JP7133381B2 - 圧粉磁心 - Google Patents

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Description

本発明は、圧粉磁心に関する。
一般的に、駆動用などのモーターやチョークコイルといったハイパワー用途に対しては、金属磁性材料を使用した電磁鋼板や圧粉磁心などが用いられている。他方、電子機器などのトランスやリアクトルといった高周波用途に対しては、フェライト材料などが用いられている。近年ではどちらの用途についても小型・軽量化、及び省エネルギー化のために高効率化が要求されている。
金属磁性材料は、高い飽和磁束密度と透磁率を有しているため使用電力の大きな用途で用いられる。しかし、使用する交流電流の周波数が高くなると、交流磁界に起因して発生する渦電流が急激に増大し、それに伴う鉄心の発熱などが問題となる。そのため、電磁鋼板や圧粉磁心では渦電流を抑制するための様々な工夫がなされている。電磁鋼板では金属薄膜と樹脂などの絶縁膜が交互に積層された構造をしており、電気抵抗率の向上を図っている。また、圧粉磁心では、軟磁性金属粒子表面に樹脂やリン酸、シリカといった絶縁膜を形成させて、電気抵抗率の向上を図っている(特許文献1,2参照)。
ただ、どちらの場合も、電気抵抗率を向上させようと絶縁膜を厚くした場合、非磁性である絶縁膜の体積割合が増えてしまい、結果として飽和磁束密度と透磁率を低下させる問題があった。また、電磁鋼板は、モーターなどに広く使用されており、約30~100μmの金属薄膜と絶縁層が交互に積み重なった構造をしている。しかし、電磁鋼板は、積層構造に起因して形状の自由度は低い。そのため最近では、様々な形状のコアに対応可能な、圧粉磁心が注目を集めている(非特許文献1参照)。
一方、フェライト材料は、高い電気抵抗率を有しているため、PCなどの高周波電子機器に使用されている。しかし、フェライト材料は、材料自体の飽和磁束密度が低いという問題がある。飽和磁束密度の低い鉄心を用いた場合、大電流から発生する磁界によって鉄心が磁気飽和を起こす危険性がある。磁気飽和が起きた場合、磁気部品としての機能を果たさないだけでなく、変換回路の誤作動を引き起こすおそれがある。そのため、小型・軽量化を実現するためには、高い電気抵抗率と、フェライト材料を上回る飽和磁束密度とを有する材料が必要であり、新たな材料の開発が期待されている。
最近では、形状自由度の高さと、高周波帯域への適用可能性から、圧粉磁心材料の開発が盛んに行われている。圧粉磁心コアは、100μm前後の軟磁性金属粒子の表面をリン酸やシリカといった絶縁膜でコーティングし、プレス成形によって形作られたコアである。一般的な圧粉磁心コアではプレス時の残留応力を緩和するため、400~1000℃の温度で焼鈍(焼きなまし)を行う。しかしながら、リン酸などでは耐熱性が低く、焼鈍の際に絶縁破壊を引き起こす問題があった。また、圧粉磁心コアの絶縁性を向上させようと、コーティングによる絶縁膜を厚膜化した場合、絶縁膜が非磁性のため、磁気特性を低下させてしまう。
この様な問題から、近年では軟磁性金属粒子の表面を、金属酸化物であるフェライト膜で被覆した新たな材料も提案されている。この材料では、軟磁性金属粒子の表面は高電気抵抗なフェライト膜によって被覆されているため、高い電気抵抗率を示す。また、この材料は、強磁性体であるため、フェライト膜形成後も高い飽和磁束密度、及び高い複素透磁率を維持することができる。従って、この材料を用いれば、高周波数帯での渦電流の発生を抑えつつ、高い磁気特性を確保できるから、圧粉磁心コアの小型化も期待できる(特許文献3参照)。
このような背景の下、近年、フェライト膜で被覆した軟磁性金属粒子を用いた圧粉磁心が種々検討されている。例えば、特許文献4では、軟磁性金属粒子の粒度を50~250μmとし、フェライト膜の平均膜厚を10~200nmとした圧粉磁心が記載されている。この文献では、軟磁性粒子の粒度、及びフェライト膜の平均膜厚を規定することで、比抵抗及び磁束密度を高次元で両立できる旨が開示されている。
特開2002-246219号公報 特開2005-206880号公報 特開平04-352403号公報 特開2013-191839号公報
神戸製鋼技報 Vol.65 No.2 Sep. 2015
このように、軟磁性金属粒子の表面をフェライト膜で被覆した複合粒子を用いた圧粉磁心について、特許文献4を一例として種々の検討が長年行われてきた。
しかしながら、軟磁性金属粒子の表面を被覆するフェライト膜を形成する際、および、圧粉磁心に成形するために加圧する際に、フェライト膜の厚みのばらつきが生じる場合がある。極端にフェライト膜の厚みが薄い箇所が存在すると電気抵抗が低くなるため、粒子間渦電流を抑制できず、極端にフェライト膜の厚みが厚い箇所が存在すると結晶粒界が多く存在することとなり、ヒステリシス損を大きく増加させてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、渦電流およびヒステリシス損を抑制した圧粉磁心を提供することを目的とする。本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
〔1〕表面に金属酸化物層が形成された軟磁性金属粒子が複数含有され、
一の軟磁性金属粒子と他の軟磁性金属粒子との間の粒界には、軟磁性フェライト部が形成されている圧粉磁心であって、
前記圧粉磁心の断面構造のうち、前記圧粉磁心の全ての表面から1mmより深い場所をSEMの反射電子像にて観察した際に、前記粒界に前記軟磁性フェライト部がH字状に配されている場所において、H字を構成する2本の縦線と1本の横線とが交差する2つの交点同士を直線で結んで、この直線の垂直二等分線を描いたときに、前記垂直二等分線が前記軟磁性フェライト部を横断する場所における横断幅を前記軟磁性フェライト部の厚みTnと定義し、
前記軟磁性フェライト部の厚みを20カ所測定してTn(nは1~20までの整数)をそれぞれ求め、Tn(nは1~20までの整数)の平均である平均厚みTaを算出した場合に、
前記平均厚みTaは、50nm~300nmであり、
各Tn(nは1~20までの整数)は、いずれも下記式(1)を満たすことを特徴とする圧粉磁心。

