するチップト
ランスを製造可能とするチップトランス用磁性材料であ
ることを知見した。
チップトランス用磁性材料として、酸化鉄(Fe2O3)
が51.0mol%〜52.5mol%、酸化マンガン
(MnO)が37.0mol%〜45.0mol%、残部
酸化亜鉛(ZnO)よりなるMn−Znフェライトであ
って、焼成体の結晶粒径が1μm以下であり、かつ、気
孔率が10%以上25%以下であり、加えて、トランス
としての構造がMn−Znフェライトの磁性層、及びA
gの導体層、及びアルミナ(Al2O3)、ジルコニア
(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)、又は二酸化硅素
(SiO2)の少なくとも1種よりなる絶縁層との三層
積層型のチップトランスとすることで、特に、MHz帯
域において優れたコアロスの温度特性を有するチップト
ランスを製造可能とするチップトランス用磁性材料であ
ることを知見した。
【0015】フェライトのコアロスは、渦電流損、ヒス
テリシス損、その他の損失よりなっており、MHz帯で
は、その他の損失が支配的であるといわれている。
テリシス損、その他の損失よりなっており、MHz帯で
は、その他の損失が支配的であるといわれている。
【0016】本発明品は、従来の低周波で動作するトラ
ンス用磁性材料の一般的な組成であるFe2O3が52.
5mol%〜53.0mol%、MnOが35.0mol
%〜38.0mol%、残部ZnOの値に比べて、より
低いFe2O3、高いMnOの組成比であることに加え、
低温で焼成するため、焼成体の結晶粒径を微細にするこ
とにより、比透磁率μiを低減させ、一方、その他の損
失に含まれる共鳴損失を低減でき、全体のコアロスの低
減がなされる。
ンス用磁性材料の一般的な組成であるFe2O3が52.
5mol%〜53.0mol%、MnOが35.0mol
%〜38.0mol%、残部ZnOの値に比べて、より
低いFe2O3、高いMnOの組成比であることに加え、
低温で焼成するため、焼成体の結晶粒径を微細にするこ
とにより、比透磁率μiを低減させ、一方、その他の損
失に含まれる共鳴損失を低減でき、全体のコアロスの低
減がなされる。
【0017】又、トランスの発熱による暴走を防止する
一つの手段として、通常、コアロスの温度特性は、トラ
ンスの使用環境温度より高温で最小となるように設計さ
れる。本発明では、前記したごとく、従来の低周波材と
比較し、低いFe2O3、高いMnOの組成比としてい
る。ヒステリシス損失が最小となる温度が高温側にある
ため、コアロスの温度特性を改善することを可能として
いる。
一つの手段として、通常、コアロスの温度特性は、トラ
ンスの使用環境温度より高温で最小となるように設計さ
れる。本発明では、前記したごとく、従来の低周波材と
比較し、低いFe2O3、高いMnOの組成比としてい
る。ヒステリシス損失が最小となる温度が高温側にある
ため、コアロスの温度特性を改善することを可能として
いる。
【0018】又、Mn−Zn系フェライトの比抵抗は、
1〜103Ω・cmと、Ni−Cu−Zn系フェライトと
比較して低く、磁性材料の表面に印刷した導体間で磁性
材を間にした短絡が問題となるが、本発明では、磁性層
と巻線用導体層間に絶縁層として、Al2O3、Zr
O2、TiO2、SiO2の少なくとも1種よりなる絶縁
層を積層することにより、高周波域における材料の比抵
抗の値が小さいために生ずるコアロスの増大を防止し、
