JP2002280211A - 酸化物磁性材料とその製造方法および積層チップインダクタ - Google Patents
酸化物磁性材料とその製造方法および積層チップインダクタInfo
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Abstract
での焼成にて焼結が可能なAgの拡散による内部導体消
失を抑止できる酸化物磁性材料と、その製造方法および
その材料を用いた積層チップインダクタの提供。 【解決手段】Fe2O3:43.0〜51.0モル%、CuO:
5.0〜12.0モル%、NiO:8.0〜39.0モル%およびZn
O:残部である主成分と、主成分100質量部に対し副成
分がBi2O3:0.5〜2.0質量部、Li2O:0.04〜0.
32質量部、ならびにMoO3、Nb2O5、Ta2O5
およびWO3の内の1種以上が合わせて0.1〜0.5質量部
である酸化物磁性材料と、830〜900℃にて焼成するその
製造方法、およびAgを内部導体としソフトフェライト
を上記の酸化物磁性材料とする積層チップインダクタ。
Description
どにおいて、電磁波干渉ノイズ対策のためなどに使用さ
れるチップインダクタ用のソフトフェライトすなわち高
透磁率酸化物磁性材料、その製造方法、およびそれら酸
化物磁性材料を用いた積層チップインダクタに関する。
代表される小型のOA機器あるいは移動通信機器の発達
に伴い、これらの機器に搭載される電子部品において
も、小型化、高性能化、低価格化などが強く要望されて
いる。それらの部品の一つに、EMIノイズフィルタと
して使用される積層チップインダクタがある。
を芯材とするような巻線の要素に対応するもので、その
インダクタンスに基づく交流抵抗、すなわちインピーダ
ンスは周波数が高くなるほど増加する特性を有する。し
たがって、必要な信号は通過させるが、その信号より高
い周波数のノイズが阻止されるローパスフィルタの機能
があり、電子機器間の電磁波干渉や、外部ノイズ侵入に
よる誤作動防止に活用される。
から、上述の電子機器で取り扱う信号の周波数が高くな
っており、またデジタル化も進み、より高い周波数域の
ノイズ抑止の必要性が増してきている。一方、これら高
い周波数の信号は、他の相対的に低い周波数域で作動す
る機器においてはノイズであるため、外部からのノイズ
の侵入を防止するとともに、外部に信号が漏れないよう
にしなければならない。このような状況から、より高い
周波数域において有効に作動するインダクタが必要にな
っている。
子回路部品に適応させたものが積層チップインダクタで
ある。図1にその内部構造例を模式的に示すが、直方体
形状のソフトフェライト1の内部に、導電体3の巻き線
状の線路が形成されており、両対向面が入出力端部電極
2となっている。これはソフトフェライトのグリーンシ
ート上に導電体ペーストの線路を印刷し、このシートを
各シートの導電体線路が接続されるよう、図ではスルー
ホール5を設けて中に導電体ペーストを充填して積み重
ね、一体化焼成して製造される。内部の導電体は接続部
分4により入出力端部電極2に接続されている。
るソフトフェライトすなわち軟質酸化物磁性材料(以下
単にフェライトと略称する)の特性に大きく支配され
る。このフェライトに要求される特性は、目的とする高
周波数帯域で十分高い透磁率を有することはいうまでも
ないが、それに加えて(1)低い焼成温度で十分な焼結
密度が得られること、および(2)高い体積抵抗率を有
することが重要である。
で表される組成のXが、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn等の1種、あるいはこれらの元素の複数種の混
合物であるスピネル型酸化物の固溶体である。たとえ
ば、XがMnとZnで構成されたフェライトは、きわめ
て高い透磁率を示す。しかし、このMnZnフェライト
は電気絶縁抵抗が高くない上に、低周波域ではすぐれて
いても高周波域では透磁率が減少するので、高周波域の
ノイズ対策を目的とするチップインダクタには適用でき
ない。これに対し、高周波帯域に使用可能なフェライト
として、NiZnフェライトやCuNiZnフェライト
がある。
るためには、酸化物の素材を十分に混合し700〜1000℃
で仮焼合成したものを粉砕して原料粉とし、バインダ
(結合材)を加えて混練し所定形状に圧縮成形後、1000
℃以上の高温で焼成する。積層チップインダクタの場合
は、焼成前のグリーンシート上に内部導体となる導体素
材を印刷し、このシ−トを積層成形してからフェライト