0.3≦Tn/Ta≦2.5 …式(1)
〔2〕前記圧粉磁心の断面構造のうち、前記圧粉磁心の全ての表面から1mmより深い場所をSEMの反射電子像にて観察した際に、
1つの軟磁性金属粒子を第1番の軟磁性金属粒子と特定し、
前記第1番の軟磁性金属粒子の周りに存在して、前記第1番の軟磁性金属粒子との距離が最も短い軟磁性金属粒子を第2番の軟磁性金属粒子とし、
前記第1番の軟磁性金属粒子との距離が、前記第1番の軟磁性金属粒子と前記第2番の軟磁性金属粒子との距離の次に短い軟磁性金属粒子を第3番の軟磁性金属粒子とし、
同様にして短い順に、第4番~第10番の軟磁性金属粒子と特定した場合に、
前記第1番~前記第10番の各軟磁性金属粒子は、相互に接触しておらず、
前記第1番~前記第10番の各軟磁性金属粒子間は、前記軟磁性フェライト部で埋められた状態とされている部分が存在していることを特徴とする〔1〕に記載の圧粉磁心。
〔3〕前記圧粉磁心の表面の80%以上には、前記軟磁性フェライト部が露出していることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の圧粉磁心。
〔4〕充填率が90%以上99%以下であることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
本発明の圧粉磁心は、強磁性体である軟磁性フェライト部が、圧粉磁心としての最良な厚み条件を満たし、実用性が高い。
すなわち、軟磁性フェライト部の平均厚みTaが、50nm~300nmであることによって、飽和磁束密度の低下を最小限に抑えることができる。
更に、厚みの測定値である各Tn(nは1~20までの整数)が、いずれも下記式(1)を満たすことによって、次の効果が得られる。軟磁性フェライト部で極端に薄い箇所が存在しなくなるため、渦電流の抑制効果を十分得ることができる。加えて、極端に厚い箇所も存在しなくなるため、ヒステリシス損を十分に抑制することができる。

0.3≦Tn/Ta≦2.5 …式(1)

