JP2015026749A - 軟磁性粉末、圧粉磁心および軟磁性合金 - Google Patents

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Abstract

【課題】高磁気特性と低損失を高次元で両立できる圧粉磁心が得られる軟磁性粉末を提供する。
【解決手段】本発明の軟磁性粉末は、SiおよびAlを含む鉄合金からなり、鉄合金は全体を100質量%としたときに、Si:4.5〜7.5%と、Al:2.5〜5.5%と、SiとAlの合計:10%以下と、残部:Feと、からなることを特徴とする。このような特定範囲内の合金組成からなる軟磁性粉末は、例えば、飽和磁化が高く、保磁力が低く、最大磁束密度が大きく鉄損(ヒステリシス損失および渦電流損)が小さい圧粉磁心が得られ易い。さらに本発明の軟磁性粉末の平均アスペクト比が6以下である場合、圧粉磁心の損失をより低減することが可能となる。本発明に係る圧粉磁心は、例えば、電気自動車やハイブリッド車等に搭載される変圧用リアクトル等に好適である。
【選択図】図2

Description

本発明は、高磁気特性で低損失な圧粉磁心等を得ることができる軟磁性粉末、その圧粉磁心および軟磁性合金に関する。
変圧器(トランス)、電動機(モータ)、発電機、スピーカ、誘導加熱器、各種アクチュエータ等、我々の周囲には電磁気を利用した製品が多々ある。これらの製品は交番磁界を利用したものが多く、通常、磁心(軟磁石)をその交番磁界中に設けている。
磁心は、交番磁界中において高磁気特性を発揮すると共に、交番磁界中で使用される際に高周波損失(以下、磁心の材質に拘らず単に「鉄損」という。)が少ないことが求められる。鉄損には、渦電流損失、ヒステリシス損失および残留損失があるが、特に交番磁界の周波数に応じて高くなる渦電流損失やヒステリシス損失の低減が強く求められている。
このような観点から、絶縁被覆された軟磁性粒子(絶縁被覆粒子)からなる磁心用粉末を加圧成形等してなる圧粉磁心の開発、研究が行われている。絶縁被膜については酸化被膜、樹脂被膜、ガラス被膜等からなる他種多様な被膜が提案されており、軟磁性粒子については純鉄粉の他に、Fe−Si系合金、Fe−Al系合金、Fe−Si−Al系合金等からなる他種多様な軟磁性粉末が提案されている。例えば、軟磁性粉末を構成するFe−Si−Al系合金の一つとして、透磁率および電気抵抗値(単に抵抗値という。)が高いセンダスト合金(Fe−9.5%Si−5.5%Al/単位:質量%)が有名であり、これに関連した記載が下記の特許文献1にある。この他、下記の特許文献2〜6にも、Fe−Si−Al系合金からなる軟磁性粉末に関する記載がある。
特許第120006号公報 特開平11−189803号公報 特開2002−299113号公報 特開2003−347113号公報 特開2005−209753号公報 特開2006−114695号公報
もっとも、これまで提案されてきたFe−Si−Al系合金からなる軟磁性粉末は、圧粉磁心のさらなる高性能化を図る上で必ずしも特性が十分ではなく改善の余地があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも高特性なFe−Si−Al系合金からなる軟磁性粉末と、その軟磁性合金およびその軟磁性粉末を用いた圧粉磁心を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、Fe−Si−Al系合金のSi量とAl量を従来と異なる特定範囲内とすることにより、高飽和磁化で低保磁力な軟磁性粉末が得られることを新たに発見した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《軟磁性粉末》
(1)本発明の軟磁性粉末は、SiおよびAlを含む鉄合金からなる軟磁性粉末であって、前記鉄合金は、全体を100質量%(単に「%」で表す。)としたときに、Si:4.5〜7.5%と、Al:2.5〜5.5%と、SiとAlの合計:10%以下と、残部:Feと、からなることを特徴とする。