と導体とを同時に焼成して一体化する。用いる内部導体
の融点に比し焼成温度が高すぎると、導体は流れ出たり
フェライト内部へ拡散したりして、導体の断面積減少や
消失を来すようになる。
金が多く採用される。AgにPdを含有させると融点が
上昇するので、溶融や拡散を抑止でき、その上、焼結後
のフェライトとの熱収縮差を低減できる効果もある。し
かしながら、AgはPdなど他金属元素が添加されると
電気抵抗が高くなり、これを導体とするインダクタは内
部抵抗が増加する。内部抵抗の増加はインダクタの挿入
損失の増大、すなわち品質指標であるQ値を大きく低下
させる。さらにノイズ対策用としての積層チップインダ
クタは、電源部など大電流部位への採用が急増してお
り、導体抵抗増加による使用時の発熱も問題となってく
る。
点からできる限り小さいことが望ましく、内部導体とし
ては、Pdなど他金属元素を低く抑えたAg、可能なら
Ag単体の適用が最良である。しかしAgの融点は961
℃と低く、Ag単体を内部導体に用いるためには、積層
インダクタないしはフェライトの焼成温度を900℃以下
に抑えなければならず、このような低温で十分焼結可能
なフェライト材が必要である。
gを内部導体とし、CuNiZnフェライトを主成分に
して、これにBi2O3、V2O5または珪酸鉛ガラス
の少なくとも1種を第二成分として加えた、積層チップ
インピーダンス素子の発明が開示されている。これに
は、Ag導電体を用い焼成温度を900℃とすることによ
り、許容電流が増加したことは示されているが、成分組
成は一例しかなくその範囲限界は不明であり、許容電流
以外のチップインダクタとしての諸性能も明らかにされ
ていない。
温度を低下させる手段には、主成分の組成変更、適当な
副成分の添加、原料粉の微細化などが考えられる。たと
えば主成分のCuO量を増せば焼結温度を低下させるこ
とができるが、解離Cuが素子のメッキ耐性を低下させ
るなどの問題が現れるだけでなく、磁気特性が変化して
くるので、主成分組成変更には限界がある。Bi2O3
やPbOなど低融点ガラスの副原料添加は焼結温度低下
に効果がある。しかし、Agと反応して内部導体を縮小
し消失させることもあるので、適用には十分な注意が必
要である。また、原料粉末の粒子微細化は、焼結温度を
低下できるほど微細化すると、比表面積増大によりバイ
ンダの効果が低下して良好なグリーンシートが得られな
くなる。このように、焼結温度の低下は必ずしも容易で
はない。
接導体が接して一体化されている。このためフェライト
の電気抵抗値が十分高くない場合、漏洩電流が増してイ
ンダクタとしての機能が著しく低下し、さらに信号通過
によってフェライト内に渦電流が発生して、挿入損失の
増加を招く結果となる。したがって、フェライトの電気
抵抗は、絶縁体としてできるだけ高くなければならな
い。
く依存する。前述のように、MnZnフェライトはきわ
めて高い透磁率を示すが、電気絶縁抵抗が高くないた
め、高周波用にはNiZnフェライトやより低温で焼結
が可能なCuNiZnフェライトが適用される。
に電気抵抗を高くすることを配慮した例として、特開平
6-295811号公報の発明がある。この発明はMoO3を少
量添加して透磁率を向上させたものであるが、とくにF
e2O3の量を48〜50モル%の範囲に限定し、体積抵抗
率(比抵抗)の向上を図っている。また、特開平11-219
812号公報に開示された発明は、CuNiZnフェライ
トにMnOを含有させており、この場合もFe2O3の
量を48〜49.5モル%のせまい範囲に管理し、高い体積抵
抗率を実現させている。
く、体積抵抗率も1×1010Ω-cm以上のものも提示され
ており、すぐれたフェライトが得られていると思われ
る。しかしながら、いずれの場合も950〜1300℃の温度
で焼成をおこなっており、このような温度での焼成でな
ければ十分な特性が発現されないとすれば、他の成分を
含まないAgを内部導体とする積層チップインダクタに
は用いることができない。
低く大電流仕様に適応できる高性能の積層チップインダ
クタを得ることを目的とし、内部導体にAgを用い、そ
のために低温で焼結でき、しかも高周波域における高い
透磁率と高い体積抵抗率の得られる酸化物磁性材料、お
よびその製造方法を提供するものである。
内部導体は、ペースト状の素材の形でフェライトのグリ
ーンシート上に印刷され、乾燥後シートを積層圧着成形
して一体化焼成される際、フェライトとともにその焼結
がおこなわれる。
だけ小さくするためにAgの単一体を用いることを目標
とし、まずAgペーストの所要焼成温度を調査した。そ