また、上述のように、1つの軟磁性金属粒子を第1番の軟磁性金属粒子と特定し、第1番の軟磁性金属粒子の周りに存在する第2番~第10番の軟磁性金属粒子が、次の条件を満たす場合には、粒子間渦電流を抑制できる。すなわち、第1番~第10番の各軟磁性金属粒子は、相互に接触しておらず、かつ第1番~第10番の各軟磁性金属粒子間は、軟磁性フェライト部で埋められた状態とされている部分が存在している場合には、軟磁性金属粒子間は完全に絶縁体で隔離されているため粒子間渦電流を抑制できる。
また、圧粉磁心の表面の80%以上に、軟磁性フェライト部が露出している場合には、粒子間渦電流の抑制効果が効果的に発揮される。
また、充填率が90%以上99%以下である場合には、高い飽和磁束密度、及び高い複素透磁率を担保することができる。
圧粉磁心を示す模式図である。右上図は、中央部付近の断面図を示す。右下図は、表面部の断面図を示す。 軟磁性フェライト部の厚みの求め方を説明するための模式図である。 軟磁性フェライト部の厚みの求め方を説明するための模式図である。 圧粉磁心の好ましい形態を説明するための模式図である。 実施例1の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 実施例2の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 実施例3の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 実施例4の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 比較例1の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 比較例2の軟磁性金属粒子のFE-SEMによる表面観察像である(10000倍)。 実施例1の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 実施例2の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 実施例3の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 実施例4の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 比較例1の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 比較例2の圧粉磁心のFE-SEMによる断面観察像である(4000倍)。 圧粉磁心のヒステリシス曲線である。 圧粉磁心のヒステリシス曲線である。図17の四角で囲まれた部分の拡大図である。 複素透磁率の周波数特性の測定結果である。 鉄損値の周波数特性である。
以下、本発明を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「~」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10~20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10~20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.圧粉磁心1の構成
本発明の圧粉磁心1は、表面に金属酸化物層5が形成された軟磁性金属粒子3を複数含有している。以下、表面に金属酸化物層5が形成された軟磁性金属粒子3を、単に軟磁性金属粒子3ともいう。圧粉磁心1では、一の軟磁性金属粒子3と他の軟磁性金属粒子3との間の粒界、すなわち、軟磁性金属粒子3同士の粒界には、軟磁性フェライト部7が形成されている。ここで、軟磁性フェライト部7とは、軟磁性フェライトが85質量%以上(上限値は100質量%)含まれている層を意味する。
図1に本発明の圧粉磁心1の模式図を示す。図1では、トロイダル形状の圧粉磁心1を例として挙げる。なお、圧粉磁心1の形状は、特に限定されない。
図1は、圧粉磁心1を、その軸方向(以下、第1の方向Z)に沿って切断した断面を示している。
図1の右上の図では、金属酸化物層5が形成された軟磁性金属粒子3が複数存在し、軟磁性金属粒子3同士の粒界に軟磁性フェライト部7が存在していることが示されている。
図1の右下の図では、圧粉磁心1の表面に、軟磁性フェライト部7が露出している好ましい態様が示されている。
(1)軟磁性金属粒子3
軟磁性金属粒子3としては、軟磁性金属である金属の粒子を幅広く用いることができる。軟磁性金属としては、純鉄、Fe-Si合金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al合金、Ni-Fe合金、Fe-Co合金、Fe基アモルファス合金等を好適に用いることができる。特に、組成中にCrやAlを含む合金は、表面に金属酸化物層5を形成しているためより好ましい。CrやAlを含まない金属を用いる場合には、予めめっき処理等により金属表面にCrやAlの層を形成させる必要がある。
Fe-Si-Cr合金を用いる場合には、例えば、Si:0.1~10質量%、Cr:0.1~10質量%、残部:Fe及び不可避的不純物の組成の合金とすることができる。
軟磁性金属粒子3の粒子径は、特に限定されない。軟磁性金属粒子3の粒子径は、使用する周波数帯域によって適宜変更することができる。例えば、使用する周波数帯域によって1~300μmの範囲で変化させることができる。特に100kHzを超える高周波帯域での使用を想定した場合は5~60μmであることがより好ましい。なお、軟磁性金属粒子3の粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置 LA-750によって測定される粒度分布での最大ピークの粒径を意味する。
(2)金属酸化物層5(不動態被膜)
軟磁性金属粒子3は、表面に金属酸化物層5を備えている。金属酸化物層5を、表面に備えることによって、焼鈍(熱処理)を行った際、軟磁性金属粒子3と軟磁性フェライト間の金属原子の拡散反応を抑制することができる。
金属酸化物層5を構成する金属酸化物は特に限定されない。例えば、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化モリブデン、及び酸化タングステンからなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物が好ましい。特に、金属酸化物に、酸化クロム及び酸化アルミニウムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの好ましい金属酸化物を用いることで、上述の金属原子の拡散が効果的に抑制される。
なお、軟磁性金属粒子3として、Fe-Si-Cr合金の粒子を用いた場合には、金属原子拡散の抑制効果を有する金属酸化物層5を容易に形成することができる。すなわち、Fe-Si-Cr合金中のCrが酸化することにより軟磁性金属粒子3の外縁部に金属酸化物層5が形成される。
また、金属酸化物層5の厚みは、特に限定されない。厚みは、好ましくは1~20nmとすることができる。なお、金属酸化物層5の厚みは、XPS(X線光電子分光法)を用いて測定できる。
(3)軟磁性フェライト部7
(3.1)軟磁性フェライト部7の構成
本実施形態の圧粉磁心1では、一の軟磁性金属粒子3と他の軟磁性金属粒子3との間の粒界には、軟磁性フェライト部7が形成されている。軟磁性フェライト部7により、軟磁性金属粒子3は、1粒子単位で電気的に絶縁される。すなわち、隣り合う軟磁性金属粒子3同士は軟磁性フェライト部7により絶縁されるので、各軟磁性金属粒子3は電気的に孤立状態になる。これにより圧粉磁心1とした場合も、渦電流を効率的に抑制し、MHzを超える周波数帯域まで使用できるようになる。
軟磁性フェライト部7の材料は、特に限定されない。軟磁性フェライト部7の材料は、マグネタイト、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni-Znフェライト、及びMn-Znフェライトからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。更には電気抵抗率が10Ω・cm以上のフェライトを用いるのが好ましい。そのため、Niフェライト、Znフェライト、Mnフェライト、Ni-Znフェライト、及びMn-Znフェライトからなる群より選ばれた1種以上がより好ましい。
軟磁性フェライト部7としては、例えば、下記式〔1〕又は〔2〕の軟磁性フェライトを好適に用いることができる。