問題を解決することができ、MHz帯におけるコアロス
の値をより小さくしたチップトランス用磁性材料及びチ
ップトランスとすることができ、又、絶縁層の層間に巻
線用導体も形成できる。
1〜103Ω・cmと、Ni−Cu−Zn系フェライトと
比較して低く、磁性材料の表面に印刷した導体間で磁性
材を間にした短絡が問題となるが、本発明では、磁性層
と巻線用導体層間に絶縁層として、Al2O3、Zr
O2、TiO2、SiO2の少なくとも1種よりなる絶縁
層を積層することにより、高周波域における材料の比抵
抗の値が小さいために生ずるコアロスの増大を防止し、
問題を解決することができ、MHz帯におけるコアロス
の値をより小さくしたチップトランス用磁性材料及びチ
ップトランスとすることができ、又、絶縁層の層間に巻
線用導体も形成できる。
【0019】即ち、本発明は、主成分として、酸化鉄
(Fe2O3)が51.0mol%〜52.5mol%、酸
化マンガン(MnO)が37.0mol%〜45.0mo
l%、残部酸化亜鉛(ZnO)の組成よりなるMn−Z
nフェライトからなる焼成体であって、気孔率が10%
以上25%以下であり、結晶粒径が1μm以下であるこ
とを特徴とするチップトランス用磁性材料である。
(Fe2O3)が51.0mol%〜52.5mol%、酸
化マンガン(MnO)が37.0mol%〜45.0mo
l%、残部酸化亜鉛(ZnO)の組成よりなるMn−Z
nフェライトからなる焼成体であって、気孔率が10%
以上25%以下であり、結晶粒径が1μm以下であるこ
とを特徴とするチップトランス用磁性材料である。
【0020】又、本発明は、主成分として、Fe2O3が
51.0mol%〜52.5mol%、MnOが37.0
mol%〜45.0mol%、残部ZnOの組成比で、
焼成体の気孔率が10%ないし25%、結晶粒径が1μ
m以下であるMn−Znフェライトの磁性層と、アルミ
ナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、酸化チタン
(TiO2)、又は二酸化硅素(SiO2)の少なくとも
1種を含む絶縁層と、該絶縁層間に巻線用の銀(Ag)
の導体を積層し、一体に構成してなることを特徴とする
チップトランスである。
51.0mol%〜52.5mol%、MnOが37.0
mol%〜45.0mol%、残部ZnOの組成比で、
焼成体の気孔率が10%ないし25%、結晶粒径が1μ
m以下であるMn−Znフェライトの磁性層と、アルミ
ナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)、酸化チタン
(TiO2)、又は二酸化硅素(SiO2)の少なくとも
1種を含む絶縁層と、該絶縁層間に巻線用の銀(Ag)
の導体を積層し、一体に構成してなることを特徴とする
チップトランスである。
【0021】
【作用】本発明において、Fe2O3を51.0mol%
〜52.5mol%、MnOを37.0mol%〜45.
0mol%、残部ZnOとしたのは、Fe2O3が52.
5mol%より大きく、もしくは、MnOが37.0m
ol%未満であると、コアロスが最小となる温度が低
く、トランスの発熱による暴走を招くため、好ましくな
い。又、Fe2O3が51.0mol%未満、もしくは、
MnOが45.0mol%より大きい場合では、コアロ
スの増大を招くため、好ましくない。
〜52.5mol%、MnOを37.0mol%〜45.
0mol%、残部ZnOとしたのは、Fe2O3が52.