(2)本発明の軟磁性粉末は、Si量およびAl量が上記のような限定された特定範囲内にあるFe−Si−Al系合金からなり、従来のFe−Si−Al系合金からなる軟磁性粉末では到達し得なかった優れた磁気特性を発揮する。例えば、本発明の軟磁性粉末は、高飽和磁化と低保磁力を高次元で両立させ得る。勿論、本発明の軟磁性粉末は、相応なSiおよびAlを含有することから、電気抵抗値(単に抵抗値または抵抗という。)も十分に大きく、磁気特性のみならず電気特定に優れる。
このような本発明の軟磁性粉末を用いると、高磁気特性(高飽和磁化、高透磁率等)で低損失(低ヒステリシス損、低渦電流損等)な圧粉磁心の製造が可能となり、圧粉磁心の高性能化、小型化、軽量化等をさらに図ることも可能となる。
《その他》
(1)本発明の軟磁性粉末は、純鉄粉等よりも高抵抗であるため、そのまま圧粉磁心の原料粉末として用いることができる。もっとも本発明の軟磁性粉末でも、酸化被膜、樹脂被膜、ガラス被膜等の絶縁被膜を粒子表面に形成する絶縁被覆処理がなされるとより好ましい。そこで本発明は、単に軟磁性粉末としてのみならず、軟磁性粉末に絶縁被覆処理を施した磁心用粉末として把握することもできる。このような磁心用粉末を用いれば、体積比抵抗値(単に「比抵抗」という。)が大きく、より低損失(特に渦電流損)な圧粉磁心を得ることができる。
また本発明は、軟磁性粉末または磁心用粉末としてのみならず、それらを用いた圧粉磁心としても把握できる。さらに本発明は、軟磁性粉末等や圧粉磁心に限らず、上述した組成を有する軟磁性合金自体としても把握できる。このような軟磁性合金には、粉末の他、例えば薄膜、電磁鋼板等が含まれる。
なお、本発明でいう軟磁性粉末や軟磁性合金は、その組織を問わず、結晶質でも非晶質でもよい。また本発明の軟磁性粉末は、粒径(粒度)や粒子形状等の形態を問わず、その用途も圧粉磁心には限らない。本発明の軟磁性粉末または軟磁性合金は、その用途や製品の仕様等に応じて適宜、組織や形態等が調整され得る。
(2)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。また本明細書に記載した種々の数値や数値範囲内に含まれる数値を任意に組み合わせて「a〜b」のような新たな数値範囲を構成し得る。
各軟磁性粉末(軟磁性粒子)に係る保磁力と飽和磁化の関係を示す分散図である。 各軟磁性粉末に係るSi量とAl量の関係を示す分散図である。
発明の実施形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。上述した本発明の構成に本明細書中から任意に選択した一つまたは二つ以上の構成を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明に係る軟磁性粉末のみならず、それを用いた磁心用粉末や圧粉磁心、さらには軟磁性合金にも適用され得る。なお、製造方法に関する構成は、プロダクトバイプロセスとして理解すれば物に関する構成ともなり得る。いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なる。
《合金組成》
本発明の軟磁性粉末を構成する鉄合金(軟磁性合金を含む。以下同様)は、前述したように、SiおよびAlの含有量が特定範囲内となるFe−Si−Al系合金からなる。Siは粉末粒子の電気抵抗率を高め、圧粉磁心の渦電流損の低減に有効な元素である。Alも粉末粒子の電気抵抗率を高めて圧粉磁心の渦電流損の低減に有効な元素であるが、過多になると磁歪が大きくなり得る。
Siは4.5〜7.5%が好ましく、7%以下、6.5%以下さらには6%以下であるとより好ましい。Alは2.5〜5.5%が好ましく、さらには3.5%以上であるとより好ましい。Siおよび/またはAlが過多になると、飽和磁化が低下するため、SiとAlの合計は10%以下、9.5%以下さらには9%以下であると好ましい。一方、Siおよび/またはAlが過少になると、保磁力の増加または抵抗の低下を招くため、SiとAlの合計は8%以上(特に8%超)さらには8.5%以上であると好ましい。