〔1〕 Fe
〔2〕 M-Zn-Fe(3-x-y)
(但し、式中、Mは、Ni又はMnであり、0≦x≦1、0≦y≦1である。)
軟磁性フェライト部7は金属酸化物層5の表面の80%以上を被覆していることが好ましく、90%以上を被覆することがより好ましく、99%以上を被覆することが更に好ましい。被覆率を上げると、渦電流を効率的に抑制できるからである。
(3.2)軟磁性フェライト部7の厚み
本発明では、軟磁性フェライト部7の厚みは、次のように規定されている。
まず、軟磁性フェライト部7の厚みの測定について図2を参照しつつ説明する。
軟磁性フェライト部7の厚みを測定するには、圧粉磁心1の断面構造のうち、圧粉磁心1の全ての表面から1mmより深い場所をSEM(走査型電子顕微鏡)の反射電子像にて観察する。なお、圧粉磁心1がトロイダル形状の場合には、図1に示されるように上面に垂直に切断した断面を観察する。また、圧粉磁心1の『全ての表面』とは、圧粉磁心1がトロイダル形状の場合には、『上面、下面、内側面、及び外側面』を意味する(以下、同じ)。
ここで、粒界に軟磁性フェライト部7が図2に示すように、H字状に配されている場所を選択する。H字を構成する2本の縦線と1本の横線とが交差する2つの交点O1,O2同士を直線で結んで、この直線の垂直二等分線Lを描いたときに、垂直二等分線が軟磁性フェライト部7を横断する場所における横断幅を軟磁性フェライト部の厚みTnと定義する。
なお、交点O1を決定する際には、H字を構成する2本の縦線と1本の横線とが交差する場所周りに存在する3つの軟磁性金属粒子31,32,33の全てに接する仮想円C1の中心を交点O1と定義する(図3参照)。同様にして、交点O2を決定する際には、H字を構成する2本の縦線と1本の横線とが交差する場所周りに存在する3つの軟磁性金属粒子32,33,34の全てに接する仮想円C2の中心を交点O2と定義する(図3参照)。
そして、軟磁性フェライト部7の厚みを20カ所測定してTn(nは1~20までの整数)をそれぞれ求め、Tn(nは1~20までの整数)の平均である平均厚みTaを算出する。本発明では、平均厚みTaは、50nm~300nmであり、60nm~250nmが好ましく、70nm~200nmがより好ましい。
更に、各Tn(nは1~20までの整数)は、いずれも下記式(1)を満たしている。

0.3≦Tn/Ta≦2.5 …式(1)

下記式(2)を満たすことがより好ましく、下記式(3)を満たすことが更に好ましい。

0.4≦Tn/Ta≦2.3 …式(2)
0.5≦Tn/Ta≦2.0 …式(3)
(3.3)軟磁性フェライト部7が介在する特徴的な断面構造
本実施形態の圧粉磁心1では、圧粉磁心1の断面構造のうち、圧粉磁心1の全ての表面から1mmより深い場所をSEMの反射電子像にて観察した際に、次の構造を有していることが好ましい。
この特徴的な構造を、図4により模式的に説明する。この図4では、上述の金属酸化物層5は省略されている。
1つの軟磁性金属粒子を第1番の軟磁性金属粒子41と特定する。第1番の軟磁性金属粒子41の周りに存在して、第1番の軟磁性金属粒子との距離が最も短い軟磁性金属粒子を第2番の軟磁性金属粒子42とする。第1番の軟磁性金属粒子41との距離が、第1番の軟磁性金属粒子41と第2番の軟磁性金属粒子42との距離の次に短い軟磁性金属粒子を第3番の軟磁性金属粒子43とする。同様にして短い順に、第4番~第10番の軟磁性金属粒子44,45,46,47,48,49,50と特定する。
本実施形態の圧粉磁心1では、次の条件〔1〕及び〔2〕をいずれも満たす部分が少なくとも1カ所存在している。

〔1〕第1番~第10番の各軟磁性金属粒子41,42,43,44,45,46,47,48,49,50は、相互に接触していない。
〔2〕第1番~第10番の各軟磁性金属粒子41,42,43,44,45,46,47,48,49,50間は、軟磁性フェライト部7で埋められた状態とされている。

このような部分が存在している場合には、粒子間渦電流を抑制できる。
(3.4)軟磁性フェライト部7の圧粉磁心1表面における露出割合
軟磁性フェライト部7の圧粉磁心1表面における露出割合は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、更に好ましくは99%以上である。露出割合がこの範囲内であると、粒子間渦電流の抑制効果が顕著に発揮される。圧粉磁心1の表面の全体(100%)に軟磁性フェライト部7が露出している場合が特に好ましい(図1の右下図参照)。
(3.5)軟磁性フェライト部7の形成方法
軟磁性フェライト部7の形成方法は、特に限定されない。ここでは、その形成方法の一例を説明する。
例えば、金属酸化物層5が表面に存在する軟磁性金属粒子3を超音波励起フェライトめっき装置を用いてめっき反応させる。この反応は、水溶液中でFe2+→Fe3+の酸化反応を利用し、めっき溶液中の金属イオンと水分子を反応させることでスピネル型フェライトを基板や粒子等の表面に堆積させる手法である。この手法では、めっき条件、めっき時間の調整により、金属酸化物層5の表面を軟磁性フェライトによって被覆することができる。なお、めっき時間の調整によって軟磁性フェライトの厚さを調整することができる。
通常、被めっき物に酸化クロムや酸化アルミニウムといった金属酸化物層5が存在する場合、めっきの反応速度が著しく低下するため、軟磁性フェライトを形成させることはできない。金属酸化物層5の表面に徽密に(例えば金属酸化物層5の表面の80%以上を)被覆するためには、めっき液のpHを細かく調整する必要がある。被覆する軟磁性フェライトのpH-酸化還元電位図において、軟磁性フェライト生成条件の高pH側にめっき液のpHを調節する必要がある。この条件はめっきする軟磁性フェライトの組成によって変化するが、例えばMn-ZnフェライトではpH=10~11が好ましく、Ni-ZnフェライトではpH=11~12が好ましい。
被めっき物である軟磁性金属粒子3を、目的のpHに調整した緩衝液中に添加し、そこへ原料となる金属イオンを溶解させた反応液と酸化液を徐々に添加することで軟磁性フェライトが堆積した堆積部が形成される。超音波ホーンにより、軟磁性金属粒子3は発熱を伴いながら激しく分散され、恒温槽からの加熱と併せてフェライト生成反応は加速される。また、下の反応式から分かるように、反応の進行と共にプロトンが生成されるため、めっき槽内のpHは徐々に酸性に変化する。pHの変動はフェライト生成に大きく影響するため、めっき槽内のpHを常に一定に保つ必要がある。めっき条件の最適化により、金属酸化物層5によるめっき反応の抑制を最小限に抑えることができる。