の結果、グリーンシート上のAg素材の焼結が十分進行
し、導体の抵抗値が最小となる焼成温度は830〜900℃で
あることが確認された。この温度範囲より高くなると、
Ag導体は拡散や反応を起こしやすくなって、断面積の
減少や他元素の侵入などが発生し、低くければ焼結不十
分になって、いずれの場合もインダクタ内部導体として
の電気抵抗値が増加してくる。
温度範囲で十分緻密に焼結できて高透磁率となり、しか
もできるだけ高い体積抵抗率を示すものが必要である。
そこで、このような性能のフェライトを得るための組成
に関して、種々検討をおこなった。その際、焼成後のフ
ェライトの性能としては、焼結密度は5.0g/cm3以上、1
MHzにおける透磁率は300以上、そして体積抵抗率は1000
MΩcm以上を目標値とした。
すぐれ、焼結温度を低下できると考えられるCuNiZ
nフェライトをベースとし、Fe2O3、NiO、Zn
OおよびCuOの配合比率を種々変え、磁気的特性が十
分確保できる範囲での、焼結温度の低下と体積抵抗率向
上の可能性を検討した。しかしながら、これらの組成だ
けでは、焼結密度を十分高くするための焼結温度が、A
g導体を使用できる温度まで低下できなかった。そこで
次に、助剤ないしは副成分の添加に関して検討した。
下できるばかりでなく、体積抵抗率を向上させ、さらに
導体のAgとの相互作用などがないことも重要である。
このような観点から種々の副成分を添加してその効果を
調査した結果、Bi2O3とLi2Oとを複合添加する
ことが上記の目標値を実現させるために、きわめて好ま
しいことを見出したのである。
度近傍にあり、わずかな液相を生ずることにより低温で
の焼結を促進すると推定される。ところがBi2O3の
含有は、Ag導体を拡散させ細くさせる傾向がある。こ
れに対し、Li2Oを同時に含有させると、Agの拡散
を多少抑止できる効果がある。しかし、Li2Oの含有
は、このような効果よりも、体積抵抗率を増大させる作
用が顕著である。
型結晶構造において、Fe原子が二価と三価のイオンの
形を取り得ることから、Fe2+=Fe3++e−の電
子交換反応が生じ、電子の移動が生じることによると推
測される。これに対しLi2Oを含有する場合は、Fe
の一部に一価のLiイオンが置き換わり、上記電子交換
反応に関与するFeイオンが減少して、移動可能な電子
数が減じ、体積抵抗率が上昇したと考えられる。
MoO3、Nb2O5、Ta2O5またはWO3の、イ
オン半径がFe3+に近い五価または六価の多価イオン
を同時に含有させれば、Li2Oによる体積抵抗向上効
果がより一層増大することがわかってきた。これらのイ
オン添加による体積抵抗増大理由は不明であるが、Li
と同様、置換によって移動可能な電子を減少させたため
ではないかと思われる。
る焼結密度、透磁率および体積抵抗率を得ることのでき
る組成がわかったので、さらにそれらの組成範囲限界、
および製造条件等を明確にし、積層チップインダクタを
作製して性能を確認し発明を完成させた。本発明の要旨
は次のとおりである。
O:5.0〜12.0モル%、NiO:8.0〜39.0モル%および
ZnO:残部である主成分と、この主成分100質量部に
対し副成分としてBi2O3:0.5〜2.0質量部、Li2
O:0.08〜0.32質量部、ならびにMoO3、Nb
2O5、Ta2O5およびWO3の内の1種以上が合わ
せて0.1〜0.5質量部を含むことを特徴とする酸化物磁性
材料。
砕整粒した粉末にバインダを加え混練して所要形状に成
形した後、830〜900℃にて1〜5時間焼成することを特徴
とする上記(1)の酸化物磁性材料の製造方法。
磁性材料とからなることを特徴とする積層チップインダ
クタ。
成を上述のように限定するのは、以下の理由による。
り、そのフェライトの主成分をXFe2O4(XはC
u、Fe、Ni、Zn等)として示される逆スピネル構
造の固溶体とすれば、その内の43.0〜51.0モル%を構成
していなければならない。43.0モル%未満の場合、十分
な透磁率が得られず、積層チップインダクタとしたとき
のインピーダンスが不足する。他方、51.0モル%を超え
て存在すると、十分な焼結密度が得られず、体積抵抗率
が低くなる。その上、積層チップインダクタ素子の機械
的強度が不足し、長期使用による性能劣化の耐性、すな
わち耐候性の劣化をもたらすおそれがある。
〜12.0モル%を構成していることとする。CuOは、焼
結温度の低温化に大きく寄与しているからである。5.0
モル%を下回ると、本発明の目的とする低温度域での焼
成をおこなう場合に焼結密度が不十分になり、機械的強