なお、本発明に係る鉄合金は、SiおよびAl以外の主たる残部がFeであるが、Fe以外の残部として不可避不純物を当然に含有し得る。また本発明に係る鉄合金は、その磁気特性、電気特定、生産性(成形性)等を改善し得る改質元素を一種以上含有してもよい。このような改質元素として、例えば、Ni、Co、Sn、Ti、Mn等が考えられる。通常、改質元素量は微量であり、その合計量は1%以下さらには0.5%以下であると好ましい。本明細書でいう成分組成は、特に断らない限り、軟磁性粉末または軟磁性合金の全体を100質量%としたときの割合である。
《軟磁性粉末》
軟磁性粉末は、その製法を問わず、アトマイズ粉でも粉砕粉でもよい。アトマイズ粉は、水アトマイズ粉、ガスアトマイズ粉、ガス水アトマイズ粉のいずれでもよい。球状または擬球状をした粒子からなるアトマイズ粉を用いると、粒子相互間の攻撃性が低くなり、圧粉磁心の比抵抗値の低下等を抑制し得る。
軟磁性粒子の粒径(粒度)は問わないが、通常、10〜300μmさらには50〜250μmであると好ましい。粒径が過大になると圧粉磁心の渦電流損失が増加し、粒径が過小になると圧粉磁心のヒステリシス損失が増加等して好ましくない。なお、本明細書でいう粉末の粒径は、所定のメッシュサイズの篩いを用いて分級する篩い分法で定まる粒度により規定される。
ところで本発明の軟磁性粉末は、平均アスペクト比が1に近いと、粉末粒子の形状は球状に近くなり、軟磁性粉末を加圧成形した際に接触する粒子相互間における攻撃性が低下する。逆に、平均アスペクト比が大きいと、歪な形状の粒子が多くなり、軟磁性粉末を加圧成形した際に接触する粒子相互間における攻撃性が増加する。従って、平均アスペクト比が大きくなると、粒子に大きな歪みや応力が印加されて保磁力が増加したり、各粒子表面に形成されていた絶縁皮膜が破壊され易くなり、圧粉磁心の損失(ヒステリシス損失や渦電流損)が増加し易くなる。但し、本発明の軟磁性粉末の場合、その平均アスペクト比が6以下さらには2〜4になると、圧粉磁心のさらなる低損失化を図ることが可能となり得る。これは、平均アスペクト比が1よりも多少大きくなることにより、長径方向に磁化容易軸方向が揃った粉末粒子が増加し、圧粉磁心のヒステリシス損失が結果的に低下したためと考えられる。勿論、平均アスペクト比が過大になると、上述したように、強加工に伴う歪みや絶縁破壊によって鉄損が増加してしまう。このような兼ね合いにより、上述したような平均アスペクト比内で、圧粉磁心の損失が極小傾向を示すようになったと考えられる。このような傾向は、圧粉磁心の密度比が90%以上となる粉末成形を行うときに顕著である。
このような傾向は、例えば、本発明の圧粉磁心を周波数:0.5〜50kHzの交番磁界(磁束密度:0.01〜0.5T)中で用いる場合に特に有効である。
なお、本明細書でいう平均アスペクト比とは、粉末粒子の最大径(長径)と最小径(短径)との比(アスペクト比)の平均値である。この平均値は、粉末粒子を光学顕微鏡またはSEMにより観察し、特定の視野内にある実際の粒子寸法を複数個(例えば10個)測定し、その寸法の相加平均により特定される。
《圧粉磁心の製造方法》
本発明の圧粉磁心は、例えば、粉末(軟磁性粉末または磁心用粉末)を加圧成形して成形体とする成形工程と、その成形体を焼鈍する焼鈍工程を適宜行うことにより得られる。
(1)成形工程
成形工程の成形圧力は問わないが、高圧成形するほど高密度で高磁束密度の圧粉磁心が得られる。このような高圧成形方法として、金型潤滑温間高圧成形法がある。金型潤滑温間高圧成形法は、高級脂肪酸系潤滑剤を内面に塗布した金型へ粉末を充填する充填工程と、粉末と金型の内面との間に、高級脂肪酸系潤滑剤とは別の金属石鹸被膜が生成される成形温度および成形圧力で加圧成形する温間高圧成形工程とからなる。
ここで「温間」とは、絶縁被膜(または絶縁層)への影響や高級脂肪酸系潤滑剤の変質などを考慮して、例えば、成形温度を70℃〜200℃さらには100〜180℃とすることをいう。この金型潤滑温間高圧成形法の詳細については、日本特許公報特許3309970号公報、日本特許4024705号公報など多くの公報に詳細が記載されている。この金型潤滑温間高圧成形法によれば、金型寿命を延しつつも超高圧成形が可能となり、高密度な圧粉磁心を容易に得ることが可能となる。