3Fe2++4HO→Fe+8H+2e

具体的な軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3の製造方法の一例を以下に示す。水に金属イオンが含まれた反応液を用意する。水に酸化剤が溶解した酸化液を用意する。金属酸化物層5を表面に有する軟磁性金属粒子3を所定のpHに調製した緩衝液中に分散させる。そして、超音波を印加しながら、軟磁性金属粒子3が分散した緩衝溶液に、反応液及び酸化液を滴下すると、金属酸化物層5の上に軟磁性フェライトが形成される。緩衝液のpHは、Ni-Znフェライトの場合には、上述のように、好ましくは11~12である。緩衝液の種類は特に限定されない。
なお、軟磁性金属粒子3の表面に、軟磁性フェライトが形成するメカニズムは解明されていないが以下のように推測される。具体的には、軟磁性金属粒子3の表面の水酸基から反応が開始し、軟磁性フェライトの形成が始まるものと推測される。
このようにして、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を製造することができる。この軟磁性金属粒子3をプレス成形し、焼鈍することによって、軟磁性フェライト部7を備えた圧粉磁心1が製造される。
上述の軟磁性フェライト部7の厚みは、次のようにして制御できる。すなわち、軟磁性金属粒子3の表面に形成する軟磁性フェライトの量を反応時間により制御し、このように軟磁性フェライトの量が制御された軟磁性金属粒子3から圧粉磁心1を製造することで、圧粉磁心1に含まれる軟磁性フェライト部7の厚みが制御される。軟磁性金属粒子3の表面に軟磁性フェライトを形成する反応時間は、好ましくは、1分以上60分以下であり、より好ましくは1分以上25分以下である。使用する軟磁性金属粒子3の組成によって反応速度が異なるため、反応時間は軟磁性金属粒子3の種類に応じて適宜変更すればよい。
(3.6)軟磁性フェライト部7に含有される成分
軟磁性フェライト部7に、酸化ケイ素が含有されていてもよい。この酸化ケイ素は、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素(ソーダガラス)であることが好ましい。酸化ナトリウム含有酸化ケイ素とすることで、ガラスの融点が低くなり、焼鈍の際に融解、再結晶化することで軟磁性金属粒子間の結着性を向上させるため、圧粉磁心1の強度向上に大きく貢献するからである。
酸化ナトリウム含有酸化ケイ素は以下の化学式で表記される。酸化ナトリウム含有酸化ケイ素は、軟磁性フェライトを被覆した軟磁性金属粒子3において、軟磁性フェライトよりも外側の最外層を被覆する態様とすることができる。この場合には、複数の軟磁性金属粒子3からなる粉体をプレス成形し、焼鈍することによって、軟磁性フェライト部7内に、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素が含まれることとなり、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素は、軟磁性金属粒子3同士を結着する効果を奏する。すなわち、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を含んだ軟磁性フェライト部7は、粒界として機能して、圧粉磁心1の強度向上に大きく寄与する。
ここで以下の化学式中のnは2以上4以下が好ましい。nが2未満の場合、酸化ナトリウムの割合が多くなり耐水性や耐腐食性の低下するおそれがあり、他方、nが4よりも大きい場合、酸化ケイ素成分が多くなり、低融点とならない。すなわち、nを2以上4以下とすることで、耐水性や耐腐食性を保ちつつ、軟磁性金属粒子3同士を効果的に結着できる。