度の不足に加えて耐候性が劣る原因となる。また、12.0
モル%を超えると、焼成時、表面にガラス状混合相が形
成されて保持台に溶着しやすくなり、生産性が低下する
ことの他、体積抵抗率も低下する。
磁率を確保するために含有させる。その量は8.0モル%
未満でも、また逆に多すぎて39.0モル%を超える場合で
も、高周波域での透磁率が低下してくるので、フェライ
トの主成分中の含有量は8.0〜39.0モル%に限定する。
重要な元素であり、フェライト主成分の上記Fe
2O3、CuOおよびNiOを除いた、残りの部分を構
成するものとする。ただし、その含有比率が6.0モル%
を下回ると、得られたフェライトの磁気特性不十分や焼
結密度不足等の問題を生じ、逆に36.0モル%を超えても
磁気特性が悪くなるので、望ましいのは6.0〜36.0モル
%の範囲とすることである。
し、助剤として下記組成の副成分を含有させる。各副成
分それぞれの含有量は、上記フェライトの主成分の合計
量を100質量部としたときの質量部で示す。
を促進させるため、0.5〜2.0質量部含有させる。Bi2
O3の量が0.5質量部未満の場合、目標とする温度では
焼結が不十分となり、焼成後のフェライトの十分な焼結
密度および透磁率が得られない。一方、2.0質量部を超
える場合は、焼成の際にAg内部導体の断面積減少が顕
著になり、内部抵抗を大きくさせたり、さらには導体消
失により素子機能を失うおそれがある。
ため、0.08〜0.32質量部含有させる。これは、0.08質量
部未満の含有あるいは0.32質量部を超える含有は、いず
れも堆積抵抗率向上の効果が十分得られないからであ
る。
2O5、Ta2O5またはWO3の内の1種以上を合計
量で0.1〜0.5質量部含有させる。これらの成分は、いず
れもLi2Oと複合して含有させることにより、フェラ
イトの体積抵抗率を増大させる効果がある。この場合、
合計の含有量が0.1質量部未満ではその向上効果が大き
くなく、0.5質量部を超える含有は、磁気特性を悪くす
るばかりでなく、焼結性も低下させるので好ましくな
い。
か、あるいは両方を含有させると、焼成の際にAgの拡
散が抑止され、Ag内部導体の断面積減少を低減するこ
とができる。したがって、必要に応じこれらの酸化物を
含有させることが好ましい。その場合、少なければ効果
がなく多すぎると焼結性を悪くするので、Ag2Oでは
0.01〜0.07質量部、Rh2O3では0.2〜1.5質量部の範
囲とする。そして、他の成分を混合仮焼した後の仮焼合
成粉に添加してグリ−ンシートを作製し、一体化の焼成
をおこなうのがよい。
きく影響しない限りにおいて、多少の不可避的不純物の
混在は許容できる。
的な方法に従っておこなえばよいが、積層チップインダ
クタの製造を例にとって説明すれば次のとおりである。
まず、主成分と副成分とを混合して大気中800℃前後の
温度にて仮焼し、仮焼粉を粉砕して整粒する。この整粒
粉にバインダを加えて十分混練し、ドクターブレード法
などにより、グリーンシートに成形する。
し、シートを積層して所定形状に切断後、830〜900℃に
て1〜5時間焼成する。焼成温度は830℃を下回ると、焼
結不十分で磁気特性および機械的強度とも劣ったものに
なり、900℃を超えると、内部導体が細くなったり消失
したりして、良好なチップインダクタが得られなくな
る。焼成時間は、1時間未満では焼結が不十分となる一
方、必要以上に加熱を続けても性能の向上はほとんど認
められず、加熱の時間およびエネルギーの無駄になるの
で、長くても5時間までとする。焼成後、内部導体と接
続する導体部分に入出力用端部電極を取り付け、チップ
インダクタとする。
料を、各々合計量にて250gとなるように秤量し、1リッ
トルの純水とともにジルコニア製粉砕用ボールを使用し
たボールミルにて24時間混合後、原料粉を分別乾燥し、
ジルコニア製るつぼに移して800℃にて仮焼合成をおこ
なった。なお、Li2Oについては炭酸塩の形で配合し
た。仮焼後X線回折により所要の化合物が得られている
ことを確認した。
分別乾燥して粒径が0.8〜1.0μmになるようメッシュふ
るいにて整粒した。これにバインダとして10質量%のP
VA溶液を添加し、ライカイ機にて造粒して、造粒粉を
金型にてプレスし成形した後、大気中にて850℃、2.0時
間の焼成をおこない、外径10mm、厚さ3mmの円柱状試験
片および外径16mm、内径8mm、厚さ3mmのトロイダル試験
片を作製した。
ード法により、厚さ70μmのグリーンシートを作製し
て、シート表面に内部導体とするAg単一組成のペース
トを線幅150μm、厚さ20μmで内部導体相当のパターン