5mol%より大きく、もしくは、MnOが37.0m
ol%未満であると、コアロスが最小となる温度が低
く、トランスの発熱による暴走を招くため、好ましくな
い。又、Fe2O3が51.0mol%未満、もしくは、
MnOが45.0mol%より大きい場合では、コアロ
スの増大を招くため、好ましくない。
【0022】又、気孔率を25%以下としたのは、例え
低密度であっても、コアロスの特性上は問題ないが、焼
結体強度が得られないだけではなく、水分の吸収等によ
り、巻線用導体に短絡が発生するためである。気孔率を
10%以上としたのは、10%未満となる焼成条件で
は、焼成温度が高すぎ、異常粒が発生し、著しくコアロ
スの増大をもたらすためである。
低密度であっても、コアロスの特性上は問題ないが、焼
結体強度が得られないだけではなく、水分の吸収等によ
り、巻線用導体に短絡が発生するためである。気孔率を
10%以上としたのは、10%未満となる焼成条件で
は、焼成温度が高すぎ、異常粒が発生し、著しくコアロ
スの増大をもたらすためである。
【0023】更に、結晶粒径を1.0μm以下としたの
は、1.0μmより大きいと、比透磁率が高くなり、損
失要因である共鳴損失の増大と思われるコアロスの増大
を招くためである。
は、1.0μmより大きいと、比透磁率が高くなり、損
失要因である共鳴損失の増大と思われるコアロスの増大
を招くためである。
【0024】本発明のチップトランス用磁性材料におい
て、MHz帯の高周波領域でコアロス特性が良好となる
原因としては、従来のトランス用磁性材として、低周波
域で用いられている材料の一般的な組成が、Fe2O3の
値が52.5mol%〜53.0mol%、MnOの値が
35.0mol%〜38.0mol%、残部ZnOに対
し、より低いFe2O3の組成比と、高いMnOの組成比
であることに加え、低温で焼成するため、焼成体の結晶
粒径は微細であることであり、その結果、比透磁率μi
が低減できるため、その他の損失に含まれる共鳴損失を
低減でき、コアロスの低減がなされる。
て、MHz帯の高周波領域でコアロス特性が良好となる
原因としては、従来のトランス用磁性材として、低周波
域で用いられている材料の一般的な組成が、Fe2O3の
値が52.5mol%〜53.0mol%、MnOの値が
35.0mol%〜38.0mol%、残部ZnOに対
し、より低いFe2O3の組成比と、高いMnOの組成比
であることに加え、低温で焼成するため、焼成体の結晶
粒径は微細であることであり、その結果、比透磁率μi
が低減できるため、その他の損失に含まれる共鳴損失を
低減でき、コアロスの低減がなされる。
【0025】本発明におけるチップトランス用磁性材料
を用いることにより、巻線用導体と磁性材の一体焼成が
可能となり、かつ、磁気特性に優れたチップトランスの
製造が可能となる。
を用いることにより、巻線用導体と磁性材の一体焼成が
可能となり、かつ、磁気特性に優れたチップトランスの
製造が可能となる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例について詳細に説明
する。
する。
【0027】(実施例1)主成分として、酸化鉄(Fe
2O3)の原料粉末を51.0mol%、酸化マンガン
(MnO)の原料粉末を40.0mol%、酸化亜鉛
(ZnO)の原料粉末を8.0mol%となるように秤
量し、混合し、700℃〜900℃で1時間仮焼した粉
末に、微量添加物として、0.15wt%のSiO2、及
び0.10wt%のCaO、及び0.5wt%のHfO2
を添加した後、粉砕上がりの平均粉末粒径が0.1μm
〜0.8μmとなるようにボールミルで2時間〜200
時間粉砕し、造粒し、10mmφ×6mmφ×2mm厚
のトロイダル形状に2t/cm2の圧力で成形し、得ら
れた成形体を酸素分圧を制御した窒素気流中で750℃
〜900℃の温度で焼成した。
2O3)の原料粉末を51.0mol%、酸化マンガン
(MnO)の原料粉末を40.0mol%、酸化亜鉛
(ZnO)の原料粉末を8.0mol%となるように秤
量し、混合し、700℃〜900℃で1時間仮焼した粉
末に、微量添加物として、0.15wt%のSiO2、及
び0.10wt%のCaO、及び0.5wt%のHfO2