NaO・nSiO

軟磁性フェライト部7の中に、酸化ケイ素を含有させるための方法は、特に限定されない。例えば、軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子3を、更に酸化ケイ素で被覆し、このような軟磁性金属粒子3からなる粉体をプレス成形し、焼鈍することによって、軟磁性フェライト部7の中に、酸化ケイ素を含有することができる。
酸化ケイ素で被覆する場合は、粉末状の酸化ケイ素を用いてもよい。または、酸化ケイ素を液体中に分散させた分散液を用いてもよい。この場合の液体の種類は問わない。液体の種類は、作業のしやすさや乾燥時間などを考慮して決めればよい。
軟磁性フェライト部7における酸化ケイ素の含有量は、特に限定されない。軟磁性フェライト部7全体を100質量部とした場合に、酸化ケイ素の含有量は、好ましくは0.01質量部~10質量部であり、より好ましくは0.01質量部~5質量部である。含有量が0.01質量部未満の場合、結着性が不十分であり、10質量部よりも大きい場合は非磁性の物質を大量に含むこととなり、磁束密度や複素透磁率の低下を招いてしまう。すなわち、含有量を上記範囲内とすることで、結着性を担保しつつ、実用的な磁束密度及び複素透磁率を確保することができる。
なお、酸化ケイ素が軟磁性フェライト部7中に存在していることが好ましい理由は、既述の通り、酸化ケイ素を含有する軟磁性フェライト部7が粒界として機能すると、圧粉磁心1の強度に大きく寄与するからである。
2.圧粉磁心1の製造方法
(1)プレス成形
圧粉磁心1の形状を作るためには、通常、プレス成形が用いられる。プレス成形の際の成形圧は500MPa~2000MPaが好ましく、高密度の成形体を得るためには高圧でプレスした方がよい。また、プレス成形時に50℃~200℃の範囲で金型を加熱してもよい。金型を加熱することで軟磁性金属粒子3が塑性変形しやすくなり、高密度の成形体を得る事ができる。他方、200℃を超える温度でのプレス成形は、軟磁性金属粒子3の酸化が問題となりあまり好ましくない。
(2)焼鈍
上記で得られた成形体について、プレス成形の際に加えられた歪みを開放するため、焼鈍することが好ましい。焼鈍温度は、500℃以上であることが好ましい。また、焼鈍雰囲気は、アルゴンや窒素等の不活性雰囲気や、水素等の還元雰囲気が好ましく、真空中で焼鈍してもよい。焼鈍の条件は、使用する軟磁性金属粒子3や軟磁性フェライトの種類によって適宜変更される。
3.圧粉磁心1の充填率
本実施形態の圧粉磁心1の充填率は、特に限定されない。圧粉磁心1の充填率は、90%以上99%以下であることが好ましく、95%以上99%以下であることがより好ましく、97%以上99%以下であることが更に好ましい。充填率がこの範囲内の場合には、高い飽和磁束密度、及び高い複素透磁率を担保することができる。
なお、圧粉磁心1の充填率の計算方法は次の通りである。圧粉磁心1のサイズと重量から密度を算出し、試料密度とする。使用した材料の真密度を算出する。そして、次式から充填率を計算する。

充填率=試料密度÷真密度×100 …式(4)
4.本実施形態の圧粉磁心1の作用効果
本実施形態の圧粉磁心1によれば、強磁性体である軟磁性フェライト部7が、厚みに関する特定条件を満たし、絶縁膜としても十分に機能するため、渦電流を抑制し、かつ高い飽和磁束密度と複素透磁率を示す。更に、厚みの測定値である各Tn(nは1~20までの整数)が、いずれも上記式(1)を満たすことによって、次の効果が得られる。すなわち、軟磁性フェライト部7の厚みが薄すぎないから、渦電流の抑制効果を十分得ることができ、しかも、厚みが厚すぎないから、ヒステリシス損を増加させることもない。
本実施形態の圧粉磁心1では、次の条件〔1〕及び〔2〕をいずれも満たす部分が少なくとも1カ所存在しているから、粒子間渦電流を抑制できる。
〔1〕第1番~第10番の各軟磁性金属粒子41,42,43,44,45,46,47,48,49,50は、相互に接触していない。
〔2〕第1番~第10番の各軟磁性金属粒子41,42,43,44,45,46,47,48,49,50間は、軟磁性フェライト部7で埋められた状態とされている。
また、圧粉磁心1の表面の80%以上に、軟磁性フェライト部7が露出している場合には、粒子間渦電流の抑制効果が顕著に発揮される。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.圧粉磁心の作製
まず、ここで、実施例1~4及び比較例1~4における各種要件の充足状況について、表1にまとめて記載する。
なお、下記表1において、「金属酸化物層の有無」の欄では、軟磁性金属粒子3の表面に金属酸化物層5が形成されている場合を「○」と記載している。
「軟磁性フェライト部の有無」の欄では、圧粉磁心1に軟磁性フェライト部7が存在する場合を「○」と記載している。
「ソーダガラスの有無」の欄では、軟磁性フェライト部7に、ソーダガラスが含有されている場合を「○」と記載している。
「Taの条件、及びTn/Taの条件の充足性」の欄では、上述の(3.2)で説明した平均厚みTaが50nm~300nmである条件、及び式(1)の条件のいずれも満たす場合を「○」と記載し、それ以外の場合を「×」と記載している。
「軟磁性フェライト部が介在する特徴的な断面構造の有無」の欄では、上記の(3.3)で説明した特徴的な断面構造を有する場合を「○」と記載し、それ以外の場合を「×」と記載している。
Figure 0007133381000001
(1)実施例1
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-5.5質量%Si-4.0質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は25分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、実施例1に係る圧粉磁心1とした。
(2)実施例2
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-5.5質量%Si-4.0質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は10分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、実施例2に係る圧粉磁心1とした。
(3)実施例3
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-5.5質量%Si-4.0質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は5分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、実施例3に係る圧粉磁心1とした。
(4)実施例4
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-3.0質量%Si-6.5質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は25分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、実施例4に係る圧粉磁心1とした。
(5)比較例1
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-3.0質量%Si-6.5質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は5分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、比較例1に係る圧粉磁心1とした。
(6)比較例2
軟磁性金属粒子3(原料磁性金属粉末)には、水アトマイズ法によって作製したFe-3.5質量%Si-4.5質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。この軟磁性金属粒子3の表面には、酸化クロム層(金属酸化物層5)が形成されていた。
軟磁性金属粒子3 10gを100mlの酢酸カリウム水溶液に分散させ、水酸化カリウムによってpH=11に調整した。また、純水100mlに所定量の塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化鉄(II)を添加し、十分に溶解させた後、反応液とした。このとき各金属イオンのモル比はNi:Zn:Fe=0.2:0.3:2.5とした。同様に純水100mlに酸化剤として亜硝酸カリウムを加えて酸化液とした。得られためっき溶液(軟磁性金属粒子3が分散された溶液)に窒素を流しながら、70℃に加熱し、超音波を印加しながら、反応液と酸化液を滴下してフェライト膜を形成させた。反応は5分間行い、金属-フェライト複合粉末は純粋で洗浄した後、磁石にて回収した。この後、粉末を乾燥させ粉砕と篩通しを行って、軟磁性フェライトにより被覆された軟磁性金属粒子3を得た。
得られた軟磁性金属粒子3に0.3wt%の割合で、水に分散させた酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を添加し、ボルテックスミキサーで10分間混合した。この後、粉末を乾燥させ、粉砕と篩通しを行った後、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を最外層に被覆した軟磁性金属粒子3を得た。
成形は得られた軟磁性金属粒子3を、金型に充填し、1600MPaの圧力でトロイダル形状(外径:8mm, 内径:4.5mm, 高さ:3mm)にプレス成形を行った。得られたプレス体を、Ar雰囲気下にて700℃15分の熱処理を行い、比較例2に係る圧粉磁心1とした。
2.評価及びその結果
(1)軟磁性金属粒子の形状観察
次の各軟磁性金属粒子についてFE-SEMを用いた形状観察を行った。ここでは、軟磁性金属粒子の表面を観察して、軟磁性フェライトの被覆状態を確認した。