(2)焼鈍工程
焼鈍工程は、成形体中の残留歪みや残留応力の除去を目的としてなされ、これにより圧粉磁心の保磁力やヒステリシス損失の低減が図られる。焼鈍温度は、軟磁性粉末の組成等に応じて適宜選択し得るが、例えば、500〜900℃さらには600〜800℃とすると好ましい。加熱時間は、例えば0.1〜5時間さらには0.5〜2時間として、加熱雰囲気は不活性雰囲気とすると好ましい。
《その他》
(1)軟磁性粉末の特性
本発明の軟磁性粉末は、その具体的な特性を問わないが、例えば、飽和磁化(質量磁化)が150emu/g以上、155emu/g以上さらには160emu/g以上であると好ましい。また保磁力は1.5Oe以下さらには1Oe以下であると好ましい。
(2)圧粉磁心の特性
本発明の圧粉磁心は、その具体的な特性を問わないが、例えば、密度が5.8〜6.5g/cmさらには6.1〜6.4g/cmであると好ましい。真密度(ρ)に対する嵩密度(ρ)の比である密度比(ρ/ρ)でいえば、その密度比が90%以上、95%以上さらには98%以上であると、より高磁気特性の圧粉磁心が得られて好ましい。
圧粉磁心の最大磁束密度(Bmax)は、1.1T以上さらには1.2T以上であると好ましい。圧粉磁心の損失(鉄損)は、例えば、周波数30kHzの交番磁界(磁束密度0.1T)中において、480kW/m以下、450kW/m以下さらには400kW/m以下であると好ましい。
(3)用途
本発明の圧粉磁心は、その形態を問わず、各種の電磁機器、例えば、リアクトル、モータ、アクチュエータ、トランス、誘導加熱器(IH)、スピーカ等に利用され得る。具体的には、ハイブリッド車や電気自動車等に搭載される変圧用リアクトルや駆動用モータの鉄心(ヨークを含む)等に本発明の圧粉磁心は好適である。特に本発明の圧粉磁心は、1〜50kHzらには5〜30kHzといった低中周波数域で使用されるリアクトル等に好適である。いずれにしても本発明の圧粉磁心を用いれば、機器の高性能化、省エネルギー化、小型化等を図りつつ、必要な重畳特性やインダクタンス等を得ることが可能となる。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
《磁心用粉末》
(1)軟磁性粉末
表1に示す合金組成を有する鉄合金(軟磁性合金)からなるガス水アトマイズ粉を用意した。これらの粉末を所定のメッシュサイズの篩いにより分級し、粒度を106〜212μmに調整した。こうして合金組成が異なる複数種の軟磁性粉末(原料粉末)を得た。
表1に示すいずれの軟磁性粉末も平均アスペクト比は1〜2とした。但し、合金組成がFe−5%Si−5%Al(試料1相当)またはFe−5%Si−4%Al(試料2相当)の軟磁性粉末については、表2に示すように平均アスペクト比が異なるものも用意した。平均アスペクト比の特定は前述した通りである。平均アスペクト比が異なる軟磁性粉末は、遊星ボールミルの運転条件を調整して原料粉末を加工し、その後の熱処理により歪みを除去して用意した。
(2)絶縁被覆処理
上記の各軟磁性粉末に対して絶縁被覆処理を行い、表面が絶縁層で被覆された軟磁性粒子からなる磁心用粉末を調製した。絶縁被覆処理は、具体的にいうと、市販のシリコーンレジンを有機溶媒に溶解後、軟磁性粉末100重量部に対してシリコーンレジン0.5重量部の割合で混合し、一定温度下で溶媒を除去しながら、粉末試料の流動性が確保されるまで撹拌混合して行った。
《圧粉磁心》
上述の磁心用粉末を用いて、金型潤滑温間高圧成形法により、リング状(外径:φ39mm、内径:φ30mm、高さ:4〜5mm)の成形体を得た。この際、内部潤滑剤や樹脂バインダー等は一切使用しなかった。具体的には次のようにして各磁心用粉末を成形した。
所望形状に応じたキャビティを有する超硬製の金型を用意した。この金型をバンドヒータで予め130℃に加熱しておいた。また、この金型の内周面には、予めTiNコート処理を施し、その表面粗さを0.4Zとした。