を添加した後、粉砕上がりの平均粉末粒径が0.1μm
〜0.8μmとなるようにボールミルで2時間〜200
時間粉砕し、造粒し、10mmφ×6mmφ×2mm厚
のトロイダル形状に2t/cm2の圧力で成形し、得ら
れた成形体を酸素分圧を制御した窒素気流中で750℃
〜900℃の温度で焼成した。
【0028】微粉砕後の粉末の粒度分布を測定したとこ
ろ、平均粉末粒径は、0.1μm〜0.8μmであった。
得られた焼成体の結晶粒径、気孔率、コアロスの値を表
1に示す。
ろ、平均粉末粒径は、0.1μm〜0.8μmであった。
得られた焼成体の結晶粒径、気孔率、コアロスの値を表
1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示す通り、得られた焼成体の結晶粒
径の範囲は、0.2μm〜1.25μm、気孔率の範囲
は、7〜29%であった。
径の範囲は、0.2μm〜1.25μm、気孔率の範囲
は、7〜29%であった。
【0031】酸化鉄(Fe2O3)、酸化ニッケル(Ni
O)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)を酸化物
換算組成で、16NiO・5CuO・30ZnO・49F
e2O3となるように秤量し、混合し、大気中800℃で
仮焼した。更に、この粉末をボールミルにて5時間粉砕
した。次に、これらの粉末を10mmφ×6mmφ×2
mm厚のトロイダル形状に2t/cm2の圧力で成形
し、800℃で焼成した。
O)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)を酸化物
換算組成で、16NiO・5CuO・30ZnO・49F
e2O3となるように秤量し、混合し、大気中800℃で
仮焼した。更に、この粉末をボールミルにて5時間粉砕
した。次に、これらの粉末を10mmφ×6mmφ×2
mm厚のトロイダル形状に2t/cm2の圧力で成形
し、800℃で焼成した。
【0032】表1に、本発明品の平均結晶粒径と気孔
率、及び励振周波数が3MHz、磁束密度が80ガウス
(8×10-3T)、測定温度が100℃におけるコアロ
ス値を示す。又、図1に、表1で示した試料の平均結晶
粒径と気孔率を変えた時の、コアロス値との特性図を示
す。3MHz−80G−100℃のコアロス値は、気孔
率が10%以上25%以下で、平均結晶粒径が1μm以
下である本発明品のコアロスは、小さくなり、格段に優
れていることがわかる。
率、及び励振周波数が3MHz、磁束密度が80ガウス
(8×10-3T)、測定温度が100℃におけるコアロ
ス値を示す。又、図1に、表1で示した試料の平均結晶
粒径と気孔率を変えた時の、コアロス値との特性図を示
す。3MHz−80G−100℃のコアロス値は、気孔
率が10%以上25%以下で、平均結晶粒径が1μm以
下である本発明品のコアロスは、小さくなり、格段に優
れていることがわかる。
【0033】図2は、励振周波数が3MHz、磁束密度
が8×10-3T、温度が100℃におけるコアロスと、
平均結晶粒径が0.45μm〜0.50μmの試料の気孔
率の関係を示した特性図である。気孔率が10%以下で
あると、コアロスは次第に大きくなり、特性としては著
しく劣化することがわかる。
が8×10-3T、温度が100℃におけるコアロスと、
平均結晶粒径が0.45μm〜0.50μmの試料の気孔
率の関係を示した特性図である。気孔率が10%以下で
あると、コアロスは次第に大きくなり、特性としては著
しく劣化することがわかる。
【0034】図3は、気孔率が14〜16%の試料を選
別し、平均結晶粒径と、励振周波数が3MHz、磁束密
度が8×10-3T、温度が100℃におけるコアロスの
関係を示した特性図である。平均結晶粒径が1μm以上
であると、コアロスは著しく劣化することがわかる。
別し、平均結晶粒径と、励振周波数が3MHz、磁束密
度が8×10-3T、温度が100℃におけるコアロスの
関係を示した特性図である。平均結晶粒径が1μm以上
であると、コアロスは著しく劣化することがわかる。
【0035】(実施例2)主成分として、酸化鉄(Fe
2O3)の原料粉末が51.0mol%〜53.0mol
%、酸化マンガン(MnO)の原料粉末が35.0mo