・実施例1:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子

・実施例2:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子

・実施例3:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子

・実施例4:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子

・比較例1:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子

・比較例2:軟磁性フェライトで被覆された軟磁性金属粒子であって、酸化ナトリウム含有酸化ケイ素で被覆する前の軟磁性金属粒子
図5は、実施例1の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
図6は、実施例2の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
図7は、実施例3の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
図8は、実施例4の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
図9は、比較例1の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
図10は、比較例2の軟磁性金属粒子の表面観察像を示している。倍率は30000倍である。表面に軟磁性フェライトが形成されていることが確認された。
(2)圧粉磁心の観察
焼鈍後の圧粉磁心の断面観察を行った。圧粉磁心をダイシング装置(切断装置)を用いて半分に切断し、エポキシ樹脂中で硬化させ、ダイシング切断面を鏡面加工することによって評価サンプルを得た。評価サンプルをFE-SEMにより観察した。なお、圧粉磁心の全ての表面から1mmより深い場所を反射電子像にて観察した。
圧粉磁心の断面の観察像を図11~16に示す。
実施例1~4(図11~14)において、粒子として観察されているのが、軟磁性金属粒子であり、粒子間を区切るように線状に観察されている部分が軟磁性フェライト部である。なお、図中、比較的大きく観察されている黒い部分Bは空洞(ボイド)である。但し、図中の代表的な空洞についてのみ符号Bを付しており、全ての空洞に符号Bを付していない。
実施例1~4(図11~14)では、軟磁性金属粒子は、それぞれ個々に軟磁性フェライト部によって分割されており、焼鈍後も軟磁性フェライト部が絶縁膜として機能していることが分かる。一方、比較例1~2(図15~16)では、軟磁性金属粒子同士が接触しており、粒子間渦電流を抑制することが困難であることが分かる。
次に、圧粉磁心の断面をFE-SEMにて観察した観察像から、「(3.2)軟磁性フェライト部7の厚み」の欄に記載した方法を用いて、平均厚みTa、Tn/Taを求めた。表2に結果を示す。
Figure 0007133381000002
表2の結果から、実施例1~4では、平均厚みTaは、50nm~300nmであり、Tn/Taは、上記式(1)を満たしていることが分かった。
これに対して、比較例1~2は、平均厚みTaが50nm未満と非常に薄いことが分かった。
よって、この結果からも、実施例1~4では、軟磁性金属粒子は、それぞれ個々に軟磁性フェライト部によって分割されており、焼鈍後も軟磁性フェライト部が絶縁膜として機能することが支持される。一方、比較例1~2では、軟磁性金属粒子同士が接触しており、粒子間渦電流を抑制することが困難であることが分かる。
(3)圧粉磁心の電気抵抗率
実施例1~4、及び比較例1~2で作製した圧粉磁心について、電気抵抗率を4端子法にて求めた。測定には、三菱ケミカルアナリテック製ロレスターGXを使用した。
結果を表3に示す。表3の結果から、軟磁性フェライト部の平均厚みTaが50nm~300nmであり、Tn/Taが上記式(1)を満たしている場合には、圧粉磁心の電気抵抗率が大きく向上していることがわかる。
Figure 0007133381000003
(4)圧粉磁心の充填率
圧粉磁心の充填率を上述の式(4)を用いて計算した。結果を表4に示す。いずれの圧粉磁心も充填率は90%前後であった。
Figure 0007133381000004
(5)圧粉磁心のヒステリシス曲線
実施例1~4、及び比較例1で作製した圧粉磁心のBHヒステリシス曲線を図17~18に示す。図18は、図17の四角で囲まれた部分を拡大したものである。なお、ここでは、振動試料磁力計(VSM)によって飽和磁束密度を測定している。
また、BHヒステリシス曲線から求めた飽和磁束密度の値を表5に示す。
Figure 0007133381000005