加熱した金型の内周面に、ステアリン酸リチウム(1%)の水分散液をスプレーガンにて10cm/分程度の割合で均一に塗布した。なお、この水分散液は、水に界面活性剤と消泡剤とを添加したものである。その他の詳細は、日本特許公報特許3309970号公報、日本特許4024705号公報等に記載に沿って行った。
各磁心用粉末をステアリン酸リチウムが内面に塗布された金型へ充填し(充填工程)、金型を130℃に保持したまま1568MPaで温間成形した(成形工程)。なお、この温間成形時、いずれの成形体も金型とかじり等を生じることはなく、低い抜圧で金型からの取り出すことができた。
(2)焼鈍工程
得られた各成形体を加熱炉に入れ、750℃で1時間加熱した。この加熱処理は、窒素ガス雰囲気中で行った。こうして表1または表2に示す各種の圧粉磁心(試料)を得た。
《測定》
(1)軟磁性粉末
表1に示す各軟磁性粉末について飽和磁化(質量磁化)と保磁力を測定した。飽和磁化(Is)は振動試料型磁束計(VSM:東英工業株式会社製)により測定し、保磁力(Hc)はVSM装置に付属する低磁界ユニットにより、低磁場測定により測定した。こうして得られた各軟磁性粉末の飽和磁化と保磁力を表1に併せて示すと共に、図1にプロットした。
(2)圧粉磁心
圧粉磁心の密度は、採寸により求まる体積と質量に基づいて求めた。最大磁束密度(Bmax)は、80kA/mの条件下で直流磁気磁束計により測定した。圧粉磁心の損失(鉄損)はB−Hアナライザにより、圧粉磁心を30kHz、0.1Tの交番磁界中に置いたときの高周波損失(ヒステリシス損と渦電流損の和)を測定した。こうして得られた圧粉磁心の各特性を表1に併せて示した。
なお、平均アスペクト比が異なる軟磁性粉末(磁心用粉末)からなる圧粉磁心の損失(表2)は、B−Hアナライザにより、圧粉磁心を2kHz、0.1Tの交番磁界中に置いたときの高周波損失を測定したものである。こうして得られた各圧粉磁心の高周波損失を表2に示した。
《評価》
(1)表1および図1から明らかなように、合金組成が本発明に係る特定範囲内にある軟磁性粉末(試料1〜3)は、他の軟磁性粉末と異なり、高飽和磁化かつ低保磁力であることがわかる。そして、そのような軟磁性粉末(試料1〜3)を用いることにより、高磁気特性であると共に低損失(特に低ヒステリシス損失)の圧粉磁心が得られることも表1からわかる。より具体的にいえば、試料1〜3に係る圧粉磁心はいずれも、最大磁束密度が1.3T以上で、損失が420kW/m以下となっている。
(2)また表2から明らかなように、平均アスペクト比が本発明に係る特定範囲内にある軟磁性粉末を用いることにより、圧粉磁心の損失をさらに低減できることがわかる。すなわち、平均アスペクト比が6以下さらには2〜4となる軟磁性粉末を用いると、圧粉磁心の損失をより低減できる。
従って、本発明で規定した特定範囲内の合金組成(図2参照)、さらには平均アスペクト比を有する軟磁性粉末を用いることにより、高磁気特性で低損失な圧粉磁心が得られることがわかった。
Figure 2015026749
Figure 2015026749

Claims (5)

  1. SiおよびAlを含む鉄合金からなる軟磁性粉末であって、
    前記鉄合金は、全体を100質量%(単に「%」で表す。)としたときに、
    Si:4.5〜7.5%と、
    Al:2.5〜5.5%と、
    SiとAlの合計:10%以下と、
    残部:Feと、
    からなることを特徴とする軟磁性粉末。
  2. Si:6.5%以下である請求項1に記載の軟磁性粉末。
  3. 平均アスペクト比が6以下である軟磁性粒子からなる請求項1または2に記載の軟磁性粉末。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性粉末を用いたことを特徴とする圧粉磁心。
  5. 全体を100%としたときに、
    Si:4.5〜7.5%と、
    Al:2.5〜5.5%と、
    SiとAlの合計:10%以下と、
    残部:Feと、
    からなることを特徴とする軟磁性合金。
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