l%〜45.0mol%、残部酸化亜鉛(ZnO)とな
るように秤量し、混合し、800℃で1時間仮焼した粉
末に、微量添加物として、0.15wt%のSiO2、
0.10wt%のCaO、0.5wt%のHfO2を添加
した後、粉砕上がりの平均粉末粒径が0.2μmとなる
ようにボールミルで80時間粉砕し、造粒し、10mm
φ×6mmφ×2mm厚のトロイダル形状に2t/cm
2の圧力で成形し、得られた成形体を酸素分圧を制御し
た窒素気流中で850℃の温度で焼成した。
2O3)の原料粉末が51.0mol%〜53.0mol
%、酸化マンガン(MnO)の原料粉末が35.0mo
l%〜45.0mol%、残部酸化亜鉛(ZnO)とな
るように秤量し、混合し、800℃で1時間仮焼した粉
末に、微量添加物として、0.15wt%のSiO2、
0.10wt%のCaO、0.5wt%のHfO2を添加
した後、粉砕上がりの平均粉末粒径が0.2μmとなる
ようにボールミルで80時間粉砕し、造粒し、10mm
φ×6mmφ×2mm厚のトロイダル形状に2t/cm
2の圧力で成形し、得られた成形体を酸素分圧を制御し
た窒素気流中で850℃の温度で焼成した。
【0036】微粉砕後の粉末の粒度分布を測定したとこ
ろ、平均粉末粒径は、0.2μmであった。又、焼成体
の平均結晶粒径は、0.35μm、気孔率は13%であ
った。
ろ、平均粉末粒径は、0.2μmであった。又、焼成体
の平均結晶粒径は、0.35μm、気孔率は13%であ
った。
【0037】表2に、本発明品のMn−Zn系フェライ
トの主成分組成を変化させた時の励振周波数3MHz、
磁束密度が8×10-3T(80ガウス)におけるコアロ
ス値とコアロスが最小となる温度を示す。
トの主成分組成を変化させた時の励振周波数3MHz、
磁束密度が8×10-3T(80ガウス)におけるコアロ
ス値とコアロスが最小となる温度を示す。
【0038】3MHzで3×10-3Tの励振条件の時の
コアロスPBの値は、50(mW/cc)以下の特性が
好ましく、従って、Fe2O3が51.0mol%〜52.
0mol%、MnOが37.0mol%〜45.0mol
%、残部ZnOの条件で比較例に比べて、コアロスが小
さくなることと、コアロスが最小となる温度の両条件を
満足していることがわかる。
コアロスPBの値は、50(mW/cc)以下の特性が
好ましく、従って、Fe2O3が51.0mol%〜52.
0mol%、MnOが37.0mol%〜45.0mol
%、残部ZnOの条件で比較例に比べて、コアロスが小
さくなることと、コアロスが最小となる温度の両条件を
満足していることがわかる。
【0039】図4に、実施例1のNo.1に示す試料の
3MHz−80G時の温度特性を示す。トランスの使用
環境は、約100℃以下であることが多く、このことを
考えると、本発明品のコアロスが最小となる温度は、1
00℃以上であるので、発熱によるトランスの暴走を押
さえることができる。このため、優れた温度特性を持っ
て、コアロス値も小さい。
3MHz−80G時の温度特性を示す。トランスの使用
環境は、約100℃以下であることが多く、このことを
考えると、本発明品のコアロスが最小となる温度は、1
00℃以上であるので、発熱によるトランスの暴走を押
さえることができる。このため、優れた温度特性を持っ
て、コアロス値も小さい。
【0040】なお、表2に示す実施例におけるNo.3
の試料は、結晶粒径が1μm、気孔率15%の焼成体で
あり、1kHzにおける比透磁率の値は、500であっ
た。
の試料は、結晶粒径が1μm、気孔率15%の焼成体で
あり、1kHzにおける比透磁率の値は、500であっ
た。
【0041】
【表2】
【0042】(実施例3)磁性層を形成する主成分とし
て、酸化鉄(Fe2O3)の原料粉末を52.0mol
%、酸化マンガン(MnO)の原料粉末を40.0mo
l%、酸化亜鉛(ZnO)の原料粉末を8.0mol%
となるように秤量し、混合し、700℃〜900℃で1
時間仮焼した粉末に、微量添加物として、0.15wt
%のSiO2、0.10wt%のCaO、及び0.5wt
%のHfO2を添加した後、粉砕上がりの平均粉末粒径
が0.1μm〜0.8μmとなるようにボールミルで2時
間〜200時間粉砕し、乾燥した。