BHヒステリシス曲線からは様々な情報を得ることができる。図17~18のBHヒステリシス曲線から、以下のことが確認された。
磁束密度の最大値である飽和磁束密度は、磁性体の磁化できる最大値を示しており、この値が大きい方が小型化や大電流化に対応することができるため有利である。図17~18及び表5より、実施例1~4は、比較例1と同様に1.4T以上の飽和磁束密度を有しているため実用性が高いことが確認された。
また、BHヒステリシス曲線の傾きは磁化のしやすさを表している。この値が大きい方が容易に磁化できることを表しており、実用性が高い。図17~18より、実施例1~4は、比較例1と同様に容易に磁化できることが確認された。
また、BHヒステリシス曲線から、実施例1~4では、保持力が0に近いことが確認された。
以上より、実施例1~4は、圧粉磁心としての基本性能を有していることが確認できた。
(6)複素透磁率特性
複素透磁率の測定は、アジレントテクノロジー製インピーダンスアナライザE-4991Aを使用し、周波数1MHz~1GHzの範囲で測定した。結果を図19に示す。図19は、熱処理後(700℃15分熱処理)の圧粉磁心の複素透磁率の実数成分を示している。
実施例1~4では、50MHz付近まで高い透磁率を維持する結果を示していることが分かる。一方、比較例1~2では、1MHz以降、複素透磁率の実数成分が大きく低下している。比較例1~2では、軟磁性フェライト部が平均厚みTaが50nm未満であるため、渦電流を抑制することができず、高周波数になるほど、大きな磁気損失を発生させてしまう。そのため、複素透磁率の低下を抑えることができないと考察された。
(7)鉄損値の周波数特性
トロイダル状の圧粉磁心に、Φ0.3mmのエナメル導線を、1次側に15巻し、2次側に15巻して、コイルとした。測定は、岩通計測製 B-Hアナライザ SY-8218を使用し、磁束密度Bm=50mT 周波数:100kHzの条件で行った。
図20に、実施例1~4、及び比較例1~2で得られた圧粉磁心の鉄損値の周波数特性を示す。
実施例1~4では、軟磁性フェライト部による渦電流抑制効果により、鉄損が大きく抑制されていることが分かる。一方、比較例1~2では、実施例1~4に比べて鉄損値は数倍大きい。
3.実施例の効果
本実施例の圧粉磁心は、圧粉磁心としての基本性能を有する。また、本実施例の圧粉磁心は、渦電流を抑制し、かつ高い飽和磁束密度と複素透磁率を示す。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本発明の圧粉磁心は、モーターコア、トランス、チョークコイル、ノイズ吸収体等の用途に特に好適に使用される。
1 …圧粉磁心
3 …軟磁性金属粒子
5 …金属酸化物層
7 …軟磁性フェライト部
C1…仮想円
C2…仮想円
L …垂直二等分線
O1…交点
O2…交点

Claims (4)

  1. Si:0.1~10質量%、Cr:0.1~4.0質量%、残部:Fe及び不可避的不純物の組成のFe-Si-Cr合金からなる軟磁性金属粒子であって、表面に金属酸化物層が形成された軟磁性金属粒子が複数含有され、
    一の軟磁性金属粒子と他の軟磁性金属粒子との間の粒界には、軟磁性フェライト部が形成されている圧粉磁心であって、
    前記軟磁性フェライト部は、軟磁性フェライトおよび酸化ナトリウム含有酸化ケイ素を含有し、
    前記圧粉磁心の断面構造のうち、前記圧粉磁心の全ての表面から1mmより深い場所をSEMの反射電子像にて観察した際に、前記粒界に前記軟磁性フェライト部がH字状に配されている場所において、H字を構成する2本の縦線と1本の横線とが交差する2つの交点同士を直線で結んで、この直線の垂直二等分線を描いたときに、前記垂直二等分線が前記軟磁性フェライト部を横断する場所における横断幅を前記軟磁性フェライト部の厚みTnと定義し、
    前記軟磁性フェライト部の厚みを20カ所測定してTn(nは1~20までの整数)をそれぞれ求め、Tn(nは1~20までの整数)の平均である平均厚みTaを算出した場合に、
    前記平均厚みTaは、70nm~200nmであり、
    各Tn(nは1~20までの整数)は、いずれも下記式(1)を満たし、
    前記圧粉磁心の電気抵抗率は14.17(Ω・cm)以上であることを特徴とする圧粉磁心。

    0.4≦Tn/Ta≦2.3 …式(1)
  2. 前記圧粉磁心の断面構造のうち、前記圧粉磁心の全ての表面から1mmより深い場所をSEMの反射電子像にて観察した際に、
    1つの軟磁性金属粒子を第1番の軟磁性金属粒子と特定し、
    前記第1番の軟磁性金属粒子の周りに存在して、前記第1番の軟磁性金属粒子との距離が最も短い軟磁性金属粒子を第2番の軟磁性金属粒子とし、
    前記第1番の軟磁性金属粒子との距離が、前記第1番の軟磁性金属粒子と前記第2番の軟磁性金属粒子との距離の次に短い軟磁性金属粒子を第3番の軟磁性金属粒子とし、
    同様にして短い順に、第4番~第10番の軟磁性金属粒子と特定した場合に、
    前記第1番~前記第10番の各軟磁性金属粒子は、相互に接触しておらず、
    前記第1番~前記第10番の各軟磁性金属粒子間は、前記軟磁性フェライト部で埋められた状態とされている部分が存在していることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心。
  3. 前記圧粉磁心の表面の80%以上には、前記軟磁性フェライト部が露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧粉磁心。
  4. 充填率が90%以上99%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の圧粉磁心。
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