にて印刷し、その上にグリーンシートを乗せて圧着後チ
ップ形状に切断し、上記と同じく大気中にて850℃、2.0
時間の焼成をおこなった。この試験片は焼成後断面を研
磨し、走査型電子顕微鏡にて導体形状を観察した。
密度を測定した後、上下面にIn−Ga合金を塗布して
電極を設け、直流定電圧電源(日本ヒューレットパッカ
ード社製HP4140B)を利用して、直流50V、1分値の絶
縁抵抗を測定し、電極面積と電極間距離とから体積抵抗
率を計算して求めた。また、トロイダル試験片は、イン
ピーダンス測定装置(日本ヒューレットパッカード社製
HP4291A)および透磁率測定装置(日本ヒューレットパ
ッカード社製HP16454A)を用い、1MHzにおける透磁率を
求めた。
の測定結果を合わせて示す。これらの結果から明らかな
ように、主成分の組成比と、副成分の量が本発明に定め
る範囲内にあるものは、密度および透磁率が高く、体積
抵抗率の高いフェライトが得られている。すなわち、当
初の目標とした焼結密度が5.0g/cm3以上、1MHzにおけ
る透磁率は300以上、そして体積抵抗率は1000MΩcm以上
のフェライトとなっている。
i2O3の含有の多い試番14を除いては、いずれも減
少や拡散等は認められなかった。これは焼成温度を低く
できた効果である。
成のフェライトを用い、ドクターブレード法にて厚さ70
μmのグリーンシートを作製した。シート表面に導体パ
ターンを、Ag単一組成のペーストにてスクリーン印刷
し、積層して図1に模式的に示す内部構造となるチップ
インダクタを形成させた。この場合のチップは2125サイ
ズ(長さ2.0mm、幅1.25mm、厚さ0.5mm)で、ペーストの
印刷線幅は150μm、厚さは20μm、内部の導体ターン数
は8とし、積層シート間の導体接続はスルーホールとし
て、そこに導電ペーストを充填した。
断し、大気中にて850℃、2.0時間の焼成をおこなった。
この場合のフェライトの透磁率は320(1MHz)であっ
た。
付け、実施例1で用いたインピーダンス測定装置によ
り、インピーダンスとインダクタンスを測定した。また
許容電流値は、種々電流を変えて、表面温度の上昇幅が
+3℃以内である最大電流値を求めた。これらの結果は
次のとおりである。
インピ−ダンス、インダクタンスとも高い値を示してお
り、許容電流値も十分大きい。
フェライトは、高周波領域にても十分に高い透磁率を有
し、体積抵抗率が高く、かつ従来のものよりも低温での
焼成により焼結が可能であり、Agの拡散による内部導
体消失を抑止できる。このフェライトによる積層チップ
インダクタは、内部導体に電気抵抗の小さいAgを用い
ることができるので、とくに大電流仕様に最適であり、
高周波特性にすぐれ、内部抵抗が低いことから、電子機
器の高性能化に効果的に活用できる。
的に例示した図である。
Claims (3)
- 【請求項1】Fe2O3:43.0〜51.0モル%、CuO:
5.0〜12.0モル%、NiO:8.0〜39.0モル%およびZn
O:残部である主成分と、この主成分100質量部に対し
副成分としてBi2O3:0.5〜2.0質量部、Li2O:
0.08〜0.32質量部、ならびにMoO3、Nb2O5、T
a2O5およびWO3の内の1種以上が合わせて0.1〜
0.5質量部を含むことを特徴とする酸化物磁性材料。 - 【請求項2】酸化物原料を混合して仮焼合成し、粉砕整
粒した粉末にバインダを加え混練して所要形状に成形し
た後、830〜900℃にて1〜5時間焼成することを特徴とす
る請求項1に記載の酸化物磁性材料の製造方法。 - 【請求項3】Agの内部導体と、請求項1に記載の酸化
物磁性材料とからなることを特徴とする積層チップイン
ダクタ。
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JP2006216636A (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-17 | Tdk Corp | 複合積層型電子部品 |
JP2006245258A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Tdk Corp | 複合積層型電子部品 |
KR100906988B1 (ko) * | 2007-09-28 | 2009-07-08 | 삼성전기주식회사 | 저온 소결용 페라이트 분말 및 그 제조방법 |
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