て、酸化鉄(Fe2O3)の原料粉末を52.0mol
%、酸化マンガン(MnO)の原料粉末を40.0mo
l%、酸化亜鉛(ZnO)の原料粉末を8.0mol%
となるように秤量し、混合し、700℃〜900℃で1
時間仮焼した粉末に、微量添加物として、0.15wt
%のSiO2、0.10wt%のCaO、及び0.5wt
%のHfO2を添加した後、粉砕上がりの平均粉末粒径
が0.1μm〜0.8μmとなるようにボールミルで2時
間〜200時間粉砕し、乾燥した。
【0043】乾燥したフェライト粉末が100wt%に
対し、バインダーとして、エチルセルロースを5wt
%、溶剤として、メチルイソブチルケトンを40wt%
加え、スパイラルミキサーで3時間混合した。
対し、バインダーとして、エチルセルロースを5wt
%、溶剤として、メチルイソブチルケトンを40wt%
加え、スパイラルミキサーで3時間混合した。
【0044】又、巻線の導体層として、Ag粉末を10
0wt%に対し、バインダーとして、ポリビニールブチ
ラールを5wt%、溶剤として、メチルイソブチルケト
ンを40wt%加え、スパイラルミキサーで3時間混合
した。
0wt%に対し、バインダーとして、ポリビニールブチ
ラールを5wt%、溶剤として、メチルイソブチルケト
ンを40wt%加え、スパイラルミキサーで3時間混合
した。
【0045】同様に、絶縁層として、Al2O3=100
wt%(1)、ZrO2=100wt%(2)、TiO2
=100wt%(3)、SiO2=100wt%
(4)、Al2O3+ZrO2=50+50wt%
(5)、Al2O3+TiO2=50+50wt%
(6)、Al2O3+SiO2=50+50wt%(7)
の粉末に対し、バインダーとして、エチルセルロースを
5wt%、溶剤として、メチルイソブチルケトンを40
wt%加え、スパイラルミキサーで3時間混合し、7種
の絶縁層を用意した。
wt%(1)、ZrO2=100wt%(2)、TiO2
=100wt%(3)、SiO2=100wt%
(4)、Al2O3+ZrO2=50+50wt%
(5)、Al2O3+TiO2=50+50wt%
(6)、Al2O3+SiO2=50+50wt%(7)
の粉末に対し、バインダーとして、エチルセルロースを
5wt%、溶剤として、メチルイソブチルケトンを40
wt%加え、スパイラルミキサーで3時間混合し、7種
の絶縁層を用意した。
【0046】これらをドクターブレード法により、3m
×3cmのフィルム上に成膜し、乾燥し、厚さ100μ
mの磁性層と、厚さ50μmの絶縁層と、厚さ30μm
の導体層と、厚さ50μmの絶縁層とを1ユニットと
し、10回繰り返し印刷し(最終ユニットはプラス磁性
層とする)、850℃で1時間、酸素分圧を制御した窒
素気流中で焼成した。又、比較例としては、前記の絶縁
層を成膜していない試料を焼成した。
×3cmのフィルム上に成膜し、乾燥し、厚さ100μ
mの磁性層と、厚さ50μmの絶縁層と、厚さ30μm
の導体層と、厚さ50μmの絶縁層とを1ユニットと
し、10回繰り返し印刷し(最終ユニットはプラス磁性
層とする)、850℃で1時間、酸素分圧を制御した窒
素気流中で焼成した。又、比較例としては、前記の絶縁
層を成膜していない試料を焼成した。
【0047】表3に、厚さ100μmの磁性層と厚さ5
0μmのAl2O3,ZrO2,TiO2,SiO2の少な
くとも1種を含む絶縁層と、厚さ50μmの導体層と、
前記絶縁層と磁性層とを交互に積層した試料の磁性層の
外側面間で測定した比抵抗値と、絶縁層を成膜していな
い試料を比較品の比抵抗として示す。
0μmのAl2O3,ZrO2,TiO2,SiO2の少な
くとも1種を含む絶縁層と、厚さ50μmの導体層と、
前記絶縁層と磁性層とを交互に積層した試料の磁性層の
外側面間で測定した比抵抗値と、絶縁層を成膜していな
い試料を比較品の比抵抗として示す。
【0048】
【表3】
【0049】絶縁層を成膜していない試料と比較し、絶
縁層を積層した試料の比抵抗値が著しく高く、巻線用導
体層を間に積層しても高い電気絶縁性を示し、本発明に
よる1μm以下の微結晶粒と気孔率が10%ないし25
%の特徴を有するMn−Znフェライトと、Al2O3,
ZrO2,TiO2,SiO2の絶縁層を交互に積層した
チップトランス用フェライトは、高周波域においてのコ
アロスを低減し、チップトランス用磁性材料として有用
である。
縁層を積層した試料の比抵抗値が著しく高く、巻線用導
体層を間に積層しても高い電気絶縁性を示し、本発明に
よる1μm以下の微結晶粒と気孔率が10%ないし25
%の特徴を有するMn−Znフェライトと、Al2O3,
ZrO2,TiO2,SiO2の絶縁層を交互に積層した
チップトランス用フェライトは、高周波域においてのコ
アロスを低減し、チップトランス用磁性材料として有用
である。
【0050】
【発明の効果】以上、述べたごとく、本発明によれば、
Fe2O3が51.0mol%〜52.5mol%、MnO
が37.0mol%〜45.0mol%、残部ZnOより
なるMn−Znフェライトの焼成体の気孔率が10%以
上ないし25%以下で、平均結晶粒径が1μm以下とな
るように焼成することにより、コアロスを小さくするこ
とと、コアロスが最小となる温度が高温領域にあるとい
う優れた磁気特性を有するチップトランス用磁性材料が
得られ、特に、MHz帯域において優れた磁気特性を有
するチップトランスが製造可能である。
Fe2O3が51.0mol%〜52.5mol%、MnO
が37.0mol%〜45.0mol%、残部ZnOより
なるMn−Znフェライトの焼成体の気孔率が10%以
上ないし25%以下で、平均結晶粒径が1μm以下とな
るように焼成することにより、コアロスを小さくするこ
とと、コアロスが最小となる温度が高温領域にあるとい
う優れた磁気特性を有するチップトランス用磁性材料が
得られ、特に、MHz帯域において優れた磁気特性を有
するチップトランスが製造可能である。
【0051】又、チップトランス用磁性材料を用いてA
gを巻線用導体として使用することが可能となり、Ag
を使用して巻線用導体とし、Al2O3,ZrO2,Ti
O2,SiO2の少なくとも1種を絶縁層とすることによ
って、磁性層と導体層との一体焼成が可能となり、磁性
材料により導体が断線する等の不具合がない、優れたチ
ップトランスが得られる。よって、優れた性能を発揮で
きるチップトランス用磁性材料及びチップトランスを提
供することが可能となった。
gを巻線用導体として使用することが可能となり、Ag
を使用して巻線用導体とし、Al2O3,ZrO2,Ti
O2,SiO2の少なくとも1種を絶縁層とすることによ
って、磁性層と導体層との一体焼成が可能となり、磁性
材料により導体が断線する等の不具合がない、優れたチ
ップトランスが得られる。よって、優れた性能を発揮で
きるチップトランス用磁性材料及びチップトランスを提
供することが可能となった。
【図1】本発明による表1で示した試料の結晶粒径と気
孔率をパラメータとした時の励振周波数3MHz、磁束
密度8×10-3T(80ガウス)、100℃におけるコ
アロスの特性図。
孔率をパラメータとした時の励振周波数3MHz、磁束
密度8×10-3T(80ガウス)、100℃におけるコ
アロスの特性図。
【図2】本発明による結晶粒径が0.45μm〜0.50
μmの試料を選別し、気孔率とコアロスの関係を示した
特性図。但し、励振周波数3MHz、磁束密度が8×1
0-3T(80ガウス)、温度100℃。
μmの試料を選別し、気孔率とコアロスの関係を示した
特性図。但し、励振周波数3MHz、磁束密度が8×1
0-3T(80ガウス)、温度100℃。
【図3】本発明による気孔率が14%〜16%の試料を
選別し、結晶粒径とコアロスの関係を示した特性図。但
し、励振周波数3MHz、磁束密度が8×10-3T(8
0ガウス)、温度100℃。
選別し、結晶粒径とコアロスの関係を示した特性図。但
し、励振周波数3MHz、磁束密度が8×10-3T(8
0ガウス)、温度100℃。
【図4】本発明により特に良好であった試料と比較例の
励振周波数が3MHz、磁束密度が8×10-3T(80
ガウス)の時の温度特性を示す特性図。
励振周波数が3MHz、磁束密度が8×10-3T(80
ガウス)の時の温度特性を示す特性図。
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分として、酸化鉄(Fe2O3)が5
1.0mol%〜52.5mol%、酸化マンガン(Mn
O)が37.0mol%〜45.0mol%、残部酸化亜
鉛(ZnO)の組成よりなるMn−Znフェライトから
なる焼成体であって、気孔率が10%以上25%以下で
あり、結晶粒径が1μm以下であることを特徴とするチ
ップトランス用磁性材料。 - 【請求項2】 主成分として、Fe2O3が51.0mo
l%〜52.5mol%、MnOが37.0mol%〜4
5.0mol%、残部ZnOの組成比で、焼成体の気孔
率が10%ないし25%、結晶粒径が1μm以下である
Mn−Znフェライトの磁性層と、アルミナ(Al
2O3)、ジルコニア(ZrO2)、酸化チタン(Ti
O2)、又は二酸化硅素(SiO2)の少なくとも1種を
含む絶縁層と、該絶縁層間に巻線用の銀(Ag)の導体
を積層し、一体に構成してなることを特徴とするチップ
トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6258953A JPH0897025A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | チップトランス用磁性材料及びチップトランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6258953A JPH0897025A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | チップトランス用磁性材料及びチップトランス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0897025A true JPH0897025A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=17327326
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6258953A Pending JPH0897025A (ja) | 1994-09-27 | 1994-09-27 | チップトランス用磁性材料及びチップトランス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0897025A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227554A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Tdk Corp | フェライト焼結体及びその製造方法 |
JP2010040860A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Murata Mfg Co Ltd | 積層コイル部品およびその製造方法 |
JP2017204565A (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | Tdk株式会社 | 積層コイル部品 |
-
1994
- 1994-09-27 JP JP6258953A patent/JPH0897025A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009227554A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Tdk Corp | フェライト焼結体及びその製造方法 |
JP2010040860A (ja) * | 2008-08-06 | 2010-02-18 | Murata Mfg Co Ltd | 積層コイル部品およびその製造方法 |
JP2017204565A (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | Tdk株式会社 | 積層コイル部品 |
US11011294B2 (en) | 2016-05-11 | 2021-05-18 | Tdk Corporation | Multilayer coil component |
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